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特開2022-113383流量制御バルブ及び下水処理設備における曝気流量制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113383
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】流量制御バルブ及び下水処理設備における曝気流量制御方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/02 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
F16K3/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009599
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】500433959
【氏名又は名称】月島テクノメンテサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 洋正
(72)【発明者】
【氏名】南 茂樹
【テーマコード(参考)】
3H053
【Fターム(参考)】
3H053AA25
3H053AA35
3H053BB01
3H053CA02
3H053CA03
3H053DA02
3H053DA12
(57)【要約】
【課題】シンプルな機構で流量制御特性に優れたものとする。
【解決手段】流路と、この流路を交差する第1の方向Yに移動する遮蔽体24と、弁体20とを有するバルブであって、前記弁体20内に前記流路内を流れる流体の通過開口23を有し、前記通過開口23は、前記第1の方向Yの一方側に小開口幅部23A、他方側に大開口幅部23Bを有し、前記小開口幅部23Aと前記大開口幅部23Bとは繋がっている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっている、
ことを特徴とする流量制御バルブ。
【請求項2】
前記遮蔽体は、前記通過開口を全閉する位置と、全開する位置との間を第1の方向に移動可能である請求項1記載の流量制御バルブ。
【請求項3】
前記小開口幅部から前記第1の方向の一方側の端に向かって可変の先端開口部を有する請求項1又は2記載の流量制御バルブ。
【請求項4】
前記小開口幅部と前記大開口幅部との繋がりは、前記小開口幅部から前記大開口幅部に向かって幅が拡大しながら繋がる拡大幅部をもって繋がっている請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の流量制御バルブ。
【請求項5】
下水処理場の曝気設備に送気する送風用のブロワと、前記曝気設備において、溶存酸素量、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量及びCOD量の少なくとも一つのパラメータについての信号を検出し、その信号に基づき当該パラメータを一定化する制御部とを備え、
前記ブロワと前記曝気設備との間の流路に流量制御バルブが設けられ、
前記バルブは、流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっており、
前記制御部からの指令に基づき、前記弁体を前記第1の方向に移動させる、
ことを特徴とする下水処理設備における曝気流量制御方法。
【請求項6】
前記遮蔽体は、前記通過開口を全閉する位置と、全開する位置との間を第1の方向に移動可能である請求項5記載の下水処理設備における曝気流量制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御バルブ及び下水処理設備における曝気流量制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水処理場における生物反応槽の曝気設備では、降雨時や将来の下水流入量増大を予想して、最大風量が流せるような送風用のブロワを設け、この送風用のブロワからの流路に対してバルブサイズを選定して設置している。
そのために、日常の運用時には、最大設計値よりも大幅に小風量、例えば10~30%のバルブ開度での風量制御運転が必要となることが多い。
【0003】
わが国においては、風量(流量)制御バルブとして、従来から専ら、バタフライバルブが使用されている。
しかし、バタフライバルブは、例えば図1に示すように、バルブ開度が小さい範囲では開度(例えば0~20%)を変化させてもほとんど風量が変化せず、開度を増す(例えば30%以上)と急に風量(Cv値としても表すことができる。)が増加して最大流量になる特性を有する。さらに、バルブ開度を小から大に変化させた時と大から小へ変化させた時とで同一開度での風量が相違するヒステリシス差が発生する。
図1の実線が閉方向のCv値の変化、破線が開方向のCv値の変化を示している(他のバルブ例においても同じ。)。
【0004】
下水処理場においては、曝気設備の溶存酸素量(DO)の数値を目的変数としてDO一定制御のバルブ開度自動制御システムが設置されている。
曝気設備への吹き込み空気の流量は、曝気設備の後段に設置されたDO計の数値を一定、例えば1~2mg/Lになるように増減させるが、バタフライバルブでは開度と風量変化の関係から流量の微妙な制御が難しく、増減幅が大きくなるために、DO値も振れ幅が大きくなる(図3参照)。
【0005】
送風用のブロワは送風量に応じて例えばインバータで運転動力を増減させるので、風量の増減幅が大きいと、ブロワの運転動力も大きく増減する。その結果、省エネではない。
【0006】
前述のようにバルブの最大流量設計値よりも小流量の領域で流量の制御運転を実施する必要がある場合が多いが、バタフライバルブでは流量を調整することは難しい。
【0007】
前述の下水処理場における曝気設備のDO一定制御のバルブ開度自動制御システムにおいて、バタフライバルブでは流量が開度と比例的に変化しないので、DO値一定の運転が難しくDO値が不安定となる。
そのため現場のオペレータによって自動制御が利用されないケースが多い。自動制御に依らず、オペレータの経験的な操作によりDOを一定に制御するには、オペレータの労働負荷が高くなる。
【0008】
他方で、いわば一眼レフカメラのシャッター機構と類似するバルブも一部使用されている(以下「他形態例」ともいう。)。
しかしながら、流量制御特性に優れた点を有するが、バルブ機構が複雑でコスト高となると予想する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2018-537636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の主たる課題は、シンプルな機構で流量制御特性に優れたものとなる、流量制御バルブ及び下水処理設備における曝気流量制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決した流量制御バルブ及び下水処理設備における曝気流量制御方法は以下の形態を含む。
【0012】
<第1の形態>
流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっている、
ことを特徴とする流量制御バルブ。
【0013】
<第2の形態>
下水処理場の曝気設備に送気する送風用のブロワと、前記曝気設備から流出する液の溶存酸素量の検出する溶存酸素量計と、この溶存酸素量計からの溶存酸素量信号を含む信号に基づき、少なくとも溶存酸素量を含むパラメータを一定化する制御部とを備え、
前記ブロワと前記曝気設備との間の流路に流量制御バルブが設けられ、
前記バルブは、流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、
弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっており、
前記制御部からの指令に基づき、前記弁体を前記第1の方向に移動させる、
ことを特徴とする下水処理設備における曝気流量制御方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シンプルな機構で流量制御特性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本形態例を含む各種流量制御バルブにおけるバルブ開度とCv値との相関図である。
図2】バルブ開度が低い領域での同相関図である。
図3】バタフライバルブを使用した場合における流量制御例の溶存酸素量の経時的変動ブラフ例である。
図4】本形態例を使用した場合における流量制御例の溶存酸素量の経時的変動ブラフ例である。
図5】本形態例のバルブの流路側から見た側面図である。
図6】本形態例のバルブの流路側から見た正面図である。
図7図5の縦断面図である。
図8】通過開口例の正面図である。
図9】通過開口の他の例の正面図である。
図10】本形態の流量制御バルブを下水処理場の曝気設備に適用した例を示す概要説明図である。
図11】本形態の一例におけるバルブの通過開口形状と、バルブ開度と、Cv値との相関図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記課題を解決した一つの実施の形態は、図5図7に示す例によって明らかにされるように、流路10に設けられ、この流路10を交差する第1の方向Yに移動する遮蔽体24と弁体22とが対向状態で有する流量制御バルブ20を含む。
【0017】
弁体20内に、流路10内を流れる流体の通過開口23を有している。
弁体20は、両端に連結用フランジ、またはウェハーを有するボデイ21に固定されている。
遮蔽体24はボデイ21内に、図7の上下方向(第1の方向Y)に、ボデイ21の上部に設けられた、作動装置25により、移動可能となっている。
【0018】
作動装置25としては、詳細は図示されていないが、例えばハンドル回転による手動式のほか、好適にはモータ駆動による電動式のものが使用され、動力の伝達には、例えば前記ボデイ21の上部に設けたケース内にネジロッドが嵌挿され、ネジロッドの上下方向(第1の方向Y)移動によって、前記遮蔽体24が上下方向(第1の方向Y)に移動する構成などを採用できる。
【0019】
弁体20の通過開口23は、第1の方向の一方側(例えば下方側)に小開口幅部23A、他方側(例えば上方側)に大開口幅部23Bを有し、小開口幅部23Aと大開口幅部23Bとは繋がっている。
【0020】
弁体20の通過開口23に対して、遮蔽体24の上下方向Y(以下「第1の方向Y」の用語を省略することがある。)の移動に伴う通過開口23の開度の変化よって、流路を通る流量は、例えば次のように変化する。
この変化例について図1及び図2を参照されたい。
【0021】
遮蔽体24が最下方にある全閉位置から徐々に上方に移動すると、通過開口23の小開口幅部23Aの下方が開口し流路に臨み、その開口面積に対応した流量が流れるようになる。さらに弁体20を上昇させると、流路に連通する面積が大きくなり、その増分を含めた流量が流れるようになる。
【0022】
その後も弁体20の上昇を続けると、流路に連通する面積が大きくなり、その増分を含めた流量が流れる。
ところで、流路としては、一般に円形又は円に近似した形状が採用されるので、遮蔽体24の移動ストロークを過大に採ることは経済性などの観点から合理的ではない。
【0023】
そこで、本形態例においては、小開口幅部23Aと大開口幅部23Bとを有する構成としている。
バルブ開度とCv値との相関は、1対1である必要はないが、バルブ開度の変更で空気流量を確実に調整可能であることが必要であり、とりわけ、小さいバルブ開度領域(例えば図2に示すように、0%~40%までの範囲)での変化はなだらかなことが微妙な空気流量の調整を行う上で望ましい。
さらに、バルブ開度を小から大に変化させた時と大から小へ変化させた時とで同一開度での風量が相違するヒステリシス差が少ないのがより望ましい。
【0024】
小開口幅部23Aと大開口幅部23Bとを有するものである場合、前記「変化はなだらかなこと」及び「ヒステリシス差が少ない」ことを達成できる。
特に、この効果は、図2から判るように、小さいバルブ開度領域(例えば0%~40%までの範囲)において明確である。
【0025】
バルブ開度に対するCv値の変化はなだらかなことが望ましい観点から、開口部の連通が開始する部分は、図8に示すように、小開口幅部23a2から第1の方向の一方側の端に向かって(下方端に向かって)先窄まりの先端開口部23a1を有するのが望ましい。
【0026】
同様な観点から、小開口幅部23Aと大開口幅部23Bとの繋がりは、小開口幅部23Aから大開口幅部23b2に向かって幅が拡大しながら繋がる拡大幅部23b1をもって繋がっているのが望ましい。
この繋がり部分は、例えばバルブ開度として40~60%の範囲に設定できる。
【0027】
小開口幅部23A及び大開口幅部23B、実施の形態では小開口幅部23a2及び大開口幅部23b2は、幅が同一である場合のほか、図9に示すように、幅が上方において広がるものでもよく、例えば傾斜角度α、傾斜角度βをもって、上方ほど広がるものでもよい。傾斜角度α、傾斜角度βの最大は45度、より好適には30度、特には15度とすることができる。小開口幅部23Aと大開口幅部23Bは、必要な流量制御を考慮して変更することができる。
【0028】
本形態例の流量制御バルブは、下水処理場の曝気設備に好適に適用できる。
図10は、その適用例を示したもので、下水処理場の曝気設備30に送気する送風用のブロワ31と、曝気設備30から流出する液の溶存酸素量の検出する溶存酸素量計32と、この溶存酸素量計32からの溶存酸素量信号に基づき溶存酸素量を一定化する制御部33とを備え、ブロワ31と曝気設備3000(例えばその底板に設けられた散気管又は散気板)との間の流路10に流量制御バルブ20が設けられている。
制御部33は、溶存酸素量のほか、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量、COD量などの信号に基づき、そのパラメータを一定化する機能も含んでいる。
ここに、制御部33は、曝気設備30において、溶存酸素量、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量及びCOD量の少なくとも一つのパラメータについての信号を検出し、その信号に基づき当該パラメータを一定化する機能を有すればよいものである。
そして、従来それ自体公知のDO一定制御に従って、制御部33からの指令に基づき、遮蔽体24を第1の方向Yに(上下)移動させる、下水処理設備における曝気流量制御方法を採るものである。
この例における流量制御バルブ20としては、図5図9に示す例を用いることができる。
【0029】
本発明者らは、図5図9の例に示された本形態例の流量制御バルブ20の特性を調べるために、下水処理場における実際の生物反応曝気設備を模した深さ5mの水槽内の底部に、3種類の流量制御バルブを用いて各流量制御バルブの特性を調べた。
送気ブロワの最大吐出圧力は約80kPaのものを使用した。
3種類の流量制御バルブは、次のものである。
(1)下水処理場の曝気設備への送気に際し、汎用的に使用されるバタフライバルブ、
(2)本形態例のバルブ、
(3)他形態例のバルブ(前述のバルブ)。
【0030】
図1及び図2に示すグラフは、本形態例を含む各種流量制御バルブにおけるバルブ開度とCv値との相関図である。
(1)のバタフライバルブでは、バルブ開度が小さい範囲では開度を変化させてもほとんどCv値が変化せず、開度を増すと急にCv値が増加して大流量になる特性を有する。さらに、バルブ開度を小から大に変化させた時と大から小へ変化させた時とで同一開度でのCv値が相違するヒステリシス差が発生する。
この点は、(3)の他形態例のバルブでは大幅に改善されているが、開度がゼロ近辺でCv値がゼロでない現象がみられ、また「変化はなだらかなこと」に関し、十分ではないと思われる。
本形態例の場合は、上記難点が全体として解消できるほか、複雑な構造は不要であるなどの利点がもたらされる。
【0031】
本形態例の場合は、バルブ開度とCv値との相関における変化はなだらかであり、とりわけ、図2に示されるように、小さいバルブ開度領域(例えば0%~40%までの範囲)での変化はなだらかである。
したがって、曝気設備におけるDO一定制御において、図4に示しように、溶存酸素量の変動が図3に示す従来例に比較して小さくなり、その結果、送気用のブロワの運転動力も小さくなり、省エネルギーを達成できる。
【0032】
図11に本形態の一例におけるバルブの通過開口23の形状と、バルブ開度と、Cv値との相関例を示した。この変化例はあくまでも一例であり、通過開口23を本発明の範囲内で変更することにより前記相関は当然に変化することに注意されたい。
【0033】
本発明の実施の態様を挙示ずると次のとおりである。
(実施の態様1)
流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっている、
ことを特徴とする流量制御バルブ。
(実施の態様2)
前記遮蔽体は、前記通過開口を全閉する位置と、全開する位置との間を第1の方向に移動可能である実施の態様1記載の流量制御バルブ。
(実施の態様3)
前記小開口幅部から前記第1の方向の一方側の端に向かって可変の先端開口部を有する実施の態様1又は2記載の流量制御バルブ。
(実施の態様4)
前記小開口幅部と前記大開口幅部との繋がりは、前記小開口幅部から前記大開口幅部に向かって幅が拡大しながら繋がる拡大幅部をもって繋がっている実施の態様1~実施の態様3のいすれか1項に記載の流量制御バルブ。
(実施の態様5)
下水処理場の曝気設備に送気する送風用のブロワと、前記曝気設備において、溶存酸素量、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量及びCOD量の少なくとも一つのパラメータについての信号を検出し、その信号に基づき当該パラメータを一定化する制御部とを備え、
前記ブロワと前記曝気設備との間の流路に流量制御バルブが設けられ、
前記バルブは、流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっており、
前記制御部からの指令に基づき、前記弁体を前記第1の方向に移動させる、
ことを特徴とする下水処理設備における曝気流量制御方法。
(実施の態様6)
前記遮蔽体は、前記通過開口を全閉する位置と、全開する位置との間を第1の方向に移動可能である実施の態様5記載の下水処理設備における曝気流量制御方法。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本形態例の流量制御バルブは、流量を変動させながら使用するバルブ一般に利用できるが、下水処理設備における曝気流量制御方法に利用するのが、特にその効果を発揮する。
【符号の説明】
【0035】
10…流路、20…弁体、21…ボデイ、23…通過開口、23A…小開口幅部、23B…大開口幅部、23a1…先端開口部、23b1…拡大幅部、24…遮蔽体、25…作動装置、30… 曝気設備、31…ブロワ、32…溶存酸素量計、33…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御バルブ及び下水処理設備における曝気流量制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水処理場における生物反応槽の曝気設備では、降雨時や将来の下水流入量増大を予想して、最大風量が流せるような送風用のブロワを設け、この送風用のブロワからの流路に対してバルブサイズを選定して設置している。
そのために、日常の運用時には、最大設計値よりも大幅に小風量、例えば10~30%のバルブ開度での風量制御運転が必要となることが多い。
【0003】
わが国においては、風量(流量)制御バルブとして、従来から専ら、バタフライバルブが使用されている。
しかし、バタフライバルブは、例えば図1に示すように、バルブ開度が小さい範囲では開度(例えば0~20%)を変化させてもほとんど風量が変化せず、開度を増す(例えば30%以上)と急に風量(Cv値としても表すことができる。)が増加して最大流量になる特性を有する。さらに、バルブ開度を小から大に変化させた時と大から小へ変化させた時とで同一開度での風量が相違するヒステリシス差が発生する。
図1の実線が閉方向のCv値の変化、破線が開方向のCv値の変化を示している(他のバルブ例においても同じ。)。
【0004】
下水処理場においては、曝気設備の溶存酸素量(DO)の数値を目的変数としてDO一定制御のバルブ開度自動制御システムが設置されている。
曝気設備への吹き込み空気の流量は、曝気設備の後段に設置されたDO計の数値を一定、例えば1~2mg/Lになるように増減させるが、バタフライバルブでは開度と風量変化の関係から流量の微妙な制御が難しく、増減幅が大きくなるために、DO値も振れ幅が大きくなる(図3参照)。
【0005】
送風用のブロワは送風量に応じて例えばインバータで運転動力を増減させるので、風量の増減幅が大きいと、ブロワの運転動力も大きく増減する。その結果、省エネではない。
【0006】
前述のようにバルブの最大流量設計値よりも小流量の領域で流量の制御運転を実施する必要がある場合が多いが、バタフライバルブでは流量を調整することは難しい。
【0007】
前述の下水処理場における曝気設備のDO一定制御のバルブ開度自動制御システムにおいて、バタフライバルブでは流量が開度と比例的に変化しないので、DO値一定の運転が難しくDO値が不安定となる。
そのため現場のオペレータによって自動制御が利用されないケースが多い。自動制御に依らず、オペレータの経験的な操作によりDOを一定に制御するには、オペレータの労働負荷が高くなる。
【0008】
他方で、いわば一眼レフカメラのシャッター機構と類似するバルブも一部使用されている(以下「他形態例」ともいう。)。
しかしながら、流量制御特性に優れた点を有するが、バルブ機構が複雑でコスト高となると予想する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2018-537636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の主たる課題は、シンプルな機構で流量制御特性に優れたものとなる、流量制御バルブ及び下水処理設備における曝気流量制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決した流量制御バルブ及び下水処理設備における曝気流量制御方法は以下の形態を含む。
【0012】
<第1の形態>
流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっており、
前記小開口幅部及び大開口幅部は、それぞれ
(1)前記第1の方向に関し幅が同一である部分を有する、又は、
(2)一方側から他方側に向かって45度以内の傾斜角度で順次広がる部分を有し、
前記小開口幅部から前記第1の方向の前記一方側の端に向かって先窄まりの先端開口部を有し、
前記小開口幅部と前記大開口幅部との繋がりは、前記小開口幅部から前記大開口幅部に向かって、前記傾斜角度を超える角度をもって、幅が拡大しながら繋がる拡大幅部を有して繋がっており、
前記大開口幅部の前記他方側の端に全開する位置を、前記小開口幅部の前記一方側の端に全閉する位置を有している、
ことを特徴とする流量制御バルブ。
【0013】
<第2の形態>
下水処理場の曝気設備に送気する送風用のブロワと、前記曝気設備において、溶存酸素量、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量及びCOD量の少なくとも一つのパラメータについての信号を検出し、その信号に基づき当該パラメータを一定化する制御部とを備え、
前記ブロワと前記曝気設備との間の流路に流量制御バルブが設けられ、
前記バルブは、流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっており、
前記小開口幅部及び大開口幅部は、それぞれ
(1)幅が同一である部分を有する、又は、
(2)一方側から他方側に向かって45度以内の傾斜角度で順次広がる部分を有し、
前記小開口幅部から前記第1の方向の前記一方側の端に向かって先窄まりの先端開口部を有し、
前記小開口幅部と前記大開口幅部との繋がりは、前記小開口幅部から前記大開口幅部に向かって、前記傾斜角度を超える角度をもって、幅が拡大しながら繋がる拡大幅部を有して繋がっており、
前記大開口幅部の前記他方側の端に全開する位置を、前記小開口幅部の前記一方側の端に全閉する位置を有しており、
前記制御部からの指令に基づき、前記弁体を前記第1の方向に移動させる、
ことを特徴とする下水処理設備における曝気流量制御方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、シンプルな機構で流量制御特性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本形態例を含む各種流量制御バルブにおけるバルブ開度とCv値との相関図である。
図2】バルブ開度が低い領域での同相関図である。
図3】バタフライバルブを使用した場合における流量制御例の溶存酸素量の経時的変動ブラフ例である。
図4】本形態例を使用した場合における流量制御例の溶存酸素量の経時的変動ブラフ例である。
図5】本形態例のバルブの流路側から見た側面図である。
図6】本形態例のバルブの流路側から見た正面図である。
図7図5の縦断面図である。
図8】通過開口例の正面図である。
図9】通過開口の他の例の正面図である。
図10】本形態の流量制御バルブを下水処理場の曝気設備に適用した例を示す概要説明図である。
図11】本形態の一例におけるバルブの通過開口形状と、バルブ開度と、Cv値との相関図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記課題を解決した一つの実施の形態は、図5図7に示す例によって明らかにされるように、流路10に設けられ、この流路10を交差する第1の方向Yに移動する遮蔽体24と弁体20とが対向状態で有する流量制御バルブを含む。
【0017】
弁体20内に、流路10内を流れる流体の通過開口23を有している。
弁体20は、両端に連結用フランジ、またはウェハーを有するボデイ21に固定されている。
遮蔽体24はボデイ21内に、図7の上下方向(第1の方向Y)に、ボデイ21の上部に設けられた、作動装置25により、移動可能となっている。
【0018】
作動装置25としては、詳細は図示されていないが、例えばハンドル回転による手動式のほか、好適にはモータ駆動による電動式のものが使用され、動力の伝達には、例えば前記ボデイ21の上部に設けたケース内にネジロッドが嵌挿され、ネジロッドの上下方向(第1の方向Y)移動によって、前記遮蔽体24が上下方向(第1の方向Y)に移動する構成などを採用できる。
【0019】
弁体20の通過開口23は、第1の方向の一方側(例えば下方側)に小開口幅部23A、他方側(例えば上方側)に大開口幅部23Bを有し、小開口幅部23Aと大開口幅部23Bとは繋がっている。
【0020】
弁体20の通過開口23に対して、遮蔽体24の上下方向Y(以下「第1の方向Y」の用語を省略することがある。)の移動に伴う通過開口23の開度の変化よって、流路を通る流量は、例えば次のように変化する。
この変化例について図1及び図2を参照されたい。
【0021】
遮蔽体24が最下方にある全閉位置から徐々に上方に移動すると、通過開口23の小開口幅部23Aの下方が開口し流路に臨み、その開口面積に対応した流量が流れるようになる。さらに弁体20を上昇させると、流路に連通する面積が大きくなり、その増分を含めた流量が流れるようになる。
【0022】
その後も弁体20の上昇を続けると、流路に連通する面積が大きくなり、その増分を含めた流量が流れる。
ところで、流路としては、一般に円形又は円に近似した形状が採用されるので、遮蔽体24の移動ストロークを過大に採ることは経済性などの観点から合理的ではない。
【0023】
そこで、本形態例においては、小開口幅部23Aと大開口幅部23Bとを有する構成としている。
バルブ開度とCv値との相関は、1対1である必要はないが、バルブ開度の変更で空気流量を確実に調整可能であることが必要であり、とりわけ、小さいバルブ開度領域(例えば図2に示すように、0%~40%までの範囲)での変化はなだらかなことが微妙な空気流量の調整を行う上で望ましい。
さらに、バルブ開度を小から大に変化させた時と大から小へ変化させた時とで同一開度での風量が相違するヒステリシス差が少ないのがより望ましい。
【0024】
小開口幅部23Aと大開口幅部23Bとを有するものである場合、前記「変化はなだらかなこと」及び「ヒステリシス差が少ない」ことを達成できる。
特に、この効果は、図2から判るように、小さいバルブ開度領域(例えば0%~40%までの範囲)において明確である。
【0025】
バルブ開度に対するCv値の変化はなだらかなことが望ましい観点から、開口部の連通が開始する部分は、図8に示すように、小開口幅部23a2から第1の方向の一方側の端に向かって(下方端に向かって)先窄まりの先端開口部23a1を有するのが望ましい。
【0026】
同様な観点から、小開口幅部23Aと大開口幅部23Bとの繋がりは、小開口幅部23Aから大開口幅部23b2に向かって幅が拡大しながら繋がる拡大幅部23b1をもって繋がっているのが望ましい。
この繋がり部分は、例えばバルブ開度として40~60%の範囲に設定できる。
【0027】
小開口幅部23A及び大開口幅部23B、実施の形態では小開口幅部23a2及び大開口幅部23b2は、幅が同一である場合のほか、図9に示すように、幅が上方において広がるものでもよく、例えば傾斜角度α、傾斜角度βをもって、上方ほど広がるものでもよい。傾斜角度α、傾斜角度βの最大は45度、より好適には30度、特には15度とすることができる。小開口幅部23Aと大開口幅部23Bは、必要な流量制御を考慮して変更することができる。
【0028】
本形態例の流量制御バルブは、下水処理場の曝気設備に好適に適用できる。
図10は、その適用例を示したもので、下水処理場の曝気設備30に送気する送風用のブロワ31と、曝気設備30から流出する液の溶存酸素量の検出する溶存酸素量計32と、この溶存酸素量計32からの溶存酸素量信号に基づき溶存酸素量を一定化する制御部33とを備え、ブロワ31と曝気設備3000(例えばその底板に設けられた散気管又は散気板)との間の流路10に流量制御バルブ20が設けられている。
制御部33は、溶存酸素量のほか、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量、COD量などの信号に基づき、そのパラメータを一定化する機能も含んでいる。
ここに、制御部33は、曝気設備30において、溶存酸素量、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量及びCOD量の少なくとも一つのパラメータについての信号を検出し、その信号に基づき当該パラメータを一定化する機能を有すればよいものである。
そして、従来それ自体公知のDO一定制御に従って、制御部33からの指令に基づき、遮蔽体24を第1の方向Yに(上下)移動させる、下水処理設備における曝気流量制御方法を採るものである。
この例における流量制御バルブ20としては、図5図9に示す例を用いることができる。
【0029】
本発明者らは、図5図9の例に示された本形態例の流量制御バルブ20の特性を調べるために、下水処理場における実際の生物反応曝気設備を模した深さ5mの水槽内の底部に、3種類の流量制御バルブを用いて各流量制御バルブの特性を調べた。
送気ブロワの最大吐出圧力は約80kPaのものを使用した。
3種類の流量制御バルブは、次のものである。
(1)下水処理場の曝気設備への送気に際し、汎用的に使用されるバタフライバルブ、
(2)本形態例のバルブ、
(3)他形態例のバルブ(前述のバルブ)。
【0030】
図1及び図2に示すグラフは、本形態例を含む各種流量制御バルブにおけるバルブ開度とCv値との相関図である。
(1)のバタフライバルブでは、バルブ開度が小さい範囲では開度を変化させてもほとんどCv値が変化せず、開度を増すと急にCv値が増加して大流量になる特性を有する。さらに、バルブ開度を小から大に変化させた時と大から小へ変化させた時とで同一開度でのCv値が相違するヒステリシス差が発生する。
この点は、(3)の他形態例のバルブでは大幅に改善されているが、開度がゼロ近辺でCv値がゼロでない現象がみられ、また「変化はなだらかなこと」に関し、十分ではないと思われる。
本形態例の場合は、上記難点が全体として解消できるほか、複雑な構造は不要であるなどの利点がもたらされる。
【0031】
本形態例の場合は、バルブ開度とCv値との相関における変化はなだらかであり、とりわけ、図2に示されるように、小さいバルブ開度領域(例えば0%~40%までの範囲)での変化はなだらかである。
したがって、曝気設備におけるDO一定制御において、図4に示しように、溶存酸素量の変動が図3に示す従来例に比較して小さくなり、その結果、送気用のブロワの運転動力も小さくなり、省エネルギーを達成できる。
【0032】
図11に本形態の一例におけるバルブの通過開口23の形状と、バルブ開度と、Cv値との相関例を示した。この変化例はあくまでも一例であり、通過開口23を本発明の範囲内で変更することにより前記相関は当然に変化することに注意されたい。
【0033】
本発明の実施の態様を挙示ずると次のとおりである。
(実施の態様1)
流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっている、
ことを特徴とする流量制御バルブ。
(実施の態様2)
前記遮蔽体は、前記通過開口を全閉する位置と、全開する位置との間を第1の方向に移動可能である実施の態様1記載の流量制御バルブ。
(実施の態様3)
前記小開口幅部から前記第1の方向の一方側の端に向かって可変の先端開口部を有する実施の態様1又は2記載の流量制御バルブ。
(実施の態様4)
前記小開口幅部と前記大開口幅部との繋がりは、前記小開口幅部から前記大開口幅部に向かって幅が拡大しながら繋がる拡大幅部をもって繋がっている実施の態様1~実施の態様3のいすれか1項に記載の流量制御バルブ。
(実施の態様5)
下水処理場の曝気設備に送気する送風用のブロワと、前記曝気設備において、溶存酸素量、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量及びCOD量の少なくとも一つのパラメータについての信号を検出し、その信号に基づき当該パラメータを一定化する制御部とを備え、
前記ブロワと前記曝気設備との間の流路に流量制御バルブが設けられ、
前記バルブは、流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっており、
前記制御部からの指令に基づき、前記弁体を前記第1の方向に移動させる、
ことを特徴とする下水処理設備における曝気流量制御方法。
(実施の態様6)
前記遮蔽体は、前記通過開口を全閉する位置と、全開する位置との間を第1の方向に移動可能である実施の態様5記載の下水処理設備における曝気流量制御方法。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本形態例の流量制御バルブは、流量を変動させながら使用するバルブ一般に利用できるが、下水処理設備における曝気流量制御方法に利用するのが、特にその効果を発揮する。
【符号の説明】
【0035】
10…流路、20…弁体、21…ボデイ、23…通過開口、23A…小開口幅部、23B…大開口幅部、23a1…先端開口部、23b1…拡大幅部、24…遮蔽体、25…作動装置、30… 曝気設備、31…ブロワ、32…溶存酸素量計、33…制御部。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっており、
前記小開口幅部及び大開口幅部は、それぞれ
(1)前記第1の方向に関し幅が同一である部分を有する、又は、
(2)一方側から他方側に向かって45度以内の傾斜角度で順次広がる部分を有し、
前記小開口幅部から前記第1の方向の前記一方側の端に向かって先窄まりの先端開口部を有し、
前記小開口幅部と前記大開口幅部との繋がりは、前記小開口幅部から前記大開口幅部に向かって、前記傾斜角度を超える角度をもって、幅が拡大しながら繋がる拡大幅部を有して繋がっており、
前記大開口幅部の前記他方側の端に全開する位置を、前記小開口幅部の前記一方側の端に全閉する位置を有している、
ことを特徴とする流量制御バルブ。
【請求項2】
下水処理場の曝気設備に送気する送風用のブロワと、前記曝気設備において、溶存酸素量、アンモニアイオン量、硝酸イオン量、亜硝酸イオン量、全窒素量、TOC量及びCOD量の少なくとも一つのパラメータについての信号を検出し、その信号に基づき当該パラメータを一定化する制御部とを備え、
前記ブロワと前記曝気設備との間の流路に流量制御バルブが設けられ、
前記バルブは、流路に設けられ、この流路を交差する第1の方向に移動する遮蔽体と、弁体とを有するバルブであって、
前記弁体内に前記流路内を流れる流体の通過開口を有し、
前記遮蔽体はその移動により前記通過開口の開口面積を規定する構成とされ、
前記通過開口は、前記第1の方向の一方側に小開口幅部、他方側に大開口幅部を有し、前記小開口幅部と前記大開口幅部とは繋がっており、
前記小開口幅部及び大開口幅部は、それぞれ
(1)幅が同一である部分を有する、又は、
(2)一方側から他方側に向かって45度以内の傾斜角度で順次広がる部分を有し、
前記小開口幅部から前記第1の方向の前記一方側の端に向かって先窄まりの先端開口部を有し、
前記小開口幅部と前記大開口幅部との繋がりは、前記小開口幅部から前記大開口幅部に向かって、前記傾斜角度を超える角度をもって、幅が拡大しながら繋がる拡大幅部を有して繋がっており、
前記大開口幅部の前記他方側の端に全開する位置を、前記小開口幅部の前記一方側の端に全閉する位置を有しており、
前記制御部からの指令に基づき、前記弁体を前記第1の方向に移動させる、
ことを特徴とする下水処理設備における曝気流量制御方法。