IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 広東丸美生物技術股▲フン▼有限公司の特許一覧

特開2022-114422濃縮可溶化マトリックス及びその調製方法と使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114422
(43)【公開日】2022-08-05
(54)【発明の名称】濃縮可溶化マトリックス及びその調製方法と使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20220729BHJP
   A61K 8/97 20170101ALI20220729BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20220729BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20220729BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20220729BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20220729BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20220729BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220729BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/97
A61K8/36
A61K8/37
A61K8/49
A61K8/86
A61K8/39
A61K8/34
A61Q1/00
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132126
(22)【出願日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】202110105952.X
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520317240
【氏名又は名称】広東丸美生物技術股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫懐慶
(72)【発明者】
【氏名】▲ジョウ▼艶峰
(72)【発明者】
【氏名】孫雲起
(72)【発明者】
【氏名】胡露
(72)【発明者】
【氏名】佐佐木公夫
(72)【発明者】
【氏名】郭朝万
(72)【発明者】
【氏名】蒲艶
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC261
4C083AC262
4C083AC421
4C083AC422
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD661
4C083AD662
4C083CC04
4C083DD27
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】汎用性が高く、調製された化粧品はエモリエント効果が良好で安定性がよく、処方設計及び量産の効率を向上させる、濃縮可溶化マトリックスを提供する。
【解決手段】炭化水素35~40重量部、植物油脂20~30重量部、イソステアリン酸0.5~2重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 3~7重量部、トコフェロール0.005~0.015重量部、PEG-8 5~10重量部、PEG-12 15~20重量部及びエタノール0.3~0.7重量部を含む濃縮可溶化マトリックスである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素35~40重量部、植物油脂20~30重量部、イソステアリン酸0.5~2重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 3~7重量部、トコフェロール0.005~0.015重量部、PEG-8 5~10重量部、PEG-12 15~20重量部及びエタノール0.3~0.7重量部を含む、ことを特徴とする濃縮可溶化マトリックス。
【請求項2】
炭化水素37~39重量部、植物油脂23~27重量部、イソステアリン酸1~1.5重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 4~6重量部、トコフェロール0.005~0.015重量部、PEG-8 6~8重量部、PEG-12 17~19重量部及びエタノール0.4~0.6重量部を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の濃縮可溶化マトリックス。
【請求項3】
前記濃縮可溶化マトリックスは水をさらに含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の濃縮可溶化マトリックス。
【請求項4】
前記炭化水素は、スクアラン、イソドデカン、イソヘキサデカン又はジオクチルエーテルのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の濃縮可溶化マトリックス。
【請求項5】
前記植物油脂は、ホホバ種子油、小麦胚芽油、とうもろこし油、アボカド油、スイートアーモンド油、米ぬか油、ブドウ種子油、マカデミア種子油、ヒッポファエ油、ヒマワリ種子油又は米胚芽油のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含む、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の濃縮可溶化マトリックス。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の濃縮可溶化マトリックスの調製方法であって、
炭化水素、植物油脂、イソステアリン酸、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トコフェロール、PEG-8及びPEG-12を混合して加熱し、混合物Aを得るステップ(1)と、
エタノールをステップ(1)で得られた混合物Aと混合し、前記濃縮可溶化マトリックスを得るステップ(2)とを含む、ことを特徴とする濃縮可溶化マトリックスの調製方法。
【請求項7】
ステップ(1)において、温度が38~42℃となるまで加熱する、ことを特徴とする請求項6に記載の濃縮可溶化マトリックスの調製方法。
【請求項8】
ステップ(2)に記載のエタノールとステップ(1)で得られた混合物Aとを混合する前に、エタノールを水と混合して混合物Bを得るステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の濃縮可溶化マトリックスの調製方法。
【請求項9】
炭化水素、植物油脂、イソステアリン酸、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トコフェロール、PEG-8及びPEG-12を混合して38~42℃まで加熱し、混合物Aを得て、エタノールを水と混合して混合物Bを得るステップ(1)と、
ステップ(1)で得られた混合物Aを混合物Bと混合し、前記濃縮可溶化マトリックスを得るステップ(2)とを含む、ことを特徴とする請求項6~8のいずれか一項に記載の濃縮可溶化マトリックスの調製方法。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載の濃縮可溶化マトリックスの化粧品の調製における、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品の分野に属し、具体的には、濃縮可溶化マトリックス及びその調製方法と使用に関し、特にエモリエント効果を有する濃縮可溶化マトリックス及びその調製方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、化粧品の開発は、製品計画に基づいてそれぞれの処方と製造方法を決定し、且つそれに基づいて量産のデバイスを選択し、製造基準を決定する。現在、化粧品業界は大きく2種類に分かれている。1種は少数のカテゴリで量産されるクリーン・ケア化粧品(シャンプー、シャワージェルなど)であり、もう1種は多数のカテゴリで少量生産される化粧品(スキンケア製品、カラーメイクなど)である。多数のカテゴリで少量生産とは異なり、少数のカテゴリで量産の場合、一般的に全自動デバイスの製造を前提として処方と調製方法を開発し、多数のカテゴリで少量生産される製品は一般的に高価レベルにあり、且つ製品の要求が多様性を有するため、開発段階でコンセプト成分の選択とマトリックス処方の多様性を考慮してから設計処方を形成可能であり、その後、デバイスの選択などを考慮し、開発期間が比較的長い。また、カテゴリの数が多く、剤形が異なることが多いため、量産に必要なデバイスと製造時間も増加する。したがって、一般的な剤形(化粧水、乳液など)に適した高い汎用性を有するマトリックス処方を独自に開発してから、希釈して使用することは、処方設計及び量産の効率の向上に寄与する。
【0003】
CN107375145Bは、化粧品の技術分野に関する化粧品マトリックス、調製方法及びその使用、並びにアイクリーム及びその調製方法を開示する。該化粧品マトリックスは質量百分率で、主に茶抽出物包みボスウェリアセラタガム10~20%、柑橘果皮抽出物5~10%、ナツメヤシ種子10~20%、アセチルテトラペプチド-5 5~10%、野生大豆タンパク質、加水分解米タンパク質及びスーパーオキシドジスムターゼ混合物3~6%、イタドリ根抽出物3~6%、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル1~3%、PEG-40水添ヒマシ油1~2%、残部の水により調製される。この発明は、現在の目の化粧品の目元のくまを解消し、肌の明るさを明るくする効果がよくない技術的問題を軽減する。
【0004】
CN106726669Aは、ナマコポリペプチド(sea cucumber polypeptide)を含む老化防止化粧品マトリックス及びその製造方法を開示する。前記ナマコポリペプチドは、コラゲナーゼ、パパイン、アルカリプロテアーゼなどにより加水分解される。その平均分子量は5000Da未満である。前記スキンケアマトリックスには、40%~50%のナマコポリペプチド加水分解液、5%~15%のマンネンタケ多糖類、5%~15%の高麗人参根抽出物及び20%~50%の水を含む。この発明のスキンケアマトリックスは皮膚細胞の増殖活性を効果的に改善し、皮膚老化の症状を軽減することができる。
【0005】
現在、製品要求の多様性により、化粧品の開発期間が長いという問題を引き起こす。そのため、高い汎用性を有し、処方設計及び量産の効率を向上させる化粧品マトリックスを提供することは緊急の課題となっている。
【発明の概要】
【0006】
従来の技術の不足について、本発明の目的は、濃縮可溶化マトリックス及びその調製方法と使用を提供し、特にエモリエント効果を有する濃縮可溶化マトリックス及びその調製方法と使用を提供することにある。本発明に係る濃縮可溶化マトリックスは、汎用性が高く、調製された化粧品は、エモリエント効果が良好で安定性がよく、処方設計及び量産の効率を向上させる。
【0007】
本発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術案を講じた。
第1の態様では、本発明は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、前記濃縮可溶化マトリックスは、炭化水素35~40重量部、植物油脂20~30重量部、イソステアリン酸0.5~2重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 3~7重量部、トコフェロール0.005~0.015重量部、PEG-8(イソステアリン酸グリセリズ)5~10重量部、PEG-12(ラウリン酸エステル)15~20重量部及びエタノール0.3~0.7重量部を含む。
【0008】
そのうち、炭化水素の重量部の数は35重量部、36重量部、37重量部、38重量部、39重量部又は40重量部などであってもよく、植物油脂の重量部の数は20重量部、21重量部、22重量部、23重量部、24重量部、25重量部、26重量部、27重量部、28重量部、29重量部又は30重量部などであってもよく、イソステアリン酸の重量部の数は0.5重量部、1重量部、1.5重量部又は2重量部などであってもよく、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2の重量部の数は3重量部、4重量部、5重量部、6重量部又は7重量部などであってもよく、トコフェロールの重量部の数は0.005重量部、0.006重量部、0.007重量部、0.008重量部、0.009重量部、0.01重量部、0.011重量部、0.012重量部、0.013重量部、0.014重量部又は0.015重量部などであってもよく、PEG-8の重量部の数は5重量部、6重量部、7重量部、8重量部、9重量部又は10重量部などであってもよく、PEG-12の重量部の数は15重量部、16重量部、17重量部、18重量部、19重量部又は20重量部などであってもよく、エタノールの重量部の数は0.3重量部、0.4重量部、0.5重量部、0.6重量部又は0.7重量部などであってもよいが、以上に挙げられた数値に限定されず、上記数値の範囲内の他の挙げられていない数値も同様に適用可能である。
【0009】
上記特定の成分と配合比の濃縮可溶化マトリックスは、高い汎用性を有し、処方設計及び量産の効率を向上させ、炭化水素及び植物油脂の複合調製と、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、PEG-8及びPEG-12の複合調製により、前記濃縮可溶化マトリックスで調製された化粧品のエモリエント効果を著しく向上させ、同時に、化粧品を調製する前に、前記濃縮可溶化マトリックスを調製し、化粧品原料の一部を事前に混合し、調製された化粧品の安定性を向上させる。
【0010】
植物油脂は、植物の種子、果肉及び他の部分から抽出した脂肪脂質で、脂肪酸とグリセリンが化合した天然高分子化合物であり、自然界に広く分布し、主に肌に潤いを与える役割を果たす。
【0011】
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2は、親油性非イオン界面活性剤の特性を有する高級油脂であり、乳化効果を有し、通常、乳化剤として使用される。
【0012】
PEG-8は強い乳化効果と良好な安定性を有し、水の表面張力を下げることができ、保湿、軟化及び乳化の効果を有し、肌の老化を防ぎ、健康な状態を維持する。
【0013】
PEG-12は良好な乳化、分散、可溶化、潤滑能力を有し、非イオン界面活性剤である。
【0014】
好ましくは、前記濃縮可溶化マトリックスは、炭化水素37~39重量部、植物油脂23~27重量部、イソステアリン酸1~1.5重量部、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2 4~6重量部、トコフェロール0.005~0.015重量部、PEG-8 6~8重量部、PEG-12 17~19重量部及びエタノール0.4~0.6重量部を含む。
【0015】
好ましくは、前記濃縮可溶化マトリックスは水をさらに含む。
【0016】
好ましくは、前記炭化水素は、スクアラン、イソドデカン、イソヘキサデカン又はジオクチルエーテルのいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、例えば、スクアランとイソドデカンの組合せ、イソドデカンとイソヘキサデカンの組合せ、又はスクアランとジオクチルエーテルの組合せなどを含むが、以上に挙げられた組合せに限定されず、上記組合せ範囲内の他の挙げられていない組合せも同様に適用可能である。
【0017】
好ましくは、前記植物油脂は、ホホバ種子油、小麦胚芽油、とうもろこし油、アボカド油、スイートアーモンド油、米ぬか油、ブドウ種子油、マカデミア種子油、ヒッポファエ油、ヒマワリ種子油又は米胚芽油のいずれか1種又は少なくとも2種の組合せを含み、例えば、ホホバ種子油と小麦胚芽油の組合せ、とうもろこし油とアボカド油の組合せ、又は米ぬか油とブドウ種子油の組合せなどを含むが、以上に挙げられた組合せに限定されず、上記組合せ範囲内の他の挙げられていない組合せも同様に適用可能である。
【0018】
第2の態様では、本発明は上記した濃縮可溶化マトリックスの調製方法を提供しており、前記調製方法は、
炭化水素、植物油脂、イソステアリン酸、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トコフェロール、PEG-8及びPEG-12を混合して加熱し、混合物Aを得るステップ(1)と、
エタノールをステップ(1)で得られた混合物Aと混合し、前記濃縮可溶化マトリックスを得るステップ(2)とを含む。
【0019】
上記の調製方法は、操作手順が簡単であり、前記濃縮可溶化マトリックスを迅速且つ簡便に調製することができる。
【0020】
好ましくは、ステップ(1)において、温度が38~42℃となるまで加熱し、例えば、38℃、39℃、40℃、40℃又は42℃などであるが、以上に挙げられた数値に限定されず、上記数値の範囲内の他の挙げられていない数値も同様に適用可能である。
【0021】
好ましくは、ステップ(2)に記載のエタノールとステップ(1)で得られた混合物Aとを混合する前に、エタノールを水と混合して混合物Bを得るステップをさらに含む。
【0022】
本発明の好ましい技術案として、前記調製方法は、
炭化水素、植物油脂、イソステアリン酸、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トコフェロール、PEG-8及びPEG-12を混合して38~42℃まで加熱し、混合物Aを得て、エタノールを水と混合して混合物Bを得るステップ(1)と、
ステップ(1)で得られた混合物Aを混合物Bと混合し、前記濃縮可溶化マトリックスを得るステップ(2)とを含む。
【0023】
第3の態様では、本発明は上記した濃縮可溶化マトリックスの化粧品の調製における使用をさらに提供する。
【0024】
従来の技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明は、特定の成分と配合比を新たに選択して調製することにより、濃縮可溶化マトリックスを得て、該濃縮可溶化マトリックスは、高い汎用性を有し、処方設計及び量産の効率を向上させ、炭化水素及び植物油脂の複合調製と、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、PEG-8及びPEG-12の複合調製により、前記濃縮可溶化マトリックスで調製された化粧品のエモリエント効果を著しく向上させ、同時に、化粧品を調製する前に、前記濃縮可溶化マトリックスを調製し、化粧品原料の一部を事前に混合し、調製された化粧品の安定性を向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明で採用される技術的手段及びその効果をさらに説明するために、本発明の好ましい実施例を参照して本発明の技術案をさらに説明するが、本発明は実施例の範囲内に限定されるものではない。
【0026】
以下の実施例及び比較例において、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2は日本阪本薬品工業株式会社から購入し、型番はIS-202Pであった。
【0027】
以下の使用例及び比較使用例において、濃縮化粧水マトリックスの供給源は、出願人が本願の同日に出願した「濃縮化粧水マトリックス及びその製造方法と使用」という特許出願を参照し、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1
本実施例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0030】
【表2】
【0031】
調製方法は次のとおりであった。
(1)炭化水素、植物油脂、イソステアリン酸、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トコフェロール、PEG-8及びPEG-12を混合して40℃まで加熱し、混合物Aを得て、エタノールと水を混合して混合物Bを得て、
(2)ステップ(1)で得られた混合物Aを混合物Bと混合し、前記濃縮可溶化マトリックスを得た。
【0032】
実施例2
本実施例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0033】
【表3】
【0034】
調製方法は次のとおりであった。
(1)炭化水素、植物油脂、イソステアリン酸、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トコフェロール、PEG-8及びPEG-12を混合して38℃まで加熱し、混合物Aを得て、エタノールと水を混合して混合物Bを得て、
(2)ステップ(1)で得られた混合物Aを混合物Bと混合し、前記濃縮可溶化マトリックスを得た。
【0035】
実施例3
本実施例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0036】
【表4】
【0037】
調製方法は次のとおりであった。
(1)炭化水素、植物油脂、イソステアリン酸、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トコフェロール、PEG-8及びPEG-12を混合して42℃まで加熱し、混合物Aを得て、エタノールと水を混合して混合物Bを得て、
(2)ステップ(1)で得られた混合物Aを混合物Bと混合し、前記濃縮可溶化マトリックスを得た。
【0038】
実施例4
本実施例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0039】
【表5】
【0040】
調製方法は実施例1と同じであった。
【0041】
実施例5
本実施例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0042】
【表6】
【0043】
調製方法は実施例1と同じであった。
【0044】
比較例1
本比較例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0045】
【表7】
【0046】
調製方法は実施例1と同じであった。
【0047】
比較例2
本比較例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0048】
【表8】
【0049】
調製方法は実施例1と同じであった。
【0050】
比較例3
本比較例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分にジオクチルエーテルを含まず、減少される部分をホホバ種子油に割り当てることに加えて、他は実施例1と一致した。
調製方法は実施例1を参照した。
【0051】
比較例4
本比較例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分にホホバ種子油を含まず、減少される部分をジオクチルエーテルに割り当てることに加えて、他は実施例1と一致した。
調製方法は実施例1を参照した。
【0052】
比較例5
本比較例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分にジイソステアリン酸ポリグリセリル-2を含まず、減少される部分を比率でPEG-8及びPEG-12に割り当てることに加えて、他は実施例1と一致した。
調製方法は実施例1を参照した。
【0053】
比較例6
本比較例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分にPEG-8を含まず、減少される部分を比率でジイソステアリン酸ポリグリセリル-2及びPEG-12に割り当てることに加えて、他は実施例1と一致した。
調製方法は実施例1を参照した。
【0054】
比較例7
本比較例は濃縮可溶化マトリックスを提供しており、その成分にPEG-12を含まず、減少される部分を比率でPEG-8及びジイソステアリン酸ポリグリセリル-2に割り当てることに加えて、他は実施例1と一致した。
調製方法は実施例1を参照した。
【0055】
使用例1
本使用例は化粧水を提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0056】
【表9】
【0057】
調製方法は次のとおりであった。水、濃縮化粧水マトリックス及び実施例1に係る濃縮可溶化マトリックスを混合して前記化粧水を得た。
【0058】
使用例2~5
使用例2~5は、化粧水をそれぞれ提供しており、その成分に実施例1に係る濃縮可溶化マトリックスを実施例2~5に係る濃縮可溶化マトリックスにそれぞれ置き換えることに加えて、他は使用例1と一致した。
調製方法は使用例1を参照した。
【0059】
比較使用例1~7
比較使用例1~7は、化粧水をそれぞれ提供しており、その成分に実施例1に係る濃縮可溶化マトリックスを比較例1~7に係る濃縮可溶化マトリックスにそれぞれ置き換えることに加えて、他は使用例1と一致した。
調製方法は使用例1を参照した。
【0060】
比較使用例8
本比較使用例は化粧水を提供しており、その成分及び配合比は次のとおりであった。
【0061】
【表10】
【0062】
調製方法は次のとおりであった。
(1)ジオクチルエーテル、ホホバ種子油、イソステアリン酸、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トコフェロール、PEG-8及びPEG-12を混合して加熱し、混合物Aを得て、エタノールと水を混合して混合物Bを得て、
(2)ステップ(1)で得られた混合物Aを混合物Bと混合して混合物Cを得て、
(3)ステップ(2)で得られた混合物C、濃縮化粧水マトリックス及び残部の水を混合して前記化粧水を得た。
【0063】
エモリエント効果のテストについて
1、テストサンプルと対象
(1)テストサンプル:使用例1~5に係る化粧水及び比較使用例1~7に係る化粧水。
(2)対象の選択基準:20~45歳の肌が正常な中国人成人女性40人を選択し、急性皮膚炎症又は他の皮膚疾患のあるもの、アレルギー体質又は化粧品アレルギーの既往歴のあるもの、妊娠中又は授乳中のものを除外した。
(3)テスト部位:腕の内側。
【0064】
2、テスト環境
温度:22℃±1℃、湿度:50%±5%、光が均一な恒温恒湿環境。テストの前に、被験者はこの環境で20分間静かに座っている必要があった。
【0065】
3、テスト方法
テスト方法はT/GDCA 1-2020「化粧品の官能評価に関する一般原則」を参照した。テストサンプル1gを取り、腕の内側の半径2cmの円形領域内に塗布し、テストサンプルの質感、明るさ、広がり性、潤い感、厚み、滑らかさ、吸収性などの指標をそれぞれ採点し、その記録結果は次の表のとおりであった。
【0066】
【表11】
【0067】
以上のデータから、炭化水素及び植物油脂の複合調製と、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、PEG-8及びPEG-12の複合調製により、本発明に係る濃縮可溶化マトリックスで調製された化粧品は、顕著なエモリエント効果を有することが分かり、本発明の好ましい範囲内でエモリエント効果がさらに向上する。
【0068】
安定性テストについて
使用例1及び比較使用例8の化粧水サンプルをそれぞれ下記の条件で6ヶ月間放置し、製品の品質、色、香りの変化を観察し、その結果を記録した。
条件1(耐熱性):45℃恒温インキュベーター
条件2(耐寒性):-18℃の冷蔵庫
条件3(サイクル):-18℃~45℃の高温・低温交互インキュベーター(7日サイクル)
条件4(日差し):日差し/紫外線気候インキュベーター
【0069】
使用例1の安定性テスト結果は次の表のとおりであった。
【0070】
【表12】
【0071】
比較使用例8の安定性テスト結果は次の表のとおりであった。
【0072】
【表13】
【0073】
以上のデータから、本発明に係る濃縮可溶化マトリックスで調製された化粧品は、初期原料で調製された化粧品よりも高い安定性を有することが分かった。
【0074】
本発明は上記実施例によって本発明の濃縮可溶化マトリックス及びその調整方法と使用を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、即ち、本発明は上記実施例によって実施しなければならないものではないと出願人は声明する。当業者にとって、本発明に対するいずれの改良、本発明の製品の各原料への等価置換及び補助成分の添加、具体の実施形態の選択などはいずれも本発明の保護範囲及び開示範囲に入ることが明瞭である。
【0075】
上記は本発明の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本発明は、上記の実施形態の具体的な詳細に限定されず、本発明の技術思想の範囲内で、様々な簡単な変更を行うことができ、これらの簡単な変更はすべて、本発明の保護範囲に属する。
【0076】
なお、上記の具体の実施形態に記載されたそれぞれの具体的な技術の特徴は、矛盾しない場合、任意の適切な方法で組み合わせることができ、不必要な繰り返しを避けるために、本発明では様々な可能な組み合わせを個別に説明しない。
【外国語明細書】