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特開2022-113670通過ポンプレーザを有するドープファイバ増幅器
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  • 特開-通過ポンプレーザを有するドープファイバ増幅器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113670
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】通過ポンプレーザを有するドープファイバ増幅器
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/02251 20210101AFI20220728BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20220728BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20220728BHJP
   H01S 5/14 20060101ALI20220728BHJP
   H01S 5/10 20210101ALI20220728BHJP
   H01S 5/22 20060101ALI20220728BHJP
   H01S 5/042 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
H01S5/02251
H01S3/067
H01S3/10 D
H01S5/14
H01S5/10
H01S5/22 610
H01S5/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022009190
(22)【出願日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】17/157,171
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】イアン マクリーン
(72)【発明者】
【氏名】ナダム ゼイヤー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ウィリアムズ
【テーマコード(参考)】
5F172
5F173
【Fターム(参考)】
5F172AF03
5F172AF06
5F172AM08
5F172BB18
5F172BB29
5F172BB44
5F172BB48
5F172BB85
5F172BB88
5F172BB94
5F172BB95
5F173AB13
5F173AB35
5F173AD01
5F173AL04
5F173MA04
5F173MB03
5F173MC01
5F173MC02
5F173MD65
5F173ME44
5F173MF10
5F173MF23
5F173MF28
5F173SA04
5F173SA06
5F173SA08
5F173SA33
5F173SC10
5F173SF03
5F173SF32
5F173SF43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通過ポンプレーザを有するドープファイバ増幅器を提供する。
【解決手段】電気駆動信号を用いて動作可能な増幅器100は、信号波長を有する信号光を増幅することができる。レーザダイオード200が、入力および出力ファセットを伴う活性区分を有する。ファセットは、信号光と光学通信し、レーザダイオード200を通して信号光を通過させるように構成される。活性区分は、活性区分の中への電気駆動信号の注入に応答して、ポンプ光を発生させるように構成される。ポンプ光は、信号波長と異なるポンプ波長を有する。活性ドーパントを用いてドープされたドープファイバ108が、信号光と光学通信し、レーザダイオード200からのポンプ光の少なくとも一部と光学通信する。ポンプ光のポンプ波長は、ファイバの活性ドーパントと相互作用し、それによって、信号光を増幅するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号波長を有する信号光を増幅するための電気駆動信号を用いて動作可能なファイバ増幅器であって、前記ファイバ増幅器は、
レーザダイオードであって、前記レーザダイオードは、活性区分を有し、入力ファセットと、出力ファセットとを有し、前記入力および出力ファセットは、前記信号光と光学通信し、前記レーザダイオードを通して前記入力ファセットから前記出力ファセットに前記信号光を通過させるように構成され、前記活性区分は、前記活性区分の中への前記電気駆動信号の注入に応答して、ポンプ光を発生させるように構成され、前記ポンプ光は、前記信号波長と異なるポンプ波長を有する、レーザダイオードと、
活性ドーパントを用いてドープされるファイバであって、前記ファイバは、前記信号光と光学通信し、前記レーザダイオードからの前記ポンプ光の少なくとも一部と光学通信し、前記ポンプ光のポンプ波長は、前記ファイバの活性ドーパントと相互作用し、それによって、前記信号光を増幅するように構成される、ファイバと
を備える、ファイバ増幅器。
【請求項2】
前記入力および出力ファセットのうちの少なくとも1つからの前記ポンプ光を前記ポンプ波長に固定するように構成される少なくとも1つのファイバブラッグ格子(FBG)を備える、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項3】
前記活性区分は、前記入力および出力ファセットの間に延在する導波管を備え、
前記入力ファセットの近傍の前記導波管の第1の部分は、少なくとも前記ポンプ波長において第1の透過率を有し、
前記出力ファセットの近傍の前記導波管の第2の部分は、少なくとも前記ポンプ波長において第2の透過率を有し、
前記第1の透過率は、前記第2の透過率と異なる、
請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項4】
前記入力ファセットは、少なくとも前記ポンプ波長において第1の反射率を備え、前記出力ファセットは、少なくとも前記ポンプ波長において第2の反射率を備え、前記第1の反射率は、前記第2の反射率と異なる、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項5】
前記レーザダイオードの活性区分はさらに、前記活性区分の第1および第2の部分の間の前記活性区分内に形成される反射構造を備え、前記反射構造は、少なくとも部分的に、前記第1および第2の部分のうちの一方から他方への前記ポンプ光の光学通信を分離するように構成される、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項6】
前記信号光を前記入力ファセットと通信させるように構成される第1のファイバ結合具と、前記信号光を前記出力ファセットと通信させるように構成される第2のファイバ結合具とをさらに備える、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項7】
前記信号波長は、1,550-nm範囲内であり、前記ポンプ波長は、980-nmおよび/または1,480-nm範囲内であり、前記ファイバのドーパントは、エルビウムを含む、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項8】
前記信号光と前記入力ファセットとの間に配置されるアイソレータをさらに備える、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項9】
1つを上回る前記レーザダイオードを備える、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項10】
前記レーザダイオードのうちの第1のものは、前記第1のレーザダイオードの下流で前記ファイバと光学通信する出力面を有し、前記レーザダイオードのうちの第2のものは、前記第2のレーザダイオードの上流で前記ファイバと光学通信する前記出力面を有する、請求項9に記載のファイバ増幅器。
【請求項11】
前記活性ドーパントを用いてドープされる1つを上回る前記ファイバを備える、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項12】
前記入力ファセットは、前記レーザダイオードの上流の前記ファイバのうちの第1のものと光学通信して配置され、前記出力ファセットは、前記レーザダイオードの下流の前記ファイバのうちの第2のものと光学通信して配置される、請求項11に記載のファイバ増幅器。
【請求項13】
前記ファイバは、前記レーザダイオードの入力ファセットから透過される前記ポンプ光の少なくとも一部と光学通信する、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項14】
前記ファイバは、前記レーザダイオードの出力ファセットから透過される前記ポンプ光の少なくとも一部と光学通信する、請求項1に記載のファイバ増幅器。
【請求項15】
信号波長を有する信号光と併用される方法であって、前記方法は、
レーザダイオードの入力ファセットにおいて前記信号光を受け取ることと、
前記入力ファセットからの前記信号光を前記レーザダイオードを通して出力ファセットに通過させることと、
前記レーザダイオードの活性区分の中に電気駆動信号を注入することによって、前記レーザダイオードの活性区分内でポンプ光を発生させることであって、前記ポンプ光は、前記信号波長と異なるポンプ波長を有する、ことと、
前記信号光および前記ポンプ光の少なくとも一部を前記レーザダイオードと光学通信するドープファイバ増幅器に透過させることと、
前記ポンプ光を前記ドープファイバ増幅器と相互作用させることによって、前記信号光を増幅することと
を含む、方法。
【請求項16】
前記入力および出力ファセットのうちの少なくとも1つからの前記ポンプ光を前記ポンプ波長に固定するように構成される少なくとも1つのファイバブラッグ格子(FBG)を使用することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも前記ポンプ波長における第1の透過率を用いて前記入力ファセットの近傍の前記活性区分の導波管の第1の部分を構成することと、少なくとも前記ポンプ波長における第2の透過率を用いて前記出力ファセットの近傍の前記導波管の第2の部分を構成することであって、前記第2の透過率は、前記第1の透過率と異なる、こととを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも前記ポンプ波長における第1の反射率を用いて前記入力ファセットを構成することと、前記第1の反射率と異なる少なくとも前記ポンプ波長における第2の反射率を用いて前記出力ファセットを構成することとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記活性区分の中に前記電気駆動信号を注入することは、
前記活性区分の第1の部分の中に前記電気駆動信号のうちの第1のものを注入することと、
前記活性区分の第2の部分の中に前記電気駆動信号のうちの第2のものを注入することと、
前記活性区分の第1および第2の部分のうちの一方を用いて発生される前記ポンプ光の少なくとも一部を、前記活性区分の第1および第2の部分のうちの他方から光学的に分離することと
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記信号波長は、1,550-nm範囲内であり、前記ポンプ波長は、980-nmおよび/または1,480-nm範囲内であり、前記ドープファイバ増幅器は、エルビウムの活性ドーパントを備える、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ドープファイバ増幅器では、光学信号が、ドープファイバを通して透過される。同時に、ドープファイバ内のイオンは、ポンプレーザダイオードから異なる波長において提供される、ポンプ光を使用してエネルギーを与えられる。光学信号の光子は、エネルギーを与えられたイオンと相互作用し、イオンに、光学信号の光子と同一の波長における光子の形態におけるそれらのエネルギーの一部を放出させ、イオンは、より低いエネルギー状態に戻る。光学信号は、それによって、これが、ドープファイバを通して通過する際、増幅される。
【0002】
例えば、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)が、ファイバの1,550-nm波長範囲内で低損失において信号を増幅するために、光ファイバリンクにおいて使用されることができる。EDFAでは、光ファイバの短い長さ(数メートル)が、希土類元素のエルビウムを用いてドープされる。ポンプレーザが、所与の波長においてエルビウムドープファイバの中に光を注入し、ファイバ内のエルビウムイオンを励起させる。励起されたイオンが、非励起状態に戻るとき、エネルギーが、ファイバを通して通過する光学信号に伝達される。増幅されるべき波長は、1,550-nm範囲内であり得、ポンプレーザの波長は、980および/または1,480nmであり得る。
【0003】
多くのファイバ増幅器では、複数のポンプレーザ注入が、光学トポロジ内で要求される。加えて、複数のEDFAが単一の物理的場所において要求される、より多くの要件が、存在する。慣例は、費用効率のために、注入点あたり、または利得段あたりで単一のポンプレーザチップを使用することであるが、1つを上回るポンプレーザが有益であり得る、一般的な事例が、存在する。本チップは、個々にパッケージ化され得る、または複数のチップが、1つのポンプレーザパッケージ内に含まれ得る。これは、良好に機能するが、利得段において要求される光学コンポーネントの数に起因して、ファイバ増幅器が可能とする最も小さいサイズに対する限界が、常に存在する。加えて、費用は、より多くの光学コンポーネントが必要されるほど、高くなるであろう。
【0004】
本開示の主題は、上記に記載される問題のうちの1つまたはそれを上回るものを克服する、または少なくともその効果を低減させることを対象とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によると、ファイバ増幅器は、信号波長を有する信号光を増幅するために電気駆動信号を用いて動作可能である。本装置は、レーザダイオードと、ドープファイバとを備える。レーザダイオードは、活性区分を有し、入力ファセットと、出力ファセットとを有する。入力および出力ファセットは、信号光と光学通信し、レーザダイオードを通して入力ファセットから出力ファセットに信号光を通過させるように構成される。活性区分は、活性区分の中への電気駆動信号の注入に応答して、ポンプ光を発生させるように構成される。ポンプ光は、入力波長と異なるポンプ波長を有する。
【0006】
ファイバは、活性ドーパントを用いてドープされる。ファイバは、信号光と光学通信し、レーザダイオードからのポンプ光の少なくとも一部と光学通信する。例えば、ドープファイバは、共圧送配列においてレーザダイオードの出力ファセットの下流にあり得る、またはドープファイバは、後方圧送配列においてレーザダイオードの入力ファセットの上流にあり得る。他の構成も、可能性として考えられる。いずれにしても、ポンプ光のポンプ波長は、ファイバの活性ドーパントと相互作用し、それによって、信号光を増幅するように構成される。
【0007】
本開示によると、方法が、信号波長を有する信号光と併用される。本方法は、レーザダイオードの入力ファセットにおいて信号光を受け取ることと、入力ファセットからの信号光をレーザダイオードを通して出力ファセットに通過させることと、レーザダイオードの活性区分の中に電気駆動信号を注入することによって、レーザダイオードの活性区分内でポンプ光を発生させることであって、ポンプ光は、信号波長と異なるポンプ波長を有する、ことと、信号光およびポンプ光の少なくとも一部をレーザダイオードと光学通信するドープファイバ増幅器に透過させることと、ポンプ光をドープファイバ増幅器と相互作用させることによって、信号光を増幅することとを含む。
前述の概要は、本開示の各潜在的実施形態または全ての側面を要約することを意図していない。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
信号波長を有する信号光を増幅するための電気駆動信号を用いて動作可能なファイバ増幅器であって、上記ファイバ増幅器は、
レーザダイオードであって、上記レーザダイオードは、活性区分を有し、入力ファセットと、出力ファセットとを有し、上記入力および出力ファセットは、上記信号光と光学通信し、上記レーザダイオードを通して上記入力ファセットから上記出力ファセットに上記信号光を通過させるように構成され、上記活性区分は、上記活性区分の中への上記電気駆動信号の注入に応答して、ポンプ光を発生させるように構成され、上記ポンプ光は、上記信号波長と異なるポンプ波長を有する、レーザダイオードと、
活性ドーパントを用いてドープされるファイバであって、上記ファイバは、上記信号光と光学通信し、上記レーザダイオードからの上記ポンプ光の少なくとも一部と光学通信し、上記ポンプ光のポンプ波長は、上記ファイバの活性ドーパントと相互作用し、それによって、上記信号光を増幅するように構成される、ファイバと
を備える、ファイバ増幅器。
(項目2)
上記入力および出力ファセットのうちの少なくとも1つからの上記ポンプ光を上記ポンプ波長に固定するように構成される少なくとも1つのファイバブラッグ格子(FBG)を備える、上記項目に記載のファイバ増幅器。
(項目3)
上記活性区分は、上記入力および出力ファセットの間に延在する導波管を備え、
上記入力ファセットの近傍の上記導波管の第1の部分は、少なくとも上記ポンプ波長において第1の透過率を有し、
上記出力ファセットの近傍の上記導波管の第2の部分は、少なくとも上記ポンプ波長において第2の透過率を有し、
上記第1の透過率は、上記第2の透過率と異なる、
上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目4)
上記入力ファセットは、少なくとも上記ポンプ波長において第1の反射率を備え、上記出力ファセットは、少なくとも上記ポンプ波長において第2の反射率を備え、上記第1の反射率は、上記第2の反射率と異なる、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目5)
上記レーザダイオードの活性区分はさらに、上記活性区分の第1および第2の部分の間の上記活性区分内に形成される反射構造を備え、上記反射構造は、少なくとも部分的に、上記第1および第2の部分のうちの一方から他方への上記ポンプ光の光学通信を分離するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目6)
上記信号光を上記入力ファセットと通信させるように構成される第1のファイバ結合具と、上記信号光を上記出力ファセットと通信させるように構成される第2のファイバ結合具とをさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目7)
上記信号波長は、1,550-nm範囲内であり、上記ポンプ波長は、980-nmおよび/または1,480-nm範囲内であり、上記ファイバのドーパントは、エルビウムを含む、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目8)
上記信号光と上記入力ファセットとの間に配置されるアイソレータをさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目9)
1つを上回る上記レーザダイオードを備える、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目10)
上記レーザダイオードのうちの第1のものは、上記第1のレーザダイオードの下流で上記ファイバと光学通信する出力面を有し、上記レーザダイオードのうちの第2のものは、上記第2のレーザダイオードの上流で上記ファイバと光学通信する上記出力面を有する、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目11)
上記活性ドーパントを用いてドープされる1つを上回る上記ファイバを備える、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目12)
上記入力ファセットは、上記レーザダイオードの上流の上記ファイバのうちの第1のものと光学通信して配置され、上記出力ファセットは、上記レーザダイオードの下流の上記ファイバのうちの第2のものと光学通信して配置される、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目13)
上記ファイバは、上記レーザダイオードの入力ファセットから透過される上記ポンプ光の少なくとも一部と光学通信する、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目14)
上記ファイバは、上記レーザダイオードの出力ファセットから透過される上記ポンプ光の少なくとも一部と光学通信する、上記項目のいずれか一項に記載のファイバ増幅器。
(項目15)
信号波長を有する信号光と併用される方法であって、上記方法は、
レーザダイオードの入力ファセットにおいて上記信号光を受け取ることと、
上記入力ファセットからの上記信号光を上記レーザダイオードを通して出力ファセットに通過させることと、
上記レーザダイオードの活性区分の中に電気駆動信号を注入することによって、上記レーザダイオードの活性区分内でポンプ光を発生させることであって、上記ポンプ光は、上記信号波長と異なるポンプ波長を有する、ことと、
上記信号光および上記ポンプ光の少なくとも一部を上記レーザダイオードと光学通信するドープファイバ増幅器に透過させることと、
上記ポンプ光を上記ドープファイバ増幅器と相互作用させることによって、上記信号光を増幅することと
を含む、方法。
(項目16)
上記入力および出力ファセットのうちの少なくとも1つからの上記ポンプ光を上記ポンプ波長に固定するように構成される少なくとも1つのファイバブラッグ格子(FBG)を使用することを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
少なくとも上記ポンプ波長における第1の透過率を用いて上記入力ファセットの近傍の上記活性区分の導波管の第1の部分を構成することと、少なくとも上記ポンプ波長における第2の透過率を用いて上記出力ファセットの近傍の上記導波管の第2の部分を構成することであって、上記第2の透過率は、上記第1の透過率と異なる、こととを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
少なくとも上記ポンプ波長における第1の反射率を用いて上記入力ファセットを構成することと、上記第1の反射率と異なる少なくとも上記ポンプ波長における第2の反射率を用いて上記出力ファセットを構成することとを含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
上記活性区分の中に上記電気駆動信号を注入することは、
上記活性区分の第1の部分の中に上記電気駆動信号のうちの第1のものを注入することと、
上記活性区分の第2の部分の中に上記電気駆動信号のうちの第2のものを注入することと、
上記活性区分の第1および第2の部分のうちの一方を用いて発生される上記ポンプ光の少なくとも一部を、上記活性区分の第1および第2の部分のうちの他方から光学的に分離することと
を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
上記信号波長は、1,550-nm範囲内であり、上記ポンプ波長は、980-nmおよび/または1,480-nm範囲内であり、上記ドープファイバ増幅器は、エルビウムの活性ドーパントを備える、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(摘要)
電気駆動信号を用いて動作可能な増幅器は、信号波長を有する信号光を増幅することができる。レーザダイオードが、入力および出力ファセットを伴う活性区分を有する。ファセットは、信号光と光学通信し、レーザダイオードを通して信号光を通過させるように構成される。活性区分は、活性区分の中への電気駆動信号の注入に応答して、ポンプ光を発生させるように構成される。ポンプ光は、信号波長と異なるポンプ波長を有する。活性ドーパントを用いてドープされたドープファイバが、信号光と光学通信し、レーザダイオードからのポンプ光の少なくとも一部と光学通信する。ポンプ光のポンプ波長は、ファイバの活性ドーパントと相互作用し、それによって、信号光を増幅するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本開示による、ドープファイバ増幅器と、通過ポンプレーザとを有する、装置を図示する。
【0009】
図2A図2Aは、通過レーザダイオードと、入力および出力光ファイバとを含む、図1の装置の一部を図示する。
【0010】
図2B図2Bは、通過レーザダイオードと、入力および出力光ファイバとを含む、図1の装置の一部を図示する。
【0011】
図3図3は、通過レーザダイオードの端部区分を図示する。
【0012】
図4A図4Aは、ドープファイバと、通過ポンプレーザの一構成とを有する、ファイバ増幅器を図示する。
【0013】
図4B図4Bは、ドープファイバと、通過ポンプレーザの別の構成とを有する、ファイバ増幅器を図示する。
【0014】
図4C図4Cは、ドープファイバと、通過ポンプレーザのまた別の構成とを有する、ファイバ増幅器を図示する。
【0015】
図5図5は、本開示による、通過レーザダイオードを有する、ファイバ増幅器システムを動作させるためのプロセスを図示する。
【0016】
図6図6A-6Cは、1つまたはそれを上回るドープファイバに対する種々の圧送方向において配列されるレーザダイオードを有する、ファイバ増幅器を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の詳細な説明
図1は、本開示による、通過レーザダイオード200を伴うファイバ増幅器102を有する、ファイバ増幅器システム100を図示する。レーザダイオード200は、入力または一時信号光Sの経路105内に配置され、入力ファセットにおいて受け取られた信号光Sをレーザダイオード200を通して出力ファセットに通過させながら、また、ポンプ光Pを発生させ、出力するように構成される。ともに、信号光Sおよびポンプ光Pの少なくとも一部は、出力ファセットから経路105の中にドープファイバ108に向かって透過される。例えば、入力信号光Sの少なくとも一部は、レーザダイオード200の入力端部ファセットに到達し、レーザダイオード200の中に通過し、そこで、入力信号光Sは、レーザダイオード200によって追加されるポンプ光Pの少なくとも一部と組み合わせられる。信号およびポンプ光の組み合わせられた部分S+Pは、出力端部ファセットに到達し、端部ファセットを通して経路105の光ファイバに透過され、次いで、ドープファイバ108に伝搬する。
【0018】
本明細書に開示されるように、入力信号光Sを受け取り、受け取られた入力信号光Sおよび追加されたポンプ光Pを1つの端部ファセットから出力するようにレーザダイオード200を構成することは、ファイバ増幅器のポンプレーザのために要求される従来のコンポーネントのうちのいくつかの必要性を排除し得る。すなわち、ポンプ光を入力信号光の光路の中に結合するために使用されるべきダイクロイック結合器等の結合器のいかなる必要性も、存在しない。
【0019】
本開示のファイバ増幅器102は、そのそれぞれが、低反射率を有する、2つの端部ファセットの間に位置付けられる活性区分を有する、通過レーザダイオード200を使用する。例えば、端部ファセットはそれぞれ、反射防止(AR)コーティングを有してもよい。通過レーザダイオード200のために使用され得る2ファセットレーザダイオードに関連する詳細が、2020年8月11日に出願され、「DUAL OUTPUT LASER DIODE」と題された、同時係属中の米国出願第16/947,643号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0020】
本明細書に開示される通過レーザダイオード200は、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)システムまたは他のシステム等のいくつかのファイバ増幅器システム100と併用されることができる。例えば、ファイバ増幅器102は、希土類イオンを用いてドープされる、1つまたはそれを上回るガラスファイバ108を含むことができる。いくつかの例示的ドーパントは、エルビウム、ネオジム、イッテルビウム、プラセオジム、ビスマス、ホリウム、またはツリウムを含む。これらのドーパントに関して、レーザダイオード200からのポンプ光Pは、増幅されるべき一次信号Sとともに、ドープファイバ108のファイバコアを通して伝搬し、ポンプ光Pは、エネルギーを活性ドーパントに提供する。
【0021】
レーザダイオード200内の最大光パワー密度は、一方の端部ファセットにおいてARコーティングを有し、他方においてHRコーティングを有する従来のレーザダイオードにおいて起こるように、いかなるポンプ光Pも、一方の端部ファセットにおいて他方に戻るように反射されない、または比較的に少ないポンプ光Pが、一方の端部ファセットにおいて他方に戻るように反射されるため、約2分の1に低減され得る。しかしながら、本開示による、通過レーザダイオード200の低減された最大光パワー密度が、対向する端部ファセットにおいてARおよびHRコーティングを有するレーザダイオードと比較したとき、増加された信頼性を有し得ることに留意されたい。
【0022】
所望の実装に応じて、通過レーザダイオード200は、対向するファセットにおいて等しい、または等しくない反射率を有してもよい。例えば、第1の端部ファセットにおける1%の反射率を伴う第1のARコーティングおよび第2の端部ファセットにおける0.75%の反射率を伴う第2のARコーティング等の等しくない反射率のARコーティングが、端部ファセットにおいて使用されることができる。代替として、または加えて、レーザダイオード200の導波管が、第1の端部ファセットの近傍の導波管の一部に関する99.5%の透過率および第2の端部ファセットの近傍の導波管の一部に関する99%の透過率等、2つの端部ファセットまたはその近傍において異なる透過率を有するように構築されることができる。これらのパーセンテージ値は、例示的にすぎず、実装に応じて変動されることができる。
【0023】
代替として、または加えて、レーザダイオード200の第1および第2の部分は、異なるように制御されることができる。例えば、レーザダイオード200は、レーザダイオード200の第1の部分に電気的に結合される、第1のアノードおよびカソードを含んでもよく、レーザダイオード200の第2の部分に電気的に結合される、第2のアノードおよびカソードを含むことができる。エッチングミラー、分布帰還型(DFB)ミラー、または他の反射構造が、少なくとも部分的に、第1および第2の部分のうちの一方から他方へのポンプ光Pの光学通信を分離するために、第1および第2の部分の間のレーザダイオード200内に形成されてもよい。故に、レーザダイオード200の第1および第2の部分は、単一構造において一体的に形成されながら、独立して動作され得る。
【0024】
動作を監視するために、ファイバ増幅器システム100は、コントローラ120に接続される入力フォトダイオード122と通信する、入力光学タップ104を含むことができる。同様に、出力光学タップ112が、出力端においてコントローラ120に接続される出力フォトダイオード124と通信することができる。第1の光学アイソレータ106が、レーザダイオード200と入力光学タップ104との間で使用されることができ、第2の光学アイソレータ110が、レーザダイオード200とドープファイバ108との間で使用されることができる。一般に、ファイバ増幅器102は、入力として通過光学信号光Sを受け取るように構成され、光学信号光Sの増幅されたバージョンである、増幅された信号光Sを出力するように構成される。
【0025】
より詳細には、通過光学信号光Sは、入力タップ104において受け取られる。本信号光Sは、実装に応じて、好適な源(図示せず)によって発生されることができる。信号光Sのわずかな部分(例えば、2%)が、入力タップ104によって入力フォトダイオード122に指向されることができ、これは、光学信号光Sの光パワーを測定することができる。通過光学信号光Sの残りの部分(例えば、98%)が、入力タップ104および第1のアイソレータ106を通してレーザダイオード200まで通過する。第1のアイソレータ106は、後方反射を防止する、または少なくともそれを低減させ得る。
【0026】
通過光学信号光Sは、第1の入力波長λInを有する。レーザダイオード200は、ドープファイバ108内の具体的希土類ドーパントの存在下で、λInにおいて動作する対応する光学信号光Sに光学増幅を提供するように選択された第2のポンプ波長λPumpにおいてポンプ光Pを圧送する。ドーパントは、エルビウム、イッテルビウム、または他のドーパントであってもよい。ドーパントが、エルビウムであるとき、例えば、レーザダイオード200によって放出されるポンプ光Pの波長λPumpは、約980-ナノメートル(nm)(例えば、970-nm~990-nm)であってもよい。約980-nmのポンプ波長λPumpにおけるポンプ光Pは、その波長λInが、C帯域内の波長(約1,528nm~1568nm)等の約1,550-nmまたはL帯域内の波長(約1,568nm~1,625nm)等の約1,590-nmであるとき、ドープファイバ108における増幅を光学信号光Sに提供するように構成されることができる。
【0027】
レーザダイオード200は、ポンプ光Pの少なくとも一部と組み合わせられた光学信号光Sをドープファイバ108に出力する。理想的には、ポンプ光Pの全てまたは少なくとも大部分が、ドープファイバ108の中に注入されるが、その量は、980-nmポンプ光Pの一部が、失われ得るため、レーザダイオード200が放出し得る合計可能パワーの割合であってもよい。ポンプ波長λPumpにおけるポンプ光Pは、ドープファイバ108内のイオンを活発化させ、入力波長λInにおける信号光Sは、活発化したイオンと相互作用する。特に、入力波長λInにおける信号光Sの光子は、入力波長λInにおける活発化したイオンからの光子の放出を刺激し、増幅された信号光Sを発生させる。
【0028】
増幅された信号光Sは、第2のアイソレータ110を通して通過し、出力タップ112に通過することができる。使用される場合、出力タップ112は、増幅された信号光Sのわずかな部分を出力フォトダイオード124に指向し、これは、増幅された信号光Sの光パワーを測定することができる。増幅された信号光Sの残りの部分は、出力タップ112を通して通過し、ファイバ増幅器102から出力される。
【0029】
コントローラ120は、レーザダイオード200に関する1つまたはそれを上回るレーザドライバ126A-Bを制御することができる。特に、コントローラ120は、入力および出力フォトダイオード122および124を使用して、入力および出力信号を監視することができ、1つまたはそれを上回るレーザドライバ126A-Bを制御することができ、これは、コントローラ120によって指示されるように、電気駆動信号をレーザダイオード200に印加する。順に、電気駆動信号は、レーザダイオード200によって放出されるポンプ光Pの光パワーを決定してもよい。例えば、レーザ200は、電気駆動信号の電流に比例する、またはそれとのある他の定義された関係を有する光パワーを伴うポンプ光Pを放出してもよい。
【0030】
動作の間、コントローラ120は、ファイバ増幅器102の利得を決定するために、(入力フォトダイオード122によって測定された)信号光Sの光パワーを(出力フォトダイオード124によって測定された)増幅された信号光Sの光パワーと比較することができる。利得が、標的利得を上回る、または下回る場合、1つまたはそれを上回るレーザドライバ126A-Bは、電気駆動信号を調節し、ファイバ増幅器102の利得を増加または減少させることができる。後でより詳細に議論されるように、レーザダイオード200は、ファイバ増幅器102における利得を独立して制御するために、レーザドライバ126A-Bのうちの対応する1つによって独立して制御され得る、2つの部分を含むことができる。
【0031】
本開示のファイバ増幅器システム100を理解した上で、議論は、本開示のファイバ増幅器102のさらなる詳細に移る。
【0032】
図2Aは、通過レーザダイオード200と、入力光ファイバ130Aと、出力光ファイバ130Bとを含む、図1のファイバ増幅器102の一部を図示する。入力および出力光ファイバ130A-Bは、図1の光路105を含む、その中に含まれる、またはそれに対応してもよい。
【0033】
図2Aに図示されるように、レーザダイオード200は、相互から離間される、2つの端部ファセット230A-Bを含む。入力端部ファセット230Aは、少なくとも通過信号の波長λIn(または通過信号波長λInと関連付けられる複数の波長または波長の範囲)に関して低反射率を有する。入力ファセット230Aはさらに、少なくともレーザダイオードの動作波長λPump(またはレーザダイオードの動作波長λPumpと関連付けられる複数の波長または波長の範囲)に関して高反射率を有する。これは、入力端部ファセット230A上の高反射ミラー134Aを使用して達成されることができる。例えば、ミラー134Aは、異なる屈折率の材料を含み、着目波長に分画された厚さを有する、複数の薄膜層を有する、高反射(HR)ファセットコーティングを含むことができる。
【0034】
一方、出力端部ファセット230Bは、レーザダイオードの動作波長λPumpおよび通過信号波長λInに関するそれらの波長等の複数の波長または波長の範囲に関して低反射率を有する。言及される反射率は、単一の波長、複数の波長、またはレーザ200の動作波長範囲等の波長の範囲に関する反射率であってもよい(またはそれを含んでもよい)。動作波長範囲は、約980-nmの波長または他の波長等のポンプ光(P)のために好適な波長を含んでもよい。いくつかの構成では、動作波長範囲は、970-nm~990-nm、または975-nm~985-nm、または他の好適な範囲であってもよい。
【0035】
入力および出力光ファイバ130A-Bは、対応する端部ファセット230A-Bがそれぞれ、対応する光ファイバ130A-Bに光学的に結合されるように位置付けられる。例えば、好適な形態の光学結合を使用して、第1の端部ファセット230Aは、入力光ファイバ130Aに光学的に結合され、第2の端部ファセット230Bは、出力光ファイバ130Bに光学的に結合される。例えば、各光ファイバ130A-Bは、光が、相互に適切に結合されるように、対応する端部ファセット230A-Bに光学的に整合され、対応する端部ファセット230A-Bに十分に近接して位置付けられてもよい。代替として、または加えて、1つまたはそれを上回るレンズまたは他の光学要素等の1つまたはそれを上回る光学要素が、端部ファセット230A-Bと光ファイバ130A-Bとの間に位置付けられてもよい。種々のタイプの光学結合が、使用されることができる。
【0036】
出力光ファイバ130Bは、その中に形成される、ファイバブラッグ格子(FBG)132Bを含んでもよい。FBG132Bは、1つまたはそれを上回る導波管のために構成されてもよい。FBG132Bは、ポンプ光(P)の一部、例えば、2~4%をレーザダイオード200に戻るように反射させるように構成されてもよい。FBG132Bは、レーザダイオード200が、所定の波長において安定したレーザ発振を呈するように、レーザダイオード200を所定の波長に「固定」し得る、所定の波長または複数の所定の波長を戻るように反射させるように構成されてもよい。
【0037】
FBG132Bは、1つまたはそれを上回る波長(例えば、974-nmおよび976-nm)を戻るように反射させるように構成されてもよいが、信号光(S)のより高い波長λPumpを通過させることができる。反射光は、第2の端部ファセット230Bを通してレーザ200の中に結合されてもよく、そこで、これは、概して、レーザ200の第2の部分234Bが、974-nmおよび976-nmの両方に固定されるように、レーザ200の第2の部分234Bと相互作用する。
【0038】
より具体的には、FBG132Bは、レーザ200の対応する第1または第2の部分234A、234Bを1つまたは複数の所定の波長に固定してもよい。他の配列では、レーザダイオード200自体が、FBG132が、省略され得るように、レーザ200を所定の波長に固定するためのDFB構造を含んでもよい。
【0039】
いくつかの構成では、FBG132Bは、レーザダイオード200を伴うファイバキャビティを形成し、そこで、FBG132Bは、レーザダイオード200のレーザ発振を確実にするために十分な反射率を提供する。代替として、または加えて、レーザダイオード200は、図3に関して説明されるような隆起構造を含んでもよい。レーザダイオード200の長さに沿った隆起構造の租度、熱誘発屈折率変化、または利得誘発屈折率変化は、レーザダイオード200において発生された光を十分に反射および散乱させ、光学場を構築し、レーザダイオード200のレーザ発振を確実にし得る。いくつかの配列では、レーザダイオード200は、端部ファセット230A-Bにおける低反射率の観点から、他のレーザよりも高いレーザ発振に関する閾値または利得を有してもよい。
【0040】
いずれにしても、レーザダイオード200、入力ファセット230Aの反射率、FBG132B、および同等物は、レーザダイオード200の活性区分を通して通過する入力信号光Sのより高い波長λInに対して透過性である。このように、より高い波長λInにおける通過入力信号光Sおよびより低い波長λPumpにおけるポンプ光Pの少なくとも一部は、出力ファセット230Bを通して透過され、ファイバ増幅器(102)に向かって伝搬することができる。一実装においてすでに開示されるように、ファイバ増幅器(102)が、エルビウムドープファイバ(108)を使用するとき、通過波長λInは、約1,550-nmであり得、ポンプ波長λPumpは、980-nmであり得る。
【0041】
図2Aの配列は、通過ポンプが、ポンプの下流に利得媒体を有するポンプおよび増幅器トポロジによく適している。そのような配列の詳細は、例えば、図4Aに関して下記に説明される。他の配列も、可能性として考えられる。
【0042】
別の実施例として、図2Bは、通過レーザダイオード200の別の構成と、入力光ファイバ130Aと、出力光ファイバ130Bとを含む、図1のファイバ増幅器102の一部を図示する。入力および出力光ファイバ130A-Bは、図1の光路105を含む、その中に含まれる、またはそれに対応してもよい。
【0043】
再び、図2Bに図示されるように、レーザダイオード200は、相互から離間される、2つの端部ファセット230A-Bを含む。端部ファセット230A-Bはそれぞれ、低反射率を有する。反射率は、単一の波長、複数の波長、またはレーザ200の動作波長範囲等の波長の範囲に関する反射率である、またはそれを含んでもよい。動作波長範囲は、約980-nmの波長または他の波長等のポンプ光(P)のために好適な波長を含んでもよい。いくつかの構成では、動作波長範囲は、970-nm~990-nm、または975-nm~985-nm、または他の好適な範囲であってもよい。
【0044】
入力および出力光ファイバ130A-Bは、対応する端部ファセット230A-Bがそれぞれ、対応する光ファイバ130A-Bに光学的に結合されるように位置付けられる。例えば、好適な形態の光学結合を使用して、第1の端部ファセット230Aは、入力光ファイバ130Aに光学的に結合され、第2の端部ファセット230Bは、出力光ファイバ130Bに光学的に結合される。例えば、各光ファイバ130A-Bは、光が、相互に適切に結合されるように、対応する端部ファセット230A-Bに光学的に整合され、対応する端部ファセット230A-Bに十分に近接して位置付けられてもよい。代替として、または加えて、1つまたはそれを上回るレンズまたは他の光学要素等の1つまたはそれを上回る光学要素が、端部ファセット230A-Bと光ファイバ130A-Bとの間に位置付けられてもよい。種々のタイプの光学結合が、使用されることができる。
【0045】
本構成では、光ファイバ130A-Bはそれぞれ、その中に形成される、ファイバブラッグ格子(FBG)132A-Bを含んでもよい。入力FBG132Aは、第1の波長のために構成されてもよい一方、出力FBG132Bは、第1の波長および第2の波長のために構成されてもよい。FBG132A-Bは、ポンプ光(P)の一部、例えば、2~4%をレーザダイオード200に戻るように反射させるように構成されてもよい。各FBG132A-Bは、レーザダイオード200が、所定の波長において安定したレーザ発振を呈するように、レーザダイオード200を所定の波長に「固定」し得る、所定の波長または複数の所定の波長を戻るように反射させるように構成されてもよい。FBG132A-Bは、同一または異なる所定の波長を戻るように反射させ、レーザダイオード200に、少なくとも2つの所定の波長において出力端部ファセット230Bからポンプ光(P)を放出させるように構成されてもよい。
【0046】
例えば、第1のFBG132Aは、974-nmの第1の波長を戻るように反射させるように構成されてもよいが、信号光(S)のより高い波長を通過させることができる。反射光は、第1の端部ファセット230Aを通してレーザ200の中に結合されてもよく、そこで、これは、概して、レーザ200の第1の部分234Aが、974nmに固定されるように、レーザ200の第1の部分234Aと相互作用する。
【0047】
第2のFBG132Bは、974-nmの第1の波長および976-nmの第2の波長の両方を戻るように反射させるように構成されてもよいが、信号光(S)のより高い波長を通過させることができる。反射光は、第2の端部ファセット230Bを通してレーザ200の中に結合されてもよく、そこで、これは、概して、レーザ200の第2の部分234Bが、974-nmおよび976-nmの両方に固定されるように、レーザ200の第2の部分234Bと相互作用する。
【0048】
より一般的に、各FBG132A-Bは、レーザ200の対応する第1または第2の部分234A、234Bを1つまたは複数の所定の波長に固定してもよい。他の配列では、レーザダイオード200自体が、FBG132が、省略され得るように、レーザ200を所定の波長に固定するためのDFB構造を含んでもよい。
【0049】
いくつかの構成では、FBG132A-Bはそれぞれ、レーザダイオード200を伴うファイバキャビティを形成し、そこで、FBG132A-Bは、レーザダイオード200のレーザ発振を確実にするために十分な反射率を提供する。代替として、または加えて、レーザダイオード200は、図3に関して説明されるような隆起構造を含んでもよい。レーザダイオード200の長さに沿った隆起構造の粗度、熱誘発屈折率変化、または利得誘発屈折率変化は、レーザダイオード200において発生された光を十分に反射および散乱させ、光学場を構築し、レーザダイオード200のレーザ発振を確実にし得る。いくつかの配列では、レーザダイオード200は、端部ファセット230A-Bにおける低反射率の観点から、他のレーザよりも高いレーザ発振に関する閾値または利得を有してもよい。
【0050】
いずれにしても、レーザダイオード200、FBG132A-B、および同等物は、レーザダイオード200の活性区分を通して通過する入力信号光Sのより高い波長λInに対して透過性である。このように、より高い波長λInにおける通過入力信号光Sおよびより低い波長λPumpにおけるポンプ光Pの少なくとも一部は、出力ファセット230Bを通して透過され、ファイバ増幅器(102)に向かって伝搬することができる。一実装においてすでに開示されるように、ファイバ増幅器(102)が、エルビウムドープファイバ(108)を使用するとき、通過波長λInは、約1,550-nmであり得、ポンプ波長λPumpは、980-nmであり得る。
【0051】
図2Bの配列は、通過ポンプが、ポンプの上流および下流に利得媒体を有するポンプおよび増幅器トポロジによく適している。そのような配列の詳細が、例えば、図4Bに関して下記に説明される。
【0052】
図3は、本開示による、通過レーザダイオード200の端部区分を示す。レーザダイオード200は、本明細書に開示されるレーザダイオードのうちのいずれかを含む、その中に含まれる、またはそれに対応してもよい。図3の端部断面図は、レーザダイオード200の端部ファセット(230A-B)に平行であり、レーザダイオード200の光放出方向に垂直である平面である。光放出方向は、図3のページの内外にあり、本方向はまた、縦方向と称される。
【0053】
図3に図示されるように、レーザダイオード200は、基板202、下側クラッド層204、下側導波管層206、活性層208、上側導波管層210、上側クラッド層212、カソード214、およびアノード216等の種々のエピタキシャル層を含む。レーザダイオード200は、他の配列では、図3に図示されるもの以外の付加的または異なる層または要素を含んでもよい。レーザ200の端部ファセット(230A-B)は、例えば、エピタキシャル層を通して劈開することによって、エピタキシャル層内に形成されてもよい。
【0054】
図3の構成は、活性層208を含み、複数の量子ウェル(MQW)が、下側および上側導波管層206、210内に埋設され、下側および上側クラッド層204、212によって囲繞される。これらのクラッド層204、212は、横方向において、例えば、図3では垂直に光学モードを閉じ込めるように構成される。
【0055】
レーザダイオード200はまた、側方方向に、例えば、図3では水平に光学モードを閉じ込めるために、メサまたは隆起構造218を含むことができる。下側および上側導波管層206、210および下側および上側クラッド層204、212を伴う隆起構造218は、レーザダイオード200の端部ファセット(230A-B)の間で縦方向に、例えば、図3のページの内外に延在する、導波管を形成する。通過レーザダイオード200では、以下である。本導波管は、入力信号光(S)を誘導し、レーザダイオード200によって発生されたポンプ光(P)を縦方向に誘導するように構成される。
【0056】
活性層208は、レーザダイオード200の長さの全てまたは一部にわたって縦方向に(例えば、図3のページの内外に)延在してもよい。代替として、または加えて、アノード216は、レーザダイオード200の長さの全てまたは一部にわたって縦方向に延在してもよく、アノード216は、アノード216の長さの全てまたは一部にわたって縦方向に延在し得る、電流が注入される領域(電流注入領域と称される)を有してもよい。電流注入領域の長さは、レーザダイオード200内のポンプ光(P)の刺激放出の縦方向範囲を決定し得る。
【0057】
本明細書に議論されるように、活性層208の長さ、アノード216の長さ、またはアノード216の電流注入領域の長さに沿って縦方向に延在する、レーザダイオード200の一部は、レーザダイオード200の「活性区分」と称され得る。入力信号光(S)の通過に関して、レーザダイオード200の活性区分は、一方の端部ファセットから他方まで縦方向に延在する。
【0058】
カソード214およびアノード216は、活性区分の対向する側に電気的に結合される。図3の実施例では、カソード214およびアノード216は、特に、レーザダイオード200の活性区分の底部および上部に電気的に結合される。図1のレーザドライバ126等のレーザドライバが、電気駆動信号をレーザダイオード200の中に、かつそれを通して、カソード214に注入するために、アノード216に結合されてもよい。電気駆動信号は、電子および正孔を、対向する側から活性層208の中に注入させてもよく、そこで、それらは、刺激放出を介して再結合し、ポンプ光(P)に関する光子を発生させる。
【0059】
上記に議論されるようなファイバ増幅器102において使用される通過レーザダイオード200を理解した上で、議論は、ここで、特定の構成に移る。
【0060】
図4Aは、本開示による、ファイバ増幅器102における通過のために配列される、レーザダイオード200の上面概略図である。図4Aに図示されるように、レーザダイオード200は、入力ファセット230Aと、出力ファセット230Bと、ファセット230A-Bの間に位置付けられる、活性区分220とを含む。
【0061】
一般に、活性区分220は、ファセット230A-Bのそれぞれに向かって伝搬する、ポンプ光Pを発生させるように構成される。ポンプ光Pは、活性区分220の中への電気駆動信号の注入に応答して、活性区分220によって発生される。カソード214およびアノード216は、活性区分220の対向する側、例えば、上部および底部に電気的に結合され、カソード214とアノード216との間の活性区分220の中に電気駆動信号を注入する。
【0062】
入力および出力ファセット230A-Bは、少なくとも通過信号波長λInに関して低反射率を有する一方、入力ファセット230Aは、少なくともダイオード200の動作波長λPumpに関して高反射率を有する。ある実施例では、端部ファセット230A-Bのそれぞれにおける反射率は、レーザのウエハからレーザダイオード200を劈開し、劈開された端部ファセット230A-B上に適切なAR/HRコーティングを形成することによって達成される。図2Aを参照して前述で記述されるように、入力端部ファセット230Aは、ポンプ光(P)の波長λpumpを反射させるが、信号光(S)のより高い波長λInを通過させるために、HRコーティング134Aを含むことができる。
【0063】
入力端部ファセット230Aは、(入力波長λInにおける)通過入力信号光Sの大部分等の一部を活性区分220の中に透過させるように構成され、出力端部ファセット230Bは、その入力信号光Sの大部分等の一部を、ポンプ波長λPumpにおけるポンプ光Pの半分またはそれを上回るもの等の一部とともに、活性区分220から外に透過させるように構成される。
【0064】
例えば、端部ファセット230Bは、端部ファセット230A-Bを通して端部ファセット230A-Bに到達する光の少なくとも95%、97%、または99%を透過させるように構成されてもよい。これらおよび他の構成では、端部ファセット230Bは、1%未満の反射率を有してもよい。反射率は、単一の波長、複数の波長、またはレーザダイオード200の動作波長範囲等の波長の範囲に関する反射率である、またはそれを含んでもよい。レーザダイオード200の動作波長範囲は、本明細書に説明される他の動作波長範囲と同一である、または異なってもよい。出力端部ファセット230Bは、活性区分220によって発生されるポンプ光Pの一部および端部ファセット230Bを通して出力端部ファセット230Bに到達する入力信号光Sの大部分を透過させるように構成される。
【0065】
既述のようないくつかの実施形態では、入力端部ファセット230Aの反射率は、所与の波長に関する出力端部ファセット230Bの反射率と異なる。故に、端部ファセット230A-Bにおける光の光パワーは、異なり得る。例えば、レーザダイオード200は、より多くのポンプ光Pが、ここで図4Aに示されるように、ドープファイバ108が出力端部ファセット230Bに向かって配列される配列において、入力ファセット230Aよりも出力端部ファセット230Bにおいて出力されるように構成されてもよい。
【0066】
活性区分220は、端部ファセット230A-Bの間に延在する、導波管225を含む。導波管225は、図3に関して説明されるような導波管層および同等物を含んでもよい。入力端部ファセット230Aの近傍の導波管225の第1の部分234Aは、少なくともポンプ波長λPumpに関する第1の透過率を有してもよく、出力端部ファセット230Bの近傍の導波管225の第2の部分234Bは、少なくともポンプ波長λPumpに関する第2の透過率を有してもよい。第1および第2の透過率は、それぞれ、単一の波長、複数の波長、またはレーザダイオード200の動作波長範囲等の波長の範囲に関する透過率であってもよい(またはそれを含んでもよい)。
【0067】
導波管225の第1および第2の部分234A、234Bの第1および第2の透過率は、同一である、または異なってもよい。第1および第2の透過率は、導波管225の第1および第2の部分234A-Bの材料および構造に依存し得る。故に、導波管225の第1および第2の部分234A-Bの材料または構造は、所望に応じて、端部ファセット230A-Bから等しい、または異なる光パワーを伴う光を出力するように選択されてもよい。
【0068】
図4Aにさらに示されるように、通過ポンプレーザダイオード200は、ドープファイバ108を伴うファイバ増幅器102を有するファイバ増幅器システムにおいて使用される。入力ファセット230Aは、入力信号光Sと光学通信し、入力ファイバ130Aから等、入力光Sを受け取るように構成される。ダイオード200の活性区分220は、入力ファセット230Aからの入力光Sを出力ファセット230Bに通過させるように構成される。活性区分220は、活性区分220の中への電気駆動信号の注入に応答して、ポンプ光Pを発生させるように構成される。ポンプ光Pは、ダイオード200を通して通過する入力波長λInと異なるポンプ波長λPumpを有する。
【0069】
ファイバ増幅器102は、ファイバ部分130Bと、ドープファイバ108とを有する。ファイバ部分130Bは、出力ファセット230Bと光学通信し、出力ファセット230Bから入力光Sおよびポンプ光Pの少なくとも一部を受け取るように構成される。ポンプ光Pのポンプ波長λPumpは、本明細書に開示される様式でドープファイバ108と相互作用するように構成される。
【0070】
別の構成では、図4Bは、本開示による、ファイバ増幅器102における通過のために配列される、レーザダイオード200の上面概略図である。図4Bに図示されるように、レーザダイオード200は、入力ファセット230Aと、出力ファセット230Bと、ファセット230A-Bの間に位置付けられる、活性区分220とを含む。
【0071】
ファイバ増幅器102は、ポンプ光Pの第1の部分が、1つのドープファイバ108Bを通して一次信号光Sとともに共伝搬し、ポンプ光Pの第2の部分が、別のドープファイバ108Aを通して一次信号光Sに対して伝搬する、前方および後方圧送方向において配列される、レーザダイオード200と、ドープファイバ108A-Bとを有する。記述されるように、レーザダイオード200は、増幅されている一次信号光Sが通過することを可能にする。また、記述されるように、レーザダイオード200は、両方向において通過し得る、ポンプ光Pを発生させる。しかし、レーザダイオード200、そのファセット(230A-B)の反射率、導波管(220)の透過率、その複数の活性領域等は、所望に応じて、前方および後方方向においてポンプ光Pのより多い、より少ない、または等しい部分を通過させるように構成されることができる。これは、単に、図4Bに図式的に示される。いずれにしても、ドープファイバ108に指向されるポンプ光Pは、信号光Sを増幅することができる。
【0072】
一般に、活性区分220は、ファセット230A-Bのそれぞれに向かって伝搬する、ポンプ光Pを発生させるように構成される。ポンプ光Pは、活性区分220の中への電気駆動信号の注入に応答して、活性区分220によって発生される。カソード214およびアノード216は、活性区分220の対向する側、例えば、上部および底部に電気的に結合され、カソード214とアノード216との間の活性区分220の中に電気駆動信号を注入する。
【0073】
入力および出力ファセット230A-Bは、低反射率を有する。ある実施例では、端部ファセット230A-Bのそれぞれにおける低反射率は、レーザのウエハからレーザダイオード200を劈開し、劈開された端部ファセット230A-B上にARコーティングを形成することによって達成される。
【0074】
入力端部ファセット230Aは、(入力波長λInにおける)通過入力信号光Sの大部分等の一部を活性区分220の中に透過させるように構成され、出力端部ファセット230Bは、その入力信号光Sの大部分等の一部を、ポンプ波長λPumpにおけるポンプ光Pの半分またはそれを上回るもの等の一部とともに、活性区分220から外に透過させるように構成される。
【0075】
例えば、端部ファセット230A-Bは、端部ファセット230A-Bを通して端部ファセット230A-Bに到達する光の少なくとも95%、97%、または99%を透過させるように構成されてもよい。これらおよび他の構成では、端部ファセット230A-Bは、1%未満の反射率を有してもよい。反射率は、単一の波長、複数の波長、またはレーザダイオード200の動作波長範囲等の波長の範囲に関する反射率である、またはそれを含んでもよい。レーザダイオード200の動作波長範囲は、本明細書に説明される他の動作波長範囲と同一である、または異なってもよい。出力端部ファセット230Bは、活性区分220によって発生されるポンプ光Pの一部および端部ファセット230Bを通して出力端部ファセット230Bに到達する入力信号光Sの大部分を透過させるように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、既述のように、入力端部ファセット230Aの反射率は、出力端部ファセット230Bの反射率と異なる。故に、端部ファセット230A-Bにおける光の光パワーは、異なり得る。例えば、レーザダイオード200は、より多くのポンプ光Pが、ドープファイバ108が出力端部ファセット230Bに向かって配列される配列において、入力ファセット230Aよりも出力端部ファセット230Bにおいて出力されるように構成されてもよい。
【0077】
活性区分220は、端部ファセット230A-Bの間に延在する、導波管225を含む。導波管225は、図3に関して説明されるような導波管層および同等物を含んでもよい。入力端部ファセット230Aの近傍の導波管225の第1の部分234Aは、少なくともポンプ波長λPumpに関する第1の透過率を有してもよく、出力端部ファセット230Bの近傍の導波管225の第2の部分234Bは、少なくともポンプ波長λPumpに関する第2の透過率を有してもよい。第1および第2の透過率は、それぞれ、単一の波長、複数の波長、またはレーザダイオード200の動作波長範囲等の波長の範囲に関する透過率である、またはそれを含んでもよい。
【0078】
導波管225の第1および第2の部分234A、234Bの第1および第2の透過率は、同一である、または異なってもよい。第1および第2の透過率は、導波管225の第1および第2の部分234A-Bの材料および構造に依存し得る。故に、導波管225の第1および第2の部分234A-Bの材料または構造は、所望に応じて、端部ファセット230A-Bから等しい、または異なる光パワーを伴う光を出力するように選択されてもよい。
【0079】
図4Bにさらに示されるように、図4Bの通過ポンプレーザダイオード200は、ドープファイバ108を伴うファイバ増幅器102を有するファイバ増幅器システムにおいて使用される。入力ファセット230Aは、入力信号光Sと光学通信し、入力ファイバ130Aから等、入力光Sを受け取るように構成される。ダイオード200の活性区分220は、入力ファセット230Aからの入力光Sを出力ファセット230Bに通過させるように構成される。活性区分220は、活性区分220の中への電気駆動信号の注入に応答して、ポンプ光Pを発生させるように構成される。ポンプ光Pは、ダイオード200を通して通過する入力波長λInと異なるポンプ波長λPumpを有する。
【0080】
ファイバ増幅器102は、ファイバ部分130Bと、ドープファイバ108とを有する。ファイバ部分130Bは、出力ファセット230Bと光学通信し、出力ファセット230Bから入力光Sおよびポンプ光Pの少なくとも一部を受け取るように構成される。ポンプ光Pのポンプ波長λPumpは、本明細書に開示される様式でドープファイバ108と相互作用するように構成される。
【0081】
また別の構成では、図4Cは、本開示のファイバ増幅器102における通過のために配列される、別のレーザダイオード200の上面概略図である。図4Cに図示されるように、レーザダイオード200は、入力ファセット230Aと、出力ファセット230Bと、ファセット230A-Bの間に位置付けられる、活性区分220とを含む。レーザダイオード200は、加えて、導波管225を含む。ファセット230A-B、活性区分220、および導波管225は、本明細書に説明される他のレーザにおける対応するコンポーネントと同一または類似する様式で構成および動作される。
【0082】
レーザダイオード200は、加えて、活性区分220の第1および第2の部分234A-Bの間の活性区分220内に形成される、反射構造240を含んでもよい。反射構造240は、活性区分220の第1の部分234Aを、少なくとも部分的に、活性区分220の第2の部分234Bから光学的に分離するように構成されてもよい。反射構造240は、エッチングミラー、DFB構造、または活性区分220内に形成される他の好適な構造を含んでもよい。DFB構造として実装されるとき、反射構造240は、レーザ200を所定の波長に固定してもよい。
【0083】
活性区分220内の反射構造240の設置は、活性区分220を等しい、または等しくない長さの部分に分割することができる。例えば、図4Cに図示されるように、第1の部分234Aは、第2の部分234Bよりも短くあり得る。一般に、より長い活性区分長は、より大きい光パワー出力につながり、全ての他のパラメータは、等しい。故に、本構成は、所望される場合、レーザダイオード200の端部ファセット230A-Bにおいて等しい、または異なる等しくない光パワーを提供するための別の選択肢である。
【0084】
レーザダイオード200はさらに、活性区分220の第1の部分234Aに電気的に結合される、第1のカソードおよびアノード214、216を含んでもよく、さらに、活性区分220の第2の部分234Bに電気的に結合される、第2のカソードおよびアノード214、216を含んでもよい。特に、第1のカソードおよびアノード214、216は、活性区分220の第1の部分234Aの対向する側(例えば、上部および底部)に電気的に結合されてもよく、第2のカソードおよびアノード214、216は、活性区分220の第2の部分234Bの対向する側(例えば、上部および底部)に電気的に結合されてもよい。第1の電気駆動信号が、第1のカソードおよびアノード214、216を介して第1の部分234Aを通して注入されてもよく、第2の電気駆動信号が、第2のカソードおよびアノード214、216を介して第2の部分234Bを通して注入されてもよい。故に、活性区分220の第1および第2の部分234A-Bは、単一の構造(例えば、レーザダイオード200のエピタキシャル構造)において一体的に形成されるが、それらは、それにもかかわらず、独立して動作され得る。
【0085】
図4Cにさらに示されるように、通過ポンプレーザダイオード200は、ドープファイバ108を伴うファイバ増幅器102を有するファイバ増幅器システムにおいて使用される。入力ファセット230Aは、入力信号光Sと光学通信し、入力ファイバ130Aから等、入力光Sを受け取るように構成される。ダイオード200の活性区分220の導波管225は、入力ファセット230Aからの入力信号光Sを出力ファセット230Bに通過させるように構成される。活性区分220はまた、活性区分220の中への電気駆動信号の注入に応答して、ポンプ波長λPumpにおいてポンプ光Pを発生させるように構成される。記述されるように、ポンプ波長λPumpは、ダイオード200を通して通過する入力波長λInと異なり得る。
【0086】
ファイバ増幅器102は、ファイバ部分130Bと、ドープファイバ108とを有する。ファイバ部分130Bは、出力ファセット230Bと光学通信し、出力ファセット230Bから入力信号光Sおよびポンプ光Pの少なくとも一部を受け取るように構成される。ポンプ光Pのポンプ波長λPumpは、本明細書に開示される様式でドープファイバ108と相互作用するように構成される。
【0087】
本明細書に開示される配列では、導波管225の構造は、前部および後部ファイバ(130A-B)に対するある出力比を達成するように調節されることができる。導波管225の構造は、出力比を変化させるように修正されることができる。故に、図4Bまたは4Cのいずれかでは、両方のファセット230A-B上のARコーティングを含むレーザダイオード200は、ファイバ130A-Bに対するある入力/出力比を達成するように調節されるファセット反射率を有することができる。加えて、または代替として、導波管構造225は、2つのファイバ130A-Bからのある入力/出力比を達成するように調節されることができる。いずれにしても、入力信号光(S)は、活性区分220を通して通過するように構成される。
【0088】
図5は、本開示による、通過レーザダイオード200を有する、ファイバ増幅器システム100を動作させるためのプロセス300を図示する。以下の説明では、他の図からの要素に関する参照番号が、理解のために使用される。レーザダイオード200は、本明細書に説明されるレーザダイオード200のうちのいずれかを含んでもよい。ファイバ増幅器システム100は、前述で開示されるようなシステムまたは任意の他の適切なファイバ増幅器システムを含んでもよい。
【0089】
一次信号光Sが、実装に応じて、源(図示せず)から発生される、または受け取られる(ブロック302)。例えば、システム100は、光ファイバ通信において使用されることができ、一次信号光Sの源は、ファイバネットワークを経由する通信のために使用されてもよい。システム100は、レーザ材料処理において等の他の実装において使用されることができる。一次波長を有する一次信号光Sは、ファイバ増幅器102によって増幅されるべきであり、次いで、ファイバ通信、レーザ材料処理、および同等物等の実装の目的のために使用されるべきである。
【0090】
一次信号光Sは、レーザダイオード200に透過され、入力端部ファセット230Aに到達する信号Sの大部分は、入力端部ファセット230Aを通してダイオードの導波管225に通過される(ブロック304)。
【0091】
動作の間、1つまたはそれを上回る電気駆動信号が、アノード216およびカソード214のうちの1つまたはそれを上回るものを介して、レーザダイオード200の活性区分220の中に注入される(ブロック306)。上記のように、駆動信号は、カソードおよびアノード214、216を使用して注入されてもよい。加えて、複数の電気駆動信号が、複数のカソードおよびアノード配列214、216を使用して、活性区分200の異なる部分の中に注入されることができる。また、活性区分220の部分は、少なくとも部分的に、反射構造240によってその他から光学的に分離されてもよい。
【0092】
注入された電気駆動信号に応答して、活性区分220は、ポンプ波長λPumpを有するポンプ光Pを発生させる(ブロック308)。記述されるように、波長λPumpは、ドープファイバ108と相互作用することを意図されることができる。
【0093】
通過信号光Sおよび発生されたポンプ光Pは、出力端部ファセット230Bに向かって通過する。ファセット230A-Bは、低反射率を有するため、発生されたポンプ光Pの一部は、入力ファセット230Aから外に進行し、別の量が、出力ファセット230Bから外に進行し得る。上記のように、FBG、異なる反射率、異なる透過率、および同等物に基づく技法が、より多くのポンプ光Pが、出力ファセット230Bから外に進行するように、レーザダイオード200のために使用されてもよい。
【0094】
出力ファセット230Bに到達する一次信号光Sの大部分およびポンプ光Pの一部は、ファセット230Bを通して、対向するファイバ部分130Bの中に通過する(ブロック310)。光信号S+Pは、次いで、ドープファイバ108に到達し、そこで、一次信号光Sは、本明細書に開示される様式でポンプ光Pの相互作用によって増幅される(ブロック312)。
【0095】
前述の配列では、レーザダイオード200およびドープファイバ108は、ポンプ光Pが、ドープファイバ108を通して一次信号光Sとともに共伝搬する、前方圧送方向において配列される。他の配列も、使用されることができる。また、本明細書に開示されるファイバ増幅器102は、多段における増幅器連鎖の一部として使用されることができる。
【0096】
図4Aに関する上記のように、レーザダイオード200は、ポンプ光(P)が、レーザダイオード200の下流にあるファイバ増幅器の中に注入される、共圧送配列において使用されることができる。図4Bに関して記述されるように、レーザダイオード200は、ポンプ光が、レーザダイオード200の上流および下流にあるファイバ増幅器の中に注入される、二重圧送配列において使用されることができる。他の配列も、可能性として考えられる。
【0097】
主要配列では、図6Aは、ポンプ光Pが、レーザダイオード200の下流にある、ドープファイバ108を通して一次信号光Sとともに伝搬する、共圧送方向において配列される、レーザダイオード200と、ドープファイバ108とを有する、ファイバ増幅器102を図示する。記述されるように、レーザダイオード200は、増幅されている一次信号光Sが通過することを可能にする。また、記述されるように、レーザダイオード200は、両方向において通過し得る、ポンプ光Pを発生させる。しかし、レーザダイオード200、そのファセット(230A-B)の反射率、導波管(220)の透過率、その複数の活性領域等は、一方の方向において他方よりも多いポンプ光Pを通過させるように構成されることができる。すなわち、より多くのポンプ光Pが、入力面(230B)よりも出力ファセット(230B)から通過することができる。これは、単に、図6Aに図式的に示される。実際には、入力ファセット230Aにおける前述で議論されるようなHRコーティングが、信号光Sのより高い波長λInにおける通過を可能にすることができるが、ポンプ光Pのより低い波長λPumpにおいて反射し得る。いずれにしても、ドープファイバ108に指向されるポンプ光Pは、信号光Sを増幅することができる。
【0098】
代替配列では、図6Bは、ポンプ光Pが、ドープファイバ108を通して一次信号光Sに対して伝搬する、後方圧送方向において配列される、レーザダイオード200と、ドープファイバ108とを有する、ファイバ増幅器102を図示する。記述されるように、レーザダイオード200は、増幅されている一次信号光Sが通過することを可能にする。また、記述されるように、レーザダイオード200は、両方向において通過し得る、ポンプ光Pを発生させる。しかし、レーザダイオード200、そのファセット(230A-B)の反射率、導波管(220)の透過率、その複数の活性領域等は、一方の方向において他方よりも多いポンプ光Pを通過させるように構成されることができる。すなわち、より多くのポンプ光Pが、出力面(230B)よりも入力ファセット(230A)から通過することができる。これは、単に、図6Bに図式的に示される。実際には、出力ファセット230Bにおける前述で議論されるようなHRコーティングが、信号光Sのより高い波長λInにおける通過を可能にすることができるが、ポンプ光Pのより低い波長λPumpにおいて反射し得る。いずれにしても、ドープファイバ108に指向されるポンプ光Pは、信号光Sを増幅することができる。
【0099】
また別の配列では、図6Cは、ドープファイバ108に対して対向する前方および後方圧送方向において配列される、2つのレーザダイオード200A-Bを有する、また別のファイバ増幅器102を図示する。記述されるように、レーザダイオード200A-Bは、増幅されている一次信号光Sが通過することを可能にする。また、記述されるように、レーザダイオード200A-Bは、両方向において通過し得る、ポンプ光Pを発生させる。しかし、レーザダイオード200A-B、そのファセット(230A-B)の反射率、導波管(220)の透過率、その複数の活性領域等は、所望に応じて、前方および後方方向においてポンプ光Pのより多い、より少ない、または等しい部分を通過させるように構成されることができる。これは、単に、図6Cに図式的に示される。実際には、上流ダイオード200Aの入力ファセット230Aにおける、および下流ダイオード200Bの出力ファセット230Bにおける前述で議論されるようなHRコーティングが、信号光Sのより高い波長λInにおける通過を可能にすることができるが、ポンプ光Pのより低い波長λPumpにおいて反射し得る。いずれにしても、ドープファイバ108に指向されるポンプ光Pは、信号光Sを増幅することができる。
【0100】
本明細書に開示されるファイバ増幅器102の構成では、レーザダイオード200は、増幅されている一次信号光Sが通過することを可能にしながら、また、ポンプ光Pを発生させる。故に、ファイバ増幅器102は、ダイクロイック結合器等の結合器を使用して、ポンプ光Pが入力信号光Sと結合されることを要求せず、これは、本システムを簡略化し、そのような結合器と関連付けられる問題を低減させることができる。
【0101】
本明細書に開示されるファイバ増幅器102の構成では、アイソレータ106が、寄生レーザ発振を引き起こし得る、またはファイバを損傷させ得る、寄生反射を低減させるために、適宜使用されることができる。これらのアイソレータ106は、ファラデーアイソレータであり得る。
【0102】
本明細書に開示されるファイバ増幅器102の構成では、複数の通過レーザダイオード200が、光路に沿って連鎖においてともに使用されることができる。例えば、図6Bにおけるようにドープファイバ108にポンプ光Pの後方方向を提供するために1つのレーザダイオード200を有する代わりに、ダイオード200のうちの1つからの他のダイオード200の活性領域を通したポンプ光Pの通過に関して考慮される限り、レーザダイオード200のうちの複数のものが、使用されることができる。同様に、図4Bにおけるようにドープファイバ108A-Bにポンプ光Pの前方および後方方向を提供するために1つのレーザダイオード200を有する代わりに、ダイオード200のうちの1つからの他のダイオード200の活性領域を通したポンプ光Pの通過に関して考慮される限り、レーザダイオード200のうちの複数のものが、使用されることができる
【0103】
好ましい、および他の実施形態の前述の説明は、出願人らによって着想された発明的概念の範囲または適用性を限定または制限することを意図していない。本開示の利益により、開示される主題の任意の実施形態または側面による、上記に説明される特徴が、開示される主題の任意の他の実施形態または側面において、単独で、または任意の他の説明される特徴と組み合わせてのいずれかで利用され得ることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
【外国語明細書】