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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113933
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】フェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/24 20060101AFI20220729BHJP
   E04H 17/20 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
E04H17/24
E04H17/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009961
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】香月 康彦
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄一
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142BB02
2E142DD01
2E142EE00
2E142HH01
2E142HH12
2E142HH13
2E142HH22
2E142JJ06
2E142MM02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】設置面に立設する第1支柱に第2支柱を取付ける際、施工しやすく、しかも、施工後は、がたつきが生じにくい支柱を備えたフェンスを提供する。
【解決手段】第1支柱30と第2支柱40とを有する支柱と、支柱間に取付けられたパネル材とを備えたフェンスであって、第1支柱30は管体であって、第2支柱40は、第1支柱30内に挿入される係止部50を有し、係止部50は、上下方向に形成された一対の対向面部51と、一対の対向面部51、51を貫通するスペーサ53とを備え、スペーサ53は、長手方向に沿って形成された雄ねじ部と、雄ねじ部に螺合された2個の雌ねじ部材54、54とを備え、雌ねじ部材54、54を対向面部51、51間に配置されているように構成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1支柱と、前記第1支柱に取付けられる第2支柱とを有する支柱と、
前記支柱間に取付けられたパネル材と、
を備えたフェンスであって、
前記第1支柱は、管体からなり、
前記第2支柱は、前記第1支柱内に挿入される係止部を有し、
前記係止部は、上下方向に形成された一対の対向面部と、前記一対の対向面部とを貫通するスペーサとを備え、
前記スペーサは、長手方向に沿って形成された雄ねじ部と、前記雄ねじ部に螺合された2個の雌ねじ部材とを備え、
前記雌ねじ部材は、前記対向面部間に配置されている
ことを特徴とするフェンス。
【請求項2】
前記スペーサは、上下方向の離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフェンス。
【請求項3】
前記対向面部は、対向する一方の側端部が接続部により接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェンス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅やマンション等の敷地境界部や隣地境界部に沿って設けられるフェンスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅や工場等の敷地の境界部に沿って設けられるフェンスは、メッシュパネル、格子材、金属、木材、合成樹脂等からなるパネル材を支柱に固定し、これを幅方向(左右方向)に多数連結するものが多数提案されている。
【0003】
この中で、外部からのフェンスの乗り越えを防止するために、パネル材を上下方向に複数段配置し、最上段の塀パネルを敷地外に傾けた、いわゆる、忍び返し型のフェンスが用いられている。
【0004】
忍び返し型の塀の場合、最上段のパネル材を固定するために、上端部を敷地外に傾けた支柱を用いる必要があった。そのため、一部屈曲した支柱が必要となるため、支柱の輸送がしにくいものであった。
【0005】
そこで本出願においては、特許文献1において、地表に適宜間隔で立設された第1支柱とこの第1支柱間に架設された第1フェンスパネル(パネル材)と、この第1支柱上端に着脱自在に設けられた第2支柱と、この第2支柱間に架設された第2フェンスパネル(パネル材)とからなり、第1支柱は管体からなり、第2支柱は下端に第1支柱の内面に係合する係合部が設けられ、この係合部が第1支柱の上端に挿入固着された忍び返し付フェンスを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-301629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1においては、既設のフェンスの支柱に容易に支柱を増設することができる。加えて、新設のフェンスの場合においては、第1支柱と第2支柱とを分割して輸送することができるので、輸送効率が高まる効果も期待することができる。一方、第2支柱において、第1支柱の内面に係合する係合部は、第1支柱の内面に対して、ぴったり係合する形状で設計してしまうと、製造上、加工上のわずかな誤差が生じうるため、第1支柱の内面に対して係合部が大きくなる可能性があり、第1支柱内に係合部を挿入できなくなるおそれがある。そこで、通常は、第1支柱の内面に対して、係止部の外形はやや小さくしている。これにより、第1支柱に対して係合部を挿入しやすくなるが、挿入後は、第1支柱の内面に対して、係合部との間に隙間が生じやすくなる。そのため、ボルトを介して第1支柱と係合部とを固定しても、第1支柱に対して第2支柱のがたつきが生じやすくなるので、ボルトが緩み、更にがたつきが増して、支柱が破損したり、変形したりするおそれがあった。
【0008】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、設置面に立設する第1支柱に第2支柱を取付ける際、施工しやすく、しかも、施工後は、がたつきが生じにくい支柱を備えたフェンスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわち本発明に係るフェンスは、第1支柱と、前記第1支柱に取付けられる第2支柱とを有する支柱と、前記支柱間に取付けられたパネル材と、を備えたフェンスであって、前記第1支柱は、管体からなり、前記第2支柱は、前記第1支柱内に挿入される係止部を有し、前記係止部は、上下方向に形成された一対の対向面部と、前記一対の対向面部とを貫通するスペーサとを備え、前記スペーサは、長手方向に沿って形成された雄ねじ部と、前記雄ねじ部に螺合された2個の雌ねじ部材とを備え、前記雌ねじ部材は、前記対向面部間に配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明において、前記スペーサは、上下方向の離れた位置に配置されたものとしてもよい。
【0011】
また、本発明において、前記対向面部は、対向する一方の側端部が接続部により接続されているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、雌ねじ部材の移動により、係止部の対向面部間の距離調整が可能となり、係止部50が第1支柱の内周面に当接するか、ほとんど隙間のない嵌合状態とすることが可能となり、第1支柱に対する第2支柱のがたつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るフェンスの実施の一形態を示す正面図である。
図2図1の側面図である。
図3図1の支柱の分解説明図である。
図4図3の第2支柱の説明図である。
図5図4の側面図である。
図6】第1支柱と第2支柱と関係を示す説明図である。
図7】本発明に係るフェンスの実施の他の形態を示す正面図である。
図8図7の側面図である。
図9図7の支柱の分解説明図である。
図10図9の第2支柱の説明図である。
図11図10の側面図である。
図12】第1支柱と第2支柱と関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。図1は本発明に係るフェンスの実施の一形態を示す正面図、図2は側面図である。図面において、10は支柱、20は支柱10間に取付けられたパネル材、30及び40は支柱10を構成する第1支柱及び第2支柱である。ここで、フェンス100の左右方向、上下方向、前後方向は、特に説明をしない限り、図1図2に示す左右方向、上下方向、前後方向と同じ方向であり、以下、これに基づき説明する。
【0015】
支柱10は、設置面に適宜間隔をあけて立設されており、下端部が設置面に埋設されて上下方向に立設する第1支柱30と、第1支柱30の上端に取付けられた第2支柱40とを備えている。
【0016】
第1支柱30は、本形態では、金属製の丸パイプであって、表面に塗装されている。第1支柱30間にはパネル材20が取付けられている。第2支柱40は、第1支柱30と接続される接続部41と、接続部41の上端から第1支柱30とは交差する方向である斜め上方に向けて形成された傾斜部42とを備えている。本形態では、接続部41及び傾斜部42は、いずれも金属製の丸パイプであって、傾斜部42の下端部及び接続部41の上端部を所定の角度で斜めに切断して、切断箇所を接合したものである。本形態では、第1支柱30、接続部41及び傾斜部42は同径である。
【0017】
パネル材20は、支柱10の間に取付けられており、本形態においては、第1支柱30間には板状のパネル材20aが取付けられており、第2支柱40には、メッシュ状のパネル材20bが取付けられている。なお、パネル材20としては、図示しないが、例えば、有刺鉄線を有するメッシュ状のパネルを用いてもよい。
【0018】
ここで、本形態では、第2支柱40の傾斜部42は、第1支柱30に対して、前方に30度傾斜したものであるので、メッシュ状のパネル材20bも前方に30度傾斜している。これにより、フェンス100の前方側から、メッシュ状のパネル材20bを乗り越えて後方の敷地側に浸入することが困難となる。
【0019】
次に、支柱10における、第1支柱30と第2支柱40と接続構造について説明する。図3は支柱10の分解説明図である。また図4図5は第2支柱40の説明図であって、図4は正面図、図5は側面図である。更に、図6は第1支柱30と第2支柱40と関係を示す説明図である。第2支柱40は、接続部41から下方に延びる係止部50を有しており、この係止部50が第1支柱30内に挿入される。本形態では、係止部50の上端部は、接続部41の内部に挿入されており、接続部41の内周面に溶接により固定されている。また係止部50は、相対向する一対の対向面部51、51を有している。対向面部51は、それぞれ上下方向の同じ高さ位置に厚さ方向に貫通する貫通孔52を有している。
【0020】
貫通孔52には、棒状のスペーサ53が挿通されており、スペーサ53の一端が一方の貫通孔52に挿通され、スペーサ53の他端が他方の貫通孔52に挿通されている。スペーサ53は外周面に雄ねじが形成された雄ねじ部53aを有しており、雄ねじ部53aには、雌ねじ部材54が2個螺合されている。雌ねじ部材54、54は、いずれも相対向する対向面部51、51の間に配置されており、対向面部51に向けて移動可能である。また雌ねじ部材54の外形は、貫通孔52の内形よりも大きいので、雌ねじ部材54は貫通孔52を通って外方へ移動することができない。
【0021】
これにより、一方の雌ねじ部材54を一方の対向面部51に向けて移動させ、他方の雌ねじ部材54を他方の対向面部51に向けて移動させる、すなわち、スペーサ53の長手方向を軸として雌ねじ部材54を回動させると、それぞれの雌ねじ部材54が移動方向にある対向面部51に当接する。
【0022】
更に、どちらかの雌ねじ部材54を上述と同方向に移動させる、例えば、一方の雌ねじ部材54を上述と同方向に移動させると、雌ねじ部54に押された対向面部51同士が離れることになる。これにより、対向面部51間の距離を調整することができる。一方、2個の雌ねじ部材54をそれぞれ逆方向に移動させると、雌ねじ部材54は、いずれも対向面部51から離れるので、対向面部51は雌ねじ部材54から荷重を受けない初期の位置に戻る。
【0023】
係止部50は、図6に示すように、内周面31に当接しうるのは、一対の対向面部51における両側端部の4箇所であり、加工時の誤差が生じても、対向面部51の初期の位置において、少なくとも2箇所が内周面31に当接しないようにする。これにより、係止部50を第1支柱30内に挿入する際、対向面部51間の距離を拡げるように調整することで、係止部50の両側端部の4箇所が内周面31に当接するか、内周面31との間にほとんど隙間がない嵌合状態とすることができる。これにより、係止部50は、第1支柱30内では径方向の移動が規制されるので、第2支柱40は第1支柱30に対するがたつきを抑えることができる。
【0024】
第1支柱30と第2支柱40とを連結するには、図3に示すように、第1支柱30の上端部に径方向に貫通する貫通孔32を設け、第1支柱30内に挿入された係止部50においても、貫通孔32に対応する位置に貫通孔55を設け、これら貫通孔32、55を挿通するボルトB1を介して連結する方法を挙げることができる。貫通孔32、55は、ボルトB1が挿通できる大きさであるので、貫通孔32、55の大きさに応じて、前記がたつきが生じるおそれがあるが、第1支柱30の径方向に対しては上述の通りにがたつきが抑えられており、また第2支柱40の自重により、上下方向には容易には移動することができない。したがって、前記がたつきは生じにくくなる。なお、本形態では、ボルトB1を利用して、パネル材20aを取付けるための取付部材60を第1支柱30に固定している。
【0025】
本形態では、図3図4に示すように、係止部50の上下方向の寸法をなるべく長くするとともに、少なくとも係止部50の上部及び下部にそれぞれスペーサ53を配置している。これにより、係止部50の上部及び下部それぞれにおいて対向面部51間の距離を調整することが可能となり、係止部50の上下方向にわたって第1支柱30の内周面31との隙間を可及的に少なくすることができるので、前述のがたつきを更に抑えることができる。
【0026】
また、この構造により、下側のスペーサ53は、係止部50を第1支柱30内に挿入しやすくするために、係止部50の外形を内周面31に当接される状態よりもやや小さくなるように雌ねじ部材54の位置を調整し、上側のスペーサ53は、内周面31に当接する程度の外形となるように雌ねじ部材54の位置を調整することができる。
【0027】
これにより、係止部50の下部を第1支柱30内に挿入しやすくなる。係止部50が第1支柱30内を下方に向けて移動するにつれて、第1支柱30の上端においては、係止部50が内周面31に当接しやすくなり、挿入操作が阻害される可能性はあるが、第2支柱40の自重により挿入操作の阻害が緩和されうるので、作業性を損なうことがない。そして、挿入操作が完了した後は、係止部50の上部においては、係止部50と内周面31がほぼ当接した状態、又は当接していなくても、隙間が非常に少ない状態となるので、前述のがたつきを効果的に抑えることができる。
【0028】
また、本形態では、対向面部51、51同士は、一方の側端部同士が接続部56によって接続されて、係止部50は横断面コ字状となされている。
【0029】
これにより、対向面部51の接続部56側は、雌ねじ部材54を調整しても、対向面部51間の距離は変わらず、反対側の距離が変更される。したがって、係止部50を第1支柱30内に挿入する際、係止部50の接続部56側が内周面31に当接した状態とし、スペーサ53の雌ねじ部材54の位置を調整して、その反対側が内周面31に当接する状態、又は内周面31とわずかに隙間が生じた状態とすればよい。すなわち、接続部56を有していない場合、雌ねじ部材54の位置を調整すると、対向面部51、51の両側端部において、それぞれ距離が変更されるため、調整作業がやや複雑になる可能性があるが、本形態のように接続部56を有した構造とすることにより、雌ねじ部材54の調整作業が容易になる。
【0030】
一般に、忍び返し型のフェンスにおいて、本形態のように、忍び返しの箇所が敷地の外側に向けて傾斜する形態(外忍び)であるが、設置場所の状況、例えば、敷地外へのはみ出しが制限されている場所である場合は、忍び返しの箇所が内側に傾斜した形態(内忍び)を設置する場合がある。本形態であれば、第1支柱30を設置面に立設した後であっても、第2支柱40を前後方向に反転させて取付けることが可能であるので、外忍び型から内忍び型への変更も容易である。
【0031】
図7図12は、本発明のフェンス100における他の実施形態を示す説明図である。すなわち、図7は本形態に係るフェンス100の正面図、図8は側面図、図9は支柱10の分解説明図である。また、図10図11は第2支柱40の説明図であって、図4は正面図、図5は側面図である。更に、図12は第1支柱30と第2支柱40と関係を示す説明図である。本形態は、図1図6に示されたフェンス100と比べて、主に支柱10の断面形状、第2支柱40の係止部50の形態が異なるものであり、既に説明した内容と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0032】
本形態に係るフェンス100は、第1支柱30及び第2支柱40が断面矩形状であり、第2支柱40の係止部50は、第1支柱30の断面形状に合わせた形態である。
【0033】
係止部50は、相対向する対向面部51を有している点は、図1図6に示されたフェンス100と同様であるが、具体的な形状が異なっているので、以下に詳しく説明する。
【0034】
対向面部51は、両側端部が、対向する対向面部51から離れる方向に向けて形成された傾斜片57を有しており、対向面部51の両側端部の傾斜片57により、ハの字状に形成されている。そして、係止部50を第1支柱30内に挿入した状態において、2個の対向面部51にそれぞれ形成された4個の傾斜片57は、第1支柱30の内周面31の四隅に向くように形成されている。
【0035】
これにより、各傾斜片57が内周面31の四隅と嵌合するように係止部50を第1支柱30内に挿入すれば、各傾斜片57を第1支柱30の内周面31の四隅とほとんど隙間がない嵌合状態とすることができる。これにより、第1支柱30内の係止部50は、第1支柱30の断面方向の移動が規制されるので、第2支柱40は第1支柱30に対するがたつきを抑えることができる。
【0036】
本形態では、第1支柱30の内周面31の四隅には、面取りされた面取部33が長手方向に沿って形成されており、面取部33に対向面部51の傾斜片57が当接した状態、又はわずかに隙間が生じた状態となされている。
【0037】
ここで、対向面部51は、第1支柱30において、断面矩形状の内周面31において対向する一対の辺、本形態においては長辺の形成方向に沿って配置されている。そのため、対向面部51は、長辺側に対しては雌ねじ部材54の位置調整により、傾斜片57と内周面31の長辺側との間隔を調整することができるので、当接した状態、又はわずかに隙間が生じた状態とすることができる。一方、短辺側に対しては雌ねじ部材54の位置調整では、傾斜片57と内周面31の短辺側との間隔を調整することができない。しかしながら、対向面部51の両端の傾斜片57間の距離が、一対の短辺間の距離より短くても、前述の雌ねじ部材54の位置調整により面取部33に対しては、当接した状態、又はわずかに隙間が生じた状態とすることができる。つまり、面取部33により係止部50の短辺側への移動を規制することができる。
【0038】
したがって、雌ねじ部材54の位置調整により、第2支柱40は、第1支柱30に対するがたつきを更に抑えることができる。
【0039】
また本形態では、図1図6に示されたフェンス100と同様に、係止部50には、上下に間隔をあけて2個のスペーサ53が配置されている。
【0040】
これにより、係止部50の下部を第1支柱30内に挿入しやすくなる。また係止部50が第1支柱30内を下方に向けて移動するにつれて、第1支柱30の上端においては、傾斜片57が対応する面取部33と当接しやすくなり、挿入操作が阻害される可能性はあるが、第2支柱40の自重により挿入操作の阻害が緩和されうるので、作業性を損なうことがない。そして、挿入操作が完了した後は、係止部50の上部においては、傾斜片57と面取部33とがほぼ当接した状態、又は当接していなくても、隙間が非常に少ない状態となるので、前述した第2支柱40のがたつきを効果的に抑えることができる。
【0041】
本発明に係るフェンス100は、第1支柱30と、第1支柱30に取付けられる第2支柱40とを有する支柱10と、支柱10間に取付けられたパネル材20と、を備えたフェンス100であって、第1支柱30は、管体からなり、第2支柱40は、第1支柱30内に挿入される係止部50を有し、係止部50は、上下方向に形成された一対の対向面部51と、前記一対の対向面部51、51を貫通するスペーサ53とを備え、スペーサ53は、長手方向に沿って形成された雄ねじ部53aと、雄ねじ部53aに螺合された2個の雌ねじ部材54とを備え、雌ねじ部材54は、対向面部51、51間に配置されていることを特徴とするものである。
【0042】
これにより、雌ねじ部材54の移動により、対向面部51、51間の距離調整が可能となり、係止部50が第1支柱30の内周面31に対して当接するか、ほとんど隙間のない嵌合状態とすることが可能となり、第1支柱30に対する第2支柱40のがたつきを抑えることができる。
【0043】
本発明において、スペーサ53は、上下方向の離れた位置に配置されたものとしてもよい。
【0044】
これにより、下側のスペーサ53は、係止部50を第1支柱30内に挿入しやすくするために、係止部50の外形を内周面31に当接される状態よりもやや小さくなるように雌ねじ部材54の位置を調整し、上側のスペーサ53は、内周面31に当接される程度の外形となるように雌ねじ部材54の位置を調整することで、係止部50を第1支柱30内に挿入しやすくなり、かつ、第1支柱30に対する第2支柱40のがたつきを更に抑えることができる。
【0045】
本発明において、対向面部51、51は、対向する一方の側端部が接続部56により接続されているものとしてもよい。
【0046】
これにより、雌ねじ部材54の移動により、対向面部51、51間の距離調整した際に、対向面部51の接続部56側は、雌ねじ部材54を調整しても、対向面部51間の距離は変わらず、反対側の距離が変更されるので、内周面31に対する対向面部51の調整が更に容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、ひとつの支柱に別の支柱を連結する際、施工性に優れており、しかも、連結した支柱のがたつきを抑えることができるので、忍び返し型のフェンスのような、支柱の上端が傾斜した形態について、好適に適用することができる。加えて、フェンスの高さが比較的高い場合においても、長い支柱を1個用意するのではなく、短い支柱を複数本連結する場合にも好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 支柱
20 パネル材
20a パネル材
20b パネル材
30 第1支柱
31 内周面
32 貫通孔
33 面取部
40 第2支柱
41 接続部
42 傾斜部
50 係止部
51 対向面部
52 貫通孔
53 スペーサ
53a 雄ねじ部
54 雌ねじ部材
55 貫通孔
56 接続部
57 傾斜片
60 取付部材
100 フェンス
B1 ボルト

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12