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特開2022-114199マンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114199
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】マンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/02 20060101AFI20220729BHJP
   B66B 23/24 20060101ALI20220729BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
B66B31/02 A
B66B23/24 A
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010389
(22)【出願日】2021-01-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 桃馬
【テーマコード(参考)】
3F321
4C058
【Fターム(参考)】
3F321AA04
3F321CF06
3F321CF12
3F321HA31
4C058AA29
4C058BB06
4C058KK02
(57)【要約】
【課題】 手摺ベルトを触る手に向けて、紫外線を放射するマンコンベヤの欄干装置を提供する。
【解決手段】 マンコンベヤの欄干装置は、無端回転する環状の手摺ベルトと、手摺ベルトの内側に配置され、紫外線を放射する光源と、を備え、手摺ベルトは、紫外線が内面から外面まで進行する進行部を備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端回転する環状の手摺ベルトと、
前記手摺ベルトの内側に配置され、紫外線を放射する光源と、を備え、
前記手摺ベルトは、前記紫外線が内面から外面まで進行する進行部を備える、マンコンベヤの欄干装置。
【請求項2】
前記進行部は、前記紫外線が内部を通過する孔部を備える、請求項1に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項3】
前記進行部は、前記孔部を外側から覆い且つ前記紫外線を透過する透過部を備える、請求項2に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項4】
前記手摺ベルトの厚み方向において、前記透過部の寸法は、前記孔部の寸法よりも、小さい、請求項3に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項5】
前記手摺ベルトの内面は、前記紫外線が照射される照射領域を備え、
前記手摺ベルトの外面は、前記手摺ベルトの厚み方向視で、前記照射領域と重なる第1領域と、前記手摺ベルトの厚み方向視で、前記照射領域から離れる第2領域と、を備え、
前記進行部は、前記紫外線が前記照射領域から前記第1領域及び前記第2領域まで進行するように、配置される、請求項1~4の何れか1項に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の欄干装置を備える、マンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤの欄干装置は、無端回転する環状の手摺ベルトと、手摺ベルトの外側に配置される光源とを備えている(例えば、特許文献1及び2)。そして、光源が、手摺ベルトの外面に向けて紫外線を放射することによって、例えば、手摺ベルトの表面を殺菌することができる。ところで、近年、例えば、手摺ベルトを触る手を殺菌するために、手摺ベルトを触る手に向けて、紫外線を放射する欄干装置が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-193319号公報
【特許文献2】特開2019-52021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、手摺ベルトを触る手に向けて、紫外線を放射するマンコンベヤの欄干装置及びマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マンコンベヤの欄干装置は、無端回転する環状の手摺ベルトと、前記手摺ベルトの内側に配置され、紫外線を放射する光源と、を備え、前記手摺ベルトは、前記紫外線が内面から外面まで進行する進行部を備える。
【0006】
また、マンコンベヤの欄干装置においては、前記進行部は、前記紫外線が内部を通過する孔部を備える、という構成でもよい。
【0007】
また、マンコンベヤの欄干装置においては、前記進行部は、前記孔部を外側から覆い且つ前記紫外線を透過する透過部を備える、という構成でもよい。
【0008】
また、マンコンベヤの欄干装置においては、前記手摺ベルトの厚み方向において、前記透過部の寸法は、前記孔部の寸法よりも、小さい、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤの欄干装置においては、前記手摺ベルトの内面は、前記紫外線が照射される照射領域を備え、前記手摺ベルトの外面は、前記手摺ベルトの厚み方向視で、前記照射領域と重なる第1領域と、前記手摺ベルトの厚み方向視で、前記照射領域から離れる第2領域と、を備え、前記進行部は、前記紫外線が前記照射領域から前記第1領域及び前記第2領域まで進行するように、配置される、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤは、前記の欄干装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係るマンコンベヤの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係るマンコンベヤの要部概要図である。
図3図3は、図2のIII-III線拡大断面図である。
図4図4は、同実施形態に係る手摺ベルトの断面図である。
図5図5は、図4のV領域拡大図である。
図6図6は、他の実施形態に係る手摺ベルトの要部拡大断面図である。
図7図7は、さらに他の実施形態に係る欄干装置の要部断面図である。
図8図8は、同実施形態に係る手摺ベルトの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、マンコンベヤ及び欄干装置における一実施形態について、図1図5を参照しながら説明する。なお、各図(図6図8も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、躯体に設置される構造体11と、人を搬送する搬送部12と、搬送部12を第1方向D1で挟むように配置される一対の欄干装置2,2(図1においては、一つのみを図示している)とを備えている。また、マンコンベヤ1は、搬送部12及び欄干装置2を駆動させる駆動部13と、装置全体を制御する制御部14とを備えている。
【0014】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する上下方向D3である
【0015】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0016】
搬送部12は、例えば、本実施形態のように、駆動部13に駆動されることによって無端回転する環状の走行部12aと、走行部12aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続され、人が乗る踏面を有する複数のステップ12bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部12aは、例えば、ローラチェーンとすることができる。
【0017】
また、例えば、走行部12aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ12bは、一対の走行部12a,12aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ12bは、それぞれの走行部12aに対して回転可能に接続されている、という構成でもよい。
【0018】
駆動部13は、例えば、本実施形態のように、ステップ12bが反転するように走行部12aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する一対の回転部13a,13aと、回転部13aを回転させる駆動源13bとを備えていてもよい。特に限定されないが、回転部13aは、例えば、スプロケットとすることができ、また、駆動源13bは、例えば、モータとすることができる。
【0019】
図1及び図2に示すように、欄干装置2は、駆動部13に駆動されることによって無端回転する環状の手摺ベルト3を備えている。また、欄干装置2は、例えば、本実施形態のように、手摺ベルト3を支持する支持部4と、支持部4を支持する欄干本体部2aと、下部に配置されるガード部2bとを備えていてもよい。なお、図3に示すように、欄干本体部2aは、例えば、本実施形態のように、板状部材としてもよく、また、例えば、内部空間を有する箱状部材としてもよい。
【0020】
手摺ベルト3は、第1横方向(「手摺ベルト3の幅方向」ともいう)D1の中央部に配置されるベルト本体部3aと、第1横方向D1の端部に配置され、支持部4と係合するベルト係合部3b,3bとを備えていてもよい。また、手摺ベルト3は、内面3cと、外面3dと、内面3cと外面3dとを接続する端面3e,3eとを備えている。
【0021】
支持部4は、例えば、本実施形態のように、開放部4aによって一部が開放される支持本体部4bと、支持本体部4bから第1横方向D1に突出し、手摺ベルト3のベルト係合部3bと係合する支持係合部4c,4cとを備えていてもよい。そして、ベルト係合部3bと支持係合部4cとが係合することによって、例えば、手摺ベルト3が支持部4から外れないように支持部4に取り付けられ、また、例えば、手摺ベルト3が支持部4に案内される。
【0022】
例えば、本実施形態においては、ベルト係合部3bは、手摺ベルト3のうち、手摺ベルト3の厚み方向視で、支持係合部4cと重なっている部分である。図4図8も同様)において、ベルト本体部3aとベルト係合部3bとの境界は、破線で示されている。なお、手摺ベルト3の厚み方向(以下、単に「厚み方向」ともいう)とは、手摺ベルト3の内面3cの法線方向である。
【0023】
また、例えば、手摺ベルト3が露出している領域において、支持部4は、手摺ベルト3の周方向(回転方向)に沿って延びていてもよい。また、支持本体部4bの開放部4aが手摺ベルト3に覆われるように、支持部4は、手摺ベルト3の内側に配置されていてもよい。
【0024】
欄干装置2は、手摺ベルト3の内側に配置される光源2cを備えている。光源2cは、手摺ベルト3へ向けて、殺菌効果を有する紫外線を放射している。特に限定されないが、例えば、手摺ベルト3が露出している領域において、光源2cは、手摺ベルト3の周方向(回転方向)に沿って連続的又は断続的に配置され、そして、支持本体部4bの内部に配置されていてもよい。
【0025】
特に限定されないが、光源2cは、例えば、人の皮膚や目に障害を起こさないとされる波長が200nm~230nmの紫外線を放射する構成が好ましく、また、例えば、中心波長が222nmの紫外線を放射する構成としてもよい。また、特に限定されないが、光源2cは、例えば、LEDとしてもよく、また、例えば、ランプとしてもよい。
【0026】
また、欄干装置2は、例えば、本実施形態のように、光源2cを支持部4に固定する台座2dと、光源2cと支持部4との間に配置され、光源2cから放射された紫外線を有効利用するために紫外線を反射する反射体2e,2eとを備えていてもよい。そして、台座2d及び反射体2e,2eは、それぞれ支持本体部4bの内部に配置されていてもよい。
【0027】
図3及び図4に示すように、手摺ベルト3は、紫外線が内面3cから外面3dまで進行する進行部5,6を備えている。そして、進行部5,6は、紫外線が内部を通過する孔部7と、孔部7を外側から覆い、紫外線を透過する透過部8とを備えている。なお、「通過」は、気体中(例えば、空気中)を進むことをいい、「透過」は、固体中(又は、液体中)を進むことをいい、「進行」は、通過及び透過の両方を含む概念である。
【0028】
これにより、光源2cから放射された紫外線は、孔部7の内部を通過し、透過部8を透過する。即ち、紫外線は、手摺ベルト3の内面3cから外面3dまで、進行部5,6を進行する。したがって、手摺ベルト3を触る手に向けて、紫外線を放射することができるため、例えば、手摺ベルト3を触る手を殺菌することができる。
【0029】
また、紫外線が孔部7の内部を通過するため、紫外線が進行部5,6を進行するときに、紫外線が吸収されて減衰することを抑制することができる。一方で、透過部8が孔部7を外側から覆うため、手摺ベルト3の外面3dにおいて、孔部7を閉じることができる。これにより、例えば、手摺ベルト3の外面3dから孔部7の内部に物等が侵入することを抑制することができる。
【0030】
なお、手摺ベルト3は、例えば、本実施形態のように、内面3cに、紫外線を反射する反射部3fを備えていてもよい。これにより、紫外線が手摺ベルト3の内面3cに吸収されることを抑制することができるため、例えば、光源2cから放射された紫外線を有効利用することができる。例えば、本実施形態のように、反射部3fは、手摺ベルト3の内面3cのうち、紫外線が照射される照射領域3gに、少なくとも配置されていてもよい。なお、反射部3fは、例えば、孔部7の内周面に配置されていてもよい。
【0031】
ところで、紫外線が透過部8を透過するときに、紫外線が透過部8で吸収されて減衰する。そこで、図5に示すように、手摺ベルト3の厚み方向において、透過部8の寸法W2は、孔部7の寸法W1よりも、小さくなっている。これにより、紫外線が透過部8で吸収されて減衰することを抑制することができる。したがって、例えば、透過部8を透過した紫外線の強度を所望の大きさにすることができるため、手摺ベルト3を触る手に、所望の強度の紫外線を照射することができる。
【0032】
手摺ベルト3は、例えば、本実施形態のように、ベース部3hを備えており、透過部8は、ベース部3hの外面に固定されており、反射部3fは、ベース部3hの内面に固定されている、という構成でもよい。これにより、透過部8は、手摺ベルト3の外面3dを構成し、反射部3fは、手摺ベルト3の内面3cを構成している。
【0033】
特に限定されないが、ベース部3hは、例えば、ポリウレタン等の樹脂で形成されており、内部や表面に、補強材(例えば、コード、帆布等)を備えていてもよい。なお、孔部7は、例えば、本実施形態のように、反射部3f及びベース部3hを貫通するように、配置されていてもよい。
【0034】
透過部8の材質は、紫外線を透過する材質であれば、特に限定されない。透過部8は、例えば、セロハン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の紫外線透過性樹脂で形成されたフィルム(例えば、0.01mm~1.0mmの厚み)とすることができる。特に限定されないが、透過部8の紫外線透過率は、10%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、50%以上であることが非常に好ましい。
【0035】
反射部3fの材質は、紫外線を反射する材質であれば、特に限定されない。反射部3fは、例えば、アルミ等の金属で形成されたフィルム(例えば、0.01mm~1.0mmの厚み)とすることができる。特に限定されないが、反射部3fの紫外線反射率は、10%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、50%以上であることが非常に好ましい。
【0036】
図4に戻り、手摺ベルト3の外面3dは、厚み方向視で照射領域3gと重なる第1領域3iと、厚み方向視で照射領域3gから離れる第2領域3jとを備えている。例えば、本実施形態においては、第1領域3iは、手摺ベルト3の外面3dのうち、第1横方向D1の中央部に配置され、第2領域3jは、手摺ベルト3の外面3dのうち、第1横方向D1の端部に配置されている。
【0037】
なお、照射領域3gは、例えば、光源2cから放射された紫外線が直接照射される領域であって、本実施形態においては、支持部4の開放部4aを覆う領域である。具体的には、本実施形態においては、照射領域3gは、ベルト本体部3aの内面であり、第1領域3iは、ベルト本体部3aの外面であり、第2領域3jは、ベルト係合部3bの外面である。
【0038】
そして、例えば、本実施形態のように、第1進行部5は、照射領域3gから第1領域3iまで、厚み方向へ延びており、第2進行部6は、照射領域3gから第2領域3jまで、厚み方向と傾斜する方向へ延びている、という構成でもよい。具体的には、第1進行部5の孔部7は、照射領域3gから第1領域3iへ向けて、厚み方向へ延びており、第2進行部6の孔部7は、照射領域3gから第2領域3jへ向けて、厚み方向と傾斜する方向へ延びている、という構成でもよい。
【0039】
これにより、進行部5,6は、紫外線が照射領域3gから第1領域3i及び第2領域3jまで進行するように、配置されている。したがって、紫外線は、第1進行部5を進行することによって、第1領域3iから放射され、また、紫外線は、第2進行部6を進行することによって、第2領域3jから放射される。その結果、例えば、紫外線が手摺ベルト3の外面3dの広い範囲から放射されるため、手の広い範囲に紫外線を照射することができる。
【0040】
以上より、本実施形態に係るマンコンベヤ1は、前記の欄干装置2を備える。
【0041】
そして、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2は、無端回転する環状の手摺ベルト3と、前記手摺ベルト3の内側に配置され、紫外線を放射する光源2cと、を備え、前記手摺ベルト3は、前記紫外線が内面3cから外面3dまで進行する進行部5,6を備える、という構成が好ましい。
【0042】
斯かる構成によれば、光源2cは、手摺ベルト3の内側に配置され、紫外線を放射する。そして、放射された紫外線は、手摺ベルト3の内面3cから外面3dまで、進行部5,6を進行する。これにより、手摺ベルト3を触る手に向けて、紫外線を放射することができる。
【0043】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2においては、前記進行部5,6は、前記紫外線が内部を通過する孔部7を備える、という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、紫外線が孔部7の内部を通過するため、紫外線が進行部5,6を進行するときに、紫外線が吸収されて減衰することを抑制することができる。これにより、手摺ベルト3を触る手に、所望の強度の紫外線を照射することができる。
【0045】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2においては、前記進行部5,6は、前記孔部7を外側から覆い且つ前記紫外線を透過する透過部8を備える、という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、透過部8が孔部7を外側から覆うため、手摺ベルト3の外面3dにおいて、孔部7を閉じることができる。そして、紫外線が孔部7の内部及び透過部8を進行することによって、手摺ベルト3を触る手に向けて、紫外線を放射することができる。
【0047】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2においては、前記手摺ベルト3の厚み方向において、前記透過部8の寸法W2は、前記孔部7の寸法W1よりも、小さい、という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、透過部8の寸法W2が、孔部7の寸法W1よりも小さいため、紫外線が進行部5,6を進行するときに、紫外線が透過部8で吸収されて減衰することを抑制することができる。これにより、手摺ベルト3を触る手に、所望の強度の紫外線を照射することができる。
【0049】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1の欄干装置2においては、前記手摺ベルト3の内面3cは、前記紫外線が照射される照射領域3gを備え、前記手摺ベルト3の外面3dは、前記手摺ベルト3の厚み方向視で、前記照射領域3gと重なる第1領域3iと、前記手摺ベルト3の厚み方向視で、前記照射領域3gから離れる第2領域3jと、を備え、前記進行部5,6は、前記紫外線が前記照射領域3gから前記第1領域3i及び前記第2領域3jまで進行するように、配置される、という構成が好ましい。
【0050】
斯かる構成によれば、紫外線は、手摺ベルト3の内面3cの照射領域3gから、手摺ベルト3の外面3dの第1領域3i及び第2領域3jまで、進行する。これにより、紫外線が手摺ベルト3の外面3dの広い範囲から放射される。
【0051】
なお、マンコンベヤ1及び欄干装置2は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1及び欄干装置2は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0052】
(1)例えば、欄干装置2においては、図6に示すように、孔部7は、手摺ベルト3の内面3cから外面3dへ向けて、開口(具体的には、開口の断面積)が大きくなる、という構成でもよい。これにより、例えば、手摺ベルト3の外面3dの広い範囲から紫外線を放射することができる。なお、孔部7の開口は、例えば、図6に示すように、手摺ベルト3の外面3d側の部分のみで次第に大きくなっていてもよく、また、例えば、手摺ベルト3の厚み方向の全長に亘って次第に大きくなっていてもよい。
【0053】
(2)また、上記実施形態に係る欄干装置2においては、進行部5,6は、紫外線が照射領域3gから第1領域3i及び第2領域3jまで進行するように、配置されている、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。
【0054】
例えば、全ての進行部5,6は、紫外線が照射領域3gから第2領域3jまで進行するように、配置されており、紫外線は、第2領域3jのみから放射され、第1領域3iから放射されない、という構成でもよい。また、例えば、図7及び図8に示すように、全ての進行部5,6は、紫外線が照射領域3gから第1領域3iまで進行するように、配置されており、紫外線は、第1領域3iのみから放射され、第2領域3jから放射されない、という構成でもよい。
【0055】
(3)また、上記実施形態に係る欄干装置2においては、照射領域3gは、ベルト本体部3aの内面で構成される、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、図7及び図8に示すように、照射領域3gは、ベルト本体部3aの内面とベルト係合部3bの内面とで構成される、という構成でもよい。
【0056】
ここで、図7及び図8に係る欄干装置2について、以下に説明する。
【0057】
図7及び図8に示すように、支持部4の支持係合部4cは、手摺ベルト3へ向けて紫外線が内部を通過する開口部4dを備えている。そして、照射領域3gは、ベルト本体部3aの内面とベルト係合部3bの内面とで構成されている。具体的には、照射領域3gは、光源2cから放射された紫外線が直接照射される領域、即ち、支持部4の開放部4a及び開口部4dを覆う領域である。
【0058】
そして、照射領域3gと厚み方向視で重なる第1領域3iは、ベルト本体部3aの外面とベルト係合部3bの外面の一部とで構成され、厚み方向視で照射領域3gから離れる第2領域3jは、ベルト係合部3bの外面の一部で構成されている。即ち、ベルト本体部3aの外面は、第1領域3iからなり、ベルト係合部3bの外面は、第1領域3i及び第2領域3jを含んでいる。
【0059】
第1進行部5は、ベルト本体部3aの内面から外面まで、厚み方向へ延びており、第2進行部6は、ベルト係合部3bの内面から外面まで、厚み方向へ延びている。具体的には、第1進行部5の孔部7は、ベルト本体部3aの内面から外面へ向けて、厚み方向へ延びており、第2進行部6の孔部7は、ベルト係合部3bの内面から外面へ向けて、厚み方向へ延びている。
【0060】
(4)また、上記実施形態に係る欄干装置2においては、進行部5,6は、孔部7及び透過部8を備えている、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。
【0061】
例えば、進行部5,6は、孔部7のみで形成され、紫外線は、進行部5,6を通過する、という構成でもよい。また、例えば、進行部5,6は、透過部8のみで形成され、紫外線は、進行部5,6を透過する、という構成でもよい。なお、斯かる構成においては、例えば、手摺ベルト3は、紫外線透過性樹脂で形成され、進行部5,6は、手摺ベルト3の全体に亘って配置されている、という構成でもよい。
【0062】
(5)また、上記実施形態に係る欄干装置2においては、手摺ベルト3の厚み方向において、透過部8の寸法W2は、孔部7の寸法W1よりも、小さい、という構成である。しかしながら、欄干装置2は、斯かる構成に限られない。例えば、手摺ベルト3の厚み方向において、透過部8の寸法W2は、孔部7の寸法W1よりも、大きい、という構成でもよく、また、例えば、孔部7の寸法W1と、同じ、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…マンコンベヤ、2…欄干装置、2a…欄干本体部、2b…ガード部、2c…光源、2d…台座、2e…反射体、3…手摺ベルト、3a…ベルト本体部、3b…ベルト係合部、3c…内面、3d…外面、3e…端面、3f…反射部、3g…照射領域、3h…ベース部、3i…第1領域、3j…第2領域、4…支持部、4a…開放部、4b…支持本体部、4c…支持係合部、4d…開口部、5…第1進行部、6…第2進行部、7…孔部、8…透過部、11…構造体、12…搬送部、12a…走行部、12b…ステップ、13…駆動部、13a…回転部、13b…駆動源、14…制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端回転する環状の手摺ベルトと、
前記手摺ベルトを支持する支持部と、
前記手摺ベルトの内側に配置され、紫外線を放射する光源と、を備え、
前記支持部は、開放部によって一部が開放される支持本体部を備え、
前記光源は、前記支持本体部の内部に配置され、
前記手摺ベルトは、前記開放部を覆う内面の領域で且つ前記光源から放射される紫外線が空気中を通過して直接照射される照射領域と、前記紫外線が内面の前記照射領域から外面まで進行する進行部と、を備える、マンコンベヤの欄干装置。
【請求項2】
無端回転する環状の手摺ベルトと、
前記手摺ベルトの内側に配置され、紫外線を放射する光源と、を備え、
前記手摺ベルトは、前記紫外線が内面から外面まで進行する進行部を備える、マンコンベヤの欄干装置であって、
前記進行部は、前記紫外線が内部を通過する孔部を備える、マンコンベヤの欄干装置。
【請求項3】
前記進行部は、前記孔部を外側から覆い且つ前記紫外線を透過する透過部を備える、請求項2に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項4】
前記手摺ベルトの厚み方向において、前記透過部の寸法は、前記孔部の寸法よりも、小さい、請求項3に記載のマンコンベヤの欄干装置。
【請求項5】
無端回転する環状の手摺ベルトと、
前記手摺ベルトの内側に配置され、紫外線を放射する光源と、を備え、
前記手摺ベルトは、前記紫外線が内面から外面まで進行する進行部を備える、マンコンベヤの欄干装置であって、
前記手摺ベルトの内面は、前記紫外線が照射される照射領域を備え、
前記手摺ベルトの外面は、前記手摺ベルトの厚み方向視で、前記照射領域と重なる第1領域と、前記手摺ベルトの厚み方向視で、前記照射領域から離れる第2領域と、を備え、
前記進行部は、前記紫外線が前記照射領域から前記第1領域及び前記第2領域まで進行するように、配置される、マンコンベヤの欄干装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の欄干装置を備える、マンコンベヤ。