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特開2022-113656交差した軸受ボールを有する可変焦点アセンブリ及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113656
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】交差した軸受ボールを有する可変焦点アセンブリ及び装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20220728BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20220728BHJP
   G03B 19/07 20210101ALI20220728BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
G02B7/04 Z
G02B7/04 E
G03B30/00
G03B19/07
H04N5/225 100
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022005668
(22)【出願日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】17/157,986
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】503261948
【氏名又は名称】ハンド ヘルド プロダクツ インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】フォン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・リュブリンガー
(72)【発明者】
【氏名】タオ・シアン
【テーマコード(参考)】
2H044
2H054
5C122
【Fターム(参考)】
2H044BE01
2H044BE10
2H044BF07
2H054BB05
2H054BB07
5C122EA54
5C122FB08
5C122FD01
5C122GE05
5C122GE11
5C122HA82
5C122HB05
5C122HB06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】撮像装置において、レンズの焦点が外れている場合、レンズを他の焦点位置に移動させ焦点を合わせる必要がある。
【解決手段】可変焦点レンズアセンブリの焦点を調整するために、レンズバレルアセンブリなどの1つ以上の構成要素の再位置決めを可能にするように設計される。いくつかの例示的な可変焦点レンズアセンブリは、一対の位置決め磁石を有するレンズバレルアセンブリを収容するモジュール基部と、位置決め磁石に関連付けられた一対の位置決めコイルアセンブリと、レンズバレルアセンブリを移動可能に支持する少なくとも一対の軸受ボールと、を含む。位置決めコイルアセンブリは、位置決め磁石と一緒になって、レンズバレルアセンブリを再位置決めするために様々な磁場を及ぼすように構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学アセンブリであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内で移動するように構成された光学部材であって、2つの前面管状スロット及び2つの後面管状スロットを有する、光学部材と、
前記2つの前面管状スロットのそれぞれ1つに各々収容され、前記光学部材の第1の側面で前記ハウジング内の前記光学部材を移動可能に支持するように構成された、第1の対の軸受ボールと、
前記2つの後面管状スロットのそれぞれ1つに各々収容され、前記光学部材の第2の側面で前記ハウジング内の前記光学部材を移動可能に支持するように構成された、第2の対の軸受ボールと、を備える、光学アセンブリ。
【請求項2】
前記2つの前面管状スロットの各々が、前記光学部材の前記第1の側面上で互いに対角線上で反対側にある、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項3】
前記2つの後面管状スロットの各々が、前記光学部材の前記第2の側面上で互いに対角線上で反対側にある、請求項2に記載の光学アセンブリ。
【請求項4】
通電時に磁束を生成するように構成された有線コイル基板を更に備え、
前記光学部材は、前記光学部材のすべての移動位置において、少なくとも1つの永久磁石が、前記有線コイル基板によって生成された前記磁束の相互接続近接にあるように、前記光学部材の少なくとも一部に前記少なくとも1つの永久磁石を更に備える、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項5】
前記有線コイル基板が、有線コイルアセンブリに供給される第1の電流に基づいて、前記有線コイル基板によって画定された凹部内の前記光学部材の少なくとも一部を移動させるように構成された少なくとも1つの前記有線コイルアセンブリを備える、請求項4に記載の光学アセンブリ。
【請求項6】
前記有線コイル基板が、有線コイルアセンブリに供給される第2の電流に基づいて、前記有線コイル基板によって画定された凹部から前記光学部材の少なくとも一部を移動させるように構成された前記有線コイルアセンブリを備える、請求項4に記載の光学アセンブリ。
【請求項7】
前記ハウジングの第1の端部が、撮像されるシーンに面する前記光学アセンブリの前側に向かっており、前記ハウジングの第2の端部が、画像センサに面する前記光学アセンブリの後端部に向かっており、前記有線コイル基板が、前記光学アセンブリの前記後端部に向かって位置決めされている、請求項4に記載の光学アセンブリ。
【請求項8】
前記有線コイル基板が、通電時に前記光学部材を移動させるように構成された有線コイルアセンブリを備え、前記光学部材の前記移動が、前記光学アセンブリの焦点を変化させる、請求項4に記載の光学アセンブリ。
【請求項9】
前記有線コイルアセンブリが、前記光学部材に電磁力を及ぼして、前記光学部材を前記光学アセンブリの光学軸に平行な方向に沿って移動させるように構成されている、請求項8に記載の光学アセンブリ。
【請求項10】
第1のセットの巻線及び第2のセットの巻線を有する有線コイル基板を更に備え、
前記第1のセットの巻線及び前記第2のセットの巻線が、前記光学部材の後面部を収容するためにそれらの間に凹部を画定し、
前記第1のセットの巻線を含む第1の平面が、前記第2のセットの巻線を含む第2の平面に平行であり、
前記光学アセンブリの光学軸が、前記第1の平面と前記第2の平面との線接合中心を二分する、請求項1に記載の光学アセンブリ。
【請求項11】
前記光学部材が、第1の永久磁石と、前記第1の永久磁石と対角線上で反対側に配置された第2の永久磁石と、を更に備える、請求項10に記載の光学アセンブリ。
【請求項12】
可変焦点レンズアセンブリであって、
少なくとも第1の位置決めコイルアセンブリ及び第2の位置決めコイルアセンブリを備える位置決めコイル基板と、
レンズバレルアセンブリと、
前記レンズバレルアセンブリを収めるように設計された内部モジュール空間を画定するモジュール基部であって、前記モジュール基部が、第1のコイル位置で前記第1の位置決めコイルアセンブリを支持し、かつ第2のコイル位置で前記第2の位置決めコイルアセンブリを支持し、前記第1のコイル位置が、前記第2のコイル位置と対角線上で反対側にある、モジュール基部と、
前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリと係合された少なくとも一対の軸受ボールと、を備え、
前記第1の位置決めコイルアセンブリ、前記第2の位置決めコイルアセンブリ、及び前記少なくとも一対の軸受ボールが、前記レンズバレルアセンブリと一緒に、前記レンズバレルアセンブリの焦点位置を画定する、可変焦点レンズアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の位置決めコイルアセンブリが、第1の位置決めコイルを備え、前記第1の位置決めコイルが、第1の位置決めパッドの周りに位置決めされており、前記第2の位置決めコイルアセンブリが、第2の位置決めコイルを備え、前記第2の位置決めコイルが、第2の位置決めパッドの周りに位置決めされており、前記レンズバレルアセンブリが、前記第1の位置決めパッドに隣接して位置する第1の位置決め磁石と、前記第2の位置決めパッドに隣接して位置する第2の位置決め磁石と、撮像光学レンズと、を備え、前記第1の位置決めパッド、前記第1の位置決めコイル、及び前記第1の位置決め磁石、前記第2の位置決めパッド、前記第2の位置決めコイル、及び前記第2の位置決め磁石、並びに前記少なくとも一対の軸受ボールが、前記レンズバレルアセンブリの前記焦点位置を画定する、請求項12に記載の可変焦点レンズアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも一対の軸受ボールが、第1の対の軸受ボールと、第2の対の軸受ボールと、を備え、
前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリが各々、少なくとも2つの軸受スロットを備え、各軸受スロットが、対応する対の軸受ボールのボール軸受が対応する軸受スロットを介して前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリの各々に係合することを可能にするように設計されている、請求項12に記載の可変焦点レンズアセンブリ。
【請求項15】
前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリが各々、第1の軸受スロット及び第2の軸受スロットを備え、前記第1の軸受スロットの各々が、前記第2の軸受スロットのうちの1つの反対側に位置し、
前記少なくとも一対の軸受ボールが、第1の対の軸受ボールと、第2の対の軸受ボールと、を備え、
前記第1の対の軸受ボールの各ボール軸受が、前記第1の軸受スロットの各々を介して前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリと係合されており、
前記第2の対の軸受ボールの各ボール軸受が、前記第2の軸受スロットの各々を介して前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリと係合されている、請求項12に記載の可変焦点レンズアセンブリ。
【請求項16】
前記レンズバレルアセンブリの前記焦点位置が、
前記位置決めコイル基板が第1の給電状態にある状況における第1の焦点位置と、
前記位置決めコイル基板が第2の給電状態にある状況における第2の焦点位置と、
前記位置決めコイル基板が非給電状態にある状況におけるデフォルト焦点位置と、を含む、請求項12に記載の可変焦点レンズアセンブリ。
【請求項17】
前記焦点位置が、前記位置決めコイル基板が非給電状態にある状況におけるデフォルト焦点位置を含み、前記デフォルト焦点位置で、前記第1の位置決めパッドが、前記第1の位置決め磁石と位置合わせされており、前記第2の位置決めパッドが、前記第2の位置決め磁石と位置合わせされている、請求項13に記載の可変焦点レンズアセンブリ。
【請求項18】
撮像装置であって、
可変焦点レンズアセンブリと、
少なくとも1つの追加のレンズアセンブリと、
少なくとも前記可変焦点レンズアセンブリ及び前記少なくとも1つの追加のレンズアセンブリを収容するように構成された装置シャーシと、を備え、
前記可変焦点レンズアセンブリが、
第1の位置決めコイルを備える第1の位置決めコイルアセンブリであって、前記第1の位置決めコイルが、第1の位置決めパッドの周りに位置決めされている、第1の位置決めコイルアセンブリと、
第2の位置決めコイルを備える第2の位置決めコイルアセンブリであって、前記第2の位置決めコイルが、第2の位置決めパッドの周りに位置決めされている、第2の位置決めコイルアセンブリと、
前記第1の位置決めパッドに隣接して位置する第1の位置決め磁石と、前記第2の位置決めパッドに隣接して位置する第2の位置決め磁石と、撮像光学レンズと、を備える、レンズバレルアセンブリと、
前記レンズバレルアセンブリを収めるように設計された内部モジュール空間を画定するモジュール基部であって、前記モジュール基部が、第1のコイル位置で前記第1の位置決めコイルアセンブリを支持し、かつ第2のコイル位置で前記第2の位置決めコイルアセンブリを支持しており、前記第1のコイル位置が、前記第2のコイル位置と対角線上で反対側にある、モジュール基部と、
前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリと係合された少なくとも一対の軸受ボールと、を備え、
前記第1の位置決めコイルアセンブリ及び前記第1の位置決め磁石は、前記第2の位置決めコイルアセンブリ及び前記第2の位置決め磁石、並びに前記少なくとも一対の軸受ボールと一緒に、前記レンズバレルアセンブリの焦点位置を画定する、撮像装置。
【請求項19】
前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリは各々、第1の軸受スロット及び第2の軸受スロットを備え、前記第1の軸受スロットの各々は、前記第2の軸受スロットのうちの1つの反対側に位置し、
前記少なくとも一対の軸受ボールは、第1の対の軸受ボールと、第2の対の軸受ボールと、を備え、
前記第1の対の軸受ボールは、前記第1の軸受スロットの各々を介して前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリと係合されており、
前記第2の対の軸受ボールは、前記第2の軸受スロットの各々を介して前記モジュール基部及び前記レンズバレルアセンブリと係合されている、請求項18に記載の撮像装置。
【請求項20】
第1の画像を捕捉するように構成された第1の画像センサと、
少なくとも1つの第2の画像を捕捉するように構成された少なくとも1つの第2の画像センサと、を更に備え、
前記第1の画像センサは、前記可変焦点レンズアセンブリの光学軸に沿って位置決めされており、
前記少なくとも1つの第2の画像センサは、前記少なくとも1つの追加のレンズアセンブリの光学軸に沿って位置決めされている、請求項18に記載の撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、撮像装置用のレンズ焦点アセンブリに関し、具体的には、スモールフォームファクタの撮像装置で使用するための、かつ電磁気を使用する可変焦点用に構成された可変焦点レンズアセンブリに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
撮像装置において、レンズは、多くの場合、特定の既定された範囲にある対象がレンズを介して焦点が合って見えるように設計され、かつ配設される。画像センサは、レンズを介して視野を表す画像データを捕捉するために利用される。多くの場合、撮像される対象がレンズの焦点がはずれている場合、レンズを1つ以上の他の焦点位置に移動させて、対象を焦点に合わせる必要がある。
【0003】
一般に、本明細書で提供される本開示の実施形態は、光学アセンブリ、可変焦点レンズアセンブリ、及び1つ以上のそのようなアセンブリを含む可変焦点撮像装置を含む。可変焦点レンズアセンブリ及び/又は可変焦点撮像装置のうちの1つ以上の他の実装形態は、以下の図面及び詳細な説明を検討すると当業者には明らかであるか、又は明らかになるであろう。そのような追加の実装形態はすべて、本開示の範囲内にある本明細書内に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0004】
本開示の一態様によれば、光学アセンブリが提供される。光学アセンブリは、ハウジングと、光学部材と、第1の対の軸受ボールと、第2の対の軸受ボールと、を備える。光学部材は、ハウジング内で移動するように構成され、2つの前面管状スロット及び2つの後面管状スロットを有する。第1の対の軸受ボールの各ボール軸受は、2つの前面管状スロットのそれぞれ1つに収容され、光学部材の第1の側面でハウジング内の光学部材を移動可能に支持するように構成されている。第2の対の軸受ボールの各ボール軸受は、2つの後面管状スロットのそれぞれ1つに収容され、光学部材の第2の側面でハウジング内の光学部材を移動可能に支持するように構成されている。
【0005】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、2つの前面管状スロットの各々は、光学部材の第1の側面上で互いに対角線上で反対側にある。追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、2つの後面管状スロットの各々は、光学部材の第2の側面上で互いに対角線上で反対側にある。
【0006】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、光学アセンブリは、通電時に磁束を生成するように構成された有線コイル基板を更に備える。追加的に又は代替的に、光学部材は、光学部材のすべての移動位置において、少なくとも1つの永久磁石が有線コイル基板によって生成された磁束の相互接続近接にあるように、光学部材の少なくとも一部分に少なくとも1つの永久磁石を更に備える。
【0007】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、有線コイル基板は、有線コイルアセンブリに供給される第1の電流に基づいて、有線コイル基板によって画定された凹部内の光学部材の少なくとも一部を移動させるように構成された有線コイルアセンブリを備える。
【0008】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、有線コイル基板は、有線コイルアセンブリに供給される第2の電流に基づいて、有線コイル基板によって画定された凹部から光学部材の少なくとも一部を移動させるように構成された有線コイルアセンブリを備える。
【0009】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、ハウジングの第1の端部は、撮像されるシーンに面する光学アセンブリの前側に向かっており、ハウジングの第2の端部は、画像センサに面する光学アセンブリの後端部に向かっており、有線コイル基板は、光学アセンブリの後端部に向かって位置決めされている。
【0010】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、有線コイル基板は、通電時に光学部材を移動させるように構成された有線コイルアセンブリを備え、光学部材が移動することで、光学アセンブリの焦点を変化させる。
【0011】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、有線コイルアセンブリは、光学部材に電磁力を及ぼして、光学部材を光学アセンブリの光学軸に平行な方向に沿って移動させるように構成されている。
【0012】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、光学アセンブリは、第1のセットの巻線及び第2のセットの巻線を有する有線コイル基板を更に備える。追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、巻線の第1のセット及び巻線の第2のセットは、それらの間に凹部を画定して、光学部材の後面部分を収容する。追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、第1の巻線セットを含む第1の平面は、巻線の第2のセットを含む第2の平面に平行であり、光学アセンブリの光学軸は、第1の平面と第2の平面との線接合中心を二分する。
【0013】
追加的に又は代替的に、光学アセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、光学部材は、第1の永久磁石と、第1の永久磁石と対角線上で反対側に配置された第2の永久磁石とを更に備える。
【0014】
本開示の一態様によれば、可変焦点レンズアセンブリが提供される。可変焦点レンズアセンブリは、少なくともレンズバレルアセンブリを事前定義された数の焦点位置に、及び/又は焦点位置の連続的なセット内に、アセンブリがスモールフォームファクタの装置シャーシ内に収まり得るように低減されたフォームファクタで位置決めするように構成される。少なくとも1つの例示的な実施形態では、例示的な可変焦点レンズアセンブリは、少なくとも第1の位置決めコイルアセンブリ及び第2の位置決めコイルアセンブリを備える位置決めコイル基板を備える。例示的な可変焦点レンズは、レンズバレルアセンブリを更に備える。例示的な可変焦点レンズは、レンズバレルアセンブリを収めるように設計された内部モジュール空間を画定するモジュール基部を更に備え、モジュール基部は、第1のコイル位置で第1の位置決めコイルアセンブリを支持するように、かつ第2のコイル位置で第2の位置決めコイルアセンブリを支持するように設計され、第1のコイル位置は第2のコイル位置と反対側にある。例示的な可変焦点レンズは、モジュール基部及びレンズバレルアセンブリと係合された少なくとも一対の軸受ボールを更に備え、第1の位置決めコイルアセンブリ、第2の位置決めコイルアセンブリ、及び少なくとも一対の軸受ボールは、レンズバレルアセンブリと一緒に、レンズバレルアセンブリの焦点位置を画定する。
【0015】
追加的に又は代替的に、可変焦点レンズアセンブリの少なくともいくつかの実施形態では、第1の位置決めコイルアセンブリは、第1の位置決めコイルを備える。第1の位置決めコイルは、第1の位置決めパッドの周りに位置決めされ、第2の位置決めコイルアセンブリは、第2の位置決めコイルを備え、第2の位置決めコイルは、第2の位置決めパッドの周りに位置決めされる。レンズバレルアセンブリは、第1の位置決めパッドに隣接して位置する第1の位置決め磁石と、第2の位置決めパッドに隣接して位置する第2の位置決め磁石と、撮像光学レンズとを備え、第1の位置決めパッド、第1の位置決めコイル、及び第1の位置決め磁石、第2の位置決めパッド、第2の位置決めコイル、及び第2の位置決め磁石、並びに少なくとも一対の軸受ボールは、レンズバレルアセンブリの焦点位置を画定する。
【0016】
追加的に又は代替的に、可変焦点レンズアセンブリの少なくともいくつかのそのような実施形態では、少なくとも一対の軸受ボールは、第1の対の軸受ボール及び第2の対の軸受ボールを備える。追加的に又は代替的に、モジュール基部及びレンズバレルアセンブリは各々、少なくとも2つの軸受スロットを備え、各軸受スロットは、対応する対の軸受ボールのボール軸受が、対応する軸受スロットを介してモジュール基部及びレンズバレルアセンブリの各々と係合することを可能にするように設計されている。
【0017】
追加的に又は代替的に、可変焦点レンズアセンブリの少なくともいくつかのそのような実施形態では、モジュール基部及びレンズバレルアセンブリは各々、第1の軸受スロット及び第2の軸受スロットを備え、第1の軸受スロットの各々は、第2の軸受スロットのうちの1つの反対側に位置する。追加的に又は代替的に、少なくとも一対の軸受ボールは、第1の対の軸受ボール及び第2の対の軸受ボールを備える。第1の対の軸受ボールの各ボール軸受は、第1の軸受スロットの各々を介してモジュール基部及びレンズバレルアセンブリと係合され、第2の対の軸受ボールの各ボール軸受は、第2の軸受スロットの各々を介してモジュール基部及びレンズバレルアセンブリと係合される。
【0018】
追加的に又は代替的に、可変焦点レンズアセンブリの少なくともいくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリの焦点位置は、位置決めコイル基板が第1の給電状態にある状況における第1の焦点位置と、位置決めコイル基板が第2の給電状態にある状況における第2の焦点位置と、位置決めコイル基板が非給電状態にある状況におけるデフォルト焦点位置とを含む。
【0019】
追加的に又は代替的に、可変焦点レンズアセンブリの少なくともいくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリの焦点位置は、位置決めコイル基板が非給電状態にある状況におけるデフォルト焦点位置を含み、第1の位置決めパッドは、第1の位置決め磁石と位置合わせされ、第2の位置決めパッドは、デフォルト焦点位置で第2の位置決め磁石と位置合わせされる。追加的に又は代替的に、可変焦点レンズアセンブリの少なくともいくつかのそのような実施形態では、デフォルト焦点位置は、デフォルト焦点範囲に基づく。
【0020】
本開示の別の態様によれば、マルチセンサ撮像装置が提供される。マルチセンサ撮像装置は、本明細書に開示されるように可変焦点のために構成される。マルチセンサ撮像装置は、可変焦点レンズアセンブリと、少なくとも1つの追加のレンズアセンブリと、少なくとも可変焦点レンズアセンブリ及び少なくとも1つの追加のレンズアセンブリを収容するように構成された装置シャーシとを備える。マルチセンサ撮像装置の可変焦点レンズアセンブリは、第1の位置決めコイルを備える第1の位置決めコイルアセンブリを備え、第1の位置決めコイルは、第1の位置決めパッドの周りに位置決めされる。マルチセンサ撮像装置の可変焦点レンズアセンブリは、第2の位置決めコイルを備える第2の位置決めコイルアセンブリを更に備え、第2の位置決めコイルは、第2の位置決めパッドの周りに位置決めされる。マルチセンサ撮像装置の可変焦点レンズアセンブリは、第1の位置決めパッドに隣接して位置する第1の位置決め磁石、第2の位置決めパッドに隣接して位置する第2の位置決め磁石、及び撮像光学レンズを備える、レンズバレルアセンブリを更に備える。マルチセンサ撮像装置の可変焦点レンズアセンブリは、レンズバレルアセンブリを収めるように設計された内部モジュール空間を画定するモジュール基部を更に備え、モジュール基部は、第1のコイル位置で第1の位置決めコイルアセンブリを支持するように、かつ第2のコイル位置で第2の位置決めコイルアセンブリを支持するように設計され、第1のコイル位置は第2のコイル位置と反対側にあり、第1のコイル位置は、第2のコイル位置と対角線上で反対側にある。マルチセンサ撮像装置の可変焦点レンズアセンブリは、モジュール基部及びレンズバレルアセンブリと係合された少なくとも一対の軸受ボールを更に備える。第1の位置決めコイルアセンブリ及び第1の位置決め磁石は、第2の位置決めコイルアセンブリ及び第2の位置決め磁石、並びに少なくとも一対の軸受ボールと一緒に、レンズバレルアセンブリの焦点位置を画定する。
【0021】
追加的に又は代替的に、マルチセンサ撮像装置の少なくともいくつかのそのような実施形態では、モジュール基部及びレンズバレルアセンブリは各々、第1の軸受スロット及び第2の軸受スロットを備え、第1の軸受スロットの各々は、第2の軸受スロットのうちの1つの反対側に位置する。追加的に又は代替的に、少なくとも一対の軸受ボールは、第1の対の軸受ボール及び第2の対の軸受ボールを備える。第1の対の軸受ボールは、第1の軸受スロットの各々を介してモジュール基部及びレンズバレルアセンブリと係合し、第2の対の軸受ボールは、第2の軸受スロットの各々を介してモジュール基部及びレンズバレルアセンブリと係合される。
【0022】
追加的に又は代替的に、マルチセンサ撮像装置の少なくともいくつかのそのような実施形態では、マルチセンサ撮像装置は、第1の画像センサ及び少なくとも1つの第2の画像センサを更に備える。第1の画像センサは、可変焦点レンズアセンブリの光学軸に沿って位置決めされ、少なくとも1つの第2の画像センサは、少なくとも1つの追加のレンズアセンブリの光学軸に沿って位置決めされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
このように本開示の実施形態を一般的な用語で説明してきたが、ここで添付図面を参照し、これらは、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。
【0024】
図1A図1Aは、本開示の例示的な実施形態による、例示的なマルチセンサ撮像システムのブロック図を示す。
【0025】
図1B図1Bは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な光学レンズアセンブリを図示する。
【0026】
図2A図2Aは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、組み立てられるときの例示的な可変焦点レンズアセンブリの様々な図を図示する。
図2B図2Bは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、組み立てられるときの例示的な可変焦点レンズアセンブリの様々な図を図示する。
図2C図2Cは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、組み立てられるときの例示的な可変焦点レンズアセンブリの様々な図を図示する。
図2D図2Dは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、組み立てられるときの例示的な可変焦点レンズアセンブリの様々な図を図示する。
【0027】
図3A図3Aは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリの内部の様々な断面図を図示する。
図3B図3Bは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリの内部の様々な断面図を図示する。
図3C図3Cは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリの内部の様々な断面図を図示する。
【0028】
図4A図4Aは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、レンズバレルアセンブリとして具現化された例示的な光学部材の設計詳細を図示する。
図4B図4Bは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、レンズバレルアセンブリとして具現化された例示的な光学部材の設計詳細を図示する。
【0029】
図5A図5Aは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリのモジュール基部の斜視図を図示する。
図5B図5Bは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリのモジュール基部の斜視図を図示する。
図5C図5Cは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリのモジュール基部の斜視図を図示する。
【0030】
図6図6は、本開示の少なくとも1つの例示的実施形態による、例示的な位置決めコイル基板の詳細な様々な設計を図示する。
【0031】
図7A図7Aは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、関連する画像センサによって捕捉するための例示的な可変焦点レンズアセンブリを通って横切る光の例示的な視覚化を図示する。
図7B図7Bは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、関連する画像センサによって捕捉するための例示的な可変焦点レンズアセンブリを通って横切る光の例示的な視覚化を図示する。
【0032】
図8A図8Aは、各々、本開示の少なくとも1つの例示的実施形態による、異なる焦点位置に位置決めされたレンズバレルアセンブリの例示的な視覚化を図示する。
図8B図8Bは、各々、本開示の少なくとも1つの例示的実施形態による、異なる焦点位置に位置決めされたレンズバレルアセンブリの例示的な視覚化を図示する。
図8C図8Cは、各々、本開示の少なくとも1つの例示的実施形態による、異なる焦点位置に位置決めされたレンズバレルアセンブリの例示的な視覚化を図示する。
【0033】
図9A図9Aは、各々、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、異なる焦点位置に位置決めされるレンズバレルアセンブリを有する可変焦点レンズアセンブリを使用して、画像センサによって捕捉された様々な視覚的に符号化されたしるしの表示を含む画像データオブジェクトの視覚化を図示する。
図9B図9Bは、各々、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、異なる焦点位置に位置決めされるレンズバレルアセンブリを有する可変焦点レンズアセンブリを使用して、画像センサによって捕捉された様々な視覚的に符号化されたしるしの表示を含む画像データオブジェクトの視覚化を図示する。
図9C図9Cは、各々、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、異なる焦点位置に位置決めされるレンズバレルアセンブリを有する可変焦点レンズアセンブリを使用して、画像センサによって捕捉された様々な視覚的に符号化されたしるしの表示を含む画像データオブジェクトの視覚化を図示する。
【0034】
図10A図10Aは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、一対のコイル位置決めアセンブリが非給電状態にある状況における、可変焦点レンズアセンブリの一対の位置決め磁石に関連付けられた一対のコイル位置決めアセンブリの各々によって及ぼされる磁力を図示する。
【0035】
図10B図10Bは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、一対のコイル位置決めアセンブリが第1の給電状態にある状況における、可変焦点レンズアセンブリの一対の位置決め磁石に関連付けられた一対のコイル位置決めアセンブリの各々によって及ぼされる磁力を図示する。
【0036】
図11図11は、本開示の少なくとも1つの例示的実施形態による、ニュートラル焦点位置からのレンズバレルアセンブリの変位に対する力の例示的な分布を図示する。
【0037】
図12図12は、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、可変焦点レンズアセンブリを含む例示的な可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの斜視図を図示する。
【0038】
図13図13は、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、可変焦点レンズアセンブリを含む例示的な可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの別の斜視図を図示する。
【0039】
図14A図14Aは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点マルチセンサ撮像装置の様々な図を図示する。
図14B図14Bは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点マルチセンサ撮像装置の様々な図を図示する。
図14C図14Cは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点マルチセンサ撮像装置の様々な図を図示する。
【0040】
図15図15は、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリの収容を可能にするように変更された装置シャーシを含む例示的な撮像装置を図示する。
【0041】
図16図16は、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、少なくとも1つの可変焦点レンズアセンブリを含む例示的なモバイル可変焦点マルチセンサ撮像装置の斜視図を図示する。
【0042】
図17図17は、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、可変焦点レンズアセンブリを組み立てるための例示的なプロセスの動作例を示すフローチャートを図示する。
【0043】
図18図18は、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、レンズバレルアセンブリを形成するためにレンズバレル、一対の位置決め磁石、及び撮像レンズを組み立てるための例示的なプロセスの動作例を示すフローチャートを図示する。
【0044】
図19図19は、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、位置決めコイルアセンブリを組み立てるための例示的なプロセス1900の動作例を示すフローチャートを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0045】
ここで、本開示の様々な実施形態を、本開示のすべてではなくいくつかの実施形態が示される添付図面を参照しながら以下により完全に記載する。実際に、本開示の実施形態は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0046】
撮像装置は、1つ以上の画像捕捉及び処理タスクの実行を可能にするように構成される。例えば、少なくともいくつかの例示的な文脈では、画像装置は、1つ以上のバーコード、QRコード、データマトリックス及び/又は同様のものなどのような記号の読み取りを可能にするように構成される。多くの場合、このような撮像装置は、イメージャによって定義される特定の視野を表す画像データオブジェクトを捕捉するための1つ以上のイメージャを含む。例えば、イメージャは、画像捕捉光学素子を通過して画像センサと相互作用する光を捕捉するように構成された、画像センサと結合された1つ以上のレンズアセンブリなどの1つ以上の画像捕捉光学素子を含み得る。この点に関して、レンズアセンブリは、関連する画像センサによって捕捉される特定の視野を画定することができ、並びに/又は、画像センサが、焦点範囲及び/若しくはその周辺での処理のために明確及び/若しくはそうでなければ最適である画像データオブジェクトを捕捉するように、特定の焦点範囲を画定し得る。このようなイメージャは、例えば、照明投影レンズ及び関連する照明源を含み、捕捉される視野を照明する光を提供する、撮像装置の及び/又はそれに関連付けられた照明器と関連付けられ得る。
【0047】
可変焦点レンズアセンブリは、1つ以上の異なる焦点範囲への焦点範囲の調整を可能にする。焦点範囲を調整することによって、レンズアセンブリを使用して、特定の画像処理タスクのために首尾よく処理されるのに十分に明確及び/又は良好に画定された画像データオブジェクトを捕捉し得る有効範囲が改善され得る。例えば、第1の焦点範囲と第2の焦点範囲との間で調整可能な可変焦点レンズを使用して、走査されるオブジェクト及び/又は撮像装置自体を再位置決めすることなく、処理するのに十分な画像データオブジェクトを捕捉し得る。焦点を変更する能力を提供するために、可変焦点の従来の実装は、かさばり、遅く、かつ/又は1つ以上の環境影響を受けやすい。この点に関して、従来の可変焦点レンズは、多くの場合、スモールフォームファクタ及びモバイル撮像装置での使用には好適ではなく、及び/又は使用のためにそのような装置内に物理的に収めることができない。
【0048】
モバイル撮像装置の文脈では、例えば、撮像装置及びその各構成要素は、機能性を維持し、迅速に実行し、かつモバイル文脈で使用するのに十分にスモールフォームファクタでなければならない。例えば、撮像装置が携帯電話又は他の制限されたフォームファクタデバイス内に統合されるべきである文脈では、撮像装置は、携帯電話のモバイル装置シャーシの制限された寸法(多くの場合、約7ミリメートル)に基づいて制限される。この点に関して同様に、このような文脈で動作するために、撮像装置の構成要素は各々、撮像装置の更により小さいフォームファクタによって制限される。
【0049】
従来の可変焦点レンズの実装は、スモールフォームファクタデバイスでの使用に不適な制限を有する。例えば、従来のボイスコイルモーターフォーカスは、ユーザの動作及び/又は輸送による振動及び衝撃が起こり得るモバイル撮像装置の文脈での使用など、振動及び衝撃に対して非常に敏感である。追加的に、例えば、液体レンズフォーカスは、そのようなスモールフォームファクタモバイル撮像装置の文脈での使用に不適な大きい構成要素サイズによって制限される。追加的に、例えば、リニアピエゾモーターフォーカスは、そのようなスモールフォームファクタモバイル撮像装置での使用に不適な遅い応答速度に苦しむ。この点に関して、モバイル撮像装置の文脈では、可変レンズフォーカス機能のための従来の各実装形態は、信頼性が低く、十分にスモールフォームファクタに圧縮することができず、及び/又は遅い応答速度に苦しむ。
【0050】
他の撮像装置でも、多くのエネルギー消費を発生させることなく、シームレスで迅速な様式で焦点するように構成された光学構成要素を移動させる必要がある。例えば、しるし読み取りに使用される撮像装置は、多くの場合、電池給電される。利用可能な搭載電力は乏しく、より長い期間にわたってデバイスの動作を支持するために慎重に利用される必要がある。そのため、そのような電池給電デバイスにおけるありとあらゆる電力消費は、バッテリ寿命を向上させ、頻繁な充電の要件を低減するように最適化されるべきである。焦点アセンブリに関して、移動焦点構成要素に費やされる電力は、可能な限り少ないことが所望される。しかしながら、従来の移動機構は、ローラ及び同様の軸受を利用して、レンズなどの光学構成要素の可動性を支持する。しかしながら、そのような可動性機構は、時間及び使用とともに増加する固有の摩擦によって損なわれる。これにより、レンズの迅速な焦点配置の応答が悪くなり、多くの場合、撮像される対象の焦点があっていないままになる。したがって、そのようなデバイスの有用性は限定され、それらは頻繁なメンテナンス及びアップグレードを必要とする。
【0051】
本明細書の実施形態は、可変焦点レンズアセンブリを提供する。実施形態は、1つ以上の位置決め磁石と1つ以上の位置決めパッドとの間の相互作用に基づいて位置決めされたレンズバレルアセンブリを含む可変焦点レンズアセンブリを含む。いくつかのそのような実施形態では、一対の位置決め磁石の各々は、一対の位置決めパッドのうちの1つと関連付けられる。位置決めパッドは各々、位置決めコイルに給電する電荷を受け取るように構成された位置決めコイルと関連付けられる。給電された位置決めコイルは、レンズバレルアセンブリを新しい焦点位置に再位置決めするために及ぼされる磁石力を発生するように構成される。この点に関して、レンズバレルアセンブリは、位置決めコイルの各々の給電状態に基づいて位置決めされる。このような実装形態は、可変焦点レンズアセンブリが急速に再焦点される(例えば、所望の閾値内で)ようにレンズバレルアセンブリを迅速に再位置決めし、振動の影響を受けにくく、かつモバイル文脈で使用するのに十分にスモールフォームファクタで実装され得る。そのため、撮像装置の実施形態は、例えば、マルチセンサ環境内の1つ以上のレンズアセンブリとして、1つ以上の可変焦点レンズアセンブリを利用し得る。
【0052】
このような例示的な可変焦点レンズアセンブリは、十分な信頼性、コンパクトなサイズ、低消費電力、及びスモールフォームファクタの撮像装置での使用のために十分な高速の応答を提供する。この点に関して、このような可変焦点レンズアセンブリは、撮像装置が首尾よく処理するために画像データオブジェクトを捕捉し得る有効範囲を改善するために、1つ以上の撮像装置内に実装され得る。いくつかの実施形態がモバイル撮像装置に関して記載されているが、このような実施形態は、1つ以上の非モバイル撮像装置において同様に実装され得ることを理解されたい。いくつかのそのような実施形態では、実施形態は、スモールフォームファクタによって限定されない場合があるが、本明細書に記載されるものと同様の構造を使用する場合がある。
定義
【0053】
「撮像装置」という用語は、処理のための画像データオブジェクトを捕捉するように構成された1つ以上のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を指す。いくつかの実施形態では、撮像装置は、捕捉のための視野上に照明を提供するように構成された、少なくとも1つの照明器源及び/又は対応する光学素子を含む。撮像装置の非限定的な例は、「マルチセンサ撮像装置」であり、これは、画像データ対象の捕捉を可能にするように各々構成された複数の画像センサを含む撮像装置を指す。また、
【0054】
「給電」という用語は、電気回路、構成要素、及び/又は電気導体に電流を供給することを指す。
【0055】
「位置決めコイル」という用語は、コイル形状に巻かれ、位置決めコイルに給電すると磁場を発生するように構成された電気導体を指す。位置決めコイルは、「コイル内部領域」を画定し、これは、巻き付けられた位置決めコイルによって画定される位置決めコイル間の開放領域を指す。
【0056】
「位置決めコイルアセンブリ」という用語は、位置決めコイルをモジュール基部及び/又はコイル給電回路に接続するために、少なくともフレックス構成要素に接続された位置決めコイルを指す。
【0057】
「コイル給電回路」という用語は、1つ以上の位置決めコイルアセンブリに電流を供給するように構成されたハードウェアを指す。いくつかの例示的な文脈では、コイル給電回路は、1つ又は複数の位置決めコイルアセンブリに接続された少なくとも1つの電源を含む。
【0058】
「給電状態」という用語は、一対の位置決めコイルアセンブリの各々に電流を給電している値を指す。例示的な文脈では、給電状態は、一対の位置決めコイルアセンブリの各々に電流を給電している符号の値を表す。「非給電状態」という用語は、一対の位置決めコイルアセンブリの各々に電流を給電していない値を指す。
【0059】
「イメージャ」又は「撮像モジュール」という用語は、特定の視野を表す画像を捕捉するように構成された1つ以上の構成要素を指す。少なくとも1つの例示的な文脈では、イメージャは、特定の視野を画定する少なくとも1つの光学構成要素(例えば、レンズ及び/又は関連するハウジング)を含む。追加的に又は代替的に、少なくとも1つの例示的な文脈では、イメージャは、光学構成要素などを介して、画像センサと係合する光に基づいて画像を出力するように構成された画像センサを含む。
【0060】
「画像センサ」という用語は、画像センサに入射する光に基づいて、データオブジェクトによって表される画像を生成するように構成された1つ以上の構成要素を指す。いくつかのそのような例示的な文脈では、画像センサは、画像センサと相互作用する光波を、センサによって出力された画像を表す信号に変換する。
【0061】
「撮像光学レンズ」という用語は、光が撮像光学レンズに関連付けられた画像センサによって受け取られることを可能にする開口を画定する1つ以上のレンズ及び/又は支持光構成要素を指す。いくつかの実施形態では、撮像光学レンズは、完全にガラス、完全にプラスチック、光学液体材料、及び/又はそれらの任意の組み合わせで形成される。
【0062】
「レンズバレルアセンブリ」という用語は、対応する画像センサに関連付けられた構成要素を指し、その構成要素は、少なくとも撮像光学レンズ及びレンズハウジングを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、レンズバレルアセンブリは、位置決め磁石を支持するための1つ以上の画定された面積を含む。
【0063】
「位置決め磁石」という用語は、レンズバレルアセンブリの焦点位置のシフトを可能にするために、レンズバレルアセンブリ内に含まれる磁石を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のようなバレルレンズアセンブリの焦点位置を変更するために、レンズバレルアセンブリは、一対の位置決めコイルアセンブリ及び/又は位置決めパッドなどの1つ以上の関連する構成要素と相互作用するように設計された一対の位置決め磁石を含む。位置決め磁石の非限定的な例には、亜鉛めっき磁石、ニッケルめっき磁石、及び/又は他の保護コーティングを含むが、これらに限定されないめっきネオジム磁石が含まれる。
【0064】
「位置決めパッド」という用語は、位置決めコイルのコイル内部領域内に収まるように設計された磁性材料を指す。1つの例示的な文脈では、位置決めパッドは、直方体として成形される。位置決めコイルアセンブリは、位置決めパッドに関連付けられた位置決め磁石に隣接して位置決めされる。この点に関して、いくつかの文脈では、一対の対称位置決めパッドは、互いに反対側に位置決めされ、各々が一対の位置決めコイルアセンブリのうちの1つと関連付けられ、一対の位置決めコイルアセンブリは、互いに反対側に位置決めされ、その結果、位置決めコイルアセンブリが非給電状態にあるとき、位置決めパッドは位置決め磁石と位置合わせされる。「鉄位置決めパッド」という用語は、鉄コーティングを含めて、鉄で特に形成された、及び/又は大部分鉄で形成された位置決めパッドを指す。
【0065】
「モジュール基部」という用語は、可変焦点レンズアセンブリの1つ以上の構成要素の位置決め及び/又は位置合わせを可能にするように構成されたハウジングを指す。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、モジュール基部は、対応する給電回路及び/又は処理回路との構成要素のうちの1つ以上の接続を可能にする。
【0066】
「コイル位置」という用語は、関連するレンズバレルアセンブリに関して位置決めコイルの位置を指す。いくつかの実施形態では、例えば、第1の位置決めコイルは、関連するレンズバレルアセンブリの上部に位置する第1のコイル位置に位置決めされ、第2の位置決めコイルは、第1のコイル位置が第2のコイル位置と反対であるように、関連するレンズバレルアセンブリの下部に位置する第2のコイル位置に位置決めされる。
【0067】
「位置決めエリア」という用語は、位置決めコイルアセンブリに関して、コイル内部領域内の位置決めパッドを含めて位置決めコイルアセンブリを支持するように設計されたモジュール基部の画定された部分を指す。いくつかの実施形態では、モジュール基部は、一対の位置決めコイルアセンブリを支持するための第1のコイル位置及び第2のコイル位置を含み、一対のコイルアセンブリが長手方向軸に沿ってレンズバレルアセンブリを移動させる磁力を発生するように、第1のコイル位置は第2のコイル位置と反対側にある。
【0068】
「内部モジュール空間」という用語は、モジュール基部の内壁及び/又は他の支持構造によって画定される空間の空隙を指す。いくつかの実施形態では、内部モジュール空間は、レンズバレルアセンブリ及び/又は対応する位置決め及び/若しくは位置合わせ構成要素を十分に収めるように画定される。
【0069】
「軸受スロット」という用語は、外側境界によって画定され、ボール軸受を受容及び/又は移動可能に固定するように設計された構成要素内の空間を指す。少なくとも1つの例示的な文脈では、軸受スロット開口部は、ボール軸受を受容するように構成された球形、管状、又は円筒形の空間を画定する。
【0070】
「ボール軸受」という用語は、構成要素の軸受スロット開口部に係合するように設計された金属、半金属、若しくは非金属の固体ボール及び/又は他の円形ローラを指す。少なくとも1つの例示的な文脈では、ボール軸受は、軸受スロット開口部内へ摺動することを通して軸受スロット開口部と係合するように設計される。
【0071】
「焦点位置」という用語は、モジュール基部の内部モジュール空間内のレンズバレルアセンブリの位置を指す。この点に関して、例示的な文脈では、レンズバレルアセンブリの焦点位置決めは、長手方向軸に沿った、デフォルト位置及び/又は絶対位置からのシフトを表す。例示的な文脈では、レンズバレルアセンブリの焦点位置は、1つ以上の位置決めコイルアセンブリに印加される電力の値に基づいて変更される。
【0072】
「前面位置制限」という用語は、モジュール基部の前面の内壁に最も近い焦点位置を指す。いくつかの実施形態では、前面位置制限は、モジュール基部自体の前面の内壁によって画定される。他の実施形態では、前面位置制限は、1つ以上の前面制限構成要素によって画定される。
【0073】
「背面位置制限」という用語は、モジュール基部の背面の内壁に最も近い焦点位置を指す。いくつかの実施形態では、背面位置制限は、モジュール基部自体の背面の内壁によって画定される。他の実施形態では、背面位置制限は、1つ以上の背面制限構成要素によって画定される。
【0074】
「焦点範囲」という用語は、レンズバレルアセンブリ及び/又は撮像装置と、焦点が合う場のための場との間の最適な距離を指す。少なくとも1つの例示的な文脈では、レンズバレルアセンブリの焦点位置が変化すると、焦点範囲も変化する。「デフォルト焦点範囲」という用語は、二次元の記号及び/又は三次元の記号を検出、捕捉、及び/又は復号化するためなど、レンズバレルアセンブリ及び/又は撮像装置と、意図された使用のための場との間の最も可能性が高い距離であるように既定される特定の焦点範囲を指す。
【0075】
「デフォルト焦点位置」という用語は、一対の位置決めコイルアセンブリの各々が非給電状態にあるときの、レンズバレルアセンブリの焦点位置を指す。例示的な文脈では、デフォルト焦点位置は、レンズバレルアセンブリの各位置決め磁石を関連する位置決めパッドと位置合わせする。
【0076】
「既定された焦点位置」という用語は、可能な焦点位置のセットからの焦点位置の離散値を指す。例えば、少なくとも1つの例示的な文脈において、可変焦点レンズアセンブリは、第1の給電状態(例えば、正の電流)に対する第1の焦点位置、第2の給電状態(例えば、負の電流)に対する第2の焦点位置、及び非給電状態(例えば、電流なし)に対する第3の焦点位置、の3つの状態の焦点位置のセットに基づいて設計される。
【0077】
「連続焦点位置」という用語は、最大焦点位置及び最小焦点位置によって定義される焦点位置の連続範囲からの焦点位置の値を指す。少なくとも1つの例示的な文脈において、連続焦点位置は、一対の位置決めコイルアセンブリに供給される電力の値に基づく値を反映する。
【0078】
「近焦点位置」という用語は、既定された閾値未満の既定された焦点範囲にレンズバレルアセンブリの焦点を合わせるための焦点位置の値を指す。「遠焦点位置」という用語は、既定された閾値を超える第2の既定された焦点範囲にレンズバレルアセンブリの焦点を合わせるための焦点位置の値を指す。「ニュートラル焦点位置」という用語は、既定された閾値の第3の既定された焦点範囲にレンズバレルアセンブリの焦点を合わせるための焦点位置の値を指す。
【0079】
「非光沢の暗色表面」という用語は、鏡面反射方向において受光された光の既定された閾値パーセンテージ未満で反射する表面を指す。いくつかの実施形態では、鏡面光を最小化するために、非光沢の暗色表面は、十分に暗い色である。
【0080】
「磁石表面エポキシ」という用語は、位置決め磁石の少なくとも1つの表面に沿って非光沢の暗色表面を提供するための、位置決め磁石のコーティングを指す。
【0081】
「レンズマウント」という用語は、1つ以上の構造構成要素、及び/又は、撮像装置内の可変焦点レンズの位置及び/若しくは位置合わせを固定するハードウェアを指す。いくつかの実施形態では、撮像装置の装置シャーシは、画定された空間の外壁がレンズマウントを含むように、可変焦点レンズに係合する画定された空間を含む。
【0082】
「視覚的に符号化されたしるし」という用語は、撮像装置によって走査するように構成された1つ以上の記号のレンダリング、印刷、及び/又は他の方法で可視の表示を指す。視覚的に符号化されたしるしの非限定的な例としては、2Dバーコード、UPC、クイックレスポンスコード、データマトリックス、及びカスタム符号化画像が挙げられる。
【0083】
図1Aは、本開示の例示的な実施形態による、例示的なマルチセンサ撮像システム10(以下、撮像システム10とも称される)のブロック図を示す。マルチセンサ撮像システム10は、コントローラ20、通信インターフェース40、起動構成要素60、及び1つ以上の周辺構成要素80と通信可能に結合された撮像エンジン100を含む。いくつかの例示的な実施形態では、撮像システム10は、図1Aに示されるよりも少ない又は多い構成要素を含み得る。撮像システム10は、1つ以上の照明源を使用して、1つ以上の視野内の標的の1つ以上の画像を捕捉するように構成されている。撮像システム10は、1つ以上の画像を処理して、標識の読み取りなどの1つ以上の画像処理タスクを実行する。したがって、本開示のいくつかの例示的な実施形態では、撮像システム10は、標識若しくは記号リーダ、又は標識及び同様の記号を読み取ることができるハンドヘルドデバイスとして部分的又は完全に具現化され得る。撮像システム10のいくつかの例示的な実施形態が図12図16を参照して図示されており、その詳細は、本開示の後続の部分で説明される。
【0084】
コントローラ20は、撮像システム10と関連付けられた1つ以上の制御動作を実行するように構成され得る。例えば、コントローラ20は、撮像エンジン100を制御して、撮像エンジン100の視野内の標的の画像捕捉を引き起こし得る。追加的に、コントローラ20は、捕捉された画像を処理して、1つ以上の画像処理タスクを実行し得る。コントローラ20は、1つ以上のプロセッサ及びメモリを備える中央処理ユニット(central processing unit、CPU)として具現化され得る。いくつかの例示的な実施形態では、コントローラ20は、コプロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、付随するDSPの有無にかかわらず処理要素などの様々なハードウェア処理手段のうちの1つ以上、又は例えばASIC(application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ハードウェア加速器、専用コンピュータチップなどの集積回路を含む様々な他の処理回路などの、1つ以上のマイクロコントローラユニット(microcontroller unit、MCU)を使用して実現され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ20のプロセッサは、独立して動作するように構成された1つ以上の処理コアを含み得る。マルチコアプロセッサは、単一の物理的パッケージ内の多重処理を可能にし得る。追加的に又は代替的に、プロセッサは、命令、パイプライン、及び/又はマルチスレッドの独立した実行を可能にするためにバスを介してタンデム型に構成された1つ以上のプロセッサを含み得る。
【0085】
メモリは、非一時的であってもよく、例えば、1つ以上の揮発性及び/又は不揮発性メモリを含み得る。例えば、メモリは、マシン(例えば、プロセッサのようなコンピューティングデバイス)によって検索可能であり得るデータ(例えば、ビット)を記憶するように構成されたゲートを含む電子記憶デバイス(例えば、コンピュータ可読記憶媒体)であってもよい。メモリは、装置が、本発明の例示的な実施形態による様々な機能を実行することを可能にするために、情報、データ、コンテンツ、アプリケーション、命令などを記憶するように構成され得る。例えば、メモリは、プロセッサによる処理のためのデータをバッファするように構成され得る。追加的に又は代替的に、メモリは、プロセッサによる実行のための命令を記憶するように構成され得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、プロセッサ(及び/又はプロセッサを補助するか若しくはプロセッサと他の方法で関連付けられたコプロセッサ若しくは任意の他の処理回路)は、撮像システム10の構成要素間で情報を渡すためのバスを介してメモリと通信し得る。プロセッサは、メモリに記憶された命令を実行するか、又は他の方法でプロセッサにアクセス可能な命令を実行するように構成され得る。追加的に又は代替的に、プロセッサは、ハードコードされた機能を実行するように構成され得る。そのため、ハードウェア方法又はソフトウェア方法によって構成されるか、又はそれらの組み合わせによって構成されるかにかかわらず、プロセッサは、それに応じて構成されている間、本発明の実施形態による動作を実施することができる(例えば、回路内で物理的に具現化された)エンティティを表し得る。したがって、例えば、プロセッサがASIC、FPGAなどとして具現化される場合、プロセッサは、本明細書に記載の動作を実施するためのハードウェアに具体的に構成され得る。代替的に、別の例として、プロセッサがソフトウェア命令の実行体として具体化される場合、命令は、命令が実行されたときに本明細書に記載されるアルゴリズム及び/又は動作を実施するようにプロセッサを具体的に構成し得る。プロセッサは、とりわけ、クロック、算術論理ユニット(arithmetic logic unit、ALU)、及びコントローラ20の動作を支持するように構成された論理ゲートを含み得る。
【0087】
通信インターフェース40は、撮像システム10との通信を支持するための入力インターフェース及び出力インターフェースを含み得る。通信インターフェース40は、データを、撮像システム10と通信する通信デバイスから受信し、かつ/又はそれらに送信するように構成されている、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせのいずれかで具現化されたデバイス又は回路などの任意の手段によって具現化され得る。これに関して、通信インターフェース40は、例えば、アンテナ(又は複数のアンテナ)及び無線通信ネットワークとの通信を可能にするための支持ハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。追加的に又は代替的に、通信インターフェース40は、アンテナと相互作用して、アンテナを介した信号の送信を引き起こすため、又はアンテナを介して受信され信号の受信を処理するための回路を含み得る。いくつかの環境では、通信インターフェース40は、有線通信を代替的に又は追加的に支持し得る。そのため、例えば、通信インターフェース40は、ケーブル、デジタル加入者ライン(digital subscriber line、DSL)、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)、又は他の機構を介して通信を支持するための通信モデム及び/若しくは他のハードウェア及び/若しくはソフトウェアを含み得る。
【0088】
起動構成要素60は、ユーザによる所望の機能の開始(及び/又は終了)を示すように構成されたハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はそれらの組み合わせを含み得る。例えば、起動構成要素60は、コントローラ20に撮像エンジン100の動作を開始させるために、例えば、1つ以上の照明源による照明、焦点の調整、及び/又は画像センサによる1つ以上の画像の捕捉を開始するために、起動信号を送信し得る。追加的に又は代替的に、起動構成要素60は、対応する機能を終了するために、例えば、画像センサを介したスキャンを停止するために、停止信号をコントローラ20に送信し得る。いくつかの実施形態では、起動構成要素60は、シャーシの本体内又は本体上に提供される1つ以上のボタン、トリガ、及び/又は他の物理的構成要素によって具現化される。例えば、少なくとも1つの例示的な文脈では、起動構成要素60は、オペレータによって係合されると(例えば、オペレータがトリガを引くとき)、対応する機能を開始するために信号をコントローラ20に送信する、1つ以上の「トリガ」構成要素によって具現化される。いくつかのそのような実施形態では、起動構成要素は、構成要素がオペレータによって係合解除されるとき(例えば、オペレータがトリガを解放するとき)、そのような機能を停止するために、停止信号をコントローラ20に送信し得る。代替的に又は追加的に、少なくともいくつかの実施形態では、起動構成要素60は、オペレータによる直接係合のための構成要素なしで具現化される。例えば、撮像システム10が撮像装置として具現化されるとき、起動構成要素60は、撮像装置が、事前定義された「スキャン」位置に上昇し、かつ/又は位置決めされ、かつ/又はその位置から下降されて休止をトリガすることを検出するために、ハードウェア及び/又はソフトウェア、又はそれらの組み合わせによって具現化され得る。代替的に又は追加的に、起動構成要素60は、撮像システム10のユーザインターフェース要素として具現化され得る。そのような実施形態では、ユーザインターフェース要素として具現化された起動構成要素60は、ユーザインターフェース上でユーザから入力を受信し、次に、対応するコマンドをコントローラ20に送信するように構成され得る。
【0089】
1つ以上の周辺構成要素80は、例えば、表示デバイス、ユーザインターフェース、ハウジング、シャーシ、電源などのような撮像システム10の他の構造的及び機能的要素を含む。周辺構成要素80のうちの1つ以上は、コントローラによって制御され得、コントローラ20によって提供される命令又は制御に従って動作し得る。
【0090】
いくつかの例示的な実施形態では、撮像エンジン100は、特定の視野における画像捕捉のための1つ以上のサブエンジンを備える光学アセンブリとして具体化され得る。これに関して、いくつかの例示的な実施形態では、撮像エンジンは、撮像システム10の遠場視野で画像捕捉するための一次エンジンとして可変焦点レンズアセンブリを含み得、追加的に又は任意選択的に、近視野内で画像捕捉するための二次エンジンとして近場撮像エンジンを含み得る。近場エンジンは、近場撮像に好適な従来のイメージャであり得る。本開示全体を通して、特定の文脈で特定されない限り、撮像エンジン及び可変焦点レンズアセンブリは、同じものを意味し、同じ数字を使用して言及され得る。
【0091】
図1Bは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリの分解図を図示する。可変焦点レンズアセンブリ100は、モジュール基部102、レンズバレルアセンブリ104、一対の前面軸受ボール108A、一対の後面軸受ボール108B、前面停止部106、ホルダカバー110、後面停止部112、及び位置決めコイル基板114を備える。モジュール基部102は、内部モジュール空間を画定するように特別に設計される。内部モジュール空間は、レンズバレルアセンブリ104がモジュール基部102の内部モジュール空間内に位置決めされ得るように、レンズバレルアセンブリ104を収めるように設計される。モジュール基部102は、光がレンズバレルアセンブリ104の開口及びレンズ素子を横切って通過することを可能にするために、モジュール基部102の前面及び背面に開口を更に含み得る。
【0092】
レンズバレルアセンブリ104は、特定の視野を画定するために、1つ以上の画像レンズ及び/又は他のレンズ素子などの1つ以上の光学構成要素を収容する、レンズバレルを含む。この点に関して、レンズバレルアセンブリ104は、光がレンズバレルアセンブリ104を通って1つ以上の他の構成要素(例えば、本明細書に記載の画像センサ)まで横切ることを可能にするために、前面及び背面開口を含むように設計される。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、レンズバレルアセンブリ104は、本明細書に記載されるように、レンズバレルアセンブリ104を位置決めする際に使用するための1つ以上の位置決め磁石を含む。例えば、図示されるように、レンズバレルアセンブリ104は、レンズバレルアセンブリ104の上部に位置する上部位置決め磁石と、レンズバレルアセンブリ104の下部に位置する下部位置決め磁石とを含む。レンズバレルハウジングは、それに削られた複数の軸受ボールスロットを備えることができ、各軸受ボールスロットは、軸受ボールを受容するように構成された関連する軸受ボールスロット開口部を有する。軸受ボールスロットの各々は、レンズバレルがアセンブリ100の光学軸に沿って横方向に滑ることができるように、対応する軸受ボールの転がり及び滑り移動を支持するように構成され得る。いくつかの例示的な実施形態では、レンズバレルアセンブリ104上の軸受ボールスロットのうちの1つ以上は、図4A及び図4Bに示されるように、中空半円筒の形状として削られ得る。
【0093】
位置決めコイル基板114は、電荷を受け取るように構成されたハードウェア及び/又は回路を含む。電荷は、位置決めコイル基板114の少なくとも1つの位置決めコイルアセンブリの1つ以上の位置決めコイルに給電する。この点に関して、例えば図示されるように、位置決めコイル基板114は、上部位置決めコイルアセンブリ116A及び下部位置決めコイルアセンブリ116Bを含み、上部及び下部位置決めコイルアセンブリは、互いに反対側に位置決めされる。いくつかのそのような実施形態では、位置決めコイル基板114は、その各位置決めコイルアセンブリに給電するために印加される電流を受け取るように設計される。図示のように、位置決めコイル基板114は、位置決めコイル基板114の上部位置決めコイルアセンブリ116Aが、例えば、レンズバレルアセンブリ104の上部位置決め磁石と相互作用するように、モジュール基部102の上部空間の少なくとも一部の上に延在するように設計される。同様に図示されるように、位置決めコイル基板114は、位置決めコイル基板114の下部位置決めコイルアセンブリ116Bが、モジュール基部102の下部空間の少なくとも一部分の上に延在するように設計される。
【0094】
モジュール基部102は、可変焦点レンズアセンブリ100の様々な構成要素を収容して支持するように具体的に設計されたシャーシを備え得る。これに関して、いくつかの例示的な実施形態では、モジュール基部102は、モジュラ構造のものであり得、その内部に収容される構成要素のためのジャケットとして組み立てられ得る。モジュール基部102は、可変焦点レンズアセンブリ100に最小の重量及び空間制約を追加しながら、構造的完全性を支持することができる任意の好適な材料を含み得る。いくつかの例示的な実施形態では、モジュール基部102は、必要に応じて、金属支持体が埋め込まれた好適なポリマー又はファイバーでできている場合がある。モジュール基部102はまた、軸受ボールを受容するように構成された1つのスロット開口部を各々有する複数の軸受ボールスロットを備え得る。いくつかの例示的な実施形態では、モジュール基部102上の軸受ボールスロットのうちの1つ以上は、図5A~5Cに示されるように、中空半円筒の形状として削られ得る。モジュール基部102の構造的及び動作的態様の詳細な説明は、本開示の図5A~5Cを参照して説明される。
【0095】
可変焦点レンズアセンブリ100はまた、少なくとも一対の軸受ボールを備え得る。例えば、図1Bに図示する例では、可変焦点レンズアセンブリ100は、一対の前面軸受ボール108Aと、一対の後面軸受ボール108Bとを備える。いくつかの例示的な実施形態では、限定するものではないが、可変焦点レンズアセンブリ100は4つの軸受ボールを備え、各対の軸受ボールは、他の対の軸受ボールと位置配置で交差していることが好ましい場合がある。そのような構成を有することは、摩擦衝撃を最小限に抑えながら、軸受ボールと係合されたレンズバレルアセンブリ104などの構成要素に十分な可動性支持を提供する。例えば、レンズバレルアセンブリ104の両側の軸受レース間にボールを有する完全なボール軸受は、4つの軸受ボールとともに存在するものよりもより多くの摩擦によって損なわれ得る。また、二対の交差軸受ボールは、最小摩擦でレンズバレルアセンブリ104に移動可能な支持を提供するのに十分である。そのため、本開示のいくつかの例示的な実施形態は、図5Cに示されるように、二対の交差軸受ボールを有する構成を対象とし得る。ボールの数に関係なく、軸受ボールの各々は、レンズバレルアセンブリ104の1つの軸受ボールスロット及びモジュール基部102の軸受ボールスロットによって画定される対応する完全スロットによって受容可能であり得る。そのような構成では、レンズバレルアセンブリ104及びモジュール基部102の軸受ボールスロットの各々の中空半円筒形状は、レンズバレルアセンブリ104が軸受ボール上で移動可能であるように、軸受ボールが移動可能に位置決めされる凹部を一緒に画定し得る。
【0096】
軸受ボール及びレンズバレルアセンブリ104の軸受ボールスロット及びモジュール基部102は、例えば図2A図2Dに関して描写されるように、レンズバレルアセンブリ104及びモジュール基部102の各々を一緒に位置決め及び位置合わせする。この点に関して、いくつかの実施形態では、軸受ボール108A及び108Bは、レンズバレルアセンブリ104及び1つ以上の追加の構成要素、例えばモジュール基部102の軸方向の位置合わせを可能にする。レンズバレルアセンブリ104は、モジュール基部102によって画定される内部モジュール空間内にレンズバレルアセンブリ104を再位置決めするために、軸受ボール108a及び108B上を横切るように設計され得る。例えば、この点に関して、位置決めコイル基板114は、給電された磁力がレンズバレルアセンブリ104に及ぼされるように、レンズバレルアセンブリ104と相互作用し得る。少なくとも1つの例示的な文脈において、位置決めコイル基板114の位置決めコイルアセンブリ116A及び116Bは、レンズバレルアセンブリ104に磁力を及ぼさせるように給電され、それは、レンズバレルアセンブリ104と位置決めコイル基板114との間のデフォルト磁力と相互作用する。磁力は、レンズバレルアセンブリ104を光学軸に沿って新しい焦点位置に並進させ、それにより、レンズバレルアセンブリ104は、モジュール基部102によって画定される内部モジュール空間内で異なって位置決めされる。すなわち、位置決めコイル基板114からの磁力は、レンズバレルアセンブリ104に押込み又は引出し効果を提供し、これは次いで、レンズバレルアセンブリ104が、それぞれの軸受スロットに位置決めされた軸受ボール108A及び108B上を滑ることを引き起こす。モジュール基部102は、位置決めコイル基板114に対して移動不能であるため、押込み又は引出し効果は、レンズバレルアセンブリ104によって実証される。モジュール基部102の前面は、前面位置制限を画定し、モジュール基部102の背面は、モジュール基部102によって画定されるモジュール空間内のレンズバレルアセンブリ104に対して背面位置制限を画定する。
【0097】
図1Bに図示するように、いくつかの実施形態は、モジュール基部内のレンズバレルアセンブリの位置制限を画定するために、1つ以上の追加の構成要素を含むか、及び/又は1つ以上の構成要素が修正され得る。この点に関して、構成要素は、モジュール基部によって画定される内部モジュール空間内でレンズバレルアセンブリが移動され得る最も前方の位置(例えば、モジュール基部の前面に最も近い位置を表す前面位置制限)、及び/又はモジュール基部によって画定される内部モジュール空間内でレンズバレルアセンブリが移動され得る最も後方の位置(例えば、モジュール基部の背面に最も近い位置を表す背面位置制限)を画定し得る。
【0098】
前面停止部106は、可変焦点レンズアセンブリ100の動作中にレンズバレルアセンブリ104が最も前方位置を越えて移動するのを防止するために、モジュール基部102の前面部に装着されるように構成されたリング形状要素であり得る。他の使用において、前面停止部106は、前面停止部106が、レンズバレルアセンブリ104のメンテナンスを可能にするために取り外され得るように、モジュール基部102の前面部に取り外し可能に装着され得る。ホルダカバー110は、レンズバレルアセンブリ104と同様の形状、及びレンズバレルアセンブリ104の直径よりもわずかに大きい直径を有する別のリング形状要素であり得る。ホルダカバー110は、レンズバレルアセンブリ104の光学軸と、可変焦点レンズアセンブリ100の対応する画像センサの光学軸とが、それらの間で可能な限り最小限の偏差で位置合わせされるように、レンズバレルアセンブリ104の中央セクションの通路を画定する。後面停止部112は、可変焦点レンズアセンブリ100の動作中にレンズバレルアセンブリ104が第1の最大焦点位置を越えて移動するのを防止するために、モジュール基部102の後面部に向かって装着されるように構成されたリング形状要素であり得る。後面停止部112は、後面停止部が、開口部及びレンズバレルアセンブリ104から画像センサに向かって入る光の光学ガイドとして機能するように、位置決めコイル基板114内の溝又は凹部に固定され得る。
【0099】
図2A図2Dは、可変焦点レンズアセンブリ100の様々な図を図示する。具体的には、図2Aは、可変焦点レンズアセンブリ100の組み立てられた図100Aを示す。図2Bは、正面斜視図100Bからの可変焦点レンズアセンブリ100を図示する。図2Cは、可変焦点レンズアセンブリ100の上部の第1の直交図100Cを示す。図2Dは、可変焦点レンズアセンブリ100の側面の第2の直交図100Dを示す。
【0100】
図示されるように、レンズバレルアセンブリ104は、モジュール基部102によって画定される内部モジュール空間内に位置決めされる。位置決めコイル基板114は、レンズバレルアセンブリ104と相互作用するために、モジュール基部102の対向する側、具体的には上部及び下部、に位置する一対の位置決めコイルアセンブリ116A、116Bを含む。この点に関して、レンズバレルアセンブリ104は、レンズバレルアセンブリ104の光学軸に沿って、レンズバレルアセンブリ104が横切り得るか、又はそうでなければ摺動し得るように、軸受ボール108A及び108Bと係合される。例えば、レンズバレルアセンブリ104は、位置決めコイル基板114によって発生される磁力に基づいて再位置決めされ得る。給電状態にあるとき、位置決めコイル基板114の上部及び下部位置決めコイルアセンブリは、レンズバレルアセンブリの磁石間のデフォルト磁力と相互作用する磁力を生み出して、デフォルト位置から前方又は後方にレンズバレルアセンブリ104を再位置決めする。
【0101】
追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態は、1つ以上の撮像装置、試験装置、及び/又は同様のものなどの、1つ以上の装置内の、及び/又はそれらと接続された可変焦点レンズアセンブリを装着するための1つ以上の構成要素を含む。例えば、いくつかの実施形態は、可変焦点レンズアセンブリ100を1つ以上の関連付けられた装置に装着するためのレンズマウントを含む。レンズマウントは、可変焦点レンズアセンブリが中に装着され得る内部マウント空間を画定し得る。追加的に又は代替的に、レンズマウントは、可変焦点レンズアセンブリ100をレンズマウントに固定するために、ピン、スロット構成、スナップ構成、及び/又は同様の、若しくは他の構成要素などの、1つ以上の構成要素を含み得る。更に追加的に又は代替的に、レンズマウントは、撮像装置、試験装置、及び/又は同様のものに取り付けるための1つ以上の要素を含み得る。レンズマウントの非限定的な例は、マイクロビデオレンズなどのM12ネジ付きレンズを受け入れる多数の既知の業界カメラのうちのいずれかを備える。他の実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100などの可変焦点レンズアセンブリは、レンズマウントを使用せずに、撮像装置、試験装置、及び/又は同様のものに直接装着され得ることを理解されたい。例えば、本明細書に記載されるように、撮像装置は、可変焦点レンズアセンブリを、プロセッサ及び/又は同様のものなどの、撮像装置のための装置シャーシ内の1つ以上の他の構成要素に直接接続するように設計され得る。
【0102】
図3A図3Cは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリの内部の様々な断面図を図示する。具体的には、図3Aは、レンズバレルアセンブリ104の切断断面及びモジュール基部102の前面部を図示する。図示されるように、レンズバレルアセンブリ104の内部は、光学レンズ118を収容する。図3Bは、レンズバレルアセンブリ104及びモジュール基部102内の要素の配置を示す可変焦点レンズアセンブリ100の別の断面図を図示する。図示されるように、開口部122は、モジュール基部102の前面部に位置決めされ得、画像センサへの曝露量を制御することができる。レンズバレルアセンブリ104は、それぞれが断面の上側及び下側にある一対の磁石120を含み得る。磁石120の各々は、すべての焦点位置で、磁石120が位置決めコイル基板114の位置決めコイルアセンブリ116A及び116Bの相互接続近接にあるように位置決めされ得る。図3Cは、可変焦点レンズアセンブリ100の後面にある要素の配置を示す可変焦点レンズアセンブリ100の別の断面図を図示する。示されるように、後面停止部112は、モジュール基部102内に画定された内部空間の端部で位置決めコイル基板114に隣接して位置する。
【0103】
図4A及び図4Bは、例示的なレンズバレルアセンブリ、具体的にはレンズバレルアセンブリ104の詳細を図示する。図4Aは、前面斜視によるレンズバレルアセンブリ104の側面図104Aを示す。図4Bは、後面斜視によるレンズバレルアセンブリ104の側面図104Bを示す。
【0104】
図示のように、レンズバレルアセンブリ104は、オープンフレームレンズバレル124を含む。オープンフレームレンズバレル124は、単一の部品であってもよく、又は複数の接続された及び/若しくは他の方法で混合された部品であってもよく、記載されるような様々な他の構成要素のためのハウジングを形成する。例えば、オープンフレームレンズバレル124は、レンズバレルアセンブリ104の上部に位置する第1の位置決め磁石420Aを受容するように設計された上部磁石開口部を含み、かつオープンフレームレンズバレル124は、レンズバレルアセンブリ104の下部に位置する第2の位置決め磁石420Bを受容するように設計された下部磁石開口部を含む。いくつかの実施形態では、オープンフレームレンズバレル124は、第1の位置決め磁石420A及び/又は第2の位置決め磁石420Bが、追加の構造、構成要素、などの使用を伴わずに、適所にスナップ、嵌合、及び/又は他の方法で取り付けられ、及び/又は位置するように、設計される。更に他の実施形態では、第1の位置決め磁石420A及び/又は第2の位置決め磁石420Bは、1つ以上の接着剤及び/又は他の非構造要素を使用して、オープンフレームレンズバレル124に取り付けられる。代替的に又は追加的に、いくつかの実施形態では、位置決め磁石420A及び/又は420Bは、オープンフレームレンズバレル124内に成形されて、適所にロックされるか、又は他の方法で、1つ以上の熱設定機能を用いてオープンフレームレンズバレル124内にロックされる。例えば、いくつかの実施形態では、オープンフレームレンズバレル124の少なくとも一部分が、位置決め磁石420A及び/又は420Bのうちの1つ以上の上で溶融されて、位置決め磁石420A及び/又は420Bを定位置に固定する。
【0105】
図4A及び/又は図4Bに図示するように、位置決め磁石420A及び420Bのうちの1つ以上は、オープンフレームレンズバレル124の開口によって画定される光路内に位置し得る。この点に関して、レンズバレルアセンブリ104の全体寸法は、位置決め磁石がオープンフレームレンズバレル124の上に配置する必要がないことを確実にすることによって、最小化され得る。例えば、いくつかの実施形態では、位置決め磁石は各々、位置決め磁石がレンズバレルアセンブリの全高を増加させないように、オープンフレームレンズバレル124の厚さに等しい及び/又はそれよりも小さい特定の高さであり得る。1つ以上の実施形態では、オープンフレームレンズバレル124は、位置決め磁石を支持するための1つ以上の画定された空間を含むように設計及び/又は修正される。例えば図示されるように、第1の位置決め磁石420Aは、オープンフレームレンズバレル124の上部に位置決めされ、第2の位置決め磁石420Bは、オープンフレームレンズバレル124の下部に位置決めされる。この点に関して、位置決め磁石420A及び420Bは、レンズバレルアセンブリ104内で互いに反対側に位置して、レンズバレルアセンブリ104の全体的なサイズを増加させることなく、レンズバレルアセンブリ104の位置に均等に影響を及ぼし得る。
【0106】
追加的に又は代替的に、位置決め磁石420A及び/又は420Bのうちの1つ以上は、光路にある位置決め磁石の影響を最小限に抑えるように特別に設計され得る。図示のように、第1及び第2の位置決め磁石420A及び420Bは各々、アセンブリのフォームファクタを最小化するように光路内に位置決めされ、これは、改善された機能のために、位置決め磁石420A及び/又は420Bのうちの1つ以上からの望ましくない光反射を低減させ得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の位置決め磁石420A及び/又は第2の位置決め磁石420Bのうちの1つ以上は、非光沢の暗色表面を備える。非光沢の暗色表面は、1つ以上の関連する画像センサに影響を及ぼす第1の位置決め磁石420A及び/又は第2の位置決め磁石420Bからの光反射の影響を最小限に抑え得る。位置決め磁石のうちの1つ以上の非光沢の暗色表面は、多数の方法のいずれかで得ることができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の位置決め磁石420A及び/又は第2の位置決め磁石420Bのうちの1つ以上は、磁石表面エポキシを含む。磁石表面エポキシは、位置決め磁石の寸法を著しく増加させることなく、及び/又はそのような位置決め磁石の機能に影響を及ぼすことなく、そのような位置決め磁石が非光沢の暗色表面を有するように位置決め磁石に適用され得る。位置決め磁石のうちの1つ以上が、光沢及び/又は反射性材料、例えば亜鉛及び/又はニッケルめっきを含む少なくとも1つの例示的実施形態では、磁石表面エポキシは、位置決め磁石のフォームファクタ及び/又は機能に影響を及ぼすことなく光沢及び/又は反射表面を覆うことができる。いくつかの実施形態では、位置決め磁石のうちの1つ以上は、非光沢の暗色材料で構成され、それにより、位置決め磁石得は、製造時に及び/又はさもなければ追加のステップなしで非光沢の暗色表面を含む。
【0107】
オープンフレームレンズ設計は、例えば可変焦点レンズアセンブリの1つ以上の他の構成要素との係合を可能にするように構成された複数のスロットを含む。例えば、いくつかの実施形態では、オープンフレームレンズバレル404は、1つ以上の軸受ボールを受容するように設計された1つ以上の軸受スロットを含む。図4A及び図4Bに図示するように、レンズバレル124は、一対の前面軸受スロット126A及び126Bと、一対の後面軸受スロット128A及び128Bとを含む。軸受スロットの各々は、凹部の経路に直交する平面から見たときに凹部が半円形の形状を有するように、オープンフレームレンズバレル124内の切り欠き凹部であり得る。すなわち、全体として、凹部は中空半円筒又は半管状の形状である。
【0108】
追加的に、図示されるように、一対の前面軸受スロット126A及び126B及び一対の後面軸受スロット128A及び128Bは、互いに対して位置的に交差している。そのような構成は、レンズバレルアセンブリ104の移動中に遭遇する摩擦を低減しながら、レンズバレルアセンブリ104に十分な移動可能な支持を提供する。結果として、レンズバレルアセンブリ104を移動させるのに必要な力の量、したがって電流は、完全なボール軸受であるものと比較してより小さい。小型サイズの用途では、このような摩擦、それによって電流の低減は、下地デバイス/装置の性能改善を提供する。
【0109】
追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、オープンフレームレンズバレル124は、1つ以上の制限ネジへのアクセスを可能にする1つ以上の開口部を含む。例えば、この点に関して、オープンフレームレンズバレル124は、1つ以上の軸受スロット、例えば軸受スロット408Bの対向する角部に位置する1つ以上の追加の開口部を含み得る。追加の開口部は、1つ以上の器具が開口部を通過して、調整のために1つ以上の制限ネジに係合することを可能にするように十分なサイズであり得る。器具の例としては、1つ以上の制限ネジ及び/又は他の位置決め制限構成要素に係合するためのネジ回し、六角キー、などが挙げられる。いくつかの実施形態では、追加の開口部は、レンズバレルアセンブリの前面から、背面制限ネジ及び/又は他の背面位置決め制限構成要素へのアクセスを可能にする。
【0110】
更に図示されるように、オープンフレームレンズバレル124は、光がオープンフレームレンズバレル124を横切って通過することを可能にするための前面及び背面開口を画定する。開口は、1つ以上の光学素子を収容するように画定された内部バレル空間を画定し得る。例えば、図示されるように、オープンフレームレンズバレル124は、オープンフレームレンズバレル124の撮像レンズ118と関連付けられた円形開口を画定する。いくつかの実施形態では、例えば図示されるように、第1の位置決め磁石420A及び/又は第2の位置決め磁石420Bなどの位置決め磁石のうちの1つ以上が、オープンフレームレンズバレル124の背面開口によって画定される光路内にある。
【0111】
撮像レンズ118は、オープンフレームレンズバレルに入射する光を集中、屈折、及び/又は他の方法で操作するための1つ以上の光学構成要素を含む。いくつかの実施形態では、撮像レンズ118は、所望の様態で開口を通過する光を操作するように設計された複数のサブレンズを備える。例えば、撮像レンズ118は、関連する画像センサの位置でなど、1つ以上の所望の点で捕捉するために光を角度付けするように設計され得る。撮像レンズ118は、任意の数の材料、例えば、ガラス、光学プラスチック、及び/又は同様のもの、又はそれらの組み合わせで構成され得る。追加的に又は代替的に、撮像レンズ118は、任意の数のレンズ設計を具現化する1つ以上のレンズから構成され得る。
【0112】
図5A図5Cは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点レンズアセンブリのモジュール基部の斜視図を図示する。具体的には、図5Aは、モジュール基部102の前側からのモジュール基部102の第1の傾斜斜視図102Aを図示する。図5Bは、モジュール基部102の後側からのモジュール基部102の第2の傾斜斜視図102Bを図示する。図5Cは、モジュール基部102の後側からのモジュール基部102の直交斜視図102Bを図示する。
【0113】
図5Aに図示されるように、モジュール基部102は、撮像されるシーンに面する側面上のモジュール基部102を構成するハウジングの2つの円弧形部分によって画定される前面の細長い部分Aを備える。前面の細長い部分Aは、可変焦点レンズアセンブリ100を組み立てるために、レンズバレルアセンブリ104をモジュール基部102に挿入するための凹部を画定する。モジュール基部は、図5A図5Cに示されるように、モジュール基部102の側面を越えて延在する装着基部部分Bを更に備える。装着基部部分は、可変焦点レンズアセンブリ100を撮像装置などのデバイスにしっかりと装着するために、ネジ、ピン、ボルト又は同様のものなどの締結機構を受容するための凹部B1を備える。更に、図5Cに図示されるように、モジュール基部は、モジュール基部102の前面側及び後面側の各々に一対の、軸受スロットを二対含む。第1の対の前面軸受スロット126A’及び126B’は、モジュール基部102の前面側にあり、レンズバレルアセンブリ104の前面軸受スロット126A及び126Bとそれぞれ位置合わせするように構成されている。第2の対の後面軸受スロット128A’及び128B’は、モジュール基部102の後面側にあり、レンズバレルアセンブリ104の後面軸受スロット128A及び128Bとそれぞれ位置合わせするように構成されている。そのため、軸受ボールは、レンズバレルアセンブリ104の半円形/半円筒形スロットの各々に挿入され得、軸受ボール嵌合レンズバレルアセンブリ104が、可変焦点レンズアセンブリ100の組み立て中にモジュール基部102に挿入され得る。そのような構成では、レンズバレルアセンブリ104は、軸受ボール108A及び108Bの助けを借りてモジュール基部102に移動可能に固定され、したがって、レンズバレルアセンブリ104は、モジュール基部102の内部モジュール空間内で移動可能である。記載されるように、この位置合わせにより、レンズバレルアセンブリ104の軸受スロット及びモジュール基部102との係合を通して、軸受ボールによる位置合わせ及び/又は位置決めのためにレンズバレルアセンブリ104を十分に支持することが可能になる。追加的に、軸受スロットの位置合わせされた設計は、レンズバレルアセンブリ104が軸受ボールとともに横切ることを可能にする。
【0114】
図6は、本開示の少なくとも1つの例示的実施形態による、例示的な位置決めコイル基板の詳細な様々な設計を図示する。具体的には、図6は、位置決めコイル基板114の第1の斜視図を示す。同様の詳細は、位置決めコイル基板の1つ以上の他の実装形態、例えば、本明細書に記載の位置決めコイル基板114に存在し得ることを理解されたい。
【0115】
位置決めコイル基板114は、コイル接続基板602を含む。コイル接続基板602は、位置決めコイル基板114の1つ以上のサブアセンブリを接続するためのハードウェア、回路、及び/又は同様のものを具現化する。この点に関して、コイル接続基板602は、1つ以上の位置決めコイルアセンブリ及び/又はその構成要素などの位置決めコイル基板114の1つ以上のサブアセンブリに給電するための電流を受け取るように構成された導電材料によって具現化され得る。例えば、コイル接続基板602は、第1の位置決めコイル604A及び/又は第2の位置決めコイル604Bに給電するための電流を受け取る。いくつかの例示的な実施形態では、位置決めコイル基板114は、モジュール基部に固定的に取り付けられ得る。
【0116】
コイル接続基板602は、第1の制限構成要素開口部608を更に含む。第1の制限構成要素開口部608は、第2の制限構成要素開口部(図示せず)の反対側に位置し得る。この点に関して、第1及び/又は第2の制限構成要素開口部は、例えば、モジュール基部などの1つ以上の他の構成要素の関連する制限構成要素開口部と一緒になって、1つ以上の制限構成要素と係合するように設計され得る。例えば、記載されたように、第1の制限構成要素開口部608は、関連するレンズバレルアセンブリの背面位置制限を設定するために、背面制限ネジのうちの1つと係合し得る。同様に、第2の制限構成要素開口部は、背面制限ネジの他方と係合し得る。この点に関して、制限構成要素は、位置決めコイル基板114及び関連するモジュール基部の両方の制限構成要素開口部を通って延在し得る。
【0117】
位置決めコイル基板114は、第1の位置決めコイル604A及び第2の位置決めコイル604B(まとめて「位置決めコイル604」)を更に備える。位置決めコイル604の各々は、巻かれた長さの導電性ワイヤを含み得る。この点に関して、位置決めコイル604の各々は、位置決めコイル604の位置決めコイルを通過した電流に基づいて、給電状態に給電され得る。位置決めコイル604の各々は、同じ材料、例えば、銅線、被覆銅線、錫めっき線、及び/又は同様のものを含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、位置決めコイル604の各々は、コイルが同じ給電状態に設定される状況において、位置決めコイル604の他方と同じ強度の磁場を発生するように設計されることを理解されたい。
【0118】
図示のように、位置決めコイル604の各々は、ワイヤコイル間の開放空間を含むコイル内部領域を画定する。この点に関して、位置決めコイル基板157は、位置決めコイル604の各々のコイル内部領域内に位置する位置決めパッドを含み得る。具体的には、図示されるように、第1の位置決めパッド606Aが、第1の位置決めコイル604Aの第1のコイル内部領域内に位置する。追加的に、第2の位置決めパッド606Bが、第2の位置決めコイル604Bのコイル内部領域内に位置する。この点に関して、第1位置決めパッド606A及び第2位置決めパッド606Bの各々(まとめて「位置決めパッド606」)は、対応する位置決めコイルによって画定される内部領域内に収まるように特別の特定の体積寸法を含み得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、位置決めパッド606の各々は、磁性材料の構成要素を含む。例えば、いくつかの実施形態では、位置決めパッド606の各々は、対応する位置決めコイルのコイル内部領域内に収まるように設計された、鉄又は大部分の鉄の質量を含む。この点に関して、位置決めパッド606の各々は、可変焦点レンズアセンブリが動作のために組み立てられたとき、及び位置決めコイル604の各々が非給電状態にあるときに、レンズバレルアセンブリの位置決め磁石が位置決めパッド606の各々と位置合わせされている場合など、組み立てられたときに可変焦点レンズアセンブリの1つ以上の磁石と相互作用するように構成され得る。例えば、第1の位置決めパッド606Aは、レンズバレルアセンブリの第1の位置決め磁石と相互作用し得る。同様に、第2の位置決めパッド606Bは、レンズバレルアセンブリの第2の位置決め磁石と相互作用し得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、位置決めパッド606の各々は、無数の様態のいずれかを使用してコイル内部領域内に固定される。例えば、いくつかの実施形態では、位置決めパッド606の1つ以上は、1つ以上の接着剤を使用して固定される。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、各内部コイル領域は、コイルフレームによって画定される。いくつかのそのような実施形態では、各コイルフレームは、位置決めパッド606の対応する位置決めパッドの周りに完全に及び/又は部分的に成形されて、対応する位置決めパッドを固定し得る。いくつかのそのような実施形態では、コイル状ワイヤはコイルフレームの周りに巻かれる。
【0121】
図示のように、第1の位置決めコイル604Aは、第2の位置決めコイル604Bの反対側に位置する。同様に、この点に関して、第1位置決めパッド606Aは、第2位置決めパッド606Bの反対側に位置する。したがって、第1位置決めパッド606Aは、レンズバレルアセンブリの第1の位置決め磁石と相互作用し得、かつ第2の位置決めパッド606Bは、レンズバレルアセンブリの第2の位置決め磁石と相互作用し得、モジュール基部内のレンズバレルアセンブリの位置を維持及び/又は調整させ得る。例えば、少なくとも1つの例示的な文脈において、第1の位置決めパッド606A、レンズバレルアセンブリの第1の位置決め磁石、第2の位置決めパッド606B、及びレンズバレルアセンブリの第2の位置決め磁石はすべて、位置決めコイル604の各々が非給電状態にあるときなどに、位置決め磁石と位置決めパッド606Aの対応する位置決めパッドとの間のデフォルトの磁力に基づいて、デフォルト状態に位置合わせされる。
【0122】
第1の位置決めコイル604Aは、第1の磁場を発生させるように第1の給電状態に給電され得、第2の位置決めコイル604Bは、第1の磁場と対称な第2の磁場を発生させるように給電され得る。したがって、第1の磁場及び第2の磁場は、互いに反対の1つ以上の方向に関して相殺し得る。この点に関して、第1の磁場と第2の磁場との相互作用は、結果として生じる磁場が、例えば、レンズバレルアセンブリの横方向を表す一方向のみの力を提供する結果となり得る。この結果として生じる磁力は、レンズバレルアセンブリの位置決め磁石と位置決めパッド606Aとの間のデフォルトの磁力と更に相互作用して、本明細書に記載のように、結果として生じる磁力に基づいてレンズバレルアセンブリを新しい焦点位置に移動させ得る。
【0123】
アセンブリの様々な構成要素について例示的なアセンブリ及び構成要素の詳細を説明してきたが、画像捕捉のための可変焦点レンズアセンブリの動作に関する追加の説明を提供する。追加的に又は代替的に、画像捕捉の目的のための可変焦点レンズアセンブリの焦点位置に関する追加の説明を提供する。上記の開示に基づいて、記載のレンズアセンブリのうちの1つ以上が、記載される任意の文脈において画像捕捉のために利用され得ることを理解されたい。
【0124】
図7A及び図7Bは、本開示の少なくとも1つの例示的な実施形態による、関連する画像センサによって捕捉するための可変焦点レンズアセンブリを通る光の横断を図示する。具体的には、図7Aは、光トレースの視覚化、及び対応する画像センサを伴う、可変焦点レンズアセンブリの側断面図を示す。図7Bは、光トレースの視覚化、及び対応する画像センサを伴う、可変焦点レンズアセンブリの正面斜視図を示す。いくつかの実施形態では、例えば、描写される構成要素は、本明細書に記載されるように、撮像装置に一体化され得る。
【0125】
図7A及び図7Bは、画像センサ702を含む。いくつかの実施形態では、画像センサ702は、画像センサ702と相互作用する入射光を表す画像データオブジェクトを捕捉するように構成される。具体的には、図示されるように、光は、可変焦点レンズアセンブリ100などの1つ以上の光学構成要素を横切って通過し得る。この点に関して、画像センサ702は、画像センサ702と相互作用する光波を、対応する捕捉された画像データオブジェクトに表されるデータに変換し得る。
【0126】
図示のように、可変焦点レンズアセンブリ100は、画像センサ702の前面に位置する。この点に関して、画像センサ702に到達する光は、可変焦点レンズアセンブリ100及び/又はその中に位置決めされた光学素子によって画定された1つ以上の開口を横切って通過し得る。例えば、図示されるように、入射光は、可変焦点レンズアセンブリ100の前面に入り得、可変焦点レンズアセンブリ100を出て画像センサ702と相互作用する前に、可変焦点レンズアセンブリ100の1つ以上の撮像レンズと相互作用し得る。この点に関して、可変焦点レンズアセンブリ100及び/又はその様々なサブ構成要素は、入射光を操作して、画像センサ702及び/又は画像センサ702の1つ以上の標的部分に向けて光を再配向し得る。
【0127】
光トレース704は、可変焦点レンズアセンブリを通って横切る光線の操作の例示的な視覚化を表す。図示のように、光トレース704は、画像センサ702によって捕捉されるために可変焦点レンズアセンブリによって反射、屈折、及び/又は他の方法で操作される入射光を示す。具体的には、図示されるように、入射光は、可変焦点レンズアセンブリ100のレンズバレルアセンブリの1つ以上の撮像レンズ、及び/又はそのような画像レンズを収容するオープンフレームレンズバレルなどのレンズバレルアセンブリの1つ以上の構成要素と相互作用し得る。この点に関して、光トレース704によって図示されるように、入射光の少なくとも一部は、オープンフレームレンズバレルと相互作用すると、画像センサ702に向かって反映され得る。同様に、少なくともいくつかの入射光は、画像センサ702の1つ以上の特定の部分に向かって角度付けされて、入射光を表す画像データオブジェクトの捕捉を可能にし得る。
【0128】
光トレース704は、可変焦点レンズアセンブリ100の態様に対する1つ以上の変更に基づいて変更され得る。例えば、いくつかの実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100内のレンズバレルアセンブリの焦点位置は、特定の点における入射光が、レンズバレルアセンブリの焦点位置に基づいて異なる点で画像センサ702と相互作用し得るように、可変焦点レンズアセンブリ100による光の操作を変える。したがって、レンズバレルアセンブリを可変焦点レンズアセンブリ100内で再位置決めすることによって、画像センサ702によって捕捉される画像データオブジェクトは、調整された焦点位置を反映するように変化し得る。いくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリを可変焦点レンズアセンブリ100内で再位置決めすることは、例えば、1つ以上の視覚的に符号化されたしるしの表示を含む画像データオブジェクトに関して本明細書に記載されるように、焦点位置に対応する特定の焦点範囲にあるオブジェクトを、捕捉された画像データオブジェクト内により明瞭に反映させる。
【0129】
図8A図8B、及び図8Cは、可変焦点レンズアセンブリのモジュール基部内の異なる焦点位置に位置決めされたレンズバレルアセンブリの例示的な視覚化を図示する。具体的には、図8Aは、ニュートラル場焦点のために指定された第1の焦点位置である、第1の焦点位置にあるレンズバレルアセンブリを示す。図8Bは、遠場焦点のために指定された第2の焦点位置である、第2の焦点位置にあるレンズバレルアセンブリを示す。図8Cは、近場焦点のために指定された第3の焦点位置である、第3の焦点位置にあるレンズバレルアセンブリを示す。
【0130】
図8Aは、ニュートラル場焦点のための第1の焦点位置にあるモジュール基部102内のレンズバレルアセンブリ104を示す。いくつかのそのような実施形態では、焦点位置は、デフォルト位置からのレンズバレルアセンブリ104のオフセットに基づいて画定される。デフォルト位置は、可変焦点レンズアセンブリ100の1つ以上のコイル位置決めアセンブリが非給電状態にあるとき、又は他の実施形態ではデフォルトの給電状態にあるときの、レンズバレルアセンブリ104の位置によって画定され得る。例えば、いくつかの実施形態では、レンズバレルアセンブリ104は、非給電状態において中央焦点位置に位置し、中央焦点位置は、非給電状態(例えば、位置決めコイルアセンブリを介したゼロ電流)のときのデフォルト焦点位置を画定する。コイル位置決めアセンブリが非給電状態にあるいくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリ104は、レンズバレルアセンブリ104の1つ以上の位置決め磁石と可変焦点レンズアセンブリ100の1つ以上の位置決めパッドとの間のデフォルトの磁力に基づいて、可変焦点レンズアセンブリ100内に位置決めされ得る。
【0131】
説明を目的として、レンズバレルアセンブリ104に関連付けられた焦点位置は、可変焦点レンズアセンブリ100の位置決めパッド及び/又はレンズバレルアセンブリ104の位置決め磁石に関連付けられた1つ以上の特定の軸に対する1つ以上のオフセット、及びレンズバレルアセンブリ104が位置合わせされるモジュール基部102の前面及び背面への対応するオフセットに関して画定され得る。例えば、図8A図8B、及び図8Cは各々、可変焦点レンズアセンブリ100の一対の位置決めパッドの前面軸を示すパッド前面軸802A、可変焦点レンズアセンブリ100の一対の位置決めパッドの中心軸を示すパッド中心軸802B、及び可変焦点レンズアセンブリ100の一対の位置決めパッドの後軸を表すパッド背面軸802Cを含む。
【0132】
図8Aに図示するように、少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニュートラル焦点位置において、内部モジュール空間内のレンズバレルアセンブリ104は、レンズバレルアセンブリ104の位置決め磁石が、一対の位置決めパッドに関連付けられた様々な軸と位置合わせするように位置決めされる。この点に関して、位置決め磁石420A及び420Bの前面はパッド前面軸802Aと位置合わせされ、位置決め磁石420A及び420Bの背面はパッド背面軸802Cと位置合わせされ、位置決め磁石420A及び420Bの中心はパッド中心軸802Bと位置合わせされる。他の実施形態では、ニュートラル焦点位置において、位置決め磁石420A及び420Bの中心はパッド中心軸802Bと位置合わせし得るが、位置決め磁石420A及び420Bの前面はパッド前面軸802Aと位置合わせしない場合があり、及び/又は位置決め磁石420A及び420Bの背面はパッド背面軸802Cと位置合わせしない場合がある。例えば、いくつかのそのような実施形態では、位置決め磁石420A及び420Bは各々、位置決めパッドよりも幅が大きい及び/又は小さい可能性があり、そのため、位置決め磁石420A及び420Bの中心が位置決めパッドの中心と位置合わせするときに、位置決め磁石420A及び420Bの前面及び/又は背面は、位置決めパッドと位置合わせしない。
【0133】
図8Aに図示のように、レンズバレルアセンブリ104がニュートラル焦点位置に位置決めされるとき、レンズバレルアセンブリ104の前面は、モジュール基部102の前面の内壁から第1のオフセットにだけ離間される。具体的には、図示されるように、モジュール基部102の前面の内壁は、ニュートラル焦点前面位置オフセットだけ可変焦点レンズアセンブリ100の前面から離間される。ニュートラル焦点前面位置オフセットは、レンズバレルアセンブリ104がニュートラル焦点位置にあるときに、レンズバレルアセンブリ104の前面とモジュール基部102の前面の内壁との間の既定された距離として設計され得る。いくつかの実施形態では、ニュートラル焦点前面位置オフセットは、例えば、近場焦点を改善するために可変焦点レンズアセンブリ100を焦点するための、レンズバレルアセンブリ104がニュートラル焦点位置から前方に移動され得る最大距離を表す。
【0134】
更に、レンズバレルアセンブリ104がニュートラル焦点位置に位置決めされるとき、レンズバレルアセンブリ104の背面は、モジュール基部102の背面の内壁から第2のオフセットだけ離間される。具体的には、図示されるように、モジュール基部102の背面の内壁は、ニュートラル焦点背面位置オフセットだけレンズバレルアセンブリ104の背面から離間される。ニュートラル焦点背面位置オフセットは、レンズバレルアセンブリ104がニュートラル焦点位置にあるときに、レンズバレルアセンブリ104の背面とモジュール基部102の背面の内壁との間の既定された距離として設計され得る。いくつかの実施形態では、ニュートラル焦点背面位置オフセットは、例えば、遠場焦点を改善するために可変焦点レンズアセンブリ100を焦点するための、レンズバレルアセンブリ104がニュートラル焦点位置から後方に移動され得る最大距離を表す。
【0135】
図8Bに図示するように、少なくとも1つの例示的な実施形態では、遠焦点位置において、レンズバレルアセンブリ104は、レンズバレルアセンブリ104の位置決め磁石420A及び420Bが、遠位置磁気オフセットだけ一対の位置決めパッドと関連付けられた様々な軸からオフセットされるように位置決めされる。この点に関して、位置決め磁石の前面は、遠位置磁気オフセットだけパッド前面軸802Aから後方にシフトされ、位置決め磁石の背面は、近位置磁気オフセットだけパッド背面軸802Cから後方にシフトされ、位置決め磁石の中心は、近位置磁気オフセットだけパッド中心軸802Bから後方にシフトされる。他の実施形態では、例えば、位置決め磁石が位置決めパッドよりも大きい及び/又は小さい場合、位置決め磁石420A及び420Bの中心のみが、遠位置磁気オフセットだけパッド中心軸802Bからオフセットされる。
【0136】
遠焦点位置は、可変焦点レンズアセンブリ100の1つ以上のコイル位置決めアセンブリが、第1の給電状態、例えば、遠焦点給電状態にあるときのレンズバレルアセンブリ104の位置によって画定され得る。コイル位置決めアセンブリが遠焦点給電状態にあるいくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリ104は、レンズバレルアセンブリ104の1つ以上の位置決め磁石と、可変焦点レンズアセンブリ100の1つ以上の位置決めパッドとの間のデフォルトの磁力と一緒になって、遠焦点給電状態にあるコイル位置決めアセンブリによって生み出される磁力に基づいて、可変焦点レンズアセンブリ100内に位置決めされ得る。例えば、この点に関して、磁力間の相互作用は、結果として生じる磁力が遠焦点位置を画定する結果となり得る。
【0137】
図示のように、レンズバレルアセンブリ104が遠焦点位置に位置決めされるとき、レンズバレルアセンブリ104の背面は、モジュール基部102内で可能な限り後方に位置決めされる。この点に関して、モジュール基部102の背面の内壁とレンズバレルアセンブリ104の背面との間に背面位置オフセットは存在しない。いくつかのそのような実施形態では、モジュール基部102の背面の内壁は、レンズバレルアセンブリ104の背面と接触して、レンズバレルアセンブリ104がいくらか更に後方に移動するのを阻止し得る。他の実施形態では、遠焦点位置において、レンズバレルアセンブリ104は、背面制限ネジなどの1つ以上の背面制限構成要素と接触し得る。図示のように、遠焦点位置は、ニュートラル焦点背面位置オフセットによって表される距離だけニュートラル焦点位置から後方に位置決めされ得ることを理解されたい。
【0138】
更に、レンズバレルアセンブリ104が遠焦点位置に位置決めされるとき、レンズバレルアセンブリ104の前面は、モジュール基部102の前面の内壁から第2のオフセットだけ離間される。具体的には、図示されるように、モジュール基部102の前面の内壁は、遠焦点前面位置オフセットだけレンズバレルアセンブリ104の前面から離間される。遠焦点前面位置オフセットは、ニュートラル焦点前面位置オフセットに追加されたニュートラル焦点背面位置オフセットに等しい距離を表し得る。換言すれば、いくつかのそのような実施形態では、遠焦点前面位置オフセットは、レンズバレルアセンブリ104の前面が、モジュール基部102の前面の内壁から位置決めされ得る最大距離を表す。レンズバレルアセンブリ104を遠焦点位置に移動させるために、磁気オフセットは、上述のように、ニュートラル焦点背面位置オフセットと一致し得ることを理解されたい。レンズバレルアセンブリ104を移動させることは、可変焦点レンズアセンブリ100の遠場焦点を改善し得ることを理解されたい。
【0139】
図8Cに図示するように、少なくとも1つの例示的な実施形態では、近焦点位置において、レンズバレルアセンブリ104は、レンズバレルアセンブリ104の位置決め磁石が、近位置磁気オフセットだけ一対の位置決めパッドと関連付けられた様々な軸からオフセットされるように位置決めされる。この点に関して、位置決め磁石の前面は、近位置磁気オフセットだけパッド前面軸802Aから前方にシフトされ、位置決め磁石の背面は、近位置磁気オフセットだけパッド背面軸802Cから前方にシフトされ、位置決め磁石の中心は、近位置磁気オフセットだけパッド中心軸802Bから前方にシフトされる。他の実施形態では、例えば、位置決め磁石が位置決めパッドよりも大きい及び/又は小さい場合、位置決め磁石の中心のみが、近位置磁気オフセットだけパッド中心軸802Bからオフセットされる。
【0140】
近焦点位置は、可変焦点レンズアセンブリ100の1つ以上のコイル位置決めアセンブリが、第2の給電状態、例えば、近焦点給電状態にあるとき、レンズバレルアセンブリ104の位置によって画定され得る。コイル位置決めアセンブリが近焦点給電状態にあるいくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリ104は、レンズバレルアセンブリ104の1つ以上の位置決め磁石と、可変焦点レンズアセンブリ100の1つ以上の位置決めパッドとの間のデフォルトの磁力と一緒になって、近焦点給電状態にあるコイル位置決めアセンブリによって生み出される磁力に基づいて、可変焦点レンズアセンブリ100内に位置決めされ得る。例えば、この点に関して、磁力間の相互作用は、結果として生じる磁力が近焦点位置を画定する結果となり得る。
【0141】
図示のように、レンズバレルアセンブリ104が近焦点位置に位置決めされるとき、レンズバレルアセンブリ104の前面は、モジュール基部102内で可能な限り前方に位置決めされる。この点に関して、モジュール基部102の前面の内壁とレンズバレルアセンブリ104の前面との間に前面位置オフセットは存在しない。いくつかのそのような実施形態では、モジュール基部102は、レンズバレルアセンブリ104と接触して、レンズバレルアセンブリ104がいくらかより前方に移動するのを阻止し得る。他の実施形態では、近焦点位置において、レンズバレルアセンブリ104は、可変焦点レンズアセンブリ150に関して記載されるように、前面制限ネジなどの1つ以上の前面制限構成要素と接触し得る。図示のように、近焦点位置は、ニュートラル焦点前面位置オフセットによって表される距離だけニュートラル焦点位置から前方に位置決めされ得ることを理解されたい。
【0142】
更に、レンズバレルアセンブリ104が近焦点位置に位置決めされるとき、レンズアセンブリ104の背面は、モジュール基部102の背面の内壁から第2のオフセットだけ離間される。具体的には、図示されるように、モジュール基部102の背面の内壁は、近焦点背面位置オフセットだけレンズバレルアセンブリ104の背面から離間される。近焦点背面位置オフセットは、ニュートラル焦点前面位置オフセットに追加されたニュートラル焦点背面位置オフセットに等しい距離を表し得る。換言すれば、いくつかのそのような実施形態では、近焦点背面位置オフセットは、レンズバレルアセンブリ104の背面が、モジュール基部102の内壁から位置決めされ得る最大距離を表す。レンズバレルアセンブリ104を近焦点位置に移動させるために、磁気オフセットは、上述のように、ニュートラル焦点前面位置オフセットと一致し得ることを理解されたい。レンズバレルアセンブリ104を移動させることは、可変焦点レンズアセンブリ100の近場焦点を改善し得ることを理解されたい。
【0143】
上述の焦点位置は、説明及び図示の目的のための単なる例示であることを理解されたい。他の実施形態では、レンズバレルアセンブリは、モジュール基部内に連続的に位置決めされ得る。この点に関して、例えば、可変焦点レンズアセンブリ100の位置決めコイルアセンブリは、任意の数の給電状態に給電され得る。給電状態の各々は、異なる焦点位置を画定する結果として生じる磁力に対応し得る。いくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリ104が、焦点位置の連続スペクトルに沿ってモジュール基部102内でより前方に位置決めされると、可変焦点レンズアセンブリ100の近場焦点が改善する。同様に、いくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリ104が、焦点位置の連続スペクトルに沿ってモジュール基部102内でより後方に位置決めされると、可変焦点レンズアセンブリ100の遠場焦点が改善する。
【0144】
図9A図9B、及び図9Cは各々、異なる焦点位置にレンズバレルアセンブリを有する可変焦点レンズアセンブリを使用して、画像センサによって捕捉された様々な視覚的に符号化されたしるしの表示を含む画像データオブジェクトの視覚化を図示する。具体的には、図9A図9B、及び図9Cの各々は、可変焦点レンズアセンブリから第1の距離にある近場のしるし、可変焦点レンズアセンブリから第2の距離にあるニュートラル場のしるし、及び可変焦点レンズアセンブリから第3の距離にある遠場のしるしを示す。1つの例示的な文脈では、例えば図示されるように、近場のしるしは、可変焦点レンズアセンブリから1メートルに位置決めされ得、ニュートラル場のしるしは、可変焦点レンズアセンブリから1.8メートルに位置決めされ得、遠場のしるしは、可変焦点レンズアセンブリから6メートルに位置決めされ得る。他の実施形態では、近場のしるし、ニュートラル場のしるし、及び/又は遠場のしるしは、例えば、遠場のしるしが、近場のしるしよりも遠くに位置決めされたニュートラル場のしるしよりも遠くに位置決めされている場合、上記の距離に対して代替的な距離で位置決めされ得ることを理解されたい。
【0145】
図9Aは、例えば図8Aに関連して示されるように、デフォルト焦点位置でレンズバレルアセンブリを使用して捕捉された、様々な視覚的に符号化されたしるしを表す画像データオブジェクトを示す。この点に関して、レンズバレルアセンブリは、より良好に焦点が合う中位の又は決定された中央範囲の距離で、例えば、レンズバレルアセンブリから1.8メートル及び/又は約1.8メートルで、視覚的に符号化されたしるしの捕捉を可能にするように位置決めされ得る。
【0146】
図9Aは、遠場のしるし902Aの第1の表示、ニュートラル場のしるし904Aの第1の表示、及び近場のしるし906Aの第1の表示を含む。図示のように、遠場のしるし902Aの第1の表示は焦点が合っておらず、その結果、捕捉された表示は、レンズバレルアセンブリのニュートラル焦点位置に関連付けられた焦点範囲に近い距離ではないためにぼやけている。同様に、近場のしるし906Aの第1の表示もまた、焦点が合っておらず、その結果、捕捉された表示は、やはりレンズバレルアセンブリのニュートラル焦点位置に関連付けられた焦点範囲に近い距離ではないのでぼやけている。しかしながら、この点に関して、近場のしるし906Aは、レンズバレルアセンブリの近焦点位置と関連付けられた焦点範囲により近く、そのため、遠場のしるし902Aの表示よりも焦点が合っている。ニュートラル場のしるし904Aの第1の表示は、ニュートラル焦点位置の焦点範囲が、ニュートラル場のしるしが位置する距離と一致する、及び/又はそれに最も近いので、焦点が最良に合っている。そのため、この距離のオブジェクトは、捕捉された画像データオブジェクトにおいて最も明瞭に表示される。そのため、レンズバレルアセンブリがニュートラル焦点位置に位置決めされるとき、レンズバレルアセンブリのニュートラル焦点位置に関連付けられた焦点範囲、例えば1.8メートル、にある視覚的に符号化されたしるしは、画像データオブジェクトから首尾よく検出され、かつ/又は首尾よく復号化される可能性が最も高くなり得る。
【0147】
図9Bは、近焦点位置でレンズバレルアセンブリを使用して捕捉された、様々な視覚的に符号化されたしるしを表す画像データオブジェクトを示す。この点に関して、レンズバレルアセンブリは、より焦点が合う近距離で、例えば、レンズバレルアセンブリから1メートル及び/又は約1メートルで視覚的に符号化されたしるしの捕捉を可能にするように位置決めされ得る。図9Bは、遠場のしるし902Bの第2の表示、ニュートラル場のしるし904Bの第2の表示、及び近場のしるし906Bの第3の表示を含む。図示のように、遠場のしるし902Bの第2の表示は、最も焦点が合っておらず、その結果、捕捉された表示は、レンズバレルアセンブリの近焦点位置に対応する焦点範囲から最も遠いためにぼやけている。更にこの点に関し、ニュートラル場のしるし904Bの第2の表示は、遠場のしるし902Bよりも焦点が合っているが、ニュートラル焦点位置の焦点範囲がニュートラル場のしるしが位置する距離と等しくないので、ニュートラル場のしるし904Bは部分的にぼやけたままである。そのため、近場のしるし906Bの第2の表示が最も焦点が合っており、例えば、その結果、画像データオブジェクトに表されるデータは、視覚的に符号化されたしるしを最も明瞭に表す。この点に関して、近焦点位置の焦点範囲は、近場のしるしの距離と一致するか、又は最も密接に一致し得、その結果、この距離にあるオブジェクトは、捕捉された画像データオブジェクトにおいて最も明瞭に表される。そのため、レンズバレルアセンブリの近焦点位置に関連付けられた近焦点範囲、例えば1メートル、における視覚的に符号化されたしるしは、画像データオブジェクトから首尾よく検出され、かつ/又は首尾よく復号化される可能性が最も高くなり得る。
【0148】
図9Cは、遠焦点位置でレンズバレルアセンブリを使用して捕捉された、様々な視覚的に符号化されたしるしを表す画像データオブジェクトを示す。この点に関して、レンズバレルアセンブリは、より焦点が合う遠距離で、例えば、レンズバレルアセンブリから6メートル、及び/又は約6メートル、若しくは6メートル超で視覚的に符号化されたしるしの捕捉を可能にするように位置決めされ得る。図9Cは、遠場のしるし902Cの第3の表示、ニュートラル場のしるし904Cの第3の表示、及び近場のしるし906Cの第3の表示を含む。図示のように、近場のしるし906Cの第3の表示は、最も焦点が合っておらず、その結果、捕捉された表示は、レンズバレルアセンブリの遠焦点位置に対応する焦点範囲から最も遠いためにぼやけている。更にこの点に関して、ニュートラル場のしるし904Bの第3の表示は、近場のしるし906Cの第3の表示よりも焦点が合っているが、遠焦点位置の焦点範囲がニュートラル場のしるしが位置する距離に等しくないので、ニュートラル場のしるし904Cの第3の表示は部分的にぼやけたままである。そのため、遠場のしるし902Cの第3の表示が最も焦点が合っており、例えば、その結果、画像データオブジェクトに表されるデータは、視覚的に符号化されたしるしを最も明瞭に表す。この点に関して、遠焦点位置の焦点範囲は、遠場のしるしの距離と一致するか、又は最も密接に一致し得、その結果、この距離にあるオブジェクトは、捕捉された画像データオブジェクトにおいて最も明瞭に表される。そのため、レンズバレルアセンブリの遠焦点位置に関連付けられた遠焦点範囲、例えば6メートル、における視覚的に符号化されたしるしは、画像データオブジェクトから首尾よく検出され、かつ/又は首尾よく復号化される可能性が最も高くなり得る。
【0149】
図示された表示は、単なる例示であることを理解されたい。他の実施形態では、このような表示は、1つ以上の他の焦点位置にレンズバレルアセンブリを位置決めすることによって、より良好に焦点が合うようになり得る。例えば、いくつかの他の実施形態では、3メートルにおける視覚的に符号化されたしるしの表示は、連続焦点位置スペクトルに沿ったニュートラル焦点位置と遠焦点位置との間の追加の焦点位置で焦点が合い得る。
【0150】
レンズバレルアセンブリの焦点位置の物理的構成を説明してきたが、レンズバレルアセンブリの再位置決めを引き起こす磁力及び可変焦点レンズアセンブリに関連付けられる機能の詳細に関する詳細をここで提供する。記載される具体的な詳細及び/又は実装値は、単なる例示であることを理解されたい。実際、他の実施形態において、同様の実装形態が、記載及び描写されたものと同様に利用され得る。この点に関して、描写及び/又は説明される特定の実装形態は、本開示の範囲及び/又は趣旨を限定するものではないと理解されるべきである。
【0151】
図10A及び図10Bは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、可変焦点レンズアセンブリの一対の位置決め磁石に関連付けられた一対のコイル位置決めアセンブリの各々によって及ぼされる磁力を図示する。具体的には、図10Aは、一対のコイル位置決めアセンブリが非給電状態にある状況における、可変焦点レンズアセンブリの一対の位置決め磁石に関連付けられた一対のコイル位置決めアセンブリの各々によって及ぼされる磁力を示す。図10Bは、一対のコイル位置決めアセンブリが第1の給電状態にある状況における、可変焦点レンズアセンブリの一対の位置決め磁石に関連付けられた一対のコイル位置決めアセンブリの各々によって及ぼされる磁力を示す。
【0152】
図10Aに図示するように、第1の位置決めコイルアセンブリと組み合わせた第1の位置決め磁石は、第1の磁石コイル力1002を及ぼす。例えば、この点に関して、第1の位置決め磁石及び第1の位置決めコイルアセンブリは、可変焦点レンズアセンブリの上部に位置し得る。同様に、第2の位置決めコイルアセンブリと組み合わせた第2の位置決め磁石は、第2の磁石コイル力1004を及ぼす。例えば、第2の位置決め磁石及び第2の位置決めコイルアセンブリは、可変焦点レンズアセンブリの上部に位置し得る。
【0153】
第1の磁石コイル力1002は、第2の磁石コイル力1004に対して対称であり得る。磁力1002及び1004は、互いに反対に発生され得、その結果、第1の磁石コイル力1002は、所望の移動方向(例えば、前方又は後方)に沿って第2の磁石コイル力1004と合わさって、レンズバレルアセンブリを所望の方向に移動させるための効率を向上し、かつそのような動きに必要とされない1つ以上の直交方向(例えば、1つ以上の位置決めパッドに向かう方向)では打ち消す。この点に関して、いくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリは、第1の磁石コイル力1002及び第2の磁石コイル力1004の存在にもかかわらず、デフォルト焦点位置に留まり得る。いくつかのそのような実施形態では、第1の磁石コイル力1002及び第2の磁気コイル力1004は、レンズバレルアセンブリをデフォルト焦点位置に移動させ得、及び/又は一対の位置決めコイルアセンブリの各々を通って流れる電流の電流方向及び電流強度に基づいて、レンズバレルアセンブリを移動軸に沿って別の焦点位置に移動させ得る。そのため、第2の磁石コイル力1004と組み合わせた第1の磁石コイル力1002は、モジュール基部内のレンズバレルアセンブリのデフォルト焦点位置を画定し得る。
【0154】
図10Bは、第3の磁石コイル力1052及び第4の磁石コイル力1054を図示する。第3の磁石コイル力1052は、第1の給電状態に給電された上部位置決めコイルアセンブリと組み合わせた上部位置決め磁石によって及ぼされ得る。同様に、第4の磁石コイル力1054は、第1の給電状態に給電された下部位置決めコイルアセンブリと組み合わせた下部位置決め磁石によって及ぼされ得る。図示のように、第3の磁石コイル力1052は、第4の磁石コイル力1054によって及ぼされる少なくともいくつかの磁力に対して対称であるが反対の少なくともいくつかの磁力を含む。そのような反対の磁力は、例えば、1つ以上の軸受ボールとのレンズバレルアセンブリの係合によって可能にされる移動方向に直交するそのような方向において正味の磁力がないように打ち消し得る。追加的に、第3の磁石コイル力1052及び第4の磁石コイル力1054は各々、1つ以上の軸受ボールとのレンズバレルアセンブリの係合によって可能になる移動方向(例えば、モジュール基部の前面に向かう方向)に平行な同じ方向に磁力を及ぼす。これらの磁力は、レンズバレルアセンブリに印加されて、レンズバレルアセンブリを新しい焦点位置に再位置決めし得る。位置決めコイルアセンブリが、異なる給電状態、例えば、第1の給電状態と比較して負の状態に給電される状況では、発生される磁力は、例えば、磁力がレンズバレルアセンブリに加えられて、他の方向(例えば、モジュール基部の背面に向かう方向)に移動を引き起こすような、光学軸に平行な反対方向であり得ることを理解されたい。
【0155】
図11は、変位に対する力の例示的な分布を図示する。具体的には、図示されるように、分布は、及ぼされた磁力と比較したレンズバレルアセンブリの変位のグラフ1150を含む。この点に関して、モジュール基部の前面は、正の変位と関連付けられ得、モジュール基部の背面は、負の変位と関連付けられ得る。具体的には、図示されるように、デフォルト及び/又はさもなければニュートラル焦点位置(例えば、0.00um)では、磁力は約22mNである。変位が正方向に(すなわち、モジュール基部の前面に向かって)増加するにつれて、必要な力は減少し、ゼロに近づく。同様に、変位が負方向に(すなわち、モジュール基部の背面に向かって)減少するにつれて、必要な力は更に増加し、39mNに近づく。
【0156】
焦点位置は、一対の位置決めコイルアセンブリなどの1つ以上の位置決めコイルアセンブリ内の電流方向及び強度に基づいて画定され得る。例えば、この点に関して、レンズバレルアセンブリは、一対の位置決めコイルアセンブリへの電流がない状態(例えば、非給電状態)でデフォルト位置に位置決めされ得る。更に、この点に関して、レンズバレルアセンブリは、第1の方向における第1の最大電流強度が一対の位置決めコイルアセンブリに印加されるとき(例えば、第1の給電状態)、最大前方位置に位置決めされ得る。同様に、この点に関して、レンズバレルアセンブリは、第2の方向における第2の最大電流強度が一対の位置決めコイルアセンブリに印加されるとき(例えば、第2の給電状態)、最大後方位置に位置決めされ得る。
【0157】
レンズバレルアセンブリをモジュール基部内の前面、背面、又はニュートラルの焦点位置に位置決めするために様々な必要な力を分配することによって、可変焦点レンズアセンブリは、加えられる磁力をすばやく変更することにより、レンズバレルアセンブリを極端な位置に迅速に位置決めするように設計される。この点に関して、例えば、1つ以上の位置決めコイルアセンブリを操作して、可能な限り低い磁力など、ゼロ又は約ゼロの磁力を及ぼして、レンズバレルアセンブリを、モジュール基部の前面にできるだけ近い、例えば画像センサから最も遠い、焦点位置近くに位置決めし得る。同様に、1つ以上の位置決めコイルアセンブリを操作して、最大磁力又は最大に近い磁力を及ぼして、レンズバレルアセンブリを、可能な限りモジュール基部の背面に近い、例えば対応する画像センサに最も近い遠焦点位置に位置決めし得る。更に、1つ以上の位置決めコイルアセンブリを操作して、中間の標的磁力を及ぼして、レンズバレルアセンブリを、モジュール基部の中央に向けてニュートラル焦点位置に位置決めし得る。この点に関して、可変焦点レンズアセンブリは、レンズバレルアセンブリの変位を可能にするのに必要な力を迅速に及ぼして、少なくともこれらの3つの可変焦点位置に並進させるように設計され得る。他の実施形態では、可変焦点レンズアセンブリは、レンズバレルアセンブリの変位を可能するのに必要な力を及ぼして、任意の数の他の焦点位置に並進させるように構成され得ることを理解されたい。
【0158】
可変焦点レンズアセンブリの様々な可能な実装、及びその様々な詳細を説明してきたが、少なくとも1つの可変焦点レンズアセンブリを統合する装置に関して追加の説明を提供する。いくつかの実施形態では、説明される装置のうちの1つ以上は、例えば遠場撮像光学系を置き換えるために、1つの可変焦点レンズアセンブリを含み得ることを理解されたい。代替的に又は追加的に、いくつかの実施形態では、装置のうちの1つ以上は、例えば、少なくとも遠場撮像光学系を置き換えるための第1の、及び近撮像光学素子を置き換えるための第2の、複数の可変焦点レンズアセンブリを含み得る。そのため、本明細書に記載及び/又は描写される特定の実施形態は、本開示の範囲及び趣旨を限定するものではない。
【0159】
図12及び図13は、可変焦点レンズアセンブリを含む例示的な可変焦点マルチセンサ撮像エンジンを図示する。具体的には、図12は、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの正面斜視図1200を示す。図13は、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの背面斜視図1300を示す。
【0160】
図12及び13に図示されている可変焦点マルチセンサ撮像エンジンは、1つ以上の画像データオブジェクトの捕捉、送信、及び/又は処理を可能にするように構成された様々なハードウェアを含む。例えば、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンは、近視野を表す近場画像データオブジェクトを捕捉し、遠視野を表す遠場画像データオブジェクトを捕捉するように構成され得る。追加的に又は代替的に、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンは、そのような画像データオブジェクトを捕捉するための1つ以上の照明を生成するように構成され得る。具体的には、図示されるように、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンは、近場画像センサ1204に関連付けられた近場レンズアセンブリ(1202、1302)を含む。近場レンズアセンブリ及び近場画像センサは、特定の近視野から光を受光し、近場イメージャの視点から近視野を表す近場画像データオブジェクトの当該光を捕捉するように構成された近場イメージャを形成し得る。
【0161】
同様に、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンは、可変焦点画像センサ1206に関連付けられた可変焦点レンズアセンブリ100を含む。この点に関して、可変焦点レンズアセンブリ100及び可変焦点画像センサ1206は、特定の遠視野から光を受光し、遠場イメージャの視点から遠視野を表す遠場画像データオブジェクトの当該光を捕捉するように構成された遠場イメージャを形成する。この点に関して、可変焦点レンズアセンブリ100は、例えば1つ以上のアクティブ化信号を介して操作されて、所望される際に、レンズバレルアセンブリを様々な焦点位置に位置決めし得、例えば、特定の決定された及び/又は既定された焦点範囲でオブジェクトの表示を捕捉するために焦点を合わせる可変焦点レンズアセンブリ100を構成し得る。
【0162】
可変焦点マルチセンサ撮像エンジンは、統合照明照準光学素子(1208、1308)を更に含む。この点に関し、統合照明照準光学素子は、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの1つ以上の照明器源(図示せず)から受光した入射光に基づいて、1つ以上の照明パターンを生成するように設計され得る。例えば、統合照明照準光学素子は、統合照明照準光学素子の下に位置する照明光学素子と関連付けられ得る。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、統合照明照準光学素子は、照準照明を受け取り、統合照明照準光学素子の1つ以上の照準サブアセンブリに基づいて、対応する照準パターンを投射するように構成される。
【0163】
可変焦点マルチセンサ撮像エンジンは、撮像基板1310を更に含む。ハードウェア、回路、及び/又は同様のものを含む撮像基板(1210、1310)は、撮像基板と接続された1つ以上の関連する構成要素の給電及び/又はアクティブ化を可能にするように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、撮像基板は、少なくとも近場画像センサ(1204、1304)、画像センサ(1206)、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの1つ以上の照明器源、及び/又は可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの1つ以上の照準源に接続される。この点に関して、撮像基板(1210、1310)は、例えば、近場画像センサ1304及び/又は1306をアクティブ化して画像データオブジェクトを捕捉させるために、これらの構成要素の各々のアクティブ化を可能にし得る。いくつかのそのような状況において、撮像基板は、画像センサ1306及び/又は1304からのそのような捕捉された画像データオブジェクトを可変焦点マルチセンサ撮像エンジンに接続された1つ以上のプロセッサ及び/又は他のハードウェアに更に送信する。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、撮像基板は、例えば、1つ以上のコイル位置決めサブアセンブリを所望の給電状態に給電、及び/又は他の方法で作動させるために、少なくとも可変焦点レンズアセンブリ100に接続される。いくつかの実施形態では、撮像基板は、そのような機能を実行するための1つ以上の外部プロセッサ及び/又は他の回路と接続される。いくつかの実施形態では、撮像基板は、1つ以上のプリント回路基板によって具現化される。例えば、少なくとも1つの例示的な実施形態では、撮像基板は、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの1つ以上の他の構成要素が実装され、及び/又はそうでなければ接続され得る様々な層を接続するように構成されたフレキシブルプリント回路基板を含む。
【0164】
この点に関して、可変焦点レンズアセンブリ100は、可変焦点レンズアセンブリ100の設計に基づいて、焦点位置の範囲内で可変焦点マルチセンサ撮像エンジンに可変焦点を提供し得る。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100は、近焦点位置、ニュートラル焦点位置、及び遠焦点位置に位置決めするように構成される。いくつかのそのような実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100は、1つ以上の画像データオブジェクトを捕捉するために所望の焦点位置へと可変焦点レンズアセンブリ100内のレンズバレルアセンブリを再位置決めするのに適切であると判定されるように、1つ以上のコイル位置決めアセンブリを給電するための1つ以上のアクティブ化信号を含み得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100は、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンの1つ以上の構成要素から電力を受け取る。例えば、いくつかの実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100は、可変焦点マルチセンサ撮像エンジン内に具現化されたコイル給電回路に接続されており、それにより、コイル給電回路は、可変焦点レンズアセンブリ100に給電する。この点に関して、コイル給電回路は、1つ以上の位置決めコイルアセンブリなどの、可変焦点レンズアセンブリ100及び/又はそのサブ構成要素に特定の電力値(例えば、電流及び/又は電圧)を提供することによって、可変焦点レンズアセンブリ100を給電状態に設定し得る。いくつかの実施形態では、コイル給電回路は、撮像基板(1210、1310)又はその少なくとも一部分によって具現化される。この点に関して、可変焦点レンズアセンブリ100は、撮像基板(1210、1310)と一体化、及び/又はそうでなければ接続され得、撮像基板は、可変焦点レンズアセンブリ100に決定された値の電力を提供するために、含まれる及び/若しくは関連するプロセッサから1つ以上の命令を受け取り得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、可変焦点マルチセンサ撮像エンジンは、1つ以上の撮像装置に含まれ得る。例えば、この点に関して、図14A図14B及び図14Cは、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、例示的な可変焦点マルチセンサ撮像装置1400を図示する。具体的には、図14Aは、正面斜視図による可変焦点マルチセンサ撮像装置1400を示す。図14Bは、トップダウン直交図による可変焦点マルチセンサ撮像装置1400を示す。図14Cは、正面直交図による可変焦点マルチセンサ撮像装置1400を示す。
【0167】
図示のように、可変焦点マルチセンサ撮像装置1400は、特定の装置シャーシ1402内に収容された可変焦点マルチセンサ撮像エンジン1200を含む。この点に関して、装置シャーシ1402は、可変焦点マルチセンサ撮像エンジン1200に関して説明された構成要素の各々に収まるように構成され得る。例えば、この点に関して、装置シャーシ1402は、図15に図示されるような可変焦点レンズアセンブリ空間1404を画定するように設計及び/又は修正され得る。可変焦点レンズアセンブリ空間1404は、可変焦点レンズレンズバレルアセンブリ、例えば、画定された可変焦点レンズアセンブリ空間1404内の可変焦点レンズバレルアセンブリ100に収まるように構成され得る。いくつかの実施形態では、装置シャーシ1402は、可変焦点レンズアセンブリ空間1404を画定するように局所的に修正された既存の装置シャーシを備える。この点に関し、可変焦点レンズアセンブリは、可変焦点マルチセンサ撮像エンジン1200、1300の他の構成に影響を及ぼすことなく、可変焦点マルチセンサ撮像装置内に実装され得る。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、装置シャーシ1402は、可変焦点マルチセンサ撮像装置1400の全体を分解する必要なしに、可変焦点レンズアセンブリ100の取り外し及び/又は交換を可能にするように設計される。例えば、図15に図示するように、いくつかの実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100は、可変焦点レンズアセンブリ空間1404から容易に取り外され得、及び/又は動作のために可変焦点レンズアセンブリ空間1404に挿入され得る。いくつかのそのような実装形態では、可変焦点レンズアセンブリ空間1404は、1つ以上のハードウェア支持構造体、突起、及び/又は同様のものを含み、可変焦点レンズアセンブリ空間1404内の可変焦点レンズアセンブリと係合するように、かつ/又は他の方法で、可変焦点レンズアセンブリと、撮像基板などの可変焦点マルチセンサ撮像エンジン1200、1300の1つ以上の構成要素との間の接続を可能にするように構成される。
【0168】
いくつかの実施形態では、可変焦点レンズアセンブリは、最小のフォームファクタ装置内に収まるように設計される。例えばこの点に関して、いくつかの実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100は、スモールフォームファクタのモバイル撮像エンジン内で使用するための装置シャーシ1402内に収まるように設計される。可変焦点レンズアセンブリ100の重なり合うコンパクトな性質は、アセンブリが、そのようなモバイル撮像環境に一般的に関連付けられる高さが制限されたフォームファクタ内に収まることを可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、可変焦点レンズアセンブリ100は、7ミリメートル未満の高さで設計されており、それにより、可変焦点レンズアセンブリ100は、様々な従来のモバイル装置のシャーシ内に収まり得る。
【0169】
このような撮像装置は、任意の数のより大きい装置、ハウジング、及び/又は同様のものに更に一体化され得る。例えば、図16は、例示的なモバイル可変焦点マルチセンサ撮像装置1600の斜視図を図示する。モバイル可変焦点マルチセンサ撮像装置1600は、1つ以上のサブ装置及び/又はサブアセンブリをその中に収まるように設計されたモバイル装置シャーシを含む。例えば、図示されているように、モバイル可変焦点マルチセンサ撮像装置1600は、携帯電話モバイル装置シャーシ1602を含む。携帯電話モバイル装置シャーシ1602は、例えば、制限された装置の高さに基づいてシャーシが制限されるように、スモールフォームファクタの装置シャーシであってもよい。いくつかのそのような実施形態では、例えば、携帯電話モバイル装置シャーシ1602は、約7ミリメートル、例えば6.8~7.5mmの装置高さに関連付けられた従来のモバイル装置シャーシを含む。
【0170】
更に、図示されるように、モバイル可変焦点マルチセンサ撮像装置1600は、可変焦点マルチセンサ撮像装置1400を含む。この点に関して、可変焦点マルチセンサ撮像装置1400は、制限された装置の高さにもかかわらず、携帯電話モバイル装置シャーシ1602内に収まるように十分にスモールフォームファクタで設計され得る。例えば、この点に関して、可変焦点マルチセンサ撮像装置1400は、6.8mmの高さで設計され得る。更に、その中の可変焦点レンズアセンブリは、可変焦点マルチセンサ撮像装置1400内に嵌合するのに十分な最小化されたプロファイルを含み、一方、特定の設計詳細は、アセンブリが所望の応答速度内で応答することを可能にし、かつ、例えば、1つ以上の軸受ボール、及びその中のレンズバレルアセンブリを移動させるための最小限の物理的に係合する構成要素を使用して、構成要素の固定に起因する振動及び/又は衝撃の影響を受けない。
【0171】
可変焦点レンズアセンブリ及び関連する装置の様々な態様を説明してきたが、本明細書の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、1つ以上の可変焦点レンズアセンブリの組み立てに関して追加の説明を提供する。この点に関して、本明細書に記載されるような可変焦点レンズアセンブリを組み立てるための作業は、特定のプロセスを提供し、これは、本明細書に記載される使用のための特定の機械を作製するために利用され得ることを理解されたい。追加的に又は代替的に、説明されるプロセスの1つ以上の作業及び/又はサブプロセスは、任意の順序で実施され得、そのため、実施形態のプロセスは、説明及び/又は描かれているもの以外の順序で1つ以上のステップを含み得ることを理解されたい。そのため、描写及び/又は説明される特定の実装形態は、本開示の範囲及び趣旨を限定するものではない。
【0172】
図17は、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、可変焦点レンズアセンブリを組み立てるための例示的なプロセス1900の動作例を示すフローチャートを図示する。いくつかの実施形態では、機械オペレータが、示された動作のいくつか又はすべてを実行する。
【0173】
プロセス1700は、ブロック1702で開始する。ブロック1702は、レンズバレルアセンブリを形成するために、レンズバレル、一対の位置決め磁石、及び撮像レンズを組み立てることを含む。追加的に、少なくともいくつかのそのような実施形態では、レンズバレルアセンブリは、一対の位置決め磁石の第2の位置決め磁石の反対側に装着された一対の位置決め磁石の第1の位置決め磁石を備える。いくつかの実施形態では、各位置決め磁石は、1つ以上の接着剤及び/又は化学的固定手段を使用して装着される。他の実施形態では、各位置決め磁石は、レンズバレルと係合することによって物理的に固定される。追加的に又は代替的に、レンズバレルアセンブリはまた、レンズバレルアセンブリのハウジングの表面に削られた複数の軸受スロットを含む。いくつかの実施形態では、レンズバレルアセンブリを形成するために、レンズバレル、一対の位置決め磁石、及び撮像レンズを組み立てるためのプロセスは、1つ以上のサブプロセス、例えば図18に関して以下に説明するようなプロセス1800を含む。
【0174】
ブロック1704は、レンズバレルアセンブリの軸受スロットの各々を軸受ボールと嵌合させることを含む。これに関して、軸受ボールは、先に説明した多数の選択肢のうちのいずれかから選択され得る。いくつかの非限定的な例示的な実施形態では、レンズバレルアセンブリは、4つの軸受スロットのみを備え得る。そのため、4つの軸受ボールのみが、各スロット内に1つあり、4つの軸受スロットに挿入され得る。
【0175】
ブロック1706は、モジュール基部によって画定されたモジュール空間内に軸受ボール嵌合レンズバレルアセンブリを挿入することを含む。モジュール空間は、モジュール基部の1つ以上の外部構造、例えば1つ以上の壁に基づいて画定され得、それにより、モジュール空間は、モジュール基部の構造によって画定される内部エンクロージャを画定する。いくつかの実施形態では、モジュール空間は、レンズバレルアセンブリが画定されたモジュール空間内に収まることを可能にするように十分な体積寸法で画定される。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、モジュール基部は、記載されるように、モジュール基部内でレンズバレルアセンブリを位置決め及び/又は位置合わせするための複数の軸受スロットを含む。
【0176】
ブロック1708は、軸受ボールの少なくとも2つの対を、モジュール基部の軸受スロットを介してレンズバレルアセンブリと係合することを含む。いくつかの実施形態では、軸受ボールの各々は、レンズバレルアセンブリ及びモジュール基部のそれぞれの対応する軸受スロットと係合する。この点に関して、レンズバレルアセンブリは、力がレンズバレルアセンブリに加えられたときに、モジュール基部内で再位置決めするために、レンズバレルアセンブリが、レンズバレルアセンブリの軸受スロットの深さに沿って摺動し得るように係合され得る。
【0177】
ブロック1710は、第1の位置決めコイルアセンブリ及び第2の位置決めコイルアセンブリを組み立てることを含む。この点に関して、各位置決めコイルアセンブリは、少なくとも位置決めコイル及び対応する位置決めパッドを含み得る。位置決めコイルアセンブリは、記載されるように、1つ以上の他の構成要素に取り付けるために組み立てられ得る。いくつかの実施形態では、第1の位置決めコイルアセンブリ及び/又は第2の位置決めコイルアセンブリを組み立てるためのプロセスは、1つ以上のサブプロセス、例えば図19に関して以下に説明するようなプロセス1900を含む。
【0178】
ブロック1712は、モジュール基部上に、第1の位置決めコイルアセンブリ及び第2の位置決めコイルアセンブリを取り付けることを含む。第1の位置決めコイルアセンブリは、例えば、第1の位置決めコイルアセンブリがモジュール基部の上面のコイル位置に位置し、第2の位置決めコイルがモジュール基部の下面の第1のコイル位置とは反対側の第2のコイル位置に位置するように、第2の位置決めコイルアセンブリの反対側に位置決めされ得る。他の実施形態では、第1の位置決めコイルアセンブリ及び/又は第2の位置決めコイルアセンブリは、第1の位置決めコイルアセンブリ及び/又は第2の位置決めコイルアセンブリを位置決めコイル基板に取り付けることと、位置決めコイル基板をモジュール基部に取り付けることを通じて、モジュール基部上に取り付けられる。
【0179】
図18は、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、レンズバレルアセンブリを形成するためにレンズバレル、一対の位置決め磁石、及び撮像レンズを組み立てるための例示的なプロセス1800の動作例を示すフローチャートを図示する。いくつかの実施形態では、機械オペレータが、示された動作のいくつか又はすべてを実行する。
【0180】
プロセス1800は、ブロック1802で開始する。ブロック1802は、バレル磁石アセンブリを形成するために、一対の位置決め磁石をレンズバレルのハウジングに装着することを含む。記載されるように、一対の位置決め磁石は、互いに反対側に装着され得、例えば、レンズバレルの上部に位置する第1の位置決め磁石及びレンズバレルの下部に位置する第2の位置決め磁石を備える。更に記載されるように、位置決め磁石の各々は、1つ以上のエポキシ、接着剤、及び/又は同様のものなどの物理的手段及び/又は化学的手段を利用して装着され得る。
【0181】
ブロック1804は、レンズバレルアセンブリを形成するために、撮像レンズをバレル磁石アセンブリ内に挿入することを含む。いくつかの実施形態では、レンズバレルは、光がレンズバレルを横切って通過することを可能にするために前面開口及び背面開口を含むように設計される。いくつかの実施形態では、撮像レンズは、撮像バレル内の撮像レンズの位置を維持するのに十分な開口形状と一致するか、又は実質的に一致する。例えば、レンズバレルが特定の直径の円形開口を画定する例示的な文脈では、撮像レンズは同様に、開口の直径に一致する、又は開口内に撮像レンズを収めるのに十分なわずかに小さい円形及び/又は円筒形の設計を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の接着剤及び/又は物理的手段が、バレル磁石アセンブリ内で撮像レンズを固定するために利用される。例えば、いくつかの実施形態では、バレルレンズは、撮像レンズが適切に位置決め及び/又は位置合わせされるときに、撮像レンズを受容するように構成されたスロットを画定する。いくつかの実施形態では、ブロック1804が完了すると、フローは、説明及び/又は図示されるように、フローの1つ以上の他のブロックに戻る。例えば、いくつかの実施形態では、フローはブロック1704に戻り、図17に関して上述したプロセスを継続する。
【0182】
図19は、本開示の少なくともいくつかの例示的な実施形態による、位置決めコイルアセンブリを組み立てるための例示的なプロセス1900の動作例を示すフローチャートを図示する。プロセスは、任意の数の位置決めコイルアセンブリ、例えば第1のコイルアセンブリ及び第2のコイルアセンブリに対して繰り返されて得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、機械オペレータが、示された動作のいくつか又はすべてを実行する。
【0183】
プロセス1900は、ブロック1902で開始する。いくつかの実施形態では、ブロック1902は、本明細書の他のフローチャートに関して示され、及び/又は説明された1つ以上のブロックの後に、例えば、図17に関して示されたブロック1708の後に開始する。ブロック1902は、コイルパッドアセンブリを形成するために、位置決めコイルによって画定されたコイル内部領域内に位置決めパッドを挿入することを含む。いくつかの実施形態では、位置決めコイルは、巻かれたワイヤがコイル内部領域を取り囲むように、1つ以上の巻かれたワイヤを具現化する。したがって、位置決めパッドは、位置決めコイルによって画定されるコイル内部領域内に収まるのに十分なサイズであり得る。いくつかの実施形態では、位置決めパッドは、多数の既知の物理的及び/又は化学的手段のいずれかによってコイル内部領域内に固定される。
【0184】
ブロック1904は、位置決めコイルアセンブリを形成するために、フレックスコネクタをコイルパッドアセンブリに取り付けることを含む。いくつかの実施形態では、フレックスコネクタは、給電及び/又は制御ハードウェアへの位置決めコイルの接続を可能にするように構成された、1つ以上のプリント回路基板、ハードウェア、及び/又は他の回路を含む。例えば、いくつかの実施形態では、フレックスコネクタは、位置決めコイルを給電状態に給電するように構成された1つ以上の回路、ハードウェア、及び/又は同様のものとの位置決めコイルアセンブリの接続を可能にするためのフレキシブルプリント回路基板を含む。いくつかの実施形態では、フレックスコネクタは、多数の既知の物理的及び/又は化学的手段のいずれかによって位置決めコイルの下側に取り付けられる。いくつかのそのような実施形態では、フレックスコネクタは、位置決めコイルコイルに給電するためのハードウェア、及び/又はそのような給電ハードウェアに更に接続された関連するハードウェアに位置決めコイルアセンブリを接続するために利用され得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、ブロック1904が完了すると、フローは、説明及び/又は図示されるように、フローの1つ以上の他のブロックに戻る。例えば、いくつかの実施形態では、フローはブロック1710に戻り、図17に関して上述したプロセスを継続する。
【0186】
本明細書に記載の例示的実装形態は、各々、本開示の様々な実施形態の非限定的な例であることを理解されたい。この点に関して、様々な実施形態で実施される1つ以上の拡張は、任意の組み合わせで提供され得る。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、1つ以上の構成要素は、本明細書に記載されるような修正とともに提供され得る。
【0187】
例えば、いくつかの実施形態は、任意の数の焦点位置を提供し得、他の実施形態は、限定された数の可変焦点位置(例えば、遠焦点位置、ニュートラル焦点位置、及び近焦点位置)を提供し得る。追加的に又は代替的に、実施形態の撮像装置は、各々が、任意の数の方法、例えば異なる可変焦点位置内で構成された任意の数の可変焦点レンズアセンブリを含み得る。そのような実装形態は、本明細書の開示及び本明細書に提供される添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【0188】
開示された実施形態は、特定の例示的な構成及び/又は実装の詳細とともに記載される。他の実施形態では、例えば、構成要素は、そのような構成要素及び/又は構造的等価物を作製するための当該技術分野において既知の他の材料によって具現化され得ることを理解されたい。更に、実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、構成要素及び/若しくはそのサブ構成要素を固定するために(例えば、1つ以上のLED又は他の構成要素を回路基板又は他のプリント回路基板に固定するために)、任意の数の既知の構造要素を含み得、又は既知の方法論を利用し得ることを理解されたい。
【0189】
本明細書は、多くの具体的な実装詳細を含むが、これらは、いかなる開示又は特許請求され得るものの範囲を制限するものとして解釈されるべきではなく、むしろ特定の開示の特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書に記載される特定の特徴はまた、単一の実施形態で組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、多数の実施形態において別々に、又は任意の好適なサブコンビネーションで実装することができる。更に、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上記で説明され、最初はそのように主張されていても、特許請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除することができ、特許請求される組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形を対象とし得る。
【0190】
同様に、動作は、図面に特定の順序で示されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作を示される特定の順序又は順番に実行すること、又は示されるすべての動作を実行することを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列動作が有利である場合がある。こうして、本主題の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。場合によっては、特許請求の範囲に列挙されたアクションは、異なる順序で実行され得、依然として望ましい結果を達成することができる。加えて、添付の図に示されたプロセスは、記載及び/又は特許請求される望ましい結果を達成するために、示される特定の順序、又は順番を必ずしも必要としない。

図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18
図19
【外国語明細書】