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  • 特開-給湯システム及び給湯器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114041
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】給湯システム及び給湯器
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220729BHJP
   F24H 15/395 20220101ALN20220729BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
F24H1/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010140
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 晴喜
【テーマコード(参考)】
3L122
5L049
【Fターム(参考)】
3L122BA36
3L122BA41
3L122BA44
3L122FA35
3L122GA04
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】 給湯器の点検作業を効率的に実施可能になる給湯システムを提供する。
【解決手段】 複数の給湯器10と、各給湯器と通信可能に構成された管理装置5とを備えた給湯システムであって、使用実績の情報に基づいて給湯器の点検時期が到来したことを検出する検出部と、各給湯器の設置地域を予め記憶しており、点検時期が到来した給湯器と同じ設置地域の他の給湯器を抽出する抽出部と、使用実績の情報に基づいて、抽出された給湯器の将来の点検時期が現時点から所定期間内に到来するか否かを判定する判定部と、点検時期が到来した給湯器が点検時期である旨を報知する第1報知部と、将来の点検時期が所定期間内に到来する給湯器が点検時期である旨を報知する第2報知部と、を有し、検出部と判定部とが給湯器または管理装置に備えられ、抽出部が管理装置に備えられ、第1報知部と第2報知部とが給湯器と管理装置とのうち少なくとも一方に備えられている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の所定の地域の各々に設置された給湯器と、外部通信網を介して前記給湯器との間で通信が可能に構成された管理装置と、を備えた給湯システムであって、
前記給湯器の使用実績の情報に基づいて前記給湯器の点検時期が到来したことを検出する点検時期検出部と、
前記給湯器の各々の設置された地域を予め記憶しており、前記点検時期検出部で検出される点検時期が到来した前記給湯器と同じ地域に設置された他の前記給湯器を抽出する給湯器抽出部と、
前記給湯器の使用実績の情報に基づいて、前記給湯器抽出部で抽出された前記給湯器の将来の点検時期が現時点から所定期間内に到来するか否かを判定する点検時期予測判定部と、
前記点検時期検出部で点検時期が到来したことを検出された前記給湯器が点検時期である旨を報知する第1報知部と、
前記点検時期予測判定部で将来の点検時期が現時点から前記所定期間内に到来すると判定された前記給湯器が点検時期である旨を報知する第2報知部と、
を有し、
前記点検時期検出部と前記点検時期予測判定部とが、前記給湯器または前記管理装置に備えられ、
前記給湯器抽出部が、前記管理装置に備えられ、
前記第1報知部と前記第2報知部とが、前記給湯器と前記管理装置とのうち少なくとも一方に備えられた、
給湯システム。
【請求項2】
前記点検時期検出部と前記点検時期予測判定部とが、前記給湯器に備えられており、
前記給湯器は、
前記点検時期検出部で自身の点検時期が到来したことを検出したときに点検時期到来情報を前記管理装置へ送信するよう構成され、
前記管理装置は、
前記点検時期到来情報を受信すると、前記給湯器抽出部で抽出される前記給湯器へ点検時期予測指令を送信するよう構成され、
前記給湯器は、
前記点検時期予測指令を受信すると、前記点検時期予測判定部で自身の将来の点検時期が前記所定期間内に到来するか否かを判定するよう構成された、
請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記点検時期検出部と前記点検時期予測判定部とが、前記管理装置に備えられており、
前記給湯器は、
所定のタイミングで自身の使用実績の情報を前記管理装置へ送信するよう構成され、
前記管理装置は、
前記点検時期検出部で前記給湯器の使用実績の情報に基づいて前記給湯器の点検時期が到来したことを検出すると、前記給湯器抽出部で抽出される前記給湯器について前記点検時期予測判定部で将来の点検時期が前記所定期間内に到来するか否かを判定するよう構成された、
請求項1に記載の給湯システム。
【請求項4】
前記給湯器と通信可能に構成され、自身の使用実績の情報に基づいて点検時期が到来したことを検出し、この検出したときに点検時期である旨を報知するオプション機器をさらに備え、
前記オプション機器と通信可能に構成された前記給湯器は、
前記管理装置から前記点検時期予測指令を受信すると、この点検時期予測指令を前記オプション機器へ送信するよう構成され、
前記オプション機器は、
前記点検時期予測指令を受信すると、自身の使用実績の情報に基づいて自身の将来の点検時期が現時点から前記所定期間内に到来するか否かを判定し、前記所定期間内に到来すると判定した場合に、点検時期である旨を報知するよう構成された、
請求項2に記載の給湯システム。
【請求項5】
外部通信網を介して管理装置との間で通信が可能に構成され、複数の所定の地域の各々に設置された複数の給湯器のうちの一の給湯器であって、
自身の使用実績の情報に基づいて点検時期が到来したことを検出し、この検出したときに点検時期である旨を報知するとともに点検時期到来情報を前記管理装置へ送信するよう構成され、
他の前記給湯器から前記点検時期到来情報を受信した前記管理装置から、前記他の給湯器と同じ地域に設置されている前記給湯器に送信される点検時期予測指令を受信すると、自身の使用実績の情報に基づいて自身の将来の点検時期が現時点から所定期間内に到来するか否かを判定し、前記所定期間内に到来すると判定した場合に、点検時期である旨を報知するよう構成された、
給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の給湯器と管理装置とを備えた給湯システム及びその給湯システムに用いられる給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯器においては、その使用実績の情報に基づいて点検時期が到来したことを検出して報知するものが有った。点検時期の到来したことが報知されることにより、給湯器の寿命や故障が発生する前にメーカの点検作業員が給湯器の設置場所に赴いて給湯器の点検作業を行うことができる。
【0003】
特許文献1には、複数の給湯機器が連結されたマルチ給湯機器の各給湯機器について、その交換作業等を行うための出動指令到来時期を算出し、一のエリアに設置されたマルチ給湯機器についての出動指令到来時期と、他のエリアに設置されたマルチ給湯機器についての出動指令到来時期とが重複する場合に、いずれか一方のエリアに設置されたマルチ給湯機器についての出動指令到来時期を遅らせるまたは早めることにより、出動指令到来時期が重複しないように調整することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6145430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、同じ地域の複数のユーザ宅に設置されたそれぞれの給湯器の点検時期の到来が報知される度に、その給湯器の設置場所へ点検作業員が赴いて点検作業を行うようにしていると、点検作業員が上記同じ地域へ何度も点検作業に赴くことになり、点検作業の実施効率が悪くなるという問題がある。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、給湯器の点検作業を効率的に実施することが可能になる給湯システム及び給湯器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る給湯システムは、複数の所定の地域の各々に設置された給湯器と、外部通信網を介して前記給湯器との間で通信が可能に構成された管理装置と、を備えた給湯システムであって、前記給湯器の使用実績の情報に基づいて前記給湯器の点検時期が到来したことを検出する点検時期検出部と、前記給湯器の各々の設置された地域を予め記憶しており、前記点検時期検出部で検出される点検時期が到来した前記給湯器と同じ地域に設置された他の前記給湯器を抽出する給湯器抽出部と、前記給湯器の使用実績の情報に基づいて、前記給湯器抽出部で抽出された前記給湯器の将来の点検時期が現時点から所定期間内に到来するか否かを判定する点検時期予測判定部と、前記点検時期検出部で点検時期が到来したことを検出された前記給湯器が点検時期である旨を報知する第1報知部と、前記点検時期予測判定部で将来の点検時期が現時点から前記所定期間内に到来すると判定された前記給湯器が点検時期である旨を報知する第2報知部と、を有し、前記点検時期検出部と前記点検時期予測判定部とが、前記給湯器または前記管理装置に備えられ、前記給湯器抽出部が、前記管理装置に備えられ、前記第1報知部と前記第2報知部とが、前記給湯器と前記管理装置とのうち少なくとも一方に備えられている。
【0008】
この構成によれば、ある給湯器の点検時期が到来したときにその給湯器が点検時期である旨を給湯器及び/又は管理装置が報知するとともに、その給湯器と同じ地域に設置され、同給湯器の点検時期から所定期間内に将来の点検時期が到来する給湯器が存在すれば、その給湯器が点検時期である旨を給湯器及び/又は管理装置が報知することにより、給湯器のユーザ及び/又は管理装置を使用する給湯器のメーカに知らせることができる。よって、同じ地域に設置された複数の給湯器を同じ時期に点検することが可能になり、給湯器の点検作業を効率的に実施することが可能になる。
【0009】
また、前記点検時期検出部と前記点検時期予測判定部とが、前記給湯器に備えられており、前記給湯器は、前記点検時期検出部で自身の点検時期が到来したことを検出したときに点検時期到来情報を前記管理装置へ送信するよう構成され、前記管理装置は、前記点検時期到来情報を受信すると、前記給湯器抽出部で抽出される前記給湯器へ点検時期予測指令を送信するよう構成され、前記給湯器は、前記点検時期予測指令を受信すると、前記点検時期予測判定部で自身の将来の点検時期が前記所定期間内に到来するか否かを判定するよう構成されていてもよい。
【0010】
また、前記点検時期検出部と前記点検時期予測判定部とが、前記管理装置に備えられており、前記給湯器は、所定のタイミングで自身の使用実績の情報を前記管理装置へ送信するよう構成され、前記管理装置は、前記点検時期検出部で前記給湯器の使用実績の情報に基づいて前記給湯器の点検時期が到来したことを検出すると、前記給湯器抽出部で抽出される前記給湯器について前記点検時期予測判定部で将来の点検時期が前記所定期間内に到来するか否かを判定するよう構成されていてもよい。
【0011】
また、前記給湯器と通信可能に構成され、自身の使用実績の情報に基づいて点検時期が到来したことを検出し、この検出したときに点検時期である旨を報知するオプション機器をさらに備え、前記オプション機器と通信可能に構成された前記給湯器は、前記管理装置から前記点検時期予測指令を受信すると、この点検時期予測指令を前記オプション機器へ送信するよう構成され、前記オプション機器は、前記点検時期予測指令を受信すると、自身の使用実績の情報に基づいて自身の将来の点検時期が現時点から前記所定期間内に到来するか否かを判定し、前記所定期間内に到来すると判定した場合に、点検時期である旨を報知するよう構成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、一の給湯器の点検時期が到来した時点で、その給湯器と同じ地域に設置された他の給湯器のオプション機器の将来の点検時期が、その時点から所定期間内に到来すると判定された場合には、オプション機器が点検時期である旨を報知するようにしている。これは給湯器とオプション機器のように異なる製品であっても同一の点検作業者によって点検が行われることが想定されるためである。よって、給湯器に加えてオプション機器を含めた点検作業を効率的に実施することが可能になる。
【0013】
また、本発明のある態様に係る給湯器は、外部通信網を介して管理装置との間で通信が可能に構成され、複数の所定の地域の各々に設置された複数の給湯器のうちの一の給湯器であって、自身の使用実績の情報に基づいて点検時期が到来したことを検出し、この検出したときに点検時期である旨を報知するとともに点検時期到来情報を前記管理装置へ送信するよう構成され、他の前記給湯器から前記点検時期到来情報を受信した前記管理装置から、前記他の給湯器と同じ地域に設置されている前記給湯器に送信される点検時期予測指令を受信すると、自身の使用実績の情報に基づいて自身の将来の点検時期が現時点から所定期間内に到来するか否かを判定し、前記所定期間内に到来すると判定した場合に、点検時期である旨を報知するよう構成されている。
【0014】
この構成によれば、ある給湯器の点検時期が到来したときにその給湯器が点検時期である旨を報知するとともに、その給湯器と同じ地域に設置され、同給湯器の点検時期から所定期間内に将来の点検時期が到来する給湯器が存在すれば、その給湯器が点検時期である旨を報知することにより、同じ地域に設置された複数の給湯器のユーザに点検時期である旨を知らせることができる。よって、同じ地域に設置された複数の給湯器を同じ時期に点検することが可能になり、給湯器の点検作業を効率的に実施することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上に説明した構成を有し、給湯器の点検作業を効率的に実施することが可能になる給湯システム及び給湯器を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、第1,第2実施形態の給湯システムの一例を示す概略構成図である。
図2図2は、図1に示す給湯器及びその関連部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の給湯システムの一例を示す概略構成図である。
この給湯システム100は、複数の所定の地域G1,G2の各々に設置された複数の給湯器10と、ある給湯器10に対応して設けられその給湯器10との間で通信が可能に構成されたオプション機器30と、外部通信網4を介して各給湯器10との間で通信が可能に構成された管理装置5と、を備えている。所定の地域G1,G2は、例えば「市」単位等で予め範囲が決められた地域であり、ここでは、2つの地域G1,G2を例示しているが、3つ以上の地域であってもよい。
【0019】
管理装置5は、インターネット等の外部通信網4に接続された1つまたは複数のコンピュータを有するサーバ装置と、このサーバ装置のコンピュータによって制御される表示部(ディスプレイ)等を備えており、給湯器10のメーカが使用するものである。
【0020】
オプション機器30は、例えば、浴室乾燥機等の給湯器10に連結された給湯関連機器であり、給湯器10のメーカの点検作業員によって点検作業を実施することができる。なお、オプション機器30は、各給湯器10に対して無くても構わないし、あるいは給湯システム100に含めなくても構わない。
【0021】
図2は、図1に示す任意の1つの給湯器10及びその関連部分を示す図である。この図2では、オプション機器30が接続された給湯器10を例示しているが、前述のようにオプション機器30が接続されていなくてもよい。
【0022】
図2では、オプション機器30として、乾燥機本体31及び乾燥機リモコン32で構成される浴室乾燥機が例示されている。乾燥機本体31は、例えば浴室の天井に設置されている。この乾燥機本体31の筐体内に浴室内の空気を循環させるための循環流路が形成されており、その循環流路内に、給湯器10から高温水が供給される熱交換器と循環用ファンとが設けられ、循環用ファンを駆動して浴室内の空気を循環させながら熱交換器で暖めることにより浴室内の暖房を行える(暖房運転)。また、乾燥機本体31には、浴室内の空気を外部へ排出するための換気用ファンも設けられており、換気用ファンを駆動して浴室内の換気を行える(換気運転)。また、上記の暖房運転を行いながら換気用ファンを駆動することにより浴室内の乾燥を行える(乾燥運転)。
【0023】
乾燥機本体31のコントローラ31aは、例えばマイクロコントローラ等によって構成され、乾燥機本体31全体の動作を制御する。すなわち、コントローラ31aは、循環用ファン、換気用ファン等の動作制御を行う。また、コントローラ31aは、給湯器10のコントローラ1aと通信可能に接続されている。
【0024】
また、乾燥機本体31を遠隔操作するためのリモコン(リモートコントローラ)である乾燥機リモコン32が、例えば脱衣室等に設けられている。この乾燥機リモコン32は、コントローラ31aと相互に通信可能に構成されている。また、乾燥機リモコン32には、暖房運転、乾燥運転、換気運転等の各運転を開始および停止させるための複数の操作ボタンを有する操作部33と、各運転の実行の際に所定の情報を表示する表示部34等を備えている。ユーザによる乾燥機リモコン32の操作部33の操作等に応じてコントローラ31aが乾燥機本体31の動作(運転)を制御する。
【0025】
本実施形態における給湯システム100は、外部通信網4、ルータ3(図1では省略)および携帯端末6を利用するものである。ルータ3および携帯端末6は、給湯器10が設置されている住宅の入居者(ユーザ)が所有しているものである。ルータ3は、ここでは無線LANルータであり、給湯器10のリモコン2と無線で通信が行われるが、リモコン2と有線で接続されて通信が行われるものでもよい。管理装置5は、外部通信網4及びこの外部通信網4に接続されたルータ3を介してリモコン2と相互に通信を行うことができる。また、携帯端末6は、外部通信網4等を介して管理装置5と相互に通信を行うことができる。
【0026】
給湯器10は、給湯器本体1と、給湯器本体1を遠隔操作するためのリモコン(リモートコントローラ)2とを備えている。
【0027】
給湯器本体1は、ユーザ宅の屋外または屋内の所定の場所に設置され、例えば、燃焼加熱式の周知の熱源機であり、熱交換器および該熱交換器を加熱するバーナ等の燃焼装置などを備えている。
【0028】
給湯器本体1は、少なくとも浴室および台所等の給湯端末に湯水を供給する給湯機能を有する。また、給湯器本体1は、外部配管を介して浴槽に接続され、浴槽へ湯水を供給する風呂注湯機能および浴槽内の湯水を循環させて加熱する追い焚き機能等を有していてもよい。また、オプション機器30として浴室乾燥機が設けられている場合には、給湯器本体1は、外部配管を介して乾燥機本体31内の熱交換器と接続され、この熱交換器内に高温水を循環させる暖房乾燥機能を有している。これらのいずれかの機能が実行されるときには、バーナ等の燃焼装置による燃焼運転が行われる。
【0029】
なお、暖房乾燥機能は、オプション機器30の浴室乾燥機で暖房運転および乾燥運転が実施されるときに実行される。浴室乾燥機では、乾燥機リモコン32の操作部33の操作によって暖房運転または乾燥運転が実施されるときに、その運転信号がコントローラ31aから給湯器10のコントローラ1aへ送信されて、コントローラ1aの制御によって給湯器本体1で暖房乾燥機能が実行される。
【0030】
給湯器本体1に内蔵されているコントローラ1aは、例えば、CPU及びメモリ(RAM及びROM等)を有するマイクロコントローラ等によって構成され、給湯器本体1内の各種センサの出力信号等を入力し、給湯器本体1全体の動作を制御する。
【0031】
また、コントローラ1aは、リモコン2と通信可能に接続されており、両者との間で双方向通信が可能である。リモコン2は、例えば台所等に設置されたリモコンである。なお、リモコン2以外に、浴室等に、無線通信部26(後述)を有さないリモコンが設けられていてもよい。
【0032】
リモコン2は、通信部21、制御部22、操作スイッチ等を有する操作部23、液晶画面等を有する表示部24、音声出力部25、及び、無線通信部26を備えている。制御部22は、CPU及びメモリを有し、リモコン2全体の動作を制御する。
【0033】
ユーザが操作部23を操作することにより、操作部23から操作に応じた操作信号が制御部22へ入力され、制御部22から操作信号に応じた制御信号が通信部21を介して給湯器本体1のコントローラ1aへ送信されるよう構成されており、ユーザが給湯器本体1の運転操作や、給湯設定温度及び風呂設定温度等の設定及び変更等の操作を行うことができる。また、給湯器本体1のコントローラ1aから給湯器本体1の運転状態等を示す情報が通信部21へ入力され、制御部22の制御によって表示部24の画面に表示される。また、設定された給湯設定温度等も表示部24の画面に表示することができる。また、音声出力部25は、ブザー音や音声等を出力するためのスピーカを有し、制御部22の制御によって音声等が出力される。
【0034】
無線通信部26は、ルータ3と無線LANによって通信を行うための通信モジュールであり、ルータ3及び外部通信網4を介して管理装置5と通信を行うための、ルータ3との間の通信処理を行う。制御部22は、給湯器本体1のコントローラ1aから受信した情報のうち管理装置5へ送信する情報を無線通信部26から送信させる。また、管理装置5から送信されて無線通信部26で受信した情報のうちコントローラ1aへ送信する情報を通信部21から送信させる。例えば、給湯器本体1のコントローラ1aからリモコン2等を介して管理装置5へ送信される情報(機器情報)としては、給湯器10の電源投入直後に送信される給湯器10の機種等を示す設備構成情報(オプション機器30が接続されている場合にはオプション機器30の機種等の情報も含む)、定期的(例えば1時間間隔)に送信される給湯器10の運転状態を示す運転状態情報、給湯器10の異常を示すエラー情報等がある。これらの機器情報は、リモコン2から同リモコン2のシリアル番号とともに管理装置5へ送信され、リモコン2のシリアル番号と関連付けられて管理装置5のメモリに記憶される。リモコン2のシリアル番号は、給湯器10の識別情報になる。
【0035】
すなわち、リモコン2は、ルータ3と無線LANの接続設定が行われると、ルータ3との間で無線LANによる無線通信が可能である。このリモコン2は、給湯器本体1のコントローラ1aとの間の通信処理を実行するとともに、ルータ3および外部通信網4を介して行う管理装置5との間の通信処理を実行する。リモコン2は、例えば、給湯器本体1のコントローラ1aから送信されてきた機器情報を、通信形式を変換してルータ3および外部通信網4を介して管理装置5へ送信する。また、リモコン2は、管理装置5から外部通信網4およびルータ3を介して送信されてきた情報を、通信形式を変換して給湯器本体1のコントローラ1aへ送信する。このように、本実施形態では、リモコン2が、コントローラ1aとルータ3との間の通信の中継装置としての機能を有しているが、中継装置を別途設け、リモコン2が中継装置としての機能を有していない構成としてもよい。
【0036】
管理装置5は、ユーザ特定情報等を記憶するメモリ(図示せず)を備えている。ユーザ特定情報は、給湯器10の識別情報としてのリモコン2のシリアル番号と、携帯端末6から送信されたユーザアカウントとが関連付けされてなる情報である。
【0037】
また、管理装置5は、リモコン2から送信された種々の機器情報をメモリに記憶する。これらの機器情報は、リモコン2からリモコン2のシリアル番号とともに管理装置5へ送信される。そして管理装置5では、受信した機器情報を、リモコン2のシリアル番号(給湯器10の識別情報)と関連付けてメモリに記憶している。なお、上記機器情報に限らず、リモコン2から管理装置5へ情報(例えば、後述の点検時期到来情報や点検時期到来予測情報など)を送信する際には、当該情報はリモコン2のシリアル番号とともに送信される。
【0038】
携帯端末6は、スマートフォン等の携帯端末であり、携帯電話網の基地局等を介して外部通信網4に接続可能である。また、携帯端末6は、無線LAN接続が可能である。
【0039】
この携帯端末6に、給湯システム専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」という)がインストールされており、管理装置5のメモリにユーザ特定情報が記憶されていれば、ユーザは、携帯端末6を操作して、専用アプリを起動させ、管理装置5等を介して同ユーザ宅に設置された給湯器10の遠隔操作及び状態確認などを行うことができる。この際、ユーザが携帯端末6を操作して、管理装置5が提供しているユーザ管理サイトにログインし、ユーザ宅の給湯器10を遠隔操作または状態確認を行うための信号を管理装置5へ送信すると、管理装置5は、ログイン時に取得したユーザアカウントが含まれるユーザ特定情報を参照し、このユーザ特定情報に含まれるリモコン2のシリアル番号(給湯器10の識別情報)からユーザ宅の給湯機10を特定することができる。
【0040】
また、管理装置5は、各給湯器10の設置地域識別情報と給湯器10の識別情報(リモコン2のシリアル番号)とが関連付けされてなる給湯器設置地域情報をメモリに記憶している。給湯器10の設置地域識別情報は、例えば「市」単位等で区別された地域G1,G2(図1)等を示す給湯器10の設置地域の識別情報である。
【0041】
ここで、管理装置5に記憶されている給湯器10の設置地域識別情報は、例えば、リモコン2から最初の機器情報(設備構成情報)がルータ3及び外部通信網4を介して管理装置5へ送信されるときのルータ3のIPアドレス(グローバルIPアドレス)から管理装置5が特定し記憶している。なお、管理装置5は、IPアドレス(グローバルIPアドレス)と地域との関係を示す情報を予め記憶している。
【0042】
あるいは、ユーザが携帯端末6を操作して、管理装置5が提供しているユーザ管理サイトにログインし、給湯器10の設置地域識別情報を上記サイトに入力することにより、管理装置5に給湯器10の設置地域識別情報が入力されて、給湯器設置地域情報が記憶されるようにしてもよい。この操作は、給湯器10の設置後、すぐに行われることが好ましい。
【0043】
そして、本実施形態では、各給湯器10において、そのコントローラ1aが、給湯器10(給湯器本体1)の使用実績の情報として通電時間の積算値txを常時算出するよう構成されている。この通電時間の積算値txは、給湯器本体1の電源プラグが外部交流電源のコンセントに接続されている時間の合計時間であり、言い換えれば、コントローラ1aに電力が供給されている時間の合計時間である。そして、コントローラ1aは、通電時間の積算値txを、通電時間に関して予め定められている点検時期報知時間ta(例えば、10年)と比較し、通電時間の積算値txが点検時期報知時間taに達する(すなわち、tx≧ta)と、給湯器10の点検時期が到来したことを検出する(点検時期検出部としての機能)。コントローラ1aは、点検時期が到来したことを検出すると、リモコン2に点検時期である旨の情報を報知(出力)させる(第1報知部としての機能)とともに、リモコン2を介して点検時期到来情報を管理装置5へ送信する。
【0044】
リモコン2による点検時期である旨の情報の報知は、例えば、リモコン2の表示部24に、点検時期である旨を示す番号を表示させることにより行われるが、これに限られない。なお、コントローラ1aは、停電が発生しても、通電時間の積算値txのデータが消えてしまわないように、書き換え可能な不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)を備え、これに積算値txのデータを記憶している。
【0045】
管理装置5は、ある給湯器10(第1の給湯器10)から点検時期到来情報を受信すると、給湯器設置地域情報を参照して、点検時期到来情報を送信した給湯器10と同じ地域に設置されている他の全ての給湯器10(第2の給湯器10)を抽出し(給湯器抽出部としての機能)、この抽出した給湯器10に対して点検時期予測指令を送信する。
【0046】
点検時期予測指令を受信した各給湯器10(第2の給湯器10)では、そのコントローラ1aが、その給湯器10の使用実績の情報(通電時間の積算値tx)に基づいて、将来の点検時期が現時点から所定期間ts内に到来するか否かを判定する(点検時期予測判定部としての機能)。この判定は、例えば、次の(1)式を満足するか否かによって行うようにしてもよい。なお、所定期間tsは、例えば、ts=30(単位〔日〕)としてもよい。
【0047】
ta-tx≦ts×24・・・・(1)
この(1)式において、taは、前述のように所定の点検時期報知時間(単位〔時〕)であり、txは、現時点までの通電時間の積算値(単位〔時〕)である。ここで、(1)式を満足すれば点検時期が現時点から所定期間ts内に到来すると判定し、(1)式を満足しなければ点検時期が現時点から所定期間ts内に到来しないと判定する。
【0048】
そして、第2の給湯器10のコントローラ1aは、点検時期が現時点から所定期間ts内に到来すると判定した場合には、リモコン2(例えば表示部24)に点検時期である旨の情報を報知(出力)させる(第2報知部としての機能)。
【0049】
本実施形態では、ある給湯器10の点検時期が到来したときにその給湯器10が点検時期である旨を給湯器10が報知するとともに、その給湯器10と同じ地域に設置され、同給湯器10の点検時期から所定期間内に将来の点検時期が到来する給湯器10が存在すれば、その給湯器10が点検時期である旨を給湯器10が報知することにより、給湯器10のユーザに知らせることができる。給湯器10が点検時期である旨を知らされたユーザは、給湯器10のメーカへ点検を依頼するので、同じ地域に設置された複数の給湯器10を同じ時期に点検することが可能になり、給湯器10の点検作業を効率的に実施することが可能になる。
【0050】
また、本実施形態において、第2の給湯器10のコントローラ1aは、点検時期が現時点から所定期間ts内に到来すると判定したとき、リモコン2を介して点検時期到来予測情報を管理装置5へ送信するようにしてもよい。この場合、管理装置5では、その表示部(ディスプレイ)に、点検時期到来情報を送信した第1の給湯器10及び点検時期到来予測情報を送信した第2の給湯器10が点検時期である旨を表示出力(報知)する(第1,第2報知部としての機能)。また、この場合、給湯器10では、点検時期である旨を報知するようにしてもよいし、報知しないようにしてもよい。管理装置5が、点検時期到来情報を送信した第1の給湯器10及び点検時期到来予測情報を送信した第2の給湯器10が点検時期である旨を報知することにより、メーカ側からこれらの給湯器10のユーザへ点検に伺う旨を知らせることができ、同じ地域に設置された複数の給湯器10を同じ時期に点検することが可能になり、給湯器10の点検作業を効率的に実施することが可能になる。
【0051】
また、本実施形態において、次のように構成することにより、給湯器10に加えてオプション機器30を含めた点検作業を効率的に実施することが可能になる。つまり、オプション機器30では、給湯器10の場合と同様にして、コントローラ31aがオプション機器30の使用実績(通電時間の積算値等)に基づいて点検時期が到来したことを検出するようにし、点検時期が到来したことを検出すると、乾燥機リモコン32(例えば表示部34)に点検時期である旨の情報を報知(出力)させる。これとともに、コントローラ31aは、給湯器10のコントローラ1aへ点検時期到来情報を送信し、これを受信したコントローラ1aがリモコン2に点検時期到来情報(オプション機器30の点検時期到来情報)を管理装置5へ送信させるようにしてもよい。そして、管理装置5では、オプション機器30の点検時期到来情報を受信すると、前述の給湯器10の点検時期到来情報を受信した場合と同様の処理(点検時期予測指令の送信等)を行うようにしてもよい。
【0052】
また、オプション機器30が接続された給湯器10は、管理装置5から点検時期予測指令を受信すると、その点検時期予測指令をコントローラ1aからオプション機器30のコントローラ31aへ送信するようにしてもよい。そして、これを受信したコントローラ31aは、点検時期予測指令を受信したコントローラ1aの場合と同様にして、オプション機器30の使用実績(通電時間の積算値等)に基づいて、オプション機器30の将来の点検時期が現時点から所定期間ts内に到来するか否かを判定し、所定期間ts内に到来すると判定した場合に、乾燥機リモコン32(例えば表示部34)に点検時期である旨の情報を報知(出力)させるようにしてもよい。さらに、コントローラ31aは、給湯器10のコントローラ1aへ点検時期到来予測情報を送信し、これを受信したコントローラ1aがリモコン2に点検時期到来予測情報(オプション機器30の点検時期到来予測情報)を管理装置5へ送信させるようにしてもよい。そして、管理装置5では、オプション機器30の点検時期到来予測情報を受信すると、前述の給湯器10の点検時期到来予測情報を受信した場合と同様の処理(オプション機器30が点検時期である旨の報知)を行うようにしてもよい。
【0053】
また、オプション機器30の点検作業を効率的に実施するために、次のように構成してもよい。オプション機器30は、そのオプション機器30の点検時期検出部(コントローラ31a)で、オプション機器30自身の使用実績に基づいて点検時期が到来したか否かを検出し、点検時期の到来を検出したときに、自身が点検時期である旨をオプション機器30自身が備える報知部(例えば表示部34)等で報知するとともに、そのオプション機器30と通信可能に接続された給湯器10を介して管理装置5へ、「オプション機器の点検時期到来情報」を送信するように構成され、管理装置5は、「オプション機器の点検時期到来情報」を受信すると、管理装置5が備える「オプション機器抽出部」で、点検時期が到来したオプション機器30と同じ地域に設置された他のオプション機器30を抽出し、その抽出したオプション機器30に対し、そのオプション機器30と通信可能に接続された給湯器10を介して「オプション機器の点検時期予測指令」を送信するように構成され、「オプション機器の点検時期予測指令」を受信したオプション機器30は、そのオプション機器30の点検時期予測判定部(コントローラ31a)で、オプション機器30自身の使用実績に基づいて自身の将来の点検時期が所定期間内に到来するか否かを判定し、所定期間内に到来すると判定したときは、自身が点検時期である旨をオプション機器30自身が備える報知部(例えば表示部34)等で報知するように構成してもよい。なお、上述の管理装置5が備える「オプション機器抽出部」は、前述の給湯器設置地域情報を参照して、点検時期が到来したことを検出したオプション機器30と接続された給湯器10と同じ地域に設置されている他の全てのオプション機器30を抽出するようにしてもよい。ここで、管理装置5は、オプション機器30が接続された給湯器10から前述の設備構成情報を受信したときに、オプション機器30の情報を給湯器設置地域情報に含めて記憶しておいてもよい。また、このような給湯器設置地域情報に代えて、各オプション機器30の設置地域を示す情報(オプション機器設置地域情報)を用いるようにしてもよい。
【0054】
(第2実施形態)
第2実施形態の給湯システムの一例は、第1実施形態の場合と同様、図1で示される。また、給湯器10等の一例も、第1実施形態の場合と同様、図2で示される。
【0055】
第1実施形態では、点検時期検出部及び点検時期予測判定部が給湯器10に備えられていたのに対し、第2実施形態では、点検時期検出部及び点検時期予測判定部が管理装置5に備えられている。また、給湯器抽出部は、第1実施形態の場合と同様、管理装置5に備えられている。
【0056】
この第2実施形態では、各給湯器10において、そのコントローラ1aが、給湯器10(給湯器本体1)の使用実績としての通電時間の情報を、所定時間(例えば300時間)ごとに、管理装置5へ送信する。例えば、300時間ごとに、管理装置5へ送信される通電時間の情報は300時間である。
【0057】
そして、管理装置5は、各給湯器10について、通電時間の情報を受信するたびに通電時間の積算値txを算出して記憶する。そして、通電時間の積算値txを予め定められている点検時期報知時間ta(例えば、10年)と比較し、通電時間の積算値txが点検時期報知時間taに達する(すなわち、tx≧ta)と、その給湯器10の点検時期が到来したことを検出する(点検時期検出部としての機能)。
【0058】
さらに、管理装置5は、そのメモリに記憶している給湯器設置地域情報を参照して、点検時期が到来したことを検出した給湯器10と同じ地域に設置されている他の全ての給湯器10を抽出し(給湯器抽出部としての機能)、この抽出した給湯器10について、通電時間の積算値txに基づいて、将来の点検時期が現時点から所定期間ts内に到来するか否かを判定する(点検時期予測判定部としての機能)。この判定は、第1実施形態の場合と同様にして行うことができる。
【0059】
次に、管理装置5は、点検時期が到来したことを検出した給湯器10と、将来の点検時期が現時点から所定期間ts内に到来すると判定した給湯器10とへ、点検時期である旨の情報を送信する。
【0060】
そして、点検時期である旨の情報を受信した給湯器10(コントローラ1a)は、リモコン2(例えば表示部24)に点検時期である旨を報知(出力)させる(第1,第2報知部としての機能)。
【0061】
本実施形態では、点検時期である旨を給湯器10で報知(出力)させるようにしたが、これに代えて、管理装置5の表示部で報知(出力)させるようにしてもよいし、給湯器10及び管理装置5の両方で報知(出力)させるようにしてもよい。なお、管理装置5のみに報知(出力)させる場合には、前述の管理装置5から給湯器10への点検時期である旨の情報の送信は、行わなくてよい。
【0062】
本実施形態においても、ある給湯器10の点検時期が到来したときにその給湯器10が点検時期である旨を給湯器10及び/又は管理装置5が報知するとともに、その給湯器10と同じ地域に設置され、同給湯器10の点検時期から所定期間内に将来の点検時期が到来する給湯器10が存在すれば、その給湯器10が点検時期である旨を給湯器10及び/又は管理装置5が報知することにより、第1実施形態の場合と同様、同じ地域に設置された複数の給湯器10を同じ時期に点検することが可能になり、給湯器10の点検作業を効率的に実施することが可能になる。
【0063】
なお、上記第1、第2実施形態では、給湯器10の使用実績の情報として、給湯器10の通電時間の積算値を用いたが、これに限られない。例えば、給湯器10の燃焼時間の積算値(tx1)を用いてもよい。この場合、点検時期検出部は、燃焼時間の積算値tx1が燃焼時間に関して予め定められた点検時期報知時間ta1に達する(すなわち、tx1≧ta1)ことにより、点検時期が到来したことを検出するようにしてもよい。また、点検時期予測判定部では、次の(2)式を満足するか否かによって行うようにしてもよい。なお、所定期間tsは、例えば、ts=30(単位〔日〕)としてもよい。
【0064】
(ta1-tx1)/tb ≦ts・・・・(2)
この(2)式において、ta1は、前述のように所定の点検時期報知時間(単位〔時〕)であり、tx1は、現時点までの燃焼時間の積算値(単位〔時〕)であり、tbは、1日の平均燃焼時間(単位〔時〕)である。この1日の平均燃焼時間tbは、予め定められた所定時間でもよいし、または、例えば直近1週間の総燃焼時間から算出した1日の平均の値でもよい。ここで、(2)式を満足すれば点検時期が現時点から所定期間ts内に到来すると判定し、(2)式を満足しなければ点検時期が現時点から所定期間ts内に到来しないと判定する。
【0065】
なお、第1実施形態において、給湯器10の使用実績の情報として、給湯器10の燃焼時間の積算値tx1を用いる場合には、コントローラ1aが燃焼時間の積算値tx1を求めて記憶しており、点検時期検出部及び点検時期予測判定部として機能する。
【0066】
一方、第2実施形態において、給湯器10の使用実績の情報として、給湯器10の燃焼時間の積算値tx1を用いる場合には、コントローラ1aが、例えば、給湯器10の燃焼運転を行うたびに、その燃焼時間を使用実績の情報としてリモコン2を介して管理装置5へ送信する。そして、管理装置5は、各給湯器10について、その燃焼時間の積算値を求めて記憶しており、点検時期検出部及び点検時期予測判定部として機能する。
【0067】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、給湯器の点検作業を効率的に実施することが可能になる給湯システム及び給湯器等として有用である。
【符号の説明】
【0069】
5 管理装置
10 給湯器
30 オプション機器
100 給湯システム
図1
図2