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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114377
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
G01F3/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021010680
(22)【出願日】2021-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000150109
【氏名又は名称】株式会社竹中製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167276
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】高鍬 光臣
(72)【発明者】
【氏名】熊田 彩花
(72)【発明者】
【氏名】中村 真悟
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 多佳子
(72)【発明者】
【氏名】濱島 孝史
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CA03
2F030CC13
2F030CE02
2F030CE07
2F030CE13
2F030CE22
2F030CF05
2F030CF11
(57)【要約】
【課題】ガスメータの本体部内での電池の振動を抑制できる技術を提供する。
【解決手段】ガスメータは、ガス配管に接続され、ガスが流入するガス流路を内部に有する本体部と、前記本体部内に配置され、電池を内部に収容する電池収容部と、前記本体部内に配置され、前記本体部に伝わる振動を検出する振動検出部と、前記本体部内に配置され、前記ガス流路を流れる前記ガスの量を測定する機能と、前記振動検出部の検出結果を用いて地震の発生を検知する機能と、を有する回路を含む基板と、前記電池収容部に設けられ、前記電池に対して互いに直交する三方向から弾性力を付与して前記電池を支持する電池支持部と、を備える。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメータであって、
ガス配管に接続され、ガスが流入するガス流路を内部に有する本体部と、
前記本体部内に配置され、電池を内部に収容する電池収容部と、
前記本体部内に配置され、前記本体部に伝わる振動を検出する振動検出部と、
前記本体部内に配置され、前記ガス流路を流れる前記ガスの量を測定する機能と、前記振動検出部の検出結果を用いて地震の発生を検知する機能と、を有する回路を含む基板と、
前記電池収容部に設けられ、前記電池に対して互いに直交する三方向から弾性力を付与して前記電池を支持する電池支持部と、
を備える、ガスメータ。
【請求項2】
請求項1記載のガスメータであって、
前記電池支持部は、前記電池に対して、第1方向から前記弾性力を付与する第1弾性部と、前記第1方向に直交する第2方向から前記弾性力を付与する第2弾性部と、前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向から前記弾性力を付与する第3弾性部と、を含む、ガスメータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のガスメータであって、さらに、
前記基板の一方の面を覆うように配置されるカバー板部を有し、前記基板を保持した状態で前記本体部内に固定される基板ホルダーを備え、
前記電池収容部は、前記カバー板部と一体的に形成されている、ガスメータ。
【請求項4】
請求項3記載のガスメータであって、
前記電池支持部は、前記基板ホルダーに連結されている基端部を有し、前記基端部から前記電池収容部における前記電池の配置領域に延び出ている板バネによって構成されている、ガスメータ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガスメータであって、
前記振動検出部は、加速度を検出して振動を検出する感震センサによって構成されている、ガスメータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、ガスメータに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスメータには、地震の発生に対応するために、振動の発生を検知する振動検出部として機能するセンサを備えるものがある。例えば、下記の特許文献1には、加速度センサを振動検出部として用いて地震の発生を検知するガスメータが開示されている。また、ガスメータでは、一般に、搭載されている電子部品の電力源となる電池がガスメータの本体部内部に収容されている。例えば、下記の特許文献2には、U字状のガス流路に囲まれた空間に電池が配置される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-190844号公報
【特許文献2】特開2004-101302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような振動検出部を有するガスメータでは、地震が発生していなくとも、例えば近くを走る電車などの外部の振動源からの振動によって、振動検出部が駆動し、振動検出部によって電力が消費される場合がある。そうした外部の振動が本体部内の電池に伝わり、電池が振動すると、外部からの振動に電池の振動が加わることにより、振動検出部に伝わる振動が大きくなり、振動検出部によって消費される電力が増大してしまう可能性がある。また、本体部内での電池の振動の発生によって、ガスメータが地震の発生を誤検知してしまう可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の技術の一形態は、ガスメータとして提供される。この形態のガスメータは、ガス配管に接続され、ガスが流入するガス流路を内部に有する本体部と、前記本体部内に配置され、電池を内部に収容する電池収容部と、前記本体部内に配置され、前記本体部に伝わる振動を検出する振動検出部と、前記本体部内に配置され、前記ガス流路を流れる前記ガスの量を測定する機能と前記振動検出部の検出結果を用いて地震の発生を検知する機能とを有する回路を含む基板と、前記電池収容部に設けられ、前記電池に対して互いに直交する三方向から弾性力を付与して前記電池を支持する電池支持部と、を備える。
この形態のガスメータによれば、電池収容部に収容されている電池が、電池支持部から付与される三方向の弾性力によって支持され、電池収容部内での電池の移動が抑制されるため、本体部の外部から伝わる振動により、電池が振動することを抑制できる。よって、電池収容部内での電池の振動によって振動検出部が駆動し、振動検出部の消費電力が増大することを抑制できる。また、電池収容部内での電池の振動によってガスメータが地震の発生を誤検知することを抑制できる。さらに、この形態のガスメータによれば、電池支持部は、電池収容部に電池が収容される際に弾性変形する。そのため、電池の寸法が、予め定められた規定の寸法と異なる場合でも、その寸法差を電池支持部の弾性変形によって吸収することができる。よって、既定の寸法より大きい電池の電池収容部内への配置が電池支持部によって阻害されることを抑制できる。また、既定の寸法より小さい電池が電池収容部に収容されたときに、電池と電池支持部との間に隙間が生じて、電池支持部による電池の支持が得られなくなることを抑制できる。
【0007】
(2)上記形態のガスメータにおいて、前記電池支持部は、前記電池に対して、第1方向から前記弾性力を付与する第1弾性部と、前記第1方向に直交する第2方向から前記弾性力を付与する第2弾性部と、前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向から前記弾性力を付与する第3弾性部と、を含んでよい。
この形態のガスメータによれば、第1弾性部、第2弾性部、および、第3弾性部のそれぞれにより、電池に対して直交する三方向から弾性力が付与されるため、電池収容部内での電池の三方向への移動を、より一層、抑制することができる。
【0008】
(3)上記形態のガスメータは、さらに、前記基板の一方の面を覆うように配置されるカバー板部を有し、前記基板を保持した状態で前記本体部内に固定される基板ホルダーを備え、前記電池収容部は、前記カバー板部に一体的に形成されていてよい。
この形態のガスメータによれば、基板ホルダーによって、基板とともに電池収容部をまとめて本体部に固定することができるため、効率的である。
【0009】
(4)上記形態のガスメータにおいて、前記電池支持部は、前記基板ホルダーに連結されている基端部を有し、前記基端部から前記電池収容部における前記電池の配置領域に延び出ている板バネによって構成されてもよい。
この形態のガスメータによれば、電池支持部を、基板ホルダーの一部位として形成された板バネによって簡易に構成することができる。
【0010】
(5)上記形態のガスメータにおいて、前記振動検出部は、加速度を検出して振動を検出する感震センサによって構成されてよい。
この形態のガスメータによれば、感震センサを振動検出部として採用することにより、振動の検出精度を高めることができる。その一方で、電池支持部により電池収容部内での電池の振動が抑制されるため、電池収容部内での電池の振動によって、感震センサの消費電力が増加することを抑制できる。
【0011】
本開示の技術は、ガスメータ以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ガスメータの電池収容部や、電池収容部を備える基板ホルダー、ガスメータにおける電池の収容構造や収容方法、ガスメータを備えるガスの計測システム等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ガスメータの外観構成を示す概略斜視図。
図2】ガスメータの内部構成を示す概略分解斜視図。
図3】前面側からみたときの基板ホルダーの概略斜視図。
図4】後面側から見たときの基板ホルダーの概略斜視図。
図5】電池収容部の第1の概略断面図。
図6】電池収容部の第2の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施形態:
図1は、本実施形態のガスメータ10の外観構成を示す概略斜視図である。図1には、互いに直交する三方向X,Y,Zを示す矢印が図示されている。X方向は、ガスメータ10の幅方向、つまり、左右方向に相当し、Y方向はガスメータ11の奥行方向、つまり、前後方向に相当し、Z方向はガスメータ10の高さ方向、つまり、上下方向に相当する。本明細書においてガスメータ10の方向に関する「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」の表記は、ガス配管に適正に取り付けられた通常の使用姿勢にあるガスメータ10に正対したときの方向を基準とする。三方向X,Y,Zを示す矢印は、後に参照する各図においても図1と対応するように適宜図示されている。
【0014】
ガスメータ10は、図示しないガス配管に接続されて当該ガス配管に流れるガスの流量を計測する。本実施形態では、ガスメータ10は、ガス流路に射出された超音波が検出素子に到達するまでの時間に基づいて当該ガス流路を流れるガスの流速を計測する超音波式ガスメータとして構成されている。なお、他の実施形態では、ガスメータ10は、超音波式ガスメータ以外の種々のタイプのガスメータとして構成されてもよい。ガスメータ10は、例えば、ガスが流れる量に応じて撓み変形を繰り返すようにガス流路に配置された可撓膜の撓み変形の回数を計数することにより、ガス流路に流れるガスの量を測定する膜式ガスメータとして構成されてもよい。
【0015】
ガスメータ10は、略直方体形状の本体部11を備える。本体部11は、前後方向に分割可能な外装部12を備える。外装部12は、前方に配置される前面カバー部材12fと、後方に配置される後面カバー部材12rと、によって構成される。前面カバー部材12fおよび後面カバー部材12rはそれぞれ、例えば、アルミニウム合金の鋳造により作製され、ねじ止めにより互いに締結される。
【0016】
本体部11の上面には、ガス配管に接続されてガスが流入するガス流入部13と、ガス配管が接続されてガスが流出するガス流出部14とが設けられている。ガス流入部13とガス流出部14とはそれぞれ後面カバー部材12rの上面から上方に突出した円筒状の部位として構成されている。本体部11の前面には、計測結果やステータス情報などのメッセージを表示する表示部15と、操作者による操作を受け付ける操作ボタン16と、が設けられている。
【0017】
図2は、ガスメータ10の内部構成を示す概略分解斜視図である。図2では、便宜上、前面カバー部材12fの図示は省略されている。また、図2では、後述する回路24を構成する電子素子や、配線等の詳細な部品の図示は省略されている。
【0018】
後面カバー部材12rの内部には、ガス流入部13とガス流出部14とを接続するガス流路20が設けられている。ガス流路20の上流端には、開閉動作により、ガス流入部13からガス流路20へのガスの流入を制御する遮断弁21が設けられている。遮断弁21の機能については後述する。また、符号の図示や詳細な説明は省略するが、後面カバー部材12rの内部には、ガス流路20を流れるガスの流速の計測に用いられる超音波センサ素子や、遮断弁21を駆動するモータ等が配置されている。
【0019】
ガスメータ10の本体部11内には、さらに、基板23と、基板23を保持する基板ホルダー26と、電池32を内部に収容する電池収容部30とが配置されている。本実施形態では、電池収容部30は基板ホルダー26と一体的に形成されている。
【0020】
基板23と、基板ホルダー26と、電池収容部30とは、本体部11においてガス流路20よりも前方側に配置される。基板23と基板ホルダー26とは、上下方向および左右方向に沿った姿勢で本体部11内に配置される。基板23は基板ホルダー26の前方側に配置され、基板ホルダー26に保持された状態で本体部11内に固定される。基板ホルダー26は、ねじ止めにより、後面カバー部材12rに固定される。
【0021】
基板23には、電池32の電力で駆動する回路24が設けられている。回路24は、中央処理装置(CPU)やRAMを含み、ガスメータ10の動作を制御する制御部として機能するマイクロコンピュータを構成する。回路24は、超音波センサ素子の出力結果を用いてガス流路に流れるガスの量を測定する測定処理を実行する機能を有する。なお、基板23の前面には、回路24の一部を構成し、表示部15を構成する液晶パネルが搭載されているが、その図示は省略されている。
【0022】
また、基板23には、本体部11に伝わる振動を検出する振動検出部25が取り付けられている。本実施形態では、振動検出部25は、加速度を検出して振動を検出する感震センサによって構成されており、基板23の後面に搭載されている。
【0023】
回路24は、前述のガスの量を測定する機能に加えて、振動検出部25の検出結果を用いて地震の発生を検知する機能を有する。本実施形態では、回路24は、振動検出部25によって、所定の大きさ以上の振動が検出されたときに地震が発生したと判定し、ガスの漏洩等の異常の発生を予防するために遮断弁21を閉じる。回路24は、地震の発生が検知されなくなった後、図1に示す操作ボタン16が押下されたときに、遮断弁21を開く。
【0024】
基板ホルダー26は、樹脂材料の射出成形によって作製される。基板ホルダー26は、基板23の一方の面を覆うように配置される板状のカバー板部27を有する。本実施形態では、カバー板部27は、基板23の後面を覆う。カバー板部27の外周縁には、基板23の外周縁に係合して基板23を固定する爪部28が設けられている。
【0025】
電池収容部30は、カバー板部27の後面側に設けられており、基板23とはカバー板部27を挟んで反対側に配置されている。本実施形態では、電池収容部30には、複数の円柱形状の単位電池33が径方向に一列に配列された状態で一体化されている電池32が収容される。電池32は、一次電池であり、例えばリチウム電池によって構成される。ガスメータ10は、電池32の電力により駆動する。電池32の電力は、回路24に搭載されている電子素子や、振動検出部25、超音波センサ素子、遮断弁21の駆動モータ等に供給され消費される。本実施形態では、電池収容部30には、互いに直交する三方向から弾性力を付与して電池32の支持する電池支持部38が設けられている。
【0026】
図3図6を参照して、電池収容部30および電池支持部38の構成の詳細を説明する。図3は、前面側からみたときの基板ホルダー26の概略斜視図である。図4は、後面側から見たときの基板ホルダー26の概略斜視図である。図3には、電池収容部30における電池32の配置領域CAを一点鎖線で図示してある。
【0027】
上述したように、電池収容部30は基板ホルダー26のカバー板部27の後面に設けられている。図3に示すように、本実施形態では、電池32は、電池収容部30において、基板ホルダー26のカバー板部27に沿って配置される。より具体的には、電池32は、複数の単位電池33がカバー板部27に沿って上下方向に一列に配列された状態で配置される。
【0028】
なお、他の実施形態では、電池収容部30における電池32の配置構成は特に限定されない。例えば、電池32は、電池収容部30において、複数の単位電池33がカバー板部27に沿って左右方向に一列に配列される状態で配置されてもよいし、複数の単位電池33が前後方向に配列される状態で配置されてもよい。また、電池32は、電池収容部30において、各単位電池33が前後方向に沿った姿勢となるように配置されてもよい。
【0029】
電池収容部30は、電池32の配置領域CAを囲むように配列された複数の壁部41~45を有する。本実施形態では、複数の壁部41~45は、前壁部41と、後壁部42と、一対の側壁部43と、底壁部44と、上壁部45と、を含む。前壁部41は、電池32の配置領域CAの前方に設けられ、後壁部42は電池32の配置領域CAの後方に設けられている。前壁部41および後壁部42は電池32の前後方向への移動を規制する。一対の側壁部43はそれぞれ、電池32の配置領域CAの側方に設けられており、電池32の左右方向への移動を規制する。底壁部44は、電池32の配置領域CAの下方に設けられており、電池32の下方への移動を規制する。上壁部45は、電池32の配置領域CAの上方に設けられており、電池32の上方への移動を規制する。
【0030】
なお、各壁部41~45は、電池32の全体を覆っていなくてもよい。本実施形態では、各壁部41~45は、電池32の一部が露出するように切り欠かれた部位を有している。
【0031】
図3に示すように、本実施形態では、前壁部41は、基板ホルダー26のカバー板部27の一部を構成している。また、図3および図4に示すように、一対の側壁部43と底壁部44の前方端部は、カバー板部27に連結されており、後方端部は後壁部42の外周端部に連結されている。電池収容部30の上端には、前壁部41と後壁部42と一対の側壁部43とに囲まれた挿入開口部46が開口している。上壁部45は後壁部42から挿入開口部46の開口領域に延び出ている。
【0032】
図4に示すように、後壁部42の中央部位には、上端から互いに並列に上下方向に沿って延びる2本のスリット48が形成されている。後壁部42のスリット48に挟まれた部位は、その下端を支点として前後方向に回動するように弾性変形する回動壁部49を構成する。上壁部45の後方端部は、その回動壁部49の上端部に連結されており、回動壁部49とともに前後方向に回動する。電池32は、上壁部45が挿入開口部46よりも後方に回動され、挿入開口部46が開放されている状態のときに、挿入開口部46から挿入される。
【0033】
電池支持部38は、電池収容部30内での電池32の移動を抑制するために、電池収容部30に収容されている電池32に対して、互いに直交する第1方向、第2方向、および、第3方向の三方向から弾性力を付与する。本実施形態では、第1方向はX方向に相当し、第2方向はY方向に相当し、第3方向はZ方向に相当する。電池支持部38は、第1方向に弾性力を付与する第1弾性部51と、第2方向に弾性力を付与する第2弾性部52と、第3方向に弾性力を付与する第3弾性部53と、を含む。第1弾性部51は、電池32の配置領域CAの側方に設けられており、第2弾性部52は、電池32の配置領域CAの前方に設けられている。また、第3弾性部53は、電池32の配置領域CAの下方に設けられている。
【0034】
本実施形態では、電池支持部38を構成する各弾性部51,52,53は、電池収容部30と一体的に形成されており、基板ホルダー26の一部位として形成されている。各弾性部51,52,53は、基板ホルダー26に連結されている基端部55を有し、基端部55から電池収容部30における電池32の配置領域CAへと延び出ている板バネによって構成されている。
【0035】
図4に示すように、第1弾性部51は、一対の側壁部43のそれぞれに設けられている。各第1弾性部51は、基端部55が各側壁部43の下端部に連結されており、下方へと延びつつ、電池32の配置領域CAに向かって斜めに延び出ている。第1弾性部51は、基端部55を支点として左右方向に回動するように弾性変形する。
【0036】
図3に示すように、第2弾性部52は、電池32の配置領域CAに面するカバー板部27の一部位を切り欠いた貫通穴部57内に形成されている。本実施形態では、2つの貫通穴部57が電池32の配置領域CAの左右の端部のそれぞれに寄った位置において上下方向を長手方向として形成されており、第2弾性部52は、それぞれの貫通穴部57に形成されている。各第2弾性部52は、基端部55が貫通穴部57の上端部に連結されており、その基端部55から下方へと延びつつ、電池32の配置領域CAに向かって斜めに延び出ている。第2弾性部52は、その基端部55を支点として前後方向に回動するように弾性変形する。
【0037】
図3に示すように、第3弾性部53は、基端部55がカバー板部27に連結されており、基端部55から後方へと延びつつ、電池32の配置領域CAに向かって斜め上方に延び出ている。本実施形態では、第3弾性部53の基端部55は、上述した貫通穴部57の下端に連結されている。第3弾性部53は、底壁部44の左右方向の両側に設けられており、電池32の配置領域CAの左右の端部に寄った位置において、その基端部55を支点として上下方向に回動するように弾性変形する。
【0038】
図5は、図3に示す5-5切断における電池収容部30の概略断面図である。図6は、図5に示す6-6切断における電池収容部30の概略断面図である。図5および図6には、電池収容部30に電池32が収容されている状態が図示されており、電池32が収容される前の弾性変形していない各弾性部51,52,53が破線で図示されている。なお、図5および図6では、便宜上、電池32の内部構造の図示は省略されており、電池32の断面にはハッチングを付してある。
【0039】
図6に示すように、電池収容部30において、電池32は、両側の側壁部43に設けられている一対の第1弾性部51によって左右方向から弾性力を付与される。これにより、電池32は電池収容部30内での左右方向の支持が得られ、左右方向への移動が抑制される。また、図5に示すように、電池32は、電池収容部30において、第2弾性部52から後方に向かう弾性力を付与されて後壁部42に押し付けられる。これにより、電池32は、電池収容部30内での前後方向の支持が得られ、前後方向への移動が抑制される。さらに、図5および図6に示すように、電池32は、第3弾性部53から、上方に向かう弾性力を付与されて上壁部45に押し付けられる。これにより、電池32は、電池収容部30内での前後方向の支持が得られ、前後方向への移動が抑制される。
【0040】
このように、本実施形態のガスメータ10によれば、電池収容部30に収容された電池32は、電池収容部30に設けられている電池支持部38によって互いに直交する三方向から弾性力を付与されることによって、電池収容部30内での移動が抑制されている。これにより、本体部11の外部から電池収容部30に振動が伝わってきても、電池収容部30内で電池32が振動することが抑制される。そのため、電池32の振動によって振動検出部25が駆動し、電池32の電力が消費されてしまうことが抑制される。また、電池32の振動によって、振動検出部25に伝わる振動が大きくなり、地震の発生が誤検知されてしまうことが抑制される。
【0041】
さらに、本実施形態のガスメータ10によれば、電池収容部30に収容される電池32の寸法が、予め定められた規定の寸法と異なる場合でも、電池支持部38の弾性変形により電池32のその寸法差を吸収することができる。そのため、電池32の寸法が規定の寸法より大きくても、電池支持部38によって電池収容部30への電池32の収容が阻害されることが抑制される。また、電池32の寸法が規定の寸法より小さくても、電池支持部38と電池32との間に隙間が生じて、電池収容部30内で電池32が電池支持部38から支持されなくなることが抑制される。このように、本実施形態のガスメータ10によれば、電池支持部38の弾性変形によって電池支持部38に収容可能な電池32の寸法の許容範囲が拡大されている。
【0042】
本実施形態のガスメータ10によれば、互いに直交する三方向の弾性力が、電池支持部38を構成する第1弾性部51と第2弾性部52と第3弾性部53のそれぞれから、電池32に対して付与されている。これにより、電池収容部30内での電池32の三方向への移動が、より一層、抑制され、電池収容部30内での電池32の振動がより効果的に抑制される。
【0043】
本実施形態のガスメータ10によれば、電池収容部30は、基板23を保持している基板ホルダー26のカバー板部27の後面に一体的に形成されている。これにより、基板23と電池収容部30とをまとめて本体部11内に固定することができるため効率的である。また、電池収容部30を基板ホルダー26の一部位として一体的に作製することができ、ガスメータ10の部品点数や組み立て工数を低減することができ、ガスメータ10の製造コストが低減される。
【0044】
本実施形態のガスメータ10によれば、電池支持部38を構成する各弾性部51,52,53は、基板ホルダー26の一部位として、基板ホルダー26と一体的に形成された板バネによって構成されている。この構成により、電池支持部38を、基板ホルダー26の一部位として作製することができるため、電池支持部38の作製が簡易化される。また、ガスメータ10の部品点数や組み立て工数を低減でき、ガスメータ10の製造コストが低減される。
【0045】
本実施形態のガスメータ10では、第1弾性部51および第2弾性部52は、電池収容部30に電池32が挿入される挿入方向に直交する方向から電池32に弾性力を付与する。本実施形態での電池32の挿入方向はZ方向に沿った方向である。第1弾性部51および第2弾性部52を構成する板バネは、それぞれの基端部55からその挿入方向に沿って延びている。この構成によれば、電池収容部30への電池32の挿入が電池支持部38を構成する板バネによって阻害されることが抑制され、電池収容部30への電池32の収容が円滑化される。
【0046】
本実施形態のガスメータ10では、第1弾性部51は、図6に示すように、電池32を左右方向に挟み、電池32の両側から弾性力を付与しているため、電池収容部30内での電池32の左右方向への移動が、より一層、抑制されている。また、本実施形態のガスメータ10では、第1弾性部51は、電池収容部30に収容されている電池32の上下方向における中央部近傍において電池32に左右方向に沿った弾性力を付与している。これにより、第1弾性部51が電池32の上方に寄った位置や下方に寄った位置において電池32に弾性力を付与する場合よりも、電池32の上側の端部や下側の端部が左右方向に移動することが抑制される。
【0047】
本実施形態のガスメータ10によれば、図3に示すように、左右方向に配列された2つの第2弾性部52によって、電池32の左右の両端部のそれぞれに前後方向に沿った弾性力が付与されている。これにより、電池収容部30内において電池32の右側端部のみが前後方向に移動したり、左側端部のみが前後方向に移動したりすることが抑制されるため、電池収容部30内での電池32の振動が、より一層、抑制される。
【0048】
本実施形態のガスメータ10によれば、図3に示すように、電池32の配置領域CAの下方において左右方向に配列された2つの第3弾性部53によって、電池32の左右の両端部のそれぞれに上下方向に沿った弾性力が付与されている。これにより、電池収容部30内において電池32の右側端部のみが上下方向に移動したり、左側端部のみが上下方向に移動したりすることが抑制されるため、電池収容部30内での電池32の振動が、より一層、抑制される。
【0049】
本実施形態のガスメータ10によれば、振動検出部25は感震センサによって構成されているため、振動の検出精度が高められている。その一方で、上記のように、電池支持部38により電池収容部30内での電池32の振動が抑制されているため、電池収容部30内での電池32の振動により感震センサの駆動頻度が増加し、その消費電力が増大することが抑制される。
【0050】
2.他の実施形態:
本開示の技術は、上述の実施形態の構成に限定されることはない。例えば、以下のように改変することが可能である。
【0051】
(1)上実施形態において、電池支持部38は、基板ホルダー26の一部によって構成された板バネによって構成されていなくてもよい。電池支持部38は、例えば、基板ホルダー26とは別体の後付けされた板バネによって構成されていてもよい。また、電池支持部38は、例えば、コイルスプリングやゴム部材などによって構成されていてもよい。電池支持部38は、3つの別個に設けられた弾性部51,52,53によって構成されていなくてもよい。電池支持部38は、例えば、電池32の周囲を覆うように電池収容部30内に配置された単一の弾性部材によって三方向から弾性力を付与されてもよい。
【0052】
(2)上実施形態において、2つの第1弾性部51のうちのいずれか一方が省略されてもよいし、2つ以上の複数の第1弾性部51が設けられてもよい。第2弾性部52および第3弾性部53についても同様に、2つのうちのいずれか一方が省略されてもよいし、2つ以上の複数個が設けられてもよい。また、第2弾性部52は、電池32の配置領域CAの前方に代えて、あるいは、電池32の配置領域CAの前方に加えて、電池32の配置領域CAの後方に設けられていてもよい。同様に、第3弾性部53は、電池32の配置領域CAの下方に代えて、あるいは、電池32の配置領域CAの下方に加えて、電池32の配置領域CAの上方に設けられていてもよい。
【0053】
(3)電池支持部38が電池32に弾性力を付与する互いに直交する三方向は、X方向、Y方向、および、Z方向の三方向に限定されることはない。電池支持部38が電池32に弾性力を付与する互いに直交する三方向は、基板23の面に沿った互いに直交する二方向と基板23の厚み方向であってもよい。また、電池支持部38が電池32に弾性力を付与する互いに直交する三方向は、電池32における単位電池33の中心軸方向と単位電池33の配列方向とその配列方向に直交する単位電池33の径方向であってもよい。さらに、電池支持部38が電池32に弾性力を付与する互いに直交する三方向は、例えば、X方向やY方向、Z方向のうちの少なくとも1つの方向に対して斜めに交差する方向であってもよい。
【0054】
(4)上記実施形態において、基板ホルダー26は省略されてもよい。また、基板ホルダー26を備えている場合であっても、電池収容部30は、基板ホルダー26とは別の部材によって構成されていてもよい。基板23と電池収容部30とはそれぞれ別個に本体部11内に固定されていてもよい。
【0055】
(5)上記実施形態において、振動検出部25は感震センサによって構成されていなくてもよい。振動検出部25は、例えば、内部に配置された球体が振動により所定の配置位置から移動して電極に接触したときに電気的な信号を出力する感震器によって構成されてもよい。上記実施形態において、振動検出部25は、基板23の前面に搭載されててもよい。また、振動検出部25は、基板23に搭載されず、基板23や電池収容部30から離れた場所において本体部11に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…ガスメータ、11…本体部、12…外装部、12f…前面カバー部材、12r…後面カバー部材、13…ガス流入部、14…ガス流出部、15…表示部、16…操作ボタン、20…ガス流路、21…遮断弁、23…基板、24…回路、25…振動検出部、26…基板ホルダー、27…カバー板部、28…爪部、30…電池収容部、32…電池、33…単位電池、38…電池支持部、41…前壁部、42…後壁部、43…一対の側壁部、44…底壁部、45…上壁部、46…挿入開口部、48…スリット、49…回動壁部、51…第1弾性部、52…第2弾性部、53…第3弾性部、55…基端部、57…貫通穴部、CA…配置領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6