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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113610
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】段ボール製組立式椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 5/00 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
A47C5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021044142
(22)【出願日】2021-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】521056618
【氏名又は名称】長江紙器株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石垣 純一
(57)【要約】
【課題】幼児~成人の荷重に耐えられ、長期間使える強度と、使い捨てに見えない高い意匠性と、板ダンボール部材からロス少なく使用部材を取り、輸送コストの少ない梱包方法で、廃棄等の際に環境問題を生じさせない段ボール製組立式椅子を提供すること。
【解決手段】段ボール製組立式椅子において、放射状に隙間なく脚部材100および101および102を交互に座面部材200と底部材300に差込むことで、多数の脚部材で上下方向の荷重を支えつつ、さらに着座、退座のときにも大きく変形しないようにした。また脚部材100および101と脚部材102は座面中心に向かって交差し重なり合わせるため内側の辺が凹凸形になっており、放射状に密に配置できると同時に、縦方向の隙間がなくなるため高い強度を実現している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全ての部材が段ボールから出来た段ボール製組立式椅子において、被差し込み部がある座面部材、被差し込み部がある底部材、脚部材を支えるリング状の中部材、突部がある第1の脚部材と第2の脚部材、円形中部材と支え合う第3の脚部材、円形の底部材と円形の座面部材の8種の部材を備えており、第1の脚部材は外側に被差し込み部がある座面部材と底部材に差し込まれ、第2の脚部材は内側に被差し込み部がある座面部材と底部材に差し込まれ、被差し込み部がある底部材と座面部材の内側と外側の被差し込み部は中心からの距離を変えることで等分布荷重とし強度向上を図り、第3の脚部材が外周部の円形形状を連続的に確保する目的で構成させ、第1と第2の脚部材の間に挟み込まれ、リング状の中部材を介して一体化させることで、この3つの脚部材が円形座面部材の中心に向かって交差し重なり合わせることで内側の辺が凹凸形になり、放射状にかつ密に配置させ、縦方向の隙間をなくすことで高い強度を得る構造とした段ボール製組立椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール製組立式椅子(背凭れを有しないスツール形状のもの。)に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール製組立式椅子の従来技術として、特許文献1のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3651863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の段ボール製組立式椅子は、子供、特に幼児が用いるのに好適なように作られているため、強度不足で、耐荷重性に問題があり、大人の使用に堪えるものでなかった。
【0005】
本発明は、成人の荷重に長期間耐えられるように十分強度を有し、金具、接着剤等のリサイクルに適しない素材を一切使用することなく、紙素材のみで組立てることが可能な、段ボール製組立式椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る段ボール製組立式椅子は、被差し込み部がある座面部材、被差し込み部がある底部材、脚部材を支えるリング状の中部材、突部がある第1の脚部材と第2の脚部材、円形中部材と支え合う第3の脚部材、円形の底部材と円形の座面部材の8種の部材を備えており、第1の脚部材は外側に被差し込み部がある座面部材と底部材に差し込まれ、第2の脚部材は内側に被差し込み部がある座面部材と底部材に差し込まれ、被差し込み部がある底部材と座面部材の内側と外側の被差し込み部は中心からの距離を変えることで等分布荷重とし強度向上を図り、第3の脚部材が外周部の円形形状を連続的に確保する目的で構成させ、第1と第2の脚部材の間に挟み込まれ、リング状の中部材を介して一体化させることで、この3つの脚部材が円形座面部材の中心に向かって交差し重なり合わせることで内側の辺が凹凸形になり、放射状にかつ密に配置させ、縦方向の隙間をなくすことで高い強度を得る構造とした段ボール製組立椅子である。
【発明の効果】
【0007】
耐荷重性能を飛躍的に向上させることが出来、荷重試験によれば圧縮試験結果より800kg以上もの荷重に耐えることが実証された。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態の段ボール製組立式椅子の完成図。
図2】段ボール製組立式椅子の正面図と上面図。
図3】脚部を構成する脚部材100、101及び102の平面図。
図4】脚部材をはめ込む座面部材200及び300と円形形状を保持するための中部材400の平面図。
図5】脚部材100、101、102及び座面部材200、底部材300の組立図。
図6】脚部材を重ねた状態での、全部材を記載した組立図
図7図6の視点違いの組立図
図8】座面部材と底部材を切り離した完成図
図9】脚部材の面付け図
図10】座面側から見た脚部材100、101、102の組立図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、放射状に隙間なく脚部材100、101及び102を交互に座面部材200と底部材300に差込むことで、多数の脚部材で上下方向の荷重を支えつつ、さらに着座、退座のときにも大きく変形しないようにした。
さらに、本発明は、脚部材100、101及び102は座面中心に向かって交差し重なり合わせるため内側の辺が凹凸形になっており、放射状に密に配置できると同時に、縦方向の隙間がなくなるため高い強度を実現している。
【0010】
図1図2は、本発明の第1実施形態(背凭れのないスツール形状)を示す。
図1は、第1実施形態の段ボール製組立式椅子の完成図である。図2は、その正面図及び上面図である。座面への荷重は、放射線上に配置した脚部材100(18個)及び101(18個)及び102(36個)にて支える構造となっている。以下、椅子を構成する各部材の構造、次に組立方法という順で説明する。
【0011】
図3は、基礎となる脚部を構成する脚部材100、101及び102の平面図である。図4は脚部材をはめ込む座面部材200及び底部材300と円形形状を保持するための中部材400の平面図を示す。図5は、脚部材100、101及び102と座面部材200及び底部材300の組立図である。脚部材100及び101を底部材300に交互に組み付けを行う。図6図7では脚部材100及び101の間にトの字型の脚部材102を挟み込む作業を視点違いの面から図示する。脚部材102が差し込まれることで、縦方向に隙間なく脚部材が存在し座面に加わる垂直荷重を支える。また脚部材102が差し込まれたことで椅子側面の円周方向を隙間なく密な面にしている。
【0012】
組立方法を示す。はじめに底部材300に脚部材100及び101を交互に、0°(12時)の位置から時計回り(半時計回りでも可)に約270°(各13個)組み付ける。ここで中部材400を脚部材100及び102のコの字部分に配置する。脚部材102をすでに配置された脚部材100及び102の間に差し込む。中部材400は脚部材102の内側の切欠きにおさまり、脚部材102が必要以上に椅子内側に進入することを防ぐ。最後に270°から360°まで脚部材100及び101を配置し、脚部材102を脚部材100及び101の間に差し込む。
【0013】
座面部材300に全ての脚部材が配置された後、座面部材200を脚部材上部に差し込む。円周方向に広がってしまう脚部材を座面部材200に差し込むことで、脚部材同士が圧縮される事で差し込んでいるだけの脚部材102も固定される。
【0014】
図8は、全ての脚部材が配置された状態を示している。椅子内側は18個の脚部材で構成されるのに対し、椅子外側は36個の脚部材で構成される。
【0015】
図8で脚部材100及び101の上部の凸部が座面部材200の穴部に差し込まれる。脚部材100と脚部材101の凸部がそれぞれ内側と外側で位置が異なるため、2種類の半径の円周状にそれぞれ18個、計36個の穴を設けることで、座面部材200の強度が保てている。底部材300についても同様の考え方である。
【0016】
図9は配送される製品のパーツの1つである。全ての脚部材は単体で強度を得るために、段ボールの波目方向を座面法線方向から45度でカットすることで上下左右からの衝撃を受けても脚部材段ボールは塑性変形し辛くなっている。脚部材100と脚部材102、または脚部材101と脚部材102を図9の様に抱合せて素材の板状段ボールに面付けすることで、材料の有効利用面積を最大化している。
【0017】
板段ボール部材への面付け方法においても3つの脚部材の凹凸を密着させて配置させており、板段ボール部材からロス少なく使用部材を取り出せる様にした。同一寸法の段ボールに各部材がカットされたまま抜かれずに6枚重ねられて輸送段ボールに梱包されており、輸送コストを低減している。
【0018】
各部材同士は全て差込の嵌め合いで連結され、金具、接着剤、或いは両面テープ等の紙以外の連結・接合材は一切使用しないため、リサイクルや焼却の際に、環境問題を発生させない。
尚、構成要素となる部材は、全て段ボールから機械でカットして作ることが可能であり、量産にも適する。
【符号の説明】
【0019】
100 第1の脚部材
101 第2の脚部材
102 第3の脚部材
200 被差し込み部がある座面部材
201 座面部材
300 被差し込み部がある底部材
301 底部材
400 中部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10