(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113954
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】バグフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01D 46/02 20060101AFI20220729BHJP
B01D 39/16 20060101ALI20220729BHJP
B01D 39/14 20060101ALI20220729BHJP
B01D 53/86 20060101ALI20220729BHJP
B01J 21/06 20060101ALN20220729BHJP
B01J 23/22 20060101ALN20220729BHJP
【FI】
B01D46/02 Z ZAB
B01D39/16 A
B01D39/14 A
B01D39/14 B
B01D53/86 275
B01J21/06 A
B01J23/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009991
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】505037648
【氏名又は名称】株式会社相模商会
(71)【出願人】
【識別番号】507052474
【氏名又は名称】株式会社テクノM
(74)【代理人】
【識別番号】100088731
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】古尾谷 純一
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 嘉一
【テーマコード(参考)】
4D019
4D058
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019BA03
4D019BA04
4D019BA13
4D019BA16
4D019BB02
4D019BC07
4D019BD04
4D019CA04
4D019CA10
4D019CB01
4D019DA01
4D019DA02
4D058JA04
4D058JB04
4D058JB05
4D058JB14
4D058JB24
4D058JB37
4D058KA03
4D058KA27
4D058KB01
4D058KB11
4D058KC17
4D058KC64
4D058MA15
4D058MA25
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4D058TA06
4D148AA30
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4D148BA05Y
4D148BA06Y
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4D148BA46Y
4D148BB08
4D148CC12
4D148CD05
4G169AA03
4G169BA04A
4G169BB04A
4G169BC54A
4G169CA01
4G169CA10
4G169CA19
4G169EA09
(57)【要約】
【課題】本発明は集塵機に使用されるバグフィルタに関するものであり、ダイオキシン類の除去のための触媒を担持した内側濾布を有する内外二重構造のバグフィルタにおいて、触媒担持量を削減可能とすることも目的とする。
【解決手段】2重濾布式のバグフィルタは、ダスト除去専用の外周濾布12の内側に触媒を担持させた内周濾布16を挿入して構成される。外周濾布12と内周濾布16との間に、耐熱性金属線より成る籠構造のリテーナ14が配置され、内周濾布16の内側に同じく耐熱性金属線より成る籠構造のリテーナ18が配置される。外周濾布12に対し内周濾布16の小型化可能であり、また、ダスト除去のための逆洗操作を外周濾布12のみならず内周濾布16についても確実に行うことができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集塵機のセルプレートに取り付けられ、セルプレート装着部が開口しセルプレートと離間側が閉鎖した筒状でかつ可撓性の濾布から成るダスト捕集のための外側フィルタと、外側フィルタの内側に挿入され、セルプレート側の開口端部がセルプレート装着部上に取り付けられ、セルプレートと離間側が閉鎖した筒状でかつ可撓性でかつ触媒を担持させた濾布から成り、外側フィルタより小型で少なくとも径は外側フィルタより小さい内側フィルタと、外側フィルタの筒形状の確保のため内側フィルタとの間に配置され、耐熱性金属を素材とするリテーナと、内側フィルタの筒形状確保手段と、を備えたバグフィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、前記内側フィルタの筒形状確保手段は、内側フィルタの内周に挿入され、耐熱性金属を素材とする第2のリテーナであるバグフィルタ。
【請求項3】
請求項1に記載の発明において、前記内側フィルタは外側フィルタ底面に向け先細となるように形成され、前記筒形状確保手段は、内側フィルタの先細部分と外側フィルタ底面とを連結する可撓性糸状体であるバグフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は集塵機に使用されるバグフィルタに関するものであり、特に、塵埃除去用の外側濾布の内径側にダイオキシン類の除去のための触媒を担持した内側濾布を配置したバグフィルタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
バグフィルタにおいて、ダイオキシン類の除去のため単一の筒形状の濾布に触媒層を形成したものが周知である。触媒層の形成は濾布によるダスト除去機能を損ない得るものであるため、単一の濾布構造のバグフィルタではダスト除去機能と触媒機能の調和のため、触媒層の厚みとか触媒層部位とかの微妙な調整を濾布の厚みの範囲内で行わなければならない技術上の問題があった。
【0003】
そこで、本出願人と同一の出願人は、ダスト除去専用の外側濾布の内側に触媒用の内側濾布を挿入してなる2重濾布式のバグフィルタを提案している(特許文献1)。この内外2重筒状濾布式のバグフィルタにおいては、被処理ガスは外側フィルタによりダスト除去後に内周フィルタでのダイオキシン類の除去のための触媒反応を受けるため、一枚の濾布に触媒層を形成するものと比較して部品点数は増え、その限りではコスト増要因とはなるが、ダスト回収を外側濾布において行い、内側濾布にはダスト除去されたガスが導入されるため、触媒を効率的に機能させることができることにおいて優れている。また、ダスト用と触媒用とでは寿命に相違があるが、濾布を別々とすることにより夫々を適時に交換できる利点もある。
【0004】
バグフィルタを構成する濾布は耐熱性繊維を素材とするが自ら筒形状を維持する剛性には欠けるため内周側に耐熱性金属の線材より成る籠構造のリテーナを内周側に挿入するが、内外2重筒状濾布を備えたバグフィルタにおいては、触媒用の筒状濾布の内側にリテーナを挿入する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内外2重筒状濾布を備えたバグフィルタにおいては、内側濾布は外側濾布の内周に密着され、リテーナはその内側に挿入配置し、内外の濾布について筒形状の確保は共通の一つのリテーナに依拠する構造となっていた。そのため、内側の触媒用の濾布は外径も全長も外側のダスト除去用の濾布と殆ど相違無いものとなっていた。然るに、内側の触媒用の濾布は全面に触媒を含浸・乾燥等により付着させる構造であり、触媒層の形成のためチタンやバナジウム等の高価な素材の必要量が多くなり、コストが嵩む問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明バグフィルタは、集塵機のセルプレートに取り付けられ、セルプレート装着部が開口しセルプレートと離間側が閉鎖した筒状でかつ可撓性の濾布から成るダスト捕集のための外側フィルタと、外側フィルタの内側に挿入され、セルプレート側の開口端部がセルプレート装着部上に取り付けられ、セルプレートと離間側が閉鎖した筒状でかつ可撓性でかつ触媒を担持させた濾布から成り、外側フィルタより小型で少なくとも径は外側フィルタより小さい内側フィルタと、外側フィルタの筒形状の確保のため内側フィルタとの間に配置され、耐熱性金属を素材とするリテーナと、内側フィルタの筒形状確保手段と、を備える。
【0008】
内側フィルタの筒形状確保手段は、内側フィルタの内周に挿入され、耐熱性金属を素材とする第2のリテーナとすることができる。第2のリテーナの設置の代替として、内側フィルタを外側フィルタ底面に向け先細となるように形成し、筒形状確保手段は、内側フィルタの先細部分と外側フィルタ底面とを連結する紐状部材とから構成することができる。
【発明の効果】
【0009】
触媒物質を担持させた内側フィルタを含浸備えた内側フィルタを少なくとも小径なものとし、かつ可撓性素材より成る内側フィルタの筒形状の維持のための手段を設けることにより、必要な触媒機能を達成しつつ高価となる触媒の使用量を削減することができ、外側のダスト用と内側の触媒機能用とで分離させた2袋方式フィルムのコストの低廉化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1はこの発明の第1の実施形態のバグフィルタの組立状態を表す斜視図である。
【
図2】
図2は
図1のバグフィルタを構成要素に分解して表す斜視図である。
【
図3】
図3は内側フィルタ用のリテーナの上端部の側面図である。
【
図4】
図4は第1の実施形態のバグフィルタをセルプレートに装着した状態にて示す断面図である。
【
図5】
図5はこの発明の第2の実施形態のバグフィルタの組立状態を表す斜視図である。
【
図6】
図6は
図5のバグフィルタを構成要素に分解して表す斜視図である。
【
図7】
図7はこの発明の第2の実施形態のバグフィルタのセルプレートへの装着状態を示す側面図である。
【
図8】
図5のバグフィルタにおける内側フィルタの下端を外側フィルタの下端に緊張保持するための構成を模式的示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1はこの発明の実施である組立状態のバグフィルタ10を示しており、
図2はパーツに分解した状態で示しており、バグフィルタ10は外側濾布12と、外側リテーナ14と、内側濾布16と、内側リテーナ18とから成る。バグフィルタ10は、外側濾布12の内側に外側リテーナ14を挿入配置し、外側リテーナ14の内側に内側濾布16を挿入配置し、内側濾布16の内側に内側リテーナ18を挿入配置することにより、
図1のバグフィルタ10の組立状態となる。
図1の組立状態では、後述の
図4から分るように、外側リテーナ14及び内側濾布16は隠されて見えていない。
【0012】
外側濾布12は、これに限るものではないが、例えば、カーボン(PAN)やガラス等の耐熱性無機長繊維よりなる織布にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)といった耐熱性樹脂よりなる短繊維をニードルパンチにより植毛することにより構成することができる。外側濾布12は長手方向に縫着(縫製のラインを12-1にて示す)することにより筒形状とされ、下端は底布18(
図4)を当て縫着(縫製のラインを12-1にて示す)することにより上端が開き下端で閉じた形状に構成される。上端側は、集塵機のセルプレートへの脱着可能な取付具20を備えている。この取付具20は、ワンタッチ式のもので、本出願人会社である株式会社相模商会のイージースナップなる商品名(株式会社相模商会の登録商標)のものを仕込んだ形で構成されている。即ち、
図4において、集塵機のセルプレート21は濾布取付孔を多数備えており、その一つの濾布取付孔を21-1にて示す。取付具20は、ステンレス鋼などの耐熱性でかつ弾性を帯びた金属製スナップリング22と、口元布24とを備え、スナップリング22は、外周に全周にわたる環状溝22-1を形成しかつ口元布24により包囲され、外側濾布12に縫着される。縫着のための円周方向の縫糸を12-3にて示し(
図1及び
図2も参照)、また口元布24は縦方向には縫糸12-4により筒形状とされている。外側濾布12は対応の濾布取付孔21-1に底部から挿入され、上部の取付具20のところで、スナップリング22が半径内側に弾性変形することで、環状溝22-1の部位において濾布取付孔21-1の内周縁を乗り越えることができ、スナップリング22がセルプレート21の対応の濾布取付孔21-1に装着されるに至る。スナップリング22がその弾性に抗して濾布取付孔21-1から抜けるように取付具20を持ち上げることにより、外側濾布12をセルプレート21から離脱させることができ、バグフィルタの脱着がワンタッチ式に可能となる。バグフィルタのバグハウスに対するこのような取付方法に限らず、本発明のバグフィルタのバグハウスに対する取り付けは公知の他の如何なる手法、例えば、ねじ式の締結バンドによる取付方式にも採用可能であることはいうまでもない。
【0013】
図2において外側リテーナ14は、ステンレス鋼等の耐熱性線材よりなる筒状籠構造をなし、外径は外側濾布12の内径よりわずか小さく、
図4に示すように幾分の隙間を残して外側濾布12の内側に挿入される。外側リテーナ14は上端に外側濾布12への挿入位置を規制するためのフランジ部14-1を備えている。外側リテーナ14の籠構造は排気ガスの通気性を損なうことなく外側濾布12の筒形状を確保することができれば具体構造は問わないが、代表的には夫々が縦方向に延びた適当な数の円周方向に間隔を置いた線材をリング14-2とし溶接等にて連結することにより構成することができる。
【0014】
図2において、内側濾布16は、もとより限定的ではないが、外側濾布12と同様に、カーボン(PAN)やガラス等の耐熱性無機長繊維よりなる布帛にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等の耐熱性短繊維にアラミドやポリフェニレンサルファイド(PPS)といった触媒担持性に優れた樹脂素材よりなる短繊維を加え、ニードルパンチにより植毛することにより構成することができる。内側濾布16は縫製ライン16-1に沿って縫製により筒状に形成され、下端は縫製ライン16-2に沿った縫製により底布17(
図4)が縫着されることで閉じた底部に形成される。内側濾布16は、口部以外は外側濾布12より相当小さい外径(外側濾布12の10~50%程度、例えば、外側濾布12の外径 150mmに対して内側濾布16の径130mm程度)を有しているが、上端部は外側濾布12の内径に向け徐々に拡径することによりテーパ部16-1をなしている。
図4に示すように最上端部16-2(
図1のバグフィルタの組立状態においては内側濾布16におけるこの部位16-2のみ見える)においては、内側濾布16は耐熱金属よりなり、基本的にはその剛性により真円形状を維持するОリング25を縫着している。そのため、内側濾布16はОリング25の縫着部位である上端部において、外側リテーナ14のフランジ部14-1に載置した状態で外側濾布12の内側に安定した状態で装着することができる。
【0015】
この実施形態では内側濾布16を外側濾布12より短縮した構成としている。即ち、具体的には外側濾布12の長さ3-6mに対し内側濾布16の長さ2-4mとするこができ、一般的には外側濾布12に対し内側濾布16を30-70%の長さとすることにより、外側濾布12によるダスト捕集機能と内側濾布16による触媒機能を調和させることができる。しかしながら、内側濾布16の長さを外側濾布12と殆ど等しく構成することも、内側濾布16の内径減少による触媒担持量の相対的減少を実現することができることから、この構成も本発明の範囲に包含される。
【0016】
内側濾布16は酸化チタンや酸化バナジウム等のダイオキシン分解のための触媒が担持されており、触媒担持の手法としては、濾布を触媒含有液に含浸・乾燥する等の処理を行う周知の手法を採用することができる。
【0017】
図2に示すように、内側リテーナ18は、ステンレス鋼等の耐熱性線材よりなる筒状籠構造をなし、外径は内側濾布16の内径より幾分小さく、
図3に示すように幾分の隙間を残して内側濾布16の内側に挿入されまる。内側リテーナ18は上端側が内側濾布16のテーパ部16-1を倣うような形状のテーパ部18-1を有し、最上端のフランジ部18-2は、内側濾布16の上端におけるОリング25の縫着部位を上側から覆うように載置される。また、内側リテーナ18を籠形状に維持するためのリングとして溶接等で連結された線材を18-3にて示す。
【0018】
焼却炉に設置された
図4の状態において、排気ガスはバグフィルタの外周側から導入され、外側濾布12、外側リテーナ14、内側濾布16、内側リテーナ18の順に通過し、中心よりバグハウス側(
図4の上方側)に抜ける。外側濾布12は、排気ガス中のダストの殆どを回収することができるように設計されており、内側濾布16にもダストは捕集され得るがその捕集量は少なく、換言すれば、内側濾布16においては排気ガス中のダストは殆ど除去済となっており、内側濾布16は万全の触媒作用(ダイオキシン除去等)を発揮することができるようになっている。
【0019】
バグフィルタに堆積したダストの払落しのため逆洗操作が定期的に実施される。即ち、逆洗操作時において、上方の図示しない噴出口よりバグフィルタの中心孔に向けて圧縮空気がパルス状に噴出され、圧縮空気パルスは内側リテーナ18,内側濾布16、外側リテーナ14、外側濾布12の順に流通される。圧縮空気パルスにより、外側濾布12の外側リテーナ14に対する繰返し的な打撃が行われ、その結果外側濾布12に堆積したダストの払落しが行われ、払い落とされバグハウス底部に溜まったダストは回収の上搬出される。逆洗操作時において、内側濾布16も内側リテーナ18により繰返し的な打撃が行われ、内側濾布16からのダストの払落しも同時的に行われ、払い落としされたダストは外側濾布12の内底面に落下保持されるが、それによる堆積ダスト量は些少であるため、逆洗操作完了後の外側濾布12によるダスト除去機能に悪影響することはない。外側濾布12の内底面上に残置されたダストは、バグフィルタの次のメンテナンス時に除去することができる。
【0020】
本発明の実施において、内側濾布16は外側濾布12に対して小径かつ短小となっているが、ダストの殆どは最初に排気ガスと接触する外側濾布12により捕集されるため、内側濾布16の小型化はダスト捕集能力上の問題はない。外側濾布12に対して小径かつ短小であっても全面で触媒作用を行うことができるため効率的な触媒機能を損なうことがなく、また、触媒担持量も従来方式(単一のバグフィルタに部分的に触媒を担持させる方式)と比較しても減少させることができ、フィルタ素材と比較して圧倒的に高価な素材である触媒量の削減により、外側の内側の2重のフィルタ構成であっても、バグフィルタのコスト全体としては従来の単一フィルタ方式との比較においてコストを削減することが可能である。また,外側濾布12及び内側濾布16の夫々について最適の交換時期で交換が可能となる。
【0021】
図5は第2の実施形態のバグフィルタ110の全体を示しており、バグフィルタ110は、
図6に示すパーツ分解状態では、外側濾布112及びリテーナ114(この実施形態においては、リテーナは一個のみ)を備える。外側濾布112及びリテーナ114は第1の実施形態の外側濾布12及び外側リテーナ14と同様に構成される。外側濾布112は、第1の実施形態において、
図4に関連して説明した取付具20と同様な構造のスナップリングを備えた取付具120を備え、取付具120をスナップリングの弾性によってセルプレート21のバグフィルタ取付孔21-1に脱着可能に構成される。第2の実施形態のバグフィルタ110は、第1の実施形態の内側濾布16とは構成を違えた内側濾布116を備えており、第1の実施形態における内側リテーナ18の代わりに内側濾布116を緊張維持することにより内側濾布116の筒形状を確保する後述手段を設けている。内側濾布116は、含浸・乾燥等の手法により触媒担持をさせたこと及びは第1の実施形態の内側濾布16と同様であるが、上端の開口部から下端部に向けて先細を呈した形状が幾分相違する。また、上端116-1の開口部において内側濾布116は第1の実施形態において
図4に関し説明したものと同一構造のOリング33(
図7)の内臓縫着構造を備えている。Oリングの縫着構造により、第1の実施形態と同様に内側濾布116をOリング内臓の上端116-1によりリテーナ114の上端フランジ114-1を介してセルプレート12側に係止保持することができる(
図7参照)。
図6において、内側濾布116の先細の下端116-2は平坦に潰され、中間に耐熱性金属より成る上側係止リング30を挟んで対向面に縫着(縫糸を116-3にて示す)される。
図8に示すように、リテーナ114はこの実施形態では下端部に薄肉の金属板114-2を固着して構成され、金属板114-2に下側係止リング32が固着され、上下のリング30, 32は、耐熱性素材であるカーボンやメタル繊維等より成る糸やストランド若しくは金属ワイヤ等より成る、可撓性を有し、排気ガスの流通の抵抗とならない太さの可撓性糸状体34により連結され、連結部材34に印加される張力は内側濾布116が筒形状を確保するように適宜設定される。
【0022】
この第2の実施形態におけるバグフィルタの排気ガス中のダスト除去のための動作は第1実施形態と同様であり、排気ガスは、外側濾布112、リテーナ114、内側濾布116の順に通過される。外側濾布112はメインとしてダスト捕集に与り、内側濾布116は触媒機能を達成する。
【0023】
第2の実施形態におけるダストの払落し動作に関しては、外側濾布112については圧縮ガスパルスによるリテーナ114に対する外側濾布112の打撃衝撃によりにダストの払落しが行われる。内側濾布116については連結糸34の適宜の緊張により内側濾布116は中心に保持されるため、内側濾布116の可撓性により自ら震えることによりダスト払い落としを行い、このダスト払落し機能はリテーナを打撃することより弱いが内側濾布116に溜まるダスト量は些少であることから十分に対応可能である。
【符号の説明】
【0024】
10, 110…バグフィルタ
12, 112…外側濾布
14, 114…外側濾布用リテーナ
16, 116…内側濾布
18…内側濾布用リテーナ
10, 120…バグフィルタ取付具
21…セルプレート
22…スナップリング
25…内側濾布のОリング
34…連結部材