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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113729
(43)【公開日】2022-08-04
(54)【発明の名称】手動利器及び手動利器用係止具
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/16 20060101AFI20220728BHJP
   F16B 45/02 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
A47J47/16 A
F16B45/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089306
(22)【出願日】2022-05-31
(62)【分割の表示】P 2017154841の分割
【原出願日】2017-08-09
(71)【出願人】
【識別番号】516232830
【氏名又は名称】村田 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】村田 茂雄
(57)【要約】
【課題】 フックに係止した状態から容易かつ迅速に取れるようにすること。
【解決手段】 この調理器具100は、先端のヘラ部101から延出する軸102にシリコン樹脂製の柄103が設けられる。係止部1は、柄103の本体部2の側部3が柄103の本体部2から軸方向に延出し且つその後端103aは湾曲部4となりその両側で前記側部3と一体化している。前記側部3の一方側で且つ軸方向の略中央位置には、切断部5が設けられる。この調理器具100の柄103等を持って所定の力を加えて下方に引っ張ることで係止部1が変形してフックFから外れ、その後、係止部1はもとの形に戻る。このように、引っ張るだけで調理器具100をフックFから容易かつ瞬時に取ることができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に操作部分を有する柄の後端にフックその他の軸に係止する略環状の係止部を設けた手動利器において、
少なくとも前記係止部がシリコン樹脂その他の可撓性材料からなり、前記係止部は、略軸方向に設けた側部の一方側の当該側部に切断部を有することを特徴とする手動利器。
【請求項2】
前記係止部の一方側の側部を構成すると共に前記切断部より前記柄の後端側となる上側部の略軸方向の長さが、前記係止部を引っ掛ける被係止対象の軸の直径より長い寸法となることを特徴とする請求項1に記載の手動利器。
【請求項3】
前記係止部は、その環内側が柄の後端に向かって傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の手動利器。
【請求項4】
前記係止部の一方側の側部を構成すると共に前記切断部より前記後端側となる上側部と、前記切断部より前記後端側と反対側となる下側部との間に段差を設けたことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の手動利器。
【請求項5】
フックその他の軸に係止する略環状の係止部と、当該係止部に設けられ且つ先端に操作部分を有する手動利器の柄の後端に着脱し得る着脱部と、からなり、
前記係止部がシリコン樹脂その他の可撓性材料からなり、且つ、略軸方向に設けた側部の一方側の当該側部に切断部を有することを特徴とする手動利器用係止具。
【請求項6】
前記係止部の一方側の側部を構成すると共に前記切断部より前記柄の反対側となる上側部の略軸方向の長さが、前記係止部を引っ掛ける被係止対象の軸の直径より長い寸法となることを特徴とする請求項5に記載の手動利器用係止具。
【請求項7】
前記係止部は、その環内側が後端側に向かって傾斜していることを特徴とする請求項6又は7に記載の手動利器用係止具。
【請求項8】
前記係止部の一方側の側部を構成すると共に前記切断部より前記後端側となる上側部と、前記切断部より前記後端側と反対側となる下側部との間に段差を設けたことを特徴とする請求項5~7のいずれか一つに記載の手動利器用係止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フックに係止した状態から容易かつ迅速に取れる調理器具その他の手動利器及び手動利器用係止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に開示されているような調理器具が知られている。この調理器具は、柄の先端に泡立て部が設けられており、当該柄の後端には、フック等に引っ掛けて吊るすための穴が設けられている。この調理器具を壁面に設けたフックに吊す際は、ユーザが柄を持って壁面のフックを前記柄の穴に通し、そのまま手を離すことで当該調理器具を吊り下げる。そして、この調理器具を使用する際には、前記柄を持って少し上に上げてフックから外す。なお、一般的な調理器具においても、柄に係止用の穴が設けられていることが多く、吊り下げる際には同様の動作を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-95988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の調理器具において壁面のフックから調理器具を取るには、柄を持って少し持ち上げ、穴からフックを外さなければならないため、気を配りながら慎重に取る必要があり、面倒で時間がかかるという問題点があった。本発明は、係る問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の手動利器は、先端に操作部分を有する柄の後端にフックその他の軸に係止する略環状の係止部を設けた手動利器において、少なくとも前記係止部がシリコン樹脂その他の可撓性材料からなり、前記係止部は、略軸方向に設けた側部の一方側の当該側部に切断部を有することを特徴とする。
【0006】
また、前記係止部の一方側の側部を構成すると共に前記切断部より前記柄の後端側となる上側部の略軸方向の長さが、前記係止部を引っ掛ける被係止対象の軸の直径より長い寸法とするのが好ましい。
【0007】
また、前記係止部は、その環内側が柄の後端に向かって傾斜させるのが好ましい。更に、前記係止部の一方側の側部を構成すると共に前記切断部より前記後端側となる上側部と、前記切断部より前記後端側と反対側となる下側部との間に段差を設けるようにするのが好ましい。
【0008】
また、本発明の手動利器用係止具は、フックその他の軸に係止する略環状の係止部と、当該係止部に設けられ且つ先端に操作部分を有する手動利器の柄の後端に着脱し得る着脱部と、からなり、前記係止部がシリコン樹脂その他の可撓性材料からなり、且つ、略軸方向に設けた側部の一方側の当該側部に切断部を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記係止部の一方側の側部を構成すると共に前記切断部より前記柄の反対側となる上側部の略軸方向の長さが、前記係止部を引っ掛ける被係止対象の軸の直径より長い寸法とするのが好ましい。
【0010】
また、前記係止部は、その環内側が後端側に向かって傾斜させるのが好ましい。更に、前記係止部の一方側の側部を構成すると共に前記切断部より前記後端側となる上側部と、前記切断部より前記後端側と反対側となる下側部との間に段差を設けるようにするのが好ましい。
【0011】
なお、前記手動利器には、少なくとも調理器具、バスアイテムを含むものとする。また、略環状である係止部には、切断部の幅が大きなもので全体が鍵状となるものを含むものとする。更に、前記係止部の略環状には、円形のみならず、星形、ハート形等のデザイン的な形状が全体的に略環を形成する場合が含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1に係る調理器具を示す平面図である。
図2図1に示した調理器具の柄の後端を示す拡大図である。
図3】この調理器具の使用方法を示す説明図である。
図4】この調理器具の使用方法を示す説明図である。
図5】本発明の実施の形態2に係る調理器具を示す平面図である。
図6】この調理器具の使用方法を示す説明図である。
図7】本発明の実施の形態3に係る調理器具を示す平面図である。
図8】本発明に係る調理器具の変形例を示す平面図である。
図9】本発明に係る調理器具の変形例を示す平面図である。
図10】本発明の実施の形態4に係る調理器具用係止具を示す平面図である。
図11図10に示した調理器具用係止具を示す拡大図である。
図12】本発明に係る調理器具用係止具の変形例を示す平面図である。
図13】本発明に係る調理器具用係止具の変形例を示す平面図である。
図14図10に示した調理器具用係止具の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る調理器具を示す平面図である。図2は、図1に示した調理器具の柄の後端を示す拡大図である(図1の一点鎖線拡大図)。この調理器具100は、本発明の手動利器の一例であり、例えばキッチン用品としてのヘラである。この調理器具100は、先端が操作部分となる略矩形のヘラ部101となっており、ヘラ部101から延出する軸102には、シリコン樹脂製の柄103が設けられている。なお、ヘラ全体がシリコン製でも良いし、柄103のみがシリコン製でも良い。前記柄103の後端は、図2に示すように、全体が略0字形をした環状の係止部1となる。なお、略環状には、被係止対象の一例であるフックFに対して係止できる機能を奏する実質的に略環状とみなせる部位があれば良いものであり、例えば係止部1に別のフック形状が形成されていたり、デザイン化された形状が施されていたりしても良い。
【0014】
この係止部1は、柄103の本体部2の側部3が柄103の本体部2から略軸方向(長手方向)に延出しており、且つ、その後端103aは湾曲部4となりその両側で前記側部3と一体化している。前記側部3の一方側(図中左側)で且つ軸方向の略中央位置には、切断部5が設けられる。切断部5は、軸方向に対して略垂直方向に設けられる。前記側部3の他方側(図中右側)は支持部3aとなり、本体部2から延出して前記湾曲部4と前記一方側の側部3(上側部3b)とを支持する。なお、係止部1の一方側の側部3を構成すると共に前記切断部5より前記後端103a側となる部分を上側部3bとする。また、本体部2から軸方向に延出した側部3であり、換言すれば、係止部1の一方側の側部を構成すると共に前記切断部5より前記後端側と反対側となる前記切断部5までの部分を下側部3cとする。
【0015】
前記柄103の材質としては、シリコン樹脂の他、所定の可撓性を有するものであれば、合成樹脂、合成繊維、ゴムなどを採用できる。具体的には、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン共重合合成樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合合成樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、合成ゴム、天然ゴム、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴム、熱可塑性エラストマーなどを採用できる。
【0016】
前記係止部1は、調理器具100の自重で当該調理器具100が落下しない程度の強度を備える。本発明が適用される手動利器(調理器具100の他に少なくともキッチンアイテム、バスアイテムなどを含む)の自重は、本発明者らの実測によると、重さ5g~500gの範囲内である。さらに、よく利用される手動利器の多くは重さ30g~350gの範囲内である。このため、例えば700gを手動利器の自重の最大と設定した上で、前記係止部1を設計するのが好ましい。
【0017】
一方、前記係止部1は、実際に調理器具100を取るときに加えるであろう力、例えば0.05N以上15N以下の力(自重を除く)、好ましくは0.05N以上10N以下の力(自重を除く)で引っ張ることで変形してフックFとの係止が外れるように設定するのが好ましい。なお、被係止対象の一例であるフックFは、全体が略J字状であって略一定の太さの軸Faからなる。また、当該フックFは、金属製又は合成樹脂製であり、少なくとも本発明に係る手動利器を係止状態から引っ張っても変形しない強度を持つものである。また、図2中に、フックFを軸断面として図示する。
【0018】
また、前記係止部1は可撓性材料から構成されるが、その材料の種類や重合度を適宜選択したり、その形状(太さ及び長さなど)を適宜選択したりすることで係止部1の可撓性を調整することができる。係止部1の形状や太さは必ずしも略一定でなくても良い。また、係止部1の断面形状は、円形に限定されるものではなく、例えば楕円形、三角形、矩形、多角形又は星形その他のデザイン的形状であってもよい。例えば、係止部1は比較的平たい部分と、その内周側に設けられたリブ構造とによって構成されていてもよい(図示省略)。
【0019】
また、支持部3aである側部3の断面積を湾曲部4の断面積より大きくすること又は断面形状を異なるものとして、支持部3aである側部3の変形量を小さくすることもできる。この場合、軸方向に対して略垂直方向、即ちフックFに対して柄103を横方向から引っ掛ける場合、フックFの軸Faが切断部5を通過してから前記支持部3aである側部3でしっかり止まるので、操作しやすいものとなる。即ち、調理器具100を横方向から勢いよく引っ掛けるときに支持部3aである側部3が変形して外れることを防止できるので、引っ掛ける際の力加減に気を配らなくても良い。この場合でも、調理器具100を外すときには、主に湾曲部4が変形することで調理器具100を瞬時に取ることができる。
【0020】
また、切断部5は、前記側部3の一方側(図中左側)で且つ軸方向の略中央位置に設けられるので、フックFを横方向から引っ掛けやすい。この略中央位置がより好ましいが、本体部2に対する側部3の根元から当該側部3の長さLの1/5以上ずれた位置であれば良い。即ち下側部3の長さは、軸方向で側部3の全体長さLの1/5以上である。この範囲であれば、違和感なく横方向から引っ掛けやすいものとなる。より好ましくは、下側部3の長さは、全体の側部3の軸方向長さLの1/4以上である。別の観点からは、前記切断部5は、側部3の根元から5mm以上ずれた位置に設けるのが好ましい。
【0021】
一方、上側部3bの長さは、フックFの軸Faの直径Dより長いものとする。直径Dより長いものとすれば、吊り下げた状態で調理器具100が振り子のように振れても、フックFから外れて落下することがない。特に、調理中に調理器具100に何かが当たり調理器具100が大きく揺れることがあるが、その場合でも調理器具100がフックFから外れない。フックFの軸Faの直径は、1mm、2mm又は4mmの場合が多く、一般的には1mm以上13mm以下である。
【0022】
図3は、この調理器具100の使用方法を示す説明図である。図3(a)に示すように、フックFに対して係止部1を正面から引っ掛ける場合、ユーザは柄103をもって係止部1の環状部分にフックFの軸Faを通すように引っ掛け、そのまま手を離して調理器具100を吊り下げる(図3(b)参照)。この状態では、湾曲部4及び支持部3aである側部3により調理器具100が支持される。また、上側部3がフックFの軸Faの直径Dより長いので、調理器具100が振れても外れることがない。このため、調理器具100を床面に落として汚すことがない。更に、切断部5の隙間がない場合又は切断部5の隙間がフックの軸Faの直径Dより小さい場合、係止部1全体が略0字形の環状になるので更に外れ難くなる。
【0023】
次に、図3(c)及び(d)に示すように、調理器具100の柄103等を持って所定の力を加えて下方(図中矢印方向)に引っ張ることで前記係止部1が変形してフックFから外れる。外れた後は、図3(e)に示すように、係止部1はもとの形に戻る。このように、引っ張るだけで調理器具100をフックFから瞬時に取ることができる。
【0024】
また、前記係止部1は、フックFに対して横方向から引っ掛けることもできる。図4(a)に示すように、フックFの軸Faの横側から前記係止部1を当該軸Faに当てると、図4(b)に示すように、側部3が変形して、軸Faが係止部1の内に入る。そのまま手を離すと、図4(c)に示すように、湾曲部4及び支持部3aである側部3により柄103が支持され、調理器具100が吊り下げられる。調理器具100をフックFから外す動作は、図3(c)~(e)に示した通りである。
【0025】
本発明では、柄103の上部に係止部1を備えた所定の長さの手動利器をフックFに掛ける場合、当該フックFは必然的に比較的高い位置に設置されることが想定される。高い位置にあるフックFに掛けられた手動利器を下方に引っ張ることで容易かつ瞬時に外せることはユーザの利便性向上に大きく貢献するものである。
【0026】
(実施の形態2)
また、図5に示すように、切断部205を軸方向に対して斜めに形成しても良い。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。この切断部205は、係止部201の環内側210が後端103a(湾曲部4側)に向かって傾斜しており、例えば軸方向に対する垂直方向を基準として30度前後傾斜している。また、切断部5の隙間は、幅が1mm以下とするのが好ましい。なお、前記傾斜角度は、軸方向に対する垂直方向を基準として5度以上45度未満とするのが好ましい。
【0027】
図6は、この調理器具200の使用方法を示す説明図である。この調理器具200によれば、フックFの軸Faに横方向から引っ掛ける際、図6(a)~(c)に示すように、下側部3cが内側に押し込まれて変形するので係止部201の環内にフックFの軸Faを入れやすい。この状態では、湾曲部4及び支持部3aである側部3により調理器具200が支持され、その自重で落ちることがない(図6(d)参照)。当該構成では、下側部3cを変形させて軸Faを引っ掛けるのが好ましいが、上側部3bに軸Faが同時に当たっても構わない。
【0028】
次に、調理器具200を係止した状態で引っ張ると、図6(e)及び(f)に示すように、上側部3が外側に変形する。このとき、前記切断部5が傾斜していることから、上側部3bと下側部3cとの離間がスムーズに行われる。外れた後は、図6(g)に示すように、係止部201の変形はもとに戻る。このときも、前記切断部5が傾斜していることから、上側部3が綺麗に戻って下側部3と対向ないし当接する。
【0029】
(実施の形態3)
また、上側部3bと下側部3cとの間に段差を設けても良い。例えば、図7に示すように、上側部3bの端部外側面を外側に突出させ、下側部3cの端部外側面を環内側に入れ、切断部5に段差301を設けても良い。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。係る構成によれば、調理器具300をフックFに横方向から引っ掛ける場合、フックFの軸Faが段差に引っ掛かり、軸Faを内部に入れやすい。このため、調理器具300をフックFに引っ掛けやすいものとなる。
【0030】
また、上記実施の形態1~3における調理器具100~300において、図8に示すように、上記切断部5は、その幅が広いものであっても良い。また、下側部3cを省略することもできる(図示省略)。このような構成も、当該切断部5に含まれるものとする。更に、前記切断部5は直線状に限定されず、図9に示すように、上側部3b及び下側部3cの端部を半球状に形成しても良い。
【0031】
(実施の形態4)
更に、図10及び図11に示すように、係止部401を柄103に対して分離構造であって且つ着脱可能な構造してもよい(手動利器用係止具400)。例えば、調理器具Gの柄103の後端に対し、係止部401を着脱可能とする構造の例としては、例えば、係止部401の本体部402に柄103を挿入する凹部45(着脱部)が設けられ、図11の一部破断図にて示すように、この凹部45に柄103を挿し込むようにする。所定の力で押し込むことで挿し込むことで係止部401と柄103は強固に取り付けられる。柄103の形状は様々であるから、凹部45の形状等を汎用的なものとすれば、様々な手動利器Gに適用できる。この場合の係止部401は、樹脂製で一体成形することで製造できるうえ、ユーザが現在使用している手動利器Gに取り付けて使用できる。
【0032】
また、この調理器具用係止具400は、図12に示すように、切断部205を軸方向に対して斜めに形成しても良い。その他の構成は、図10及び図11に示した構造と同様であるため、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。この切断部205は、係止部201の環内側210が後端403a(湾曲部4側)に向かって傾斜しており、例えば軸方向に対する垂直方向を基準として30度前後傾斜している。また、切断部205の隙間は、幅が1mm以下とするのが好ましい。なお、前記傾斜角度は、軸方向に対する垂直方向を基準として5度以上45度未満とするのが好ましい。
【0033】
また、この調理器具用係止具400は、上記構成において上側部3bと下側部3cとの間に段差を設けても良い。例えば、図13に示すように、上側部3bの端部外側面を外側に突出させ、下側部3cの端部外側面を環内側に入れ、切断部205に段差301を設けても良い。その他の構成は、図10及び図11に示した構造と同様であるため、同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。係る構成によれば、調理器具GをフックFに横方向から引っ掛ける場合、フックFの軸Faが段差に引っ掛かり、軸Faを内部に入れやすい。このため、調理器具GをフックFに引っ掛けやすいものとなる。
【0034】
また、この調理器具用係止具400は、図8に示したように、上記切断部5の幅を広くしても良いし、下側部3cを省略することもできる(図示省略)。このような構成も、当該切断部5に含まれるものとする。更に、前記切断部5は直線状に限定されず、図9に示したように、上側部3b及び下側部3cの端部を半球状に形成しても良い。
【0035】
更に、調理器具Gとの着脱部は、図14(a)に示すように、係止部401の本体部402に調理器具Gと連結するループ部46としても良い。調理器具Gの端部が鍵状である場合には、前記ループ部46は、同図に示すような円形のループ形状が好ましい。調理器具Gの端部に円状の穴がある場合は、図14(b)に示すような鍵状のループ形状が好ましい(この場合は、係止部401よりも変形し難いように強度を持たせる構造とするのが好ましい)。更に、図14(c)に示すように、本体部402から足部403を延出し、その先にループ部46を形成しても良い。係る構成の場合、調理器具Gの円状の穴に対してループ部46を通し、このループ部46に係止部401を通すことで、調理器具Gに対して連結する。なお、調理器具Gとの着脱部は、これら図14(a)~(c)に示した構成に限定されず、調理器具Gに対して着脱できる構造であればどのようなものでも採用できる。
【0036】
なお、上記実施の形態1~3における調理器具100~300及び実施の形態4における調理器具Gは、ヘラの他、おたまじゃくし、網じゃくし、フライ返し、肉たたき、泡立て器、おろし金、栓抜き、芋潰し、皮むき、缶切り等でも良い。また、本発明を適用する手動利器としては、上記調理器具が好ましいが、その他、バスアイテム(ボディブラシ、ボディタオル、ボディスポンジ、かかとやすり及び歯ブラシ)などでも良い。また、本発明の手動利器及び調理器具用係止具を引っ掛ける対象は、フックFに限定されず、引っ掛けられる軸状の部分を備えた構造であればどのようなものでも良い。
【符号の説明】
【0037】
100 調理器具
103 柄
1 係止部
2 本体部
3 側部
4 湾曲部
5 切断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14