(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114721
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】情報提供システム及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/903 20190101AFI20220801BHJP
G06F 16/907 20190101ALI20220801BHJP
【FI】
G06F16/903
G06F16/907
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011128
(22)【出願日】2021-01-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】510050557
【氏名又は名称】株式会社 情報システムエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】黒田 聡
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB03
5B175GA03
5B175GA04
5B175GB04
(57)【要約】
【課題】文書を検索するにあたり、他の文書との関連性をもって文書の重要度を判定し検索対象文書のインデックス登録を取捨選択することなくインデックスの肥大化を大幅に抑制でき、検索処理を優れたパフォーマンスで行うことができる情報提供システムを提供する。
【解決手段】情報提供システム100Aは、ユーザ端末2に情報としての検索キーを取得するための検索キー取得部11と、検索キーから対象情報を特定するための対象情報特定部12と、文書における目次を含む文書構造と目次項目に対するキーワードとのデータセットを文書パターンの数だけ用意し、文書パターン毎に作成されたインデックスを用い、検索キーから得られたキーワードに基づいて検索処理を行う検索処理部13と、対象情報と検索処理結果との組み合わせによって得られた検索結果を出力する検索結果出力部14と、検索結果とリンクするリンクリストから選択的に文書の実データを出力可能な文書出力部15とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末から取得した情報に基づき、文書の検索を行う情報提供システムであって、
前記ユーザ端末に前記情報としての検索キーを取得するための検索キー取得手段と、
前記検索キー取得手段から取得された検索キーから対象情報を特定するための対象情報特定手段と、
文書における目次を含む文書構造と目次項目に対するキーワードとのデータセットを文書パターンの数だけ用意し、文書パターン毎に作成されたインデックスを用い、前記検索キー取得手段から取得された検索キーから得られたキーワードに基づいて検索処理を行う検索処理手段と、
前記対象情報特定手段で特定された対象情報と、前記検索処理手段による検索処理結果と、の組み合わせによって得られた検索結果を出力する検索結果出力手段と、
前記検索結果出力手段で出力された検索結果とリンクするリンクリストから選択的に文書の実データを出力可能な文書出力手段と、を備えること
を特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記検索キー取得手段から前記ユーザ端末に取得される検索キーは、少なくとも、文字情報取得方式、音声情報取得方式、及び画像情報取得方式のうち、何れか、或いはこれらの複合の取得方式で取得されること
を特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記検索結果出力手段によって出力された検索結果で必要な文書が選択されたか否かの選択結果を記録するための選択結果記録手段を更に備え、
前記選択結果記録手段に記録された選択結果を、前記検索処理手段にフィードバックすること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報提供システム。
【請求項4】
検索キーの類義語を検索処理過程で含むための類義語解析手段を、前記検索処理手段に接続して、更に備えること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報提供システム。
【請求項5】
検索キーの類義語を検索処理過程で含むための類義語解析手段を、前記検索キー取得手段に接続して、更に備えること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記文書出力手段によって出力可能な文書の実データは、文書テキストのみでなく、文書テキストに、イラスト、画像データ、動画データ及び音声データのうち、少なくとも何れか一が添付又はリンクされているコンテンツも含むこと
を特徴とする請求項1~5の何れか1項記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記対象情報特定手段に接続され、対象情報のリストが記憶された対象情報特定用データベースと、
前記検索処理手段に接続され、インデックスが記憶された検索処理用データベースと、
前記検索結果出力手段に接続され、検索結果とリンクするリンクリストが記憶された検索結果出力用データベースと、を更に備えること
を特徴とする請求項1~6の何れか1項記載の情報提供システム。
【請求項8】
前記文書出力手段から出力可能な文書の実データは、通信網を介して接続されたストレージに記憶されていること
を特徴とする請求項1~7の何れか1項記載の情報提供システム。
【請求項9】
ユーザ端末から取得した情報に基づき、文書の検索を行う情報提供方法であって、
前記ユーザ端末に前記情報としての検索キーを取得する検索キー取得工程と、
前記検索キー取得工程で取得された検索キーから対象情報を特定する対象情報特定工程と、
文書における目次を含む文書構造と目次項目に対するキーワードとのデータセットを文書パターンの数だけ用意し、文書パターン毎に作成されたインデックスを用い、前記検索キー取得工程で取得された検索キーから得られたキーワードに基づいて検索処理を行う検索処理工程と、
前記対象情報特定工程で特定された対象情報と、前記検索処理工程による検索処理結果と、の組み合わせによって得られた検索結果を出力する検索結果出力工程と、
前記検索結果出力工程で出力された検索結果とリンクするリンクリストから選択した文書の実データを出力する文書出力工程と、を備えること
を特徴とする情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システム及び情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、インターネット上に存在する情報を検索するためには、Google(登録商標)やYahoo!(登録商標)をはじめとした情報提供システムが利用されている。これらの情報提供システムは、ユーザ端末から入力して取得された単語等の取得情報に基づいて、検索対象となる文書等の情報を、全文検索で抽出する全文検索方式である。
【0003】
このような全文検索方式の情報提供システムでは、単純に大量の文書等を対象にした全文検索を行うことでは現実的な性能が得られないので、検索処理を高速に実行するために、検索するためのインデックスを事前に作成しておく全文検索方式が広く用いられている。インデックスとは、単語または文節などの部分文字列を、その部分文字列が出現する文書に対応付けるデータ構造のことである。インデックスに格納させる部分文字列は、所謂見出し語であり、通常、インデックスには文書そのものではなく、文書IDのような形で文書を特定する情報だけが記録される。
【0004】
例えば、特許文献1には、インデックスを用いて検索を行う検索装置が開示されている。この特許文献1に開示された検索装置では、見出し語とその見出し語を含む文書との対応関係を記憶するインデックスと、インデックス管理手段と、文書検索手段とを備えている。そして、インデックス管理手段は、検索対象文書集合への第1の文書の登録時、第1の文書に含まれる語のうち、インデックスに既に見出し語として登録されている語については、第1の文書の見出し語としてインデックスに登録し、検索インデックスに見出し語として未だ登録されていない語については、第1の文書を引用する別の第2の文書について検索対象文書集合への登録要求があった時点で第1の文書の見出し語としてインデックスに登録する。そのうえで、文書検索手段は、検索要求時、インデックスから検索キーワードに一致する見出し語を含む文書を検索する。
【0005】
このような構成なので、特許文献1に開示された検索装置では、他の文書から引用されないような重要でない文書のみに現れる語は見出し語としてインデックスに登録しないという簡便な処理により、重要でない文書によってインデックスが肥大化することの防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この特許文献1に開示された従来技術は、検索対象文書集合に登録しようとする文書に含まれる語が検索インデックスに登録されておらず、かつ、他の文書からも引用されない場合、検索インデックスには登録されず、当該文書は検索不可になる。
【0008】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、文書を検索するにあたり、他の文書との関連性をもって文書の重要度を判定し検索対象文書のインデックス登録を取捨選択することなくインデックスの肥大化を大幅に抑制でき、検索処理を優れたパフォーマンスで行うことができる情報提供システム、及び情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る情報提供システムは、ユーザ端末から取得した情報に基づき、文書の検索を行う情報提供システムであって、前記ユーザ端末に前記情報としての検索キーを取得するための検索キー取得手段と、前記検索キー取得手段から取得された検索キーから対象情報を特定するための対象情報特定手段と、文書における目次を含む文書構造と目次項目に対するキーワードとのデータセットを文書パターンの数だけ用意し、文書パターン毎に作成されたインデックスを用い、前記検索キー取得手段から取得された検索キーから得られたキーワードに基づいて検索処理を行う検索処理手段と、前記対象情報特定手段で特定された対象情報と、前記検索処理手段による検索処理結果と、の組み合わせによって得られた検索結果を出力する検索結果出力手段と、前記検索結果出力手段で出力された検索結果とリンクするリンクリストから選択的に文書の実データを出力可能な文書出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る情報提供方法は、ユーザ端末から取得した情報に基づき、文書の検索を行う情報提供方法であって、前記ユーザ端末に前記情報としての検索キーを取得する検索キー取得工程と、前記検索キー取得工程で取得された検索キーから対象情報を特定する対象情報特定工程と、文書における目次を含む文書構造と目次項目に対するキーワードとのデータセットを文書パターンの数だけ用意し、文書パターン毎に作成されたインデックスを用い、前記検索キー取得工程で取得された検索キーから得られたキーワードに基づいて検索処理を行う検索処理工程と、前記対象情報特定工程で特定された対象情報と、前記検索処理工程による検索処理結果と、の組み合わせによって得られた検索結果を出力する検索結果出力工程と、前記検索結果出力工程で出力された検索結果とリンクするリンクリストから選択した文書の実データを出力する文書出力工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、文書を検索するにあたり、他の文書との関連性をもって文書の重要度を判定し検索対象文書のインデックス登録を取捨選択することなくインデックスの肥大化を大幅に抑制でき、検索処理を優れたパフォーマンスで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る情報提供システム全体の概略構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る情報提供システムにおける情報提供装置の構成の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る情報提供システムの構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る情報提供方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る情報提供システムの構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態に係る情報提供システムの構成を示す模式図である。
【
図7】
図7は、第4実施形態に係る情報提供システムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
[第1実施形態]
先ず、
図1~
図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る情報提供システム100Aについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報提供システム100A全体の概略構成を示す模式図である。
【0015】
(情報提供システム100Aの構成)
本発明の第1実施形態に係る情報提供システム100Aは、
図1に示すように、一例として、計測器Xを使用する技術者等のユーザUに利用される場合について説明する。情報提供システム100Aは、例えば、ユーザUが検索を行うことにより、計装機器Xのマニュアル等の文書をユーザUに提供できる。これにより、ユーザUは、計装機器Xのマニュアル等の文書を参照することができる。
【0016】
図1に示すように、情報提供システム100Aは、情報提供装置1を備える。情報提供装置1は、インターネット等の通信網Nを介してユーザ端末2及びサーバSと接続されている。
【0017】
<情報提供装置1>
図2は、情報提供装置1の構成の一例を示す模式図である。情報提供装置1は、筐体10と、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、保存部104と、I/F105~107とを備える。各構成101~107は、内部バス110により接続されるパーソナルコンピュータ(PC)であり、ユーザUが利用するユーザ端末2側へ通信網Nを介してサービスを提供するホストコンピュータである。
【0018】
CPU101は、情報提供装置1全体を制御する。ROM102は、CPU101の動作コードを格納する。RAM103は、CPU101の動作時に使用される作業領域である。保存部104は、後述する、対象情報特定用データベース16、検索処理用データベース17、及び検索結果出力用データベース18等の各種情報が保存される(
図3を参照)。保存部104としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)のほか、SSD(solid state drive)等が用いられる。
【0019】
I/F105は、通信網Nを介してユーザ端末2等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F106は、入力部108との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部108としては、例えばキーボードが用いられ、情報提供システム100Aによるサービスを提供するホスト側は、入力部108を介して、情報提供装置1のメンテナンス等を行う。I/F107は、出力部109との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。出力部109は、保存部104に保存された各種情報、又は情報提供装置1の処理状況等を出力する。出力部109としては、ディスプレイが用いられている。
【0020】
なお、情報提供システム100Aの機能は、情報提供装置1において、CPU101が、RAM103を作業領域として、保存部104等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、情報提供システム100Aの機能は、例えば人工知能により制御されてもよい。ここで、「人工知能」は、いかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
【0021】
<ユーザ端末2>
ユーザ端末2は、
図1に示すように、情報提供装置1と同様に、パーソナルコンピュータ(PC)であり、ホストコンピュータである情報提供装置1から通信網Nを介してユーザUがサービスを受けるクライアントコンピュータである。
【0022】
ユーザ端末2は、一例として、計測器Xを使用する技術者等のユーザUの端末である。ユーザ端末2は、文字情報の入力を行うためのキーボード11A、音声情報の入力を行うためのマイクロホン11B、画像情報の入力を行うためのWebカメラ11Cと、出力部としてのディスプレイ21と、マウス22とを備え、不図示のインターフェースによって通信網Nに接続されている。
【0023】
なお、画像情報の入力を行うためのWebカメラ11Cは、ホロレンズ(登録商標)等のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)等を代わりに用いてもよい。また、ユーザ端末2は、パーソナルコンピュータ(PC)に限定されず、この他、携帯電話(携帯端末)、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、IoT(Internet of Things)デバイス等の電子機器のほか、あらゆる電子機器で具現化されたものが用いられてもよい。ユーザ端末2は、例えば通信網Nを介して情報提供装置1と接続されるほか、例えば情報提供装置1と直接接続されてもよい。ユーザUは、ユーザ端末2を用いて、情報提供装置1で検索を行うほか、例えば情報提供装置1の制御も行えるようにしてもよい。
【0024】
また、ユーザ端末2と情報提供装置1とは、いずれもパーソナルコンピュータ(PC)であるが、情報提供装置1には、複数のユーザ端末2の検索要求に対応できるように処理能力のより高いものを用いるのが好ましい。
【0025】
<サーバS>
サーバSには、ストレージS1に、ユーザUのユーザ端末2に提供される計装機器Xのマニュアル等の文書の実データが記憶されている(
図3を参照)。なお、通信網Nを用いない場合は、ユーザUのユーザ端末2に提供される計装機器Xのマニュアル等の文書の実データを、例えば情報提供装置1の保存部104等に記憶させてもよい。
【0026】
図3は、情報提供システム100Aの構成を示す模式図である。
図4は、第1実施形態に係る情報提供方法を示すフローチャートである。情報提供システム100Aは、ユーザ端末2が有する検索キー取得部11と、情報提供装置1が有する、対象情報特定部12と、検索処理部13と、検索結果出力部14と、文書出力部15と、を備えている。
【0027】
<検索キー取得部11>
検索キー取得部11は、具体的には、ユーザ端末2におけるキーボード11A、マイクロホン11B、又はWebカメラ11Cのいずれかである。検索キーを文字情報取得方式で取得する場合は、キーボード11Aによって文字入力で検索キーを入力し、文字情報として取得される。検索キーを音声情報取得方式で取得する場合は、マイクロホン11Bによる音声入力で検索キーを入力することによって、音声情報として取得される。なお、音声情報取得方式で取得された音声情報は、ユーザ端末2内で不図示の音声情報/文字情報変換手段によって文字情報に変換される。検索キーを画像情報取得方式で取得する場合は、Webカメラ11Cによる画像情報を、不図示の情報提供装置1又はユーザ端末2に内蔵された画像認識人工知能の認識結果によって文字情報に変換することによって検索キーとして取得される。或いは、検索キーを画像情報取得方式で取得する場合は、Webカメラ11Cによる画像入力で検索キーを入力することによって、画像情報として取得されるようにしてもよい。
【0028】
具体的には、例えば、ユーザUが、検索キーとして、計装機器Xの名称、及び型番X1、或いはこれに操作方法等の広義の文言や各種操作シーンを表す狭義の文言(シーン名)、或いは計装機器Xの画像等を含めたものを、キーボード11A、マイクロホン11B、又はWebカメラ11Cで入力すると、文字情報又は画像情報として取得された検索キーは、ユーザ端末2から、通信網Nを介して、情報提供装置1における対象情報特定部12へ送られる(検索キー取得工程S11)。
【0029】
ここで、検索キー取得工程S11における検索キーの取得方式は、キーボード11Aによる文字情報取得方式、マイクロホン11Bによる音声情報取得方式、及びWebカメラ11Cによる画像情報取得方式の単一の取得方式に限定されない。例えば、Webカメラ11Cによる画像情報取得方式だけでは、計装機器Xの型番X1等が写り込まなかったりして、情報が不足する場合は、この不足する情報を、キーボード11Aによる文字情報取得方式やマイクロホン11Bによる音声情報取得方式で補うことができる。すなわち、キーボード11Aによる文字情報取得方式、マイクロホン11Bによる音声情報取得方式、及びWebカメラ11Cによる画像情報取得方式を単一でなく複合して用いてもよい。
【0030】
<対象情報特定部12>
対象情報特定部12は、情報提供装置1の内部に設けられており、同じく情報提供装置1の内部に設けられた対象情報特定用データベース16と接続されている。対象情報特定用データベース16内には、検索キー取得部11から送られてきた検索キーを特定するための対象情報のリストが記憶されている。なお、対象情報特定用データベース16内に記憶される対象情報のリストは、予めあれば、それらを流用してもよいし、新たに発生したものは、自動又は手動で作成し、追加してもよい。
【0031】
具体的には、対象情報特定部12は、検索キー取得部11から送られてきた文字情報又は画像情報として取得された検索キーに対応する対象情報を、対象情報特定用データベース16内の対象情報のリストから探し出し、その対象情報と紐付けする処理を行う。そして、検索キー取得部11から取得された検索キーと、対象情報特定部12で特定された対象情報と、は、検索処理部13へ送られる(対象情報特定工程S12)。
【0032】
<検索処理部13>
検索処理部13は、情報提供装置1の内部に設けられており、同じく情報提供装置1の内部に設けられた検索処理用データベース17と接続されている。検索処理用データベース17内には、検索処理に用いるためのインデックスが記憶されている。
【0033】
検索処理用データベース17内に記憶されるインデックスは、文書における目次を含む文書構造と目次項目に対するキーワード(タグ・メタ情報)のデータセットを文書パターンの数だけ用意し、文書パターン毎に作成されている。具体的には、文書パターン毎に、目次項目に対するキーワードをインデックスとすることができる。文書パターンが同じ文書は、内容も類似しているので、キーワードも略共通である。それ故に、文書パターン毎のキーワードをインデックスとすることができるのである。
【0034】
ここで、キーワードは、目次項目に対応する文書の本文から不図示の抽出部によって抽出される。その抽出手法は、論文、オープンソースなライブラリ等の既存の文書の単語重要度抽出手法を利用してもよいし、手動で行ってもよい。 なお、データ内の画像等非構造情報のキーワードは、アノテーション作業を行い、抽出すればよい。
【0035】
このインデックスの作成方法は、特に業務等に使用される文書(例えばマニュアル等の文書)は、現在では既に略完成段階にあり、ブランドやグレードが異なっていても、もはや文書構造は、略同じものが殆どであり、文書パターンも数パターンしかないことから、そこに着眼し、独自に考えついたものである。例えば、同じ対象に対する文書が1000冊あったとしても、文書パターンの数も、大抵2,3冊程度の文書となることが分かった。すなわち、インデックスはサンプリングされたものとなり、従来技術に比して、大幅に少量のインデックスとなる。なお、文書パターンの違いは、例えば、目次項目に、全ての文章等が記載されているものと、目次項目には、大まかな文章が記載され、その下側に追加の詳細や注釈等の文章が記載されているものと、の違い程度であることが多い。
【0036】
検索処理部13は、この大幅に少量とされたインデックスを用い、検索キー取得部11から取得された検索キーから得られたキーワード(タグ・メタ情報)に基づいて検索処理を行う。そして、検索処理部13は、対象情報特定部12で特定された対象情報と、検索処理部13による検索処理結果を、検索結果出力部14へ送る(検索処理工程S13)。
【0037】
<検索結果出力部14>
検索結果出力部14は、情報提供装置1の内部に設けられており、同じく情報提供装置1の内部に設けられた検索結果出力用データベース18と接続されている。検索結果出力用データベース18内には、対象情報特定部12で特定された対象情報と、検索処理部13による検索処理結果と、の組み合わせによってヒットして得られた検索結果に対応した文書の実データのリンクリストのリンク情報のみが記憶されている。そして、検索結果出力部14は、通信網Nを介して、ユーザ端末2のディスプレイ21に、この検索結果のリンクリストを出力して表示させる。具体的には、計装機器Xのマニュアル等の文書の実データのリンクリストを出力して表示させる(検索結果出力工程S14)。
【0038】
<文書出力部15>
文書出力部15は、情報提供装置1の内部に設けられており、通信網Nを介して、サーバS内のストレージS1と接続されている。そして、文書出力部15は、ユーザUが、マウス22等を用い、検索結果のリンクリストのうちのいずれかを選択すると、指令を出し、ユーザ端末2のディスプレイ21に、選択された文書の実データを出力して表示させる(文書出力工程S15)。
【0039】
なお、文書出力部15によって出力可能な文書の実データは、文書テキストのみでなく、文書テキストに、イラスト、画像データ、動画データ、及び音声データ等が添付又はリンクされているコンテンツも含む。
【0040】
また、第1実施形態に係る情報提供システム100Aで検索される対象は、計装機器Xのみに限定されないことを、再度、付言する。例えば、第1実施形態に係る情報提供システム100Aは、「リンゴ」のようなより単純なものから、「治療困難な心臓疾患の治療方法」のようなより高度なものまで、略全てのものを検索対象とすることができる。
【0041】
第1実施形態に係る情報提供システム100Aによれば、文書における目次を含む文書構造と目次項目に対するキーワードとのデータセットを文書パターンの数だけ用意し、文書パターン毎に作成されたインデックスを用い、検索キー取得部11から取得された検索キーから得られたキーワードに基づいて検索処理を行う検索処理部13を備えている。これにより、代表となるキーワードのみでインデックスが作成されるので、文書を検索するにあたり、他の文書との関連性をもって文書の重要度を判定し検索対象文書のインデックス登録を取捨選択することなくインデックスの肥大化を大幅に抑制でき、検索処理を優れたパフォーマンスで行うことができる情報提供システム100Aを提供することができる。
【0042】
また、この情報提供システム100Aでは、検索キー取得部11からユーザ端末2に取得される検索キーは、少なくとも、文字情報取得方式、音声情報取得方式、及び画像情報取得方式のうち、何れか、或いはこれらの複合の取得方式で取得される。このため、様々なユーザUや様々なシチュエーションに対応することができ、使い勝手がよい。
【0043】
また、この情報提供システム100Aでは、文書出力部15によって出力可能な文書の実データは、文書テキストのみでなく、文書テキストに、イラスト、画像データ、動画データ及び音声データのうち、少なくとも何れか一が添付又はリンクされているコンテンツも含む。このため、様々なコンテンツの提供が可能となり、適切な情報の取得及び提供を効率的に行うことが可能となる。
【0044】
また、この情報提供システム100Aでは、情報提供装置1の内部に、対象情報特定部12に接続され、対象情報のリストが記憶された対象情報特定用データベース16と、検索処理部13に接続され、インデックスが記憶された検索処理用データベース17と、検索結果出力部14に接続され、検索結果とリンクするリンクリストが記憶された検索結果出力用データベース18と、を備える。このため、情報提供システム100Aの構成の多くが、情報提供装置1の内部に備えてあるので、メンテナンスやシステムの更新等を容易に行うことができる。
【0045】
さらに、この情報提供システム100Aでは、文書出力部15から出力可能な文書の実データは、通信網Nを介して接続されたストレージS1に記憶されている。このため、より多くの適切な情報の取得及び提供を行うことが可能となる。
【0046】
[第2実施形態]
次に、
図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る情報提供システム100Bについて説明する。
図5は、第2実施形態に係る情報提供システム100Bの構成を示す模式図である。上述の第1実施形態に係る情報提供システム100Aと相違する点は、主に、選択結果記録部20を更に備えたことなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】
この情報提供システム100Bでは、情報提供装置1の内部に、検索結果出力部14によって出力された検索結果で必要な文書が選択されたか否かの選択結果を記録するための選択結果記録部20を更に備え、選択結果記録部20に記録された選択結果を、検索処理部13にフィードバックするフィードバック機構を有することが、第1実施形態に係る情報提供システム100Aと異なる。
【0048】
ここで、この情報提供システム100Bは、情報提供装置1の内部において、保存部104等に選択結果記録部20の領域が設けられ、保存部104等に記憶された選択結果記録部20に記録された選択結果を、検索処理部13にフィードバックするフィードバック機構を含めたプログラムを実行することにより実現される。
【0049】
この第2実施形態に係る情報提供システム100Bでは、第1実施形態に係る情報提供システム100Aとは異なり、上記したフィードバック機構を有する。このため、この情報提供システム100Bでは、フィードバック結果が、検索結果出力部14でのフィルタリング、レコメンド、及び優先順位処理等に反映されるので、使用される度に検索精度を高めることができる。
【0050】
[第3実施形態]
次に、
図6を用いて、本発明の第3実施形態に係る情報提供システム100Cについて説明する。
図6は、第3実施形態に係る情報提供システム100Cの構成を示す模式図である。上述の第1実施形態に係る情報提供システム100Aと相違する点は、主に、類似語解析部30を更に備えたことなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0051】
この情報提供システム100Cでは、情報提供装置1の内部において、検索キーの類義語を検索処理過程で含むための類義語解析部30を、検索処理部13に接続して、更に備えることが、第1実施形態に係る情報提供システム100Aと異なる。
【0052】
ここで、この情報提供システム100Cは、情報提供装置1の内部において、保存部104等に類義語解析部30の領域が設けられ、保存部104等に記憶された検索処理部13に接続された検索処理用データベース17に記憶されているインデックスではヒットしない検索キーも類義語解析部30から検索キーの類義語を検索処理部13に送る機能を含めたプログラムを実行することにより実現される。
【0053】
この第3実施形態に係る情報提供システム100Cでは、第1実施形態に係る情報提供システム100Aとは異なり、情報提供装置1の内部において、類義語解析部30を更に備える。このため、この情報提供システム100Cでは、検索処理部13に接続された検索処理用データベース17に記憶されているインデックスではヒットしない検索キーも類義語解析部30から検索キーの類義語を検索処理部13に送ることによって、フォローすることができる。
【0054】
[第4実施形態]
次に、
図7を用いて、本発明の第4実施形態に係る情報提供システム100Dについて説明する。
図7は、第4実施形態に係る情報提供システム100Dの構成を示す模式図である。上述の第1実施形態に係る情報提供システム100Aと相違する点は、主に、類似語解析部40を更に備えたことなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0055】
この情報提供システム100Dでは、ユーザ端末2の内部において、検索キーの類義語を検索処理過程で含むための類義語解析部40を、検索キー取得部11に接続して、更に備えることが、第1実施形態に係る情報提供システム100Aと異なる。
【0056】
ここで、この情報提供システム100Dは、ユーザ端末2の内部において、不図示の保存部等に類義語解析部40の領域が設けられ、対象情報特定部12へ送る前に、検索キーの類義語も検索キーに含めるプログラムを実行することにより実現される。
【0057】
この第4実施形態に係る情報提供システム100Dでは、第1実施形態に係る情報提供システム100Aとは異なり、ユーザ端末2の内部において、類義語解析部40を更に備える。このため、この情報提供システム100Dでは、類義語解析部40により、対象情報特定部12へ送る前に、検索キーの類義語も検索キーに含めることができ、検索キーが、検索処理部13におけるインデックスでヒットしない確率を大幅に低減することができる。
【0058】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
100A~D 情報提供システム
11 検索キー取得部(検索キー取得手段)
11A キーボード(検索キー取得手段)
11B マイクロホン(検索キー取得手段)
11C Webカメラ(検索キー取得手段)
12 対象情報特定部(対象情報特定手段)
13 検索処理部(検索処理手段)
14 検索結果出力部(検索結果出力手段)
15 文書出力部(文書出力手段)
16 対象情報特定用データベース
17 検索処理用データベース
18 検索結果出力用データベース
S1 ストレージ
20 選択結果記録部(選択結果記録手段)
30 類義語解析部(類義語解析手段)
40 類義語解析部(類義語解析手段)
2 ユーザ端末
N 通信網
S11 検索キー取得工程
S12 対象情報特定工程
S13 検索処理工程
S14 検索結果出力工程
S15 文書出力工程