(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113393
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20220728BHJP
F24D 15/00 20220101ALI20220728BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20220728BHJP
F24F 11/46 20180101ALI20220728BHJP
F24F 11/59 20180101ALI20220728BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20220728BHJP
F24F 11/61 20180101ALI20220728BHJP
D06F 58/10 20060101ALI20220728BHJP
F24F 140/00 20180101ALN20220728BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24D15/00 B
F24F7/06 B
F24F11/46
F24F11/59
F24F11/65
F24F11/61
D06F58/10 A
F24F140:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009617
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 浩之
【テーマコード(参考)】
3B168
3L056
3L058
3L072
3L260
【Fターム(参考)】
3B168AA38
3B168AB24
3B168AC12
3B168AE03
3B168AE04
3B168AE05
3B168AE07
3B168BA47
3B168BA48
3L056BA01
3L056BC04
3L056BE07
3L056BF01
3L058BE05
3L072AA05
3L072AB06
3L072AC01
3L072AE02
3L072AG05
3L260AA02
3L260AB15
3L260AB20
3L260BA01
3L260BA41
3L260BA49
3L260BA74
3L260CA03
3L260CB86
3L260EA12
3L260FA13
3L260FC03
3L260FC04
(57)【要約】
【課題】 人感センサを用いることなく浴室乾燥機における送風機駆動運転を一時停止させることができる浴室システムを提供する。
【解決手段】 浴室システムは、温水熱源機と、送風機を備え、送風機の駆動を伴う少なくとも1つの送風機駆動運転が可能な浴室乾燥機と、制御器と、を備えた浴室システムであって、制御器は、浴室乾燥機における所定の送風機駆動運転中に、温水熱源機が所定のふろ運転状態であると判定した場合または温水熱源機において所定の第1ふろ運転状態変化が生じたと判定した場合に、所定の送風機駆動運転を一時停止させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水熱源機と、送風機を備え、前記送風機の駆動を伴う少なくとも1つの送風機駆動運転が可能な浴室乾燥機と、制御器と、を備えた浴室システムであって、
前記制御器は、前記浴室乾燥機における所定の送風機駆動運転中に、前記温水熱源機が所定のふろ運転状態であると判定した場合または前記温水熱源機において所定の第1ふろ運転状態変化が生じたと判定した場合に、前記所定の送風機駆動運転を一時停止させる、浴室システム。
【請求項2】
前記所定のふろ運転状態は、ふろ自動運転、追い焚き運転、ふろ注湯運転、ふろ注水運転、および、ふろ保温運転のうちの少なくとも1つの運転状態を含む、請求項1に記載の浴室システム。
【請求項3】
前記所定の第1ふろ運転状態変化は、ふろ自動運転からふろ保温運転に変化したことを含む、請求項1に記載の浴室システム。
【請求項4】
前記浴室乾燥機は、前記浴室内の空気を前記浴室外に移送する換気運転、前記浴室内に温風を導入する暖房運転、および前記浴室内に送風する涼風運転の少なくとも1つを実行可能に構成され、
前記所定の送風機駆動運転は、前記換気運転、前記暖房運転、および、前記涼風運転のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から3の何れかに記載の浴室システム。
【請求項5】
前記制御器は、
前記所定の送風機駆動運転の一時停止開始後、所定の期間経過後に、前記一時停止を解除し、
前記所定の送風機駆動運転を一時停止させている間に、所定の第2ふろ運転状態変化が生じたか否かを判定し、
前記所定の第2ふろ運転状態変化が生じた場合に、前記一時停止の期間を延長する、請求項1から4の何れかに記載の浴室システム。
【請求項6】
前記制御器は、前記浴室乾燥機の動作を制御する第1制御器と、前記温水熱源機の動作を制御する第2制御器と、を含み、
前記第2制御器は、前記温水熱源機のふろ運転情報を前記浴室乾燥機に送信するよう構成され、
前記第1制御器は、前記ふろ運転情報に基づいて、前記浴室乾燥機の前記所定の送風機駆動運転中に、前記温水熱源機が前記所定のふろ運転状態であるか否かまたは前記温水熱源機において前記所定の第1ふろ運転状態変化が生じたか否かを判定する、請求項1から5の何れかに記載の浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、温水熱源機と、温水熱源機から供給される温水により浴室を乾燥させる浴室乾燥機とを含み、浴室乾燥機が浴室を換気する換気運転可能な浴室システムが知られている。
【0003】
このような浴室システムでは、換気機能として常時換気を行う24時間換気機能を備えているものがある(例えば、下記特許文献1参照)。しかし、入浴時にもこのような換気運転を継続していると、入浴者に換気風による寒さを感じさせる恐れがある。このような換気運転をユーザの操作により一時的に停止することは可能であるが手間がかかる。なお、入浴時に寒さを感じるのは、換気運転に限られず、浴室乾燥機に設けられる送風機の駆動を伴う送風機駆動運転(例えば、換気運転、暖房運転、涼風運転等)時において生じ得る。
【0004】
このような問題に対して、下記特許文献2には、浴室乾燥機に人感センサを設け、浴室への入室を検知した場合に、24時間換気運転を一時停止させることが開示されている。これによれば、人が浴室に入室した場合には換気運転が一時停止されるため、浴室に入室した人に換気風による寒さを感じさせることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4604588号公報
【特許文献2】特開2013-57474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成では、浴室への入室を検知するための人感センサが必要となる。このため、送風機駆動運転の一時停止を導入するためのコストが増大する問題がある。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、人感センサを用いることなく浴室乾燥機における送風機駆動運転を一時停止させることができる浴室システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る浴室システムは、温水熱源機と、送風機を備え、前記送風機の駆動を伴う少なくとも1つの送風機駆動運転が可能な浴室乾燥機と、制御器と、を備えた浴室システムであって、前記制御器は、前記浴室乾燥機における所定の送風機駆動運転中に、前記温水熱源機が所定のふろ運転状態であると判定した場合または前記温水熱源機において所定の第1ふろ運転状態変化が生じたと判定した場合に、前記所定の送風機駆動運転を一時停止させる。
【0009】
上記構成によれば、所定の送風機駆動運転中に、温水熱源機がふろ機能に関する所定のふろ運転状態である場合または所定の第1ふろ運転状態変化が生じた場合に、所定の送風機駆動運転が一時停止する。このように、所定のふろ運転状態である場合または所定の第1ふろ運転状態変化が生じた場合を、入浴時または入浴前の状態とみなして送風機駆動運転を一時停止させることにより、人感センサを用いることなく浴室乾燥機における送風機駆動運転を一時停止させることができる。これにより、入浴中の人が送風機駆動運転により寒さを感じることを抑制することができる。
【0010】
前記所定のふろ運転状態は、ふろ自動運転、追いだき運転、ふろ注湯運転、ふろ注水運転、および、ふろ保温運転のうちの少なくとも1つの運転状態を含んでもよい。
【0011】
前記所定の第1ふろ運転状態変化は、ふろ自動運転からふろ保温運転に変化したことを含んでもよい。
【0012】
前記浴室乾燥機は、前記浴室内の空気を前記浴室外に移送する換気運転、前記浴室内に温風を導入する暖房運転、および前記浴室内に送風する涼風運転の少なくとも1つを実行可能に構成され、前記所定の送風機駆動運転は、前記換気運転、前記暖房運転、および、前記涼風運転のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0013】
前記制御器は、前記所定の送風機駆動運転の一時停止開始後、所定の期間経過後に、前記一時停止を解除し、前記所定の送風機駆動運転を一時停止させている間に、所定の第2ふろ運転状態変化が生じたか否かを判定し、前記所定の第2ふろ運転状態変化が生じた場合に、前記一時停止の期間を延長してもよい。
【0014】
これによれば、送風機駆動運転の一時停止を開始してから一定期間は一時停止が継続されるとともに、送風機駆動運転の一時停止中に新たに入浴中の操作に基づくものとみなされる第2ふろ運転状態変化が生じた場合に、送風機駆動運転の一時停止の期間が延長されるため、入浴中に送風機駆動運転の一時停止が解除される可能性を低減させることができる。
【0015】
前記制御器は、前記浴室乾燥機の動作を制御する第1制御器と、前記温水熱源機の動作を制御する第2制御器と、を含み、前記第2制御器は、前記温水熱源機のふろ運転情報を前記浴室乾燥機に送信するよう構成され、前記第1制御器は、前記ふろ運転情報に基づいて、前記浴室乾燥機の前記所定の送風機駆動運転中に、前記温水熱源機が前記所定のふろ運転状態であるか否かまたは前記温水熱源機において前記所定の第1ふろ運転状態変化が生じたか否かを判定してもよい。
【0016】
これによれば、温水熱源機は、ふろ運転情報を浴室乾燥機に送信するだけですむ。したがって、浴室乾燥機の機能性向上を浴室システムの簡単な変更で実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上に説明した構成を有し、人感センサを用いることなく浴室乾燥機における送風機駆動運転を一時停止させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係る浴室システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す浴室リモコンの操作部および表示部の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す浴室乾燥機の概略構成を示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す浴室乾燥機の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。
【0020】
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係る浴室システムの概略構成図である。
図1に示すように、この浴室システム1は、浴室乾燥機2および乾燥機リモコン(リモートコントローラ)2Rを有する乾燥機システムと、温水熱源機3および浴室リモコン(リモートコントローラ)3Rを有する熱源機システムとを備えている。浴室乾燥機2のコントローラ(第1制御器)2aと温水熱源機3のコントローラ(第2制御器)3aとは、相互に通信可能に構成されている。
【0021】
温水熱源機3は、住宅の屋外または屋内の所定の場所に設置され、例えば、燃焼加熱式の給湯装置であり、熱交換器および該熱交換器を加熱するバーナ等の加熱装置などを備えている。温水熱源機3には、コントローラ3aが内蔵されている。コントローラ3aは、例えば、CPUおよびメモリ(RAMおよびROM等)を有するマイクロコントローラ等によって構成される。コントローラ3aは、温水熱源機3内の各種センサの出力信号を入力し、温水熱源機3全体の動作を制御する。
【0022】
温水熱源機3は、外部配管54,55を介して浴室乾燥機2の熱交換器13(
図3)と接続され、この熱交換器13内に高温水を循環させる暖房乾燥機能を有している。また、温水熱源機3は、浴室100および台所等の給湯端末に湯水を供給する給湯機能を有するとともに、浴槽101に装着された循環金具53と外部配管51,52を介して接続されており、外部配管51,52を介して浴槽101へ湯水を供給する注湯機能、外部の水源から水を導入して外部配管51,52を介して浴槽101へ注水を行うふろ注水機能および浴槽101内の湯水を循環させて加熱する追い焚き機能等を有する。
【0023】
浴室リモコン3Rは、温水熱源機3を遠隔操作するために浴室100内に設けられ、温水熱源機3のコントローラ3aと相互に通信可能に構成されている。浴室リモコン3Rは、操作部31および表示部32を備え、ユーザが浴室リモコン3Rの操作部31を操作して、温水熱源機3の運転操作、給湯温度または風呂温度等の設定操作を行うことができる。また、浴室リモコン3Rは、表示部32に温水熱源機3の運転状態、設定されている給湯温度または風呂温度等を表示することができる。
【0024】
図2は、
図1に示す浴室リモコンの操作部および表示部の構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施の形態における浴室リモコン3Rは、操作部31として、オンオフボタン33、ふろ自動ボタン34、追いだきボタン35、注湯ボタン36、注水ボタン37、温度低下ボタン38、および、温度上昇ボタン39が含まれる。さらに、浴室リモコン3Rは、操作部31として、浴槽101内の湯温を保持する保温運転を開始するための保温運転ボタン、優先ボタン、通話ボタン等の他の操作ボタンを含み得る。
【0025】
温水熱源機3は、運転モードとしてオンモードとオフモードとを含んでいる。オンモードは、コントローラ3aによって制御され、給湯動作等を行い得るモードである。オフモードは、給湯動作等が行えない待機モードである。浴室リモコン3Rのオンオフボタン33は、温水熱源機3の運転モードをオンモードとオフモードとの間で切り替えるための操作ボタンである。
【0026】
ふろ自動ボタン34は、温水熱源機3に対して浴槽101の自動湯張り動作を行うふろ自動運転を開始させるための操作ボタンである。追いだきボタン35は、温水熱源機3に対して浴槽101内の湯を再加熱する追い焚き運転を開始させるための操作ボタンである。注湯ボタン36は、温水熱源機3に対して浴槽101に所定量のたし湯動作を行うふろ注湯運転を開始させるための操作ボタンである。注水ボタン37は、温水熱源機3に対して浴槽101に所定量のたし水動作を行うふろ注水運転を開始させるための操作ボタンである。
【0027】
浴室リモコン3Rは、各種操作ボタン33~39が操作された場合に、対応する操作開始信号を温水熱源機3のコントローラ3aに送信する。コントローラ3aは、操作開始信号を受信すると、対応するふろ運転を開始する。コントローラ3aは、対応するふろ運転を開始する場合に、温水熱源機3が開始したふろ運転の内容を示すふろ運転情報を浴室乾燥機2のコントローラ2aに送信する。
【0028】
温水熱源機3は、ふろ自動運転完了後、定期的に追い焚き運転を行う保温運転に移行する。ふろ自動運転完了後に保温運転に移行するか否かを浴室リモコン3Rの操作により設定可能としてもよい。また、浴室リモコン3Rは、操作部31として、保温運転を開始するための保温運転ボタンを有していてもよい。
【0029】
ふろ自動運転完了後に自動的に保温運転を開始する場合にも、コントローラ3aは、保温運転の開始をふろ運転情報として浴室乾燥機2のコントローラ2aに送信する。また、ふろ運転の開始操作を行った後、自動的に運転が終了するふろ運転について、そのふろ運転の終了時にも、コントローラ3aは、ふろ運転の停止をふろ運転情報として浴室乾燥機2のコントローラ2aに送信する。
【0030】
なお、本実施の形態において、浴室システム1(例えば浴室リモコン3R等)には、浴室100内の人の有無を検知する人感センサは設けられていない。ただし、後述する24時間換気運転(送風機駆動運転)の一時停止には用いないが、浴室リモコン3R等に人感センサが設けられていてもよい。
【0031】
図3は、
図1に示す浴室乾燥機の概略構成を示す断面図である。浴室乾燥機2は、例えば、浴室100の天井に設置されている。この浴室乾燥機2は、筐体10,20内に、熱交換器13、循環ファン(循環用送風機)14および換気ファン(換気用送風機)23等を備えている。以下では、循環ファン14および換気ファン23を送風機と総称する場合がある。
【0032】
筐体10,20は、共有壁10aによって一体化されて構成されている。筐体10は、浴室100内の空気を吸入するための循環用の吸入口11と、浴室100内へ空気を排出するための循環用の排出口12と、浴室100内の空気を吸入するための換気用の吸入口15とを備える。これらの吸入口11、排出口12および吸入口15は、それぞれ、浴室100の天井から浴室100内に露出している。排出口12には、モータ(図示せず)によって駆動され空気の排出方向を変更するためのルーバ(図示せず)が設けられる。循環用の排出口12と換気用の吸入口15とは、仕切り板18によって区切られている。
【0033】
また、仕切り板18によって筐体10の内部空間が、循環用の第1空間P1と換気用の第2空間P2とに区切られている。第1空間P1には、熱交換器13と循環ファン14とが配置されている。
【0034】
循環ファン14は、吸入口11から排出口12に向かって空気が流れるように、空気を送風させる。熱交換器13には、温水熱源機3との間に、温水熱源機3からの温水が循環するための往路用の外部配管54と復路用の外部配管55とが接続されている。温水熱源機3内のバーナ等によって加熱された温水が外部配管54,55を介して熱交換器13を循環することにより、熱交換器13を通過する空気が暖められる。
【0035】
また、筐体20は、空気を吸入するための吸入口21と、空気を排出するための排出口22とを備え、その内部に換気ファン23が配置されている。吸入口21は、ダクト24を通じて浴室100以外の他の部屋(例えば、脱衣室またはトイレ等)の換気口に接続される。このような他の部屋につながる吸入口21が複数設けられていてもよい。排出口22は、ダクトを介して屋外に繋がっている。また、筐体20と筐体10との共有壁10aに開口部16が設けられており、この開口部16に、開閉可能な電動式のシャッタ17が設けられている。シャッタ17の開・閉の切り替えにより、筐体20の内部空間と筐体10の第2空間P2との間の空気の流通・遮断が切り替えられる。
【0036】
浴室乾燥機2は、上記換気ファン23の駆動状態(運転または停止)、シャッタ17の開閉状態、熱交換器13への温水循環状態(循環または停止)、および循環ファン14の駆動状態(運転または停止)の組み合わせに応じて、運転内容を、換気運転、暖房運転、乾燥運転または涼風運転の間で切り替え可能に構成される。
【0037】
浴室100内の空気を浴室100外に移送する換気運転を行う場合には、シャッタ17を開いた状態で換気ファン23が駆動される。これにより、吸入口15から吸入された浴室100内の空気が開口部16を通過して筐体20の排出口22から排出される。また、換気ファン23を駆動することで、上記他の部屋の空気が、ダクト24を通じて吸入口21から吸入されて排出口22から排出されるので、他の部屋の換気も行われる。なお、シャッタ17を閉じた状態で換気ファン23を駆動すると上記他の部屋の換気のみが行われる。なお、換気運転においては、熱交換器13への温水循環は停止され、循環ファン14も停止している。
【0038】
なお、本例では、浴室100以外の他の部屋の換気も行うことができるように構成されているが、浴室100のみの換気が可能な構成(以下、「一室換気構成」という)でもよい。この一室換気構成の場合、例えば、共有壁10aに開口部16及びシャッタ17を設けずに、吸入口21を浴室100の天井の開口部に接続するとともに、仕切り板18を無くした構成とすることができる。この場合、前述の吸入口15及び排出口12の部分が、循環用の排出口12に相当する1つの排出口となる。
【0039】
暖房運転の実行時には、浴室100内に温風を導入する。すなわち、暖房運転の実行時には、循環ファン14が駆動されるとともに、温水熱源機3からの温水を、配管54,55を介して熱交換器13に循環させる。これにより、吸入口11から吸入された浴室100内の空気が熱交換器13で暖められた後、排出口12から浴室100内へ排出される。これにより浴室100内の暖房が行われる。このとき、シャッタ17は閉じた状態となっている。換気ファン23は、他の部屋の換気を行うか否かに応じて運転または停止が決定される。
【0040】
また、乾燥運転の実行時には、浴室100内を温水熱源機3で生成される温水を用いて乾燥させる。すなわち、乾燥運転の実行時には、暖房運転の場合と同様、循環ファン14が駆動されるとともに、温水熱源機3からの温水を、配管54,55を介して熱交換器13に循環させる。さらに、乾燥運転の実行時には、シャッタ17を開いた状態で換気ファン23が駆動される。このように、乾燥運転では、換気運転と暖房運転とが併用されることにより、浴室100内の乾燥が行われる。
【0041】
また、涼風運転の実行時には、浴室100内に送風を行う。すなわち、涼風運転の実行時には、循環ファン14が駆動される一方、熱交換器13への温水の循環が停止される(熱交換器13による熱交換が行われない)。このとき、シャッタ17は閉じた状態となっている。換気ファン23は、他の部屋の換気を行うか否かに応じて運転または停止が決定される。
【0042】
浴室乾燥機2のコントローラ2aは、
図3では示されていないが、例えば筐体10の内部または外部の適宜の位置に設けることができる。コントローラ2aは、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、浴室乾燥機2全体の動作を制御する。すなわち、コントローラ2aは、循環ファン14、換気ファン23およびシャッタ17等の動作制御を行う。
【0043】
また、
図1に示すように、浴室乾燥機2を遠隔操作するためのリモコン(以下、「乾燥機リモコン」という)2Rが、例えば脱衣室等に設けられている。この乾燥機リモコン2Rは、コントローラ2aと相互に通信可能に構成されている。また、乾燥機リモコン2Rには、暖房運転、乾燥運転、換気運転、涼風運転、および24時間換気運転等の各運転を開始および停止させるための複数の操作ボタン(操作部)と、各運転の実行の際に所定の情報を表示する表示部等を備えている。ユーザによる乾燥機リモコン2Rの操作部の操作に応じてコントローラ2aが浴室乾燥機2の動作(運転)を制御する。
【0044】
24時間換気運転は、換気運転の一態様である。24時間換気運転は、換気ファン23を常時駆動して上記換気運転を連続で行う運転モードである。通常の換気運転には、換気時間の設定項目が設けられる場合があるが、24時間換気運転は換気時間の設定項目が存在しない。なお、24時間換気運転は、通常の換気運転よりも小さな風量で換気が行われる。
【0045】
24時間換気運転は、所定の条件の発生によって一時停止される。浴室乾燥機2のコントローラ(第1制御器)2aは、24時間換気運転中に所定の条件を満足するか否かを判定し、24時間換気運転を一時停止させる。より詳しくは、コントローラ2aは、24時間換気運転中に温水熱源機3が所定のふろ運転状態であるか否かを判定する。
【0046】
図4は、
図1に示す浴室乾燥機の動作の一例を示すフローチャートである。この
図4に示すフローチャートの処理は、浴室乾燥機2のコントローラ2aによって所定の周期(例えば100msの周期)で繰り返し実行される。また、上述したように、温水熱源機3が受信した操作開始信号に対応するふろ運転を開始する場合に、温水熱源機3が開始したふろ運転の内容を示すふろ運転情報が温水熱源機3のコントローラ3aから浴室乾燥機2のコントローラ2aへ送信され、コントローラ2aでは、直近(最新)のふろ運転情報を記憶している。
【0047】
コントローラ2aは、浴室乾燥機2の運転状態を監視する。より具体的には、コントローラ2aは、24時間換気運転の実行中か否かを判定する(ステップS1)。例えば、ユーザが乾燥機リモコン2Rの「24時間換気」ボタンを押すと、コントローラ2aは、シャッタ17を開いて換気ファン23を駆動させる。このとき、コントローラ2aは、24時間換気運転の実行中であると判定する。なお、24時間換気運転を停止(完全停止)させる場合には、例えば、「24時間換気」ボタンを数秒間、長押しすればよい。
【0048】
24時間換気運転の実行中である場合(ステップS1でYes)、コントローラ2aは、直近のふろ運転情報に基づいて、温水熱源機3が所定のふろ運転状態であるか否かを判定する(ステップS2)。ここで所定のふろ運転状態は、ふろ自動運転、追いだき運転、注湯運転、注水運転、および、ふろ保温運転のうちの少なくとも1つの運転状態が予め設定され、コントローラ2aの記憶器に、設定された運転状態が所定のふろ運転状態として記憶される。これに加えて、またはこれに代えて、浴槽101に湯張りされた状態でふろ循環ポンプのみを作動させるポンプ循環運転(温浴運転ともいう)が所定のふろ運転状態に設定されてもよい。
【0049】
所定のふろ運転状態の設定は、製品出荷時に設定され、変更不能としてもよいし、ユーザにより設定変更可能としてもよい。所定のふろ運転状態として、1つのふろ運転状態が設定されてもよいし、複数のふろ運転状態が設定されてもよい。複数のふろ運転状態が所定のふろ運転状態に設定されている場合、温水熱源機3がそのうちの何れか1つのふろ運転状態になれば所定のふろ運転状態であると判定される。
【0050】
直近のふろ運転情報が所定のふろ運転状態である場合(ステップS2でYes)、コントローラ2aは、24時間換気運転の一時停止を実行する(ステップS3)。本実施の形態では、シャッタ17を閉じることにより浴室100の24時間換気運転の一時停止を行う。これにより、浴室100以外の他の部屋の換気は継続される。なお、前述した浴室100のみの換気が可能な一室換気構成の場合には、換気ファン23を停止させてもよい。いずれにしても、24時間換気運転の一時停止は、浴室100の換気運転を一時停止させることを意味する。
【0051】
コントローラ2aは、24時間換気運転の一時停止開始に基づき内蔵のタイマによる計時を開始する(ステップS4)。
【0052】
一方、24時間換気運転中であっても、所定のふろ運転状態でない場合(ステップS2でNo)には、コントローラ2aは、現状を維持する(24時間換気運転を継続する)。また、24時間換気運転の実行中ではない場合(ステップS1でNo)、コントローラ2aは、24時間換気運転の一時停止中か否かを判定する(ステップS5)。24時間換気運転の一時停止中である場合(ステップS5でYes)、コントローラ2aは、タイマの計測時間が所定の期間を経過しているか否かを判定する(ステップS6)。所定の期間を経過している場合(ステップS6でYes)、コントローラ2aは、シャッタ17を開く、または、換気ファン23の運転を再開することにより、24時間換気運転を再開する(ステップS7)。このとき、コントローラ2aは、タイマをリセットする。
【0053】
一方、24時間換気の一時停止を開始してから所定の期間を経過していない場合(ステップS6でNo)、コントローラ2aは、現状を維持する(24時間換気運転の一時停止を継続する)。
【0054】
上記構成によれば、24時間換気運転中に、温水熱源機3がふろ機能に関する所定のふろ運転状態である場合に、24時間換気運転が一時停止する。例えば、所定のふろ運転状態としてふろ自動運転が設定されている場合、24時間換気運転中にふろ自動運転が開始された場合または24時間換気運転開始時においてふろ自動運転が行われている場合に、24時間換気運転が所定の期間一時停止する。
【0055】
このように、所定のふろ運転状態である場合を、入浴時または入浴前の(もうすぐ入浴する)状態とみなして24時間換気運転を一時停止させることにより、浴室100内の人を検知する人感センサを用いることなく浴室乾燥機2における24時間換気運転を一時停止させることができる。これにより、入浴中の人が24時間換気運転により寒さを感じることを抑制することができる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、温水熱源機3は、ふろ運転情報を浴室乾燥機2に送信するだけですむ。したがって、浴室乾燥機2の機能性向上を浴室システム1の簡単な変更で実現することができる。
【0057】
(他の実施の形態)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【0058】
例えば、上記実施の形態においては、24時間換気運転中に温水熱源機3が所定のふろ運転状態であると判定した場合に、24時間換気運転を一時停止させる態様を例示したが、これに代えて、24時間換気運転中に温水熱源機3において所定の第1ふろ運転状態変化が生じたと判定した場合に、24時間換気運転を一時停止させてもよい。
【0059】
この場合、浴室乾燥機2のコントローラ2aは、温水熱源機3のコントローラ3aから送られてくるふろ運転情報の履歴を記憶する。コントローラ2aは、ふろ運転情報の履歴に基づいて、24時間換気運転中に温水熱源機3におけるふろ運転状態が予め定められた第1状態から第2状態に遷移したかどうかを判定する。例えば、第1状態はふろ自動運転に設定され、第2状態はふろ保温運転に設定される。この場合、コントローラ2aは、ふろ自動運転からふろ保温運転に変化した場合に所定の第1ふろ運転状態変化が生じたと判定する。
【0060】
コントローラ2aは、24時間換気運転中に温水熱源機3において所定の第1ふろ運転状態変化が生じたと判定した場合に、24時間換気運転を一時停止させる。例えば、上記例であればふろ自動運転の完了後にふろ保温運転に移行した場合に24時間換気運転が一時停止する。ふろ自動運転の完了時は、より人が浴室100に入る可能性が高い状態であるといえる。これにより、人が入浴する可能性が高い状態となった場合に24時間換気運転を一時停止することができるため、入浴中の人が24時間換気運転により寒さを感じることを抑制することができる。
【0061】
なお、所定の第1ふろ運転状態変化は、上記例に限られない。例えば、所定のふろ運転状態変化は、ふろ自動運転の完了後にふろ保温運転に移行しない場合も含まれ得る。この場合、第1状態はふろ自動運転に設定され、第2状態は運転停止状態に設定される。あるいは、所定のふろ運転状態変化は、追い焚き運転(第1状態)から運転停止(第2状態)への変化を含んでもよい。また、所定の第1ふろ運転状態変化は、温水熱源機3の自動的な運転変化(運転停止等)だけでなく、操作部31の操作に基づくふろ運転状態変化を含み得る。
【0062】
第1ふろ運転状態変化に基づいて24時間換気運転の一時停止を行う場合、温水熱源機3がふろ運転情報を送信する代わりに、温水熱源機3のコントローラ3aが所定の第1ふろ運転状態変化が生じたかどうかを判定し、所定の第1ふろ運転状態変化が生じたときに、そのことを示すふろ運転状態変化信号を、浴室乾燥機2のコントローラ2aに送信してもよい。この場合、浴室乾燥機2のコントローラ2aは、ふろ運転状態変化信号を受けた場合に、24時間換気運転を一時停止するようにしてもよい。
【0063】
また、上記実施の形態においては、24時間換気運転の一時停止開始後、所定の期間を経過したときに24時間換気運転の一時停止を解除して24時間換気運転を再開する態様を例示したが、一時停止を解除するタイミングは、これに限られない。例えば、ふろ運転状態が所定の解除状態に変化した場合に一時停止を解除し、24時間換気運転を再開してもよい。例えば、ふろ運転状態がふろ保温運転から運転停止状態となった場合、または、操作部31のオンオフボタン33の操作等により温水熱源機3がオンモードからオフモードに移行した場合等に24時間換気運転の一時停止が解除されてもよい。
【0064】
また、24時間換気運転の一時停止開始後、所定の期間を経過したときに24時間換気運転の一時停止を解除する態様において、上記実施の形態では、所定の期間の開始時(タイマによる計時開始タイミング)を24時間換気運転の一時停止時としたが、これに代えて、24時間換気運転の一時停止の原因となった所定のふろ運転状態が終了した時点または所定の第1ふろ運転状態変化後の状態(第2状態)が終了した時点から所定の期間を計時してもよい。例えば、ふろ自動運転の開始により24時間換気運転が一時停止した場合、ふろ自動運転の完了時(ふろ保温運転または運転停止状態への移行時)から所定の期間経過後に24時間換気運転が再開してもよい。また、例えば、ふろ自動運転からふろ保温運転への変化により24時間換気運転が一時停止した場合、ふろ保温運転の終了時(運転停止状態への移行時)から所定の期間経過後に24時間換気運転が再開してもよい。
【0065】
また、24時間換気運転の一時停止開始後、所定の期間を経過したときに24時間換気運転の一時停止を解除する態様において、コントローラ2aは、24時間換気運転を一時停止させている間に、所定の第2ふろ運転状態変化が生じたか否かを判定し、所定のふろ運転状態変化が生じた場合に、一時停止の期間を延長してもよい。
【0066】
例えば、24時間換気運転の一時停止中(例えば、温水熱源機3が運転停止状態である場合)に、ふろ自動運転、追い焚き運転、ふろ注湯運転、ふろ注水運転またはふろ保温運転等が新たに開始された場合、コントローラ2aは、タイマによる計時をリセットしてもよい。あるいは、これらの運転が新たに開始された場合、コントローラ2aは24時間換気運転の一時停止の期間として定められる所定の期間に所定の延長時間を追加してもよい。
【0067】
これによれば、24時間換気運転の一時停止を開始してから一定期間は一時停止が継続されるとともに、24時間換気運転の一時停止中に新たに入浴中の操作に基づくものとみなされるふろ運転状態が生じた場合に、24時間換気運転の一時停止の期間が延長されるため、入浴中に24時間換気運転の一時停止が解除される可能性を低減させることができる。
【0068】
なお、所定の第2ふろ運転状態変化は、変化前の第1状態と変化後の第2状態とが互いに異なる状態であればよい。例えばコントローラ2aは、変化前の第1状態と変化後の第2状態とを比較し、互いに異なるふろ運転状態であれば、温水熱源機3において所定の第2ふろ運転状態変化が生じたと判定してもよい。
【0069】
また、24時間換気運転を一時停止するか否かを判定する際の基準として所定の第1ふろ運転状態変化を用いる場合、所定の第1ふろ運転状態変化と所定の第2ふろ運転状態変化とは、同じふろ運転状態変化でもよいし、互いに異なるふろ運転状態変化でもよい。また、コントローラ2aは、24時間換気運転を一時停止するか否かを判定する際に、所定のふろ運転状態であるか否かを判定し、一時停止の期間を延長するか否かを判定する際に、所定のふろ運転状態変化(第2ふろ運転状態変化)が生じたか否かを判定してもよい。
【0070】
また、上記実施の形態においては、浴室リモコン3Rの操作部31の操作に基づいて温水熱源機3aが対応するふろ運転を行う態様を例示したが、温水熱源機3を遠隔操作するための構成は、浴室リモコン3Rに限られない。例えば、図示しないが、浴室100外に浴室外リモコン(例えば台所リモコン)が設けられてもよい。浴室外リモコンも浴室リモコン3Rと同様の構成を有するが、一部の操作ボタンが除外または追加される等、一部の構成が異なっていてもよい。
【0071】
あるいは、温水熱源機3は、インターネット等の外部通信網を介して浴室リモコン3Rおよび浴室外リモコン(専用リモコン)とは別の通信端末(図示せず)と通信接続されてもよい。この場合、例えば、温水熱源機3は、中継装置に接続され、中継装置とサーバ装置等の管理装置とが外部通信網を介して通信接続される。通信端末には、温水熱源機3のためのアプリケーションプログラムがインストールされており、通信端末は、管理装置との間で外部通信網を介した通信を行うことにより、温水熱源機3の遠隔操作および状態確認を行うことができる。このような通信端末を用いたふろ運転操作によっても温水熱源機3は、上記実施の形態で説明したようなふろ運転を行い得る。この場合もふろ運転に対応するふろ運転情報が浴室乾燥機2のコントローラ2aに送られる。
【0072】
さらに、通信端末からのふろ運転操作には、ふろ予約運転操作が含まれ得る。ふろ予約運転操作は、浴槽100への湯張りを設定時刻において完了するふろ予約運転を行うための操作である。ふろ予約運転は、設定時刻においてふろ自動運転が完了するように、設定時刻より前の所定の時刻からふろ自動運転を開始する。この場合も、温水熱源機3のコントローラ3aは、ふろ自動運転を開始する際にふろ自動運転を示すふろ運転情報を浴室乾燥機2のコントローラ2aに送信する。したがって、ふろ自動運転が所定のふろ運転状態として設定されている場合、ふろ予約運転においてふろ自動運転が開始された時点で24時間換気運転中であれば、その24時間換気運転は一時停止される。あるいは、ふろ自動運転の終了(保温運転への移行または運転停止状態)が所定の第1ふろ運転状態変化として設定されている場合、ふろ予約運転においてふろ自動運転が完了した時点で24時間換気運転中であれば、その24時間換気運転は一時停止される。
【0073】
また、上記実施の形態においては、24時間換気運転を一時停止させる態様を例示したが、これに加えてまたはこれに代えて、上記判定を用いて通常の換気運転を一時停止させてもよい。すなわち、本浴室システムの制御態様は、通常の換気運転機能を備え、24時間換気運転機能を備えない浴室システムについても適用可能である。
【0074】
さらに、上記判定を用いて暖房運転、涼風運転等を一時停止させてもよい。すなわち、送風機(循環ファン14または換気ファン23)の駆動を伴う送風機駆動運転であれば、上記判定による一時停止の対象となり得る。
【0075】
一時停止させる対象となる所定の送風機駆動運転は、これらの送風機駆動運転のうちから少なくとも1つの送風機駆動運転が予め設定され、コントローラ2aの記憶器に、設定された送風機駆動運転が所定の送風機駆動運転として記憶される。所定の送風機駆動運転の設定は、製品出荷時に設定され、変更不能としてもよいし、ユーザにより設定変更可能としてもよい。また、本浴室システムの制御態様において、一時停止の対象となる送風機駆動運転機能以外の各機能は必須の機能ではない。
【0076】
また、上記実施の形態において、上記判定を行うための制御器が浴室乾燥機2のコントローラ(第1制御器)2aである態様を例示したが、上記判定を行うための制御器が温水熱源機3のコントローラ(第2制御器)3aであってもよいし、浴室乾燥機2および温水熱源機3とは独立した別個のコントローラであってもよい。
【0077】
また、上記実施の形態において、1つの温水熱源機3に対して1つの浴室乾燥機2を備えた(浴室100に1つの浴室乾燥機2が設けられた)浴室システムを例示したが、1つの温水熱源機3に対して複数の浴室乾燥機2を備えた(浴室100に複数の浴室乾燥機2が設けられた)浴室システムにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、人感センサを用いることなく浴室乾燥機における送風機駆動運転を一時停止させるために有用である。
【符号の説明】
【0079】
1 浴室システム
2 浴室乾燥機
2a コントローラ(制御器、第1制御器)
3 温水熱源機
3a コントローラ(第2制御器)