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  • 特開-透明額縁 図1
  • 特開-透明額縁 図2
  • 特開-透明額縁 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113607
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】透明額縁
(51)【国際特許分類】
   A47G 1/06 20060101AFI20220728BHJP
   A47G 1/14 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
A47G1/06 A
A47G1/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021042941
(22)【出願日】2021-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】520400944
【氏名又は名称】田中 等斎
(72)【発明者】
【氏名】田中 等斎
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111BA01
3B111BC02
3B111BC04
3B111BC06
3B111BD01
3B111BE03
(57)【要約】
【課題】絵画作品などを室内装飾として表示する際、一般に普及している額縁を使用する場合には中に収納する絵画作品と額縁のデザイン、色とを思案選定の上で額装を専門業者へ依頼することが必要である。費用と時間が必要となってしまい手間のかかる作業である。
【解決手段】本発明、透明額縁の外観は表面、上下左右などの各側面を透明板で構成した透明カバー(1)であり、額縁としてのデザインは持たない。この事により額縁とその中に収納する絵画作品との相性を考える必要は無く、壁などに表示した際に絵画作品などの雰囲気を損なうことの少ない、非常に簡潔な外観を成している。額装方法は絵画作品など(9)押さえ枠カバー(2)押さえ枠(3)を透明カバー(1)に収納し、ねじ(5)をねじ止めすることで完成であり、一般家庭にて簡単に行えることを特徴とする。また、この構成により絵画作品は全面が透明カバー(1)と壁に保護されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絵画作品や写真などを収納する額縁であって、前記額縁は、透明板により受け皿状に形成された透明カバー(1)と、前記透明カバー(1)の内部に収納される押さえ枠(3)と、前記押さえ枠(3)を内部に収納する押さえ枠カバー(2)とを備え、前記透明カバー(1)と前記押さえ枠カバー(2)の側面に形成した透孔A(6)透孔B(7)にねじ(5)を挿通し、前記押さえ枠(3)にねじ止めしたことを特徴とする額縁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は絵画や写真等を収納表示する額縁であり、壁などに表示した際の外観部分を透明な材質で製作した額縁に関する。
【背景技術】
【0002】
絵画等を収納表示する一般的な額縁には木製や金属製、樹脂製などの縁部が存在する。
【0003】
一般的に使用されている額縁に絵画作品等を収納する際には額装という作業が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な額縁には当然であるが、縁が存在し、その縁部自体のデザインにより額縁の内部に収納される絵画作品などをより引き立てて表示している。この事は収納される絵画作品と額縁とが1体となって1つの装飾作品であるといった形式を作りだしている。では、一般家庭において手元に有る1枚の絵画作品を飾りたいと考えたときには、額縁の専門店へ出向き、絵画作品に合うデザイン、色の額縁を思案し探さなければならい。額縁の個性と絵画作品の個性の相性を合わせなければ良い装飾にならないのである。これはなかなか手間の掛かる作業であり、気に入った絵画作品などをその場で早速にインテリアに活用することが出来なかった。
【0005】
また、絵画作品などを額縁に収納する際の額装には額縁とその内部へ収納する絵画作品等の大きさと色を整合させるためのマットという部材の加工が必要であり、専門業者へ依頼する事となる。当然費用が発生し時間もそれなりに必要である。
【0006】
例えば従来一般的に普及していた音楽用のレコード盤のジャケットを部屋の装飾に利用したい、雑誌の写真の切り抜きをきれいに壁に飾りたいなど、高価な絵画作品で無くともちょっとしたインテリア装飾がほしい時があるものである。こんなとき従来一般的な額縁では先に述べた額縁の選定、額装の費用、時間などの面倒さが先立ち、実現はなかなか難しいものとなっていた。
本発明は以上の様な課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の透明額縁は内部に収納表示される絵画作品など(9)の雰囲気へ与える影響をできるだけ少ない表示を可能とするため、壁などに表示した際の外観部分は透明カバー(1)と前記透明カバー側面部のねじ(5)の頭部のみである構造とした事を特徴とする。該透明カバー(1)の内部に絵画作品など(9)を含め、該透明額縁を構成する全ての部品が収納される。一般的な額縁の縁に当たる部分は、該透明額縁においては前面側である透明板へ同じく透明の素材を用いて形成している。これにより透明カバー(1)は受け皿といった形状を成している。この形状であることがデザインされた縁を持たない額縁を実現している。
【0008】
本発明の透明額縁は押さえ枠カバー(2)を備える。透明カバー(1)の側面部から押さえ枠(3)が透けて見えてしまう事による外観上の支障を避けるために設けた。該透明額縁の側面部を押さえ枠カバー(2)で綺麗に見せる事により、内部に収納される絵画作品など(9)の表情をより際立てている。紙または樹脂などの材質で透明カバー(1)の内側にすっぽり収まる大きさに設計されている。
【0009】
本発明の透明額縁は押さえ枠(3)を備える。透明カバー(1)の内側に収めた押さえ枠カバー(2)のさらに内側へすっぽり収まる大きさで、中抜き構造の形状であることを特徴とする。この部品が該透明額縁の骨組みとなる。側面に雌ねじ(8)を備え、透明カバー(1)の透孔A(6)、押さえ枠カバー(2)の透孔B(7)を通したねじをこの雌ねじ(8)にねじ止めする事により、構成部品全ての組み立てが完成する。この状態で壁などに表示することができる。
【0010】
本発明の透明額縁は押さえ枠(3)の内側に吊るし紐(4)を備える。該透明額縁を壁などに表示する際に使用する。飾る対象の壁などに設置された金具へ該吊るし紐(4)を掛けて表示する。
本発明は以上の構成よりなる透明額縁である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の透明額縁は透明カバー(1)の前面と縁部を透明の素材を使用して形成した事により該透明額縁自体の外観の軽快さに役立っている、さらに縁部を一般的な額縁の縁と比較すると、幅、奥行き共に薄く作ることが可能であり、デザインも無く、色も持たない透明である。これらの事により該透明額縁の内部に収納される絵画作品など(9)の表情を必要以上に引き立てる事無く、出来るだけ邪魔をする事もしない表示を可能とする額縁となっている。同時に、この縁にデザインと色が無いということは従来一般的な額縁に必要であった、額縁の内部に収納する絵画作品と額縁との相性を思案選定しなければならないという発想行為その物を無用としており、部屋の装飾の際の手間を1つ省く事となっている。
【0012】
本発明の透明額縁は押さえ枠(3)の内側に吊るし紐(4)を設けた事により該透明額縁を壁に表示した際、該透明額縁と壁との間に吊るし紐(4)が見えてしまうことは無くなる。さらに該透明額縁が壁に貼り付く様に隙間無く表示する事も可能にしている。これらの事は壁に表示した際、絵画作品など(9)がより際立つ事となり、綺麗に見せることに貢献している。
【0013】
本発明の透明額縁は透明カバー(1)、押さえ枠カバー(2)、押さえ枠(3)、の組み合わせによる構成とした事で額装が簡単に行える構造となっている。一般的な額縁では一作品に一額縁が必要であり、一度額装したものはそのままで存在するのが現実的であるが、本発明、透明額縁は内部に収納する絵画作品など(9)を入れ替えて飾り替える事が容易にできるため、1つの該透明額縁を用意しておき内部の絵画作品を変えれば室内装飾の変化を簡単に行う事が出来る。さらにこの事は一般的な額縁を複数所有し現在表示していない額縁は収納しておくといった場合の収納場所の確保という課題が必要無くなるという利点も併せ持つ。
【0014】
本発明の透明額縁に収納される絵画作品など(9)は前面と各側面を透明カバー(1)で囲まれ、裏側は壁面となり、傷つき、汚れから全面が保護されている。
【0015】
本発明の透明額縁の利点である、額装が簡単である、収納する絵画作品などとの相性を考える必要が無い、という点を活かした使用方法の提案。定型サイズの絵画または写真を複数所持していた場合にその定型サイズに合わせた該透明額縁を1つ用意しておけばユーザーは季節によって気分によって気軽に内部の絵画作品を飾り変えて部屋の装飾を楽しむ事が可能である。部屋の装飾に新しい発想を取り入れる事ができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の分解斜視図である。
図2】本発明の断面図である。
図3】本発明の押さえ枠カバー(2)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の透明額縁を利用する具体例として、従来一般的に普及していた音楽用レコードジャケットのEP盤サイズを該透明額縁に収納する場合を挙げて「[発明を実施するための形態]」として以下に説明する。絵画作品など(9)をEP盤レコードジャケットと置き換えて、これが収納される透明カバー(1)の寸法の説明。該透明カバー(1)には透明アクリル板厚さ2ミリを使用した。EP盤レコードジャッケット(9)の一般的な大きさとしては一辺が180ミリの正方形であり、EP盤レコードとレコードジャケット一式を収納するためのビニール袋の大きさは190ミリx195ミリとなっている。厚さはレコード1枚を収納した物で約4ミリであった。この事から該額縁に収納するEP盤レコードジャケットの大きさは191ミリまでの正方形、厚さ7ミリまでの物と限定した。透明カバー(1)のレコードジャケット(9)の収納部内寸、寸法aは各辺195ミリプラスマイナス3ミリ、深さ寸法bは20ミリプラスマイナス2ミリとした。レコードジャケット収納のためのビニール袋が大きい部分については折り畳んで収納する。該透明カバー(1)の左右側面にはねじ(5)が通る透孔A(6)を備える。透孔A(6)の径はφ6とした。結果として透明カバー(1)の外形寸法cは199ミリプラスマイナス3ミリ、寸法dは22ミリプラスマイナス2ミリとなる。
【0018】
本発明の透明額縁における押さえ枠(3)の材質は木材を使用した。骨組みとして必要な強度確保と、吊るす事を考えた際には、できるだけ軽量であることが望ましいという目的に沿っていれば木材に限るものでは無い。4隅の固定方法は外周と前後にはみ出さなければどんな方法でも良いが、ここも軽量であることを優先し接着を採用した。左右側面に設置した雌ねじ(8)は何度もくり返しての使用に対応するため金属製の埋めねじを用い、該押さえ枠(3)の外にはみ出さないように内蔵している。ねじサイズはJIS規格M4を採用している。該押さえ枠(3)のサイズは外寸、寸法gは各辺185ミリプラスマイナス3ミリ、厚さ寸法hは9ミリプラスマイナス1ミリとした。押さえ枠(3)の製造方法、材質に関しては他の方法、例えば樹脂製の一体成型という事も考えられる。コスト、製造の容易さにより比較検討し変更して良い部品である。
【0019】
本発明の透明額縁の押さえ枠カバー(2)の材質は紙製で、厚さ0.15ミリ程度の物を使用した。大きさは、寸法e各辺190ミリプラスマイナス2ミリの四角形に寸法fである9ミリプラスマイナス1ミリ幅の側面部(11)を有している。この側面部(11)を折り、押さえ枠(3)に被せた状態で透明カバー(1)に収納できる構造としている。透明カバー(1)、押さえ枠(3)の公差内での寸法の固体差への対応は可能なサイズである。標準では白色を準備するが、表示する壁の色、レコードジャケットの色によりユーザーが任意の色に変更することも考えられる。側面には透孔B(7)を有し、この径はφ6とした。
【0020】
本発明の透明額縁の吊るし紐(4)は押さえ枠(3)の内側に金具を使用して固定設置されている。該吊るし紐(4)は押さえ枠(3)からはみ出さない長さに設定されている事で壁などに表示した際には該吊るし紐(4)も壁に設けられた金具も外から見え無くしている。
【0021】
本発明、透明額縁の額装の際、組立に使用されるねじ(5)は、銀色のメッキされた物かステンレス製などの銀色の化粧ねじを使用する。該額縁全体のすっきりとした印象を崩さない為にはこの銀色が適している。工具を使用せず、指で扱える化粧ねじを使用すれば額装はより簡単に行える。これに変えて低頭タイプのねじを使用すると該額縁からの出っ張りが少なくよりすっきりとした外観となる。この低頭タイプのねじを使用する際はねじを回す工具、ドライバーが必要となる。化粧ねじも低頭タイプのねじも、日曜品店などで販売されている一般的な物を使用する。ねじサイズは押さえ枠(3)に備えられた雌ねじ(8)に合わせJIS規格M4である。
【0022】
本発明、透明額縁を使用した装飾表示の実施方法を説明する。押さえ枠(3)の上に押さえ枠カバー(2)を被せる。その上にEP盤レコードジャケット(9)の表示面を上にして置く、さらにその上から透明カバー(1)を被せるようにはめる、側面の透孔A(6)透孔B(7)を通し、押さえ枠(3)に設けた雌ねじ(8)へねじ(5)をねじ止めする。以上で組み立ては完成となる。押さえ枠カバー(2)の側面部の寸法f、押さえ枠(3)の厚さ寸法hは全ての部品を組み立てた際に透明カバー(1)の後ろからはみ出さない様組み立てられる設計である。壁への表示はユーザーが任意の位置にもうけた金具へ該額縁の吊るし紐(4)を掛ける事で本発明の意図した姿での表示が完了する。この際使用する金具は壁面からの突出を9ミリまでとする事で表示された該額縁の内側で押さえ枠カバー(2)の裏側に金具が接触しない。
【0023】
本発明の透明額縁の使用方法の例を考えてみる。絵画作品や写真作品を収納表示する事はもとより、綺麗な柄の織物や日本手ぬぐい又はお気に入りの柄の包装紙などを該額縁に折りたたんで収納して部屋のインテリアに活用したり、スナップ写真を組み合わせて表示してみたりと、使う人の発想でいろいろな利用方法が可能となる該額縁である。額装が簡単であること、デザインされた縁を持たない額縁であるという事が、今までに無かった室内装飾を使う人に楽しんでいただけることを可能にしている。
【符号の説明】
【0024】
1 透明カバー
2 押さえ枠カバー
3 押さえ枠
4 吊るし紐
5 ねじ
6 透孔A
7 透孔B
8 雌ねじ
9 絵画作品など
図1
図2
図3