(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113370
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】自動運転車
(51)【国際特許分類】
B60W 30/08 20120101AFI20220728BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220728BHJP
B60R 21/0136 20060101ALI20220728BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20220728BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
B60W30/08
G08G1/16 C
B60R21/0136 320
B60W60/00
B60W30/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009580
(22)【出願日】2021-01-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】709005245
【氏名又は名称】山内 和博
(72)【発明者】
【氏名】山内 和博
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA11
3D241BA35
3D241BC01
3D241BC02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB20Z
3D241DC33Z
5H181AA01
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181LL08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自車が外部との衝突後、迅速かつ的確な事故対応を行わせる自動運転車を提供する。
【解決手段】運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が道路上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に移動させる制御部を有する。また、その際の映像、位置、時刻等を所定の送信先に送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が道路上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に移動させる制御部と、
を有する自動運転車。
【請求項2】
請求項1記載の自動運転車において、
更に、自車と周囲の物体との距離を検出する距離検出部を有し、
前記制御部は、自車が当該距離検出部による検出結果に基づいて移動するように制御する自動運転車。
【請求項3】
請求項1記載の自動運転車において、
更に、自車と周囲の物体との距離を検知する距離検出部を有し、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知した後、前記制御部が自車を移動させる場合、前記撮像部が撮像した上記人体の映像及び前記距離検出部による自車と上記人体との距離に基づいて移動させることを特徴とする自動運転車。
【請求項4】
請求項1記載の自動運転車において、
更に、前記撮像部が撮像した映像を送信する送信部を有し、
前記制御部は、前記撮像部が撮像した上記人体及び自車の停止後の移動経路を示す映像を所定の送信先に自動的に送信させる自動運転車。
【請求項5】
運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線を越えて移動させてかつ自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間の位置に停止させる制御部と、
を有する自動運転車。
【請求項6】
運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線に移動させてかつ自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間の位置に上記人体と所定の距離をとって停止させる制御部と、
を有する自動運転車。
【請求項7】
運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、
前記人体認識部が自車が走行する車線上の自車の前方に横たわる人体を認識した場合、自車を上記人体の手前に停止させ、
前記人体認識部が自車が走行する車線と反対の車線上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に停止させる制御部と、
を有する自動運転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に係り、特に、走行中に外部と接触した後に自動的に対応する自動運転車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の自動運転技術の開発が加速化し、その技術は、カーナビゲーション技術、高度な無線通信技術、AI技術等と結合し、人的操作が殆ど不要な水準に達している。特許文献1には、自動運転の自動車が異常を検出した場合に、その車両を安全に退避させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術は、自動運転車が自動走行中、道路前方に物体(オブジェクト)を発見し、その物体の種類、即ち、大人又は子供の人であるか、又は、建築物であるかを認識し、更に、その物体の位置及び移動速度を検出し、これらの情報によって、迂回して走行する場合に、自車とどれほどの距離を保って迂回するかを決定するものである。しかしながら、本技術は、自車と外部との衝突を前提としておらず、また、自車の先方の道路上の物体を迂回するものであり、事故後に人を救済することを目的とするものでもない。
【0005】
本発明の目的は、自らが乗車する自動運転車が自転車又は人と衝突した場合、その事故により道路上に倒れた人を安全かつ的確に保護することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の自動運転車においては、運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が道路上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に移動させる制御部と、を有する。
【0007】
この構成により、例えば、自車と人又は自転車に乗った人とが衝突し、その人が道路に横たわって動けない場合において、その人に向かってくる他車と再度衝突しないように、その人と他車との間に位置するように移動して停止することで、人身を保護することができるために、交通事故から人命を救うことができる。
【0008】
また、請求項2記載の本発明の自動運転車においては、更に、自車と周囲の物体との距離を検出する距離検出部を有し、上記制御部は、自車が当該距離検出部による検出結果に基づいて移動するように制御する。
【0009】
この構成により、自車との衝突後に道路上に横たわる人と再度衝突することなく、その人を接近する他車から防護する位置に自車を安全に移動させることができる。
【0010】
また、請求項3記載の本発明の自動運転車においては、更に、自車と周囲の物体との距離を検知する距離検出部を有し、上記衝突検知部が物体との衝突を検知した後、上記制御部が自車を移動させる場合、上記撮像部が撮像した上記人体の映像及び上記距離検出部による自車と上記人体との距離に基づいて移動させる。
【0011】
この構成により、自車との衝突後に道路上に横たわる人と再度衝突することなく、その人を他車から防護する位置に自車を安全にかつ的確に移動させることができる。
【0012】
また、請求項4記載の本発明の自動運転車においては、更に、上記撮像部が撮像した映像を送信する送信部を有し、
上記制御部は、上記撮像部が撮像した上記人体及び自車の停止後の移動経路を示す映像を所定の送信先に自動的に送信させる。
【0013】
この構成により、自車と人との衝突状況及び自車がその人と再度衝突することなく移動し、かつ、現在、自車がその人を防護するように停止していることを映像において連絡することができるために、連絡を受けた側は、上記状況における迅速かつ的確な対処が可能となる。
【0014】
また、請求項5記載の本発明の自動運転車においては、運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線を越えて移動させてかつ自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間の位置に停止させる制御部と、
を有する。
【0015】
この構成により、例えば、自車と人又は自転車に乗った人とが衝突し、その人が道路に横たわって動けない場合において、その人に向かってくる他車と再度衝突しないように、自車がその人と他車との間に位置するように移動する場合、撮像部及び距離検出部の撮像された映像及び検出された距離に基づいて、自車とその人とが再度衝突しないように安全にかつ的確に移動することができるために、自車との再度の衝突を確実に防ぎ、かつ、その人を他車との衝突事故から救うことができる。
【0016】
また、請求項6記載の本発明の自動運転車においては、運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線に移動させてかつ自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間の位置に上記人体と所定の距離をとって停止させる制御部と、を有する。
【0017】
この構成により、例えば、自車と人又は自転車に乗った人とが衝突し、その人が道路に横たわって動けない場合において、その人に向かってくる他車と再度衝突しないように、自車がその人と他車との間に位置するように移動する場合、撮像部及び距離検出部の撮像された映像及び検出された距離に基づいて、自車とその人とが再度衝突しないように安全に移動することができ、更に、その人と所定の距離を保ちながら移動し、停止することができるために、その人を他車との衝突事故から救い、かつ、上記移動の際に自車との再度の衝突を確実に防ぐことができる。
【0018】
また、請求項7記載の本発明の自動運転車においては、運転者の操作を必要とせずに自動的に走行可能な自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像を基に人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が自車が走行する車線上の自車の前方に横たわる人体を認識した場合、自車を上記人体の手前に停止させ、上記人体認識部が自車が走行する車線と反対の車線上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に停止させる制御部と、を有する。
【0019】
この構成により、例えば、自車と人又は自転車に乗った人とが衝突し、その人が道路に横たわって動けない場合において、その人が自車の同一車線の前方に横たわる場合には、自車をその手前に停車させ、また、その人が自車の車線の隣の車線に横たわる場合には、その人とその人に接近する車両との間に停車させる。これにより、衝突事故により負傷した人を車線の相違に拘わらず、救済する準備ができ、人命の救助に繋がる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の自動運転車は、自らが乗車する自動運転車が自転車又は人と衝突した場合、その事故により道路上に倒れた人を安全かつ的確に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の自動運転車の実施の形態における機能構成ブロック図である。
【
図2】本発明の自動運転車の実施例における動作フローチャートである。
【
図3】本発明の自動運転車の実施例における走行説明図である。
【
図4】本発明の自動運転車の実施例における走行説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面に沿って本発明の自動運転車の実施の形態について説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
(実施例)
図1を参照して、本発明の自動運転車の実施例における構成等について詳細に説明する。本実施例の自動運転車は、基本走行における駆動のためのアクセル部102並びにそのアクセル部により制御されるエンジン部101を含む駆動部A、操舵を行うステアリング部104並びにその制御を行うステアリング駆動制御部103を含む操舵部B、自車の制動を行うブレーキ部106並びにその制御を行うブレーキ制御部105を含む制動部C、及び、夜間の走行時に自車の前方を照らすために点灯させるライト部107、自車の進む方向を示す方向指示器部108、並びに緊急時に点滅させる緊急ランプ部109を含む発光部Dを有する。
【0024】
更に、本自動運転車は、手動運転機能、自動運転機能、カーナビゲーション機能等を備える。よって、本自動運転車の自動運転機能については、ECU(CPU)等からなる制御部125がアクセル部102、ブレーキ部106、ハンドル(ステアリング部)104、方向指示器部108等の運転操作を自動運転機能部111によって自動的に制御する。即ち、本自動運転車は、カーナビ機能部110により走行ルートが設定され、自動運転機能部111によって、撮像部(カメラ部)114及び/又は距離検出部(レーダー部)116によりそのルートに沿って自動走行することができる。また、本自動運転者は、走行中に直前の他車と一定の距離を保ちながら走行する、所謂、オートクルージング機能を有する自動運転車であってもよい。よって、運転者は、自動運転中は、ハンドルから手を離した状態が可能となる。
【0025】
撮像部(カメラ部)114は、本自動運転車の周囲全体を撮像するが、主に自車の直前、直後及び後方を撮像することができる。また、このカメラ部114は、自車の衝突直前及び/又は直後の映像も取得することができる。この撮像された映像は、格納部115に格納され記憶される。また、距離検出部(レーダー、ソナー)116は、車外の物体との距離を計測し、主に自車の全面、後方及び側面側の物体との距離を計測する。
【0026】
また、物体検出部111は、道路上の物体の有無を検出する。更に、緊急ランプ部112は、所謂、ハザードランプであり、事故後等の緊急事態に点滅させるものである。
【0027】
衝突検知部117は、自車前後及び側面に取り付けられた油圧センサーを用いており、当該センサーは、自車の前方左右、側面及び後方左右に分かれて、自車が接触や衝突した際に、上記油圧センサーの油圧が変動することで衝突を検知するものである。また、時計部118は、現在の時刻を後述の受信部120により受信又は独自に検知、算出するものである。この受信部の受信には、通話による呼出し、メール受信、画像受信等も含まれる。位置検出部119の検出する位置は、GPSを利用したカーナビ機能部110により得た自車の位置情報に基づくものである。よって、その位置情報とは、緯度経度、又は地図上の名称及び番地、また実際の映像等である。
【0028】
送信部121は、時計部118、位置検出部119、カメラ部114等が取得した情報等を送信するものである。この送信には、通話における音声送信、メール送信、画像送信も含まれる。また、送信部121による送信における送信先リストは、格納部115に格納されている(図示せず)。ここで、送信先は、警察署、消防署、保険会社、知人等である。また、人体認識部122は、取得した映像を基に、映像の物体が人体であるか否かを認識する。更に、受信部120は、インターネット、無線通信等を介して多種多様な情報を入手する。また、送信部121は、電話の発呼(呼び出し)ができ、受信部と併せて、相互音声通話が可能となっている。
【0029】
尚、表示部123及びスピーカ部124を合わせて報知部とする。また、運転モード切換部113は、運転者による手動運転モードと自動運転モードとを双方向に切り換えるものである。
【0030】
次に、
図2を参照しながら、実施例における自動運転車の動作について詳細に説明する。ステップ201では、運転者は、カーナビ機能部110によって目的地や経由地を設定する。カーナビ機能部110は、これにより、自動的に走行経路を探索する。その後、運転者は、運転モード切換部113によって運転モードを自動運転モードに設定して、自車は、自動運転機能部111によって自動運転を開始する。次に、ステップ202では、自車が衝突を検知したか否かを衝突検知部117が検知する。
【0031】
ここで、
図3を参照して、自車Aが位置A1を走行後、位置A2において、右側方から飛び出した自転車に乗った人Pと衝突した場合、ステップ202にて、衝突検知部117がこの衝突を検知し、ステップ203にて自車Aは、位置A3にて一時停止する。ここで、ステップ202における衝突検知部117による衝突検知により、時計部118は、その衝突時刻を検知又は算出する。同時に、位置検出部119は、衝突時の自車の衝突位置を検出する又は取得する。
【0032】
次に、自車は、位置A3に停止した状態にて、撮像部114の広範囲の撮像機能が作動して、自車の周囲全体を撮像する。ステップ204では、この撮像により、自車の前方、後方及び側方が撮像され、その映像において、物体検出部112が道路上の物体の有無を検出する。
【0033】
次に、ステップ205にて、物体検出部112は、上記映像において上記物体が対向車線上にあるか否かを検出する。物体が対向車線上にあると検出されれば、ステップ206にて、撮像部114は、再度物体を撮像し、人体認識部122は、その物体が人体であるか否かを認識する。その物体が人体であると認識されれば、ステップ207にて、位置検出部119及び距離検出部116が自車位置及び人体の位置を検出し、その検出結果をもって、人体と所定の距離Dを保ちながらその人体の前の位置A4に移動する。撮像部114は、その移動時に自車の周囲の撮像を行い、格納部115にその映像を格納する。
【0034】
次に、ステップ208にて、自車は人体と所定の距離D(例えば、5メートル)を置いた状態にて停止する(位置A4)。自車は、上記位置A4に停車後、自動的に緊急ランプ部109を作動させて、接近する他車に緊急事態であることを報知する。尚、ステップ203において、緊急ランプ部の点滅を開始してもよい。また、自車が停止している状態にて、再度撮像部114は、人体をクローズアップした撮像を行い、その映像は格納部115に格納される。更に、送信部121は、上記停車後に格納部115に格納された映像を所定の送信先に自動的に送信する。送信される映像は、自車と人との衝突前後の映像、クローズアップされた横たわる人の映像、上記自車の移動中の映像、停止後の人の映像等が含まれる。
【0035】
次に、
図4を参照して、自車が位置B1から位置B2を経由して位置B3にて、人Pが乗る自転車と衝突し、衝突検知部117がその衝突を検知して(ステップ202)、位置B3にて急停車した場合(ステップ203)、緊急ランプ109を点滅させ、道路上の物体を検出し(ステップ204)、物体が対向車線でなく、自車の走行車線上にあると検出された場合(ステップ205:NO)、ステップ211において、人体認識部122がその道路上の物体が人体であるか否かを検出し、人体であると検出されれば(ステップ212)、その人体と所定の距離Dをおいて自車は停車する。その停車と同時に、他車に緊急事態を報知するために、緊急ランプ部(ハザードランプ)109が自動的に点灯する。
【0036】
また、自車の停止状態にて、撮像部114は、人体のクローズアップされた詳細な映像を撮像して格納部115に格納する。次に、ステップ210にて、送信部121は、上記映像を所定の送信先に自動的に送信する。その映像には、自車と人Pとの衝突前後の映像、人体のクローズアップされた詳細な映像が含まれる。
【0037】
また、ステップ211にて、その物体が人体でないと認識されれば、ステップ213に移行して、撮像部114は、その物体のクローズアップされた詳細な映像を撮像して、格納部115に格納する。次に、ステップ210では、送信部121は、その映像を所定の送信先に自動的に送信する。
【0038】
尚、上記ステップ207及び212において、人体認識部122が道路上に倒れる人を認識した場合、又は、その倒れた状態が所定の時間継続した場合、制御部125は、カーナビ機能部110によって最寄りの救急病院を自動的に探索し、送信部110によって、そこへ自動的に連絡して救急車を早急に呼ぶこともできる。
【0039】
その救急病院への連絡の際には、時計部118が現在の時刻及び位置検出部119が現在の位置を上記送信される画像上に記載して又はメール等により報知することもできる。また、上述のように、自車が停止して倒れた人を防護するために停車することにより、運転モード切換部113が自動運転から手動運転に自動的に切り換えることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、自動運転が可能な自動運転車に係り、特に、走行中に外部と接触した後に自動的に対応する自動運転車に関するものであるために、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0041】
110 カーナビ機能部
111 自動運転機能部
112 物体検出部
113 運転モード切換部
114 撮像(カメラ)部
116 距離検出部
117 衝突検知部
120 受信部
121 送信部
122 人体認識部
【手続補正書】
【提出日】2021-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1記載の本発明の自動運転車においては、運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が道路上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に移動させて停止させる制御部と、を有する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、請求項2記載の本発明の自動運転車においては、更に、自車と周囲の物体との距離を検出する距離検出部を有し、上記制御部は、当該距離検出部によって上記認識された人体と所定の距離を維持しながら自車を移動させて停止させるように制御する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、請求項3記載の本発明の自動運転車においては、更に、自車と周囲の物体との距離を検出する距離検出部を有し、上記衝突検知部が物体との衝突を検知した後、上記制御部が自車を移動させる場合、上記撮像部が撮像した上記認識された人体の映像及び上記距離検出部による自車と上記人体との検出された距離に基づいて移動させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、請求項4記載の本発明の自動運転車においては、更に、上記撮像部が撮像した映像を送信する送信部を有し、上記制御部は、上記撮像部が撮像した上記認識された人体の映像及び上記人体の認識後の自車の移動経路を示す映像を所定の送信先に自動的に送信させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、請求項5記載の本発明の自動運転車においては、運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線を越えて移動させて、自車が上記人体と上記人体に接近する他車との間の位置に停止させる制御部と、を有する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、請求項6記載の本発明の自動運転車においては、運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線を越えて上記人体と所定の距離を維持しながら移動させ、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間の位置に停止するように制御する制御部と、を有する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、請求項7記載の本発明の自動運転車においては、運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が自車が走行する車線上の自車の前方に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記人体の手前に停止させ、又は、上記人体認識部が自車が走行する車線と反対の車線上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に移動させて停止させる制御部と、を有する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が道路上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に移動させて停止させる制御部と、
を有する自動運転車。
【請求項2】
請求項1記載の自動運転車において、
更に、自車と周囲の物体との距離を検出する距離検出部を有し、
前記制御部は、当該距離検出部によって上記認識された人体と所定の距離を維持しながら自車を移動させて停止させるように制御する自動運転車。
【請求項3】
請求項1記載の自動運転車において、
更に、自車と周囲の物体との距離を検出する距離検出部を有し、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知した後、前記制御部が自車を移動させる場合、前記撮像部が撮像した上記認識された人体の映像及び前記距離検出部による自車と上記人体との検出された距離に基づいて移動させることを特徴とする自動運転車。
【請求項4】
請求項1記載の自動運転車において、
更に、前記撮像部が撮像した映像を送信する送信部を有し、
前記制御部は、前記撮像部が撮像した上記認識された人体の映像及び上記人体の認識後の自車の移動経路を示す映像を所定の送信先に自動的に送信させる自動運転車。
【請求項5】
運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線を越えて移動させて、自車が上記人体と上記人体に接近する他車との間の位置に停止させる制御部と、
を有する自動運転車。
【請求項6】
運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線を越えて上記人体と所定の距離を維持しながら移動させ、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間の位置に停止するように制御する制御部と、
を有する自動運転車。
【請求項7】
運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が自車が走行する車線上の自車の前方に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記人体の手前に停止させ、
又は、前記人体認識部が自車が走行する車線と反対の車線上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に移動させて停止させる制御部と、
を有する自動運転車。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、請求項3記載の本発明の自動運転車においては、更に、上記撮像部が撮像した映像を送信する送信部を有し、上記制御部は、上記撮像部が撮像した上記認識された人体の映像及び上記人体の認識後の自車の移動経路を示す映像を所定の送信先に自動的に送信させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、請求項4記載の本発明の自動運転車においては、運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、自車の周囲を撮像する撮像部と、自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、上記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、上記衝突検知部が物体との衝突を検知し、上記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を自動的に上記対向車線を越えて移動させて、自車が上記人体と上記人体に接近する他車との間の位置に停止させる制御部と、を有する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が道路上に横たわる人体を認識した場合、自車が当該人体と当該人体に接近する他車との間に位置するように、自車を自動的に移動させて停止させる制御部と、
を有する自動運転車。
【請求項2】
請求項1記載の自動運転車において、
更に、自車と周囲の物体との距離を検出する距離検出部を有し、
前記制御部は、当該距離検出部によって上記認識された人体と所定の距離を維持しながら自車を移動させて停止させるように制御する自動運転車。
【請求項3】
請求項1記載の自動運転車において、
更に、前記撮像部が撮像した映像を送信する送信部を有し、
前記制御部は、前記撮像部が撮像した上記認識された人体の映像及び上記人体の認識後の自車の移動経路を示す映像を所定の送信先に自動的に送信させる自動運転車。
【請求項4】
運転者の運転操作を自動的に行う自動運転車において、
自車の周囲を撮像する撮像部と、
自車と外部との衝突を検知する衝突検知部と、
前記撮像部が撮像した映像について人体を認識する人体認識部と、
前記衝突検知部が物体との衝突を検知し、前記人体認識部が対向車線の道路上に横たわる人体を認識した場合、自車を現在走行中の車線から自動的に上記対向車線に移動させて、自車が上記人体と上記人体に接近する他車との間の位置に停止させる制御部と、
を有する自動運転車。