IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 加藤 恵巳の特許一覧

<>
  • 特開-足趾パッド作成キット 図1
  • 特開-足趾パッド作成キット 図2
  • 特開-足趾パッド作成キット 図3
  • 特開-足趾パッド作成キット 図4
  • 特開-足趾パッド作成キット 図5
  • 特開-足趾パッド作成キット 図6
  • 特開-足趾パッド作成キット 図7
  • 特開-足趾パッド作成キット 図8
  • 特開-足趾パッド作成キット 図9
  • 特開-足趾パッド作成キット 図10
  • 特開-足趾パッド作成キット 図11
  • 特開-足趾パッド作成キット 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114642
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】足趾パッド作成キット
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/10 20060101AFI20220801BHJP
   A61F 13/06 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A61F5/10
A61F13/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011016
(22)【出願日】2021-01-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】519006539
【氏名又は名称】加藤 恵巳
(74)【代理人】
【識別番号】100103986
【弁理士】
【氏名又は名称】花田 久丸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 恵巳
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB12
4C098BC03
4C098BC34
4C098BC38
4C098BC46
4C098BC48
(57)【要約】
【課題】足趾患者自身がハサミで切断することで、上記足趾各部の色々なトラブルに対応可能な足趾パッドを作成できる足趾パッド作成キットを提供することを目的とする。
【解決手段】この足趾パッド作成キットは、足指に装着して使用する足趾パッドをDIY(Do-It-Yourself)感覚で作成できる足趾パッド作成キットであり、一本の足指が挿入可能な内径を有する低反発素材又はシリコン素材を用いた筒状本体部(チューブ状本体)で構成されている。その外表面には足趾患部に当てて痛みを軽減する厚肉面(保護面)が設けられている。そして外表面部には、切断すべき箇所を示す第1組および第2組の切断表示線(G1、G2)が表示されている。更に又、輪切りすべき箇所を示す第3組の切断表示線(G3)も表示されている。これ等のG1、G2、G3の切断表示線を、例えばハサミ等で切断して第1から第3の足趾パッドを自分で作成することが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足指に装着して使用する足趾パッドをDIY(Do-It-Yourself)感覚で作成する足趾パッド作成キットおいて;
該足趾パッド作成キットは1本の足指が挿入可能な内径を有する低反発素材又はシリコン素材を用いた筒状本体部(1)で構成され、該筒状本体部は外筒軸芯に対し内筒軸芯が偏芯することで筒厚が厚肉に形成された厚肉面(3)と薄肉に形成された薄肉面(4)とを有し、
該筒状本体部の薄肉面(4)には第1足趾パッド(10)作成用に切断すべき箇所を示す第1組の切断表示線(G1)と第2足趾パッド(20)作成用の第2組の切断表示線(G2)、そして第3足趾パッド(30)作成用に軸芯に対して直交する方向に輪切りすべき箇所を示すリング状の第3組の切断表示線(G3)、を含む複数組の切断表示線が表示されており、該複数組の切断表示線は他の組の切断表示線に対し視覚判別可能な態様で表示されており、該視覚判別された何れか1組の切断表示線を切断することにより、1つの筒状本体部(1)から1つの足趾パッドを作成できるように構成されたことを特徴とする足趾パッド作成キット(100)。
【請求項2】
前記視覚判別可能な態様で表示された第1組、第2組、そして第3組の切断表示線(G1、G2、G3)の各々は、他の組の切断表示線とは異なる色又は線種により表示されていることを特徴とする請求項1記載の足趾パッド作成キット(100)。
【請求項3】
前記第1足趾パッド(10)作成用の第1組の切断表示線(G1)は、筒状本体部(1)の軸芯に対し直交方向に示された1本の弧状の切断表示線(L11)と、該弧状の切断表示線の両端部の各々を起点として、前記筒状本体部の軸芯に対し平行方向に示された筒状本体部の一方の端部に至る2本の直線状の切断表示線(L12、L13)とで構成され、
前記第2足趾パッド(20)作成用の第2組の切断表示線(G2)は、筒状本体部(1)の軸芯に対し直交方向に示された1本の弧状の切断表示線(L11)と、該弧状の切断表示線の中点を起点として、前記筒状本体部の軸芯に対し平行方向に示された筒状本体部の一方の端部に至る1本の直線状の切断表示線(L21)とで構成され、
前記第3足趾パッド(30)作成用の第3組の切断表示線(G3)は、筒状本体部(1)の軸芯に対し直交方向に示され、かつ足指長の間隔で、該筒状本体部を輪切りする複数本のリング状の切断表示線(L31、L32、L33)、で構成されていることを特徴とする請求項1記載の足趾パッド作成キット(100)。
【請求項4】
前記第1足趾パッド(10)作成用の第1組の切断表示線(G1)に表示されている3本の切断表示線(L11、L12、L13)は、該3本の切断表示線に沿って筒状本体部(1)を切断することで第1足趾パッドを作成できるように表示され、
該弧状の切断表示線(L11)を切断することで形成した指挿入部(2)を足の親指に装着し、かつ2本の直線状の切断表示線(L12、L13)を切断開口して厚肉面(3)を足趾の外反母趾部または種子骨痛部に当接させて足趾患部を保護できるように、または指挿入部(2)を小指に装着し、かつ厚肉面(3)を足趾の内反小趾部に当接させて足趾患部を保護できるように、前記切断表示線(L11、L12、L13)が前記筒状本体部の薄肉面(4)に表示されており;
前記第2足趾パッド(20)作成用の第2組の切断表示線(G2)に表示されている2本の切断表示線(L11、L21)は、該2本の切断表示線に沿って筒状本体部(1)を切断することで第2足趾パッドを作成できるように表示され、
該弧状の切断表示線(L11)を切断することで形成した指挿入部(2)を何れかの足指に装着し、かつ1本の直線状の切断表示線(L21)を切断開口して厚肉面(3)を足裏のタコまたは魚の目に当接させて足趾患部を保護できるように、前記切断表示線(L11、L21)が前記筒状本体部の薄肉面(4)に表示されており;
前記第3足趾パッド(30)作成用の第3組の切断表示線(G3)に表示されている複数本のリング状の切断表示線(L31、L32、L33)は、該複数本の切断表示線に沿って筒状本体部(1)を切断することで第3足趾パッドを作成できるように表示され、
該弧状の切断表示線(L31、L32、L33)を切断することで形成した指挿入部(2)を痛みのある何れかの足指に装着し、厚肉面(3)を足指のハンマートウまたは指タコ部に当接させて足趾患部を保護できるように、前記切断表示線(L31、L32、L33)が前記筒状本体部(1)にリング状に表示されていることを特徴とする請求項4記載の足趾パッド作成キット(100)。
【請求項5】
前記第1組、第2組、そして第3組の切断表示線(G1、G2、G3)の各切断表示線は、金型を用いて筒状本体部(1)と一体成型により構成するか、または該第1組、第2組、そして第3組の切断表示線(G1、G2、G3)の各切断表示線を予め印刷表示した切断表示線シートを筒状本体部(1)の表面に貼付することで構成することを特徴とする請求項1記載の足趾パッド作成キット(100)。
【請求項6】
前記第1組、第2組、そして第3組の切断表示線(G1、G2、G3)の各切断表示線を予め印刷表示した請求項5記載の切断表示線シートであって、請求項1記載の足趾パッド作成キット(100)にのみ使用する切断表示線シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は足趾パッド作成用キットの構造に関し、より具体的には1本のチューブからDIY(Do-It-Yourself)感覚で足趾患者自らが特定形状の足趾パッドを切り取ることで、足の指や足裏等の痛みを緩和させることができる足趾パッドを作成する足趾パッド作成用キットの構造に関する。なおこの1本のチューブ状の足趾パッド作成用キットからは、例えば3種類の足趾パッドの何れか1種類の足趾パッドを足趾患者自身が作成することが可能となる。
【背景技術】
【0002】
足趾の各部に発生する色々なトラブルとして外反母趾、内反小趾、足裏のタコ、魚の目、指のタコ、種子骨の炎症、ハンマートゥによる指の上のタコが一般に知られている。外反母趾は、足の親指の一種の変形であって、前方にゆとりの無い履物を履くことによって親指の指先が隣接する第2指の方に曲がって密着するようになり、親指の付け根の関節が外方へ向けて突出状態となるものである。この関節部分の変形は、激しい痛を伴うものである。内反小指も足の小指の一種の変形であって、小指の指先が隣接する第4指の方に曲がり、外反母趾と同様な激痛を生じるものである。外反母趾、内反小指がひどくなると、素足の歩行時にも親指、小指の付け根関節部分に激痛を感じるものとなり、足をかばうような不自然な歩行姿勢になりがちであって、この姿勢は膝及び腰の痛みの原因になるものである。また魚の目は、常に圧迫や摩擦を受けている部分にできるもので、皮膚の角質層が厚くなり中心部分に芯ができてくると、その芯がだんだんと皮膚の深くまで入り込み神経を刺激してひどく痛むようになるものである。また更にハンマートゥは、足指の間接がハンマーのように曲がってしまうもので、横アーチの低下や偏平足配アーチから起こり、足指が跳ね上がった状態で靴を履き、上と横からの圧迫で関節が曲がりそのまま伸びなくなるもので手術をしないと直すことは出来ないという問題点を有している。
【0003】
これらの足のトラブルに対処するものとして、足の指や足裏等形態に適合させこれらの部位の痛みを緩和させ専用の足趾パッドが提案されている。しかし、この種の専用足趾パッドでは、例えば親指の付け根の間接用に作成された足趾パッドを小指用には転用できないなどの不都合がある。すなわち市販されている足趾パッドは、適用部位が決められており、しかも、個人差に対応できるものではない。従って、使用者は複数種類の足趾パッドを購入しなければならないという問題があった。
【0004】
例えば特許文献1に開示する外反母趾矯正具は、母趾及び第二趾に係止されるリング状の係止部が形成されたものであり、外反母趾矯正具の通常状態に戻ろうとする弾性復元力により母趾及び第二趾が互いに離れる方向に力が作用して外反母趾が矯正されるようにしたものである。しかし、この発明は、足の指や足裏等の痛みを緩和させるという機能は無く、足の指に痛みがある状態では使用できないとともに痛みがある状態で使用するとかばい足をしながら歩くこととなり、バランスの良い歩き方が出来ず、腰が痛くなったりするという問題点があった。
【0005】
また特許文献2に開示する足指に装着する靴擦れ防止具は、支持構造と支持構造と一体の弾性保護部とを含み、支持構造は足指のいずれかひとつに着脱自在に形成してあり、弾性保護部は足指に装着した際に足指の保護部位を被覆可能となるように構成されている。これにより一本一本の指に装着可能であるので擦れ難く、靴擦れが起き易い部分を効果的に保護できる。しかしながらこの構成では専用品であるため、足指以外の部位の保護には用いることが出来ないという問題点があった。
【0006】
また更に特許文献3示す足指用保護帯は、足の指先に巻き付けて指の蒸れを防止することによって湿疹や水虫を防ぐ足指用保護帯に関するものである。従って、特許文献1と同様に足の指や足裏等の痛みを緩和させるという機能が無いものであり、これも特許文献1と同様に足の指に痛みがある状態では使用できないとともに、痛みがある状態で使用するとかばい足をしながら歩くこととなりバランスの良い歩き方が出来ず、膝、腰が痛くなったりするという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-178436号公報
【特許文献2】実用新案登録第3116048号公報
【特許文献3】実開平6-48634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、足趾患者自身がハサミで切断することで、上記足趾各部の色々なトラブルに対応可能な足趾パッドを作成できる足趾パッド作成キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明に係る足趾パッド作成キットは、足指に装着して使用する足趾パッドをDIY(Do-It-Yourself)感覚で作成できる足趾パッド作成キットであり、この足趾パッド作成キットは一本の足指が挿入可能な内径を有する低反発素材又はシリコン素材を用いた筒状本体部(チューブ状本体)で構成されている。その外表面には足趾患部に当てて痛みを軽減する厚肉面(保護面)が設けられている。そして軸芯に対してこの筒状本体部の外表面の厚肉面(保護面)と対称位置の外表面部には、切断すべき箇所を示す第1組および第2組の切断表示線(G1、G2)が表示されている。更に又、軸芯に対して直交する方向に輪切りすべき箇所を示すリング状の第3組の切断表示線(G3)も表示されている。これ等の組であるG1、G2、G3の切断表示線は、例えばハサミ等で切断すべき箇所を示すために表示されているが、この複数の切断表示線の各々が全て同一の線で表示されているとどの線を切断すべきかが判別し難いので、G1、G2、G3の組毎に切断表示線は視覚判別可能な態様で表示されている。そしてこの視覚判別された何れか1組の切断表示線を選択して切断することにより、1つの足趾パッドを作成するものである。これにより足趾患部の部位に応じて異なる複数種類の足趾パッドを持つことなく、この足趾パッド作成キット一つで各部位用の足趾パッドをDIY感覚で作成することが可能となる。
【0010】
なお上記視覚判別可能な態様で表示された複数の組の切断表示線とは、例えば他の組の切断表示線とは異なる色又は線種により表示されていることをいう。本願発明では3組の切断表示線を例示として表示するが、この3組に限定する趣旨ではなく、必要頻度の高い複数種類の足趾パッドを作成する数を限定しない組の切断表示線を表示してもよい。なお各組の切断表示線は、基本的には(1)上記筒状本体部の軸芯に対し直交方向に切断するとき形成される一つの弧状の切断表示線と、この弧状の切断表示線の両端部の各々を起点として、前記筒状本体部の軸芯に対し平行方向に筒状本体部の一方の端部に至る1または2本の直線状の切断表示線で構成されるか、または(2)上記筒状本体部の軸芯に対して直交する方向に輪切りする複数個のリング状の切断表示線、で構成される。そして1組の切断表示線を、足趾患部の部位に応じて足趾患者自身がハサミで切取ることにより足趾パッドを作成する。そして筒状本体部の切り残された部分である指挿入部を患部に応じて一本の指に挿入して作成した足趾パッドを固定した後に、この筒状本体部の残余の部分である厚肉面(保護面)を患部に当ててカバーするようにして使用する。この様に足趾患者自身が自分の足趾患部に応じて選択した組の切断表示線に沿って切取ることで足趾パッドを作成し、切取った足趾パッドで患部の痛みを緩和することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の足趾パッド作成キット1個を準備すれば、足趾患者自身が自分の患部に応じてハサミで複数種類の異なる足趾パッド1個を作成でき、従来の様に各足趾患部専用の複数種の足趾パッドを準備する必要が無いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施例に係る足趾パッド作成キットの全体的な外観斜視図である。
図2】(A)は本発明の第1組の切断表示線(G1)だけを抽出した外観斜視図であり、(B)はこの第1組の切断表示線に沿って切断して作成した第1足趾パッドの外観斜視図である。
図3】(A)は本発明の第2組の切断表示線(G2)だけを抽出した外観斜視図であり、(B)はこの第2組の切断表示線に沿って切断して作成した第2足趾パッドの外観斜視図である。
図4】(A)は本発明のリング状の第3組の切断表示線(G3)だけを抽出した外観斜視図であり、(B)はこの第3組の切断表示線に沿って切断して作成した第3足趾パッドの外観斜視図である。
図5】本発明の第1足趾パッドを外反母趾部に装着した使用例図で足の甲側から見た外観図である。
図6】本発明の第1足趾パッドを種子骨痛部に装着した使用例図で足の裏面から見た外観図である。
図7】本発明の第1足趾パッドを内反小趾部に装着した使用例図で足の甲側から見た外観図である。
図8】本発明の第1足趾パッドを内反小趾部に装着した使用例図で足の裏面から見た外観図である。
図9】本発明の第2足趾パッドを第3足指に装着した使用例図で足の裏面から見た外観図である。
図10】本発明の第2足趾パッドを第3足指に装着した使用例図で足の裏から見た外観図である。
図11】本発明のリング状の第3足趾パッドをハンマートゥ部、指タコ部に装着した使用例図で足の甲側から見た外観図である。
図12】本発明の第3足趾パッドをハンマートゥ部、指タコ部に装着した使用例図で足の裏面から見た外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の足趾パッド作成キット(100)の全体的な外観斜視図である。この足趾パッド作成キット(100)は、足指に装着して使用する足趾パッドを足趾患者自身がDIY(Do-It-Yourself)感覚で作成する足趾パッド作成キットである。足趾患者はこの足趾パッド作成キットを一つ準備すれば、このキットには複数種類の異なる足趾パッドの形状が表示されており、その中の一つを選択して切取ることで一つの足趾パッドを作成することが可能である。この足趾パッド作成キットは一本の足指が挿入可能な内径を有する低反発素材又はシリコン素材を用いたチューブ状の筒状本体部(1)で構成されている。
【0014】
このチューブ状の筒状本体部は外筒軸芯に対し内筒軸芯が偏芯、すなわち少しずれているため、筒厚が厚肉に形成された厚肉面(3)と薄肉に形成された薄肉面(4)が形成されている。そしてこの厚肉面(保護面)(3)を足趾患部、例えば足趾のタコに当接させて痛みを軽減させる構成になっている。なお厚肉面(保護面)(3)は、筒状本体部(1)の略半分の領域に設けられている。
【0015】
そして軸芯に対してこの筒状本体部の外表面の厚肉面(保護面)(3)と対称位置の外表面部、つまり軸芯に対して反対側の外表面部には、例えばハサミ等で切断すべき箇所を示す第1組の切断表示線(G1)、第2組の切断表示線(G2)と、軸芯に対して直交する方向には輪切りすべき箇所を示すリング状の第3組の切断表示線(G3)とが表示されている。この第1組の切断表示線(G1)には第1足趾パッド(10)作成用に切断すべき箇所が示され、第2組の切断表示線(G2)には第2足趾パッド(20)作成用に切断すべき箇所が示され、そして第3組の切断表示線(G3)には第3足趾パッド(30)作成用に切断すべき箇所が各々示されている。なお図1ではチューブ状の筒状本体部(1)の指挿入部(2)の左端は貫通孔となっているが、塞がっている構成でもよい。
【0016】
足趾パッド作成キット(100)の筒状本体部(1)は、数値に限定されないが一例として、長さは10センチメートル程度で、厚肉面(保護面)(3)は厚さ10ミリメートル、薄肉面(4)は厚さ5ミリメートル程度が想定されている。低反発素材の厚肉面(保護面)(3)は、実際には体重で押し付けることとなるので厚みが圧縮され今まで使用している靴を問題なく使用できるように構成されている。また内径は20ミリメートル程度を想定されており、脱着出来るようにしている。これらの寸法は、男性、女性、親指、小指に応じて実験などのより適切な寸法に設定すればよい。更にまた足趾パッド作成キット(100)の筒状本体部(1)は、金型で抜くことにより製造したり、金型に材料を流し込むことにより製造してもよい。他の足趾パッド作成キット(100)の製造方法として、金型は使用せずに、上述のハサミ等で切断すべき箇所を示す第1組、第2組、第3組の各切断表示線(G1、G2、G3)を、筒状本体部(1)に貼付すべき切断表示線シートに印刷し、この印刷された切断表示線シートを筒状本体部(1)の表面に貼付してもよい。
【0017】
足趾パッド作成キット(100)は、スポンジ、シリコン、軟質ウレタンフォームのような低反発素材で構成されている。そのため柔軟性と弾力性を有し、ハサミで容易に切断可能であるため、足趾患者が自分で手軽に患部の位置に応じて、ハサミで容易に必要な形状に切取ることも可能である。それにより足の指に使用したり足裏に使用するなど、不特定の形に変化させてハサミで切取り、あらゆる部位に使用することが出来るようになっている。
【0018】
上記の厚肉面(保護面)(3)と薄肉部(4)とは、夫々が軸芯に対して対称位置になるように一体に形成されており、厚肉面(保護面)(3)は薄肉部(4)に向かって徐々に薄く形成されており、指挿入部(2)に指を挿入することにより、厚肉面(保護面)(3)が患部に当接し、薄肉部(4)が隣接する指に当接するようにしている。なお厚肉面(保護面)(3)は2重、3重にすることで更に厚くしてもよい。
【0019】
次に第1組の切断表示線(G1)、第2組の切断表示線(G2)、第3組の切断表示線(G3)の切断表示線について更に具体的に説明を行う。足趾パッド作成キット(100)から第1足趾パッド(10)を作成するための第1組の切断表示線(G1)は切断表示線L11、L12、L13の3本の切断表示線で構成され、第2足趾パッド(20)を作成するための第2組の切断表示線(G2)は切断表示線L21、L11の2本の切断表示線で構成され、そして第3足趾パッド(30)を作成するためのリング状の第3組(G3)は切断表示線L31、L32、L33の3本の切断表示線で構成されている。この各々の切断表示線についての特性については後述するが、1組の切断表示線をハサミ等で切断することにより1個の足趾パッドを作成することが出来る。なお各組の切断表示線は、他の組の切断表示線とは視覚判別可能な態様で表示されている。この「視覚判別可能な態様」とは、例えば第1組の切断表示線(G1)の切断表示線L11、L12、L13は実線で表示し、第2組の切断表示線(G2)の切断表示線L21、L11は一点鎖線点線、第3組(G3)の切断表示線L31、L32、L33は二点鎖線で表示されている。足趾患者はこの表示により切取るべき切断表示線を容易に識別可能となり、1個の足趾パッド作成キット(100)があれば、DIY感覚でこの例では3種の異なる足趾パッド、すなわち第1足趾パッド(10)、第2足趾パッド(20)、第3足趾パッド(30)の何れか1個の足趾パッドを作成することが可能となる。
【0020】
図2(A)は本発明の第1組の切断表示線(G1)だけを抽出した外観斜視図であり、(B)はこの第1組の切断表示線に沿って切断して作成した第1足趾パッド(10)の外観斜視図である。すなわち本発明の足趾パッド作成キット(100)の全体図は図1に示した通りではあるが、図2(A)は他の組との混同を避けるために便宜上、第1組の切断表示線(G1)のみを図示したものである。この第1組の切断表示線(G1)は(A)に図示するように、筒状本体部(1)の軸芯に対し直交方向に切断するとき形成される弧状の切断表示線(L11)と、この弧状の切断表示線の両端部の各々を起点として、前記筒状本体部の軸芯に対し平行方向に筒状本体部の一方の端部(図中右端)に至る2本の直線状の切断表示線(L12、L13)、の合計3本の切断表示線で構成されている。上記弧状の切断表示線(L11)は、略半円状でよく、また円筒状のまま残された指挿入部(2)は軸方向長として足指長と略同一でよい。なお(B)に図示する作成された第1足趾パッド(10)では、2本の直線状の切断表示線(L12、L13)により切断開口され、残された厚肉面(3)は患部に当接する保護面として機能する。また残された指挿入部(2)には指が挿入され、この第1足趾パッド(10)を固定するために機能する。なお図(A)に図示する弧状の切断表示線(L11)は、軸芯に対し直交方向に表示されているが、患部の位置に応じて傾斜して表示されてもよい。更にまた同図に図示する軸芯に対し平行方向に筒状本体部の一方の端部(図中右端)に至る2本の直線状の切断表示線(L12、L13)は、波状または傾斜して表示してもよい。
【0021】
図3(A)は本発明の第2組の切断表示線(G2)だけを抽出した外観斜視図であり、(B)はこの第2組の切断表示線に沿って切断して作成した第2足趾パッド(20)の外観斜視図である。すなわち本発明の足趾パッド作成キット(100)の全体図は図1に示した通りではあるが、図3(A)は他の組との混同を避けるために便宜上、第2組の切断表示線(G2)のみを図示したものである。この第2組の切断表示線(G2)は、筒状本体部(1)の軸芯に対し直交方向に切断するとき形成される弧状の切断表示線(L11)と、この弧状の表示線の中点を起点として、筒状本体部の軸芯に対し平行方向に筒状本体部の一方の端部に至る1本の直線状の切断表示線(L21)、合計2本の切断表示線で構成されている。上記弧状の切断表示線(L11)は、略半円状でよく、また円筒状のまま残された指挿入部(2)は軸方向長として足指長と略同一でよい。なお(B)に図示する作成された第2足趾パッド(20)では、1本の直線状の切断表示線(L21)により切断開口され、軸芯と平行に折り曲げて、厚肉面(3)は患部に当接する保護面として機能する。また残された指挿入部(2)には指が挿入され、この第2足趾パッド(20)を固定するために機能する。
【0022】
図4(A)は本発明のリング状の第3組の切断表示線(G3)だけを抽出した外観斜視図であり、(B)はこの第3組の切断表示線に沿って切断して作成した第3足趾パッド(30)の外観斜視図である。すなわち本発明の足趾パッド作成キット(100)の全体図は図1に示した通りではあるが、図4(A)は他の組との混同を避けるために便宜上、第3組の切断表示線(G3)のみを図示したものである。この第3組の切断表示線(G3)は、筒状本体部(1)の軸芯に直交する方向かつ足指長の間隔で、この筒状本体部を輪切りする複数本のリング状の表切断示線(L31、L32、L33)で構成されている。この例では3本のリング状の表切断示線で構成されている。なお(B)に図示する作成されたリング状の4個の第3足趾パッド(30)は、患部の足指に装着して使用される。
【0023】
次に第1足趾パッド(10)、第2足趾パッド(20)、第3足趾パッド(30)の各々について、その使用方法を説明する。まず第1足趾パッド(10)を外反母趾部に装着した使用例について図5を参照して説明する。図5は足の甲側から見た外観図である。このように使用することで、第1足趾パッド(10)の指挿入部(2)を親指に挿入し、保護面(3)が足の親指付け根にできた外反母趾に当接保護して外反母趾の痛みを緩和させることが出来るようになっている。
【0024】
次に、第1足趾パッド(10)を使用して種子骨痛部を保護する使用例について図6を参照して説明する。図6は足の裏面から見た外観図である。このように使用することで、第1足趾パッド(10)の指挿入部(2)を親指に挿入し、保護面(3)が足の親指付け根にできた種子骨痛部に当接保護して種子骨痛部の痛みを緩和させることが出来るようになっている。
【0025】
次に、第1足趾パッド(10)を使用して内反小趾部を保護する使用例について図7を参照して説明する。図7は足の甲側から見た外観図である。このように使用することで、第1足趾パッド(10)の指挿入部(2)を小指に挿入し、保護面(3)が足の小指付け根にできた内反小趾を保護して内反小趾の痛みを緩和させることが出来るようになっている。
【0026】
次に、第1足趾パッド(10)を使用して内反小趾部を保護する使用例について図8を参照して説明する。図8は足の裏面から見た外観図である。このように使用することで、第1足趾パッド(10)の指挿入部(2)を小指に挿入し、保護面(3)が足の小指付け根にできた内反小趾部を保護して、内反小趾部の痛みを緩和させることが出来るようになっている。
【0027】
次に、第2足趾パッド(20)を使用して足趾部を保護する使用例について図9及び図10を参照して説明する。図9は足の甲側から見た外観図であり、図10は足の裏から見た外観図である。このように使用することで、第2足趾パッド(20)の指挿入部(2)を足指に挿入し、保護面(3)が足の裏にできたタコを保護して足趾の痛みを緩和させることが出来るようになっている。
【0028】
次に、リング状の第3足趾パッド(30)を使用して足趾部を保護する使用例について図11及び図12を参照して説明する。図11は足の甲側から見た外観図であり、図12は足の裏から見た外観図である。このように使用することで、第3足趾パッドを挿入した足指又は隣接した足指を保護して足趾上面の痛みを緩和させることが出来るようになっている。
【0029】
なお上記実施例の第1から第3の足趾パッド(10)、(20)、および(30)は、いずれも厚肉面(保護面)(3)と薄肉部(4)とで構成されているが、同一の厚みで構成されていてもよい。又、その他の使用例として手の各指に保護素材として装着可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本願発明の1個の足趾パッド作成キット(100)を準備すれば、足趾患者自身が自分の患部に応じてハサミで複数種類の異なる形状の足趾パッド1個を作成でき、従来の様に各足趾患部専用の複数形状の足趾パッドを準備する必要が無いという利点を有する。
【符号の説明】
【0031】
100 足趾パッド作成キット
1 筒状本体部
2 指挿入部
3 厚肉面(保護面)
4 薄肉部
10 第1足趾パッド
20 第2足趾パッド
30 第3足趾パッド
G1 第1組の切断表示線
G2 第2組の切断表示線
G3 第3組の切断表示線
L11、L12、L13、L21、L31、L32、L33 切断表示線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
足趾パッド作成キット(100)の筒状本体部(1)は、数値に限定されないが一例として、長さは10センチメートル程度で、厚肉面(保護面)(3)は厚さ10ミリメートル、薄肉面(4)は厚さ5ミリメートル程度が想定されている。低反発素材の厚肉面(保護面)(3)は、実際には体重で押し付けることとなるので厚みが圧縮され今まで使用している靴を問題なく使用できるように構成されている。また内径は20ミリメートル程度を想定されており、脱着出来るようにしている。これらの寸法は、男性、女性、親指、小指に応じて実験などのより適切な寸法に設定すればよい。更にまた足趾パッド作成キット(100)の筒状本体部(1)は、金型で抜くことにより製造したり、金型に材料を流し込むことにより製造してもよい。他の足趾パッド作成キット(100)の製造方法として、金型は使用せずに、上述のハサミ等で切断すべき箇所を示す第1組、第2組、第3組の各切断表示線(G1、G2、G3)を、筒状本体部(1)に貼付すべき切断表示線シート(50)に印刷し、この印刷された切断表示線シート(50)を筒状本体部(1)の表面に貼付してもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
100 足趾パッド作成キット
1 筒状本体部
2 指挿入部
3 厚肉面(保護面)
4 薄肉部
10 第1足趾パッド
20 第2足趾パッド
30 第3足趾パッド
50 切断表示線シート
G1 第1組の切断表示線
G2 第2組の切断表示線
G3 第3組の切断表示線
L11、L12、L13、L21、L31、L32、L33 切断表示線
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項4】
前記第1足趾パッド(10)作成用の第1組の切断表示線(G1)に表示されている3本の切断表示線(L11、L12、L13)は、該3本の切断表示線に沿って筒状本体部(1)を切断することで第1足趾パッドを作成できるように表示され、
該弧状の切断表示線(L11)を切断することで形成した指挿入部(2)を足の親指に装着し、かつ2本の直線状の切断表示線(L12、L13)を切断開口して厚肉面(3)を足趾の外反母趾部または種子骨痛部に当接させて足趾患部を保護できるように、または指挿入部(2)を小指に装着し、かつ厚肉面(3)を足趾の内反小趾部に当接させて足趾患部を保護できるように、前記切断表示線(L11、L12、L13)が前記筒状本体部の薄肉面(4)に表示されており;
前記第2足趾パッド(20)作成用の第2組の切断表示線(G2)に表示されている2本の切断表示線(L11、L21)は、該2本の切断表示線に沿って筒状本体部(1)を切断することで第2足趾パッドを作成できるように表示され、
該弧状の切断表示線(L11)を切断することで形成した指挿入部(2)を何れかの足指に装着し、かつ1本の直線状の切断表示線(L21)を切断開口して厚肉面(3)を足裏のタコまたは魚の目に当接させて足趾患部を保護できるように、前記切断表示線(L11、L21)が前記筒状本体部の薄肉面(4)に表示されており;
前記第3足趾パッド(30)作成用の第3組の切断表示線(G3)に表示されている複数本のリング状の切断表示線(L31、L32、L33)は、該複数本の切断表示線に沿って筒状本体部(1)を切断することで第3足趾パッドを作成できるように表示され、
該弧状の切断表示線(L31、L32、L33)を切断することで形成した指挿入部(2)を痛みのある何れかの足指に装着し、厚肉面(3)を足指のハンマートウまたは指タコ部に当接させて足趾患部を保護できるように、前記切断表示線(L31、L32、L33)が前記筒状本体部(1)にリング状に表示されていることを特徴とする請求項記載の足趾パッド作成キット(100)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記第1組、第2組、そして第3組の切断表示線(G1、G2、G3)の各切断表示線は、金型を用いて筒状本体部(1)と一体成型により構成するか、または該第1組、第2組、そして第3組の切断表示線(G1、G2、G3)の各切断表示線を予め印刷表示した切断表示線シート(50)を筒状本体部(1)の表面に貼付することで構成することを特徴とする請求項1記載の足趾パッド作成キット(100)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
足指に装着して使用する足趾パッドをDIY(Do-It-Yourself)感覚で作成する足趾パッド作成キット(100)に用いる切断表示線シート(50)において、
足趾パッド作成キット(100)は、1本の足指が挿入可能な内径を有する低反発素材又はシリコン素材を用いた筒状本体部(1)と、該筒状本体部(1)表面に貼付して使用する切断表示線シート(50)とで構成されており、
該切断表示線シート(50)の表面には、第1足趾パッド(10)作成用に切断すべき箇所を示す第1組の切断表示線(G1)と、第2足趾パッド(20)作成用の第2組の切断表示線(G2)と、そして第3足趾パッド(30)作成用に軸芯に対して直交する方向に輪切りすべき箇所を示すリング状の第3組の切断表示線(G3)とを含む複数組の切断表示線が印刷されており、該切断表示線シート(50)を前記筒状本体部(1)の表面に貼付した後に、該切断表示線シート(50)上に印刷された前記第1組、第2組、第3組の各切断表示線(G1、G2、G3)の何れか1組の切断表示線に沿って、該切断表示線シート(50)が貼付された前記筒状本体部(1)をハサミ等で切断することにより、1つの筒状本体部(1)から1つの足趾パッドを作成できるように構成されたことを特徴とする切断表示線シート(50)。