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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022113956
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/06 20060101AFI20220729BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20220729BHJP
   F04B 49/10 20060101ALI20220729BHJP
   E03B 5/00 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
F04B49/06 311
H05B47/13
F04B49/10 311
E03B5/00 A
E03B5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021009994
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】玉川 充
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅之
【テーマコード(参考)】
3H145
3K273
【Fターム(参考)】
3H145AA23
3H145BA31
3H145BA41
3H145CA21
3H145CA30
3H145DA47
3H145EA20
3H145EA26
3H145EA42
3H145EA50
3K273PA09
3K273QA30
3K273SA02
3K273SA37
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA41
(57)【要約】
【課題】人が近づいた段階で作業がし易い環境を構築し得るポンプ装置を実現する。
【解決手段】本発明の一態様に係るポンプ装置は、人感センサと、音声出力部と、制御部とを備えている。前記制御部は、前記人感センサにより人が感知されると、前記音声出力部から出力される音量を増加させる。前記制御部は、前記人感センサにより人が感知されなくなると、前記音声出力部から出力される音量を減少させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人感センサと、
音声出力部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記人感センサにより人が感知されると、前記音声出力部から出力される音量を増加させ、
前記人感センサにより人が感知されなくなると、前記音声出力部から出力される音量を減少させる、
ポンプ装置。
【請求項2】
人感センサと、
発光部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記人感センサにより人が感知されると、前記発光部から出力される光量を増加させ、
前記人感センサにより人が感知されなくなると、前記発光部から出力される光量を減少させる、
ポンプ装置。
【請求項3】
前記人感センサは、赤外線センサ又は測距センサであり、
前記測距センサは、赤外LED又はレーザを用いる、請求項1又は2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
通信部と、
音声出力部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記通信部により外部装置との間で無線通信を開始すると、前記音声出力部から出力される音量を増加させ、
前記通信部により前記無線通信を終了すると、前記音声出力部から出力される音量を減少させる、
ポンプ装置。
【請求項5】
前記音声出力部は、スピーカ及びブザーのうちの少なくとも一方を含む、請求項1、請求項1を引用する請求項3、請求項4のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記音量を減少させる際に所定時間かけて減少させる、請求項1、請求項1を引用する請求項3、請求項4、請求項5のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項7】
通信部と、
発光部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記通信部により外部装置との間で無線通信を開始すると、前記発光部から出力される光量を増加させ、
前記通信部により前記無線通信を終了すると、前記発光部から出力される光量を減少させる、
ポンプ装置。
【請求項8】
前記発光部は、ポンプを制御する制御盤に設けられた液晶パネルのバックライト、表示部を構成するLED、及び前記制御盤を照明する照明器具のうちの少なくとも一つを含む、請求項2、請求項2を引用する請求項3、請求項7のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記光量を減少させる際に所定時間かけて減少させる、請求項2、請求項2を引用する請求項3、請求項7、請求項8のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水等の流体を圧送するポンプ装置が広く用いられている。係るポンプ装置は、各種情報を表現するランプ、7セグメント及び液晶パネルなどといった表示部が制御盤に設けられている。このため、係るポンプ装置は、作業者が表示部を読み取ることにより、運転状況、メンテナンス情報又は異常内容などの各種情報を作業者に伝達することが可能である。また、ポンプ装置においては、操作部の操作があった場合にポンプの運転状態に応じて、液晶表示のバックライトの輝度値、点灯、消灯又は点滅を制御する方式が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-145603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のようなポンプ装置は、本発明者の検討によれば、操作部が操作されるまで待たずに、人が近づいた段階で作業がし易い環境を構築できることが望ましい。
【0005】
本発明は、人が近づいた段階で作業がし易い環境を構築し得るポンプ装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るポンプ装置は、人感センサと、音声出力部と、制御部とを備えている。前記制御部は、前記人感センサにより人が感知されると、前記音声出力部から出力される音量を増加させる。前記制御部は、前記人感センサにより人が感知されなくなると、前記音声出力部から出力される音量を減少させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、人が近づいた段階で作業がし易い環境を構築し得るポンプ装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係るポンプ装置の構成を例示する模式図。
図2図1の制御部の構成を説明するための模式図。
図3】第1の実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
図4】第2の実施形態に係るポンプ装置及びその周辺構成を例示する模式図。
図5図4の通信端末の構成を説明するための模式図。
図6】第2の実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
図7】第3の実施形態に係るポンプ装置及びその周辺構成を例示する模式図。
図8】第3の実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
図9】第3の実施形態の変形例における動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて英小文字を用いることもある。
【0010】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るポンプ装置の構成を例示する模式図である。このポンプ装置1は、複数のポンプ11と、複数のモータ12と、複数のポンプ11にそれぞれ接続された吸込管13と、複数のポンプ11にそれぞれ接続された吐出管14と、複数の吐出管14を合流させる合流管15と、吐出管14に設けられた逆止弁16と、合流管15の二次側に配置された圧力センサ17と、ポンプ11の二次側にそれぞれ設けられた流量センサ18と、合流管15に設けられたアキュムレータ19と、制御盤20と、を備えている。
【0011】
このようなポンプ装置1は、各構成が一体に組み合わされたポンプユニットである。ポンプ装置1は、例えば、マンション等の建造物に、各戸の給水先へ給水する自動給水装置である。例えば、ポンプ装置1は、水源として受水槽100に接続される。但し、これに限らず、ポンプ装置1は、水、油又は排水(汚水)等といった流体を圧送する装置であればよい。すなわち、ポンプ装置1としては、マイコン等の制御部24を搭載したポンプ装置であればよく、必ずしも自動給水装置に限定されない。
【0012】
ポンプ11は、例えば、多段ポンプである。複数のポンプ11は、並列に配置される。本実施形態のポンプ装置1においては、ポンプ11が2台用いられる例を用いて説明する。
【0013】
モータ12は、各ポンプ11にそれぞれ接続される。モータ12は、電気的に制御盤20に接続される。モータ12は、ポンプ11を駆動する。
【0014】
吸込管13は、一端がポンプ11に接続され、他端が受水槽100に配置される。
【0015】
吐出管14は、複数のポンプ11のそれぞれに設けられる。吐出管14は、一端がポンプ11に接続され、他端が合流管15に接続される。
【0016】
合流管15は、各ポンプ11に接続された複数の吐出管14を合流させる。合流管15の二次側は、建造物等に設けられた配管に接続される。吐出管14及び合流管15は、ポンプ装置1の吐出配管を構成する。
【0017】
逆止弁16は、吐出管14に設けられる。逆止弁16は、合流管15側からポンプ11内へ水が逆流することを防止する。
【0018】
圧力センサ17は、リニア出力で圧力検出が可能に形成される。ここで、リニア出力とは、圧力センサ17が圧力に比例した関係の電圧または電流またはパルスを信号として出力することを意味する。例えば、圧力センサ17は、歪みゲージを有し、歪みゲージの歪み量によって圧力に対応した信号を出力する。
【0019】
流量センサ18は、小水量を検出可能に構成される。ここで、小水量とは、例えば、ポンプ装置1の停止流量である。流量センサ18は、例えば、パドル式の流量センサである。
【0020】
アキュムレータ19は、合流管15に設けられる。アキュムレータ19は、蓄圧可能に構成される。
【0021】
制御盤20は、複数のモータ12にそれぞれ接続された複数のインバータ21と、記憶部23及び制御部24を有する制御基板22と、制御基板22にそれぞれ接続された通信部25、入力部26、人感センサ27、ライト28及びスピーカ29とを備えている。なお、制御部24は、有線又は無線を介してライト28及びスピーカ29に接続される。
【0022】
インバータ21は、信号線を介してモータ12及び制御部24に電気的に接続される。インバータ21は、モータ12と同数の、本実施形態においては2つ設けられる。インバータ21は、出力周波数、即ちモータ12の運転周波数を可変可能に構成される。インバータ21は、制御盤20の外部に配置してもよく、具体的には例えば、モータ12を収容したモータケーシングに取り付けてもよい。
【0023】
記憶部23は、例えば、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)又はHDD(Hard Disk Drive)である。記憶部23は、ポンプ装置1を起動する起動圧力、給水時における目標圧力及び定格流量、及び、圧力センサ17の故障を判断する閾値、流量センサ18の故障を判断する閾値を記憶する。また、記憶部23は、給水運転時に通常運転として制御部24によりインバータ21を制御する制御プログラム、圧力センサ17や流量センサ18の故障を判断する判断プログラムが記憶されている。また、記憶部23は、後述する光量制御及び/又は音量制御を行うプログラムが記憶されている。なお、記憶部23は、光量制御及び/又は音量制御が設定に基づいて実行される場合、当該設定に用いられるテーブルを記憶してもよい。
【0024】
制御部24は、典型的にはマイコンであるが、CPU (central processing unit)、GPU (graphics processing unit)、FPGA (field programmable gate array)、DSP (digital signal processor)、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。制御部24は、圧力センサ17、流量センサ18、インバータ21、記憶部23、通信部25、入力部26、人感センサ27、ライト28及びスピーカ29等に電気的に接続される。制御部24は、例えば、通信制御、表示制御、光量制御、音量制御、ポンプ制御などの任意の処理を行う。例えば、制御部24は、図2に示すように、記憶部23内のプログラムの実行により、光量制御及び/又は音量制御などを行う処理部24aと、記憶部23内の制御プログラムの実行により、ポンプ制御などを行うポンプ制御部24bとを備えている。なお、処理部24a及びポンプ制御部24bは、適宜、通信制御及び表示制御などの処理も行う。表示制御については、図示しないLEDを含むランプ及び7セグメント(LEDランプ及び7セグメントLED)に対する制御を含んでいる。当該LEDランプ及び7セグメントLEDは、発光部のうち、表示部を構成するLEDの一例であり、光出力の状態により情報を表示する。また、表示制御は、当該表示部を構成するLEDに対する光量制御を更に含んでもよい。
【0025】
ここで、制御部24は、処理部24aにより、人感センサ27により人が感知されると、スピーカ29(音声出力部)から出力される音量及び/又はライト28(発光部)から出力される光量を増加させる。なお、ここでいう「光量を増加させる」ことは、消灯状態から点灯状態に移行することと、小光量での点灯状態から相対的に大光量での点灯状態に移行することとのいずれで実施してもよい。光量の増加の実施は、ライト28の機器毎に、異なる方法を用いてよい。例えば、ライト28の機器が、液晶パネルのバックライトと、制御盤20の照明器具との場合、バックライトに対しては小光量から大光量に増加させ、照明器具に対しては消灯状態から点灯状態に移行させるように実施してもよい。これは、例えばライト28の機器毎に、光量の増加方法を設定することと、設定内容に基づいて光量を増加させることとにより、実施可能となっている。また同様に、LEDランプ及び7セグメントLEDの如き、表示部を構成するLEDの光量を増加させてもよい。
【0026】
同様に、「音量を増加させる」ことは、無音状態から発音状態に移行することと、小音量での発音状態から相対的に大音量での発音状態に移行することとのいずれで実施してもよい。また同様に、スピーカ29の機器毎に、異なる実施をしてもよい。例えば、スピーカ29の機器が、音声案内用のスピーカと、警報用のブザーの場合、音声案内用のスピーカに対しては小音量から大音量に増加させ、ブザーに対しては無音状態から発音状態に移行させるか、又は音量制御しないように実施してもよい。これは、例えばスピーカ29の機器毎に、音量の増加方法を設定することと、設定内容に基づいて音量を増加させることとにより、実施可能となっている。「音量制御しない」旨の設定は、ブザーの場合、人の有無とは無関係に警報を出力させることを意図している。
【0027】
また、制御部24は、処理部24aにより、人感センサ27により人が感知されなくなると、スピーカ29から出力される音量及び/又はライト28から出力される光量を減少させる。補足すると、制御部24は、人の感知により音量を増加させた場合には、人が感知されなくなると、音量を減少させる。同様に、制御部24は、人の感知により光量を増加させた場合には、人が感知されなくなると、光量を減少させる。ここでいう「光量を減少させる」ことは、点灯状態から消灯状態に移行することと、大光量での点灯状態から相対的に小光量での点灯状態に移行することとのいずれで実施してもよい。光量の減少の実施は、ライト28の機器毎に、異なる方法を用いてよい。例えば、ライト28の機器が、液晶パネルのバックライトと、制御盤20の照明器具との場合、バックライトに対しては大光量から小光量に減少させ、照明器具に対しては点灯状態から消灯状態に移行させるように実施してもよい。これは、例えばライト28の機器毎に、光量の減少方法を設定することと、設定内容に基づいて光量を減少させることとにより、実施可能となっている。また同様に、表示部を構成するLEDの光量を減少させてもよい。
【0028】
同様に、「音量を減少させる」ことは、発音状態から無音状態に移行することと、大音量での発音状態から相対的に小音量での発音状態に移行することとのいずれで実施してもよい。また同様に、スピーカ29の機器毎に、異なる実施をしてもよい。例えば、スピーカ29の機器が、音声案内用のスピーカと、警報用のブザーの場合、音声案内用のスピーカに対しては大音量から小音量に減少させ、ブザーに対しては発音状態から無音状態に移行させるか、又は制御しないように実施してもよい。これは、例えばスピーカ29の機器毎に、音量の減少方法を設定することと、設定内容に基づいて音量を減少させることとにより、実施可能となっている。「音量制御しない」旨の設定は、ブザーの場合、人の操作により警報を停止させることを意図している。
【0029】
また、制御部24は、音量及び/又は光量を減少させる際に瞬間的に減少させてもよい。あるいは、制御部24は、音量及び/又は光量を減少させる際に所定時間かけて減少させるようにしてもよい。「所定時間かけて減少させる」ことは、所定時間後に瞬間的に減少させることと、所定時間かけて徐々に減少させることとのいずれで実施してもよい。所定時間後に減少させる場合、所定時間は、予め設定されたインターバルタイマにより計測してもよい。これらの減少のさせ方も、前述同様に、スピーカ29の機器毎に、音量の減少のさせ方を設定することと、設定内容に基づいて音量を減少させることとにより、実施可能となっている。
【0030】
通信部25は、制御部24により制御され、無線通信技術を用いて、通信端末などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、通信部25は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energyの規格(以下、BLE規格ともいう)、Wi-Fi(登録商標)、NFCなどの(近距離)無線通信技術、またはUSBなどから接続する有線通信技術を用いて、通信端末等の外部装置に接続可能となっている。なお、BLE規格は、BLEのバージョン4.0以上の規格であればよく、BLEの通信方式と互換性があればよい。これに伴い、「BLE規格」は、「Bluetooth 4.0以上の規格」と呼んでもよい。
【0031】
入力部26は、例えば、ボタンスイッチやセレクトスイッチを含む操作パネルなどのユーザ入力を受け付ける装置と、カメラなどのセンサとを含み得る。ボタンスイッチは、ユーザの操作に応じて、オン状態又はオフ状態となる音声通知スイッチの一例である。セレクトスイッチは、ポンプ運転指令を入力するものであり、ユーザの操作に応じて、ポンプの自動・停止・手動を切り替えるスイッチや、1号機の運転、1~2号機の運転、又は2号機の運転を切り替えるスイッチなどが適宜、使用可能となっている。「ポンプ運転指令」は「ポンプ運転指示」と呼んでもよい。
【0032】
人感センサ27は、人を感知するセンサであり、例えば、制御盤20内に設けられ、制御盤20の扉に形成された開口部20aを通して、制御盤20の近くにいる人を感知可能となっている。人感センサ27としては、例えば、赤外線センサ又は測距センサ等の任意の人感センサが使用可能となっている。例えば、人感センサ27としては、超音波の反射を検出する超音波センサとしてもよい。なお、赤外線センサは、赤外線を検知するセンサであり、例えば、熱型及び量子型が知られている。但し、本実施形態に係る赤外線センサとしては、赤外線を吸収した受光素子の温度変化を検出可能な熱型の赤外線センサが冷却不要な点で好ましい。測距センサは、赤外LED又はレーザ等の光源を用い、光源から照射した光が人に反射して受光されるまでの時間に基づいて、人との距離を測定可能なセンサである。「LED」は、「light-emitting diode」(発光ダイオード)の略語である。
【0033】
ライト28は、ポンプ11に関する情報を視覚的に表現するため、光を出力する部品であり、出力する光量が制御部24により制御可能となっている。ライト28としては、例えば、ポンプ11を制御する制御盤20に設けられた液晶パネルのバックライト、表示部を構成するLED、及び制御盤20を照明する照明器具のうちの少なくとも一つを含んでいる。これに限らず、ライト28としては、制御盤20に設けられた7セグメント表示部や、LEDなどが適宜、使用可能となっている。ライト28は、発光部の一例である。
【0034】
スピーカ29は、ポンプ11に関する情報を聴覚的に表現するため、音を出力する部品であり、出力する音量が制御部24により制御可能となっている。スピーカ29は、制御盤20に埋め込んでもよく、床置き又は壁掛けしてもよい。スピーカ29は、音声出力部の一例である。なお、音声出力部は、スピーカ29に限らず、ブザーとしてもよい。音声出力部は、スピーカ及びブザーのうちの少なくとも一方を含んでいる。
【0035】
次に、以上のように構成されたポンプ装置の制御盤に関する光量制御及び音量制御の動作例について図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
いま、ポンプ装置1は、インバータ21にて可変速制御し、圧力センサ17で検出された圧力が始動圧力以下で始動し、流量センサ18で検出された流量が少水量判断値以下で停止するなど、目標圧力一定制御の下で正常運転中であるとする。
【0037】
このとき、ポンプ装置1の制御部24は、ステップST10において、人感センサ27により人を感知したか否かに基づき、制御盤20に人が近づいたか否かを判定する。具体的には、制御部24は、人感センサ27により人が感知されると、人が近づいた旨を判定してステップST20に移行する。一方、ステップST10の判定の結果、否の場合には、ステップST10を繰り返し実行する。
【0038】
ステップST10の後、制御部24は、ステップST20において、ライト28から出力される光量を増加させる。なお、ライト28の光量を増加させる場合、消灯状態から点灯状態に移行させてもよく、小光量での点灯状態から相対的に大光量での点灯状態に移行させてもよい。
【0039】
ステップST20の後、制御部24は、ステップST30において、スピーカ29から出力される音量を増加させる。スピーカ29の音量を増加させる場合、無音状態から発音状態に移行させてもよく、小音量での発音状態から相対的に大音量での発音状態に移行させてもよい。なお、ステップST20の光量制御と、ステップST30の音量制御とは、いずれを先に実行してもよく、両者を並列に実行してもよい。あるいは、光量制御及び音量制御のいずれか一方を省略してもよい。いずれにしても、人が検知されると、光量及び/又は音量を増加させることから、ポンプ装置1に人が近づいた段階で作業がし易い環境を構築することができる。
【0040】
ステップST30の後、制御部24は、ステップST40において、人感センサ27により人を感知したか否かに基づき、制御盤20から人が離れたか否かを判定する。具体的には、制御部24は、人感センサ27により人が感知されなくなると、人が離れた旨を判定してステップST50に移行する。一方、ステップST40の判定の結果、否の場合には、ステップST40を繰り返し実行する。
【0041】
ステップST40の後、制御部24は、ステップST50において、ライト28から出力される光量を減少させる。なお、ライト28の光量を減少させる場合、点灯状態から消灯状態に移行させてもよく、大光量での点灯状態から相対的に小光量での点灯状態に移行させてもよい。また、ライト28の光量を減少させる際に、瞬間的に減少させてもよく、所定時間かけて減少させてもよく、所定時間後に瞬間的に減少させてもよい。
【0042】
ステップST50の後、制御部24は、ステップST60において、スピーカ29から出力される音量を減少させる。スピーカ29の音量を減少させる場合、発音状態から無音状態に移行させてもよく、大音量での発音状態から相対的に小音量での発音状態に移行させてもよい。また、スピーカ29の音量を減少させる際に、瞬間的に減少させてもよく、所定時間かけて減少させてもよく、所定時間後に瞬間的に減少させてもよい。なお、ステップST50の光量制御と、ステップST60の音量制御とは、いずれを先に実行してもよく、両者を並列に実行してもよい。あるいは、光量制御及び音量制御のいずれか一方を省略してもよい。いずれにしても、人が検知されなくなると、光量及び/又は音量を減少させることから、ポンプ装置1から人が離れた段階でポンプ装置1の消費電力を低減することができる。また、ステップST60の後、制御部24は、ステップST10に戻り、ステップST10以降の処理を繰り返し実行する。
【0043】
上述したように第1の実施形態によれば、ポンプ装置は、人感センサと、音声出力部及び/又は発光部と、制御部とを備えている。制御部は、人感センサにより人が感知されると、音声出力部から出力される音量及び/又は発光部から出力される光量を増加させ、人感センサにより人が感知されなくなると、音声出力部から出力される音量及び/又は発光部から出力される光量を減少させる。従って、人が近づいた段階で作業がし易い環境を構築できるポンプ装置を実現することができる。
【0044】
補足すると、例えば建物に給水するためのポンプ装置は、制御盤の有無に関わらず、通常は目立った場所には設置されず、地下や階段下や人が入りにくい奥まった場所に設置されている。その様な場所は狭くて暗い場所が多い。また、時には夜間にメンテナンス作業をすることもあるので、ポンプ設置場所を容易に発見できることが必要であり、また、液晶表示内容などを正確に把握できる必要がある。また例えば、ポンプメンテナンス作業がし易い環境としては,ポンプ装置に人が近づいたら、自動的に照明器具が点灯したり、自動的に液晶パネルのバックライトが灯いたり、自動的に液晶パネル、7セグメントLED、LEDランプなどの光量が小光量から大光量へとアップすることにより、省エネ状態を確保しつつ、明るい状態での作業やトラブル・メンテナンス情報を正確に視認することができる。一方、ライトを常時オン状態にすると、省エネ状態を確保できない。例えば、作業が終了して人が離れて居なくなったら、自動的に照明器具を消灯させたり、自動的に液晶パネルのバックライトを消したり、自動的に液晶パネルや7セグメントLED、LEDランプなどの光量を大光量から小光量へとダウンさせることにより、省エネ状態を確保することが好ましい。また、スピーカは、警報として使用することが多いため、人が近くに居ても居なくても鳴らすことが多い。しかしながら、近年、建物同士の距離が近くなり、密集した地域も多く存在するため、ちょっとした音でも騒音苦情となり得る。すなわち、スピーカを常時、発音状態(発音可能な待機状態)にすると、騒音苦情が生じる懸念がある。よって、ちょっとした音の警報でも、人がポンプ装置の近くに居る時のみ、出力可能なことが好ましい。
【0045】
これに対し、第1実施形態によれば、人が感知されると、音量及び/又は光量を増加させ、人が感知されなくなると、音量及び/又は光量を減少させる。従って、メンテナンスなどの作業を行い易い環境の構築に加え、光量制御により省エネ状態を確保しつつ、音量制御により騒音苦情を発生しにくくすることができる。但し、光量制御及び音量制御は、いずれか一方を省略してもよい。例えば、常時、明るい場所にポンプ装置が設置される場合には、光量制御は省略可能である。また、住宅から十分離れた場所にポンプ装置が設置される場合には、音量制御は省略可能である。
【0046】
また、第1の実施形態によれば、人感センサは赤外線センサ又は測距センサであってもよく、測距センサは赤外LED又はレーザを用いてもよい。この場合、例えば、市販品の人感センサを購入して取り付けることにより、人感センサを容易に実装することができる。
【0047】
また、第1の実施形態によれば、発光部は、ポンプを制御する制御盤に設けられた液晶パネルのバックライト、表示部を構成するLED、及び制御盤を照明する照明器具のうちの少なくとも一つを含むようにしてもよい。この場合、作業環境の改善に大きく寄与する発光部の光量を制御することができる。補足すると、省エネ状態を確保しつつ、明るい状態での作業環境を構築でき、また、制御盤20の情報(例、トラブル/メンテナンス情報)を視覚的に提示することができる。
【0048】
また、第1の実施形態によれば、音声出力部は、スピーカ及びブザーのうちの少なくとも一方を含むようにしてもよい。この場合、作業環境の改善に大きく寄与するスピーカ、ブザーの音量を制御することができる。補足すると、省エネ状態を確保しつつ、不在時より大きい音量での作業環境を構築でき、また、制御盤20の情報(例、トラブル/メンテナンス情報)を聴覚的に提示することができる。
【0049】
また、第1の実施形態によれば、制御部は、音量及び/又は光量を減少させる際に所定時間かけて減少させるようにしてもよい。この場合、光量及び/又は音量をフェードアウトさせることで、光量及び/又は音量が唐突に消えたときの違和感を人に与えずに済む。
【0050】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態に係るポンプ装置及びその周辺構成を例示する模式図であり、図1と略同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは、主に、異なる部分について述べる。以下の各実施形態も同様にして重複した部分の説明を省略する。
【0051】
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、図1に示した人感センサ27により人を感知する構成に代えて、図4に示すように、人が持つ通信端末50との通信により、当該人の存在を感知する構成である。これに伴い、図1に示した人感センサ27及び開口部20aは、図4に示すように省略されている。
【0052】
また、制御部24の処理部24aは、通信部25により通信端末50(外部装置)との間で無線通信を開始すると、スピーカ29(音声出力部)から出力される音量及び/又はライト28(発光部)から出力される光量を増加させる。また、制御部24の処理部24aは、通信部25により通信端末50(外部装置)との間で無線通信を終了すると、スピーカ29(音声出力部)から出力される音量及び/又はライト28(発光部)から出力される光量を減少させる。補足すると、制御部24は、無線通信の開始により音量を増加させた場合には、無線通信の終了により音量を減少させる。同様に、制御部24は、無線通信の開始により光量を増加させた場合には、無線通信の終了により光量を減少させる。
【0053】
なお、制御部24の処理部24aは、通信端末50との無線通信により、通信端末50のユーザを識別し、当該ユーザに応じた異なる方法で光量制御及び/又は音量制御を実行してもよい。これは、例えばライト28の機器毎で且つユーザID毎に、光量の増加方法及び減少方法を設定することと、設定内容に基づいて光量を増加又は減少させることとにより、実施可能となっている。同様に、スピーカ29の機器毎で且つユーザID毎に、音量の増加方法及び減少方法を設定することと、設定内容に基づいて音量を増加又は減少させることとにより、実施可能となっている。この場合、ユーザの好みに応じた光量制御及び音量制御を実現させることができる。
【0054】
一方、通信端末50は、ポンプ装置1と、サーバ装置とに通信可能な情報処理装置である。通信端末50は、例えば、PC、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォン、ゲーム機など)、無線式電子キー(例:自動車の鍵)などであり得るが、これらに限られない。通信端末50は、ポンプ装置1が無線通信可能な外部装置の一例である。
【0055】
このような通信端末50は、図5に例示するように、通信部51、入力部52、表示部53、メモリ54及びプロセッサ55を備えている。プロセッサ55は、後述するように、通信制御部55a、処理部55b等の機能を実現可能となっている。
【0056】
ここで、通信部51は、プロセッサ55により制御され、例えば、近距離通信技術を用いて、サーバ装置(図示せず)やポンプ装置1などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、通信部51は、例えば、BLE規格、Wi-Fi(登録商標)、NFCなどの(近距離)無線通信技術、またはUSBなどから接続する有線通信技術を用いて、ポンプ装置1等の外部装置に接続可能となっている。
【0057】
また、通信部51は、プロセッサ55により制御され、例えば、遠距離通信技術を用いて、サーバ装置(図示せず)などの外部装置と通信可能な任意の通信インタフェースである。具体的には、通信部51は、例えば、移動通信(3G、4G、5G)、Wimaxなどの無線通信技術を用いて、基地局及びネットワーク経由でサーバ装置等の外部装置に接続可能となっている。
【0058】
入力部52は、ユーザ入力を受け付けるための入力I/Fであり、通信端末50に内蔵されてもよいし、通信端末50に外付けされてもよい。入力部52は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、マイクロフォン、カメラなどであってもよいし、タッチスクリーンのように出力I/Fの機能を備えていてもよい。ユーザ入力は、典型的には、タップ、クリック、ドラッグ、特定のキーの押下などであり得る。このほか、ユーザ入力は、例えば、マイクロフォンによって捉えられる音声などを含むこともできる。
【0059】
表示部53は、プロセッサ55の処理に応じて、画像及び/又は音声を出力するための出力I/Fの一例であり、動画像、静止画像、テキストなどを表示するための表示デバイスを含み得る。表示デバイスは、タッチスクリーンのように入力I/Fの機能を備えていてもよい。
【0060】
メモリ54は、プロセッサ55が各処理を実現するために当該プロセッサ55によって実行されるプログラム、および当該プロセッサ55によって使用されるデータなどを記憶する。メモリ54は、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAMを含み得る。プログラムとしては、例えば、ファームウェア、OS、通信プログラムなどが適宜、記憶される。データとしては、例えば、コード、運転データ、各テーブルなどが適宜、記憶される。
【0061】
プロセッサ55は、典型的にはCPUであるが、マイコン、GPU、FPGA、DSP、またはその他の汎用または専用のプロセッサなどであってもよい。プロセッサ55は、ポンプ装置1の音声案内を支援する処理を実行してもよく、サーバ装置とポンプ装置1との間に介在して、ポンプ装置1を管理する処理を実行してもよい。プロセッサ55は、メモリ54に保存されたプログラムを実行することで、通信制御部55a、処理部55bとして機能し得る。
【0062】
通信制御部55aは、通信部51を介して、サーバ装置との遠距離通信を行う。また、通信制御部55aは、通信部51を介して、ポンプ装置1との近距離通信を行う。例えば、通信制御部55aは、ポンプ装置1と無線通信可能な範囲に近づいた場合、ポンプ装置1との近距離通信を行うようにしてもよい。
【0063】
処理部55bは、ポンプ装置1の音声案内を支援する処理を実行してもよく、点検、メンテナンス及び管理など、作業者の作業に応じた情報処理を実行してもよい。例えば、処理部55bは、作業者によるポンプ装置1からの運転データの収集を支援してもよい。
【0064】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0065】
次に、以上のように構成されたポンプ装置の動作例について図6を参照しながら説明する。なお、動作例のうち、光量制御及び音量制御に関するステップST20,ST30,ST50,ST60の動作については前述同様のため、説明を省略する。以下、動作例を述べる。
【0066】
ポンプ装置1は、前述同様に、目標圧力一定制御の下で正常運転中であるとする。
【0067】
このとき、ポンプ装置1の制御部24は、ステップST10aにおいて、通信端末50と無線通信を開始したか否かに基づき、制御盤20に通信端末50が近づいたか否かを判定する。具体的には、制御部24は、通信部25により通信端末50との間で無線通信を開始すると、通信端末50が近づいた旨を判定してステップST20に移行する。一方、ステップST10aの判定の結果、否の場合には、ステップST10aを繰り返し実行する。
【0068】
ステップST20,ST30は、第1の実施形態と同様に実行される。
【0069】
ステップST30の後、ポンプ装置1の制御部24は、ステップST40aにおいて、通信端末50との無線通信を終了したか否かに基づき、制御盤20から通信端末50が離れたか否かを判定する。具体的には、制御部24は、通信部25により通信端末50との間で無線通信を終了すると、通信端末50が離れた旨を判定してステップST50に移行する。一方、ステップST40aの判定の結果、否の場合には、ステップST40aを繰り返し実行する。
【0070】
ステップST50,ST60は、第1の実施形態と同様に実行される。また、ステップST60の後、制御部24は、ステップST10aに戻り、ステップST10a以降の処理を繰り返し実行する。
【0071】
上述したように第2の実施形態によれば、ポンプ装置は、通信部と、音声出力部及び/又は発光部と、制御部とを備えている。制御部は、通信部により外部装置との間で無線通信を開始すると、音声出力部から出力される音量及び/又は発光部から出力される光量を増加させ、通信部により無線通信を終了すると、音声出力部から出力される音量及び/又は発光部から出力される光量を減少させる。従って、外部装置を持つ人が近づいた段階で作業がし易い環境を構築できるポンプ装置を実現することができる。この場合、前述した人感センサの感知範囲よりも長い距離の無線通信を用いることで、人が近づいた際に、第1の実施形態よりも早めに作業環境を整えることができる。補足すると、近くに人が居る時に限って外部装置と通信する通信制御装置としては,Wi-Fi、Bluetooth、NFCなどの近距離無線通信手段経由で、スマートフォンやタブレットなどの通信機器を使って、インターネットを通じてデータのやり取りを行うようにしてもよい。近距離無線通信なので,データのやり取りを行う際は必ず近くに人が居ることになる。通信手段は近距離無線通信の方が確実に近くに人が居ることになるが、これに限らず、ポンプ装置と直接遠距離無線通信や有線ケーブルを使った通信技術にてデータ通信を行うようにしても問題ない。
【0072】
また、第2の実施形態によれば、人を感知する動作に代えて、人がもつ外部装置を感知する動作を行う点を除き、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0073】
<第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態に係るポンプ装置及びその周辺構成を例示する模式図である。
【0074】
第3の実施形態は、第1の実施形態に対し、第2の実施形態の一部を組み合わせた変形例であり、図7に示すように、人感センサ27を備える一方、通信端末50との通信が可能な構成である。
【0075】
これに伴い、制御部24は、人感センサ27により人が感知されると、スピーカ29の音量及び/又はライト28の光量を増加させる動作に代えて、通信部25により通信端末50との間で無線通信を開始すると、スピーカ29の音量及び/又はライト28の光量を増加させる。補足すると、制御部24は、無線通信の開始により音量を増加させた場合には、人が感知されなくなると、音量を減少させる。同様に、制御部24は、無線通信の開始により光量を増加させた場合には、人が感知されなくなると、光量を減少させる。なお、通信端末50を持たないユーザの場合を考慮し、制御部24は、通信端末50との間で無線通信を開始しなくても、人感センサ27により人が感知されると、スピーカ29の音量及び/又はライト28の光量を増加させてもよい。この場合、制御部24は、第1の実施形態と同様に動作することになる。
【0076】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0077】
次に、以上のように構成されたポンプ装置の動作例について図8を参照しながら説明する。なお、動作例のうち、ステップST20~ST60の動作については前述同様のため、説明を省略する。以下、動作例を述べる。
【0078】
ポンプ装置1は、前述同様に、目標圧力一定制御の下で正常運転中であるとする。
【0079】
このとき、ポンプ装置1の制御部24は、ステップST10aにおいて、通信端末50と無線通信を開始したか否かに基づき、制御盤20に通信端末50が近づいたか否かを判定する。具体的には、制御部24は、通信部25により通信端末50との間で無線通信を開始すると、通信端末50が近づいた旨を判定してステップST20に移行する。一方、ステップST10aの判定の結果、否の場合には、ステップST10aを繰り返し実行する。
【0080】
以下、ステップST20以降の処理は、第1の実施形態と同様に実行される。例えば、ステップST40において、制御部24は、人感センサ27により人が感知されなくなると、人が離れた旨を判定してステップST50以降の処理を実行する。
【0081】
上述したように第3の実施形態によれば、通信部により外部装置との間で無線通信を開始すると、音声出力部から出力される音量及び/又は発光部の光量を増加させる。また、人感センサにより人が感知されなくなると、音声出力部から出力される音量及び/又は発光部から出力される光量を減少させる。この場合、前述した人感センサの感知範囲よりも長い距離の無線通信を用いることで、人が近づいた際に、第1の実施形態よりも早めに作業環境を整えることができる。
【0082】
また、第3の実施形態によれば、近づいた人を感知する動作に代えて、近づいた人がもつ外部装置を感知する動作を行う点を除き、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0083】
[第3の実施形態の変形例]
第3の実施形態の変形例は、第1の実施形態に比べ、人が離れたことを通信端末との無線通信の終了で感知する構成である。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態に比べ、人が近づいたことを通信端末との無線通信の開始で感知する構成であった。
【0084】
本変形例の制御部24は、人感センサ27で人が感知されなくなると、スピーカ29の音量及びライト28の光量を減少させる動作に代えて、通信部25により通信端末50との間で無線通信を終了すると、スピーカ29の音量及びライト28の光量を減少させる。補足すると、制御部24は、人の感知により音量を増加させた場合には、無線通信の終了により音量を減少させる。同様に、制御部24は、人の感知により光量を増加させた場合には、無線通信の終了により光量を減少させる。
【0085】
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0086】
次に、以上のように構成されたポンプ装置の動作例について図9を参照しながら説明する。なお、動作例のうち、ステップST10~ST30、ST50、ST60の動作については前述同様のため、説明を省略する。以下、動作例を述べる。
【0087】
いま、第1の実施形態と同様に、ステップST10~ST30が実行されたとする。
【0088】
ステップST30の後、ポンプ装置1の制御部24は、ステップST40aにおいて、通信端末50との無線通信を終了したか否かに基づき、制御盤20から通信端末50が離れたか否かを判定する。具体的には、制御部24は、通信部25により通信端末50との間で無線通信を終了すると、通信端末50が離れた旨を判定してステップST50に移行する。一方、ステップST40aの判定の結果、否の場合には、ステップST40aを繰り返し実行する。
【0089】
ステップST50,ST60は、第1の実施形態と同様に実行される。また、ステップST60の後、制御部24は、ステップST10aに戻り、ステップST10a以降の処理を繰り返し実行する。
【0090】
上述したように第3の実施形態の変形例によれば、人感センサにより人が感知されると、音声出力部から出力される音量及び/又は発光部から出力される光量を増加させる。また、通信部により外部装置との間で無線通信を終了すると、音声出力部から出力される音量及び/又は発光部の光量を減少させる。この場合、前述した人感センサの感知範囲よりも長い距離の無線通信を用いることで、人が離れた際に、第1の実施形態よりも遅めに音量及び光量が減少されるので、光量及び音量が唐突に消えたときの違和感を人に与えずに済む。
【0091】
また、第3の実施形態の変形例によれば、離れた人を感知する動作に代えて、離れた人がもつ外部装置との間の無線通信の終了を感知する動作を行う点を除き、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0092】
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
【0093】
上述の実施形態では、いくつかの機能部を説明したが、これらは各機能部の実装の一例に過ぎない。例えば、1つの装置に実装されると説明された複数の機能部が複数の別々の装置に亘って実装されることもあり得るし、逆に複数の別々の装置に亘って実装されると説明された機能部が1つの装置に実装されることもあり得る。
【0094】
また、以上のようなポンプ装置は、以下の[1]~[6]に示すように、表現してもよい。
【0095】
[1] 給液するための電動ポンプや、当該電動ポンプを制御するための制御盤を有するポンプ装置において、人感センサ、又は、外部装置と(有線又は無線にて)通信できる通信制御装置を有し、上記電動ポンプや上記ポンプ装置と人との遠近、又は、上記電動ポンプや上記ポンプ装置と外部装置との通信状況の変化に対応して、視覚・聴覚にて表現される電気部品に対するオン/オフ制御、又は出力量の大/小制御を行うようにしてもよい。
【0096】
[2] 上記[1]において、人感センサは、(温度変化を検出可能な)赤外線センサ、又は(赤外LEDやレーザ等を使用する)測距センサであってもよい。
【0097】
[3] 上記[1]において、外部装置と通信できる通信制御装置は、(近くに人が居る時に限って通信する、Wi-Fi、Bluetooth、NFCなどの近距離無線通信経由で、スマートフォンやタブレットなどの通信機器を用いて、インターネットを通じてデータのやり取りをする)近距離無線通信であってもよい。
【0098】
[4] 上記[1]において、視覚にて表現される電気部品は、液晶パネル(バックライトを含む)、7セグメント、LED、照明器具であり、人感センサや近距離無線通信にて人が近づいたと判断した場合に、消灯状態から点灯状態へ又は光量を小光量から大光量へ変化させ、人感センサや近距離無線通信にて人が離れたと判断した場合に、点灯状態から消灯状態へ又は光量を大光量から小光量へ変化させてもよい。
【0099】
[5] 上記[1]において、聴覚にて表現される部品は、スピーカ、ブザーであり、人感センサや近距離無線通信にて人が近づいたと判断した場合に、オフ状態(無音)からオン状態(発音)へ又は音量を小音量から大音量へ変化させ、人が離れたと判断した場合にはオン状態(発音)からオフ状態(無音)へ又は音量を大音量から小音量へ変化させてもよい。
【0100】
[6] 上記[4]又は[5]において、人が近づいたと判断した場合、又は、人が離れたと判断した場合に、視覚・聴覚にて表現される電気部品に対するオン/オフ制御、又は変化量の大/小制御は、時間的要素を含めたタイミングで実行してもよい。
【0101】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0102】
1・・・ポンプ装置、11・・・ポンプ、12・・・モータ、13・・・吸込管、14・・・吐出管、15・・・合流管、16・・・逆止弁、17・・・圧力センサ、18・・・流量センサ、19・・・アキュムレータ、20・・・制御盤、21・・・インバータ、22・・・制御基板、23・・・記憶部、24・・・制御部、24a,55b・・・処理部、24b・・・ポンプ制御部、25,51・・・通信部、26,52・・・入力部、27・・・人感センサ、28・・・ライト、29・・・スピーカ、50・・・通信端末、53・・・表示部、54・・・メモリ、55・・・プロセッサ、55a・・・通信制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9