(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011351
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】マスク用保冷材ケース
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220107BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020112420
(22)【出願日】2020-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000187714
【氏名又は名称】松下工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】松井 将志
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】市販のマスクに保冷材を取付け可能とする。
【解決手段】本発明は、衛生マスクAに貼着して用いるマスク用保冷材ケース100であり、シート状物により形成されたケース本体1と、ケース本体1を衛生マスクAに貼着する接着テープ2とを備え、ケース本体1は、上端が開口した袋からなる保冷材収容部3を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生マスクに貼着して用いるマスク用保冷材ケースであって、
シート状物により形成されたケース本体と、
前記ケース本体を衛生マスクに貼着する接着テープと
を備え、
前記ケース本体は、上端が開口した袋からなる保冷材収容部を有することを特徴とするマスク用保冷材ケース。
【請求項2】
前記ケース本体は、左右一対の保冷材収容部と、前記一対の保冷材収容部を連結すべく前記一対の保冷材収容部の間に設けられる前記保冷材収容部より上下方向の幅の細い連結部と、前記保冷材収容部の間において前記連結部の下方に隣接し上方へ凹入する凹部とを有する請求項1に記載のマスク用保冷材ケース。
【請求項3】
前記凹部は、下方ほど幅広に広がるよう設けられている請求項2に記載のマスク用保冷材ケース。
【請求項4】
前記接着テープは、雄の面ファスナーからなる請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマスク用保冷材ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、着用中の衛生マスクを冷却する技術に関し、特に衛生マスクを保冷材により冷却する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衛生マスクを保冷材により冷却する技術が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
例えば特許文献1では、マスクの片側を大きく裁断して開閉可能にし、内部に保冷材を収容可能としたマスクが提案されている。特許文献1のマスクでは、上下2本の冷却材を配することで口と鼻を同時に冷やしより炎症を緩和させるとともに、冷却シート入り袋に二つの切り込みを入れ、吐く息がマスク上部に集中することを回避してメガネのくもりを防止している。
【0004】
また、特許文献2では、マスクの内側に両面テープで冷却ジェルシートを固定するカーゼマスクが提案されている。特許文献2のガーゼマスクでは、鼻の当たる部分に冷却ジェルシートを貼着することで、鼻炎の症状を和らげると同時に、マスクを顔にフィットさせて外れ難くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3115228号公報
【特許文献2】実用新案登録第3101673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のアイデアは、市販の使い捨てマスクには使えないという問題があり、特許文献2のマスクでは、ジェルがむき出しのため皮膚が露で濡れてしまうという問題が有る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、市販のマスクに取り付け可能で、かつ保冷材の露で皮膚が濡れないマスク用保冷材ケースの提供を目的とする
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するためになされた発明は、衛生マスクに貼着して用いるマスク用保冷材ケースであって、シート状物により形成されたケース本体と、前記ケース本体を衛生マスクに貼着する接着テープとを備え、前記ケース本体は、上端が開口した袋からなる保冷材収容部を有することを特徴とする。
【0008】
本発明のマスク用保冷材ケースは、このように保冷材を袋状のケースに入れて接着テープによりマスクに貼着するようにしたので、不織布製のマスクやガーゼマスクなど、いろんなマスクに取り付けることができ、また、保冷材を袋状のケースに入れるので保冷材から発生する露で顔が濡れることを抑制できる。
【0009】
前記ケース本体は、左右一対の保冷材収容部と、前記一対の保冷材収容部を連結すべく前記一対の保冷材収容部の間に設けられる前記保冷材収容部より上下方向の幅の細い連結部と、前記保冷材収容部の間において前記連結部の下方に隣接し上方へ凹入する凹部とを有することが好ましい。
このように、左右一対の保冷材収容部を連結する連結部の下方に上方へ凹入する凹部を設けたので、鼻を回避しながら、ケース本体をマスクに貼着することができる。ケース本体をマスクの裏側に貼着する場合は、連結部によりマスクと鼻の間の隙間を埋めることができる。
【0010】
前記凹部は、下方ほど幅広に広がるよう設けられていることが好ましい。
不織布製のマスクには、水平方向に設けたひだを上下に広げて用いるものがある。上記の凹部を備えるマスク用保冷材ケースをかかるひだ付きマスクに用いると、マスクを上下に広げた際に、凹部の幅が下方ほど狭まって、保冷材収容部が鼻の側へ片寄ってしまう。当該凹部を下方ほど幅広に設けることで、マスクを上下に広げて左右の保冷材収容部が鼻の方に片寄った際に、保冷材収容部を丁度頬の上に配置することができる。
【0011】
前記接着テープは、雄の面ファスナーからなることが好ましい。こうすることで、使い捨てマスクを新しいものに交換しても、本発明に係るマスク用保冷材ケースを使い捨てずに繰り返し使用できる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明のマスク用保冷材ケースによれば、市販のマスクに対し保冷材を取付けることが可能であり、保冷材による露で頬が濡れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るマスク用保冷材ケースを着用した状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のマスク用保冷材ケースの(a)正面図、(b)(a)のX-X線断面図、(c)(a)のY-Y線断面図である。
【
図3】(a)は、
図2のマスクを、広げる前のひだ付きマスクに貼着した様子を示す背面図、(b)は、(a)の状態からひだ付きマスクを上下方向に広げた様子を示す背面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るマスク用保冷材ケースの正面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態に係るマスク用保冷材ケースを2つ並べて示した正面図である
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限られるものではない。
【0015】
(第1実施形態)
図1から
図3は、本発明の第1実施形態に係るマスク用保冷材ケース100を示している。マスク用保冷材ケース100は、
図1に破線で示すように、保冷材Bを入れた状態で衛生マスクAの裏面側に貼着して用いるものである。マスク用保冷材ケース100は、
図2に示すように、シート状物により形成されたケース本体1とケース本体1を衛生マスクAに貼着する雄の面ファスナー(接着テープ)2とを備えている。
【0016】
ケース本体1は、上端が開口した左右一対の保冷材収容部3,3と、左右の保冷材収容部3,3を連結する連結部5と、保冷材収容部3の間に設けられる凹部4とを備えている。連結部5は、保冷材収容部3の上下方向の幅よりも細い幅を有する帯状に形成され、凹部4は、連結部5の下方に隣接して上方へ凹入するよう設けられている。
【0017】
ケース本体1は、
図2(a)に示すように、左右一対の保冷材収容部3,3が正面視でハの字になるように、換言すると、凹部4が下方ほど幅広になるよう設けられている。ケース本体1は、
図2(b),(c)に示すように、表裏2枚のシート状物11,12を上端縁を除く周縁を融着線13で融着して形成され上端に左右の全幅にわたる開口部6を有している。
【0018】
ケース本体1に用いるシート状物としては、特に限定されず樹脂製、紙製、布製その他の公知のものを適宜に用いることができる。ただし、ポリウレタンやポリオレフィンの発砲シートや不織布等のシート材が、成型のしやすさや保冷材の結露等に対する耐水性の観点から好ましい。
【0019】
雄の面ファスナー2は、ケース本体1の表面の上端縁に沿って、連結部5を跨って左右の保冷材収容部3,3の上部まで設けられている。
【0020】
マスク用保冷材ケース100は、
図3に示すように、左右方向に延びるひだA1を備えた衛生マスクAに用いる。マスク用保冷材ケース100は、開口部6から左右一対の保冷材収容部に冷やしておいた保冷材Bを挿入した状態で、雄の面ファスナー2により衛生マスクAの裏面側に貼着する。このようにマスク用保冷材ケース100は、雄の面ファスナー2を用いているので、衛生マスクAを交換する度に繰り返し使用することができる。
【0021】
マスク用保冷材ケース100を衛生マスクAに貼着した後、
図3(b)に示すように、衛生マスクAを上下方向に広げると、ハの字に開いていた左右一対の保冷材収容部3,3が略平行に姿勢を変更する。これにより、保冷材B,Bを的確に着用者の頬へ配置することができる。
【0022】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係るマスク用保冷材ケース200を示している。マスク用保冷材ケース200は、ひだを有さない衛生マスクに貼着するもので、左右の保冷材収容部3,3が略平行に、凹部4の左右方向の幅が一定に設けられている。面ファスナー202は、本実施形態のように、左右2つに分けて貼着してもよい。
尚、第2実施形態以降の実施形態において、第1実施形態と共通する部材については同一符号を付して説明を省略する。
【0023】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係るマスク用保冷材ケース300を示している。マスク用保冷材ケース300は、ケース本体301と雄の面ファスナー302とからなり、ケース本体301は、上部に開口部206を備えた袋状に形成され、1個の保冷材収容部のみからなり、連結部を有さない。マスク用保冷材ケース300は、
図5に示すように一対をマスクの頬の部分に貼着して使用する。
【0024】
以上、本発明のマスク用保冷材ケースは、上述した実施形態に限らず、例えば、連結部の上下方向の幅を保冷材収容部と同じにして凹部を省略してもよいし、保冷材収容部を着用者の鼻の位置に設けてもよく、マスクの表側(外側)に貼着してもよい。連結部の表裏2枚のシートの上端を融着して閉じてもよいし、1枚のシート状物で形成してもよい。保冷材収容部は、縦長に限らず横長に形成してもよい。接着テープは、雄の面ファスナーに限らず、両面テープその他の公知の接着に使えるテープを使うことができる。
【符号の説明】
【0025】
100,200,300 マスク用保冷材ケース
1,201,301 ケース本体
2,202,302 雄の面ファスナー(接着テープ)
3 保冷材収容部
4 凹部
5 連結部
A 衛生マスク
【手続補正書】
【提出日】2020-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生マスクに貼着して用いるマスク用保冷材ケースであって、
シート状物により形成されたケース本体と、
前記ケース本体を衛生マスクに貼着する接着テープと
を備え、
前記ケース本体は、上端が開口した袋からなる左右一対の保冷材収容部と、前記一対の保冷材収容部を連結すべく前記一対の保冷材収容部の間に設けられる前記保冷材収容部より上下方向の幅の細い連結部と、前記保冷材収容部の間において前記連結部の下方に隣接し上方へ凹入する凹部とを有し、
前記一対の保冷材収容部は、一対の矩形の保冷材を正面視でハの字に収容すべく、正面視でハの字に形成され、
前記凹部は、下方ほど幅広に広がるよう設けられており、
前記接着テープは、前記ケース本体の上端縁にのみ設けられていることを特徴とするマスク用保冷材ケース。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記の課題を解決するためになされた発明は、衛生マスクに貼着して用いるマスク用保冷材ケースであって、シート状物により形成されたケース本体と、前記ケース本体を衛生マスクに貼着する接着テープとを備え、前記ケース本体は、上端が開口した袋からなる保冷材収容部を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記ケース本体は、左右一対の保冷材収容部と、前記一対の保冷材収容部を連結すべく前記一対の保冷材収容部の間に設けられる前記保冷材収容部より上下方向の幅の細い連結部と、前記保冷材収容部の間において前記連結部の下方に隣接し上方へ凹入する凹部とを有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明のマスク用保冷材ケースは 前記一対の保冷材収容部が、一対の矩形の保冷材を正面視でハの字に収容すべく、正面視でハの字に形成され、前記凹部は、下方ほど幅広に広がるよう設けられており、前記接着テープは、前記ケース本体の上端縁にのみ設けられている。
不織布製のマスクには、水平方向に設けたひだを上下に広げて用いるものがある。上記の凹部を備えるマスク用保冷材ケースをかかるひだ付きマスクに用いると、マスクを上下に広げた際に、凹部の幅が下方ほど狭まって、保冷材収容部が鼻の側へ片寄ってしまう。当該凹部を下方ほど幅広に設けることで、マスクを上下に広げて左右の保冷材収容部が鼻の方に片寄った際に、保冷材収容部を丁度頬の上に配置することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】