IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローブライド株式会社の特許一覧 ▶ 国立大学法人北見工業大学の特許一覧

<>
  • 特開-釣竿 図1
  • 特開-釣竿 図2
  • 特開-釣竿 図3
  • 特開-釣竿 図4
  • 特開-釣竿 図5
  • 特開-釣竿 図6
  • 特開-釣竿 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113930
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】釣竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/00 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
A01K87/00 630N
A01K87/00 630A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009958
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504238806
【氏名又は名称】国立大学法人北見工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】河合 一輝
(72)【発明者】
【氏名】伊▲崎▼ 靖浩
(72)【発明者】
【氏名】大津 直史
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA01
2B019AA05
2B019AB01
2B019AB36
2B019AD01
2B019AD03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コア部材との密着性を向上させながら、重量増大を抑制し、かつ感度を向上させることができる釣竿を提供する。
【解決手段】釣竿1は、NiTi合金のコア部材4と、該コア部材4の外表面に形成された酸化膜8と、該酸化膜8の外表面に形成された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の層15と、を含む層構造を少なくとも一部に備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NiTi合金のコア部材と、該コア部材の外表面に形成された酸化膜と、該酸化膜の外表面に形成された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の層と、を含む層構造を少なくとも一部に備えることを特徴とする釣竿。
【請求項2】
NiTi合金のコア部材と、該コア部材の外表面に形成された酸化膜と、該酸化膜の外表面に形成された着色用塗料の層と、を含む層構造を少なくとも一部に備えることを特徴とする釣竿。
【請求項3】
前記酸化膜は、陽極酸化処理、イオンプレーティング、又はスパッタリングにより形成される、請求項1又は2に記載の釣竿。
【請求項4】
前記酸化膜は、TiO2膜である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項5】
前記層構造は、前記釣竿の先端から1000mmの範囲に設けられる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項6】
前記炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の層は、1又は複数の層で形成される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の釣竿。
【請求項7】
前記着色用塗料の層は、1又は複数の層で形成される、請求項1に記載の釣竿。
【請求項8】
前記着色用塗料の層の外表面には、コーティング用塗料が形成される、請求項2に記載の釣竿。
【請求項9】
前記着色用塗料の層の外表面には、接着剤が形成される、請求項2に記載の釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NiTi合金のコア部材を備える釣竿等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、NiTi合金のコア部材を備えた様々な釣竿が知られている。
【0003】
このような釣竿では、金属で形成されるコア部材の外表面の密着性の観点から、表面層とコア部材との間にガラス繊維強化プラスチック(GFRP)や柔軟性塗料といった層を介在させることが行われている。
【0004】
このような釣竿として、例えば、特許文献1には、金属の部材本体と、この部材本体上に形成された塗装層と、この塗装層上に設けられ、無色透明な無機物を含み光沢を有する装飾層とを具備する釣り用部材が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、表面が塗装された部品であって、部品本体と、前記部品本体の表層側に塗装により形成された下地膜層と、前記下地膜層の表層側に半透明に形成されミラー効果を有する金属膜層と、を備えた塗装部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-018627号公報
【特許文献2】特開2002-166223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、いずれの特許文献においても、金属表面との接着力を向上させるために、中間層として塗装層や下地膜層を別途設ける必要があるため、釣竿の重量が増大するだけでなく、釣竿の感度も低下してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コア部材との密着性を向上させながら、重量増大を抑制し、かつ感度を向上させることができる釣竿を提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る釣竿は、NiTi合金のコア部材と、該コア部材の外表面に形成された酸化膜と、該酸化膜の外表面に形成された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の層と、を含む層構造を少なくとも一部に備えるように構成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣竿は、NiTi合金のコア部材と、該コア部材の外表面に形成された酸化膜と、該酸化膜の外表面に形成された着色用塗料の層と、を含む層構造を少なくとも一部に備えるように構成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る釣竿において、前記酸化膜は、陽極酸化処理、イオンプレーティング、又はスパッタリングにより形成される。
【0012】
本発明の一実施形態に係る釣竿において、前記酸化膜は、TiO2膜である。
【0013】
本発明の一実施形態に係る釣竿において、前記層構造は、前記釣竿の先端から1000mmの範囲に設けられる。
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣竿において、前記炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の層は、1又は複数の層で形成される。
【0015】
本発明の一実施形態に係る釣竿において、前記着色用塗料の層は、1又は複数の層で形成される。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣竿において、前記着色用塗料の層の外表面には、コーティング用塗料が形成される。また、本発明の一実施形態に係る釣竿において、前記着色用塗料の層の外表面には、釣糸ガイドを固定するための接着剤が形成される。
【発明の効果】
【0017】
上記実施形態によれば、コア部材との密着性を向上させながら、重量増大を抑制し、かつ感度を向上させることができる釣竿を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る釣竿を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る釣竿の断面構造を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る釣竿の断面構造を説明する図である。
図4】(a)は、本発明の一実施形態に係る釣竿1における密着試験の方法を説明する図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る釣竿1における密着試験の結果を示す図である。
図5】(a)は、本発明の一実施形態に係る釣竿1における強度試験の方法を説明する図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る釣竿1における強度試験の結果を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る釣竿1の成形方法を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る釣竿1の成形方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る釣竿の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0020】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。図示のように、本発明の一実施形態による釣竿1は、竿体2と、竿体2にリールシート9を介して取り付けられたリールRと、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド10と、を備える。図示の実施形態においては、リールシート9及び釣糸ガイド10の各々が、竿体の外周面に取り付けられる取付部品に該当する。
【0021】
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成されている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていても良い。
【0022】
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、NiTi合金のコア部材で構成されている。後述するが、当該コア部材の外側にプリプレグの層を形成することができる。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0023】
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、リールシート9に装着されるリール6から繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド10(釣糸ガイド10A~10D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド10Aが設けられ、中竿5には釣糸ガイド10Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド10Cが設けられている。穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが設けられているが、詳細は省略する。
【0024】
次に、図2及び3を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿1について説明する。図2、3は、図1の釣竿1の断面を示すものである。
【0025】
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿1は、NiTi合金のコア部材4と、該コア部材4の外表面に形成された酸化膜8と、該酸化膜8の外表面に形成された炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の層15と、を含む層構造11を少なくとも一部(釣竿1の長手方向でみて少なくとも一部分)に備えるように構成される。ここで、本発明の一実施形態に係る釣竿1は、NiTi合金のコア部材4を備えるとしているが、これに代えて、Ti合金のコア部材4を備えるように構成することができる。Ti合金としては、例えば、βチタン、純チタン、αチタン合金、α-βチタン合金、又はβチタン合金等を含むが、これらに限られない。また、上記層構造は、釣竿だけでなく、釣竿の構成部品、魚釣用リール、リール構成部品、又はその他の釣具にも適用可能である(以下同様)。さらには、釣具の分野以外のスポーツ用具にも上記層構造を適用可能である(以下同様)。当該スポーツ用具は、ゴルフ、テニス、自転車等に限定されるものではない。以下、釣竿を例としてより具体的に説明する。
【0026】
本発明の一実施形態に係る釣竿1によれば、コア部材との密着性を向上させながら、重量増大を抑制し、かつ感度を向上させることができる釣竿を提供することが可能となる。より具体的には、コア部材の外表面に酸化膜を形成することで、酸化膜に存在する微小な凹凸によるアンカー効果が得られるだけでなく、また、エポキシ樹脂(塗料の場合はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂)と酸化膜との間に発生する水素結合(元々の金属表面にはO原子がないため、水素結合できない)が可能となり、さらには、酸化膜のTiO2が親水性を持つことから、コア部材との密着性を向上させることが可能となる。
【0027】
このような層構造が釣竿の穂先部に使用されることで、穂先部の弾性を変化させ、釣竿の調子を自由に調整することが可能となる(例えば、NiTiは弾性が低く柔らかいが、NiTiとCFRPを組み合わせでは弾性が高く硬いという特徴を備える)。
【0028】
次に、図3aに示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿1は、NiTi合金のコア部材4と、該コア部材4の外表面に形成された酸化膜8と、該酸化膜8の外表面の一部に形成された釣糸ガイドと、該酸化膜8の外側と該釣糸ガイドに回巻された糸16と、該酸化膜8の外表面と該釣糸ガイドと該糸に塗られた樹脂(糸止め剤)17と、を含む層構造18を少なくとも一部(釣竿1の長手方向でみて少なくとも一部分)に備えるように構成される。また、本発明の一実施形態に係る釣竿1は、NiTi合金のコア部材4と、該コア部材4の外表面に形成された酸化膜8と、該酸化膜8の外表面に形成された着色用塗料の層12と、を含む層構造13を少なくとも一部(釣竿1の長手方向でみて少なくとも一部分)に備えるように構成される。図3bでは、着色用塗料の層12の外側層に被覆塗料(トップコート用塗料)19がさらに設けられているが、これに限られない。
【0029】
本発明の一実施形態に係る釣竿1によれば、コア部材との密着性を向上させながら、重量増大を抑制し、かつ感度を向上させることができる釣竿を提供することが可能となる。より具体的には、コア部材の外表面に酸化膜を形成することで、酸化膜に存在する微小な凹凸によるアンカー効果が得られるだけでなく、また、エポキシ樹脂(塗料の場合はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂)と酸化膜との間に発生する水素結合(元々の金属表面にはO原子がないため、水素結合できない)が可能となり、さらには、酸化膜のTiO2が持つ親水性があることから、コア部材との密着性を向上させることが可能となる。
【0030】
このような層構造により、穂先部の視認性の向上を図ったり、釣糸ガイドの取付け強度向上を図ることが可能となる。
【0031】
本発明の一実施形態に係る釣竿1において、当該酸化膜8は、陽極酸化処理、イオンプレーティング、又はスパッタリングにより形成される。
【0032】
本発明の一実施形態に係る釣竿1において、当該酸化膜8は、TiO2膜である。
【0033】
本発明の一実施形態に係る釣竿1において、当該層構造11、13は、当該釣竿1の先端から1000mmの範囲に設けられる。そのようにする理由は、魚の当たりを取り易くするため、軟らかく、かつ大きな曲率の曲がりに耐えられる素材を適切に配置するためである。
【0034】
本発明の一実施形態に係る釣竿1において、当該炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の層15は、1又は複数の層で形成される。また、上記層構造11には、当該炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の層15の外表面にその他の層を含むようにしてもよい。
【0035】
本発明の一実施形態に係る釣竿1において、着色用塗料の層12は、1又は複数の層で形成される。例えば、着色用塗料の層12は、着色用塗料と上塗りとで構成されるようにしてもよい。また、着色用塗料の層12は、着色用塗料と糸巻と上塗りとで構成されるようにすることができる。
【0036】
本発明の一実施形態に係る釣竿1において、当該着色用塗料の層12の外表面には、コーティング用塗料14が形成される。ここで、上記層構造13は、当該コーティング用塗料を含む場合もあれば、そうでない場合も考えられる。また、上記層構造13には、その他の層を含むようにしてもよい。また、本発明の一実施形態に係る釣竿において、当該着色用塗料の層の外表面には、釣糸ガイドを固定するための接着剤が形成される。
【0037】
次に、図4、5を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿1におけるコア部材4とCFRP15、コア部材4と着色用塗料の層12との密着性試験の結果についてそれぞれ説明する。まず、本試験では、図4aに示すような態様でCFRP密着性の試験を行った。サンプルとして、直径1.6mmの丸棒を用い、被着物としてCFRPを用いた。また、図5aに示すような態様で糸巻きガイド取付強度試験を行った。固定部径を0.8mmとし、使用ガイド材料としてCFRPを用い、使用糸材料としてポリエチレン製を、糸止め剤としてエポキシ系材料を用い、試験前環境として、湿度90%下に24時間程度おき、接着力を低下させてから評価を実施した。
【0038】
このようにして行ったCFRP密着性の試験結果を図4bに示す。図示のように、酸化処理を行っていない場合と、酸化処理を行った場合とで密着強度が大幅に異なることが判明した。例えば、酸化処理を行っていない場合と比較して、陽極酸化処理を行った場合、その接着力は約900%(約9倍)程高くなった。また、IP(イオンプレーティング)処理を行った場合と比較しても、陽極酸化処理を行った場合、その接着力が約40%程高くなることが判った。また、このようにして行った糸巻きガイド取付強度試験結果を図5bに示す。図示のように、酸化処理を行っていない場合と、酸化処理を行った場合とで密着強度が大幅に異なることが判明した。例えば、酸化処理を行っていない場合と比較して、陽極酸化処理を行った場合、その接着力は約250%(約2.5倍)程高くなった。また、IP(イオンプレーティング)処理を行った場合と比較しても、陽極酸化処理を行った場合、その接着力が約60%程高くなることが判った。また、陽極酸化処理の場合、10kgfでも破壊することはなく、極めて高い接着強度を示すことが判明した。
【0039】
図4の試験結果が示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿1によれば、コア部材とCFRP15との密着性が大幅に向上することが判った。また、図5の試験結果が示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿1によれば、接着剤としての役割を果たす酸化膜の層の介在するため、コア部材と着色用塗料の層12との密着性が大幅に向上することも判った。
【0040】
次に、図6、7を参照して、本発明の一実施形態に係る釣竿1の成形方法について説明する。まず、釣竿20の形状や寸法に合わせてコア部材の寸法や形状を決定し、コア部材を形成する。当該コア部材の形成方法は、センタレス、プレス又は鋳造による形成等が考えられるが、これらに限られない。ここで、コア部材は、中空であってもよいし、中実であってもよい。
【0041】
次に、図6aに示すように、当該コア部材の外表面に酸化膜を形成する。具体的には、電解液(例えば、有機酸の電解液が考えられるが、これに限られない)に、コア部材を入れ、これを陽極として電流を流すことで酸化膜が得られる。その他の方法として、コア部材を真空状態にして、金属を蒸着させるようにすることもできる。
【0042】
そして、図6bに示すように、当該酸化膜の外表面に、CFRP15を形成する。具体的には、酸化膜の外表面にCFRPを巻き付け、キュアすることでCFRPを硬化させる(層構造は前述の図2参照)。
【0043】
本発明の一実施形態に係る釣竿1によれば、コア部材との密着性を向上させながら、重量増大を抑制し、かつ感度を向上させることができる釣竿を提供することが可能となる。
【0044】
次に、釣竿20の形状や寸法に合わせてコア部材の寸法や形状を決定し、コア部材を形成する。当該コア部材の形成方法は、センタレス、プレス又は鋳造による形成等が考えられるが、これらに限られない。
【0045】
次に、図7に示すように、当該コア部材の外表面に酸化膜を形成する。具体的には、有機酸である電解液に、コア部材を入れ、これを陽極として電流を流すことで酸化膜が得られる。その他の方法として、コア部材を真空状態にして、金属を蒸着させるようにすることもできる。
【0046】
そして、当該酸化膜の外表面に、着色用塗料12を形成する。具体的には、酸化膜の上に着色用塗料(例えば、アクリル製、ウレタン製又はエポキシ製等)を塗布(スプレーやシゴキ等による)し、UV又は熱により硬化させる。
【0047】
本発明の一実施形態に係る釣竿1によれば、コア部材との密着性を向上させながら、重量増大を抑制し、かつ感度を向上させることができる釣竿を提供することが可能となる。
【0048】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 釣竿
2 竿体
3 元竿
4 コア部材
5 中竿
6 リール
6a リール脚
7 穂先竿
8 酸化膜
9 リールシート
10 釣糸ガイド
11 層構造
12 着色用塗料
13 層構造
14 コーティング用塗料
15 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)
16 糸
17 樹脂(糸止め剤)
18 層構造
19 被覆塗料(トップコート用塗料)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7