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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114030
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】船舶の発進制御装置
(51)【国際特許分類】
   B63H 21/21 20060101AFI20220729BHJP
   B63H 20/00 20060101ALI20220729BHJP
   B63B 79/10 20200101ALI20220729BHJP
   B63B 79/40 20200101ALI20220729BHJP
   B63B 49/00 20060101ALI20220729BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20220729BHJP
   B60W 30/08 20120101ALI20220729BHJP
【FI】
B63H21/21
B63H20/00 803
B63B79/10
B63B79/40
B63B49/00 Z
B60W50/14
B60W30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010128
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】石坂 仁
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 光男
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA31
3D241BA60
3D241BA70
3D241BB04
3D241CD07
3D241CD08
3D241CD28
3D241CE04
3D241DA03Z
3D241DA13Z
3D241DB01Z
(57)【要約】
【課題】エンジン始動後の操縦者による操作に基づく急発進を回避する船舶の発進制御装置を提供する。
【解決手段】小型船舶の発進制御装置であって、船体と、船体を推進させる推進機14と、推進機14の推進力を調整するために操縦者によって操作されるスロットルレバーと、スロットルレバーの傾倒角度(操作量)を検出するレバー位置センサと、検出された傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する推進力制御部36Aと、を備え、推進力制御部36Aは、小型船舶が停止状態または小型船舶が所定速度以下で航行している徐行状態から発進する場合に、検出された傾倒角度が、予め定めた急発進とならない最大の傾倒角度である基準傾倒角度を超えた場合、基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の発進制御装置であって、
船体と、
前記船体を推進させる推進機と、
前記推進機の推進力を調整するために操縦者によって操作される操作部材と、
前記操作部材の操作量を検出する検出部と、
検出された前記操作量に基づいて前記推進機の推進力を制御する推進力制御部と、を備え、
前記推進力制御部は、前記船舶が停止状態または前記船舶が所定速度以下で航行している徐行状態から発進する場合に、検出された前記操作量が、予め定めた急発進とならない最大の操作量である基準操作量を超えた場合、前記基準操作量以下の操作量に基づいて前記推進機の推進力を制御する、
ことを特徴とする船舶の発進制御装置。
【請求項2】
前記推進力制御部は、前記基準操作量以下の操作量に基づいて前記推進機の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された前記操作量に基づいて前記推進機の推進力を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の船舶の発進制御装置。
【請求項3】
前記操作部材は、操作台から揺動可能に突出された揺動軸と、前記揺動軸の先端に設けられ手により把持される被把持部とを有するスロットルレバーであって、
前記検出部は、前記スロットルレバーの傾倒角度を前記操作量として検出し、検出した前記傾倒角度を示す傾倒角度信号を前記推進力制御部に供給し、
前記推進力制御部は、供給された前記傾倒角度信号に基づいて前記推進機の推進力を制御し、前記船舶が前記停止状態または前記徐行状態から発進する場合に、検出された前記傾倒角度が、予め定めた急発進とならない最大の傾倒角度である基準傾倒角度を超えた場合、前記基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて前記推進機の推進力を制御する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の船舶の発進制御装置。
【請求項4】
前記推進力制御部は、前記基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて前記推進機の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された前記傾倒角度に基づいて前記推進機の推進力を制御する、
ことを特徴とする請求項3記載の船舶の発進制御装置。
【請求項5】
前記推進力制御部は、前記スロットルレバーが前記船舶を停止させる中立範囲から前記船舶を前進させる前進範囲または前記船舶を後進させる後進範囲に傾倒された場合に、前記船舶が前記停止状態または前記徐行状態から前方または後方に発進すると判断する、
ことを特徴とする請求項3または4記載の船舶の発進制御装置。
【請求項6】
前記推進力制御部は、前記船舶を前進させる前進範囲に所定角度以下で傾倒されている前記スロットルレバーの傾倒角度が前記所定角度を超えた場合、前記船舶が前記徐行状態から前方に発進すると判断し、前記船舶を後進させる後進範囲に所定角度以下で傾倒されている前記スロットルレバーの傾倒角度が前記所定角度を超えた場合、前記船舶が前記徐行状態から後方に発進すると判断する、
ことを特徴とする請求項3または4記載の船舶の発進制御装置。
【請求項7】
前記船舶の位置および速度を測位して測位情報を生成する測位部をさらに備え、
前記推進力制御部は、前記測位情報に基づいて前記船舶が前記停止状態または前記徐行状態であるか否かを判断する、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項記載の船舶の発進制御装置。
【請求項8】
前記推進機は、エンジンとプロペラとを含んで構成され、前記エンジンの駆動力が前記プロペラに伝達されることでプロペラを回転させて推進力を発生させ、
前記推進力制御部は、前記エンジンの回転数を制御することで、前記推進機の推進力を制御する、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項記載の船舶の発進制御装置。
【請求項9】
前記推進力制御部によって前記基準操作量以下の操作量に基づいて前記推進機の推進力が制御された場合、前記船舶の発進が制御されている旨を出力する出力制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項記載の船舶の発進制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の発進制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶には、観光船やクルーザ、貨物船など様々な種類、用途のものがあるが、その中でも総トン数20トン未満の船舶、および総トン数20トン以上のプレジャーボートなどは小型船舶と分類されている。
このような小型船舶は、船体の船尾に推進機(船外機)が搭載されている。
推進機は、例えば、エンジンおよびプロペラを含んで構成されており、エンジンの駆動力をプロペラに伝達してプロペラを回転させることで船体を前進あるいは後進させる方向の推進力を生じさせ、船体を推進させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-159714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような小型船舶が停止状態や徐行状態から発進する場合に、推進機に過大な推進力を生じさせて急発進してしまうと、小型船舶の操縦者や他の乗船員が転倒したり、海に落下してしまうことが考えられる。
そこで、一般的に船舶には、エンジン始動時の急発進を抑制する装置(急発進防止装置)が搭載されている。
この急発進防止装置は、シフト機構が前進位置または後進位置に切り替えられた状態でエンジンを始動できないようになっている。つまり、シフト機構が中立位置(ニュートラルポジション)にある状態でエンジンを始動させるようになっている。
しかしながら、エンジンの始動後に、操縦者による操作によって船舶を急発進させてしまうことを防止することはできない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、エンジン始動後の操縦者による操作に基づく急発進を回避する船舶の発進制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため本発明は、船舶の発進制御装置であって、船体と、前記船体を推進させる推進機と、前記推進機の推進力を調整するために操縦者によって操作される操作部材と、前記操作部材の操作量を検出する検出部と、検出された前記操作量に基づいて前記推進機の推進力を制御する推進力制御部と、を備え、前記推進力制御部は、前記船舶が停止状態または前記船舶が所定速度以下で航行している徐行状態から発進する場合に、検出された前記操作量が、予め定めた急発進とならない最大の操作量である基準操作量を超えた場合、前記基準操作量以下の操作量に基づいて前記推進機の推進力を制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記推進力制御部は、前記基準操作量以下の操作量に基づいて前記推進機の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された前記操作量に基づいて前記推進機の推進力を制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記操作部材は、操作台から揺動可能に突出された揺動軸と、前記揺動軸の先端に設けられ手により把持される被把持部とを有するスロットルレバーであって、前記検出部は、前記スロットルレバーの傾倒角度を前記操作量として検出し、検出した前記傾倒角度を示す傾倒角度信号を前記推進力制御部に供給し、前記推進力制御部は、供給された前記傾倒角度信号に基づいて前記推進機の推進力を制御し、前記船舶が前記停止状態または前記徐行状態から発進する場合に、検出された前記傾倒角度が、予め定めた急発進とならない最大の傾倒角度である基準傾倒角度を超えた場合、前記基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて前記推進機の推進力を制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記推進力制御部は、前記基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて前記推進機の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された前記傾倒角度に基づいて前記推進機の推進力を制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記推進力制御部は、前記スロットルレバーが前記船舶を停止させる中立範囲から前記船舶を前進させる前進範囲または前記船舶を後進させる後進範囲に傾倒された場合に、前記船舶が前記停止状態または前記徐行状態から前方または後方に発進すると判断することを特徴とする。
また、本発明は、前記推進力制御部は、前記船舶を前進させる前進範囲に所定角度以下で傾倒されている前記スロットルレバーの傾倒角度が前記所定角度を超えた場合、前記船舶が前記徐行状態から前方に発進すると判断し、前記船舶を後進させる後進範囲に所定角度以下で傾倒されている前記スロットルレバーの傾倒角度が前記所定角度を超えた場合、前記船舶が前記徐行状態から後方に発進すると判断することを特徴とする。
また、本発明は、前記船舶の位置および速度を測位して測位情報を生成する測位部をさらに備え、前記推進力制御部は、前記測位情報に基づいて前記船舶が前記停止状態または前記徐行状態であるか否かを判断することを特徴とする。
また、本発明は、前記推進機は、エンジンとプロペラとを含んで構成され、前記エンジンの駆動力が前記プロペラに伝達されることでプロペラを回転させて推進力を発生させ、前記推進力制御部は、前記エンジンの回転数を制御することで、前記推進機の推進力を制御することを特徴とする。
また、本発明は、前記推進力制御部によって前記基準操作量以下の操作量に基づいて前記推進機の推進力が制御された場合、前記船舶の発進が制御されている旨を出力する出力制御部をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、船体を推進させる推進機の推進力を調整するために操縦者によって操作される操作部材と、操作部材の操作量を検出する検出部と、検出された操作量に基づいて推進機の推進力を制御する推進力制御部とを備え、船舶が停止状態または船舶が所定速度以下で航行している徐行状態から発進する場合に、検出された前記操作量が、予め定めた急発進とならない最大の操作量である基準操作量を超えた場合、基準操作量以下の操作量に基づいて推進機の推進力を制御する。
したがって、エンジン始動後の停止状態または徐行状態で、操縦者によって操作部材を急発進とならない最大の操作量である基準操作量を超えた操作量で操作されてしまった場合でも、操縦者による操作に基づく急発進を回避でき、利便性の向上を図る上で有利となる。
また、基準操作量以下の操作量に基づいて推進機の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された操作量に基づいて推進機の推進力を制御するようにすると、所定時間が経過するまでに船舶の速度が基準操作量に相当する速度まで上がっていくため、操縦者による操作に基づく推進機の推進力の制御に切り替えても急発進となることを回避でき、利便性の向上を図る上で有利となる。
【0007】
また、操作部材をスロットルレバーで構成することで、スロットルレバーの傾倒角度を操作量として検出し、検出された前記傾倒角度が、予め定めた急発進とならない最大の傾倒角度である基準傾倒角度を超えた場合、基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機の推進力を制御するため、操縦者による操作を容易にするとともに、傾倒角度と基準傾倒角度とを比較することで操縦者による操作に基づく急発進を回避でき、利便性の向上を図る上で有利となる。
また、基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された傾倒角度に基づいて推進機の推進力を制御するようにすると、所定時間が経過するまでに船舶の速度が基準傾倒角度に相当する速度まで上がっていくため、操縦者による操作に基づく推進機の推進力の制御に切り替えても急発進となることを回避でき、利便性の向上を図る上で有利となる。
【0008】
また、スロットルレバーが船舶を停止させる中立範囲から船舶を前進させる前進範囲または船舶を後進させる後進範囲に傾倒された場合に、船舶が停止状態または徐行状態から前方または後方に発進すると判断できるため、船舶の停止状態または徐行状態からの発進を容易に判断できる。
また、船舶を前進させる前進範囲に所定角度以下で傾倒されているスロットルレバーの傾倒角度が所定角度を超えた場合、船舶が徐行状態から前方に発進すると判断し、船舶を後進させる後進範囲に所定角度以下で傾倒されているスロットルレバーの傾倒角度が所定角度を超えた場合、船舶が徐行状態から後方に発進すると判断できるため、船舶の徐行状態からの発進を容易に判断できる。
また、船舶の位置および速度を測位して測位情報を生成する測位部をさらに備えると、測位情報に基づいて船舶が停止状態または徐行状態であるか否かを判断できるため、船舶の停止状態または徐行状態を容易に判断できる。
【0009】
また、推進機をエンジンとプロペラとを含んで構成し、エンジンの駆動力がプロペラに伝達されることでプロペラを回転させて推進力を発生させるようにすると、エンジンの回転数を制御することで推進機の推進力を制御できるため、推進機の推進力を的確に制御して急発進を回避することができる。
また、基準操作量以下の操作量に基づいて推進機の推進力が制御された場合、船舶の発進が制御されている旨を出力する出力制御部をさらに備えると、操縦者が発進を制御されている状況を把握することができ、利便性の向上を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る船舶の発進制御装置が適用される小型船舶の構成を模式的に示す平面図である。
図2】実施の形態に係る船舶の発進制御装置が適用される小型船舶の推進機の構成を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係る船舶の発進制御装置の機能構成図である。
図4】実施の形態に係る船舶の発進制御装置による発進制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
船舶の発進制御装置は、船舶が停止状態または徐行状態から発進する際に所定条件下において発進する際の速度を制御するものであって、本実施の形態では船舶の発進制御装置を小型船舶に適用した例を示す。
小型船舶とは、総トン数20トン未満の船舶を言うが、総トン数20トン以上のプレジャーボートであって、次の要件全てを満たしているものも小型船舶に含まれる。
1)一人で操縦を行う構造であるもの。
2)長さが24メートル未満であるもの。
3)スポーツまたはレクリエーションのみに用いられ、漁船や旅客船等の業務に用いらないもの。
なお、本発明は、小型船舶に限定されるものではなく、観光船やクルーザなど従来公知の様々な船舶に適用可能であり、船舶の種類、総トン数、用途は任意である。
【0012】
次に、本実施の形態の小型船舶の構成について説明する。
図1に示すように、小型船舶10は、船体12と、船外機である推進機14と、転舵アクチュエータ16と、複数の操作部材を構成するイグニッションスイッチ20、ハンドル22、スロットルレバー24と、操作角センサ22Aと、レバー位置センサ24Aと、表示部26と、制御装置30とを含んで構成されている。
【0013】
船体12は、船体12の前部寄りの箇所に設けられた操作台1202と、操作台1202の後方に配置され操縦者が着座する操船席1204と、船体12の船尾を仕切り船体幅方向に延在するトランサム(船尾板)1206とを備えている。
【0014】
推進機14は、船体12を推進させるものである。
図1図2に示すように、推進機14は、カバー1402と、エンジン1404と、動力伝達機構1406と、プロペラ1408とを含んで構成されている。
カバー1402は、エンジン1404と動力伝達機構1406を収容するものであり、トランサム1206の船体幅方向の中央に船体12の上下方向に延在する転舵軸Zを中心に揺動可能に結合されている。
【0015】
エンジン1404は、船体12を推進させる推進力を発生させる駆動源である。
図2に示すように、エンジン1404は、スロットルバルブ1404Aと、スロットルアクチュエータ1404Bと、推進機ECU1404Cとを含んで構成されている。
スロットルバルブ1404Aは、エンジン1404に吸引される空気量を調整するものである。
スロットルアクチュエータ1404Bは、スロットルバルブ1404Aの開度を調整するものである。
推進機ECU(Engine Control Unit)1404Cは、後述する制御装置30から与えられるスロットルレバー24の傾倒角度信号に基づいて、スロットルアクチュエータ1404Bと、後述する動力伝達機構1406のシフトアクチュエータ1406Bとを制御するものである。
【0016】
動力伝達機構1406は、エンジン1404の駆動力を入力するドライブシャフト(不図示)と、ドライブシャフトに伝達された駆動力をプロペラシャフト1410(図1参照)に切り替えて伝達するシフト機構1406Aと、シフト機構1406Aから伝達される駆動力を、水中で回転することにより船体12に推進力を発生させるプロペラ1408に伝達するプロペラシャフト1410と、シフト機構1406Aを作動させるシフトアクチュエータ1406Bとを含んで構成されている。
すなわち、推進機14は、エンジン1404の駆動力がプロペラ1408に伝達されることでプロペラ1408を回転させて推進力を発生させている。
【0017】
シフト機構1406Aは、シフトアクチュエータ1406Bによって、プロペラシャフト1410を正転させる前進位置と、プロペラシャフト1410を反転させる後進位置と、プロペラシャフト1410の回転を停止させる中立位置とに切り替えられる。
シフト機構1406Aが前進位置に切り替えられることでプロペラシャフト1410が正転されることによりプロペラ1408によって船体12を前進させる推進力が発生する。
シフト機構1406Aが後進位置に切り替えられることでプロペラシャフト1410が反転されることによりプロペラ1408によって船体12を後進させる推進力が発生する。
シフト機構1406Aが中立位置に切り替えられることでプロペラシャフト1410の回転が停止されることによりプロペラ1408による推進力の発生が停止される。
【0018】
図1に示すように、転舵アクチュエータ16は、推進機14を転舵するために設けられており、後述する制御装置30から与えられるハンドル22の操作角信号に基づいて、推進機14を転舵軸Z周りに揺動させることで推進機14の転舵角(船体12の中心線CLに対するプロペラシャフト1410の軸心XLがなす角)を変更させるものである。
【0019】
複数の操作部材であるイグニッションスイッチ20、ハンドル22、スロットルレバー24は、航行(操船)を行なうために操縦者によって操作される部材である。
本実施の形態では、操作台1202に車幅方向に間隔をおいてイグニッションスイッチ20、ハンドル22、スロットルレバー24の3つの操作部材が並べられて配置されている。
【0020】
イグニッションスイッチ20は、推進機14の始動、停止を行なうためのものである。
イグニッションスイッチ20は、キーシリンダ2002とイグニッションキー2004とを有している。
イグニッションスイッチ20は、キーシリンダ2002に挿入されたイグニッションキー2004がオフ位置、オン位置、始動位置のそれぞれに回動されることで、制御装置30にオフ信号、オン信号、始動信号を与え、これにより制御装置30がエンジン1404に対するバッテリからの電力の供給停止、供給を行ない、また、エンジン1404の始動を行なわせるものである。
【0021】
ハンドル22は、小型船舶10の操舵を行なうために回転され、推進機14の転舵角を調整する。
ハンドル22は、断面が円形状で円環状に延在するハンドル本体2202と、ハンドル本体2202のハンドルシャフト2204と、ハンドルシャフト2204とハンドル本体2202とを接続するスポーク2206とを備えている。
本実施の形態では、ハンドルシャフト2204は、ほぼ船体12の前後方向に沿って延在している。
【0022】
操作角センサ22Aは、ハンドル22の近傍に設けられている。
操作角センサ22Aは、ハンドル22の操作角をハンドル22の操作量として検出し、検出したハンドル22の操作角を示す操作角信号を、制御装置30の転舵角制御部36Bに供給する。
そして、制御装置30により転舵アクチュエータ16が駆動されることで推進機14の転舵角の調整がなされる。
【0023】
スロットルレバー24は、推進機14の推進力を調整するためのものである。
スロットルレバー24は、操作台1202から船体12の前後方向に揺動可能に設けられた揺動軸2404と、揺動軸2404の先端に設けられ手により把持される被把持部2406とを備えている。
【0024】
レバー位置センサ24A(検出部)は、スロットルレバー24の近傍に設けられている。
レバー位置センサ24Aは、スロットルレバー24の揺動軸2404の傾倒角度をスロットルレバー24の操作量として検出し、検出した傾倒角度を示す傾倒角度信号を、後述する制御装置30の推進力制御部36Aに供給する。
レバー位置センサ24Aから供給された傾倒角度信号は、制御装置30から推進機ECU1404Cに供給される。そして、推進機ECU1404Cによりスロットルアクチュエータ1404Bおよびシフトアクチュエータ1406Bが駆動されることで推進機14の推進力が制御される。
【0025】
スロットルレバー24は、中立範囲と、中立範囲よりも船体12の前方の範囲の前進範囲と、中立範囲よりも船体12の後方の範囲の後進範囲とに傾倒可能に設けられている。
スロットルレバー24が中立範囲に位置した場合、推進機ECU1404Cは、シフトアクチュエータ1406Bにより動力伝達機構1406を中立位置に切り替えると共に、スロットルアクチュエータ1404Bによってスロットルバルブ1404Aを閉じ、これにより推進機14が停止し小型船舶10が停止する。
スロットルレバー24が前進範囲に位置した場合、推進機ECU1404Cは、シフトアクチュエータ1406Bによって動力伝達機構1406を前進位置に切り替えると共に、スロットルレバー24の前方への傾倒角度が大きくなるほどスロットルアクチュエータ1404Bによりスロットルバルブ1404Aの開度を大きく調整することでエンジン1404の回転数を上昇させ、小型船舶10を前進させると共に航行速度を調整する。
スロットルレバー24が後進範囲に位置した場合、推進機ECU1404Cは、シフトアクチュエータ1406Bによって動力伝達機構1406を後進位置に切り替えると共に、スロットルレバー24の後方への傾倒角度が大きくなるほどスロットルアクチュエータ1404Bによりスロットルバルブ1404Aの開度を大きく調整することでエンジン1404の回転数を上昇させ、小型船舶10を後進させると共に航行速度を調整する。
【0026】
表示部26は、操作台1202に設けられ、制御装置30の表示制御部36Cにより制御されることで点灯または消灯するランプである。
本実施の形態では、表示部26は、小型船舶10が発進する際の速度が制御されると緑色に点灯する。
なお、本実施の形態では、表示部26を緑色に点灯するランプを例として説明したが、他の色に点灯する構成としてもよく、また表示部26を表示パネルとして構成し、「発進が制御されています」等の文字やその旨を示す画像を表示してもよい。
【0027】
制御装置30は、イグニッションスイッチ20、ハンドル22、スロットルレバー24の操作に応じて推進機14の制御を行なうもの、すなわち推進機14の始動、停止、推進機14による推進力の調整、推進機14の転舵角の調整などを行なうものである。
制御装置30は、測位部32と、基準値データベース34と、制御部36と、を含んで構成されている。
【0028】
測位部32は、測位衛星から受信した測位信号に基づいて小型船舶10の位置および速度を測位して測位情報を生成する。
このような測位衛星は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等のGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)で用いられるものであり、それら測位システムで使用される測位衛星の1つを用いてもよく、あるいは、2つ以上の測位衛星を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
基準値データベース34は、推進機14の制御を行なう場合に用いる基準値を格納している。
具体的には、後述する推進力制御部36Aが推進機14の推進力を制御する際に、検出したスロットルレバー24の傾倒角度(操作量)と比較する基準となる傾倒角度である基準傾倒角度(基準操作量)を基準値として格納している。
【0030】
制御部36は、CPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、操作角センサ22A、レバー位置センサ24A、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成される。
制御部36は、上記制御プログラムを実行することにより推進力制御部36A、転舵角制御部36B、表示制御部36Cとして機能する。
【0031】
推進力制御部36Aは、検出されたスロットルレバー24の操作量に基づいて、エンジン1404の回転数を制御することで、推進機14の推進力を制御する。
推進力制御部36Aは、小型船舶10が停止状態または小型船舶10が所定速度以下で航行している徐行状態から発進する場合に、検出されたスロットルレバー24の操作量が、予め定めた急発進とならない最大の操作量である基準操作量を超えた場合、基準操作量以下の操作量に基づいて推進機14の推進力を制御する。そして、推進力制御部36Aは、基準操作量以下の操作量に基づいて推進機14の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された操作量に基づいて推進機14の推進力を制御する。
【0032】
本実施の形態では、レバー位置センサ24Aによりスロットルレバー24の傾倒角度をスロットルレバー24の操作量として検出しているため、推進力制御部36Aは、レバー位置センサ24Aから供給された傾倒角度信号に基づいて推進機14の推進力を制御している。
したがって、推進力制御部36は、小型船舶10が停止状態または徐行状態から発進する場合に、検出された傾倒角度が、予め定めた急発進とならない最大の傾倒角度である基準傾倒角度を超えた場合、基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する。そして、推進力制御部36Aは、基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する。
【0033】
上述したように、基準傾倒角度は、小型船舶10が停止状態または徐行状態から発進する場合に、急発進とならない最大の傾倒角度が設定されている。例えば、基準傾倒角度は、小型船舶10の速度が5ノット(時速約9.26km)となるような傾倒角度である。
したがって、操縦者の操作により基準傾倒角度を超えた操作がなされた場合は、基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御することで急発進を回避できる。
また、所定時間とは、例えば、小型船舶10の速度が停止状態から基準傾倒角度に相当する速度に上がるまでの時間が設定されている。
【0034】
また、推進力制御部36Aは、以下の方法により、小型船舶10が停止状態または徐行状態から前方または後方に発進すると判断する。
まず、推進力制御部36Aは、スロットルレバー24が小型船舶10を停止させる中立範囲から小型船舶10を前進させる前進範囲または小型船舶10を後進させる後進範囲に傾倒された場合に、小型船舶10が停止状態または徐行状態から前方または後方に発進すると判断する。
なお、スロットルレバー24が中立範囲に位置した場合、推進機14が停止し小型船舶10が停止するが、小型船舶10が航行している際にスロットルレバー24を中立範囲にしても小型船舶10は急に停止することはなく徐々に停止していくため、この場合は徐行状態となる。
【0035】
次に、推進力制御部36Aは、小型船舶10を前進させる前進範囲に所定角度以下で傾倒されているスロットルレバー24の傾倒角度が所定角度を超えた場合、小型船舶10が徐行状態から前方に発進すると判断する。
また、推進力制御部36Aは、小型船舶10を後進させる後進範囲に所定角度以下で傾倒されているスロットルレバー24の傾倒角度が所定角度を超えた場合、小型船舶10が徐行状態から後方に発進すると判断する。
なお、推進力制御部36Aは、スロットルレバー24が前進範囲の所定角度以下に傾倒されている場合、または後進範囲の所定角度以下に傾倒されている場合は、小型船舶10は前方または後方に徐行により航行していると判断できる。
ここで、所定角度とは、例えば、小型船舶10の速度が3ノット(時速約5.5km)となるような傾倒角度である。
【0036】
さらに、推進力制御部36Aは、測位部32により生成された測位情報に基づいて、小型船舶10が停止状態または徐行状態であるか否かを判断する。
本実施の形態の推進力制御部36Aは、スロットルレバー24の傾倒角度および測位情報の両方により、小型船舶10が停止状態または徐行状態から前方または後方に発進しているか否かを判断しているが、いずれか一方に基づいて判断してもよい。
【0037】
上述の例を用いると、推進制御部36Aは、例えば、小型船舶10が2ノットの速度の徐行状態で航行している際に、操縦者によりスロットルレバー24を7ノットの速度になるような傾倒角度で操作された場合、操作された傾倒角度が基準傾倒角度を超えたため、小型船舶10が急発進となってしまう恐れがある。
したがって、スロットルレバー24が5ノットの速度になるような傾倒角度である基準傾倒角に基づいて推進機14の推進力の制御を行う。
そして、所定時間が経過すると、小型船舶10の速度が基準傾倒角度に相当する5ノットの速度まで上がっているため、操縦者により操作されたスロットルレバー24の傾倒角度、すなわち7ノットの速度になるような傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する。この場合は、5ノットから7ノットに速度を上げるため、急発進となることを回避することができる。
【0038】
転舵角制御部36Bは、検出されたハンドル22の操作量に基づいて、転舵アクチュエータ16を制御することで、推進機14の転舵角を制御する。
本実施の形態では、ハンドル22の操作角をハンドル22の操作量として検出しているため、転舵角制御部36Bは、操作角センサ22Aから供給された操作角信号を推進機ECU1404Cに供給して推進機14の転舵角を制御する。
【0039】
表示制御部36Cは、出力制御部の一例であって、小型船舶10が停止状態または徐行状態から発進する場合に、推進力制御部36Aによって基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力が制御された場合、表示部26を緑色に点灯させることで、小型船舶10の発進が制御されている旨を表示する。
なお、ここでは、出力制御部の一例として表示制御部36Cによる表示によって小型船舶10の発進が制御されている旨を操縦者に知らせているが、スピーカを設けて音声やブザーなどで報知する構成としてもよい。
【0040】
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかる船舶の発進制御装置による発進制御処理の流れについて説明する。
まず、推進力制御部36Aは、スロットルレバー24の傾倒角度および測位情報に基づいて、エンジンが始動している小型船舶10が停止状態または徐行状態から発進ししているか否かを判断する(ステップS10)。
小型船舶10が停止状態または徐行状態から発進していない場合(ステップS10:NO)、ステップS10に戻る。
【0041】
一方、小型船舶10が停止状態または徐行状態から発進している場合(ステップS10:YES)、推進力制御部36Aは、スロットルレバー24の傾倒角度が基準データベース34から取得した基準傾倒角度を超えたか否かを判断する(ステップS12)。
スロットルレバー24の傾倒角度が基準傾倒角度を超えた場合(ステップS12:YES)、急発進となる恐れがあるため、推進力制御部36Aは、基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する(ステップS14)。
【0042】
そして、推進力制御部36Aは、所定時間が経過したか否かを判断し(ステップS16)、所定時間が経過していない場合(ステップS16:NO)、継続して基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する(ステップS14)。
【0043】
一方、所定時間が経過した場合(ステップS16:YES)、推進力制御部36Aは、、検出されたスロットルレバー24の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する(ステップS18)。
また、ステップS12において、スロットルレバー24の傾倒角度が基準傾倒角度以下である場合(ステップS12:NO)はステップS18に進み、推進力制御部36Aは、検出されたスロットルレバー24の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する(ステップS18)。
【0044】
このように、本実施の形態によれば、推進機14の推進力を調整するために操縦者によって操作されるスロットルレバー24(操作部材)と、スロットルレバー24の傾倒角度(操作量)を検出するレバー位置センサ24Aと、検出された傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する推進力制御部36Aとを備え、小型船舶10が停止状態または徐行状態から発進する場合に、検出された傾倒角度が、予め定めた急発進とならない最大の基準傾倒角度を超えた場合、基準傾倒角度以下の傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御する。
したがって、エンジン1404の始動後の停止状態または徐行状態で、操縦者によってスロットルレバー24を基準傾倒角度を超えた傾倒角度で操作されてしまった場合でも、操縦者による操作に基づく急発進を回避でき、利便性の向上を図る上で有利となる。
また、基準傾倒角度以下の傾倒に基づいて推進機14の推進力の制御を行った後に所定時間が経過した場合、検出された傾倒角度に基づいて推進機14の推進力を制御するようにすると、所定時間が経過するまでに小型船舶10の速度が基準傾倒角度に相当する速度まで上がっていくため、操縦者による操作に基づく推進機14の推進力の制御に切り替えても急発進となることを回避でき、利便性の向上を図る上で有利となる。
【0045】
また、推進機14の推進力を調整するための操作部材をスロットルレバー24で構成しているため、操縦者による操作を容易にするとともに、スロットルレバー24の傾倒角度と基準傾倒角度とを比較することで操縦者による操作に基づく急発進を回避でき、利便性の向上を図る上で有利となる。
また、スロットルレバー24が小型船舶10を停止させる中立範囲から小型船舶10を前進させる前進範囲または小型船舶10を後進させる後進範囲に傾倒された場合に、小型船舶10が停止状態または徐行状態から前方または後方に発進すると判断できるため、小型船舶10の停止状態または徐行状態からの発進を容易に判断できる。
また、小型船舶10を前進させる前進範囲に所定角度以下で傾倒されているスロットルレバー24の傾倒角度が所定角度を超えた場合、小型船舶10が徐行状態から前方に発進すると判断し、小型船舶10を後進させる後進範囲に所定角度以下で傾倒されているスロットルレバー24の傾倒角度が所定角度を超えた場合、小型船舶10が徐行状態から後方に発進すると判断できるため、小型船舶10の徐行状態からの発進を容易に判断できる。
また、小型船舶10の位置および速度を測位して測位情報を生成する測位部32を備え、測位情報に基づいて小型船舶10が停止状態または徐行状態であるか否かを判断できるため、小型船舶10の停止状態または徐行状態を容易に判断できる。
【0046】
また、推進機14をエンジン1404とプロペラ1408とを含んで構成し、エンジン1404の駆動力がプロペラ1408に伝達されることでプロペラ1408を回転させて推進力を発生させるようにすると、エンジン1404の回転数を制御することで推進機14の推進力を制御できるため、推進機14の推進力を的確に制御して急発進を回避することができる。
また、基準傾倒角度に基づいて推進機14の推進力が制御された場合、小型船舶10の発進が制御されている旨を表示する表示制御部36Cを備えているため、操縦者が発進を制御されている状況を把握することができ、利便性の向上を図る上で有利となる。
【符号の説明】
【0047】
10 小型船舶
12 船体
14 推進機
14 スロットルレバー
16 転舵アクチュエータ
20 イグニッションスイッチ
22 ハンドル
22A 操作角センサ
24 スロットルレバー
24A レバー位置センサ
26 表示部
30 制御装置
32 測位部
34 基準値データベース
36 制御部
36A 推進力制御部
36B 転舵角制御部
36C 表示制御部
1404 エンジン
1404A スロットルバルブ
1404B スロットルアクチュエータ
1406 動力伝達機構
1406A シフト機構
1406B シフトアクチュエータ
1408 プロペラ
1410 プロペラシャフト
図1
図2
図3
図4