(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113936
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】演出表示装置及びこれを備えた遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
A63F7/02 319
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009965
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】591150270
【氏名又は名称】日本ぱちんこ部品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 敬介
(72)【発明者】
【氏名】足立 義一
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA05
(57)【要約】
【課題】複数の表示体がベース部に隠れた待機位置から表示領域へ往復移動する意外性と、複数の表示体どうしをバリエーションの異なる形態に組み合わせて表示構成体として演出表示する意外性を兼ね備えることで大当たりへの期待感を増大させ遊技者の興趣を持続的に高めることができる演出表示装置を提供する。
【解決手段】 駆動源37,39,44と、駆動源37,39,44の駆動を複数の表示体20a~20gに駆動伝達する駆動伝達機構と、駆動源37,39,44及び駆動伝達機構より駆動伝達され、複数の表示体20a~20gが移動可能に設けられる取付ベース部19と、駆動源37,39,44を駆動して駆動伝達機構を通じて複数の表示体20a~20gを表示領域Pから退避した待機位置Wから表示領域Pに出現する表示位置Dへ移動させて表示構成体20として組み合わせて演出表示される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の始動条件に応じて移動する複数の表示体を表示領域で組み合わせて演出表示する演出表示装置であって、
駆動源と、
前記駆動源の駆動を前記表示体に駆動伝達する駆動伝達機構と、
前記駆動源及び前記駆動伝達機構より駆動伝達され、複数の前記表示体が移動可能に設けられる取付ベース部と、
前記駆動源を駆動して前記駆動伝達機構を通じて複数の前記表示体を前記表示領域から退避した待機位置から前記表示領域に出現する表示位置へ移動させて表示構成体として組み合わせて演出表示されることを特徴とする演出表示装置。
【請求項2】
前記表示体は、待機位置と表示位置との間をスライド移動する請求項1記載の演出表示装置。
【請求項3】
前記表示体は、個別に点灯及び消灯する発光手段を備えている請求項1又は請求項2記載の演出表示装置。
【請求項4】
前記表示構成体は、1または複数の表示体を支持する第一表示ユニットと、前記第一表示ユニットと連動する1または複数の表示体を支持する第二表示ユニットと、を含む請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の演出表示装置。
【請求項5】
第一表示体及び第二表示体を支持する前記第一表示ユニットと、第三表示体を支持する前記第二表示ユニットと、を備え、前記駆動伝達機構は、前記駆動源の駆動により前記第一表示ユニット及び前記第二表示ユニットを連動してスライド移動させ、前記第一表示体乃至前記第三表示体を待機位置と表示位置との間をスライド移動させる請求項4記載の演出表示装置。
【請求項6】
前記第二表示ユニットには、昇降可能なスライド部材に複数のピニオンギヤが直列配置で互いに噛み合うピニオンギヤ列が回転可能に支持されており、前記第一表示ユニットには、前記ピニオンギヤ列の上端と噛み合う第一ラックギヤが設けられ、前記取付ベース部には前記ピニオンギヤ列の下端と噛み合う第二ラックギヤが設けられており、昇降用モータの駆動によって前記スライド部材を昇降させて前記ピニオンギヤ列を回転させることで当該ピニオンギヤ列と噛み合う前記第一ラックギヤを介して前記第一表示ユニットを昇降させる請求項5記載の演出表示装置。
【請求項7】
前記第三表示体は付勢手段により前記スライド部材の下端側に向かって常時付勢されており、前記第一表示体及び第二表示体が待機位置から表示位置へ移動する際に前記第一表示ユニットと前記第三表示体が連繋すると一体となって上昇して前記第三表示体を前記スライド部材の上端側へ移動させ、前記第一表示体及び第二表示体が表示位置から待機位置に戻る下降動作に連動して第三表示体は前記付勢手段の付勢により前記スライド部材の下端側に戻される請求項6記載の演出表示装置。
【請求項8】
前記駆動伝達機構は、前記複数の表示体に対応する位相の異なるカム機構を備え、前記駆動源の駆動により前記カム機構を動かすことで前記表示体を個別に変位させる請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の演出表示装置。
【請求項9】
前記駆動伝達機構は、前記駆動源の駆動により回転するカムギヤの両面に位相の異なるカム溝を備え、前記各カム溝に挿入されるカムフォロワを備えた揺動アームが各々揺動することで前記揺動アームに対応して設けられる表示体を個別に回転させる請求項8記載の演出表示装置。
【請求項10】
前記表示構成体は、第一回転アームに支持され待機位置と表示位置との間を回転する第四表示体と、前記第一回転アームと長さが異なる第二回転アームに支持され待機位置と表示位置との間を回転する第五表示体を有する第三表示ユニットと、第三回転アームに支持され待機位置と表示位置との間を回転する第六表示体と、前記第三回転アームと長さが異なる第四回転アームに支持され待機位置と表示位置との間を回転する第七表示体を有する第四表示ユニットと、を含む請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の演出表示装置。
【請求項11】
前記第三表示ユニットは、前記第一回転アームと一端が連繋して揺動する第一揺動アームと、前記第二回転アームと一端が連繋して揺動する第二揺動アームと、前記第一揺動アームの他端に設けられた第一カムフォロワが挿入される第一カム溝と前記第二揺動アームの他端に設けられた第二カムフォロワが挿入される前記第一カム溝と位相が異なる第二カム溝を両面に有する第一カムギヤを備え、第一回転用モータによって第一カムギヤを所定方向に回転させて前記第一揺動アーム及び/又は前記第二揺動アームを揺動させて前記第一回転アームと前記第二回転アームを待機位置と表示位置との間を各々回転させる請求項10記載の演出表示装置。
【請求項12】
前記第四表示ユニットは、前記第三回転アームと一端が連繋して揺動する第三揺動アームと、前記第四回転アームと一端が連繋して揺動する第四揺動アームと、前記第三揺動アームの他端に設けられた第三カムフォロワが挿入される第三カム溝と前記第四揺動アームの他端に設けられた第四カムフォロワが挿入される前記第三カム溝と位相が異なる第四カム溝を両面に有する第二カムギヤとを備え、第二回転用モータによって第二カムギヤを各々所定方向に回転させて前記第三揺動アーム及び/又は前記第四揺動アームを揺動させて前記第三回転アームと前記第四回転アームを待機位置と表示位置との間を各々回転させる請求項10記載の演出表示装置。
【請求項13】
直線移動する1又は複数の表示体のいずれかの辺縁部と回転移動する1又は複数の表示体のいずれかの辺縁部には磁石が各々設けられており、表示位置に移動して表示体どうしが互いに近接すると磁石どうしが磁着して表示構成体が形成される請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の演出表示装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の演出表示装置を液晶表示装置の表示画面より前面側に表示可能に設けられ、所定の始動条件に応じて前記演出表示装置によって表示位置に表示構成体が演出表示される遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出表示装置及びこれを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの遊技機は、球受け皿に貯留された遊技球を球発射装置の発射位置へ誘導し、前枠又は内枠に設けた発射ハンドルの操作により球発射装置を作動させて遊技盤の遊技領域に向かって遊技球を発射させる。遊技盤には、識別情報を可変表示する可変表示装置や風車、チャッカー、賞球が払い出される普通入賞口や図柄表示装置で抽選が開始される始動入賞口、大当たりが発生した場合に開口するアタッカー(大入賞口)などの役物が設けられている。
【0003】
始動入賞口に遊技球が入賞すると、液晶画面に識別情報を可変表示したり、セグメント表示装置のセグメントの点灯により識別情報を可変表示したりするようにしていたが、斬新さに欠け、遊技者を飽きさせてしまう要因となっていた。
そこで、7つの表示体が上段、中段、下段の所定の位置に配置された初期状態から、各表示体が点灯変化したり、中段及び下段の表示体を90度回転変化させて数字の8を形成したりして、初期状態とは異なる複数種類の表示情報を表示可能な可変表示装置が提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、可動図柄表示部として、第1可動表示部及び第2可動表示部を備え、所定の始動入賞口へのパチンコ球の入賞を契機として所定の作動条件が成立した場合に、第1可動表示部を構成する第1~第4の可動ベース部K1~K4が第1の表示形態から第2の表示形態に変形すると共に、第2可動表示部を構成する第5~第7の可動ベース部K5~K7が第1の表示形態から第2の表示形態に変形することで、意外性を高める演出が行われている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-23019号公報
【特許文献2】特開2015-29651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1の可変表示装置は、所謂7つの表示体で形成された三の字若しくは8の字を表示した表示状態から表示体の点灯状態を変化させているだけであり、可変表示装置の形態は常に遊技者に視認されているため、変化に乏しく興趣が薄れやすい。
【0007】
また特許文献2の可動図柄表示部は、7セグメントを構成する第1可動表示部及び第2可動表示部が第1の表示形態と第2の表示形態とで接離動を伴って変形するため、表示形態の変化は認められるものの、表示形態は8の字をベースとした上下分離表示であるため、遊技者が容易に予測し易い形態であり、遊技者の興趣が薄れるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の表示体がベース部に隠れた待機位置から表示領域へ往復移動する意外性と、複数の表示体どうしをバリエーションの異なる形態に組み合わせて表示構成体として演出表示する意外性を兼ね備えることで大当たりへの期待感を増大させ遊技者の興趣を持続的に高めることができる演出表示装置を提供しそれを備えて斬新な演出が行える遊技機を提供することにある。
【0009】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備えることを特徴とする。
所定の始動条件に応じて移動する複数の表示体を表示領域で組み合わせて演出表示する演出表示装置であって、駆動源と、前記駆動源の駆動を前記表示体に駆動伝達する駆動伝達機構と、前記駆動源及び前記駆動伝達機構より駆動伝達され、複数の前記表示体が移動可能に設けられる取付ベース部と、前記駆動源を駆動して前記駆動伝達機構を通じて複数の前記表示体を前記表示領域から退避した待機位置から前記表示領域に出現する表示位置へ移動させて表示構成体として組み合わせて演出表示されることを特徴とする。
これにより、例えば遊技球の入賞等の所定の始動条件に応じて駆動源を起動して駆動伝達機構により複数の表示体が取付ベース部に隠れた待機位置から表示領域へ出現させて任意の形態を有する表示構成体に組み合わせて演出表示される。よって、遊技者は、複数の表示体がベース部に隠れた待機位置と表示領域との間を往復動する意外性と、複数の表示体どうしをバリエーションが異なる形態を有する表示構成体に組み合わせて表示される意外性を兼ね備えることで大当たりへの期待感を増大させて遊技者の興趣を持続的に高めることができる。
【0010】
前記表示体は、待機位置と表示位置との間をスライド移動するようにしてもよい。ここでいうスライド移動とは曲線移動若しくは直線移動するようにしてもよい。
これにより、曲線移動する表示体と直線移動する表示体の待機位置と表示領域との往復動により表示態様を常に変化させることができ、しかも表示体どうしを組み合わせて形成される表示構成体のバリエーションが多く遊技者を飽きさせない演出表示が可能になる。
【0011】
複数の前記表示体は、個別に点灯及び消灯する発光手段を備えていてもよい。これにより、複数の表示体自体の点灯表示を変化に加えて、表示構成体の点灯表示を変化させることで、表示形態のバリエーションを更に広げて演出効果を高めることができる。
【0012】
前記表示構成体は、1または複数の表示体を支持する第一表示ユニットと、前記第一表示ユニットと連動する1または複数の表示体を支持する第二表示ユニットと、を含んでいてもよい。
このように、第一表示ユニットと第二表示ユニットの連動により1または複数の表示体を待機位置と表示領域との間を往復移動させることで表示構成体のバリエーションを広げることができる。
【0013】
第一表示体及び第二表示体を支持する前記第一表示ユニットと、第三表示体を支持する前記第二表示ユニットと、を備え、前記駆動伝達機構は、前記駆動源の駆動により前記第一表示ユニット及び前記第二表示ユニットを連動してスライド移動させ、前記第一表示体乃至前記第三表示体を待機位置と表示位置との間をスライド移動させるようにしてもよい。
よって、単一の駆動源の駆動をコンパクトな駆動伝達機構によって駆動伝達して第一表示体乃至第三表示体のスライド動作を実現することができる。
【0014】
前記第二表示ユニットには、昇降可能なスライド部材に複数のピニオンギヤが直列配置で互いに噛み合うピニオンギヤ列が回転可能に支持されており、前記第一表示ユニットには、前記ピニオンギヤ列の上端と噛み合う第一ラックギヤが設けられ、前記取付ベース部には前記ピニオンギヤ列の下端と噛み合う第二ラックギヤが設けられており、昇降用モータの駆動によって前記スライド部材を昇降させて前記ピニオンギヤ列を回転させることで当該ピニオンギヤ列と噛み合う前記第一ラックギヤを介して前記第一表示ユニットを昇降させるようにしてもよい。
これにより、昇降用モータの駆動によってスライド部材を昇降させるとピニオンギヤ列を介して噛み合う第一表示ユニット及び第二表示ユニットを昇降させて第一表示体乃至第三表示体を待機位置と表示位置との間を往復動させることができる。また、第一表示体乃至第三表示体が待機位置と表示位置との間を昇降する意外性と他の表示体どうしを組み合わせた様々なバリエーションの表示構成体を演出表示することができる。
【0015】
前記第三表示体は付勢手段により前記スライド部材の下端側に向かって常時付勢されており、前記第一表示体及び第二表示体が待機位置から表示位置へ移動する際に前記第一表示ユニットと前記第三表示体が連繋すると一体となって上昇して前記第三表示体を前記スライド部材の上端側へ移動させ、前記第一表示体及び第二表示体が表示位置から待機位置に戻る下降動作に連動して第三表示体は前記付勢手段の付勢により前記スライド部材の下端側に戻されるようにしてもよい。
これにより、別途駆動源を設けて駆動伝達しなくても第一表示体及び第二表示体の昇降動作にあわせて第三表示体を表示位置と待機位置との間を往復移動させることができる。
【0016】
前記駆動伝達機構は、前記複数の表示体に対応する位相の異なるカム機構を備え、前記駆動源の駆動により前記カム機構を動かすことで前記表示体を個別に変位させるようにしてもよい。
これにより、単一の駆動源の駆動で複数のカム機構を動かすことで複数の表示体を変位させることができる。
【0017】
前記駆動伝達機構は、前記駆動源の駆動により回転するカムギヤの両面に位相の異なるカム溝を備え、前記各カム溝に挿入されるカムフォロワを備えた揺動アームが各々揺動することで前記揺動アームに対応して設けられる表示体を個別に回転させるようにしてもよい。
これにより、単一の駆動源の駆動でカムギヤを回転させることで複数の表示体を各々回転変位させることができる。
【0018】
前記表示構成体は、第一回転アームに支持され待機位置と表示位置との間を回転する第四表示体と、前記第一回転アームと長さが異なる第二回転アームに支持され待機位置と表示位置との間を回転する第五表示体を有する第三表示ユニットと、第三回転アームに支持され待機位置と表示位置との間を回転する第六表示体と、前記第三回転アームと長さが異なる第四回転アームに支持され待機位置と表示位置との間を回転する第七表示体を有する第四表示ユニットと、を含んでいてもよい。
これにより、第三表示ユニットの回転動作により第四表示体、第五表示体が待機位置と表示領域との間を回転し、第四表示ユニットの回転動作により第六表示体、第七表示体が待機位置と表示位置との間を回転する。よって、第三表示ユニット及び/又は第四表示ユニットを回転させ或いはこれらの回転動作を組み合わせることで1または複数の表示体を待機位置と表示位置との間を回転させることで表示構成体のバリエーションを広げることができる。
【0019】
前記第三表示ユニットは、前記第一回転アームと一端が連繋して揺動する第一揺動アームと、前記第二回転アームと一端が連繋して揺動する第二揺動アームと、前記第一揺動アームの他端に設けられた第一カムフォロワが挿入される第一カム溝と前記第二揺動アームの他端に設けられた第二カムフォロワが挿入される前記第一カム溝と位相が異なる第二カム溝を両面に有する第一カムギヤを備え、第一回転用モータによって第一カムギヤを所定方向に回転させて前記第一揺動アーム及び/又は前記第二揺動アームを揺動させて前記第一回転アームと前記第二回転アームを待機位置と表示位置との間を各々回転させるようにしてもよい。
これにより、第一回転用モータの回転駆動をコンパクトな駆動伝達機構によって駆動伝達して第一回転アーム及び第二回転アームの個別な回転動作を実現することができる。よって、第四表示体及び第五表示体が待機位置と表示位置との間を回転する意外性と他の表示体どうしを組み合わせた様々なバリエーションの表示構成体を演出表示することができる。
【0020】
前記第四表示ユニットは、前記第三回転アームと一端が連繋して揺動する第三揺動アームと、前記第四回転アームと一端が連繋して揺動する第四揺動アームと、前記第三揺動アームの他端に設けられた第三カムフォロワが挿入される第三カム溝と前記第四揺動アームの他端に設けられた第四カムフォロワが挿入される前記第三カム溝と位相が異なる第四カム溝を両面に有する第二カムギヤとを備え、第二回転用モータによって第二カムギヤを各々所定方向に回転させて前記第三揺動アーム及び/又は前記第四揺動アームを揺動させて前記第三回転アームと前記第四回転アームを待機位置と表示位置との間を各々回転させるようにしてもよい。
これにより、第二回転用モータの回転駆動をコンパクトな駆動伝達機構によって駆動伝達して第三回転アーム及び第四回転アームの個別な回転動作を実現することができる。よって、第六表示体及び第七表示体が待機位置と表示位置との間を回転する意外性と他の表示体どうしを組み合わせた様々なバリエーションの表示構成体を演出表示することができる。
【0021】
また、第一表示ユニット及び/又は第二表示ユニットが昇降動作することで第一表示体乃至第三表示体が待機置と表示位置との間を昇降し、第三表示ユニット及び/又は第四表示ユニットの回転動作により第四表示体乃至第七表示体が待機位置と表示領域との間を回転する。
よって、七つの表示体を待機位置と表示位置との間を各々移動させることで、複数の表示体が待機位置から表示位置へ往復移動する意外性と、複数の表示体どうしを組み合わせて様々なバリエーションの表示構成体を構成して演出表示することができ、遊技者を飽きさせない演出を行なうことができる。
【0022】
直線移動する前記第一表示体乃至第三表示体のいずれかの辺縁部と回転移動する第四表示体乃至第七表示体のいずれかの辺縁部には磁石が各々設けられており、表示領域に移動して互いに近接すると磁石どうしが磁着して表示構成体が形成されるようにしてもよい。
これにより、第一表示体乃至第七表示体のいずれかが組み合わされて形成される表示構成体の表示形態を安定させることができる。
【0023】
遊技機においては、上述したいずれかに記載の演出表示装置を液晶表示装置の表示画面より前面側に表示可能に設けられ、所定の始動条件に応じて前記演出表示装置によって表示領域に表示構成体が演出表示されることを特徴とする。
これにより、所定の始動条件(たとえば遊技球の入賞等)に応じて演出表示装置が表示領域に表示構成体を演出表示することで、遊技者を飽きさせることなく、斬新な演出を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、複数の表示体が表示領域から退避した待機位置から表示領域に出現する表示位置へ往復移動する意外性と、表示体どうしをバリエーションの異なる形態に組み合わせて表示構成体として表示する意外性を兼ね備えることにより、大当たりへの期待感を増大させ遊技者の興趣を持続的に高めた演出表示装置を提供することができる。また、その演出表示装置と液晶表示装置を備えて、液晶表示画面との相互作用により表示態様が連続変化することにより、斬新な演出が行える遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】演出表示装置の待機状態の正面図及び背面図である。
【
図3】演出表示装置の表示状態の正面図及び背面図である。
【
図5】スライド部材に組み付けられた第一表示ユニットの前面側斜視図及び背面側斜視図である。
【
図6】スライド部材に組み付けられた第二表示ユニットの前面側分解斜視図である。
【
図7】スライド部材に組み付けられた第二表示ユニットの背面側分解斜視図である。
【
図8】第三表示ユニットの前面側斜視図及び背面側斜視図である。
【
図9】第四表示ユニットの前面側斜視図及び背面側斜視図である。
【
図10】演出表示装置の表示構成体による表示領域の演出表示例を示す説明図である。
【
図11】他例にかかる第三表示ユニット及び第四表示ユニットの駆動伝達機構の構成例を示す動作前後の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1を参照して本実施形態に係る演出表示装置及び遊技機の概略構成について説明する。本実施例としては、遊技機の一例としてパチンコ機について説明するものとする。
【0027】
先ずパチンコ機1の概略構成について説明すると、
図1においてパチンコ機1の外形をなす矩形状の外枠2の側部に対して内枠ヒンジ3a,3bにより内枠(図示せず)が開閉可能に取り付けられ、該内枠の側部に対して前枠ヒンジ4a,4bにより前面枠4が開閉可能に取り付けられている。
【0028】
前面枠4の中央部には遊技者が遊技盤5を視認できる窓部(ガラス枠)6が設けられている。該窓部6の上方には装飾ランプ7などが設けられている。また、窓部6の下方には、貸球や賞球を貯留し図示しない球発射装置へ球を誘導する球受け皿8が設けられている。球受け皿8には、必要に応じて貯留されている遊技球を排出させる球抜きボタン9が設けられている。球受け皿8の右側には、図示しない球発射装置を作動及び遊技球の発射力を調整するための発射ハンドル10が設けられている。
【0029】
遊技盤5の盤面上にガイドレール11等によって略円形に形成される遊技領域内には、センター役物12として液晶表示装置13及び演出表示装置14が設けられている。演出表示装置14は、一例として一対の液晶表示装置13に挟まれた中央部に配置され、液晶表示装置13より前面側に設けられている。尚、演出表示装置14は一対の液晶表示装置13のいずれか一方に並んで配置されていても、単体で設けられていてもよい。
センター役物12の周囲には図示しない釘、スルーチャッカー、始動入賞口としての電動チューリップ15、アタッカー(大入賞口)16などの盤面部品が設けられ、遊技領域の最下端にはやアウト球(電動チューリップ15,アタッカー16に入賞しなかった遊技球)を回収するアウト口17が設けられている。
また、前面枠4にはシリンダ錠4cが設けられている。図示しないキーを鍵穴に挿入して回転操作することでシリンダ錠4cの開錠施錠が行われる。シリンダ錠4cはキーを差し込んで一方向へ回転させると外枠2と内枠の施錠が開錠され、他方向へ回転させると前面枠4と内枠の施錠が開錠するようになっている。
【0030】
次に、演出表示装置14の一例について、
図2乃至
図10を参照して説明する。演出表示装置14は、
図1の遊技盤5の中央部開口に設けられるセンター役物12の枠内に組み付けられ、例えば始動入賞口としての電動チューリップ15への遊技球の入賞にともなう始動条件に応じて演出表示する。
【0031】
演出表示装置14は、後述するように複数の駆動源と、駆動源の駆動を複数の表示構成体20に駆動伝達する駆動伝達機構と、複数の表示体(20a~20g)を表示領域Pより隠れた待機位置W(
図1参照)に各々待機させる取付ベース部19(例えば左機構ベース19a,右機構ベース19b,左モータベース23a,右モータベース23b,ベースカバー24を一体に組み合わせたもの)を有する。後述するように駆動源を駆動して駆動伝達機構を通じて複数の表示体(20a~20g)をベース部に隠れた表示領域Pから退避した待機位置Wから表示領域Pに出現する表示位置Dに移動させて任意の形態を有する表示構成体20として組み合わせて表示領域Pに演出表示される。表示構成体20は、複数の表示体、例えば第一表示体20a~第七表示体20g(所謂7セグメント表示部)を組み合わせて表示され、これらはセンター役物12の枠内である表示領域P(
図1参照)から退避して取付ベース部19に隠れた待機位置Wと表示領域Pに位置する表示位置Dとの間を曲線移動若しくは直線移動する。また、表示構成体20は、図示しないが個別に点灯及び消灯する発光手段(LEDランプ)を備えている。
【0032】
図2(a)(b)に示すように、表示構成体20は、取付ベース部19の中央部に昇降可能な中上表示ユニット21(第一表示ユニット)に支持され待機位置Wと表示位置Dとの間で直線移動する第一表示体20a及び第二表示体2bと、中上表示ユニット21の昇降動作に連動して直線移動する中下表示ユニット22(第二表示ユニット)に支持された第三表示体20cを備えている。取付ベース部19の後面側には左機構ベース19aと右機構ベース19bが一体に形成されている。また、
図4に示すように、右機構ベース19bの中央部側に第二ラックギヤ19cが設けられたラック板19dが組み付けられている。左機構ベース19a,右機構ベース19bの前面側には左モータベース23a,右モータベース23bが各々重ねて組み付けられる。また左モータベース23a,右モータベース23bの前面側にはベースカバー24が重ねて一体に組み付けられる。
【0033】
また、
図2(a)(b)において、取付ベース部19の左側には、第一回転アーム25に支持され待機位置Wと表示位置Dとの間を回転する第四表示体20dと、第一回転アーム25の背面側に重ねて配置された長さが異なる第二回転アーム26に支持された第五表示体20eを有する左回転ユニット27(第三表示ユニット)が設けられている。
また、取付ベース部19の右側には、第三回転アーム28に支持され待機位置Wと表示位置Dとの間で回転する第六表示体20fと、第三回転アーム28の背面側に重ねて配置された長さが異なる第四回転アーム29に支持された第七表示体20gを有する右回転ユニット30(第四表示ユニット)を有している。
【0034】
図5(a)に示すように、中上表示ユニット21は、ユニット本体21aの前面側に第一表示体20aと第二表示体20bが高さ方向に所定間隔を設けて固定されている。また、
図5(b)に示すように、ユニット本体21aのスライド部材31と重なる内側面部には、第一ラックギヤ21bが設けられている。第一ラックギヤ21bは後述するピニオンギヤ列32の上端ピニオンギヤ32aと常時噛み合っている。
【0035】
図5(b)に示すように、中下表示ユニット22は、昇降可能なスライド部材31の背面側に突設された複数の固定軸31aに複数のピニオンギヤが直列配置で互いに噛み合うピニオンギヤ列32が回転可能に支持されている(
図7参照)。
図7に示すように、スライド部材31の背面側には複数の固定軸31aと嵌合する嵌合孔33aが設けられたピニオンギヤカバー33が重ねて組み付けられる。スライド部材31の前面側には、スライドカバー34が重ねて組み付けられる。また、ユニット本体21aには長孔21dが上下方向に設けられている。長孔21dにはスライド部材31のボス軸31bが挿入されており、ユニット本体21aのスライド部材31に対する昇降動作をガイドするようになっている。
【0036】
図6に示すように、スライドカバー34の前面側右上方には嵌合孔34aが2か所に設けられ、背面側左下方にはボス部34bが2か所に突設されている(
図7参照)。スライド部材31の前面側右上方にはボス軸31bが2か所に設けられ、前面側左下方にはボス孔31cが2か所に設けられている。スライドカバー34は、前面側右上方に設けられた嵌合孔34aをボス軸31bと各々嵌合させ、背面側左下方に設けられたボス部34bをボス孔31cに嵌め込むことでスライド部材31に重ねて組み付けられボス孔にねじ止めすることで一体に固定される。スライド部材31の前面には後述する第三表示体20cが直線移動する長孔状のガイド孔34c,34dが長手方向(上下方向)に設けられている。
【0037】
図7に示すように、第三表示体20cの背面側には、上下一対のガイドボス20c1,20c2が突設されている。また、第三表示体20cの背面側上縁部には係止片20c3が、背面側下縁部にはガイド突起20c4が各々突設されている。
図6に示すように一対のガイドボス20c1,20c2はスライドカバー34のガイド孔34cに挿入され、ガイドボス20c2が背面側に延設されて抜け止め用の止め輪20c5が嵌め込まれ、ガイドボス20c2のボス孔に座金付き止めねじ20c6がねじ止めされて抜け止めされて組み付けられる。また、ガイド突起20c4はスライドカバー34のガイド孔34dに挿入され、第三表示体20cの昇降を規制する。
【0038】
また、
図6に示すように、スライド部材31の前面下端に設けられたボス部31dにはコイルばね35(付勢手段)の一端が止めねじ31eにより固定される。コイルばね35の他端は、第三表示体20cの背面側のガイドボス20c2がガイド孔34cを挿通したボス端部に止め輪20c5が嵌め込まれて第三表示体20cが抜け止めされ、座金付き止めねじ20c6を止め輪20c5に重ねてボス孔にねじ嵌合させて固定される(
図7参照)。コイルばね35は、第三表示体20cをスライドカバー34の下端側(ガイド孔34cの下方)に向かって常時付勢している。
図7に示すように、第三表示体20cは背面側下縁部に設けられたガイド突起20c4が、スライドカバー34のガイド孔34dの下端に衝止してそれ以上の下動が制限される。また、
図5(b)に示すように、第三表示体20cは背面側上縁部に設けられた係止片20c3にユニット本体21aの下端前面側に突設された係止爪21cが係止すると、第一表示体20a及び第二表示体20bを支持するユニット本体21aの上動に伴って第三表示体20cも一体となってコイルばね35の付勢に抗して待機位置Wから表示領域Pに向かって上昇し表示位置Dに停止するようになっている(
図3(a)参照)。
【0039】
図2(b)において、スライド部材31は、ピニオンギヤ列32の上端ピニオンギヤ32aが第一ラックギヤ21bと常時噛み合っている。また、ピニオンギヤ列32の下端ピニオンギヤ32bが第二ラックギヤ19cと常時噛み合っている。
図3(b)に示すように、中下表示ユニット22(スライド部材31)の上動により下端ピニオンギヤ32bを第二ラックギヤ19cに沿って回転走行させると、ピニオンギヤ列32が連動回転し、上端ピニオンギヤ32aと噛み合う第一ラックギヤ21bを介して中上表示ユニット21が昇降するようになっている。また、中上表示ユニット21(第一表示体20a、第二表示体20b)が上昇する際に、係止爪21cが係止片20c3と係止すると、第三表示体20cも連動してガイド孔34cに沿って上昇するようになっている(
図5(b)参照)。スライド部材31の下端側部には遮光板31fが突設されている(
図6,
図7参照)。また、左機構ベース19aの前面側中央下端部にはフォトセンサ23cが設けられている。フォトセンサ23cは、遮光板31fを検知することでスライド部材31が下端位置(
図2(b)参照)にあること、即ち第一表示体20a~第三表示体20cが待機位置Wにあることを検出する(
図2(a)参照)。
【0040】
図4に示すように、右機構ベース19bの前面側に設けられたボス部19eのボス孔に、昇降アーム36の一端に設けられた回転軸36aが嵌め込まれる。昇降アーム36は右機構ベース19bに回転軸36aを中心に回動可能に支持される。昇降アーム36の他端には係止ピン36bが前面側に起立形成されている。係止ピン36bはスライド部材31の右下側部に設けられた長孔状の係止孔31g内に挿入係止されている(
図5(a)参照)。
【0041】
図4に示すように、右モータベース23bの前面側には正逆回転可能な昇降用モータ37(例えばサーボモータ)が組み付けられている。昇降用モータ37のモータ軸は右モータベース23bの背面側に延設され、モータギヤ37aが一体に組み付けられる。モータギヤ37aは右モータベース23bの背面側に回転可能に軸支された昇降カムギヤ38と噛み合う。昇降カムギヤ38の背面側外周縁部には挿入ピン38aが起立形成されており、挿入ピン38aは、昇降アーム36の中途部に長手方向に設けられた長孔36c内に挿入される。
図5(a)(b)に示すように、昇降用モータ37を所定方向に回転させると、モータギヤ37aを介して昇降カムギヤ38が回転する。昇降カムギヤ38が所定方向に回転すると挿入ピン38aが長孔36c内に挿入する昇降アーム36を一端側に設けられた回転軸36aを中心として回転させ、他端側に設けられた係止ピン36bが係止するスライド部材31を昇降させることができる。尚、昇降アーム36の回転範囲は、長孔36cに挿入された挿入ピン38aが長孔端部と係止する範囲内で規制され、昇降用モータ37の駆動量は駆動パルスにより制御される。
【0042】
例えば、
図2(b)に示すように、昇降用モータ37の正転駆動(時計回り方向に回転)によって、昇降カムギヤ38が反時計回り方向に回転して昇降アーム36が回転軸36aを中心に反時計回り方向に回転する。このとき、
図3(b)に示すように、スライド部材31を上昇させて下端ピニオンギヤ32bが第二ラックギヤ19c上を下端から上端に向かって回転走行する。このときピニオンギヤ列32を回転させ、上端ピニオンギヤ32aと上端位置で噛み合う第一ラックギヤ21bを上昇させる。即ち、上端ピニオンギヤ32aと第一ラックギヤ21bが上端位置で噛み合った状態から下端位置で噛み合う状態まで中上表示ユニット21を上昇させる。このとき
図5(a)に示すように、第一表示体20a及び第二表示体20bを待機位置Wから表示位置Dへ移動させる。また、
図5(b)に示すように、中上表示ユニット21の上昇動作に伴い下端に設けられた係止爪21cが係止片20c3と係止すると第三表示体20cがコイルばね35の付勢に抗してガイド孔34cに沿って上昇し、第三表示体20cも待機位置Wから表示位置Dへ移動させることができる(
図3(a)参照)。
【0043】
また、例えば、
図3(b)に示すように、昇降用モータ37の逆転駆動(反時計回り方向に回転)によって、昇降カムギヤ38を介して昇降アーム36が回転軸36aを中心に時計回り方向に回転する。このとき、
図2(b)に示すように、スライド部材31を下降させて下端ピニオンギヤ32bが第二ラックギヤ19c上を上端から下端に向かって回転走行する。これによりピニオンギヤ列32を回転させ、上端ピニオンギヤ32aと下端位置で噛み合う第一ラックギヤ21bを上端位置で噛み合うまで中上表示ユニット21を下降させる。スライド部材31は、遮光板31fがフォトセンサ23cに検知されると、昇降用モータ37の逆転駆動を停止する。
【0044】
このとき、
図3(a)に示すように、中上表示ユニット21に支持された第一表示体20a及び第二表示体20bを表示位置Dから待機位置Wへ移動させる。
図5(b)に示すように、ユニット本体21aの下降に伴って係止爪21cと係止片20c3との係止状態が解除されると、第三表示体20cは、コイルばね35の付勢によってガイド孔34cに沿って下降してガイド突起20c4がガイド孔34d(
図7参照)の下端に衝止して待機位置Wで保持される。これにより、
図2(a)に示すように、第一表示体20a~第三表示体20cを表示位置Dから待機位置Wへ移動させることができる。
【0045】
次に左回転ユニット27及び右回転ユニット30の構成について説明する。
先ず、左回転ユニット27の構成について説明する。
図4において、左モータベース23aの背面側には左回転用モータ39(第一回転用モータ)が組み付けられる。左回転用モータ39のモータ軸は左モータベース23aの前面側に延設されてモータギヤ39aが一体に組み付けられる。また、左モータベース23aの前面側には、左カムギヤ軸23dが突設されている。左カムギヤ軸23dには左カムギヤ40が嵌め込まれ、ベースカバー24に覆われて回転可能に支持される。
図8(a)(b)に示すように、左カムギヤ40の前面側と後面側には、左カムギヤ軸23dの周りに例えば90°位相が異なる左カム溝40a,40bが各々形成されている。また、前面側の左カム溝40aの近傍には、遮光板40cが2か所に起立形成されている。尚、左カム溝40a,40bの位相角の相違は、第一回転アーム25及び第二回転アーム26の回転量により適宜変更可能である。
【0046】
また、
図4に示すように、左モータベース23aの前面側には左揺動軸23eが突設されている。この左揺動軸23eには、左カムギヤ40の前面側及び後面側に各々配置される一対の左揺動アーム41a,41bが揺動可能に組み付けられる。一対の左揺動アーム41a,41bは、各アームの中途部に設けられた嵌合孔41c,41dに左揺動軸23eを挿通し、前面側をベースカバー24に覆われて各々揺動可能に組み付けられる。一対の左揺動アーム41a,41bの一端に設けられた軸部にはカムフォロワ41e,41fが回転自在に設けられ、左カムギヤ40の前面及び後面に設けられた左カム溝40a,40bに各々転動可能に嵌め込まれている。また、一対の左揺動アーム41a,41bの他端には左扇形ギヤ41g,41hが設けられている。
【0047】
図4において、第一回転アーム25の先端には第四表示体20dが一体に保持されている。第一回転アーム25の他端には軸孔25a及び軸孔25aの回りに従動ギヤ25b(扇形ギヤ)が各々設けられている。第二回転アーム26の先端には第五表示体20eが一体に保持されている。第二回転アーム26の他端には軸孔26a及び軸孔26aの回りに従動ギヤ26b(扇形ギヤ)が各々設けられている。第一回転アーム25と第二回転アーム26は、ボビン形状のスペーサ43が嵌め込まれた回転軸42の両端部より軸孔25a,26aが各々嵌め込まれ、回転軸42を中心として各々回転可能に組み付けられる。軸孔25a,26aの周りに形成された従動ギヤ25b,26bは、左揺動アーム41a,41bの左扇形ギヤ41g,41hと各々噛み合うように組み付けられる(
図8(a)(b)参照)。第一回転アーム25より第二回転アーム26の長さが長く形成されており、待機位置W或いは最大回転位置においては第五表示体20eと第四表示体20dが横一列(
図2(a)参照)若しくは縦一列(
図8(a)参照)に並ぶように配置されている。尚、第一回転アーム25と第二回転アーム26は、左カムギヤ40の前面及び後面に設けられた90°位相が異なる左カム溝40a,40bに沿ったカムフォロワ41e,41fの転動により、一対の左揺動アーム41a,41bの揺動タイミングが互いに異なるため、第一回転アーム25と第二回転アーム26は個別に回転動作する。
【0048】
次に右回転ユニット30の構成について説明する。
図4において、右モータベース23bの背面側には右回転用モータ44(第二回転用モータ)が組み付けられる。右回転用モータ44のモータ軸は右モータベース23bの前面側に延設されてモータギヤ44aが一体に組み付けられる。また、右モータベース23bの前面側には、右カムギヤ軸23fが突設されている。右カムギヤ軸23fには右カムギヤ45が嵌め込まれ、ベースカバー24に覆われて回転可能に支持される。
図9(a)(b)に示すように、右カムギヤ45の前面側と後面側には、右カムギヤ軸23fの周りに例えば90°位相が異なる右カム溝45a,45bが各々形成されている。また、前面側の右カム溝45aの近傍には、遮光板45cが2か所に起立形成されている。尚、右カム溝45a,45bの位相角の相違は、第三回転アーム28及び第四回転アーム29の回転量により適宜変更可能である。
【0049】
また、
図4に示すように、右モータベース23bの前面側には右揺動軸23gが突設されている。この右揺動軸23gには、右カムギヤ45の前面側及び後面側に配置される一対の右揺動アーム41i,41jが揺動可能に組み付けられる。一対の右揺動アーム41i,41jは、各アームの中途部に設けられた嵌合孔41k,41mに右揺動軸23gを挿通し、前面側をベースカバー24に覆われて各々揺動可能に組み付けられる。一対の右揺動アーム41i,41jの一端に設けられた軸部にはカムフォロワ41n,41oが回転自在に設けられ、右カムギヤ45の前面及び後面に設けられた右カム溝45a,45bに各々転動可能に嵌め込まれる。また、一対の右揺動アーム41i,41jの他端には右扇形ギヤ41p,41qが設けられている。
【0050】
図4において、第三回転アーム28の先端には第六表示体20fが一体に保持されている。第三回転アーム28の他端には軸孔28a及び軸孔28aの回りに従動ギヤ28b(扇形ギヤ)が各々設けられている。第四回転アーム29の先端には第七表示体20gが一体に保持されている。第四回転アーム29の他端には軸孔29a及び軸孔29aの回りに従動ギヤ29b(扇形ギヤ)が各々設けられている。第三回転アーム28と第四回転アーム29は、ボビン形状のスペーサ47が嵌め込まれた回転軸46の両端部より軸孔28a,29aが各々嵌め込まれ、回転軸46を中心として各々回転可能に組み付けられる。軸孔28a,29aの周りに形成された従動ギヤ28b,29bは、右揺動アーム41i,41jの右扇形ギヤ41p,41qと各々噛み合うように組み付けられる(
図9(a)(b)参照)。第三回転アーム28より第四回転アーム29の長さが長く形成されており、待機位置W或いは最大回転位置においては第七表示体20gと第六表示体20fが横一列(
図2(a)参照)若しくは縦一列(
図9(a)参照)に並ぶように配置されている。尚、第三回転アーム28と第四回転アーム29は、右カムギヤ45の前面及び後面に設けられた90°位相が異なる右カム溝45a,45bに沿ったカムフォロワ41n,41oの転動により、一対の右揺動アーム41i,41jの揺動タイミングが互いに異なるため、第三回転アーム28と第四回転アーム29は個別に回転動作する。
【0051】
図4に示すように、ベースカバー24の左カムギヤ40の遮光板40c及び右カムギヤ45の遮光板45cが通過する位置には、左フォトセンサ24a,24b,24c及び右フォトセンサ24d,24e,24fが設けられている。左カムギヤ40及び右カムギヤ45が回転して遮光板40c,45cの位置を左フォトセンサ24a,24b,24c及び右フォトセンサ24d,24e,24fにより検出すると、左回転用モータ39及び右回転用モータ44の回転動作を開始させ或いは停止させるように制御される。
【0052】
例えば、
図2(a)のように第四表示体20d~第七表示体20gが待機位置Wにあるとき、左フォトセンサ24a,24bが遮光板40cに各々遮光され、右フォトセンサ24d,24eが遮光板45cに各々遮光された状態にあるとする。この状態で、左回転用モータ39を反時計回り方向、右回転用モータ44を時計回り方向に各々回転させると、左揺動アーム41a,41bが左揺動軸23eを中心に反時計回り方向、右揺動アーム41i,41jが右揺動軸23gを中心に時計回り方向に回転させると、
図3(a)に示すように第一回転アーム25及び第二回転アーム26が左側に起立した状態、第三回転アーム28及び第四回転アーム29が右側に起立した状態となる。このとき、左回転用モータ39及び右回転用モータ44は、左フォトセンサ24cのみが遮光板40cに遮光され、右フォトセンサ24eのみが遮光板45cに遮光された状態となる位置で回転停止する。このとき、昇降用モータ37を駆動して第一表示体20a~第三表示体20cの移動タイミングを合わせて待機位置Wから表示位置Dに移動させると、
図3(a)に示すように、表示領域Pにおいて所謂表示構成体20は7セグメント表示を行うことができる。
【0053】
尚、
図3(b)に示すように、第一表示体20aと第五表示体20e及び第七表示体20gの隣り合う辺縁部、第三表示体20cと第四表示体20d及び第六表示体20fの隣り合う辺縁部には磁石48が各々設けられていてもよい。この場合、待機位置Wから表示位置Dに直線移動する第一表示体20a~第三表示体20c及び回転移動する第四表示体20d乃至第七表示体20gどうしが、表示領域Pにおいて互いに近接すると磁石48どうしが磁着して組み合わされる表示構成体20の形態を安定させることができる。尚、磁石48は、第一表示体20a~第七表示体20gのすべてに設けられていてもよい。
【0054】
上述した左回転ユニット27は第一回転アーム25と第二回転アーム26をコンパクトに配置され、右回転ユニット30は第三回転アーム28と第四回転アーム29をコンパクトに配置されて共通の駆動源から駆動達して待機位置Wと表示位置Dとの間を各々回転させることができる。また、少なくとも第四表示体20d~第七表示体20gのいずれかを待機位置Wと表示位置Dとの間で各々回転させることで、第一表示体20a~第三表示体20cの直線移動と組み合わせて、表示領域Pにおいて様々なバリエーションの表示構成体を形成して演出表示することができ、遊技者を飽きさせない演出を行なうことができる。
【0055】
以下は具体的な表示構成体20の態様を、
図10に例示するものとする。
図10(a)は、昇降用モータ37を起動して第一表示体20a~第三表示体20cを待機位置Wから表示位置Dへ上昇させ、左回転用モータ39及び右回転用モータ44を起動して第四表示体20d~第七表示体20gを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて、表示領域Pにおいて、第一表示体20a~第七表示体20gを組み合わせた7セグメントで表示構成体20を構成した例である。このとき、左カムギヤ40は
図2(a)に示す待機位置Wから反時計回り方向に180度回転した位置、右カムギヤ45は、
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に180度回転した位置となる。表示構成体20は、第二表示体20bのみ点灯せず他の表示体をすべて点灯して数字の0を表示している。また、
図10(a)の状態から、第二表示体20bも点灯して7セグメントすべて点灯すると、
図10(i)に示すように数字の8を表示することができる。
【0056】
図10(b)は、右回転用モータ44を起動して右回転ユニット30のみを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて、表示領域Pにおいて、第六表示体20f及び第七表示体20gを直列に組み合わせて表示構成体20を構成した例である。このとき右カムギヤ45は、
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に180度回転した位置となる。表示構成体20は、第六表示体20f及び第七表示体20gを点灯して数字の1を表示してる。尚、中上表示ユニット21、中下表示ユニット22及び左回転ユニット27は待機位置Wに待機している。また、左回転用モータ39を起動して左回転ユニット27のみを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて第四表示体20d及び第五表示体20eを直列に組み合わせて点灯して数字の1を表示してもよい。
【0057】
図10(c)は、昇降用モータ37を起動して第一表示体20a~第三表示体20cを待機位置Wから表示位置Dへ上昇させ、左回転用モータ39を所定量回転して第一回転アーム25に支持された第四表示体20dを待機位置Wから表示位置Dへ回転させ、右回転用モータ44を所定量回転して第四回転アーム29に支持された第七表示体20gを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて、表示領域Pにおいて形成される表示構成体20の構成例を示す。このとき左カムギヤ40は
図2(a)に示す待機位置Wから反時計回り方向に90度回転した位置、右カムギヤ45は、
図2(a)に示す待機位置Wから反時計回り方向に90度回転した位置となる。表示構成体20は、第一表示体20a~第三表示体20c、第四表示体20d及び第七表示体20gの5セグメントで構成され、これらを点灯して数字の2を表示している。
【0058】
図10(d)は、昇降用モータ37を起動して第一表示体20a~第三表示体20cを待機位置Wから表示位置Dへ上昇させ、右回転用モータ44を起動して第六表示体20f及び第七表示体20gを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて、表示領域Pにおいて5セグメントで表示構成体20を構成した例である。このとき右カムギヤ45は、
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に180度回転した位置となる。表示構成体20は、第一表示体20a~第三表示体20c、第六表示体20f及び第七表示体20gの5セグメントで構成され、これらを点灯して数字の3を表示している。
【0059】
図10(e)は、昇降用モータ37を所定量起動して第一表示体20a及び第二表示体20bを待機位置Wから表示位置Dへ上昇させ、左回転用モータ39を所定量回転させて第五表示体20eを待機位置Wから表示位置Dへ回転させ、右回転用モータ44を起動して第六表示体20f及び第七表示体20gを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて、表示領域Pにおいて、5セグメントで表示構成体20を構成した例である。このとき、左カムギヤ40は
図2(a)に示す待機位置Wから反時計回り方向に90度回転した位置、右カムギヤ45は、
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に180度回転した位置となる。表示構成体20は、表示領域Pにおいて、第一表示体20a、第二表示体20b、第五表示体20e、第六表示体20f及び第七表示体20gの5セグメントで構成され、第二表示体20bを除く残りの4セグメントを点灯して数字の4を表示している。
尚、昇降用モータ37は、駆動パルス制御により移動量が制御可能であるため、
図10(e)の位置で停止させてもよいし、
図10(i)に示すように、表示領域に7セグメント表示した状態で、表示構成体20は、第一表示体20a、第五表示体20e、第六表示体20f及び第七表示体20gの4セグメントを点灯表示させて数字の4を表示してもよい。
【0060】
図10(f)は、昇降用モータ37を所定量起動して第一表示体20a~第三表示体20cを待機位置Wから表示位置Dへ上昇させ、左回転用モータ39を所定量回転させて第五表示体20eを待機位置Wから表示位置Dへ回転させ、右回転用モータ44を所定量起動して第六表示体20fを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて、表示領域Pにおいて、5セグメントで表示構成体20を構成した例である。このとき、左カムギヤ40は
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に90度回転した位置、右カムギヤ45は、
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に90度回転した位置となる。表示構成体20は、第一表示体20a~第三表示体20c、第五表示体20e、第六表示体20f及び第七表示体20gの5セグメントで構成され、これらを点灯して数字の5を表示している。
【0061】
図10(g)は、昇降用モータ37を所定量起動して第一表示体20a~第三表示体20cを待機位置Wから表示位置Dへ上昇させ、左回転用モータ39を所定量回転させて第四表示体20d及び第五表示体20eを待機位置Wから表示位置Dへ回転させ、右回転用モータ44を所定量起動して第六表示体20fを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて、表示領域Pにおいて、6セグメントで表示構成体20を構成した例である。このとき、左カムギヤ40は
図2(a)に示す待機位置Wから反時計回り方向に180度回転した位置、右カムギヤ45は、
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に90度回転した位置となる。表示構成体20は、第一表示体20a~第三表示体20c及び第四表示体20d~第六表示体20fの6セグメントで構成され、これらを点灯して数字の6を表示している。
【0062】
図10(h)は、昇降用モータ37を所定量起動して第一表示体20a~第三表示体20cを待機位置Wから表示位置Dへ上昇させ、左回転用モータ39を所定量回転させて第五表示体20eを待機位置Wから表示位置Dへ回転させ、右回転用モータ44を起動して第六表示体20f及び第七表示体20gを待機位置Wから表示位置Dへ回転させて、表示領域Pにおいて、6セグメントで表示構成体20を構成した例である。このとき、左カムギヤ40は
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に90度回転した位置、右カムギヤ45は、
図2(a)に示す待機位置Wから時計回り方向に180度回転した位置となる。表示構成体20は、第一表示体20a~第三表示体20c及び第五表示体20e~第七表示体20gの6セグメントで構成され、第二表示体20b及び第三表示体20c以外の残り4セグメントを点灯して数字の7を表示している。
【0063】
図10(i)に示す表示構成体20は、
図10(a)と同様であり、第一表示体20a~第七表示体20gの7セグメントすべて点灯して数字の8を表示している。
【0064】
図10(j)に示す表示構成体20は、
図10(h)と同様であり、第一表示体20a~第三表示体20c及び第五表示体20e~第七表示体20gの6セグメントすべてを点灯して数字の9を表示している。
【0065】
以上説明したように、例えば遊技球の入賞等の所定の始動条件に応じて昇降用モータ37、左回転用モータ39,右回転用モータ44を起動して駆動伝達機構により複数の表示体(20a~20g)が表示領域Pから退避した待機位置Wから表示領域Pに出現する表示位置Dに移動させて、表示領域Pにおいて、所定の表示構成体20を形成して点灯表示させることができる。よって、遊技者は、複数の表示体が表示領域Pから退避した待機位置Wから表示領域Pに出現する表示位置Dへ移動する意外性と、表示構成体20が任意の形態に組み合わせて表示される意外性と、液晶表示画面との相互作用により表示態様の連続変化により大当たりへの期待感を増大させて遊技者の興趣を持続的に高めることができる。
【0066】
第一表示体20a~第七表示体20gは、待機位置Wと表示位置Dとの間を回転移動若しくは直線移動するので、上下方向に直線移動する第一表示体20a乃至第三表示体20cと左右方向に回転する第四表示体20d乃至第七表示体20gの動作の組み合わせにより表示構成体20の表示態様を変化させることができるので、表示形態のバリエーションが多く遊技者を飽きさせない演出が可能になる。
【0067】
また、昇降用モータ37の駆動によって中上表示ユニット21及び中下表示ユニット22を連動させて第一表示体20a~第三表示体20cを待機位置Wから表示位置Dへ移動させることができる。よって、昇降用モータ37の回転駆動をコンパクトな駆動伝達機構によって駆動伝達して第一表示体20a~第三表示体20cの昇降動作を実現することができる。
また、左回転用モータ39によって左カムギヤ40を、右回転用モータ44によって右カムギヤ45を、各々所定方向に回転させて、少なくとも第四表示体20d~第七表示体20gのいずれかを待機位置Wと表示位置Dとの間で各々回転させることができる。よって左回転用モータ39,右回転用モータ44の回転駆動をコンパクトな駆動伝達機構によって駆動伝達して第四表示体20d~第七表示体20gの回転動作を実現することができる。
【0068】
よって、第一表示体20a乃至第三表示体20cが待機位置Wと表示位置Dとの間を昇降する意外性と、第四表示体20d乃至第七表示体20gが待機位置Wと表示位置Dとの間を回転する意外性とを兼ね備え、表示体どうしを組み合わせた様々なバリエーションの表示構成体20を表示領域Pにおいて演出表示することができる。
【0069】
また、上述した実施形態では、表示構成体20の表示形態は0~9までの数字を表示するように示したが、数字だけではなく点灯により「H」「E」「L」「P」等のアルファベット表示を行うようにしてもよい。また、演出表示装置14を遊技盤5に1個設けるようにしたが、これに限定されるものではなく、2個以上に設けられていてもよい。
中上表示ユニット21に複数の表示体を支持しているが1の表示体を支持してもよく、中下表示ユニット22に1の表示体を支持しているが複数の表示体を支持してもよい。
【0070】
また、左回転ユニット27には第一回転アーム25及び第二回転アーム26が設けられ、右回転ユニット30には第三回転アーム28及び第四回転アーム29が設けられていたが、さらに多くの回転アームが設けられていてもよい。また各回転アームには1の表示体が支持されていたが複数の表示体が支持されていてもよい。
更には、複数の表示体は、待機位置と表示位置との間を曲線移動と直線移動するものを組み合わせて7セグ表示する場合を例示したが、曲線移動する表示体のみを組み合わせ表示してもよいし、直線移動する表示体のみを組み合わせ表示してもよい。
【0071】
また、左回転ユニット27及び右回転ユニット30に備えた駆動伝達機構は、複数の表示体に対応する位相の異なるカム部材等のカム機構を備え、駆動源の駆動によりカム機構を動かすことで複数の表示体を個別に変位させるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、左回転ユニット27及び右回転ユニット30において、回転アームと揺動アームによって回転アームに設けられた表示体を待機位置Wと表示位置Dとの間を移動させるようにしたが、揺動アームに直接表示体を設けるようにしてもよい。尚、第一表示体20a~第三表示体20cの移動構成は、
図5と同様であるので説明を省略する。
具体的には、
図11(a)に示すように、左回転用モータ39のモータ軸に設けられたモータギヤ39aと左カムギヤ40が噛み合っており、左カムギヤ40の前面側と後面側には、左カムギヤ軸23dの周りに例えば90°位相が異なる左カム溝40a,40bが各々形成されている構成は、
図8と同様である。また一対の左揺動アーム41a,41bが左揺動軸23eを中心に揺動可能に設けられている点も
図8と同様である。左揺動アーム41a,41bの一端に設けられた軸部にはカムフォロワ41e,41f(
図4参照)が回転自在に設けられ、左カムギヤ40の前面及び後面に設けられた左カム溝40a,40bに各々転動可能に嵌め込まれている。また左揺動アーム41a,41bの他端には、第四表示体20d、第五表示体20eがそれぞれ固定されている。左回転用モータ39が所定方向に回転するとモータギヤ39aと噛み合う左カムギヤ40が回転し、左カムギヤ40の両面に位相の異なる左カム溝40a,40bに挿入されたカムフォロワ41e、41fが転動することで左揺動アーム41a、41bが各々揺動するようになっている。
【0072】
また、
図11(a)に示すように、右回転用モータ44のモータ軸に設けられたモータギヤ44aと右カムギヤ45が噛み合っており、右カムギヤ45の前面側と後面側には、右カムギヤ軸23fの周りに例えば90°位相が異なる右カム溝45a,45bが各々形成されている構成は、
図8と同様である。また一対の右揺動アーム41i,41jが右揺動軸23gを中心に揺動可能に設けられている点も
図8と同様である。右揺動アーム41i,41jの一端に設けられた軸部にはカムフォロワ41n,41o(
図4参照)が回転自在に設けられ、右カムギヤ45の前面及び後面に設けられた右カム溝45a,45bに各々転動可能に嵌め込まれている。また右揺動アーム41i,41jの他端には、第六表示体20f、第七表示体20gがそれぞれ固定されている。右回転用モータ44が所定方向に回転するとモータギヤ44aと噛み合う右カムギヤ45が所定角度回転し、右カムギヤ45の両面に位相の異なる右カム溝45a,45bに挿入されたカムフォロワ41n、41oが転動することで右揺動アーム41i、41jが各々揺動するようになっている。
【0073】
図11(a)は、左回転用モータ39及び右回転用モータ44が停止しており、第四表示体20d~第七表示体20gが待機位置Wにある状態を示している。尚、第一表示体20a~第三表示体20cも待機位置Wに待機している。
図11(b)は左回転用モータ39及び右回転用モータ44が各々起動しており、例えば左右カムギヤ40,45が各々180°回転して 第四表示体20d~第七表示体20gが表示位置Dに移動し表示領域Pに出現した状態を示している。また、昇降用モータ37(
図5(a)参照)も起動しており、第一表示体20a~第三表示体20cも表示位置Dに移動し表示領域Pに出現した状態を示している。このとき、表示領域Pには、第一表示体20a~第七表示体20gを組み合わせた表示構成体20で7セグ表示が可能となる。
これにより、左回転ユニット27及び右回転ユニット30をコンパクトな駆動伝達機構により複数の表示体を曲線移動させることができる。尚、曲線移動は回転移動に限らず、例えば放物線状や楕円軌道等他の移動形態を採用してもよい。
【0074】
また、演出表示装置14をセンター役物12として遊技盤5に設けるようにしたが、前面枠4等の遊技盤5以外に設けて演出表示を行うようにしてもよい。また、演出表示装置14が演出表示する条件として、遊技球の入賞にともなう始動条件を満たした場合について説明したが、演出表示としてはこれに限定されるものではない。例えば、遊技者の遊技開始とは関係なく、装飾表示として演出表示を行ってよいし、遊技者が遊技を開始すると、いずれかの表示体20a~20gが待機位置Wと表示位置Dを往復動させたり、表示領域Pにおいてこれらを点滅表示させたりしてもよい。
【0075】
また、遊技機の一例としてパチンコ機について説明したが、他に例えば雀球遊技機やアレンジボール遊技機などの遊技球を使用する弾球遊技機やコイン等を使用するスロットマシンなどに適用してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 パチンコ機 2 外枠 3a,3b 内枠ヒンジ 4 前面枠 4a,4b 前枠ヒンジ 4c シリンダ錠 5 遊技盤 6 窓部 7 装飾ランプ 8 球受け皿 9 球抜きボタン 10 発射ハンドル 11 ガイドレール 12 センター役物 13 液晶表示装置 14 演出表示装置 15 電動チューリップ 16 アタッカー 17 アウト口 18 演出表示装置 19 取付ベース部 19a 左機構ベース 19b 右機構ベース 19c 第二ラックギヤ 19d ラック板 19e,31d,34b ボス部 20 表示構成体 20a 第一表示体 20b 第二表示体 20c 第三表示体 20c1,20c2 ガイドボス 20c3 係止片 20c4 ガイド突起 20c5 止め輪 20c6 座金付き止めねじ 20d 第四表示体 20e 第五表示体 20f 第六表示体 20g 第七表示体 21 中上表示ユニット 21a ユニット本体 21b 第一ラックギヤ 21c 係止爪 21d 長孔 22 中下表示ユニット 23a 左モータベース 23b 右モータベース 23c フォトセンサ 23d 左カムギヤ軸 23e 左揺動軸 23f 右カムギヤ軸 24 ベースカバー 24a,24b,24c 左フォトセンサ 24d,24e,24f 右フォトセンサ 25 第一回転アーム 25a,26a,28a,29a 軸孔 25b,26b,28b,29b 従動ギヤ 26 第二回転アーム 27 左回転ユニット 28 第三回転アーム 29 第四回転アーム 30 右回転ユニット 31 スライド部材 31a 固定軸 31b ボス軸 31c ボス孔 31e 止めねじ 31f 遮光板 31g 係止孔 32 ピニオンギヤ列 32a 上端ピニオンギヤ 32b 下端ピニオンギヤ 33 ピニオンギヤカバー 34 スライドカバー 34a,41c,41d 嵌合孔 34c,34d ガイド孔 35 コイルばね 36 昇降アーム 36a,42,46 回転軸 36b 係止ピン 36c 長孔 37 昇降用モータ 37a モータギヤ 38 昇降カムギヤ 38a 挿入ピン 39 左回転用モータ 40 左カムギヤ 40a,40b 左カム溝 40c,45c 遮光板 41a,41b 左揺動アーム 41e,41f,41n,41o カムフォロワ 41g,41h 左扇形ギヤ 41i,41j 右揺動アーム 41p,41q 右扇形ギヤ 43,47 スペーサ 44 右回転用モータ 45 右カムギヤ 45a,45b 右カム溝 48 磁石 W 待機位置 D 表示位置 P 表示領域