(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114081
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 19/18 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
B65D19/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010210
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】松原 宏明
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA06
3E063BA05
3E063BB04
3E063CA03
3E063CB02
3E063CB07
3E063CC03
3E063CC07
3E063CD04
3E063CD08
3E063DA02
3E063EE03
(57)【要約】
【課題】ヒンジ部材との連結部位の強度を確保しつつ、扉部材をスムースに回動変位させることのできる容器を提供する。
【解決手段】容器としてのボックスパレット1の長辺側側壁部11は、開口部13を有する側壁本体12と、開口部13を開閉する扉部材14とを備え、扉部材14は、側壁本体12の開口部13の下縁部に対してヒンジ部材51を介して回動変位可能に連結される。側壁本体12、及び、扉部材14のそれぞれは、長辺側側壁部11の内面側を構成する内面構成部15、17と、長辺側側壁部11の外面側を構成する外面構成部16、18とを互いに溶着させて構成される。側壁本体12、及び、扉部材14は、ヒンジ部材51に連結される側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66を備え、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66は、それぞれ外面構成部16、18により構成される。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状の底壁構成部と、
前記底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備える容器において、
前記側壁部のうち少なくとも1つは、当該側壁部の厚み方向に貫通する開口部が設けられた側壁本体と、前記開口部を開放する開状態と、前記開口部を閉鎖する閉状態とに状態変化可能な扉部材とを具備する扉付側壁部として構成され、
前記扉部材は、前記側壁本体の前記開口部の周縁部に対して別体のヒンジ部材を介して回動変位可能に連結され、前記閉状態から前記容器の外方側に回動変位して前記開状態とされる構成であり、
前記側壁本体、及び、前記扉部材のそれぞれは、前記側壁部の内面側を構成する合成樹脂製の内面構成部と、前記側壁部の外面側を構成する合成樹脂製の外面構成部とを互いに溶着させることにより構成され、
前記側壁本体は、前記ヒンジ部材と連結され、前記ヒンジ部材を相対的に回動変位可能に支持する側壁本体側ヒンジ部材支持部を備え、
前記扉部材は、前記ヒンジ部材に対して相対的に回動変位可能に連結される扉側ヒンジ部材支持部を備え、
前記側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、前記扉側ヒンジ部材支持部は、それぞれ前記内面構成部、及び、前記外面構成部のうち一方により構成されていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記側壁本体は、前記開口部の周縁部から前記開口部の内周側に突出する側壁本体側連結部を備え、
前記側壁本体側連結部は、前記側壁本体の前記外面構成部に備えられ、
前記側壁本体側ヒンジ部材支持部は、前記側壁本体側連結部に備えられ、
前記扉部材は、前記扉部材が前記閉状態にある場合に、前記側壁本体側連結部を前記容器の内方側から覆う覆い部を備え、
前記覆い部は、前記扉部材の前記内面構成部、及び、前記外面構成部のうち少なくとも前記内面構成部により構成され、
前記覆い部における前記容器の内方側は、前記内面構成部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記側壁本体の前記開口部の周縁部のうち前記側壁本体側連結部に対応する連結対応周縁部位には、前記内面構成部と、前記外面構成部との溶着部位において、前記開口部の外周側に凹む溝部が設けられ、
前記覆い部の少なくとも一部は、前記扉部材の前記内面構成部と、前記外面構成部とにより構成され、
前記覆い部は、前記扉部材が前記閉状態にある場合に、前記連結対応周縁部位に設けられた前記溝部に対して前記開口部の内周側に位置するとともに、前記開口部の内外周方向において前記溝部と対向し、
前記側壁本体の内面と、前記閉状態にある前記扉部材の内面とが、略面一とされるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記扉部材は、前記扉付側壁部の横幅方向を軸線方向として前記側壁本体の前記開口部の周縁部に対して前記ヒンジ部材を介して回動可能に連結され、
前記扉部材は、前記扉側ヒンジ部材支持部が設けられた辺部のうち当該扉部材の横幅方向中央部から当該扉部材が前記閉状態にある場合に前記開口部の外周側に突出する位置決め凸部を備え、
前記側壁本体は、当該側壁本体の横幅方向中央部において、前記閉状態にある前記扉部材の前記位置決め凸部が挿入され、前記開口部の内周側に開口し、前記側壁本体の厚み方向に貫通する位置決め凹部を備え、
前記位置決め凸部、及び、前記位置決め凹部は、前記扉付側壁部の横幅方向において互いに所定距離を隔てて設けられた複数の前記ヒンジ部材の間の位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
全ての前記側壁部は、前記底壁構成部の各側辺部に対応して、前記底壁構成部の側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁構成部の中央部側に寝かされる寝かせ姿勢との間を姿勢変化可能に構成され、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記寝かせ姿勢とされた折畳み状態とに状態変化可能な容器において、
前記扉付側壁部は、少なくとも前記起立姿勢において、前記底壁構成部から上方に引き抜き可能に構成され、
前記扉部材が前記閉状態、かつ、前記扉付側壁部が前記起立姿勢とされた状態にある場合に、前記側壁本体に対する前記扉部材の上方への相対変位を規制する規制手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
前記開口部は、前記扉付側壁部が前記起立姿勢にある場合の前記開口部の下方、及び、前記開口部の両側方において前記側壁本体を残すようにして設けられ、
前記扉部材は、前記側壁本体の前記開口部の下縁部に対して前記ヒンジ部材を介して回動可能に連結され、
前記扉部材の両側部、又は、前記側壁本体の前記開口部の両側方位置には、前記閉状態にある前記扉部材の回動変位を規制するロック位置と、前記閉状態にある前記扉部材の回動変位を許容するロック解除位置との間を変位する一対のロック部材が設けられ、
前記側壁本体、及び、前記扉部材には、それぞれ前記内面構成部と、前記外面構成部との間において、略水平方向に延在する補強部材を装着可能な側壁本体側補強部材装着空間、及び、扉部材側補強部材装着空間が設けられ、
前記側壁本体側補強部材装着空間は、前記開口部の下縁部に沿って、前記扉付側壁部の横幅方向において前記開口部の両側縁部よりも側方にまで延設され、
前記扉部材側補強部材装着空間は、前記一対のロック部材の間に配置され、
前記側壁本体側補強部材装着空間、及び、前記扉部材側補強部材装着空間において、前記内面構成部と、前記外面構成部との溶着部位には、前記側壁本体側補強部材装着空間、及び、前記扉部材側補強部材装着空間の外方側に凹む空間溝部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、平面視略矩形状の底壁構成部と、底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備え、各側壁部を底壁構成部とは別体として形成し、各側壁部を底壁構成部に組付けることで構成される容器が知られている。また、側壁部を、内面構成部と、外面構成部とを溶着(熱溶着、振動溶着、超音波溶着等)させることにより構成するといった技術がある。当該技術により、側壁部が比較的大型に構成される場合であっても、側壁部に十分な強度を確保することができる。さらに、内面構成部と、外面構成部との合わせ部分(溶着部位)において溝部を設け、内面構成部と、外面構成部とを溶着させることで発生する余剰樹脂(溶着バリ)等を前記溝部の内側に収めて、側壁部の底壁構成部等との組付けに際して阻害要因とならないようにするといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、折畳み容器に収容される物品の出し入れの作業を行い易くするべく、所定の側壁部の本体(以下、「側壁本体」と称する)に開口部を設けるとともに、側壁本体に対してヒンジ部材を介して回動可能に連結され、前記開口部を開閉する扉部材を設置するといった技術がある。さらに、側壁部が、内面構成部と、外面構成部とを溶着することで構成される場合には、扉部材についても、内面構成部と、外面構成部とを溶着することで構成されることが望ましい。
【0005】
ここで、内面構成部と、外面構成部とを溶着させることで発生する溶着バリ等が、扉部材の回動変位の阻害要因とならないようにすることが求められる。これに対し、上記特許文献1のように、溶着バリの対策として、扉部材、及び、側壁本体のうち、前記ヒンジ部材との連結部位において溝部を設けることも考えられるが、当該連結部位に溝部を設けること自体が困難であったり、当該連結部位に溝部を設けることに起因して、当該連結部位の強度低下等を招いたりすることが懸念される。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、ヒンジ部材との連結部位の強度を確保しつつ、扉部材をスムースに回動変位させることのできる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0008】
手段1.平面視略矩形状の底壁構成部と、
前記底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備える容器において、
前記側壁部のうち少なくとも1つは、当該側壁部の厚み方向に貫通する開口部が設けられた側壁本体と、前記開口部を開放する開状態と、前記開口部を閉鎖する閉状態とに状態変化可能な扉部材とを具備する扉付側壁部として構成され、
前記扉部材は、前記側壁本体の前記開口部の周縁部に対して別体のヒンジ部材を介して回動変位可能に連結され、前記閉状態から前記容器の外方側に回動変位して前記開状態とされる構成であり、
前記側壁本体、及び、前記扉部材のそれぞれは、前記側壁部の内面側を構成する合成樹脂製の内面構成部と、前記側壁部の外面側を構成する合成樹脂製の外面構成部とを互いに溶着させることにより構成され、
前記側壁本体は、前記ヒンジ部材と連結され、前記ヒンジ部材を相対的に回動変位可能に支持する側壁本体側ヒンジ部材支持部を備え、
前記扉部材は、前記ヒンジ部材に対して相対的に回動変位可能に連結される扉側ヒンジ部材支持部を備え、
前記側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、前記扉側ヒンジ部材支持部は、それぞれ前記内面構成部、及び、前記外面構成部のうち一方により構成されていることを特徴とする容器。
【0009】
手段1によれば、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部は、それぞれ内面構成部、及び、外面構成部のうち一方(のみ)により構成されている。このため、例えば、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部をそれぞれ内面構成部と、外面構成部とを溶着することで構成する場合のように、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部において、溶着に起因する余剰樹脂(溶着バリ)や段差等が発生してしまうといった事態を回避することができる。従って、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部と、ヒンジ部材とを連結した状態において、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部と、ヒンジ部材との間の相対的な回動変位、ひいては、扉部材の回動変位を比較的スムースなものとすることができる。結果として、不良品の発生を抑止しつつ、扉部材の開閉作業性の向上等を図ることができる。
【0010】
また、例えば、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部において、溶着バリ等を収容するための溝部を形成するといった必要もなく、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部に溝部を設けることに起因して、当該側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部の強度低下等を招くといった事態を回避することができる。さらに、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部をそれぞれ内面構成部と、外面構成部とを溶着することで構成する場合に比べ、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部の形状上の精度を高めることができ、ヒンジ部材、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部の寸法をよりシビアな設定として、ガタツキ等を抑止することができる。従って、ヒンジ部材、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部の耐久性の向上等を図りつつ、扉部材の回動変位をよりスムースなものとすることができる。
【0011】
手段2.前記側壁本体は、前記開口部の周縁部から前記開口部の内周側に突出する側壁本体側連結部を備え、
前記側壁本体側連結部は、前記側壁本体の前記外面構成部に備えられ、
前記側壁本体側ヒンジ部材支持部は、前記側壁本体側連結部に備えられ、
前記扉部材は、前記扉部材が前記閉状態にある場合に、前記側壁本体側連結部を前記容器の内方側から覆う覆い部を備え、
前記覆い部は、前記扉部材の前記内面構成部、及び、前記外面構成部のうち少なくとも前記内面構成部により構成され、
前記覆い部における前記容器の内方側は、前記内面構成部により構成されていることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0012】
手段2によれば、扉部材が閉状態にある場合には、側壁本体側連結部が容器の内方側から覆い部により覆われることから、容器に収容された物品が側壁本体側連結部に引っ掛かる等して損傷するといった事態を抑止することができる。
【0013】
また、扉部材が閉状態にある場合には、容器の内外方向において覆い部と、側壁本体側連結部とが重なり合う格好となる。このため、当該覆い部、及び、側壁本体側連結部に対して容器の内方からの負荷や容器の外方からの負荷が加えられた場合に、互いに支持し合う構成とすることもでき、覆い部、及び、側壁本体側連結部等の変形等を抑止することができる。
【0014】
さらに、覆い部における容器の内方側については内面構成部により構成されているため、覆い部のうち容器の内方側の面において溶着バリが発生し、容器に収容された物品が当該溶着バリに引っ掛かる等して損傷するといった事態を防止することができる。
【0015】
手段3.前記側壁本体の前記開口部の周縁部のうち前記側壁本体側連結部に対応する連結対応周縁部位には、前記内面構成部と、前記外面構成部との溶着部位において、前記開口部の外周側に凹む溝部が設けられ、
前記覆い部の少なくとも一部は、前記扉部材の前記内面構成部と、前記外面構成部とにより構成され、
前記覆い部は、前記扉部材が前記閉状態にある場合に、前記連結対応周縁部位に設けられた前記溝部に対して前記開口部の内周側に位置するとともに、前記開口部の内外周方向において前記溝部と対向し、
前記側壁本体の内面と、前記閉状態にある前記扉部材の内面とが、略面一とされるように構成されていることを特徴とする手段2に記載の容器。
【0016】
手段3によれば、側壁本体の開口部の周縁部のうち側壁本体側連結部に対応する連結対応周縁部位の内面構成部と、外面構成部との溶着部位において発生する溶着バリを溝部に収める(開口部の周縁部よりも開口部の外周側に位置させる)ことができる。従って、開口部の周縁部の溶着バリが扉部材の回動動作を阻害するといった事態を回避することができる。結果として、扉部材の回動変位をスムースなものとするといった作用効果がより確実に奏される。
【0017】
また、覆い部の少なくとも一部を内面構成部と外面構成部とにより構成することで、覆い部の強度を高め、耐久性の向上等を図ることができる。さらに、覆い部の変形が抑制されることから、容器に収容された物品からの圧力により覆い部が変形し、ひいては、ヒンジ部材と、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部との連結状態に悪影響を及ぼしてしまうといった事態を防止することができる。
【0018】
また、扉部材を閉状態とすることで、側壁本体の連結対応周縁部位の溝部が、開口部の内周側から覆い部により覆われる格好となる。このため、容器に収容された物品が側壁本体の連結対応周縁部位の溝部に引っ掛かる等して損傷するといった事態を防止することができる。さらに、側壁本体の内面と、閉状態にある扉部材の内面とが略面一とされることから、例えば、側壁本体の内面と、閉状態にある扉部材の内面との間に段差が形成され、当該段差に対して容器に収容された物品が引っ掛かる等して損傷するといった事態を防止することができる。
【0019】
尚、「前記溝部は、前記側壁本体の前記内面構成部のうち前記開口部の周縁部よりも前記開口部の外周側の位置から前記容器の外方側に突出する内側突部の先端部と、前記側壁本体の前記外面構成部のうち前記開口部の周縁部よりも前記開口部の外周側の位置から前記容器の内方側に突出する外側突部の先端部とが溶着されることにより設けられること」としてもよい。この場合、溝部における溶着処理を内側突部及び外側突部の先端部で行えば済むため、例えば、比較的広い範囲となる平坦面同士を溶着処理する場合に比べ、溶着作業性の向上等が図られる。
【0020】
手段4.前記扉部材は、前記扉付側壁部の横幅方向を軸線方向として前記側壁本体の前記開口部の周縁部に対して前記ヒンジ部材を介して回動可能に連結され、
前記扉部材は、前記扉側ヒンジ部材支持部が設けられた辺部のうち当該扉部材の横幅方向中央部から当該扉部材が前記閉状態にある場合に前記開口部の外周側に突出する位置決め凸部を備え、
前記側壁本体は、当該側壁本体の横幅方向中央部において、前記閉状態にある前記扉部材の前記位置決め凸部が挿入され、前記開口部の内周側に開口し、前記側壁本体の厚み方向に貫通する位置決め凹部を備え、
前記位置決め凸部、及び、前記位置決め凹部は、前記扉付側壁部の横幅方向において互いに所定距離を隔てて設けられた複数の前記ヒンジ部材の間の位置に設けられていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の容器。
【0021】
手段4によれば、位置決め凸部は、樹脂成形品としての扉部材のうち横幅方向中央部に設けられており、例えば、位置決め凸部が扉部材のうち横幅方向の両端部に設けられる場合に比べ、扉部材の横幅方向における寸法誤差(設計上の位置からのずれ)を比較的小さくすることができる。位置決め凹部についても、側壁本体の横幅方向中央部に設けられており、側壁本体の横幅方向における寸法誤差を比較的小さくすることができる。
【0022】
ここで、扉付側壁部の横幅方向において互いに所定距離を隔てて複数設けられるヒンジ部材に対応して、同じく複数箇所に設けられる側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部等に関するクリアランスを考慮すると、扉部材を閉状態とする際に扉部材を側壁本体の開口部にスムースに収めるべく、扉部材の横幅と側壁本体の開口部の横幅との間にも、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部等に関するクリアランス量に応じたクリアランスを設定することが考えられる。しかしながら、扉部材が比較的大型の場合には、閉状態にある扉部材の両側部と、側壁本体の開口部の側縁部との間に小さくない隙間が形成されてしまい、扉付側壁部の内面側に関しては、容器に収容された物品が当該隙間に挟まる等の事態を招くことが懸念される。
【0023】
これに対し、扉付側壁部の横幅方向における寸法誤差が少なくなる位置である横幅方向中央部に位置決め凸部、及び、位置決め凹部を設け、開状態にある扉部材を閉状態とする際に、位置決め凸部が位置決め凹部に挿入されるように構成することで、位置決め凸部と、位置決め凹部とにより、扉付側壁部の横幅方向における扉部材と、側壁本体との間の位置決めをより正確に行うことができる。従って、扉部材の横幅と側壁本体の開口部の横幅との間のクリアランスは、位置決め凸部、及び、位置決め凹部のクリアランス量に応じて設定することができる。結果として、閉状態にある扉部材の両側部と、側壁本体の開口部の側縁部との間の隙間を極力なくすことができ、扉部材を閉状態とした容器に対して物品をより好適に収容することができる。
【0024】
また、扉部材が閉状態にある場合に、位置決め凸部、及び、位置決め凹部は、複数のヒンジ部材の間に位置し、扉付側壁部の横幅方向において、ヒンジ部材と配置がずれている。このため、例えば、位置決め凸部及び位置決め凹部と、ヒンジ部材とを、容器の内外方向において並ぶようにして設ける(扉付側壁部の横幅方向において同じ位置に設ける)場合に比べ、扉付側壁部の厚みを薄くすることができる。特に、扉付側壁部(側壁本体、及び、扉部材)は、内面構成部と、外面構成部とを互いに溶着させることにより構成されていることから、同程度の強度を有する溶着処理のない扉付側壁部に比べて、その厚みを薄く構成することができる。従って、容器の所定外寸に対する収容量を増やすことができる。
【0025】
さらに、位置決め凹部を側壁本体の厚み方向に貫通するように設けることで、扉部材の開閉作業の際には、位置決め凸部が位置決め凹部への挿入動作の途中で引っ掛かり難く、かつ、挿入状態における位置決め凸部と位置決め凹部との係り量(扉付側壁部の横幅方向において互いに対向する面積)を比較的大きくすることができ、位置決め精度の向上を図ることができる。
【0026】
尚、「前記位置決め凸部は、前記内面構成部、及び、前記外面構成部のうち一方により構成されていること」としてもよい。さらに、「前記位置決め凹部は、前記内面構成部、及び、前記外面構成部のうち一方により形成されていること」としてもよい。この場合、位置決め凸部と、位置決め凹部とにより、扉付側壁部の横幅方向における扉部材と、側壁本体との間の位置決めをより正確に行うといった作用効果をより顕著なものとすることができる。また、上記手段2に対応して、側壁本体側連結部が位置決め凹部を備えていることとしてもよい。この場合、位置決め凹部は、外面構成部により形成される。
【0027】
手段5.全ての前記側壁部は、前記底壁構成部の各側辺部に対応して、前記底壁構成部の側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁構成部の中央部側に寝かされる寝かせ姿勢との間を姿勢変化可能に構成され、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記寝かせ姿勢とされた折畳み状態とに状態変化可能な容器において、
前記扉付側壁部は、少なくとも前記起立姿勢において、前記底壁構成部から上方に引き抜き可能に構成され、
前記扉部材が前記閉状態、かつ、前記扉付側壁部が前記起立姿勢とされた状態にある場合に、前記側壁本体に対する前記扉部材の上方への相対変位を規制する規制手段を備えていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の容器。
【0028】
手段5によれば、規制手段が設けられることにより、起立姿勢の扉付側壁部を取外すべく、当該扉付側壁部を底壁構成部から上方に引き抜く際に、ヒンジ部材、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部への負荷を軽減しつつ、扉部材を掴んで扉付側壁部を上方に持ち上げることができる。従って、扉付側壁部を底壁構成部から上方に引き抜く際の利便性の向上、及び、扉部材の配置や大きさ等の設計の自由度の確保の両方を充足しつつ、ヒンジ部材、側壁本体側ヒンジ部材支持部、及び、扉側ヒンジ部材支持部の耐久性の向上等を図ることができる。
【0029】
手段6.前記開口部は、前記扉付側壁部が前記起立姿勢にある場合の前記開口部の下方、及び、前記開口部の両側方において前記側壁本体を残すようにして設けられ、
前記扉部材は、前記側壁本体の前記開口部の下縁部に対して前記ヒンジ部材を介して回動可能に連結され、
前記扉部材の両側部、又は、前記側壁本体の前記開口部の両側方位置には、前記閉状態にある前記扉部材の回動変位を規制するロック位置と、前記閉状態にある前記扉部材の回動変位を許容するロック解除位置との間を変位する一対のロック部材が設けられ、
前記側壁本体、及び、前記扉部材には、それぞれ前記内面構成部と、前記外面構成部との間において、略水平方向に延在する補強部材を装着可能な側壁本体側補強部材装着空間、及び、扉部材側補強部材装着空間が設けられ、
前記側壁本体側補強部材装着空間は、前記開口部の下縁部に沿って、前記扉付側壁部の横幅方向において前記開口部の両側縁部よりも側方にまで延設され、
前記扉部材側補強部材装着空間は、前記一対のロック部材の間に配置され、
前記側壁本体側補強部材装着空間、及び、前記扉部材側補強部材装着空間において、前記内面構成部と、前記外面構成部との溶着部位には、前記側壁本体側補強部材装着空間、及び、前記扉部材側補強部材装着空間の外方側に凹む空間溝部が設けられていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の容器。
【0030】
手段6によれば、扉付側壁部の側壁本体、及び、扉部材がそれぞれ補強部材により補強され、変形等を抑止することができる。つまり、扉部材の変形に起因して、扉部材を閉状態としたり、ロック部材をロック位置としたりすることが困難になるといった事態を回避することができる。さらに、側壁本体の開口部の下縁部の変形に起因して、側壁本体側ヒンジ部材支持部が変位・変形してしまい、扉部材の回動変位が困難になるといった事態を回避することができる。
【0031】
また、側壁本体側補強部材装着空間、及び、扉部材側補強部材装着空間において、内面構成部と、外面構成部との溶着部位に発生する溶着バリを空間溝部に収めることができる。これにより、溶着バリによって補強部材の姿勢が傾いてしまったり、溶着バリが補強部材との接触により破損し、側壁本体や扉部材を変位させる場合に、破損した溶着バリが側壁本体や扉部材の内部で転動することに起因して異音が発生したりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】扉部材を閉状態とした組立状態にあるボックスパレットの斜視図である。
【
図2】一方の扉部材を開状態とした組立状態にあるボックスパレットの斜視図である。
【
図3】折畳状態にあるボックスパレットの斜視図である。
【
図4】ボックスパレットを状態変化させる過程を示す斜視図である。
【
図5】ボックスパレットを状態変化させる過程を示す斜視図である。
【
図8】扉部材を開状態とした長辺側側壁部の内面側を示す斜視図である。
【
図12】側壁本体側連結部の周辺部を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図13】側壁本体の上部一側部側(規制構成部の周辺部)を示す部分拡大斜視図である。
【
図16】扉側ヒンジ部材支持部の周辺部を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図17】扉部材の上部一側部側(扉ロック部材、及び、切欠き部の周辺部)を示す部分拡大斜視図である。
【
図20】ヒンジ部材を介した側壁本体と扉部材との連結部分を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図21】ヒンジ部材を介した側壁本体と扉部材との連結部分を示す部分拡大断面図である。
【
図22】ヒンジ部材の図示を省略した側壁本体と扉部材との連結部分を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図4、
図5等に示すように、容器としてのボックスパレット1は、平面視略矩形状の底壁部3と、底壁部3の各長辺部からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部4と、一対の長辺側土台部4の間において、底壁部3の各短辺部からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部5とを具備する底壁構成部2を備えている。本実施形態の底壁部3は、パレット形状をなしており、複数の支柱部6と、支柱部6の上端部間を連結する上デッキ部7と、支柱部6の下端部間を連結する下デッキ部8とを備え、支柱部6同士の間には、フォークリフトのフォークを差込み可能なフォーク差込み部9が形成されている。本実施形態では、底壁部3の外周面を構成する4つの側面からフォークを差込み可能な4方差しタイプのパレット形状となっている。尚、底壁構成部2は、ポリプロピレンにより構成されている。
【0034】
また、ボックスパレット1は、各長辺側土台部4に対してそれぞれ着脱自在に設けられた長辺側側壁部11と、各短辺側土台部5に対してそれぞれ回動可能に設けられた短辺側側壁部31とを備えている。
図1、
図3等に示すように、長辺側側壁部11、及び、短辺側側壁部31は、それぞれ長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5の上方に立設される起立姿勢と、底壁構成部2の中央部側(底壁部3の上方)に寝かされる寝かせ姿勢との間を姿勢変化可能に構成されている。このため、本実施形態のボックスパレット1は、物品を収容して運搬等する場合には、全ての長辺側側壁部11、及び、短辺側側壁部31が起立姿勢とされた組立状態(
図1参照)とし、ボックスパレット1のみを運搬等する場合には、全ての長辺側側壁部11、及び、短辺側側壁部31が寝かせ姿勢とされた折畳み状態(
図3参照)とし、省スペース化等を図ることが可能に構成されている。本実施形態では、各短辺側側壁部31は、底壁構成部2から取外すことなく回動変位させて姿勢変化させるのに対し、長辺側側壁部11を姿勢変化させる場合には、
図4、
図5に示すように、長辺側側壁部11を底壁構成部2から一旦取り外し、長辺側側壁部11の姿勢を変更してから底壁構成部2に取付けるように構成されている。
【0035】
さらに、
図4に示すように、長辺側土台部4の底壁部3からの突出長は、短辺側土台部5の底壁部3からの突出長よりも長くなっている。加えて、長辺側側壁部11の横幅は、長辺側土台部4の長さ(底壁構成部2の長手幅)とほぼ同じに構成され、短辺側側壁部31の横幅は、短辺側土台部5の長さ、すなわち、一対の長辺側土台部4間の距離とほぼ同じに構成されている。尚、本実施形態のボックスパレット1は、長辺側側壁部11の横幅が、1,000mm以上となっている。
【0036】
図1、
図2、
図6~
図8等に示すように、各長辺側側壁部11は、当該長辺側側壁部11の厚み方向に貫通する開口部13が設けられた側壁本体12と、開口部13を開放する開状態と、開口部13を閉鎖する閉状態とに状態変化可能な扉部材14とを具備する扉付側壁部として構成されている。開口部13は、長辺側側壁部11が起立姿勢にある場合の開口部13の下方、及び、開口部13の両側方において側壁本体12を残しつつ、側壁本体12の上方に開口した形状をなしている。また、
図20~
図22等に示すように、側壁本体12は、長辺側側壁部11の内面側を構成するポリプロピレン製の側壁内面構成部15と、長辺側側壁部11の外面側を構成するポリプロピレン製の側壁外面構成部16とを互いに溶着させることにより構成されている。さらに、扉部材14についても、長辺側側壁部11の内面側を構成するポリプロピレン製の扉内面構成部17と、長辺側側壁部11の外面側を構成するポリプロピレン製の扉外面構成部18とを互いに溶着させることにより構成されている。尚、扉部材14の開閉に関する構成の詳細については後述する。
【0037】
図10、
図11等に示すように、側壁本体12は、側面視略矩形状をなす板状体に対し上記開口部13が形成された形状の長辺側ベース部19と、長辺側ベース部19の下辺部から下方に突出する長辺側挿入部20と、長辺側ベース部19の側辺部からボックスパレット1の内方側に突出する係止構成部21とを備えている。長辺側挿入部20は、側壁本体12の横幅方向において互いに所定間隔を隔てて3つ設けられている。また、各長辺側挿入部20は、当該長辺側挿入部20の左右両側面の下端部から側方に突出する挿入突部20aを備えている。さらに、
図11、
図12に示すように、係止構成部21は、長辺側ベース部19の内面の側辺部からボックスパレット1の内方側に突出し、長辺側ベース部19の高さ方向に延在する略矩形板状の係止板部22と、係止板部22のうち側壁本体12の横幅方向中央部側の面に連結された略逆L字状の係止突部23と、係止板部22のうち側壁本体12の横幅方向中央部側の面に連結され、ボックスパレット1の内方側に開口する略四角筒状の側壁ロック係止部24とを備えている。
【0038】
図1、
図5に示すように、各短辺側側壁部31は、正面視略矩形状の短辺側ベース部32と、短辺側ベース部32の下辺部から下方に突出する短辺側挿入部33(
図5参照)とを備えている。本実施形態では、短辺側挿入部33は、短辺側側壁部31の横幅方向において互いに所定間隔を隔てて3つ設けられている。また、各短辺側挿入部33は、当該短辺側挿入部33の左右両側面の下端部から側方に突出する軸部(図示略)を備えている。
【0039】
また、
図5に示すように、短辺側側壁部31の外面側の両側部には、ボックスパレット1の組立状態において、長辺側側壁部11の係止構成部21と略当接して係止される被係止構成部34が設けられている。被係止構成部34は、短辺側側壁部31の外面側の肉厚が省略される格好で薄肉化された被係止板部35と、被係止板部35の外面から突出する略L字状の被係止突部36とを備えている。
【0040】
ボックスパレット1の組立状態においては、短辺側側壁部31の被係止構成部34の外面側が、長辺側側壁部11の係止構成部21に略当接し、これにより、短辺側側壁部31のボックスパレット1の外方側への変位が規制される。また、短辺側側壁部31の両側部(被係止構成部34の側部)が、長辺側側壁部11の内面に略当接し、これにより、長辺側側壁部11のボックスパレット1の内方側への変位が規制される。さらに、長辺側側壁部11の係止構成部21の係止突部23と、短辺側側壁部31の被係止構成部34の被係止突部36とが係止状態とされ、これにより、長辺側側壁部11のボックスパレット1の外方側への変位が規制される。
【0041】
加えて、短辺側側壁部31の両側部近傍部位には、ボックスパレット1の組立状態において、短辺側側壁部31と、長辺側側壁部11との間を連結するための側壁ロック部材37が装着されている。各側壁ロック部材37は、短辺側側壁部31の外面側から操作可能、かつ、左右にスライド変位可能に構成され、側壁ロック部材37が側方に変位させられることで、側壁ロック部材37が被係止構成部34に突出するようになっている。長辺側側壁部11、及び、短辺側側壁部31を起立姿勢としてから、側壁ロック部材37を側方にスライドさせて被係止構成部34に突出させることにより、側壁ロック部材37の突出方向先端部側が、長辺側側壁部11の係止構成部21の側壁ロック係止部24に挿入され、係止される(ロック状態とされる)。これにより、短辺側側壁部31のボックスパレット1の内方側への変位が規制される上、短辺側側壁部31に対する長辺側側壁部11の上方への相対変位が規制される。
【0042】
尚、本実施形態では、短辺側側壁部31についても、短辺側側壁部31の内面側を構成するポリプロピレン製の内面構成部と、短辺側側壁部31の外面側を構成するポリプロピレン製の外面構成部とを互いに溶着させることにより構成されている。また、内面構成部と、外面構成部との合わせ部分において、適宜、溝部(隙間)が設けられており、内面構成部と、外面構成部とを溶着させることで発生する余剰樹脂(溶着バリ)等が溝部の内側に収まり、各種組付けの阻害要因とならないように構成されている。
【0043】
図4等に示すように、底壁構成部2の長辺側土台部4は、上方に開口し、長辺側側壁部11の長辺側挿入部20を上方から挿入可能な長辺側被挿入部41が設けられている。長辺側被挿入部41は、長辺側被挿入部41に挿入された長辺側挿入部20の挿入突部20aの底壁構成部2(ボックスパレット1)の内方側への変位を規制する長辺側挿入部規制部42を備えている。長辺側被挿入部41は、長辺側側壁部11に設けられた3つの長辺側挿入部20に個別に対応して3箇所に設けられている。また、長辺側被挿入部41は、底壁構成部2(ボックスパレット1)の内方側にも開口しており、起立姿勢とした長辺側側壁部11の長辺側挿入部20を挿入可能とするだけではなく、寝かせ姿勢とされた長辺側側壁部11の長辺側挿入部20(特に挿入突部20a)を挿入可能に構成されている。本実施形態では、挿入突部20aの形状により、長辺側挿入部20を長辺側被挿入部41に挿入させたまま、長辺側側壁部11を姿勢変化させることが不可能に構成されている。
【0044】
図4に示すように、短辺側土台部5には、短辺側側壁部31の短辺側挿入部33が挿入される短辺側被挿入部43が設けられている。短辺側被挿入部43は、短辺側側壁部31に設けられた3つの短辺側挿入部33に個別に対応して3箇所に設けられている。各短辺側被挿入部43は、短辺側挿入部33の軸部を軸支する短辺側軸受部44を備えるとともに、短辺側側壁部31の姿勢変化に伴う短辺側挿入部33の変位を許容する形状をなしている。
【0045】
本実施形態では、折畳み状態にあるボックスパレット1を組立状態とする場合には、先ず、寝かせ姿勢にある一対の長辺側側壁部11を底壁構成部2から取外し(長辺側挿入部20を長辺側被挿入部41から上方に引き抜き)、一対の短辺側側壁部31を起立姿勢へと回動変位させてから、一対の長辺側側壁部11を起立姿勢として、
図5に示すように底壁構成部2に取付け、側壁ロック部材37をロック状態とする。また、組立状態にあるボックスパレット1を折畳み状態とする場合には、先ず、側壁ロック部材37のロック状態を解除して、
図4に示すように、起立姿勢にある一対の長辺側側壁部11を底壁構成部2から取外し(上方に引き抜き)、一対の短辺側側壁部31を寝かせ姿勢へと回動変位させてから、長辺側側壁部11を寝かせ姿勢として、底壁構成部2に取付ける。
【0046】
さて、
図6~
図9等に示すように、本実施形態の長辺側側壁部11の扉部材14は、側壁本体12の開口部13の下縁部に対して別体のヒンジ部材51を介して回動変位可能に連結され、閉状態からボックスパレット1の外方側に回動変位して開状態とされるように構成されている。本実施形態では、長辺側側壁部11の横幅方向において互いに所定距離を隔てて設けられた4つのヒンジ部材51を介して、扉部材14と、側壁本体12とが連結されている。尚、本実施形態では、側壁本体12の開口部13の下縁部が、連結対応周縁部位に相当する。
【0047】
図18、
図19等に示すように、ヒンジ部材51は、正面視略矩形状、かつ、側面視略長円状をなすヒンジ本体52と、ヒンジ本体52の両側面の長手方向一端部側からそれぞれ側方に突出する一対の側壁対応軸部53と、ヒンジ本体52の両側面の長手方向他端部側からそれぞれ側方に突出する一対の扉対応軸部54とを備えている。側壁対応軸部53は略円柱状に構成され、先端部側が断面略長円状をなしている。扉対応軸部54は、ヒンジ本体52の厚み方向の一方側に開口する断面略C字状をなしている。ヒンジ部材51は、ポリプロピレンにより一体的に形成されている。
【0048】
図11に示すように、側壁本体12は、開口部13の下縁部から上方(開口部13の内周側)に突出する側壁本体側連結部61を備えている。側壁本体側連結部61は、ヒンジ部材51の側壁対応軸部53と連結され、ヒンジ部材51を相対的に回動変位可能に支持する側壁本体側ヒンジ部材支持部62を備えている。側壁本体側ヒンジ部材支持部62は、各長辺側側壁部11において4つのヒンジ部材51を取付可能とするべく、長辺側側壁部11の横幅方向において互いに所定距離を隔てて4箇所に設けられている。
図12、
図20に示すように、各側壁本体側ヒンジ部材支持部62は、開口部13の下縁部から上方に突出し、側壁本体12の厚み方向において互いに距離を隔てて対向する一対の縦壁部63を、側壁本体12の横幅方向において、ヒンジ本体52の横幅よりも若干長い距離を隔てて1組で備えるとともに、各一対の縦壁部63の対向面の上部からそれぞれ突出する係止突起64を備えている。そして、
図20に示すように、ヒンジ部材51の側壁対応軸部53を係止突起64の下方位置にまで挿入することで、側壁対応軸部53が側壁本体側ヒンジ部材支持部62に対して回動変位可能に支持されるようになっている。
【0049】
加えて、
図11等に示すように、側壁本体12の開口部13の下縁部と、開口部13の側縁部との境界部は斜めに連結されており、側壁本体側連結部61は、当該斜めに連結された境界部と、側壁本体側ヒンジ部材支持部62との間を連結するとともに、側壁本体側ヒンジ部材支持部62同士の間を連結するように構成されている。結果として、側壁本体側連結部61には、各側壁本体側ヒンジ部材支持部62において、上方に開口し、側壁本体12の厚み方向に貫通する凹部が形成されたような格好をなしている。また、
図20、
図22等に示すように、本実施形態の側壁本体側連結部61は、側壁本体12の側壁外面構成部16のみで構成されている。
【0050】
図14、
図16等に示すように、扉部材14は、ヒンジ部材51に対して相対的に回動変位可能に連結される扉側ヒンジ部材支持部66を備えている。扉側ヒンジ部材支持部66についても、側壁本体側ヒンジ部材支持部62に対応して、長辺側側壁部11の横幅方向において互いに所定距離を隔てて4箇所に設けられている。各扉側ヒンジ部材支持部66は、扉部材14の閉状態(長辺側側壁部11は起立姿勢)での下辺部に設けられ、下方、及び、ボックスパレット1の外方側に開口する扉側ヒンジ凹部67と、扉側ヒンジ凹部67の相対する一対の内側面からそれぞれ突出する略円柱状の軸突起68とにより構成されている。そして、
図20に示すように、ヒンジ部材51の扉対応軸部54の内側に扉側ヒンジ部材支持部66の軸突起68を相対的に挿入することで、扉側ヒンジ部材支持部66が扉対応軸部54に対して回動変位可能に支持されるようになっている。また、
図16、
図22等に示すように、本実施形態の扉側ヒンジ部材支持部66は、扉外面構成部18のみで構成される上、扉側ヒンジ部材支持部66のボックスパレット1の内方側が扉内面構成部17により覆われている。尚、
図9、
図20等に示すように、ヒンジ部材51は、扉部材14がいずれの状態にあっても、基本的には、側壁本体側連結部61の側壁本体側ヒンジ部材支持部62における凹部、及び、扉部材14の扉側ヒンジ凹部67の内側にほぼ全体が収容されるように構成されており、
図6、
図20に示すように、扉部材14の閉状態においては、扉部材14の下辺部と、側壁本体12の側壁本体側連結部61の上辺部とが上下に対向して互いに近接するようになっている。
【0051】
図12等に示すように、側壁本体12の開口部13の下縁部(連結対応周縁部位)には、側壁内面構成部15と、側壁外面構成部16との溶着部位において、下方(開口部13の外周側)に凹む溝部70が設けられている。
図21、
図22等に示すように、溝部70は、側壁内面構成部15のうち開口部13の下縁部よりも下方(開口部13の外周側)の位置からボックスパレット1の外方側に突出する内側突部71の先端部と、側壁外面構成部16のうち開口部13の下縁部よりも下方(開口部13の外周側)の位置からボックスパレット1の内方側に突出する外側突部72の先端部とが溶着されることにより、開口部13の内周側に開口するようにして設けられている。
【0052】
図14、
図16、
図22等に示すように、扉部材14は、扉部材14が閉状態にある場合に、側壁本体側連結部61をボックスパレット1の内方側から覆う覆い部73を備えている。本実施形態では、扉部材14が閉状態にある場合に、覆い部73によって側壁本体側連結部61の全体がボックスパレット1の内方側から覆われるとともに、ボックスパレット1の内外方向において、覆い部73と、側壁本体側連結部61とが互いに近接するようになっている。また、覆い部73は、扉内面構成部17と、扉外面構成部18とを扉部材14の厚み方向において向かい合わせ、互いに突出長の短いリブを設けてその先端部同士を連結(溶着)することにより構成されている(扉内面構成部17と、扉外面構成部18との2層構造とされている)。さらに、
図21等に示すように、覆い部73は、扉部材14が閉状態にある場合に、開口部13の下縁部に設けられた溝部70に対し、上方(開口部13の内周側)に位置するとともに、上下方向(開口部13の内外周方向)において溝部70と対向して近接するようになっている。加えて、本実施形態では、側壁本体12の内面と、閉状態にある扉部材14の内面とが、略面一とされるように構成されている(
図7、
図21参照)。また、扉部材14の内面は、扉内面構成部17のみで構成されている。さらに、側壁本体12の外面と、閉状態にある扉部材14の外面とについても略面一とされ(
図6参照)、側壁本体12の外面と、開状態にある扉部材14の外面(この状態では、ボックスパレット1の内方側となっている面)とが略当接するように構成されている。
【0053】
また、
図14等に示すように、扉部材14は、扉側ヒンジ部材支持部66が設けられた下辺部のうち当該扉部材14の横幅方向中央部から当該扉部材14が閉状態にある場合に下方(開口部13の外周側)に突出する位置決め凸部75を備えている。これに対し、
図8、
図10等に示すように、側壁本体12は、側壁本体側連結部61のうち側壁本体12の横幅方向中央部において、上方に開口し、側壁本体側連結部61の厚み方向に貫通する位置決め凹部76を備えている。そして、
図6に示すように、扉部材14を閉状態とすることで、扉部材14の位置決め凸部75が側壁本体12の位置決め凹部76に挿入されるようになっている。上記のように、本実施形態では、4つのヒンジ部材51が長辺側側壁部11の横幅方向において互いに所定距離を隔てて設けられており、位置決め凸部75、及び、位置決め凹部76は、その両側方にヒンジ部材51が2つずつ配置されるように、複数のヒンジ部材51の間の位置に設けられている。また、位置決め凸部75は、扉外面構成部18のみで構成され、位置決め凹部76は、側壁外面構成部16のみで構成されている。
【0054】
図10、
図13に示すように、側壁本体12は、開口部13の両側縁部から開口部13の内周側に突出する規制構成部78を備えている。規制構成部78は、開口部13の側縁部のうち側壁本体12の内面側の縁部から突出し、側壁本体12の高さ方向に延在する略矩形板状の規制板部79と、規制板部79の外面に連結された略L字状の規制突部80とを備えている。さらに、側壁本体12の開口部13の両側縁部には、それぞれ開口部13の外周側に凹む係止凹部81が設けられている。
【0055】
図15に示すように、扉部材14の内面側の両側部には、扉部材14の閉状態において、側壁本体12の規制構成部78と当接して係止される被規制構成部83が設けられている。被規制構成部83は、扉部材14の内面側の肉厚が省略される格好で薄肉化された被規制板部84と、被規制板部84の内面から突出する略逆L字状の被規制突部85とを備えている。
【0056】
扉部材14の閉状態においては、扉部材14の被規制構成部83の内面側が、側壁本体12の規制構成部78に略当接することとなり、これにより、扉部材14のボックスパレット1の内方側への変位が規制される。また、扉部材14の両側部(被規制構成部83の側部)が、側壁本体12の開口部13の側縁部に略当接するとともに、側壁本体12の規制構成部78の規制突部80と、扉部材14の被規制構成部83の被規制突部85とが係止状態とされ、これにより、扉部材14の長辺側側壁部11の横幅方向への変位が規制される。
【0057】
さらに、
図14、
図17に示すように、扉部材14の両側部近傍部位には、閉状態にある扉部材14の回動変位を規制するロック位置と、閉状態にある扉部材14のボックスパレット1の外方側への回動変位を許容するロック解除位置との間を変位する一対の扉ロック部材86が装着されている。各扉ロック部材86は、扉部材14の外面側から操作可能、かつ、左右にスライド変位可能に構成され、扉ロック部材86が側方に変位させられることで、扉ロック部材86が扉部材14の側部から突出するロック位置とされるようになっている。扉部材14を閉状態としてから、扉ロック部材86をロック位置とさせることにより、扉ロック部材86の突出方向先端部側が、側壁本体12の係止凹部81に挿入され、係止される(ロック状態とされる)。これにより、扉部材14のボックスパレット1の外方側への変位が規制される。尚、閉状態にある扉部材14を開状態とする場合には、ロック位置にある扉ロック部材86を扉部材14の横幅方向中央部側に変位させ、扉ロック部材86の全体が扉部材14の内側に収まるロック解除位置としてから、扉部材14を外方側に回動変位させる。
【0058】
加えて、
図14、
図17等に示すように、扉部材14の両側部の上端部には、扉部材14の厚み方向に貫通し、扉部材14の側方に開口する切欠き部87が設けられている。切欠き部87の下縁部は、略水平方向に延在している(
図23参照)。また、
図15、
図17等に示すように、切欠き部87の周縁部は、扉内面構成部17と、扉外面構成部18とにより構成されている。
【0059】
これに対し、
図6、
図10、
図13等に示すように、側壁本体12の開口部13の両側縁部(規制構成部78)の上端部には、扉部材14が閉状態とされた場合に、扉部材14の切欠き部87に相対的に挿入される規制部88が設けられている。規制部88の下面は、略水平方向に延在している。ボックスパレット1の組立状態(長辺側側壁部11が起立姿勢とされた状態)、かつ、扉部材14の閉状態では、扉部材14の切欠き部87の下縁部が、側壁本体12の規制部88の下面と上下に対向して、当接、又は、近接するようになっている。特に、かかる状態から扉部材14に対して上方に向かう力が加えられた場合には、扉部材14の切欠き部87の下縁部が、側壁本体12の規制部88の下面に当接し、側壁本体12に対する扉部材14の上方への相対変位が規制されるようになっている。本実施形態では、扉部材14の切欠き部87(の周縁部)、及び、規制部88により規制手段が構成される。
【0060】
図23、
図24に示すように、側壁本体12には、側壁内面構成部15と、側壁外面構成部16との間において、略水平方向に延在する側壁補強部材90を装着可能な側壁本体側補強部材装着空間91が設けられている。側壁本体側補強部材装着空間91は、開口部13の下縁部に沿って(長辺側側壁部11の高さ方向において当該長辺側側壁部11の下辺部よりも開口部13の下縁部に近い位置に設けられ)、長辺側側壁部11の横幅方向において開口部13の両側縁部よりも側方にまで延設されている。側壁本体側補強部材装着空間91に装着された側壁補強部材90は、側壁本体12の一側部側の上方に開口部13が形成されていない範囲から、側壁本体12の他側部側の上方に開口部13が形成されていない範囲にまで延在している。
【0061】
さらに、
図23、
図25に示すように、扉部材14には、扉内面構成部17と、扉外面構成部18との間において、略水平方向に延在する扉補強部材92を装着可能な扉部材側補強部材装着空間93が設けられている。扉部材側補強部材装着空間93は、一対の扉ロック部材86の間に配置されている。扉部材側補強部材装着空間93に装着された扉補強部材92は、一方の扉ロック部材86の近傍から他方の扉ロック部材86の近傍にまで延在している。尚、本実施形態の側壁補強部材90、及び、扉補強部材92は、鉄製の角パイプにより構成されている。
【0062】
また、
図24、
図25に示すように、側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93において、側壁内面構成部15、及び、扉内面構成部17と、側壁外面構成部16、及び、扉外面構成部18との溶着部位(リブ同士を溶着している)には、側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93の外方側に凹む空間溝部94が設けられている。つまり、側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93のそれぞれの上縁部、及び、下縁部には、側壁内面構成部15、及び、扉内面構成部17と、側壁外面構成部16、及び、扉外面構成部18との溶着部位が生じることとなるが、空間溝部94を設けることによって、当該溶着部位を、側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93のそれぞれの上縁部、及び、下縁部(側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93を画定する一般面)よりも側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93の外方側に位置させるようになっている。
【0063】
以上詳述したように、本実施形態によれば、長辺側側壁部11の側壁本体12は、側壁内面構成部15と、側壁外面構成部16とを溶着することにより構成されているが、ヒンジ部材51と連結される側壁本体側ヒンジ部材支持部62に関しては、側壁外面構成部16のみで構成されている。さらに、扉側ヒンジ部材支持部66は、扉内面構成部17と、扉外面構成部18とを溶着することにより構成されているが、ヒンジ部材51と連結される扉側ヒンジ部材支持部66に関しては、扉外面構成部18のみで構成されている。このため、例えば、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66をそれぞれ内面構成部15、17と、外面構成部16、18とを溶着することで構成する場合のように、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66において、溶着に起因する余剰樹脂(溶着バリ)や段差等が発生してしまうといった事態を回避することができる。従って、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66と、ヒンジ部材51とを連結した状態において、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66と、ヒンジ部材51との間の相対的な回動変位、ひいては、扉部材14の回動変位を比較的スムースなものとすることができる。結果として、不良品の発生を抑止しつつ、扉部材14の開閉作業性の向上等を図ることができる。
【0064】
また、例えば、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66において、溶着バリ等を収容するための溝部を形成するといった必要もなく、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66に溝部を設けることに起因して、当該側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66の強度低下等を招くといった事態を回避することができる。さらに、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66をそれぞれ内面構成部15、17と、外面構成部16、18とを溶着することで構成する場合に比べ、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66の形状上の精度を高めることができ、ヒンジ部材51、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66の寸法をよりシビアな設定として、ガタツキ等を抑止することができる。従って、ヒンジ部材51、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66の耐久性の向上等を図りつつ、扉部材14の回動変位をよりスムースなものとすることができる。
【0065】
また、側壁本体側連結部61が設けられた側壁本体12の開口部13の下縁部には、側壁内面構成部15と、側壁外面構成部16との溶着部位において、開口部13の外周側(下方)に凹む溝部70が設けられている。このため、当該溶着部位において発生する溶着バリを溝部70に収める(開口部13の下縁部よりも下方に位置させる)ことができる。従って、開口部13の下縁部の溶着バリが扉部材14の回動動作を阻害するといった事態を回避することができる。結果として、扉部材14の回動変位をスムースなものとするといった作用効果がより確実に奏される。加えて、溝部70における溶着処理は、内側突部71及び外側突部72の先端部で行えば済むため、例えば、比較的広い範囲となる平坦面同士を溶着処理する場合に比べ、溶着作業性の向上等が図られる。
【0066】
さらに、扉部材14は、扉部材14が閉状態にある場合に、側壁本体側連結部61をボックスパレット1の内方側から覆う覆い部73を備えている。このため、扉部材14が閉状態とされたボックスパレット1に収容された物品が側壁本体側連結部61に引っ掛かる等して損傷するといった事態を抑止することができる。また、扉部材14が閉状態にある場合には、ボックスパレット1の内外方向において覆い部73と、側壁本体側連結部61とが重なり合う(互いに近接する)格好となる。このため、当該覆い部73、及び、側壁本体側連結部61に対してボックスパレット1の内方からの負荷やボックスパレット1の外方からの負荷が加えられた場合に互いに支持し合うことができ、覆い部73、及び、側壁本体側連結部61等の変形等を抑止することができる。さらに、覆い部73におけるボックスパレット1の内方側については扉内面構成部17により構成されているため、覆い部73のうちボックスパレット1の内方側の面において溶着バリが発生し、ボックスパレット1に収容された物品が当該溶着バリに引っ掛かる等して損傷するといった事態を防止することができる。
【0067】
加えて、覆い部73は、扉内面構成部17と、扉外面構成部18とを互いに連結した2層構造とされている。このため、覆い部73の強度を高めることができ、耐久性の向上等を図ることができる。さらに、覆い部73の変形が抑制されることから、ボックスパレット1に収容された物品からの圧力により覆い部73が変形し、ひいては、ヒンジ部材51と、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66との連結状態に悪影響を及ぼしてしまうといった事態を防止することができる。
【0068】
また、扉部材14を閉状態とすることで、側壁本体12の開口部13の下縁部の溝部70が、開口部13の内周側から覆い部73により覆われるようになっている。このため、ボックスパレット1に収容された物品が側壁本体12の開口部13の下縁部の溝部70に引っ掛かる等して損傷するといった事態を防止することができる。さらに、側壁本体12の内面と、閉状態にある扉部材14の内面とが略面一とされることから、例えば、側壁本体12の内面と、閉状態にある扉部材14の内面との間に段差が形成され、当該段差に対してボックスパレット1に収容された物品が引っ掛かる等して損傷するといった事態を防止することができる。
【0069】
加えて、扉部材14には、当該扉部材14の下辺部から下方に突出する位置決め凸部75が設けられ、側壁本体12の側壁本体側連結部61には、扉部材14が閉状態とされた場合に位置決め凸部75が挿入される位置決め凹部76が設けられている。位置決め凸部75は、扉部材14のうち横幅方向中央部に設けられており、例えば、位置決め凸部75が扉部材14のうち横幅方向の両端部に設けられる場合に比べ、扉部材14の成形に際し、扉部材14の横幅方向における寸法誤差(設計上の位置からのずれ)を比較的小さくすることができる。位置決め凹部76についても、側壁本体12の横幅方向中央部に設けられており、側壁本体12の成形に際し、側壁本体12の横幅方向における寸法誤差を比較的小さくすることができる。
【0070】
ここで、長辺側側壁部11の横幅方向において互いに所定距離を隔てて4箇所に設けられる側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66等に関するクリアランスを考慮すると、扉部材14を閉状態とする際に扉部材14を側壁本体12の開口部13にスムースに収める(側壁本体12の外面のうち開口部13の側縁部と隣接する部位との接触を回避する)べく、扉部材14の横幅と側壁本体12の開口部13の横幅との間にも、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66等に関するクリアランス量に応じたクリアランスを設定することが考えられる。しかしながら、扉部材14が比較的大型の場合には、閉状態にある扉部材14の両側部と、側壁本体12の開口部13の側縁部との間に小さくない隙間が形成されてしまい、長辺側側壁部11の内面側に関しては、ボックスパレット1に収容された物品が当該隙間に挟まる等の事態を招くことが懸念される。
【0071】
これに対し、長辺側側壁部11の横幅方向における寸法誤差が少なくなる位置である横幅方向中央部に位置決め凸部75、及び、位置決め凹部76を設け、開状態にある扉部材14を閉状態とする際に、位置決め凸部75が位置決め凹部76に挿入されるように構成することで、位置決め凸部75と、位置決め凹部76とにより、長辺側側壁部11の横幅方向における扉部材14と、側壁本体12との間の位置決めをより正確に行うことができる。従って、扉部材14の横幅と側壁本体12の開口部13の横幅との間のクリアランスは、位置決め凸部75、及び、位置決め凹部76のクリアランス量に応じて設定することができる。結果として、閉状態にある扉部材14の両側部と、側壁本体12の開口部13の側縁部との間の隙間を極力なくすことができ、扉部材14を閉状態としたボックスパレット1に対して物品をより好適に収容することができる。さらに、位置決め凸部75は、扉外面構成部18のみで構成され、位置決め凹部76は、側壁外面構成部16のみで構成された側壁本体側連結部61において形成されている。このため、位置決め凸部75と、位置決め凹部76とにより、長辺側側壁部11の横幅方向における扉部材14と、側壁本体12との間の位置決めをより正確に行うといった作用効果をより顕著なものとすることができる。
【0072】
また、扉部材14が閉状態にある場合に、位置決め凸部75、及び、位置決め凹部76は、複数のヒンジ部材51の間に位置し、長辺側側壁部11の横幅方向において、ヒンジ部材51と配置がずれている。このため、例えば、位置決め凸部75及び位置決め凹部76と、ヒンジ部材51とを、ボックスパレット1の内外方向において並ぶようにして設ける(長辺側側壁部11の横幅方向において同じ位置に設ける)場合に比べ、長辺側側壁部11の厚みを薄くすることができる。特に、長辺側側壁部11(側壁本体12、及び、扉部材14)は、内面構成部15、17と、外面構成部16、18とを互いに溶着させることにより構成されていることから、同程度の強度を有する溶着処理のない長辺側側壁部とする場合に比べて、その厚みを薄く構成することができる。従って、ボックスパレット1の所定外寸に対する収容量を増やすことができる。
【0073】
さらに、位置決め凹部76を側壁本体12の厚み方向に貫通するように設けることで、扉部材14の開閉作業の際には、位置決め凸部75が位置決め凹部76への挿入動作の途中で引っ掛かり難く、かつ、挿入状態における位置決め凸部75と位置決め凹部76との係り量(長辺側側壁部11の横幅方向において互いに対向する面積)を比較的大きくすることができ、位置決め精度の向上を図ることができる。
【0074】
また、ボックスパレット1の組立状態、かつ、扉部材14の閉状態において、側壁ロック部材37のロック状態を解除して、扉部材14に対し手を掛けて上方に向かう力を加えることで、長辺側側壁部11を持ち上げて底壁構成部2から上方に引き抜こうとした場合には、扉部材14の切欠き部87の下縁部が、側壁本体12の規制部88の下面に当接し、側壁本体12に対する扉部材14の上方への相対変位が規制されるようになっている。このため、起立姿勢にある長辺側側壁部11を底壁構成部2から上方に引き抜く際に、ヒンジ部材51、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66(並びに、扉ロック部材86)への負荷を軽減しつつ、扉部材14を掴んで長辺側側壁部11を上方に持ち上げることができる。従って、長辺側側壁部11を底壁構成部2から上方に引き抜く際の利便性の向上、及び、扉部材14の配置や大きさ等の設計の自由度の確保の両方を充足しつつ、ヒンジ部材51、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66の耐久性の向上等を図ることができる。
【0075】
また、側壁本体12には、側壁内面構成部15と、側壁外面構成部16との間において、略水平方向に延在する側壁補強部材90を装着可能な側壁本体側補強部材装着空間91が設けられている。側壁本体側補強部材装着空間91は、開口部13の下縁部に沿って延設され、側壁本体側補強部材装着空間91に装着された側壁補強部材90は、長辺側側壁部11の横幅方向において開口部13の両側縁部よりも側方にまで延在している。このため、側壁本体12の変形等を抑止することができ、例えば、側壁本体12の開口部13の下縁部の変形に起因して、側壁本体側ヒンジ部材支持部62が変位・変形してしまい(側壁本体12の厚み方向において4つある側壁本体側ヒンジ部材支持部62の位置がずれてしまう等して)、扉部材14の回動変位が困難になるといった事態を回避することができる。
【0076】
さらに、扉部材14には、扉内面構成部17と、扉外面構成部18との間において、略水平方向に延在する扉補強部材92を装着可能な扉部材側補強部材装着空間93が設けられている。扉部材側補強部材装着空間93は、一対の扉ロック部材86の間に延設され、扉部材側補強部材装着空間93に装着された扉補強部材92は、一方の扉ロック部材86の近傍位置から他方の扉ロック部材86の近傍位置にまで延在している。このため、扉部材14の変形等を抑止することができ、例えば、扉部材14の変形に起因して、扉部材14を閉状態としたり、扉ロック部材86をロック位置としたりすることが困難になるといった事態を回避することができる。
【0077】
加えて、側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93において、内面構成部15、17と、外面構成部16、18との溶着部位には、側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93の外方側に凹む空間溝部94が設けられている。このため、側壁本体側補強部材装着空間91、及び、扉部材側補強部材装着空間93において、内面構成部15、17と、外面構成部16、18との溶着部位に発生する溶着バリを空間溝部94に収めることができる。これにより、溶着バリによって補強部材90、92の姿勢が傾いてしまったり、溶着バリが補強部材90、92との接触により破損し、側壁本体12や扉部材14を変位させる場合に、破損した溶着バリが側壁本体12や扉部材14の内部で転動することに起因して異音が発生したりすることを防止することができる。
【0078】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0079】
(a)上記実施形態では、長辺側側壁部11が底壁構成部2に対して着脱自在に構成され、短辺側側壁部31が底壁構成部2に対して回動変位可能に連結され、組立状態と、折畳み状態とに状態変化可能なボックスパレット1に具体化されているが、扉部材を具備する扉付側壁部が内面構成部と外面構成部とを溶着することにより構成される容器に適用可能である。例えば、各短辺側側壁部を姿勢変化させる場合には、短辺側側壁部を底壁構成部から一旦取外し、姿勢を変えてから、底壁構成部に取付けるように構成してもよい。また、長辺側側壁部を底壁構成部に対して取外すことなく回動変位可能(容器を折畳状態とすることが可能)に構成してもよい。さらに、上記実施形態のボックスパレット1は、折畳み状態としてユニット毎にまとめられるように構成されているが、例えば、組立状態と、各パーツ(底壁構成部、及び、側壁部)に分解した状態(例えば、パーツ毎に保管する)とに状態変化可能な組立式の容器に具体化することも可能である。加えて、上記実施形態では、折畳み状態のボックスパレット1を組立状態とする際に、一対の短辺側側壁部31を起立姿勢とした状態としてから、長辺側側壁部11を底壁構成部2に取付ける構成とされているが、一対の長辺側側壁部を起立姿勢として底壁構成部に取付けてから一対の短辺側側壁部を回動させて起立姿勢とすることで組立状態となるように構成してもよい。
【0080】
(b)上記実施形態では、底壁構成部2の底壁部3がパレット状に構成されたボックスパレット1に具体化されているが、例えば、フォーク差込み部9のない底壁構成部を備える容器に適用してもよい。さらに、パレット状の底壁部3の形状として、下デッキ部8を省略したような形状や、底壁部3の外周面を構成する2つの側面からフォークを差込み可能な2方差しタイプの形状としてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、ボックスパレット1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。加えて、上記実施形態では、一対の長辺側側壁部11にそれぞれ扉部材14が設けられているが、どちらか一方の長辺側側壁部11にのみ扉部材14を設けることとしてもよいし、長辺側側壁部11に扉部材14を設ける構成に代えて、又は、加えて、一方、又は、両方の短辺側側壁部31に扉部材を設ける構成としてもよい。
【0082】
(c)上記実施形態では、側壁本体12の開口部13は、側壁本体12(長辺側側壁部11)の厚み方向に貫通し、上方に開口するように設けられている(開口部13の周縁部が略U字状になっている)が、例えば、上下左右が側壁本体で囲まれるようにして開口部を設ける(開口部の周縁部が略ロ字状になっている)こととしてもよい。その場合、側壁本体の開口部の上縁部に対して、ヒンジ部材51を介して、扉部材14をボックスパレットの外方側に回動変位可能に連結するように構成してもよい。また、例えば、側壁本体12の開口部13の側縁部に対して、ヒンジ部材51を介して、扉部材14をボックスパレットの外方側に回動変位可能に連結することとしてもよい。尚、扉ロック部材86及び補強部材90、92等については、扉部材14が開口部13の周縁部のいずれに連結されるかに応じて適宜配置されるものとする。
【0083】
(d)上記実施形態では、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66が、外面構成部16、18のみで構成されているが、内面構成部15、17のみで構成することとしてもよい。当該構成を採用する場合においても、側壁本体側ヒンジ部材支持部62、及び、扉側ヒンジ部材支持部66において溶着バリが発生することを回避することができ、扉部材14の開閉操作を比較的スムースなものとすることができる。
【0084】
(e)上記実施形態では、側壁本体12の開口部13の下縁部に溝部70が設けられているが、当該溝部70を省略することとしてもよい。尚、上記実施形態では、側壁本体側連結部61(側壁本体側ヒンジ部材支持部62)が側壁外面構成部16のみで構成されており、開口部13の下縁部においては、側壁内面構成部15と、側壁外面構成部16との溶着部位は、側壁本体側ヒンジ部材支持部62よりもボックスパレット1の内方側に位置している。このため、溝部70が省略され、開口部13の下縁部に溶着バリが発生したとしても、当該溶着バリがヒンジ部材51の回動変位を阻害するといった事態が抑制される。但し、扉部材14の閉状態において、覆い部73を側壁本体12の開口部13の下縁部に極力近接させて、扉部材14の内面と、側壁本体12の内面との間の隙間を極力少なくするべく、開口部13の下縁部における溶着部位に溝部70を設けることが望ましい。
【0085】
(f)さらに、上記実施形態では、覆い部73の全体が、扉内面構成部17と、扉外面構成部18とにより構成されているが、扉内面構成部17、及び、扉外面構成部18のうち一方のみで構成することとしてもよい。但し、覆い部73は、扉部材14の閉状態において側壁本体側ヒンジ部材支持部62をボックスパレット1の内方側から覆う構成であり、ボックスパレット1に収容された物品への影響を鑑みると、扉部材14の内面に溶着部位を形成することなく、扉部材14の内面を極力平坦面とすることが望ましいことから、覆い部73は、少なくとも扉内面構成部17により構成されていることが望ましく、さらに、耐久性の向上等の観点から、覆い部73の少なくとも一部は、扉内面構成部17と、扉外面構成部18とにより構成されること(2層構造とすること)が望ましい。加えて、上記実施形態では、閉状態にある扉部材14の覆い部73により側壁本体側連結部61の全体がボックスパレット1の内方側から覆われるように構成されているが、側壁本体側連結部61の少なくとも一部が覆われるように構成されていれば、ボックスパレット1に収容された物品と、側壁本体側連結部61との接触を抑制するといった作用効果が奏される。但し、当該覆い部73により、側壁本体側ヒンジ部材支持部62(及び、位置決め凹部76)が覆われることが望ましく、側壁本体側連結部61の全体が覆われることがより望ましい。
【0086】
(g)上記実施形態において、閉状態にある扉部材14の側壁本体12に対する上方への相対変位を規制する構成の詳細は特に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、扉ロック部材86の構成についても特に限定されるものではなく、例えば、扉ロック部材86を側壁本体12のうち開口部13の両側方位置に配置することとしてもよい。さらに、上記実施形態では、側壁本体12、及び、扉部材14にそれぞれ補強部材90、92が設けられているが、どちらか一方にのみ設けることとしてもよいし、両方の補強部材90、92を省略することとしてもよい。加えて、上記実施形態の補強部材90、92は、鉄の角パイプとされているが、補強部材90、92の形状や素材は適宜変更可能であり、側壁本体12、及び、扉部材14の強度、及び、剛性が高められるようになっていればよい。
【符号の説明】
【0087】
1…ボックスパレット、2…底壁構成部、11…長辺側側壁部、12…側壁本体、13…開口部、14…扉部材、15…側壁内面構成部、16…側壁外面構成部、17…扉内面構成部、18…扉外面構成部、31…短辺側側壁部、51…ヒンジ部材、53…側壁対応軸部、54…扉対応軸部、61…側壁本体側連結部、62…側壁本体側ヒンジ部材支持部、66…扉側ヒンジ部材支持部、70…溝部、71…内側突部、72…外側突部、73…覆い部、75…位置決め凸部、76…位置決め凹部、86…扉ロック部材、87…切欠き部、88…規制部、90…側壁補強部材、91…側壁本体側補強部材装着空間、92…扉補強部材、93…扉部材側補強部材装着空間、94…空間溝部。