(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011465
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】吊下げ金具
(51)【国際特許分類】
F16B 1/00 20060101AFI20220107BHJP
E04B 9/18 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
F16B1/00 A
E04B9/18 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020112623
(22)【出願日】2020-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-01-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 本願発明に係る「吊下げ金具」を公開した情報 1.発行者名:株式会社昭和コーポレーション 刊行物名:2020-2021 PIPE SUPPORTS & HANGERS CATALOGUE 配管支持金具カタログVOL.13第7頁及び第146頁~第147頁 発行年月日:2020年3月30日 2.掲載年月日:2020年5月29日 掲載アドレス:https://www.showa-cp.jp/drawing/keep/
(71)【出願人】
【識別番号】391039302
【氏名又は名称】株式会社昭和コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】堀越 信一
(72)【発明者】
【氏名】中原 啓忠
(72)【発明者】
【氏名】津久井 慎
(72)【発明者】
【氏名】本郷 善悟
(57)【要約】
【課題】 垂下又は斜め吊りされる吊部材を角度自在に取り付ける吊下げ金具を提供することにある。
【解決手段】 吊下げ金具10は、被取付対象90に当接する上部品20と、吊部材80を取り付ける
下部品30と、直交する2つの連結軸(支軸)50,60を有してそれぞれの連結軸で上部品20及び下部品40と連結する中部品30と、を備える。上部品20には下部品40の可動範囲を規制するための上部品側第1規制部として端部25を形成している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂下又は斜め吊りされる吊部材を角度自在に取り付ける吊下げ金具であって、
被取付対象に当接する基体部及び基体部から相対して垂下する一対の支持片を有する上部品と、吊部材を取り付ける下部材と、直交する2組の支軸構造を有してそれぞれの支軸構造で上部品及び下部品と連結する中部品と、を備えることを特徴とした吊下げ金具。
【請求項2】
上部品には、中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための上部品側規制部を有することを特徴とした請求項1記載の吊下げ金具。
【請求項3】
上部品側規制部は、上部品の支持片の端部であることを特徴とした請求項2記載の吊下げ金具。
【請求項4】
上部品側規制部は、左右いずれか一方又は双方を延伸させる支持片の端部であることを特徴とした請求項3記載の吊下げ金具。
【請求項5】
上部品側規制部は、回動により中部品と当接する支持片の突起部、又は/及び、回動により下部品と当接する支持片の突起部であることを特徴とした請求項2記載の吊下げ金具。
【請求項6】
被取付対象に当接する上部品の基体部を延伸させた延伸部に被取付対象との固定のための固定孔を設けることを特徴とした請求項1から5のいずれかに記載の吊下げ金具。
【請求項7】
中部品は2組の支軸構造を軸支するために相対する一対の支持片2組を設けることを特徴とした請求項1から6のいずれかに記載の吊下げ金具。
【請求項8】
中部品は支持片2組を基体部に対して上下別々の方向に設けることを特徴とした請求項7記載の吊下げ金具。
【請求項9】
中部品には、中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための中部品側規制部を有することを特徴とした請求項1から8のいずれかに記載の吊下げ金具。
【請求項10】
中部品側規制部は、回動により上部品の基体部と当接する支持片の端部、又は/及び、回動により下部品の基体部と当接する支持片の端部であることを特徴とした請求項9記載の吊下げ金具。
【請求項11】
中部品側規制部は、回動により上部品と当接する支持片の突起部、又は/及び、回動により下部品と当接する支持片の突起部であることを特徴とした請求項9記載の吊下げ金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、垂下又は斜め吊りされる吊部材を角度自在に取り付けるための吊下げ金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
垂下される吊部材を駆体等の被取付対象に取り付ける吊下げ金具としては、特許文献1及び特許文献2に開示されたものがある。
【0003】
特許文献1は、吊り金具1が、上吊支体11と下吊支体21とを備えて、各吊支体は、金属板を1枚の本体部12(22)と2枚の側板部13,13(23,23)とからなる断面コ字状に曲げ形成される。そして、互いに相手側に向かって開口し且つ相対回動可能となるように両者11,21の重なり合う側板部13,23を各々ピン10を介して連結する。上側の本体部12には取付け穴14が貫通する一方、下側の本体部22には貫通穴24を形成する。下側の本体部22の内面には六角ナット3を配置する。下吊支体21には、複数の横抜け規制片27と少なくとも1つの上抜け規制片26とを形成するものである。
【0004】
特許文献2は、帯状金属板をプレス加工によって側面開口一体のボックス状にして天壁を湾曲してその交差方向に長孔を有する金具本体と、その底壁に固定した固定ナット2と、長孔の縁部に回転支持部を対接して金具本体を支持する支持ボルト3を備えて、支持ボルト3を吊支持用ナット8に螺装し、固定ナット2に吊ボルト4を螺装する。金具本体は支持ボルト3に回転可能であり、また金具本体と支持ボルト3は長孔の範囲で相対位置可変であるから、支持ボルト3の吊角度を360度自在とすることができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-180607号公報
【特許文献2】特開2011-017357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示の吊下げ金具には、次のような課題があった。
(1)吊部材に必要な任意の取付角度を規制することができない。
(2)上吊支体と下吊支体とが枢着部材を介して連結されているだけなので、垂下される吊部材を水平方向360度にわたり角度自在に取り付けることはできない(一方方向しか可動できない)。
【0007】
一方、上記特許文献2に開示の吊下げ金具は、上記特許文献1の課題(2)を解消し、可動範囲が広がったが、次のような課題が残っている。
(1)可動部(支持ボルト3)に取り付け後の遊び(ガタツキ)があるため、振れ止めとしての機能が低下する(例えば、ブレースとして変位しやすく、変位を許してしまう)。また、遊びがあるため、吊部材を取り付ける時に「共回り」してしまう。
(2)機器類の振動が伝わり、本部材に音が発生する。
(3)電動工具を使って施工しにくい。
(4)吊部材に必要な任意の取付角度を規制することができない。
【0008】
そこで、本願出願人は、上記課題のあった特許文献1及び2に開示の吊下げ金具のような従来の吊下げ金具と異なる新規な吊下げ金具を提供すべく鋭意試験・研究を行い、本願発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の第1の発明は、垂下又は斜め吊りされる吊部材を角度自在に取り付ける吊下げ金具であって、被取付対象に当接する基体部及び基体部から相対して垂下する一対の支持片を有する上部品と、吊部材を取り付ける下部材と、直交する2組の支軸構造を有してそれぞれの支軸構造で上部品及び下部品と連結する中部品と、を備えることを特徴としたものである。
第2の発明は、上部品には、中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための上部品側規制部を有することを特徴とした同吊下げ金具である。
第3の発明は、上部品側規制部が、上部品の支持片の端部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
第4の発明は、上部品側規制部が、左右いずれか一方又は双方を延伸させる支持片の端部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
第5の発明は、上部品側規制部が、回動により中部品と当接する支持片の突起部、又は/及び、回動により下部品と当接する支持片の突起部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
第6の発明は、被取付対象に当接する上部品の基体部を延伸させた延伸部に被取付対象との固定のための固定孔を設けることを特徴とした同吊下げ金具である。
第7の発明は、中部品が2組の支軸構造を軸支するために相対する一対の支持片2組を設けることを特徴とした同吊下げ金具である。
第8の発明は、中部品が支持片2組を基体部に対して上下別々の方向に設けることを特徴とした同吊下げ金具である。
第9の発明は、中部品には、中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための中部品側規制部を有することを特徴とした同吊下げ金具である。
第10の発明は、中部品側規制部が、回動により上部品の基体部と当接する支持片の端部、又は/及び、回動により下部品の基体部と当接する支持片の端部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
第11の発明は、中部品側規制部が、回動により上部品と当接する支持片の突起部、又は/及び、回動により下部品と当接する支持片の突起部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
【発明の効果】
【0010】
上記した本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)本願発明に係る吊下げ金具は、中部品が直交する2組の支軸構造を有してそれぞれの支軸構造で上部品及び下部品と連結しているので、吊部材を水平方向360度にわたり角度自在に取り付けることができる。
(2)また、上部品に中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための上部品側規制部を有しているので、垂下される吊部材を所定の範囲内で角度自在に取り付けることができる。
(3)さらに、被取付対象に当接する上部品の基体部を延伸させた延伸部に被取付対象との固定のための固定孔を設けることで、電動工具を使用して吊下げ金具を被取付対象に取り付けることができる。
(4)なお、中部品が支持片2組を基体部に対して上下別々の方向に設けることで、吊下げ金具をコンパクトなサイズにできる。
(5)本願発明に係る吊下げ金具は、中部品に中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための中部品側規制部を有しているので、垂下される吊部材を所定の範囲内で角度自在に取り付けることができる。
(6)また、本願発明に係る吊下げ金具には遊嵌(遊び)を極力なくしているので、「ガタツキ」やそれに伴う「音」が発生しにくい。また、吊部材を取り付ける時の「共回り」も発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願発明の第1実施形態を示す説明図(全体図)。
【
図2】本願発明の第1実施形態を示す説明図(使用状態:その1)。
【
図3】本願発明の第1実施形態を示す説明図(使用状態:その2)。
【
図4】本願発明の第1実施形態を示す説明図(使用状態:その3)。
【
図5】本願発明の第1実施形態を示す説明図(上部品:その1)。
【
図6】本願発明の第1実施形態を示す説明図(上部品:その2)。
【
図7-1】本願発明の第1実施形態を示す説明図(上部品:その3)。
【
図7-2】本願発明の第1実施形態を示す説明図(上部品:その4)。
【
図8】本願発明の第1実施形態を示す説明図(中部品:その1)。
【
図9】本願発明の第1実施形態を示す説明図(中部品:その2)。
【
図10】本願発明の第1実施形態を示す説明図(下部品)。
【
図11】本願発明の第2実施形態を示す説明図(全体図)。
【
図12】本願発明の第2実施形態を示す説明図(使用状態:その1)。
【
図13】本願発明の第2実施形態を示す説明図(使用状態:その2)。
【
図14】本願発明の第2実施形態を示す説明図(使用状態:その3)。
【
図15】本願発明の第2実施形態を示す説明図(使用状態:その4)。
【
図16】本願発明のその他の実施形態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願発明の実施形態(一例)を図面に基づいて説明する。なお、図示された実施形態は本願発明の一例で有り、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
図1は、第1実施形態に係る吊下げ金具10を示す全体図である。
吊下げ金具10は、いずれも縦断面がコ字形の形状の上部品20,中部品30,下部品40を連結してなるものである。
その連結は、中部品30に直交する2組の支軸構造を有して、それぞれの連結軸50,60で上部品20及び下部品40と連結するようになっている。なお、連結軸50,60は重なり合う一対の支持片どうしをそれぞれ連結する構造で回動自在に軸支してもよい。
また、コ字形の部材が重なり合っているので、上部品20,中部品30,下部品40の変形に対しては全体的に強度アップとなっている。
【0014】
図2は、吊下げ金具10の使用状態(その1)を図示したものである。
吊下げ金具10は、天井スラブや駆体などの被取付対象90に取り付けられて使用される。吊下げ金具10は直交する2つの連結軸50,60を有しているので、
図2(a)に図示するように連結軸60で前後に、そして、
図2(b)に図示するように連結軸50で左右に可動する。従って、結果的に水平方向360度可動範囲があり、吊部材80を角度自在に取り付けることが可能になる。
【0015】
図3は、吊下げ金具10の使用状態(その2)を図示したものである。
図示するように、連結軸50によって中部品30を左側へ回動させた場合に、連結軸60による下部品40の回動に規制はない。また、下部品40を上部品20の支持片24の端部25と接触しない状態で右側へ回動させた場合にも同様に規制はない。しかし、
図3のように中部品30を右側へ回動させた場合に、連結軸60による下部品40の回動が上部品20によって規制される(下部品40を回動しようとしても上部品20と接触して回動できなくなる)。
【0016】
すなわち、上部品20は、下部品40と中部品30とを連結する連結軸60の配設方向の一方へ延伸する延伸部23を形成し、その延伸部23の垂下する支持片24の端部25(詳しくは端面26又はエッジ27)と下部品40が接触することで、端部25が上部品側第1規制部となり、下部品40の可動範囲を規制できる。
【0017】
図4は、吊下げ金具10の使用状態(その3)を図示したものである。
図示するように、吊下げ金具10は、被取付対象90に当接する上部品20の延伸部23の基体部21に被取付対象90との固定のための固定孔22を形成したので、電動工具70を使用して吊下げ金具10を被取付対象90に固定できる。
【0018】
図5は、上部品20の構造を説明したものである。
まず、上部品20の連結軸50の位置から端部25を有する右側端部までの長さを「A」とする。
次に、中部品30の連結軸50を軸支するための支持片31の折曲部32から軸孔33までの長さを「B」とする。
そして、
図5下左図に図示するように、A>Bの場合に、端部25は下部品40と接触し、上部品側第1規制部になる。
一方で、
図5下右図に図示するように、A<Bの場合に、端部25は下部品40と接触し得ないので、上部品側第1規制部にならない。
従って、吊下げ金具10において上部品側第1規制部を有するためには、A>Bである必要がある。そして、それにより、吊下げ金具10をコンパクトにできる。
【0019】
図6は、上部品20のその他の実施形態(端部25のバリエーション)を図示したものである。
(1)は、端部25bを凸形に湾曲させたものである。中部品30が連結軸50により回動するので、その回動の軌跡に合致した湾曲形状に端部25を形成すれば、中部品30の回動が安定する。
(2)は、端部25cを凹形に湾曲させたものである。
(3)は、端部25dを矩形状に大きく切り欠いたものである。
【0020】
図7-1は、上部品20のその他の実施形態(2箇所の固定孔22のバリエーション)を図示したものである。
図1乃至
図6で図示した上部品20は、固定孔22を1つのみ形成したものであるが(シングルタイプ)、
図7-1に図示する上部品20eは、固定孔22eを左右に2つ形成したものである(ダブルタイプ)。このようにダブルタイプにすることで、被取付対象90に対する吊下げ金具10の固定がより確実なものとなる。
そして、この場合に、それぞれの固定孔22e,22eに対応した端部25e,25eを形成し、左右に上部品側第1規制部を有することができる。
【0021】
図7-2は、上部品20のその他の実施形態(支持片24のバリエーション)を図示したものである。
図示する上部品20fは、
図7-1に図示する支持片と同じく左右に上部品側第1規制部(端部25f、25f)を有するものであるが、基体部21の両端から垂下して支持片を構成するものではなく、基体部21fの両端以外の部分から垂下して一対の支持片24f,24fを構成している。
【0022】
図8は、中部品30の構造を説明したものである。
図示するように、中部品30は、略十字形に形成された板材を向かい合う片ごとに上下に分けて折り曲げることで形成されている。そして、基体部39に対して上側に折り曲げられた支持片31,31は軸孔33,33で連結軸50を軸支している。また、下側に折り曲げられた支持片35,35は軸孔37,37で連結軸60を軸支している。このように、極めてシンプルな構造で、中部品30は直交する2つの連結軸50,60を軸支できている。
【0023】
図9は、中部品30のその他の実施形態を図示したものである。
(1)は、
図8と異なり、基体部39に対して上下同じ側に一対の支持片2組(支持片31b,31b,35b,35b)を設けた中部品30bである。なお、連結軸50,60が干渉しないように支持片の長さは変えている。しかし、連結軸50,60が重なり合う一対の支持片どうしをそれぞれ連結する構造では同じ長さでも構わない。
(2)は、中空の直方体で形成された中部品30cである。
(3)は、中空の円柱体で形成された中部品30dである。
【0024】
図10は、下部品40の構造を説明したものである。
図示するように、下部品40は、略コ字形をしており、連結軸60によって中部品30に連結されている。
下部品40には、連結軸60用の軸孔43,43の他に、吊部材80を取り付けるための取付孔44と、吊部材80(図示省略)を螺合するナット45とを基体部49に有している。ここで、吊部材80の上部先端が連結軸60に当たるまでナット45と吊部材80を螺合させることにより位置調整ができ、吊部材80のナット45からの突出長さを設定するには、少なくとも連結軸60又は下部品40の基体部49の位置調整により、任意の長さで実施することができる。
なお、吊部材80を螺合するためのナット45は溶接されていなくてもよい。また、吊部材80を取り付けることができれば、バーリングタップ加工などで代替できて、ナット45に限るものでもない。
【0025】
図11は、第2実施形態に係る吊下げ金具100を示す全体図である。
第2実施形態では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
吊下げ金具100は、いずれも縦断面がコ字形の形状の上部品200,中部品300,下部品400を連結してなるものである。
その連結は、中部品300に直交する2組の支軸構造を有して、それぞれの連結軸500,600で上部品200及び下部品400と連結するようになっている。
【0026】
そして、
図11に図示する上部品200は、上部品側第1規制部及び上部品側第2規制部を有している。また、同じく図示する中部品300も、中部品側第1規制部及び中部品側第2規制部を有している。
【0027】
まず、上部品200の上部品側第1規制部は、
図12に図示するように、上部品200の支持片240の円弧状に形成された端部250(端面260又はエッジ270)と下部品400が接触することで、端部250が上部品側第1規制部となっている。
【0028】
次に、上部品200の上部品側第2規制部は、
図13に図示するように、上部品200の支持片240の突起部280(端面又はエッジ)と中部品300(の基体部390)とが接触することで、突起部280が上部品側第2規制部となっている。
【0029】
また、中部品300の中部品側第1規制部は、
図14に図示するように、中部品300の上側の支持片310に形成された端部311(端面312)と上部品200(の基体部210)が接触することで、端部311が中部品側第1規制部となっている。この端部は下側の支持片350にも形成することで、下部品400との中部品側規制部にもできる。
【0030】
更に、中部品300の中部品側第2規制部は、
図15に図示するように、中部品300の下側の支持片350の突起部380(端面又はエッジ)と下部品400(の基体部490)とが接触することで、突起部380が中部品側第2規制部となっている。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本願発明は、垂下される吊部材を角度自在に取り付ける吊下げ金具としてに幅広く利用できるものである。
また、
図16に図示するように、天井スラブや側壁などの駆体を被取付対象90として斜め吊りされる吊部材80を角度自在に取り付ける吊下げ金具10(100)としても幅広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0032】
(第1実施形態)
10 吊下げ金具
20 上部品
21 基体部
22 固定孔(ボルト孔)
23 延伸部
24 支持片
25 端部
26 端面
27 エッジ(角部)
30 中部品
31 支持片(上側)
32 折曲部
33 軸孔
35 支持片(下側)
37 軸孔
39 基体部
40 下部品
43 軸孔
44 取付孔
45 ナット
49 基体部
50 連結軸
60 連結軸
70 電動工具
80 吊部材
90 被取付対象
【手続補正書】
【提出日】2020-09-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂下又は斜め吊りされる吊部材を角度自在に取り付ける吊下げ金具であって、
被取付対象に当接する基体部及び基体部から相対して垂下する一対の支持片を有する上部品と、吊部材を取り付ける下部品と、直交する2組の支軸構造を有してそれぞれの支軸構造で上部品及び下部品と連結する中部品と、を備え、
上部品には、中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための上部品側規制部を有することを特徴とした吊下げ金具。
【請求項2】
上部品側規制部は、上部品の支持片の端部であることを特徴とした請求項1記載の吊下げ金具。
【請求項3】
上部品側規制部は、左右いずれか一方又は双方を延伸させる支持片の端部であることを特徴とした請求項2記載の吊下げ金具。
【請求項4】
上部品側規制部は、回動により中部品と当接する支持片の突起部、又は/及び、回動により下部品と当接する支持片の突起部であることを特徴とした請求項1記載の吊下げ金具。
【請求項5】
被取付対象に当接する上部品の基体部を延伸させた延伸部に被取付対象との固定のための固定孔を設けることを特徴とした請求項1から4のいずれかに記載の吊下げ金具。
【請求項6】
中部品は2組の支軸構造を軸支するために相対する一対の支持片2組を設けることを特徴とした請求項1から5のいずれかに記載の吊下げ金具。
【請求項7】
中部品は支持片2組を基体部に対して上下別々の方向に設けることを特徴とした請求項6記載の吊下げ金具。
【請求項8】
中部品には、中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための中部品側規制部を有することを特徴とした請求項1から7のいずれかに記載の吊下げ金具。
【請求項9】
中部品側規制部は、回動により上部品の基体部と当接する支持片の端部、又は/及び、回動により下部品の基体部と当接する支持片の端部であることを特徴とした請求項8記載の吊下げ金具。
【請求項10】
中部品側規制部は、回動により上部品と当接する支持片の突起部、又は/及び、回動により下部品と当接する支持片の突起部であることを特徴とした請求項8記載の吊下げ金具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本願発明の第1の発明は、垂下又は斜め吊りされる吊部材を角度自在に取り付ける吊下げ金具であって、被取付対象に当接する基体部及び基体部から相対して垂下する一対の支持片を有する上部品と、吊部材を取り付ける下部品と、直交する2組の支軸構造を有してそれぞれの支軸構造で上部品及び下部品と連結する中部品と、を備えることを特徴としたものである。
第2の発明は、上部品には、中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための上部品側規制部を有することを特徴とした同吊下げ金具である。
第3の発明は、上部品側規制部が、上部品の支持片の端部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
第4の発明は、上部品側規制部が、左右いずれか一方又は双方を延伸させる支持片の端部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
第5の発明は、上部品側規制部が、回動により中部品と当接する支持片の突起部、又は/及び、回動により下部品と当接する支持片の突起部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
第6の発明は、被取付対象に当接する上部品の基体部を延伸させた延伸部に被取付対象との固定のための固定孔を設けることを特徴とした同吊下げ金具である。
第7の発明は、中部品が2組の支軸構造を軸支するために相対する一対の支持片2組を設けることを特徴とした同吊下げ金具である。
第8の発明は、中部品が支持片2組を基体部に対して上下別々の方向に設けることを特徴とした同吊下げ金具である。
第9の発明は、中部品には、中部品又は/及び下部品の可動範囲を規制するための中部品側規制部を有することを特徴とした同吊下げ金具である。
第10の発明は、中部品側規制部が、回動により上部品の基体部と当接する支持片の端部、又は/及び、回動により下部品の基体部と当接する支持片の端部であることを特徴とした同吊下げ金具である。
第11の発明は、中部品側規制部が、回動により上部品と当接する支持片の突起部、又は/及び、回動により下部品と当接する支持片の突起部であることを特徴とした同吊下げ金具である。