(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113482
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】自動二輪車用タイヤ及び自動二輪車用タイヤ対
(51)【国際特許分類】
B60C 11/03 20060101AFI20220728BHJP
B60C 9/06 20060101ALI20220728BHJP
B60C 11/12 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
B60C11/03 E
B60C9/06 B
B60C11/12 B
B60C11/03 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009763
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】一柳 豊
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB06
3D131BC13
3D131BC15
3D131BC20
3D131BC31
3D131CB07
3D131DA03
3D131EB07U
3D131EB08V
3D131EB08X
3D131EB51U
3D131EB52U
3D131EB66U
3D131EB81X
3D131EB87X
3D131EB94X
3D131EB95X
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ハンドリング性能とグリップ性能とを向上する自動二輪車用タイヤを提供する。
【解決手段】バイアス構造の自動二輪車用タイヤ1である。トレッド部2には、複数の主溝8と、複数のサイプ9とが設けられる。主溝8は、クラウン領域Crから一対のショルダー領域Shの一方側に延びる第1主溝11と、クラウン領域Crから一対のショルダー領域Shの他方側に延びる第2主溝12とを備える。サイプ9は、一対のショルダー領域Shにのみ形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車用タイヤであって、
一対のトレッド端を有するトレッド部と、バイアス構造のカーカスとを備え、
前記トレッド部は、トレッド展開図において、前記一対のトレッド端からそれぞれタイヤ軸方向内側にトレッド展開幅の30%のタイヤ軸方向の幅を有する一対のショルダー領域と、前記一対のショルダー領域の間のクラウン領域とを備え、
前記トレッド部には、複数の主溝と、複数のサイプとが設けられており、
前記主溝は、前記クラウン領域から前記一対のショルダー領域の一方側に延びる第1主溝と、前記クラウン領域から前記一対のショルダー領域の他方側に延びる第2主溝とを備え、
前記サイプは、前記一対のショルダー領域にのみ形成されている、
自動二輪車用タイヤ。
【請求項2】
前記サイプの最大深さは、前記主溝の最大深さと同一である、請求項1に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項3】
前記サイプの一つと前記主溝の一つとがタイヤ周方向で隣接して配され、かつ、タイヤ軸方向に重複部を有し、
前記重複部を通る第1タイヤ周方向線上において、前記サイプの一つと前記主溝の一つとが同じ深さを有する、請求項1又は2に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項4】
前記第1主溝、前記第2主溝及び前記サイプは、互いに連通することなく配置されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項5】
前記主溝のそれぞれは、前記トレッド端に連通することなく終端している、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項6】
前記主溝は、前記ショルダー領域において、タイヤ軸方向の内側から外側に向かって溝幅が大きくなる拡幅部を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項7】
前記拡幅部は、前記主溝のタイヤ軸方向の外端まで延びている、請求項6に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項8】
前記サイプは、サイプ底を局所的に隆起させた少なくとも1つの隆起部を備える、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項9】
前記隆起部は、前記サイプの沿った断面において、タイヤ半径方向外側に凸の円弧状である、請求項8に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項10】
前記サイプは、前記ショルダー領域のタイヤ軸方向の中間位置よりもタイヤ軸方向外側にオフセットされている、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の自動二輪車用タイヤ。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載された自動二輪車用タイヤを前輪用タイヤ及び後輪用タイヤとする自動二輪車用タイヤ対であって、
前記後輪用タイヤには、前記前輪用タイヤよりも多くのサイプが設けられている、
自動二輪車用タイヤ対。
【請求項12】
前記後輪用タイヤの前記トレッド部は、ランド比が80%以上である、請求項11に記載の自動二輪車用タイヤ対。
【請求項13】
前記後輪用タイヤの前記トレッド部は、前記クラウン領域のランド比が前記ショルダー領域のランド比以上である、請求項11又は12に記載の自動二輪車用タイヤ対。
【請求項14】
前記前輪用タイヤの前記トレッド部は、前記後輪用タイヤの前記トレッド部よりもランド比が小さい、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の自動二輪車用タイヤ対。
【請求項15】
前記前輪用タイヤの前記トレッド部は、前記ショルダー領域のランド比が前記クラウン領域のランド比以上である、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の自動二輪車用タイヤ対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車用タイヤ及び自動二輪車用タイヤ対に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、トレッド部を有する自動二輪車用タイヤが記載されている。前記トレッド部には、溝幅が2mmを超える主溝と、溝幅が2mm以下の細溝とが設けられている。前記主溝及び前記細溝は、タイヤ周方向に対して傾斜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、バイアス構造を有する自動二輪車用タイヤのトレッド部には、タガ効果を発揮させるためのベルト層が設けられていない。このような自動二輪車用タイヤでは、トレッド部のショルダー領域のゴム厚さが大きくなり、その剛性が高くなることから、ハンドリング性能が悪化しやすいという問題があった。なお、ハンドリング性能とは、自動二輪車を旋回させる際に、車体を傾けてタイヤにキャンバー角を与えるハンドリング操作の容易性を意味する。
【0005】
一方、トレッド部に溝やサイプを多数設けると、グリップ性能が悪化するという問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、ハンドリング性能とグリップ性能とを向上し得る自動二輪車用タイヤ等を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、自動二輪車用タイヤであって、一対のトレッド端を有するトレッド部と、バイアス構造のカーカスとを備え、前記トレッド部は、トレッド展開図において、前記一対のトレッド端からそれぞれタイヤ軸方向内側にトレッド展開幅の30%のタイヤ軸方向の幅を有する一対のショルダー領域と、前記一対のショルダー領域の間のクラウン領域とを備え、前記トレッド部には、複数の主溝と、複数のサイプとが設けられており、前記主溝は、前記クラウン領域から前記一対のショルダー領域の一方側に延びる第1主溝と、前記クラウン領域から前記一対のショルダー領域の他方側に延びる第2主溝とを備え、前記サイプは、前記一対のショルダー領域にのみ形成されている。
【0008】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記サイプの最大深さが、前記主溝の最大深さと同一である、のが望ましい。
【0009】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記サイプの一つと前記主溝の一つとがタイヤ周方向で隣接して配され、かつ、タイヤ軸方向に重複部を有し、前記重複部を通る第1タイヤ周方向線上において、前記サイプの一つと前記主溝の一つとが同じ深さを有する、のが望ましい。
【0010】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記第1主溝、前記第2主溝及び前記サイプが、互いに連通することなく配置されている、のが望ましい。
【0011】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記主溝のそれぞれが、前記トレッド端に連通することなく終端している、のが望ましい。
【0012】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記主溝が、前記ショルダー領域において、タイヤ軸方向の内側から外側に向かって溝幅が大きくなる拡幅部を含む、のが望ましい。
【0013】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記拡幅部が、前記主溝のタイヤ軸方向の外端まで延びている、のが望ましい。
【0014】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記サイプが、サイプ底を局所的に隆起させた少なくとも1つの隆起部を備える、のが望ましい。
【0015】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記隆起部が、前記サイプの沿った断面において、タイヤ半径方向外側に凸の円弧状である、のが望ましい。
【0016】
本発明に係る自動二輪車用タイヤは、前記サイプが、前記ショルダー領域のタイヤ軸方向の中間位置よりもタイヤ軸方向外側にオフセットされている、のが望ましい。
【0017】
本発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載された自動二輪車用タイヤを前輪用タイヤ及び後輪用タイヤとする自動二輪車用タイヤ対であって、前記後輪用タイヤには、前記前輪用タイヤよりも多くのサイプが設けられている。
【0018】
本発明に係る自動二輪車用タイヤ対において、前記後輪用タイヤの前記トレッド部は、ランド比が80%以上である、のが望ましい。
【0019】
本発明に係る自動二輪車用タイヤ対において、前記後輪用タイヤの前記トレッド部は、前記クラウン領域のランド比が前記ショルダー領域のランド比以上である、のが望ましい。
【0020】
本発明に係る自動二輪車用タイヤ対において、前記前輪用タイヤの前記トレッド部は、前記後輪用タイヤの前記トレッド部よりもランド比が小さい、のが望ましい。
【0021】
本発明に係る自動二輪車用タイヤ対において、前記前輪用タイヤの前記トレッド部は、前記ショルダー領域のランド比が前記クラウン領域のランド比以上である、のが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の自動二輪車用タイヤは、上記の構成を採用することで、ハンドリング性能とグリップ性能とを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態を示すトレッド部の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の自動二輪車用タイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1のトレッド部2の展開図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、乾燥アスファルト路面などのオンロード走行に好適に用いられる。但し、本発明のタイヤ1は、このような使用態様に限定されるものではない。
【0025】
図2は、
図1のA-A線断面図である。
図2に示されるように、タイヤ1は、キャンバー角が大きい旋回時においても十分な接地面積が得られるように、トレッド部2の踏面2aがタイヤ半径方向外側に凸の円弧状に湾曲している。
【0026】
タイヤ1は、例えば、ビード部4、4間に架け渡されるカーカス6と、カーカス6のタイヤ半径方向の外側であってトレッド部2の内部に配されるバンド層7とを含んでいる。
【0027】
カーカス6は、例えば、タイヤ半径方向の内外に配される2枚のカーカスプライ6A、6Bからなる。各カーカスプライ6A、6Bは、例えば、カーカスコード(図示省略)がタイヤ周方向に対して30~45度の角度で配列されたバイアス構造をなしている。各カーカスプライ6A、6Bには、周知の材料が採用される。
【0028】
バンド層7は、バンドコード(図示省略)をタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋巻きした1枚以上、本実施形態では、1枚のバンドプライ7Aからなる。バンドプライ7Aには、周知の材料が採用される。
【0029】
図1に示されるように、トレッド部2は、一対のトレッド端Te、Teからそれぞれタイヤ軸方向内側にトレッド展開幅TWeの30%のタイヤ軸方向の幅Wsを有する一対のショルダー領域Shと、一対のショルダー領域Shの間のクラウン領域Crとを備えている。ショルダー領域Shは、主に、旋回走行時に、大きな接地圧の作用する領域である。クラウン領域Crは、主に、直進走行時に、大きな接地圧の作用する領域である。トレッド展開幅TWeは、本明細書では、トレッド部2を平面に展開したときのトレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離である。
【0030】
本実施形態のトレッド部2には、複数の主溝8と複数のサイプ9とが設けられている。トレッド部2は、例えば、タイヤ周方向に延びる周方向溝10をさらに含んでいる。本明細書では、主溝8や周方向溝10は、溝幅の最大値が1.5mmを超える溝状体である。サイプ9は、本明細書では、幅の最大値が1.5mm以下の切込み状体である。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、正規状態のタイヤ1で測定された値である。
【0031】
前記「正規状態」は、タイヤ1が正規リム(図示省略)にリム組みされ、かつ、正規内圧が充填された無負荷の状態である。
【0032】
前記「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
【0033】
前記「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0034】
主溝8は、クラウン領域Crから一対のショルダー領域Shの一方(図では左)側に延びる第1主溝11と、クラウン領域Crから一対のショルダー領域Shの他方(図では右)側に延びる第2主溝12とを備えている。このような第1主溝11及び第2主溝12は、トレッド部2の両側のショルダー領域Shのゴム厚さが大きく形成された場合でも、その剛性を緩和することができる。したがって、本実施形態のタイヤ1は、旋回時におけるショルダー領域Shの路面への接地性が向上し、ひいては、ハンドリング性能が向上する。
【0035】
サイプ9は、一対のショルダー領域Shにのみ形成されている。これにより、クラウン領域Crは、もとより、ショルダー領域Shの過度の剛性低下が抑制され、ひいては、優れたグリップ性能が発揮される。サイプ9は、ショルダー領域Shの一方側に配された第1サイプ9Aと、ショルダー領域Shの他方側に配された第2サイプ9Bとを含んでいる。
【0036】
本実施形態のトレッド部2は、自動二輪車(図示省略)の前輪用タイヤのトレッド部2に好適に用いられる。なお、
図1に示されるトレッド部2は、後輪用タイヤのトレッド部2に適用することもできる。
【0037】
第1主溝11、第2主溝12及びサイプ9は、例えば、互いに連通することなく配置されている。これにより、トレッド部2の大きな剛性低下が抑制される。
【0038】
主溝8は、本実施形態では、さらに、第3主溝13と第4主溝14と第5主溝15と第6主溝16とを含んでいる。第3主溝13は、本実施形態では、第1主溝11とタイヤ周方向で隣接し、かつ、第1主溝11よりもタイヤ軸方向の長さが小さく形成されている。第3主溝13は、例えば、クラウン領域Crからショルダー領域Shまで延びている。第4主溝14は、第2主溝12とタイヤ周方向で隣接し、かつ、第2主溝12よりもタイヤ軸方向の長さが小さく形成されている。第4主溝14は、クラウン領域Crからショルダー領域Shの他方側まで延びている。第5主溝15は、本実施形態では、ショルダー領域Shの一方側にのみ形成されている。第6主溝16は、本実施形態では、ショルダー領域Shの他方側にのみ形成されている。
【0039】
本実施形態の第1主溝11は、タイヤ周方向に位置ずれさせた第2主溝12とタイヤ赤道Cを挟んで線対称形状である。本実施形態の第3主溝13は、タイヤ周方向に位置ずれさせた第4主溝14とタイヤ赤道Cを挟んで線対称形状である。本実施形態の第5主溝15は、タイヤ周方向に位置ずれさせた第6主溝16とタイヤ赤道Cを挟んで線対称形状である。このため、本明細書では、特に断りがない場合、第1主溝11、第3主溝13及び第5主溝15の説明が、第2主溝12、第4主溝14及び第6主溝16の説明を兼ねるものとする。
【0040】
図3は、
図1の拡大図である。
図3に示されるように、主溝8のそれぞれは、例えば、タイヤ軸方向の内側から外側に向かって、タイヤ周方向に対して一方側(図では左上)に傾斜している。第1主溝11、第3主溝13及び第5主溝15は、本実施形態では、左上がりに傾斜している。このような主溝8は、溝内の水の流れがスムーズになるので、高い排水性能を発揮する。第2主溝12、第4主溝14及び第6主溝16は、本実施形態では、右上がりに傾斜している(
図1に示す)。
【0041】
主溝8は、例えば、ショルダー領域Shにおいて、タイヤ軸方向の内側から外側に向かって溝幅が大きくなる拡幅部18を含んでいる。このような拡幅部18は、旋回時におけるショルダー領域Shの路面への接地性をより向上させる。拡幅部18は、例えば、第1主溝11に形成されている。拡幅部18は、本実施形態では、クラウン領域Crからショルダー領域Shまで延びている。拡幅部18は、各主溝8の最小溝幅waと最大溝幅wbとの差(wb-wa)とそのタイヤ軸方向の長さLaとの比((wb-wa)/La)が、3%以上の態様をいい、前記比((wb-wa)/La)が、3%未満である等幅部とは区別される。
【0042】
主溝8のそれぞれは、トレッド端Teに連通することなく終端している。これにより、ショルダー領域Shの剛性が高く維持される。主溝8のタイヤ軸方向の外端8eとトレッド端Teとの距離Liは、例えば、1mm以上が望ましく、2mm以上がさらに望ましい。また、また、距離Liは、例えば、ショルダー領域Shのタイヤ軸方向の幅Wsの30%以下が望ましく、25%以下がさらに望ましい。本実施形態では、主溝8及びサイプ9が、トレッド端Teに連通することなく終端している。
【0043】
主溝8は、長手方向に延びる一対の溝縁8s、8tを有している。一方の溝縁8sは、本実施形態では、他方の溝縁8tに比して、タイヤ軸方向の内側に配されている。
【0044】
主溝8のそれぞれは、タイヤ軸方向の内端8i側に向かって溝幅が小さくなる第1縮幅部19と、タイヤ軸方向の外端8e側に向かって溝幅が小さくなる第2縮幅部20と、第1縮幅部19と第2縮幅部20とを継ぐ基部21とを含んでいる。第1縮幅部19は、本実施形態では、内端8iを含んでいる。第2縮幅部20は、本実施形態では、外端8eを含んでいる。基部21は、主溝8の最大溝幅wbとなる最大幅部21aを含んでいる。第1縮幅部19及び第2縮幅部20は、トレッド部2のゴム容積を大きく維持して、トレッド部2の過度の剛性低下を抑制する。
【0045】
第1縮幅部19のそれぞれは、例えば、主溝8の一対の溝縁8s、8tの一方が、溝縁8s、8tの他方よりもタイヤ周方向に対する角度が小さく延びる部分で形成されている。本実施形態では、タイヤ軸方向の内側に配される溝縁8sが、タイヤ軸方向の外側に配される溝縁8tよりもタイヤ周方向に対する角度が小さくなるように形成されている。第1縮幅部19は、例えば、基部21から連続して溝幅が小さくなる部分である。
【0046】
特に限定されるものではないが、タイヤ1が回転方向Nを指定される場合、グリップ性能及び排水性能を高めるために、一方の溝縁8sは、回転方向Nの後着側となり、他方の溝縁8tが回転方向Nの先着側となるのが望ましい。
【0047】
第1主溝11の第1縮幅部19の長さLc及び第3主溝13の第1縮幅部19の長さLcは、クラウン領域Crのタイヤ軸方向の幅Wc(
図1に示す)の5%以上が望ましく、10%以上がさらに望ましく、30%以下が望ましく、25%以下がさらに望ましい。また、第5主溝15の第1縮幅部19の長さLcは、ショルダー領域Shの幅Ws(
図1に示す)の3%以上が望ましく、5%以上がさらに望ましく、17%以下が望ましく、15%以下がさらに望ましい。これにより、ハンドリング性能とグリップ性能とが高められる。また、第1縮幅部19は、溝底クラックの発生を抑制する。第1縮幅部19の長さLcは、その幅中心線方向の長さである。
【0048】
第2縮幅部20のそれぞれは、例えば、一対の溝縁8s、8tの一方(8s)が、基部21と第2縮幅部20とを滑らかな円弧で継ぐ円弧状部22を含み、他方の溝縁8tが溝幅を小さくする向きにクランク状に折れ曲がるクランク状部23を有して形成される。各第2縮幅部20は、例えば、基部21よりも溝幅が急縮小している部分である。
【0049】
特に限定されるものではないが、各第2縮幅部20の最大溝幅wcは、主溝8のそれぞれの最大溝幅wbの15%以上が望ましく、20%以上がさらに望ましく、50%以下が望ましく、40%以下がさらに望ましい。また、各第2縮幅部20のタイヤ軸方向の長さLdは、ショルダー領域Shの幅Ws(
図1に示す)の15%以上が望ましく、20%以上がさらに望ましく、30%以下が望ましく、25%以下がさらに望ましい。さらに、各第2縮幅部20の最大深さdaは、主溝8のそれぞれの最大深さD1(
図2に示す)の15%以上が望ましく、20%以上がさらに望ましく、50%以下が望ましく、40%以下がさらに望ましい。このような第2縮幅部20は、グリップ性能やハンドリング性能を高めるとともに、溝底クラックの発生を抑制する。主溝8のそれぞれの最大深さD1は、例えば、3.8mm以上が望ましく、4.0mm以上がさらに望ましく、8.0mm以下が望ましく、7.2mm以下がさらに望ましい。
【0050】
第1主溝11は、例えば、これとタイヤ周方向で隣接する第1主溝11とタイヤ周方向で重複する周方向重複部25を有している。このような第1主溝11は、トレッド部2の剛性をさらに緩和し、路面への接地性を高めて、ハンドリング性能を向上する。周方向重複部25のタイヤ周方向の長さLeは、第1主溝11のタイヤ周方向の長さL1の5%以上が望ましく、8%以上がさらに望ましく、15%以下が望ましく、12%以下がさらに望ましい。
【0051】
図4は、
図1の拡大図である。
図4に示されるように、第3主溝13は、例えば、そのタイヤ軸方向の中央側で溝幅が小さくなるくびれ部26を含んでいる。第3主溝13の基部21は、例えば、くびれ部26と、第1縮幅部19とくびれ部26とを継いで等幅となる第1等幅部27と、第2縮幅部20とくびれ部26とを継いで等幅となる第2等幅部28とを含んでいる。
【0052】
くびれ部26は、例えば、一方の溝縁8sが溝中心線側に向かって凸の円弧状に延びる円弧部31と、他方の溝縁8tが溝幅を小さくする向きにクランク状に延びるクランク状部32とで形成される。
【0053】
図2には、第4主溝14のくびれ部26が示される。
図2に示されるように、くびれ部26の最小深さdcは、第4主溝14の最大深さD1の10%以上が望ましく、20%以上がさらに望ましく、50%以下が望ましく、40%以下がさらに望ましい。くびれ部26は、その長手方向の両端側において、深さが外側へ滑らかに大きくなっている。また、
図4に示されるように、くびれ部26の最小溝幅wfは、第3主溝13の最大溝幅wbの10%以上が望ましく、20%以上がさらに望ましく、50%以下が望ましく、40%以下がさらに望ましい。このようなくびれ部26は、溝底クラックの発生を抑制する。
【0054】
第5主溝15は、例えば、第1縮幅部19と第2縮幅部20との間に配されて等幅となる第3等幅部35を含んで形成されている。
【0055】
図5は、
図1の拡大図である。
図5に示されるように、第1主溝11のタイヤ軸方向の長さLAは、トレッド展開幅TWeの30%以上が望ましく、35%以上がさらに望ましく、50%以下が望ましく、45%以下がさらに望ましい。第3主溝13のタイヤ軸方向の長さLBは、トレッド展開幅TWeの25%以上が望ましく、30%以上がさらに望ましく、45%以下が望ましく、40%以下がさらに望ましい。第5主溝15のタイヤ軸方向の長さLCは、トレッド展開幅TWeの25%以上が望ましく、30%以上がさらに望ましく、45%以下が望ましく、40%以下がさらに望ましい。
【0056】
サイプ9は、例えば、タイヤ軸方向の内側から外側に向かって、タイヤ周方向に対して一方側(図では左上)に傾斜している。第1サイプ9Aは、第1主溝11と同じ方向に傾斜している。第2サイプ9Bは、第2主溝12と同じ方向に傾斜している(
図1に示す)。
【0057】
図6は、サイプ9の縦断面図である。
図6に示されるように、サイプ9の最大深さdeは、主溝8、本実施形態では、第1主溝11の最大深さD1と同一であるのが望ましい。これにより、ショルダー領域Shの剛性が緩和され、旋回時におけるショルダー領域Shの路面への接地性が向上し、ひいては、ハンドリング性能が大きく向上する。
【0058】
サイプ9は、サイプ底9sを局所的に隆起させた少なくとも1つの隆起部38を備える。このような隆起部38は、サイプ底9sの剛性を適度に高めて、サイプ底クラックの発生を抑制する。また、隆起部38は、グリップ性能を損なうことなくハンドリング性能を高めることができる。
【0059】
隆起部38は、本実施形態では、タイヤ半径方向外側に凸の円弧状で形成される。隆起部38は、隆起高さhが長手方向の両端側からその中間位置38cに向かって滑らかに漸増している。このような隆起部38は、ショルダー領域Shの剛性の過度の低下を抑制する。
【0060】
図5に示されるように、隆起部38は、本実施形態では、1つ設けられる。この場合、隆起部38は、サイプ9の長手方向の中間位置9c(
図5に示される)に配される。隆起部38がn個設けられる場合、サイプ9をその長手方向にn等分に区分し、その各区分の長手方向の中間位置に隆起部38を設けるのが望ましい(図示省略)。
【0061】
本実施形態のトレッド部2は、ショルダー領域Shに、サイプ9の一つと主溝8の一つ(本実施形態では、第1主溝11)とがタイヤ周方向で隣接して配され、かつ、タイヤ軸方向にこれらが重複する重複部39を有している。重複部39を通る第1タイヤ周方向線n上において、サイプ9の一つと主溝8の一つとが同じ深さを有しているのが望ましい。これにより、ショルダー領域Shの剛性が適度に小さくなり、ハンドリング性能とグリップ性能とが高められる。重複部39は、本実施形態では、そのタイヤ軸方向に亘って、サイプ9と第1主溝11とが同じ深さで形成されている。重複部39は、例えば、サイプ9と同じタイヤ軸方向の長さLgを有している。
【0062】
サイプ9は、ショルダー領域Shのタイヤ軸方向の中間位置Siよりもタイヤ軸方向の外側にオフセットされている。これにより、よりゴム厚さが大きくなるショルダー領域Shのタイヤ軸方向の外側において、その剛性を小さくしてハンドリング性能を高めることができる。サイプ9のタイヤ軸方向の内端9iは、本実施形態では、ショルダー領域Shの中間位置Siよりもタイヤ軸方向の外側に位置している。
【0063】
周方向溝10は、本実施形態では、タイヤ赤道C上をタイヤ周方向に連続して延びている。このような周方向溝10は、排水性能を高める。周方向溝10は、タイヤ周方向に対して一方側に傾斜(図では左下がり)する第1部分10Aと、第1部分10Aに連なり、かつ、第1部分10Aとはタイヤ周方向に逆向きに傾斜する第2部分10Bとが交互に並ぶジグザグ状に形成されている。これにより、周方向溝10の長手方向に延びる一対の溝縁10e、10eのそれぞれは、タイヤ軸方向の外側となる外側部分10sと、外側部分10sよりもタイヤ軸方向の内側となる内側部分10tとが交互に並ぶように形成される。
【0064】
周方向溝10は、例えば、第1部分10Aと第2部分10Bとの交差部10kにおいて、踏面2aから第1部分10A及び第2部分10Bへ切り欠いた切欠き部40を含んでいる。このような切欠き部40は、排水性能と耐偏摩耗性能とを高める。
【0065】
切欠き部40は、例えば、外側部分10sに連なるように配される。切欠き部40は、本実施形態では、外側部分10sに滑らかに連なる第1縁部40aと、第1縁部40aよりもタイヤ周方向に対して大きな角度で傾斜する第2縁部40bとを含んで形成される。第1縁部40aは、タイヤ赤道C付近のトレッド部2の過度の剛性低下を抑制する。第2縁部40bが、第1縁部40aよりも回転方向Nの後着側に配される場合、第2縁部40bは、路面と踏面2aとの間の水膜を捉えて、周方向溝10外に排出するのに役立つ。
【0066】
図7は、他の実施形態のトレッド部2の展開図である。本実施形態の構成と同じ構成には、同じ符号が付されてその説明が省略される場合がある。この実施形態のトレッド部2は、自動二輪車の後輪用タイヤに好適に用いられる。なお、このトレッド部2は、前輪用タイヤに用いられても良い。
【0067】
図7に示されるように、この実施形態のトレッド部2は、主溝8とサイプ9とで形成され、周方向溝が形成されていない。この実施形態の主溝8は、第1主溝11乃至第6主溝16からなる。本明細書では、この実施形態においても、特に断りがない場合、第1主溝11、第3主溝13及び第5主溝15の説明は、それぞれ、第2主溝12、第4主溝14及び第6主溝16の説明を兼ねている。
【0068】
第1主溝11は、例えば、タイヤ赤道Cを跨ることなくいずれかのショルダー領域Sh内でタイヤ軸方向に延びている。この実施形態の第1主溝11は、
図1の第1主溝11に比して、タイヤ軸方向の内端11iがタイヤ赤道Cに近づけられている。この実施形態では、内端11iは、タイヤ赤道Cからのタイヤ軸方向の距離Lhが、トレッド展開幅TWeの3%以内であるのが望ましい。
【0069】
第1主溝11は、この実施形態では、拡幅部18が第1主溝11のタイヤ軸方向の外端11eまで延びている。換言すると、第1主溝11は、第2縮幅部20が設けられていない。このような第1主溝11は、排水性能を高める。
【0070】
第5主溝15は、この実施形態では、それぞれ、クラウン領域Crから一方のショルダー領域Shに延びている。このような第5主溝15は、ショルダー領域Shのみならず、クラウン領域Crの剛性も適度に小さくする。
【0071】
例えば、
図1に示されるトレッド部2を有する前輪用タイヤと、
図7に示されるトレッド部2を有する後輪用タイヤとで自動二輪車用タイヤ対Tが構成される。
【0072】
後輪用タイヤには、前輪用タイヤよりも多くのサイプ9が設けられているのが望ましい。後輪用タイヤは、前輪用タイヤよりもトレッド展開幅TWeが大きいので、よりショルダー領域Shの剛性が大きくなる。このため、上記構成とすることで、後輪用タイヤの接地性が向上し、ひいては、ハンドリング性能が向上する。後輪用タイヤでは、第1主溝11の1ピッチP1内に2本のサイプ9が設けられ(
図7に示される)、前輪用タイヤでは、第1主溝11の1ピッチP1内に1本のサイプ9が設けられている(
図1に示される)。後輪用タイヤの第1主溝11の1ピッチP1は、前輪用タイヤの第1主溝11の1ピッチP1と同じ寸法であるのが望ましい。
【0073】
後輪用タイヤのトレッド部2は、ランド比が80%以上であるのが望ましい。これにより、後輪用タイヤのトレッド部2の剛性の過度の低下が抑制されて、グリップ性能が維持される。ランド比は、本明細書では、主溝8又は周方向溝10を埋めて得られる仮想トレッド部(図示省略)の踏面の表面積SAと、トレッド部2の踏面2aの表面積SBとの比(SB/SA)である。
【0074】
後輪用タイヤは、ライダーのハンドル操作にあまり影響の受けないタイヤである。このようなタイヤは、グリップ性能がハンドリング性能よりも重要視される。このため、後輪用タイヤのトレッド部2は、クラウン領域Crのランド比がショルダー領域Shのランド比以上であるのが望ましく、クラウン領域Crのランド比がショルダー領域Shのランド比よりも大きいのがさらに望ましい。
【0075】
前輪用タイヤは、ハンドル操作に大きな影響を受けるタイヤである。このようなタイヤは、ハンドリング性能がグリップ性能よりも重要視される。このため、前輪用タイヤのトレッド部2は、ショルダー領域Shのランド比がクラウン領域Crのランド比以上であるのが望ましく、ショルダー領域Shのランド比がクラウン領域Crのランド比よりも大きいのがさらに望ましい。
【0076】
上述の作用を効果的に発揮させるために、前輪用タイヤのトレッド部2は、後輪用タイヤのトレッド部2よりもランド比が小さいのが望ましい。
【0077】
このようなタイヤ1は、例えば、一対のモールドを含む加硫金型(図示省略)で形成される。一対のモールドのそれぞれは、トレッド部2をタイヤ軸方向に2分割する割位置を有し、それぞれでトレッド部2を加硫成形する。前記割位置は、タイヤ周方向に延びている。前輪用タイヤを形成する一対のモールドは、前記周方向溝からタイヤ軸方向に離隔する位置に割位置を有している。後輪用タイヤを形成する一対のモールドは、タイヤ赤道C上に割位置を有している。
【0078】
以上、本発明の特に好ましい形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例0079】
図1又は
図7の基本パターンを有するの自動二輪車用タイヤが試作された。そして、各試供タイヤのハンドリング性能、グリップ性能、排水性能、耐偏摩耗性能及び高速耐久性能がテストされた。各試供タイヤの共通の仕様及びテスト方法は、以下の通りである。
【0080】
<ハンドリング性能・グリップ性能・耐偏摩耗性能・耐久性能>
各試供タイヤが、下記の条件にて、自動二輪車(排気量1500cc)に装着された。なお、
図1のトレッド部を有するタイヤは前輪用タイヤに、
図7のトレッド部を有するタイヤは後輪用タイヤに採用された。そして、テストライダーが、前記車両を用いて、乾燥アスファルト路面のテストコースを走行し、そのときのハンドリング性能・グリップ性能が、テストライダーの官能により評価された。また、走行後の偏摩耗の発生状況及び溝底クラックやサイプ底のクラックの発生状況がテストライダーの官能により評価された。結果は、それぞれ、比較例1を100とする評点で示される。各性能は、数値が大きい方が、優れている。95以上が合格である。
前輪用タイヤの仕様(サイズ、リム、内圧):110/70-13M/C、13×3.00MT、200kPa
後輪用タイヤの仕様(サイズ、リム、内圧):130/70-13M/C、13×3.50MT、220kPa
【0081】
<排水性能>
上記車両を用いて、テストライダーが、ウェットアスファルト路面のテストコースを走行し、そのときの走行のしやすさがテストライダーの官能により評価された。結果は、比較例1を100とする評点で示された。数値の大きい方が、排水性能に優れている。95以上が合格である。
テストの結果が表1に示される。
表1の符号は、以下の意味をなす。
「A」:第1主溝及び第2主溝は、クラウン領域からショルダー領域に延びる。
「B」:第1主溝及び第2主溝は、ショルダー領域のみを延びる。
「C」:サイプは、ショルダー領域のみに形成される。
「D」:サイプは、形成されない。
「E」:第1主溝、第2主溝及びサイプは、それぞれ連通しない。
「F」:第1主溝、第2主溝及びサイプは、それぞれ連通する。
「G」:主溝及びサイプがトレッド端に連通しない。
「H」:主溝がトレッド端に連通する。
「I」:前輪用タイヤのサイプの本数<後輪用タイヤのサイプの本数
「J」:前輪用タイヤのサイプの本数>後輪用タイヤのサイプの本数
「K」:重複部を通るタイヤ周方向線上において、第1主溝の深さ=サイプの深さ
「L」:重複部を通るタイヤ周方向線上において、第1主溝の深さ>サイプの深さ
「M」:第1主溝の拡幅部が等幅部となる。
【0082】
【0083】
テストの結果、実施例のタイヤ(自動二輪車用タイヤ対)は、比較例のタイヤ(自動二輪車用タイヤ対)に比べて、ハンドリング性能及びグリップ性能に優れていることが理解される。
【0084】
1 自動二輪車用タイヤ
2 トレッド部
8 主溝
9 サイプ
11 第1主溝
12 第2主溝
Cr クラウン領域
Sh ショルダー領域