(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114307
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】ガスこんろ及びこれに用いられる五徳
(51)【国際特許分類】
F24C 15/10 20060101AFI20220729BHJP
F24C 3/02 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
F24C15/10 F
F24C3/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010557
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 浩二
(57)【要約】
【課題】五徳とトッププレートとの間で、部材同士の接触音の発生を抑制することができるガスこんろ及びこれに用いられる五徳を提供する。
【解決手段】ガスこんろ1は、複数のバーナ22と、トッププレート3と、複数のバーナ22のうちの少なくとも二つのバーナ22をひとまとめにして覆う五徳4と、を備える。五徳4は、調理器具が載置される載置部53,63と、載置部53,63を支えるフレーム部51,61と、トッププレート3の上面に載る接地部56,64と、を有する。接地部56,64が緩衝部材で構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバーナと、
前記複数のバーナの各々が通される複数のバーナ挿通孔を有するトッププレートと、
前記複数のバーナのうちの少なくとも二つのバーナをひとまとめにして覆うように構成されており、前記トッププレートに対して取り付けられた五徳と、
を備え、
前記五徳は、
調理器具が載置される載置部と、
前記載置部を支えるフレーム部と、
前記フレーム部に設けられて、前記トッププレートの上面に載る接地部と、
を有し、
前記接地部が緩衝部材で構成されている、
ガスこんろ。
【請求項2】
前記フレーム部は、
前記トッププレートの上面に対向する枠部と、
前記枠部と前記載置部とをつなぐ連結部と、
を有し、
前記接地部は、前記枠部に沿って間隔をおいて複数設けられており、
前記連結部は、隣り合う前記接地部の間で前記枠部に接続されており、
前記隣り合う接地部の間には、前記枠部のたわみを抑制するための規制部が形成され、
前記規制部の下面は、前記接地部の下面と前記枠部の下面との間に位置している、
請求項1記載のガスこんろ。
【請求項3】
前記トッププレートは、前記複数のバーナ挿通孔の各々の周囲に形成されて当該バーナ挿通孔への液体の浸入を妨げる複数の外周部を有し、
前記五徳は、前記フレーム部に設けられ、前記複数の外周部のうちの少なくとも一つに対して位置決めされた位置決め部を有する、
請求項1又は請求項2記載のガスこんろ。
【請求項4】
前記外周部には、凹部が形成されており、
前記位置決め部は、前記凹部に差し込まれる先端部である、
請求項3に記載のガスこんろ。
【請求項5】
前記五徳は、分割可能な複数の分割体で構成されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載のガスこんろ。
【請求項6】
前記五徳は、前記複数の分割体として、
前記トッププレートの前後方向の中央よりも前側にあるバーナを覆う前側分割体と、
前記トッププレートの前後方向の中央よりも後側にあるバーナを覆う後側分割体と、
を有し、
前記前側分割体の前記バーナの中央に対応する部分が、前記前側分割体の前後方向の中央に対して前後方向のいずれかにずれている、
請求項5記載のガスこんろ。
【請求項7】
前記前側分割体は、前記前側分割体の前記バーナの中央に対応する部分が、前記前側分割体の前後方向の中央よりも後側に位置するように構成されている、
請求項6記載のガスこんろ。
【請求項8】
複数のバーナの各々が通される複数のバーナ挿通孔を有するトッププレートに取り付けられ、前記複数のバーナのうちの少なくとも二つのバーナをひとまとめにして覆うように構成された五徳であって、
調理器具が載置される載置部と、
前記載置部を支えるフレーム部と、
前記フレーム部に設けられて、前記トッププレートの上面に載る接地部と、
を有し、
前記接地部が緩衝部材で構成されている、
五徳。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスこんろ及びこれに用いられる五徳に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来のガスこんろが記載されている。特許文献1記載のガスこんろ(特許文献1では「ガス調理器」)は、金属製のトッププレートと、金属製の五徳と、を備える。トッププレートの外周部には、堤部が形成されている。堤部は、トッププレートの中央部分から鉛直方向に起立している。
【0003】
五徳は、トッププレートの全面を覆う全面五徳である。五徳は、堤部に対して位置決めするための脚片を有する。脚片は鉤形に形成されており、堤部に対して係合されて位置決めがなされる。これによって、五徳は、トッププレートに対して位置決めした状態で設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載のガスこんろでは、金属製のトッププレートに対して、直接的に金属製の五徳が載る。このため、五徳を設置したり、五徳上に調理器具を載せたりする際、部材同士が接触して、部材同士の接触音が発生しやすいという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、五徳とトッププレートとの間で、部材同士の接触音の発生を抑制することができるガスこんろ及びこれに用いられる五徳を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様のガスこんろは、複数のバーナと、前記複数のバーナの各々が通される複数のバーナ挿通孔を有するトッププレートと、前記複数のバーナのうちの少なくとも二つのバーナをひとまとめにして覆うように構成されており、前記トッププレートに対して取り付けられた五徳と、を備える。前記五徳は、調理器具が載置される載置部と、前記載置部を支えるフレーム部と、前記フレーム部に設けられて、前記トッププレートの上面に載る接地部と、を有する。前記接地部が緩衝部材で構成されている。
【0008】
また、本発明に係るガスこんろは、上記態様において、前記フレーム部は、前記トッププレートの上面に対向する枠部と、前記枠部と前記載置部とをつなぐ連結部と、を有し、前記接地部は、前記枠部に沿って間隔をおいて複数設けられており、前記連結部は、隣り合う前記接地部の間で前記枠部に接続されており、前記隣り合う接地部の間には、前記枠部のたわみを抑制するための規制部が形成され、前記規制部の下面は、前記接地部の下面と前記枠部の下面との間に位置していることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るガスこんろは、上記態様において、前記トッププレートは、前記複数のバーナ挿通孔の各々の周囲に形成されて当該バーナ挿通孔への液体の浸入を妨げる複数の外周部を有し、前記五徳は、前記フレーム部に設けられ、前記複数の外周部のうちの少なくとも一つに対して位置決めされた位置決め部を有することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係るガスこんろは、上記態様において、前記外周部には、凹部が形成されており、前記位置決め部は、前記凹部に差し込まれる先端部であることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るガスこんろは、上記態様において、前記五徳は、分割可能な複数の分割体で構成されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係るガスこんろは、上記態様において、前記五徳は、前記複数の分割体として、前記トッププレートの前後方向の中央よりも前側にあるバーナを覆う前側分割体と、前記トッププレートの前後方向の中央よりも後側にあるバーナを覆う後側分割体と、
を有し、前記前側分割体の前記バーナの中央に対応する部分が、前記前側分割体の前後方向の中央に対して前後方向のいずれかにずれていることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係るガスこんろは、上記態様において、前記前側分割体は、前記前側分割体の前記バーナの中央に対応する部分が、前記前側分割体の前後方向の中央よりも後側に位置するように構成されていることが好ましい。
【0014】
本発明に係る一態様の五徳は、複数のバーナの各々が通される複数のバーナ挿通孔を有するトッププレートに取り付けられ、前記複数のバーナのうちの少なくとも二つのバーナをひとまとめにして覆うように構成された五徳である。調理器具が載置される載置部と、前記載置部を支えるフレーム部と、前記フレーム部に設けられて、前記トッププレートの上面に載る接地部と、を有する。前記接地部が緩衝部材で構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る上記態様のガスこんろ及びこれに用いられる五徳は、五徳とトッププレートとの間で、部材同士の接触音の発生を抑制することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るガスこんろの斜視図である。
【
図2】
図2は、同上のガスこんろにおけるバーナ周辺の拡大斜視図である。
【
図3】
図3(A)は、同上のガスこんろにおける前側分割体の設置状態を示す、左右方向に直交する面における断面図である。
図3(B)は、
図3(A)におけるX1-X1線断面図である。
【
図5】
図5(A)は、同上のガスこんろにおいて、前側分割体を正しい位置に設置した状態の平面図である。
図5(B)は、前側分割体を前後反対向きの位置に設置した状態の平面図である。
【
図6】
図6は、接地部の高さ位置と、枠部及び規制面の高さ位置との関係を説明するための説明図である。
【
図7】
図7は、同上のガスこんろの本体に対して個別五徳を設置した状態の平面図である。
【
図10】
図10は、変形例1において規制部が設けられた位置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
以下、本実施形態に係るガスこんろ1について、詳細に説明する。
【0018】
(1)全体
ガスこんろ1は、ガスを燃料とするこんろである。本実施形態に係るガスこんろ1は、キッチンカウンタのワークトップに形成された開口に、機器本体2が落とし込まれるビルトインこんろであるが、本発明では、設置面(例えば、テーブル、こんろ台等)に載せて使用されるテーブルこんろであってもよい。
【0019】
ガスこんろ1は、本実施形態では、グリル付きのガスこんろである。グリル付きのガスこんろによれば、グリル庫内に収容した調理物をグリル調理することができる。ただし、本発明に係るガスこんろ1では、グリル機能を有さなくてもよい。ガスこんろ1としては、グリル機能に代えて、例えば、レンジ機能、オーブン機能、炊飯機能をもつマルチグリルを有していてもよいし、レンジ、オーブン又は炊飯器のいずれかを有していてもよい。
【0020】
以下では、説明の便宜上、ガスこんろ1の使用態様に基づいて、方向を定義する。すなわち、ガスこんろ1に対しユーザが正対して調理する使用態様を想定し、
図1に示すように、「左右方向」を定義する。また、ガスこんろ1からユーザに向かい、かつ水平面に沿う方向を「前方向」とし、その反対方向を「後方向」とし、前方向及び後方向に平行な2方向を「前後方向」として定義する。また、設置面(ワークトップの上面)に直交する方向を「上下方向」として定義する。ただし、これらの方向の定義は、本発明に係るガスこんろ1の使用態様を限定する趣旨ではない。
【0021】
ガスこんろ1は、
図1に示すように、複数(ここでは三つ)のバーナ22を有する機器本体2と、トッププレート3と、五徳4と、を備える。
【0022】
(2)機器本体
機器本体2は、ガスこんろ1の主体を構成する。機器本体2は、筐体21と、複数の機器22,23と、を備える。本実施形態に係るガスこんろ1は、複数の機器22,23として、複数のバーナ22と、グリル装置23と、を有する。
【0023】
(2.1)筐体
筐体21は、機器本体2において、機器が収まる箱である。筐体21は、直方体状に形成されており、上面に開口面(不図示)を有している。筐体21の前面には、
図1に示すように、グリル扉231を通すための開口211、各機器の点火/消火及び火力調節を行う操作器24を通すための開口212が形成されている。
【0024】
(2.2)バーナ
バーナ22は、五徳4に載った調理器具(不図示)を加熱する。バーナ22は、ガスを含む気体の供給を受け、予混合燃焼を行うブンゼンバーナである。複数のバーナ22は、筐体21内において、互いに離れて配置されている。機器本体2は、複数のバーナ22として、トッププレート3の前後方向の中央よりも前側に位置する二つのバーナ22と、当該中央よりも後側に位置する一のバーナ22と、を有する。ただし、機器本体2は、複数のバーナ22として、トッププレート3の前後方向の中央よりも後側に位置するバーナ22を左右方向に離れた二つのバーナ22としてもよい(つまり、機器本体2は、四つのバーナ22を有してもよい)。
【0025】
ここで、本明細書でいう「調理器具」とは、調理の際に使用する道具である。調理器具としては、例えば、鍋、土鍋、フライパン、やかん等の調理容器のほか、焼き網、加熱プレート、たこ焼プレート、ホットサンドプレート、ワッフルメーカ等が挙げられる。
【0026】
バーナ22は、
図2に示すように、バーナ本体221と、バーナキャップ222と、点火プラグ224と、温度センサ225と、を備える。バーナ本体221は、バーナ22の主体を構成する。バーナ本体221には、都市ガスやLPガス等の燃料ガスの供給源に通じるガス供給路(不図示)が接続されている。バーナ本体221の上端面は開口している。ガス供給路から供給された燃料ガスは、バーナ本体221の内部で空気と混合され、上端面の開口に向かって流れる。バーナ本体221の上端面には、開口を塞ぐようにして、バーナキャップ222が取り付けられている。
【0027】
バーナキャップ222は、バーナ本体221の上端面に載る部品であり、当該上端面との間で複数の炎口226を形成する。バーナキャップ222の中央部には孔部223が形成されている。バーナキャップ222の孔部223には、温度センサ225が通されている。
【0028】
温度センサ225は、五徳4に載った調理器具の温度を測定し、調理器具内の調理物の温度を検出するために用いられる。温度センサ225は、上方から見て(平面視という場合がある)バーナ22の中央に位置している。本明細書でいう「バーナ22の中央」とは、トッププレート3の上面よりも上方に突出している部分の平面視における中央を意味し、本実施形態では、バーナキャップ222の孔部223の中心を意味する。したがって、温度センサ225は、バーナキャップ222の平面視中央に位置している。
【0029】
温度センサ225の上端部は、バーナキャップ222の上端面から上方向に突出している。温度センサ225は、バーナキャップ222に対して、上下方向に移動し得るように設置されており、かつ弾性的に変位する。したがって、五徳4に調理器具が載ると、温度センサ225の上端面が調理器具に接触した状態で下降し、このとき、調理器具に対して弾性的に接触する。温度センサ225の上端面が調理器具に接触した結果、温度センサ225が生成した電気信号を制御器(不図示)によって処理することで、調理器具の温度を測定することができる。その結果、調理器具に収容された調理物の温度を検出することができる。
【0030】
(2.3)グリル装置
グリル装置23は、グリル庫(不図示)に収容された調理物に対し、グリル調理を行うことができる装置である。グリル装置23は、前面に開口面を有するグリル庫(不図示)と、グリル庫の開口面を開閉可能に閉じるグリル扉231と、を備える。グリル扉231は、グリル庫に対して前後方向に沿って平行移動可能に、支持機構(不図示)を介して取り付けられている。
【0031】
(3)トッププレート
トッププレート3は、ガスこんろ1の最上部の板である。トッププレート3は、
図1に示すように、略矩形板状に形成されている。トッププレート3は、調理部31と、排気部32と、外周縁部33と、を備える。本実施形態に係るトッププレート3は、調理部31、排気部32及び外周縁部33が一体に形成された金属板によって構成されている。金属板としては、例えば、アルミニウム、ホーロー、フッ素コーティングされた鋼板等が挙げられる。ただし、本発明では、トッププレート3は、金属板に限らず、例えば、ガラスで構成されてもよい。
【0032】
(3.1)調理部
調理部31は、調理を行うための領域であって、液体(例えば、煮こぼれ、吹きこぼれ等)を受けることができる領域である。調理部31には、五徳4が取り付けられ、当該五徳4に調理器具が載る。調理部31は、
図2に示すように、排気部32及び外周縁部33よりも下方に位置した平面状の受け部311と、受け部311に形成された複数のバーナ挿通孔312と、各バーナ挿通孔312の周囲に形成された複数の外周部313と、を備える。バーナ挿通孔312は、トッププレート3を貫通しており、バーナ22の上端部が通される。
【0033】
外周部313は、バーナ挿通孔312の周囲に形成されて、バーナ挿通孔312への液体の浸入を妨げる。外周部313は、受け部311から隆起しており、受け部311で受けた液体がバーナ挿通孔312へ向かうのを堰き止めることができる。外周部313は、受け部311に対して、一体に形成されてもよいし、バーナリング等の別部材を取り付けることで形成されてもよい。本実施形態では、外周部313は、受け部311に対して絞り加工を施すことで一体に形成されている。
【0034】
なお、本実施形態では、上述の通り、外周部313が受け部311に対して一体に形成されており、外周部313に付着した液体等を拭き取りやすい構造であるため、バーナ挿通孔312が露出しているが、外周部313がバーナリングで構成される場合等には、バーナ挿通孔312がカバーによって覆われてもよい。
【0035】
トッププレート3は、
図1に示すように、機器本体2の筐体21の上端に載るようにして、筐体21に取り付けられる。トッププレート3が機器本体2に取り付けられると、バーナ22の上端部は、バーナ挿通孔312に通され、外周部313の上面よりも上方に突出する。
【0036】
外周部313は、上述した液体を堰き止める機能のほか、五徳4の位置決め部52,62を保持することで、トッププレート3に対する五徳4の取付け位置を位置決めする機能も有している。外周部313による五徳4の位置決めは、外周部313の側面(受け部311から起立した面)との接触によって実現されてもよいが、本実施形態では、外周部313に形成された凹部314(
図2)に対して、五徳4の位置決め部52,62が差し込まれることによって実現されている。
【0037】
凹部314は、
図2に示すように、外周部313の前端と後端との二箇所に形成されている。前端の凹部314は、前方向及び上方向に開口している。後端の凹部314は、後方向及び上方向に開口している。したがって、トッププレート3に五徳4を取り付ける際、凹部314に対して、上から下に五徳4の位置決め部52,62が差し込まれると、
図3に示すように、凹部314に位置決め部52(62)が入り込む。
【0038】
(3.2)排気部
排気部32は、グリル庫内の排気を出す排気口が形成された平板状の部分である。排気部32は、
図1に示すように、調理部31の後方に配置されている。排気口には、排気口カバー321が取外し可能に取り付けられている。
【0039】
(3.3)外周縁部
外周縁部33は、調理部31の外周を囲み、調理部31の外縁から立ち上がる部分である。外周縁部33は、
図3(A)に示すように、起立部331と、頂部332と、を有している。起立部331は、受け部311の外縁(つまり調理部31の外縁)から立ち上がっている。起立部331は、受け部311の縁から外側にいくに従って上方向にいくように、受け部311に対して傾斜している。頂部332は、起立部331の上端から水平面に沿って突出している。頂部332の外側の端部は、左右方向の外側の外周縁部33及び前側の外周縁部33については、トッププレート3の側端部34につながり、後側の外周縁部33については、排気部32(
図1)につながっている。
【0040】
(4)五徳
五徳4は、トッププレート3に対して取外し可能に取り付けられ、バーナ22上において調理器具を支持する。五徳4は、複数のバーナ22のうちの少なくとも二つのバーナ22をひとまとめにして覆うように構成されており、ここでは、三つのバーナ22をひとまとめにして覆う。五徳4は、本実施形態では、調理部31の全面を覆う全面五徳で構成されている。
【0041】
五徳4は、金属により構成されている。五徳4を構成する金属としては、例えば、ホーロー、ステンレス等が挙げられる。
【0042】
五徳4は、
図4に示すように、分割可能な複数(ここでは二つ)の分割体5,6で構成されている。分割体5,6の各々は、左右方向に長手方向を有する平面視略長方形状に形成されている。以下では、トッププレート3の前後方向の中央よりも前側にあるバーナ22を覆う分割体を「前側分割体5」とし、トッププレート3の前後方向の中央よりも後側にあるバーナ22を覆う分割体を「後側分割体6」と定義する。
【0043】
(4.1)前側分割体
前側分割体5は、前後方向に並ぶバーナ22のうちの前側にあるバーナ22を覆う分割された五徳4である。したがって、本実施形態に係る前側分割体5は、
図1に示すように、前側にある左右一対のバーナ22の両方をひとまとめにして覆う。
【0044】
ここで、
図5(A)に示すように、前側分割体5において、バーナ22の中央C1に対応する位置は、前側分割体5の前後方向の中央C2に対して前後方向のいずれかにずれている。具体的に本実施形態では、前側分割体5におけるバーナ22の中央C1に対応する位置は、前側分割体5の前後方向の中央C2よりも後側に位置している。
【0045】
このため、本実施形態に係るガスこんろ1では、複数のバーナ22のうちの前側にあるバーナ22を、ユーザから離すために、トッププレート3の前端から一定寸法以上を確保した場合でも、バーナ22よりも前側の領域を、調理器具を載置する領域として使用することができる。バーナ22をユーザからできる限り遠ざけることにより、調理器具から吹きこぼれが生じた場合に、液体がユーザにまで到達するのを防ぐことができるし、バーナ22の炎や熱による影響を抑制することができる。
【0046】
ここで、
図5(A)には、前側分割体5が正しい向きで配置された状態の平面図を示し、
図5(B)には、前側分割体5が前後反対の向きで設置された状態の平面図を示す。このように、前側分割体5において、バーナ22の中央C1に対応する位置が、前側分割体5の前後方向の中央C2に対して前後方向のいずれかにずれていると、バーナ22の直上に調理器具を配置した際、五徳4の他の位置に、他の調理器具を載せやすい利点がある。
【0047】
そして、仮に前側分割体5を前後反対向きで設置した場合(これを「誤設置」という場合がある)には、
図5(B)に示すように、前側分割体5の一部が後側分割体6の設置領域に入り込むため、ユーザは、後側分割体6を設置することができず、前側分割体5の誤設置を確実に知ることができる。
【0048】
前側分割体5は、
図4に示すように、フレーム部51と、複数の位置決め部52と、複数の載置部53と、複数の接地部56と、を備える。
【0049】
(4.1.1)フレーム部
フレーム部51は、位置決め部52と複数の載置部53とをつなぐ骨格となる部分である。フレーム部51は、枠部511と、枠部511と載置部53とをつなぐ連結部(第一連結部512)と、枠部511と位置決め部52とをつなぐ連結部(第二連結部513)と、を備える。
【0050】
枠部511は、平面視略矩形枠状に形成されている。枠部511は、複数のバーナ22のうちの前側にある左右一対のバーナ22を囲む。枠部511の下面は、トッププレート3の調理部31の上面に対向する。前側分割体5がトッププレート3に取り付けられると、枠部511の前側の辺が、トッププレート3の外周縁部33のうちの前側の外周縁部33に沿い、枠部511の左右方向の両辺が、トッププレート3の外周縁部33のうちの左右側の外周縁部33に沿い、枠部511の後側の辺が、調理部31の前後方向の中央に沿う。
【0051】
枠部511の断面形状は、特に制限はないが、例えば、縦長矩形状、円形状、隅丸矩形状、平板状、パイプ状等が挙げられる。ここでは、隅丸矩形状(横4mm、縦10mm)に形成されている。
【0052】
第一連結部512は、枠部511から立ち上がり、複数の載置部53を支持する。各第一連結部512は、板状に形成されており、枠部511に対して、溶接によって固定されている。なお、枠部511と第一連結部512との固定は、溶接に限らず、例えば、嵌め込み、削り出し、ねじ止め等により実現されてもよい。
【0053】
第二連結部513は、位置決め部52と枠部511とをつなぐことで、外周部313に対して位置決めされる位置決め部52によって、枠部511を正しい位置に位置させることができる。第二連結部513は、枠部511から外周部313に向かって延出し、枠部511に対して位置決め部52を固定する。
【0054】
(4.1.2)位置決め部
位置決め部52は、トッププレート3の外周部313に対して位置決めされる部分である。位置決め部52は、
図3に示すように、外周部313の凹部314に差し込まれる先端部で構成されている。前側分割体5は、一のバーナ22に対して二つの位置決め部52を有している。当該二つの位置決め部52は、バーナ22の中央を通る直線上に位置しており、互いに向き合っている。ここでは、前側の凹部314に差し込まれる位置決め部52を「第一位置決め部521」とし、後側の凹部314に差し込まれる位置決め部52を「第二位置決め部522」とする。第一位置決め部521が前側の凹部314に差し込まれ、第二位置決め部522が後側の凹部314に差し込まれると、五徳4は、前後方向と左右方向とのいずれにも位置決めされる。
【0055】
また、各位置決め部52は、
図3(B)に示すように、下端に近付くに従って厚みが小さくなるようなテーパ形状に形成されている。本実施形態では、位置決め部52のうちの下端部のみがテーパ形状に形成されているが、例えば、上下方向の中央から下端に向かってテーパ形状に形成されてもよいし、上端から下端に向かってテーパ形状に形成されてもよい。位置決め部52は、テーパ形状に形成されていることにより、凹部314に対してスムーズに差し込むことができる。
【0056】
(4.1.3)載置部
載置部53は、調理器具が載置される部分である。複数の載置部53の上端面は、同一平面上に位置している。載置部53は、
図4に示すように、バーナ22の中央から放射状に配置された複数の爪部54と、爪部54以外の載置部53をなす補助部55と、を備える。
【0057】
爪部54は、
図3(A)に示すように、バーナ22中央側の先端に行くに従って上下方向の幅寸法が小さくなるように先細り形状に形成されている。補助部55は、
図4に示すように、前後方向に延びる複数の縦材551と、左右方向に延びる複数の横材552との組み合わせで構成されている。複数の縦材551と複数の横材552とで、例えば格子状に形成されている。
【0058】
(4.1.4)接地部
複数の接地部56は、五徳4において、トッププレート3の上面(より詳しくは、受け部311)に載る部分である。接地部56は、緩衝部材で構成されている。緩衝部材は、五徳4がトッププレート3に接触する際に、部材同士の接触音の発生を抑制する。緩衝部材としては、フレーム部51を構成する金属よりも柔らかい材質で構成されることが好ましく、例えば、エラストマ、軟質合成樹脂、硬質合成樹脂、樹脂発泡体、木、布等が挙げられる。
【0059】
接地部56は、フレーム部51に設けられている。複数の接地部56は、枠部511に沿って間隔をおいて取り付けられている。本実施形態に係る複数の接地部56は、枠部511に取り付けられている。接地部56と枠部511との取付けは、例えば、接着、嵌め込み、溶着、溶接、二色成形、ねじ止め、ピン止め、リベット止め、スナップフィット構造、巻付け等により実現される。
【0060】
五徳4は、調理器具が五徳4に載っていない状態において、接地部56が受け部311に載り、接地部56を除く下端面とトッププレート3の上面との間に隙間が形成される。このため、五徳4をトッププレート3に設置したり、調理器具を五徳上に載せたりする際に、五徳4とトッププレート3が接触することで生じる部材同士の接触音の発生が抑制される。
【0061】
ここで、載置部53を支える第一連結部512は、枠部511において隣り合う接地部56同士の間の部分に接続されている。このため、載置部53(例えば、爪部54)に調理器具が載ると、その荷重が第一連結部512を介して枠部511に加わり、枠部511における接地部56同士の間の部分がたわみ得る。枠部511がたわむと、載置部53がバーナ22に近付くため、燃焼性能に影響を与える。
【0062】
したがって、本実施形態に係る五徳4では、
図6に示すように、接地部56の下面と、枠部511の下面との間に位置する規制面571が形成されている。なお、
図6は、接地部56の断面と、枠部511及び規制面571の断面と、の高さ関係を説明するために、両者の高さ位置を比較した説明図である。
【0063】
図6に示すように、規制面571と接地部56の下面との間の寸法L2は、枠部511の下面と接地部56の下面との間の寸法L1よりも小さい。したがって、規制面571が接地部56の下面と枠部511の下面との間に位置していることにより、仮に、枠部511における接地部56同士の間の部分がたわんでも、規制面571がトッププレート3に接触して、それ以上、枠部511がたわむのを防ぐことができる。このため、五徳4の設置や調理器具を五徳4に載せた際、部材同士の接触音が発生するのを抑えながらも、枠部511における接地部56同士の間の部分がたわむのを最小限に抑えることができる。
【0064】
規制面571は、
図6に示すように、第一連結部512の下端及び第二連結部513の下端から下方向に突出した規制部57の下面で構成されている。規制部57は、第一連結部512及び第二連結部513に設けられることで、隣り合う接地部56の間に位置することができる。なお、
図6では、爪部54を支える第一連結部512及び第二連結部513に対して、規制部57が設けられていることを示しているが、規制部57は、補助部55を支える第一連結部512の下端にも設けられている。
【0065】
なお、規制部57は、第一連結部512及び/又は第二連結部513に限らず、例えば、枠部511に設けられてもよい。また、規制面571は、平面状に形成されているが、形状には特に制限はなく、例えば、円弧状、球面状、線状、点状等であってもよい。
【0066】
規制面571が複数箇所に設けられていることで、例えば、ユーザが、何らかの理由で接地部56を取り外し、紛失してしまっても、五徳4は、複数の規制面571で接地することができる。このため、枠部511で接地する場合に比べて、調理器具とバーナ22との距離に変化が少なく、燃焼性能に与える影響を少なくすることができる。
【0067】
(4.2)後側分割体
後側分割体6は、前後方向に並ぶバーナ22のうちの後側にあるバーナ22を覆う分割された五徳4である。後側分割体6は、バーナ22に対応する部分が、左右方向の中央に形成されている点で前側分割体5と異なるが、フレーム部61、複数の位置決め部62、複数の載置部63、複数の接地部64及び規制部65を備える点では同じである。そのため、以下では、重複する説明は省略する。
【0068】
後側分割体6は、複数の位置決め部62を有しており、後側にあるバーナ22の外周部313に対して位置決めされる。ただし、後側分割体6の位置決め部62はなくてもよい。位置決め部62がない場合、後側分割体6は、枠部の前端を、前側分割体5の枠部511の後端に対して接触させて位置決めすることができる。
【0069】
(5)効果
このように、本実施形態では、複数のバーナ22のうちの少なくとも二つのバーナ22をひとまとめにして覆う五徳4は、トッププレート3の上面に対して載る接地部56,64を有し、接地部56,64が緩衝部材で構成されている。このため、五徳4をトッププレート3に設置したり、五徳4に調理器具を載せたりする際に、五徳4とトッププレート3が接触して、部材同士の接触音が発生することを抑えることができる。
【0070】
また、隣り合う接地部56の間に、接地部56の下面と枠部511の下面との間に位置する規制面571を有する規制部が形成されているため、枠部511における接地部56同士の間の部分がたわむのを最小限に抑えることができる。
【0071】
また、本実施形態に係るガスこんろ1では、五徳4が、複数の外周部313のうちの少なくとも一つに対して位置決めされる位置決め部52(62)を有する。
【0072】
このため、五徳4を外周部313に対して位置決めすることができ、トッププレートの外周部のデザインの自由度を向上させることができる。また、五徳4がバーナ22に近い外周部313に対して位置決めされるため、五徳4とバーナ22との位置関係を精度よく保つことができ、五徳4の設置状態が燃焼性能に影響を与えにくい。
【0073】
また、本実施形態に係るガスこんろ1では、外周部313に対して位置決めされる五徳4(全面五徳)を用いるため、
図7に示すような、各バーナ22に対して設置される五徳4(「個別五徳7」という場合がある)を用いることもできる。したがって、共通のトッププレート3を利用して、ユーザの好みに応じた五徳4を有するガスこんろ1を製造することができるため、製造性が高く、在庫管理が容易である。
【0074】
個別五徳7は、外周部313を囲むリング状の五徳枠71と、五徳枠71に対して固定され、かつ放射状に配置された複数の五徳爪72と、前後の五徳爪72に設けられた一対の位置決め部73と、を備える。一対の位置決め部は、外周部313の凹部314に差し込まれ、これによって個別五徳7は外周部313に対して位置決めされる。
【0075】
また、本実施形態に係るガスこんろ1では、五徳4が複数の分割体で構成されているため、手入れの際に扱いやすくすることができる。
【0076】
また、本実施形態に係るガスこんろ1では、前側分割体5のバーナ22の中央C1に対応する部分が、前側分割体5の前後方向の中央C2に対して前後方向のいずれかにずれているため、バーナ22によって加熱する位置に調理器具を配置しながらも、五徳4上の他の位置に、他の調理器具を載せやすい。
【0077】
特に、前側分割体5は、前側分割体5のバーナ22の中央C1に対応する部分が、前側分割体5の前後方向の中央C2よりも後側に位置するように構成されているため、誤設置の際、前側分割体5の後端部が後側分割体6の設置領域に入り込む。したがって、後側分割体6を設置することができず、ユーザは、確実に前側分割体5の誤設置を知ることができる。
【0078】
また、五徳4がもつ位置決め部52(62)は、凹部314に差し込まれる先端部であるため、位置決め部52(62)と外周部313との接触部分をできる限り小さくすることができ、部材同士の接触音の発生を、できる限り抑えることができる。
【0079】
また、位置決め部52(62)を構成する先端部の下端部は、下端に近付くに従って厚み寸法が小さくなるようなテーパ形状に形成されているため、位置決め部52(62)を凹部314に対してスムーズに差し込むことができる。
【0080】
<変形例>
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態に係る変形例を説明する。
【0081】
(1)変形例1
上記実施形態に係る五徳4は、接地部56,64が枠部511に取り付けられたが、変形例1に係る接地部56,64は、
図8に示すように、載置部53を支持する第一連結部512に取り付けられている。
【0082】
変形例1に係る接地部56,64は、
図9に示すように、第一連結部512の下端に沿う足部561と、足部561に一体に形成された係止部562と、を備える。第一連結部512の下端には、係止部562が入り込む溝514が形成されている。なお、五徳4は、上記実施形態と同様、規制面571を有する。規制面571は、隣り合う接地部56,64の間に位置する第一連結部512(
図10において符号Aで示す)の下端に設けられた規制部57の下端面で構成されている。
【0083】
このように、接地部56,64は、枠部511だけでなく、第一連結部512に設けられてもよい。また、特に図示しないが、接地部56,64は、第二連結部513に設けられてもよい。
【0084】
(2)その他の変形例
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0085】
上記実施形態に係るガスこんろ1では、トッププレート3の前後方向の中央に対して、前側と後側とに別れた複数のバーナ22を備えたが、本発明では、複数のバーナ22は、トッププレート3の前後方向の中央に対して、前側と後側とに別れていなくてもよい。例えば、トッププレート3の前後方向の中央に沿って、左右方向に二つ以上のバーナ22が配置されてもよい。
【0086】
上記実施形態に係るトッププレート3は、調理部31、排気部32及び外周縁部33が一体に形成された金属板によって構成されたが、本発明では、調理部31をガラスで構成し、外周縁部33及び排気部32を金属で構成してもよく、材質には特に制限はない。
【0087】
上記実施形態に係るガスこんろ1では、位置決め部52,62は先端部によって構成されており、外周部313の凹部314に差し込まれることで、五徳4の外周部313に対する位置決めを実現したが、本発明では、位置決め部52,62は、外周部313の周囲を囲むリング状の枠材で構成されてもよい。
【0088】
上記実施形態に係る前側分割体5は、前後方向に離れた第一位置決め部521と第二位置決め部522とを備えたが、第一位置決め部521と第二位置決め部522とのいずれか一つのみであってもよい。この場合、外周部313は、一の凹部314のみを備えた構造であってもよい。また、前側分割体5は、複数の位置決め部として、三つ以上の位置決め部を備えてもよい。
【0089】
上記実施形態に係る前側分割体5は、第一位置決め部521と第二位置決め部522とが、一のバーナ22に対して、前後方向に離れて位置していたが、例えば、左右方向に離れていてもよい。また、第一位置決め部521と第二位置決め部522とは、バーナ22の中心を通る一直線上に位置したが、例えば、第一位置決め部521とバーナ22の中心とを結ぶ直線と、第二位置決め部522とバーナ22の中心とを結ぶ直線とのなす角が90°となる位置に、第一位置決め部521と第二位置決め部522とを位置させてもよい。
【0090】
上記実施形態に係る五徳4は、調理部31の全面を覆う全面五徳で構成されたが、本発明では、後側分割体6を後側のバーナ22の周囲のみに対応させ、トッププレート3の前後方向の中央よりも後側で、かつ後側のバーナ22の左右方向の両側の領域については覆わない五徳で構成されてもよい。また、五徳4としては、前側分割体5と、個別五徳7との組み合わせで構成されてもよい。
【0091】
上記実施形態に係る五徳4は、前後方向に分割する分割体で構成されたが、例えば、左右方向に分割する分割体で構成されてもよい。この場合、各分割体は、例えば、前後方向に長手方向を有するような平面視略長方形状に形成される。
【0092】
上記実施形態に係るトッププレート3は、調理部31から立ち上がった外周縁部33を有していたが、外周縁部33は調理部31から立ち上がっていなくてもよい。調理部31がガラス板で構成される場合、外周縁部33はガラス板の端面を保護する枠材で構成されてもよく、この場合、枠材の上端はガラス板の端面の上端と同じ高さに形成されてもよい。
【0093】
上記実施形態に係る五徳4は、接地部56,64が枠部511の周方向において部分的に設けられたが、例えば、枠部511の周方向の全長にわたって設けられてもよい。
【0094】
上記実施形態に係る前側分割体5は、二つのバーナを覆うように構成されたが、前側分割体5が左右方向に分割可能に構成されてもよい。
【0095】
上記実施形態に係る前側分割体5は、バーナ22の中央C1に対応する位置が、前側分割体5の前後方向の中央C2よりも後側に位置したが、バーナ22の中央C1に対応する位置が、前側分割体5の前後方向の中央C2よりも前側に位置してもよい。この場合、前側のバーナ22の直上に調理器具を配置した際、当該調理器具の後側に他の調理器具を載せやすい利点がある。この場合において、前側分割体5を誤設置しても、前側分割体5の後端と後側分割体6との間に隙間が生じるため、ユーザは、五徳4の誤設置を容易に知ることができる。
【0096】
本実施形態に係るガスこんろ1では、位置決め部52は、前側分割体5と後側分割体6の両方に形成されているが、本発明では、複数の分割体のうちの少なくとも一方に形成されていればよい。また、一の分割体において、複数のバーナ22を覆う場合、位置決め部52は、少なくとも一つのバーナ22に対応する外周部313に対して位置決めされればよい。
【0097】
本明細書にて、「略平行」、又は「略直交」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0098】
また、本明細書において「端部」及び「端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「端」は物体の末の部分を意味するが、「端部」は「端」を含む一定の範囲を持つ域を意味する。端を含む一定の範囲内にある点であれば、いずれも、「端部」であるとする。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
【符号の説明】
【0099】
1 ガスこんろ
22 バーナ
3 トッププレート
312 バーナ挿通孔
313 外周部
314 凹部
4 五徳
5 前側分割体
51 フレーム部
511 枠部
512 第一連結部(連結部)
52 位置決め部
53 載置部
56 接地部
57 規制部
571 規制面
6 後側分割体
61 フレーム部
62 位置決め部
63 載置部
64 接地部