(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114098
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/18 20060101AFI20220729BHJP
E04H 6/14 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
E04H6/18 601A
E04H6/14 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010233
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】西村 賢貴
(57)【要約】
【課題】特定の時間帯に一部の利用者が待合室で長時間待たされることを回避し得る機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置を提供する。
【解決手段】機械式駐車装置には、利用者が操作盤から出庫予約を直接行う操作盤予約と、利用者が端末から日時を指定して出庫予約を行う日時指定予約とが設定され、近隣の既設の機械式駐車装置のデータから出庫が集中する特定の時間帯を割り出す調査工程と、調査工程で割り出された特定の時間帯に基づき、新設される機械式駐車装置における特定の時間帯に対する日時指定予約を予約不可として、操作盤予約のみとする制限工程とが行われる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が操作盤から出庫予約を直接行う操作盤予約と、利用者が端末から日時を指定して出庫予約を行う日時指定予約とが設定された機械式駐車装置の出庫制限方法であって、
近隣の既設の機械式駐車装置のデータから出庫が集中する特定の時間帯を割り出す調査工程と、
該調査工程で割り出された特定の時間帯に基づき、新設される機械式駐車装置における特定の時間帯に対する日時指定予約を予約不可として、操作盤予約のみとする制限工程と
が行われる機械式駐車装置の出庫制限方法。
【請求項2】
利用者が操作盤から出庫予約を直接行う操作盤予約と、利用者が端末から日時を指定して出庫予約を行う日時指定予約とが設定された機械式駐車装置の出庫制限装置であって、
近隣の既設の機械式駐車装置のデータから出庫が集中する特定の時間帯を割り出し、該特定の時間帯に基づき、新設される機械式駐車装置における特定の時間帯に対する日時指定予約を予約不可として、操作盤予約のみとする制御器を備えた機械式駐車装置の出庫制限装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、機械式駐車装置は、地上に建設された建屋内部や、地下に形成された空間内部に多数の車両を立体的に格納するものであり、エレベータ式、垂直循環式等、様々な方式の機械式駐車装置が採用されている。
【0003】
特に、マンション等の集合住宅に設けられている機械式駐車装置の場合、該機械式駐車装置の操作盤における読取機に利用者が認証カードをかざして出庫予約を直接行う操作盤予約と、スマートフォン等の端末から利用者が日時を指定して出庫予約を行う日時指定予約とが設定されている。
【0004】
前記操作盤予約を行った利用者は、待合室等で自分の車両が機械式駐車装置から出庫されるのを待つ。
【0005】
尚、前記機械式駐車装置の日時指定予約と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、大規模なマンション等の集合住宅の場合、例えば、朝の通勤時間帯のような特定の時間帯において、日時指定予約が続いていると、操作盤予約が入り込む余地がなくなってしまい、一部の利用者が待合室で長時間待たされる可能性があり、改善が望まれていた。
【0008】
又、日時指定予約では、出庫動作実行中の車両の利用者がどこにいるか特定できないため、該利用者が機械式駐車装置の待合室付近に現れなかった場合、他の利用者は、出庫動作が実行された車両の出庫予約が自動取消されるまで数分間待つ必要があった。
【0009】
因みに、特許文献1に記載の機械式駐車装置の場合、予約済みの日時指定予約の前後に予約不可の時間を設けておくことにより、その予約不可の時間帯に操作盤予約を入れることができるようになっている。しかしながら、これはあくまでも一件の予約に対して予約不可間隔を設定するものに過ぎず、特定の時間帯に日時指定予約が連続することが想定される状況では、予約不可間隔を設定した分だけ次の日時指定予約が後ろにずれ込んでしまい、出庫時間が長くなり、効率が悪くなる虞があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、特定の時間帯に一部の利用者が待合室で長時間待たされることを回避し得る機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、利用者が操作盤から出庫予約を直接行う操作盤予約と、利用者が端末から日時を指定して出庫予約を行う日時指定予約とが設定された機械式駐車装置の出庫制限方法であって、
近隣の既設の機械式駐車装置のデータから出庫が集中する特定の時間帯を割り出す調査工程と、
該調査工程で割り出された特定の時間帯に基づき、新設される機械式駐車装置における特定の時間帯に対する日時指定予約を予約不可として、操作盤予約のみとする制限工程と
が行われる機械式駐車装置の出庫制限方法に係るものである。
【0012】
又、本発明は、利用者が操作盤から出庫予約を直接行う操作盤予約と、利用者が端末から日時を指定して出庫予約を行う日時指定予約とが設定された機械式駐車装置の出庫制限装置であって、
近隣の既設の機械式駐車装置のデータから出庫が集中する特定の時間帯を割り出し、該特定の時間帯に基づき、新設される機械式駐車装置における特定の時間帯に対する日時指定予約を予約不可として、操作盤予約のみとする制御器を備えた機械式駐車装置の出庫制限装置に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置によれば、特定の時間帯に一部の利用者が待合室で長時間待たされることを回避し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置の実施例を示すフローチャートである。
【
図2】本発明の機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置の実施例を示す制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1及び
図2は本発明の機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置の実施例である。
【0017】
図2に示す如く、機械式駐車装置100は、制御器200を備え、該制御器200に接続された操作盤300から利用者は出庫予約を直接行うことができ、この出庫予約は、操作盤予約と称される。
【0018】
又、利用者は、スマートフォン等の端末400から日時を指定しクラウドサーバー500を経由する形で出庫予約を行うこともでき、この出庫予約は、日時指定予約と称される。
【0019】
そして、本実施例の場合、
図1に示す如く、調査工程と制限工程とが行われるようになっている。
【0020】
前記調査工程は、近隣の既設の機械式駐車装置(図示せず)のデータから出庫が集中する特定の時間帯を割り出す工程である。
【0021】
前記制限工程は、調査工程で割り出された特定の時間帯に基づき、新設される機械式駐車装置100における特定の時間帯に対する日時指定予約を予約不可として、操作盤予約のみとする工程である。
【0022】
次に、上記実施例の作用を説明する。
【0023】
先ず、
図1に示す調査工程として、近隣の既設の機械式駐車装置(図示せず)のデータから出庫が集中する特定の時間帯が割り出される。この特定の時間帯は、新設される機械式駐車装置100の制御器200に入力される。
【0024】
新設される機械式駐車装置100において、稼働時には、
図1に示す如く、現在が前記調査工程で割り出された特定の時間帯であるか否かの判定が行われ、特定の時間帯である場合、制限工程として、新設される機械式駐車装置100における特定の時間帯に対する日時指定予約が予約不可とされて、操作盤予約のみとされる。
【0025】
これにより、本実施例の場合、例えば、朝の通勤時間帯のような特定の時間帯において、日時指定予約が行われなくなり、操作盤予約のみが可能となるため、一部の利用者が待合室で長時間待たされることがなくなる。
【0026】
又、特定の時間帯における日時指定予約は行われず操作盤予約のみとなることから、出庫動作実行中の車両の利用者は必ず機械式駐車装置の待合室付近におり、出庫予約が利用者不在のために自動取消されるようなことはなく、他の利用者は、出庫動作が実行された車両の出庫が完了するのを待つだけで済む。
【0027】
更に又、本実施例の場合、特許文献1に記載の機械式駐車装置のように、予約済みの日時指定予約の前後に予約不可の時間を設けておくことにより、その予約不可の時間帯に操作盤予約を入れることができるようになっているものとは異なり、一件の予約に対して予約不可間隔を設定するものではないため、予約不可間隔を設定した分だけ次の日時指定予約が後ろにずれ込んでしまうようなことは全くなく、出庫時間が長くならず、効率も良くなる。
【0028】
こうして、特定の時間帯に一部の利用者が待合室で長時間待たされることを回避し得る。
【0029】
尚、本発明の機械式駐車装置の出庫制限方法及び装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
100 機械式駐車装置
200 制御器
300 操作盤
400 端末
500 クラウドサーバー