(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113673
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】飲料用グラスシステム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A47G 19/22 20060101AFI20220728BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220728BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220728BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
A47G19/22 S
G09G5/00 510A
G09G5/00 510V
G09G5/36 520P
G09G5/36 520F
G09G5/36 510M
G09F9/00 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022019105
(22)【出願日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】510286433
【氏名又は名称】株式会社ネットアプリ
(74)【代理人】
【識別番号】100154966
【弁理士】
【氏名又は名称】海野 徹
(72)【発明者】
【氏名】西田 誠
【テーマコード(参考)】
3B001
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001BB10
3B001CC02
5C182AA12
5C182AB02
5C182AB08
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC43
5C182BB04
5C182BB13
5C182BB17
5C182BC25
5C182BC26
5C182CB13
5C182CB16
5C182CB44
5G435AA01
5G435BB17
5G435CC09
5G435DD04
5G435DD05
5G435DD09
5G435EE13
5G435LL01
(57)【要約】
【課題】 本発明はグラス側面に大きいサイズの画像を映すことが可能な飲料用グラスシステムを提供することを課題とする。また、その飲料用グラスシステムに使用するコンピュータプログラムを収録した記憶媒体を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の飲料用グラスシステムは第1飲料用グラスと、前記第1飲料用グラスに第1映像表示装置を固定するための第1固定機構と、湾曲した第1透明部と、第1画像制御部と、第2飲料用グラスと、前記第2飲料用グラスの側面又は内部に第2映像表示装置を固定するための第2固定機構と、湾曲した第2透明部と、第2画像制御部と、画像分割部とを備え、前記第1飲料用グラスと前記第2飲料用グラスを横一列に並べると前記第1画像と前記第2画像により前記オリジナル画像の拡大像が構成されることを特徴とする飲料用グラスシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部開口を有する有底の筒状体である第1飲料用グラスと、
前記第1飲料用グラスの側面又は内部に第1映像表示装置を固定するための第1固定機構と、
前記第1映像表示装置に第1画像を出力又は表示する第1画像制御部と、
上部開口を有する有底の筒状体である第2飲料用グラスと、
前記第2飲料用グラスの側面又は内部に第2映像表示装置を固定するための第2固定機構と、
前記第2映像表示装置に第2画像を出力又は表示する第2画像制御部と、
画像分割部と
を備え、
前記第1画像を透過させるための第1透明部を前記第1飲料用グラスの側面に備え、
前記第2画像を透過させるための第2透明部を前記第2飲料用グラスの側面に備え、
前記第1透明部と前記第2透明部は水平方向に湾曲しており、
前記画像分割部はオリジナル画像を前記第1画像と前記第2画像に分割し、
前記第1飲料用グラスと前記第2飲料用グラスが飲料充填時に前記第1飲料用グラスと前記第2飲料用グラスを横一列に並べると前記第1画像と前記第2画像により前記オリジナル画像の拡大像が構成又は形成されることを特徴とする飲料用グラスシステム。
【請求項2】
前記第1飲料用グラスの上部開口を塞ぐ蓋又は前記第2飲料用グラスの上部開口を塞ぐ蓋を備えることを特徴とする請求項1に記載の飲料用グラスシステム。
【請求項3】
前記第1画像制御部と前記第2画像制御部がコンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムであることを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の飲料用グラスシステム。
【請求項4】
前記画像分割部がコンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料用グラスシステム。
【請求項5】
前記オリジナル画像が動画を構成している各フレームの画像であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料用グラスシステム。
【請求項6】
前記オリジナル画像が男女の接吻画像であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の飲料用グラスシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料用グラスシステムで用いるコンピュータプログラムを保存した記憶媒体であり、
前記コンピュータプログラムが前記第1映像表示装置に前記第1画像を出力又は表示し、
前記コンピュータプログラムが前記第2映像表示装置に前記第2画像を出力又は表示することを特徴とする記憶媒体。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料用グラスシステムで用いるコンピュータプログラムを保存した記憶媒体であり、
前記コンピュータプログラムがコンピュータメモリから取得したオリジナル画像を前記第1画像と前記第2画像に分割することを特徴とする記憶媒体。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載の飲料用グラスシステムで用いるコンピュータプログラムを保存した記憶媒体であり、
前記コンピュータプログラムがコンピュータメモリから取得したオリジナル画像を前記第1画像と前記第2画像に分割し、
前記コンピュータプログラムが前記第1映像表示装置に前記第1画像を出力又は表示し、
前記コンピュータプログラムが前記第2映像表示装置に前記第2画像を出力又は表示することを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用グラスシステム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を入れる機能以外に様々な機能を持ったグラスが開発されている。
例えば特許文献1~3には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス本体と、グラス本体の底部から内部側にのびており携帯電話又はスマートフォンを格納するための格納部と、グラス本体の側面から内部側にのびており携帯電話の電波を通過させるための導波部とを備えている。この飲料用演出グラスはグラス本体内に飲料を充填した状態でも携帯電話の電波を導波部を通して外部に出して無線通信できる。
特許文献4には本願発明者が発明した飲料用演出グラスが開示されている。この飲料用演出グラスは、グラス側面に固定された映像表示装置と、グラス本体内部に配置された反射鏡とを備えてりおり、映像表示装置の映像を疑似的にグラス内部に投影する演出が可能なグラスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6337256号
【特許文献2】特許第6406742号
【特許文献3】特許第6432960号
【特許文献4】特許第6488049号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1~4の飲料用演出グラスは、グラス側面に大きいサイズの画像を映すことは不可能である。
【0005】
本発明は上記問題を鑑み、グラス側面に大きいサイズの画像を映すことが可能な飲料用グラスシステムを提供することを課題とする。
また、その飲料用グラスシステムに使用するコンピュータプログラムを収録した記憶媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の飲料用グラスシステムは、上部開口を有する有底の筒状体である第1飲料用グラスと、前記第1飲料用グラスの側面又は内部に第1映像表示装置を固定するための第1固定機構と、前記第1映像表示装置に第1画像を出力又は表示する第1画像制御部と、上部開口を有する有底の筒状体である第2飲料用グラスと、前記第2飲料用グラスの側面又は内部に第2映像表示装置を固定するための第2固定機構と、前記第2映像表示装置に第2画像を出力又は表示する第2画像制御部と、画像分割部とを備え、前記第1画像を透過させるための第1透明部を前記第1飲料用グラスの側面に備え、前記第2画像を透過させるための第2透明部を前記第2飲料用グラスの側面に備え、前記第1透明部と前記第2透明部は水平方向に湾曲しており、前記画像分割部はオリジナル画像を前記第1画像と前記第2画像に分割し、前記第1飲料用グラスと前記第2飲料用グラスが飲料充填時に前記第1飲料用グラスと前記第2飲料用グラスを横一列に並べると前記第1画像と前記第2画像により前記オリジナル画像の拡大像が構成又は形成されることを特徴とする。
また、前記第1飲料用グラスの上部開口を塞ぐ蓋又は前記第2飲料用グラスの上部開口を塞ぐ蓋を備えることを特徴とする。
また、前記第1画像制御部と前記第2画像制御部がコンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムであることを特徴とする。
また、前記画像分割部がコンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムであることを特徴とする。
また、前記オリジナル画像が動画を構成している各フレームの画像であることを特徴とする。
また、前記オリジナル画像が男女の接吻画像であることを特徴とする。
本発明の記録媒体は、上記飲料用グラスシステムで用いるコンピュータプログラムを保存した記憶媒体であり、前記コンピュータプログラムが前記第1映像表示装置に前記第1画像を出力又は表示し、前記コンピュータプログラムが前記第2映像表示装置に前記第2画像を出力又は表示することを特徴とする。
また、前記コンピュータプログラムがコンピュータメモリから取得したオリジナル画像を前記第1画像と前記第2画像に分割することを特徴とする。
また、前記コンピュータプログラムがコンピュータメモリから取得したオリジナル画像を前記第1画像と前記第2画像に分割し、前記コンピュータプログラムが前記第1映像表示装置に前記第1画像を出力又は表示し、前記コンピュータプログラムが前記第2映像表示装置に前記第2画像を出力又は表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の飲料用グラスシステムは、複数(2台以上)の映像表示装置と飲料用グラスを用いてオリジナル画像(厳密にはオリジナル画像の拡大像)を構成又は形成するシステムのため、原理的にはグラスと映像表示装置を増やせば増やす程画像サイズを大きく出来る。
本発明の飲料用グラスシステムは、飲料用グラス内の水平方向に湾曲した飲料のレンズ効果を用いてグラス側面にオリジナル画像の拡大像を作り出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施の形態の飲料用グラスシステムを示す斜視図
【
図2】第1の実施の形態の飲料用グラスシステムを示す正面図
【
図3】蓋を備える飲料用グラスシステムの例を示す正面図
【
図4】オリジナル画像が接吻画像である飲料用グラスシステムの例を示す正面図
【
図5】飲料用グラスシステムのコンピュータプログラムのフローチャート図
【
図6】飲料用グラスシステムのコンピュータプログラムのフローチャート図
【
図7】飲料用グラスシステムのコンピュータプログラムのフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[飲料用グラスシステムの第1の実施の形態]
以下、本発明の飲料用グラスシステムの第1の実施の形態を図面を用いて示す。
図1に示すように、飲料用グラスシステム1は第1飲料用グラス10と、第1映像表示装置80を第1飲料用グラス10に固定する固定機構15と、第1映像表示装置80に第1画像82を出力又は表示する第1画像制御部110と、第2飲料用グラス20と、第2映像表示装置90を第2飲料用グラス20に固定する固定機構25と、第2映像表示装置90に第2画像92を出力又は表示する第2画像制御部120と、オリジナル画像を第1画像82と第2画像92に分割する画像分割部200と、から概略構成される。
第1飲料用グラス10は上部開口11を有する有底の筒状体であり、第1飲料用グラス10の形状の例としては、
図1のように通常のコップ型の形状や取っ手16を備えたビールジョッキ型(又はマグカップ型)の形状が挙げられる。第1飲料用グラス10の材質としてはガラスや透明な樹脂等が挙げられる。第1飲料用グラス10の内部には飲料Lが充填される。第1飲料用グラス10はその側面に第1画像82を透過させるための透明部12を備える。なお、
図1の第1飲料用グラス10は通常の飲料グラスと同じく全てが透明(つまり全てが透明部12)であることを想定している。
固定機構15は第1映像表示装置80を第1飲料用グラス10の側面又は内部に固定するための固定機構であり、
図1の例では固定機構15として第1飲料用グラス10側面に設けられた格納部を用いている。固定機構15は第1映像表示装置80を第1飲料用グラス10に固定さえ出来ればどのような種類の固定機構を用いても良く、固定機構15はネジ機構や吸盤機構等を組み合わせた物を用いても良い。
第1画像制御部110は第1映像表示装置80に第1画像82を出力又は表示する。第1画像制御部110は専用ICやASIC等の形態で第1飲料用グラス10の底面や壁面内部に埋め込まれていても良い。また、コンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムとして第1映像表示装置80の筐体の内部又は外部のコンピュータに実装されていても良い。また、第1画像制御部110はクラウドサーバーにコンピュータソフトウェアとして実装されていても構わない。第1画像制御部110は第1映像表示装置80に第1画像82を出力又は表示さえ出来ればどのような形態で実装されていても構わない。
第2飲料用グラス20は上部開口21を有する有底の筒状体であり、第2飲料用グラス20の形状の例としては、第1飲料用グラスと同じく通常のコップ型の形状や取っ手26を備えたビールジョッキ型の形状が挙げられる。第2飲料用グラス20の材質としてはガラスや透明な樹脂等が挙げられる。第2飲料用グラス20の内部には第1飲料用グラス10と同じく飲料Lが充填される。また、第2飲料用グラス20はその側面に第2画像92を透過させるための透明部22を備える。なお、
図1の第2飲料用グラス20は通常の飲料グラスと同じく全てが透明(つまり全てが透明部22)であることを想定している。
固定機構25は第2映像表示装置90を第2飲料用グラス20の側面又は内部に固定するための固定機構であり、
図1の例では固定機構25として第2飲料用グラス20側面に設けられた格納部を用いている。固定機構25は第2映像表示装置90を第2飲料用グラス20に固定さえ出来ればどのような種類の固定機構を用いても良い。
第2画像制御部120は第2映像表示装置90に第2画像92を出力又は表示する。第2画像制御部120は専用ICやASIC等の形態で第2飲料用グラス20の底面や壁面内部に埋め込まれていても良い。また、コンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムとして第2映像表示装置90の筐体の内部又は外部のコンピュータに実装されていても良い。また、第2画像制御部120はクラウドサーバーにコンピュータソフトウェアとして実装されていても構わない。第2画像制御部120は第2映像表示装置90に第2画像92を出力又は表示さえできればどのような形態で実装されていても構わない。
画像分割部200はオリジナル画像を第1画像82と第2画像92に分割するのに用いられる。画像分割部200は専用ICやASIC等の形態で第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20の底面や壁面内部に埋め込まれていても良い。また、コンピュータソフトウェア又はコンピュータプログラムとして第1映像表示装置80や第2映像表示装置90の筐体の内部又は外部のコンピュータに実装されていても良い。また、画像分割部200はクラウドサーバーにコンピュータソフトウェアとして実装されていても構わない。画像分割部200はコンピュータ(通常のパソコン、携帯電話のコンピュータ、サーバーコンピューターなど)に存在する(または保存されている)オリジナル画像を第1画像82と第2画像92に分割さえできればどのような形態でどこに実装されていても構わない。なお、
図1や
図2の例では、オリジナル画像を横方向(水平方向)に左右に分割している(
図1や
図2の例では文字のAの画像をオリジナル画像として第1画像82と第2画像83に分割している)。第1画像82と第2画像83に分割されたオリジナル画像100は第1飲料用グラス10と第2飲料用グラス20を横一列に並べることにより構成(又は形成、或いは再現)される。なお、
図1や
図2の例では画像分割部200は第1画像82と第2画像92のデータを第1画像制御部110や第2画像制御部120に電波を使って転送しているが、画像分割部200と第1画像制御部110(又は第2画像制御部120)とは有線等で直結しても良い。極端な話、画像分割部200と第1画像制御部110(又は第2画像制御部120)は同一筐体にしても良い。画像分割部200と第1画像制御部110(又は画像分割部200)はクラウドサーバーや無線通信を介して通信で結ばれていても良い。
【0010】
透明部12(又は透明部22)は、
図1のようにユーザーUが第1映像表示装置80や第2映像表示装置90の画像を第1飲料用グラス10(又は第2飲料用グラス20)越しに視認するためにこれらグラス側面に設けられた透明なエリアである。ユーザーUは透明部12や透明部22を介して第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20の内部の飲料L越しに第1画像82(第1映像表示装置80の画像)や第2画像92(第2映像表示装置90の画像)を第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20の外部から視認することが可能である。
なお、
図1内の破線P1は第1映像表示装置80から投射された第1画像82の光の光路P1のイメージを説明のために図示した物であり、光路P1のように第1映像表示装置80(より厳密には映像表示面81)に表示された第1画像82は第1飲料用グラス10内の飲料Lと透明部12を透過(又は通過)して第1飲料用グラス10の外部に至る。なお、
図1内の光路P2も光路P1と同じく、第2映像表示装置90(より厳密には映像表示面91)から投射された第2画像92の光の光路P2のイメージを説明のために図示した物ある。
第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20は(通常のグラスやジョッキと同じく)筒状の円筒形の形状のため、透明部12や透明部22(つまり第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20の側面)は水平方向に湾曲している。そのため、必然的にそれら飲料用グラス内の飲料Lも
図1のように水平方向に湾曲する。水の光の屈折率(約1.33)は空気の光の屈折率(約1.0003)に比して大きい為、水平方向に湾曲したその飲料Lがレンズの働きをするため第1画像82や第2画像92を水平方向に拡大する。別の言い方をすれば、湾曲した飲料Lが円柱形レンズ(又は両凸レンズ)の光屈折媒質として働く。
図1のように、ユーザーUは第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20の内部にある湾曲した飲料L越し(つまり飲料レンズ越し)に第1画像82や第2画像92を見ることにより、第1画像の拡大像83と第2画像の拡大像93を見ることが可能である。また、飲料Lそのものがレンズとして機能するため別途拡大用のレンズを飲料用グラスに設ける必要が無く、第1飲料用グラス10と第2飲料用グラス20の軽量化が可能である。なお、第1画像82や第2画像92の画像拡大率は第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20の曲率半径(つまりレンズである飲料Lの曲率半径)を小さくすることで大きくすることが可能である。これはレンズの曲率半径を小さくするとレンズの拡大率は大きくなるという光学やレンズの基本原理に基づく(詳細はレンズや光学の専門書を参照されたい)。
【0011】
図2のように、本発明の飲料用グラスシステム1は第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20の内部の飲料のレンズ効果により、第1飲料用グラス10と第2飲料用グラス20を横一列に並べるだけで第1画像82(第1画像の拡大像83)と第2画像92(第2画像の拡大像93)によりオリジナル画像(より厳密にはオリジナル画像の拡大像100)を構築(又は形成、或いは再現)することが可能である。
図1や
図2のように、本発明の飲料用グラスシステム1は複数の(2つ以上の)飲料用グラスと映像表示装置を用いて一つのオリジナル画像(より厳密にはオリジナル画像の拡大像100)を構成(又は形成)する方式のため、一つの映像表示装置や飲料用グラスを用いた方式に比して遥かに大きなサイズの画像を投影することが可能である(原理的には映像表示装置と飲料用グラスの数を増やせば増やす程、再現無く画像のサイズを大きくする事が可能)。また、各グラス内で(水平方向に)湾曲した飲料のレンズ効果との相乗効果により非常に大きなサイズの画像の投影が可能である。
本発明の飲料用グラスシステム1は飲料その物をレンズの光屈折媒質として用いる方式のため、グラス内の飲料Lの色によりユーザーUから見えるオリジナル画像(厳密にはオリジナル画像の拡大像100)に色付けすることが可能である。例えば飲料Lとして琥珀色のウィスキーを用いれば、ユーザーUから見えるオリジナル画像の拡大像100を琥珀色に演色することが可能である。
外気温と湿度にもよるが、冷たい飲料を入れると飲料用グラスは結露するため(グラス表面に水滴が付くため)、第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20のいずれか一方のみの結露を拭き取ればオリジナル画像(厳密にはオリジナル画像の拡大像100)の左右半分のいずれか一方を結露でマスキングした状態に保つことも可能である。
【0012】
第1飲料用グラス10や第2飲料用グラス20の形状は通常のコップやジョッキ型だけでなく、
図3のように上部開口を塞ぐ蓋30を備えたボトル形状でも良い。第1飲料用グラス10と第2飲料用グラス20の両方に蓋30を備えても良いし、第1飲料用グラス10又は第2飲料用グラス20のどちらか一方に蓋30を備えても良い。
【0013】
オリジナル画像について補足しておく。
オリジナル画像は動画像を構成する各フレームの画像(つまり動画像を構成する各フレームの一コマ分の静止画像)であっても良い。また、オリジナル画像はコンピュータに存在する画像(より厳密にはコンピュータメモリやデータベース、コンピュータストレージメディアなど保存された)ならどんな画像を用いても良い。オリジナル画像はカメラやビデオカメラで撮影した画像や動画像を用いても良いし、フラッシュメモリ内の画像やクラウドサーバー等のコンピュータからダウンロードした画像などを用いても良い。
図4のようにオリジナル画像を男女の接吻画像にしても良い。こうすることにより第1飲料用グラス10と第2飲料用グラス20を横一列(水平方向)に並べると男女の接吻画像(より厳密にはオリジナル画像の拡大像100)が第1飲料用グラス10と第2飲料用グラス20の側面に写るため乾杯行為等で第1飲料用グラス10と第2飲料用グラス20を近付けた際にだけ男女の接吻画像を再現(又は構成、或いは形成)出来るという演出が可能である(本演出は恋人や夫婦間で乾杯する際の恋愛感情を盛り上げる演出に利用可能である)。
【0014】
図5に本発明の飲料用グラスシステム1で用いるコンピュータプログラムのフローチャートを示す。STEP1において第1映像表示装置80に第1画像82を出力又は表示し、STEP2において第2映像表示装置90に第2画像92を出力又は表示した後にプログラムを終了する。
図6に本発明の飲料用グラスシステム1で用いるコンピュータプログラムのフローチャートを示す。STEP1においてコンピュータメモリから取得したオリジナル画像を第1画像82と第2画像92に分割した後にプログラムを終了する。
図7に本発明の飲料用グラスシステム1で用いるコンピュータプログラムのフローチャートを示す。STEP1においてコンピュータメモリから取得したオリジナル画像を第1画像82と第2画像92に分割し、STEP2において第1映像表示装置80に第1画像82を出力又は表示し、STEP3において第2映像表示装置90に第2画像92を出力又は表示した後にプログラムを終了する。
図5、
図6、
図7に示したフローチャートのコンピュータプログラムはフラッシュメモリ、DRAM、磁気記憶媒体、光記憶媒体等の既知の記憶媒体に保存しても良い。また、第1映像表示装置80や第2映像表示装置90と同一筐体内のメモリにアプリケーションソフトウェアの形態でインストール(保存)しても良い。
図5、
図6、
図7に示したフローチャートのコンピュータアルゴリズムは一例であり他のアルゴリズムを用いても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、2つ以上の飲料用グラスと映像表示装置を用いることで元のオリジナル画像を非常に大きなサイズの画像に拡大して再構成することが出来る飲料用グラスシステムである。以上より本発明は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0016】
U ユーザー
L 飲料(液体)
P1 光路
P2 光路
1 飲料用グラスシステム
10 第1飲料用グラス
11 上部開口
12 第1透明部
15 第1固定機構
16 取っ手
20 第2飲料用グラス
21 上部開口
22 第2透明部
25 第2固定機構
26 取っ手
30 蓋
80 第1映像表示装置
81 映像表示面
82 第1画像
83 第1画像の拡大像
90 第2映像表示装置
91 映像表示面
92 第2画像
93 第2画像の拡大像
100 オリジナル画像の拡大像
110 第1画像制御部
120 第2画像制御部
200 画像分割部