(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114877
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】コンクリート、およびコンクリートの製造方法
(51)【国際特許分類】
C04B 28/02 20060101AFI20220801BHJP
C04B 24/00 20060101ALI20220801BHJP
C04B 22/08 20060101ALI20220801BHJP
B28C 7/04 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
C04B28/02
C04B24/00
C04B22/08 B
B28C7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011339
(22)【出願日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】501173461
【氏名又は名称】太平洋マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(72)【発明者】
【氏名】長塩 靖祐
(72)【発明者】
【氏名】丸田 浩
【テーマコード(参考)】
4G056
4G112
【Fターム(参考)】
4G056AA06
4G056AA21
4G056CB32
4G112MB04
4G112PB07
4G112PB14
4G112PC02
4G112PC14
4G112PE01
(57)【要約】
【課題】十分な強度を維持しながら、凍結融解抵抗性とスケーリング抵抗性とを両立したコンクリートを提供する。
【解決手段】セメントと、
収縮低減剤と、
固形パラフィン、乳化剤、起泡剤および分散媒を含む分散物(A剤)と、
亜硝酸塩および溶媒を含む水溶液(B剤)、
を含むことを特徴とするコンクリート。このコンクリートはコンクリートの単位量として、固形パラフィンを固形分換算で0.65~4.5kg/m3、亜硝酸塩を固形分換算で0.5~3.6kg/m3、収縮低減剤を2.0~15.0kg/m3を添加することにより製造できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントと、
収縮低減剤と、
固形パラフィン、乳化剤、起泡剤および分散媒を含む分散物(A剤)、と
亜硝酸塩および溶媒を含む水溶液(B剤)と
を含むことを特徴とするコンクリート。
【請求項2】
セメント、固形パラフィン、乳化剤、起泡剤、亜硝酸塩、および収縮低減剤を含むコンクリートの製造方法であって、前記コンクリートが、単位量として、前記固形パラフィンを固形分換算で0.65~4.5kg/m3、前記亜硝酸塩を固形分換算で0.5~3.6kg/m3、前記収縮低減剤を2.0~15.0kg/m3含むことを特徴とする、コンクリートの製造方法。
【請求項3】
前記固形パラフィン、前記乳化剤、および前記起泡剤が、それらが分散媒に溶解または分散した分散液(A剤)として、前記亜硝酸塩が、それが溶媒に溶解した水溶液(B剤)として、コンクリートに添加される、請求項2に記載のコンクリートの製造方法。
【請求項4】
空気連行剤を添加することをさらに含む、請求項3に記載のコンクリートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結融解抵抗性およびスケーリング抵抗性に優れたコンクリート、およびそのコンクリートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
収縮低減剤を使用したコンクリートは,一般的に凍結融解抵抗性が低い傾向にある。このため、凍結融解抵抗性を確保するには,収縮低減剤の添加量を減らすことが好ましいが,その結果、収縮低減効果は小さくなり,コンクリートのひび割れが発生しやすくなり、スケーリング抵抗性が低下する傾向にある。また、凍結融解抵抗性を確保するには,コンクリート中の空気量を増大させることも考えられるが,その場合は圧縮強度が低下する傾向にある。このような問題を解決するために、特殊な空気量調整剤を使用することも検討されているが,そのような空気量調整剤は調達が困難であることが多く、また,所要の空気量を確保することが難しい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-140889号報
【特許文献1】特開2017-124950号報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記のような問題点に鑑みて、収縮低減剤を含みながら,凍結融解抵抗性を確保でき,スケーリング抵抗性も高いコンクリートと、その製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] セメントと、
収縮低減剤と、
固形パラフィン、乳化剤、起泡剤および分散媒を含む分散物(A剤)と、
亜硝酸塩および溶媒を含む水溶液(B剤)と、
を含むことを特徴とするコンクリート。
[2] セメント、固形パラフィン、乳化剤、起泡剤、亜硝酸塩、および収縮低減剤を含むコンクリートの製造方法であって、前記コンクリートが、単位量として、前記固形パラフィンを固形分換算で0.65~4.5kg/m3、前記亜硝酸塩を固形分換算で0.5~3.6kg/m3、前記収縮低減剤を2.0~15.0kg/m3含むことを特徴とする、コンクリートの製造方法。
[3] 前記固形パラフィン、前記乳化剤、および前記起泡剤が、それらが分散媒に溶解または分散した分散液(A剤)として、前記亜硝酸塩が、それが溶媒に溶解した水溶液(B剤)として、コンクリートに添加される、[2]に記載のコンクリートの製造方法。
[4] 空気連行剤を添加することをさらに含む、[3]に記載のコンクリートの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、十分な強度を維持しながら、凍結融解抵抗性とスケーリング抵抗性とを両立したコンクリートが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の内容について、以下に詳細に説明する。
【0008】
<コンクリート>
本発明者らの検討によれば、コンクリート中に特定の成分を使用することによってコンクリート中の空気量を安定させ、強度を維持しながら、凍結融解抵抗性とスケーリング抵抗性とを付与できることがわかった。このとき、特定の成分を組み合わせて分散物や水溶液としてコンクリートに添加して製造されることが重要であることもわかった。以下に本発明によるコンクリートの各成分について説明する。
【0009】
<特定のセメント混和剤>
本発明のコンクリートは、特定の成分を含むセメント混和剤を含む。このセメント混和剤は、A剤とB剤のふたつの混和剤から構成される。A剤は固形パラフィン、乳化剤および起泡剤を含む分散物であり、B剤は亜硝酸塩を含む水溶液である。これらA剤、B剤を併用して使用することにより、コンクリートに良好な耐凍害性を付与することができる。ただし、これらの各成分を単一の組成物として調製した場合、その組成物の安定性を確保することが困難となり、所望の効果が得られ難いことから、A剤とB剤のふたつの混和剤としてコンクリートに添加される。
【0010】
[セメント混和剤 - A剤]
A剤は、固形パラフィン、乳化剤、起泡剤、および分散媒を含む。A剤は、一般的に固形パラフィンが分散された分散物の形態(具体的にはパラフィンエマルション)である。
【0011】
A剤に含まれる固形パラフィンは、CnH2n+2(nは、一般的には、20以上の整数)で表され、常温で固体の脂肪族飽和炭化水素である。この固形パラフィンの形状は任意に選択することができるが、コンクリート中に均一に分散させるために、粒子状であることが好ましい。固形パラフィン粒子の大きさとしては、粒子径が0.1~2μmが好ましく、0.2~1.0μmがより好ましい。この固形パラフィン粒子は、乳化剤(詳細後述)により分散媒中に分散されている。固形パラフィンの固形分濃度は、A剤の総質量を基準として、例えば10~50質量%である。
【0012】
[起泡剤]
A剤には、さらに起泡剤(起泡成分)が含まれる。起泡成分としては、一般的なコンクリート用起泡剤の主成分として用いられるものが挙げられる。例えば、樹脂酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加物の硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ロジン酸塩類等が挙げられ。これらのうち樹脂酸塩が特に好ましい。
【0013】
一般にモルタルやコンクリート中の空気量を調整する場合、空気連行剤(AE剤)を添加して調整される。しかし本発明者らの検討によれば、固形パラフィン粒子をコンクリートに添加した場合は、AE剤を添加して空気量を調整することが難しいことがわかった。一方、固形パラフィンを含む分散物中に予め起泡剤(起泡成分)が含まれることによって、コンクリート中の空気量の制御が容易になることが判明した。このために、A剤中に起泡剤を添加しておくことが有効である。A剤中の起泡剤(起泡成分)の量としては、A剤の総質量を基準として、固形分換算で0.1~4.0質量%が好ましく、0.5~3.0質量%がより好ましい。
【0014】
[乳化剤]
上記乳化剤は、固形パラフィン粒子を乳化し、μmオーダーの粒子として分散可能なものであれば特に限定されるものではない。したがって、各種の界面活性剤などから任意に選択できるが、コンクリートにA剤を添加した際の空気量の安定性の点から、非イオン系界面活性剤が好ましい。乳化剤の使用量としては、A剤の総質量を基準として、5.0~10.0質量%が好ましい。
【0015】
[分散媒]
A剤は、各成分を溶解または分散させる分散媒をさらに含む。分散媒は、一般的には水を主成分とする水性媒体であり、好ましくは水が用いられる。この分散媒は必要に応じて少量の有機溶媒、例えばアルコール類を含んでいてもよい。
【0016】
[セメント混和剤 - B剤]
B剤は、亜硝酸塩および溶媒を含む水溶液である。
【0017】
B剤に含まれる亜硝酸塩としては、例えば亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸ベリリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸亜鉛、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸バリウム等が挙げられる。本発明において、好ましい亜硝酸塩は亜硝酸リチウム、または亜硝酸カルシウムである。経済的な点からは亜硝酸カルシウムが好ましい。B剤中の亜硝酸塩の固形分濃度は、例えば10~60質量%である。
【0018】
B剤は、亜硝酸塩を溶解あるいは分散させる溶媒をさらに含む。溶媒は、一般的には水を主成分とする水性溶媒であり、好ましくは水が用いられる。この溶媒は必要に応じて少量の有機溶媒、例えばアルコール類を含んでいてもよい。
【0019】
A剤のコンクリートへの添加量としては、固形パラフィンの固形分換算で、好ましくは0.65~4.5kg/m3であり、より好ましくは0.9~4.2kg/m3である。固形パラフィンの添加量が過度に少ない場合、本発明が目的とする効果(凍結融解抵抗性)が小さくなることがあるので注意が必要である。逆に、過度に多い場合、スランプの低下が大きくなるとともに、強度発現性が損なわれる虞があるので注意が必要である。
【0020】
B剤のコンクリートへの添加量としては、亜硝酸塩の固形分換算で、好ましくは0.5~4.0kg/m3であり、より好ましくは0.8~3.0kg/m3であり、さらに好ましくは1.0~2.5kg/m3である。亜硝酸塩の添加量が過度に少ない場合、凍結融解抵抗性が不十分となることがあるので注意が必要である。逆に、過度に多い場合、スランプの低下が大きくなる虞があるので注意が必要である。
【0021】
<セメント>
本発明において、コンクリートとはモルタルを含むものである。コンクリートに用いるセメントは、特に制限されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントおよびシリカセメント等の混合セメント、およびエコセメント等から選ばれる1種以上が挙げられる。単位セメント量は、好ましくは250~450kg/m3、より好ましくは270~420kg/m3である。単位セメント量が250~450kg/m3の範囲にあれば、高い強度が得られる。
【0022】
<収縮低減剤>
本発明で用いる収縮低減剤は、有効成分が、低級アルコールのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレン・アルコールエーテル、グリコールエーテル・アミノアルコール誘導体、ポリエーテル、およびアルキレンオキシド共重合体から選ばれる1種以上である。
【0023】
収縮低減剤のコンクリート中の使用量としては、好ましくは2.0~15.0kg/m3であり、より好ましくは3.0~12.0kg/m3である。収縮低減剤の使用量が過度に少ない場合、乾燥収縮ひずみが大きくなることがあるので注意が必要である。逆に、過度に多い場合、凍結融解抵抗性が不十分となる虞があるので注意が必要である。
<その他の成分>
【0024】
本発明によるコンクリートに用いる水は特に限定されず、上水道水、下水処理水、および生コンの上澄み水等の、コンクリートの強度発現性や流動性等に影響を与えないものであれば用いることができる。また、単位水量は、良好なワーカビリティの観点から、好ましくは100~200kg/m3、より好ましくは120~180kg/m3である。
【0025】
本発明のコンクリートに用いる骨材は、一般にモルタルコンクリート用に使用する骨材であれば特に限定されない。具体的には、細骨材は、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、硅砂、および軽量細骨材等から選ばれる1種以上が挙げられ、粗骨材は川砂利、山砂利、砕石、および軽量粗骨材等から選ばれる1種以上が挙げられる。また、天然骨材に限定されず、スラグ骨材等の人工骨材や再生骨材も用いることができる。
【0026】
また、前記細骨材および粗骨材の単位量は、いずれの骨材も、良好なワーカビリティの観点から、好ましくは500~1100kg/m3、より好ましくは600~1000kg/m3である。
【0027】
本発明によるコンクリートは、空気連行剤(AE剤)をさらに含むことができる。一般的には、モルタルやコンクリート中の空気量を調整する場合、AE剤を添加して調整される。しかし、前記した通り、本発明のコンクリートにAE剤を添加しても、所望する効果を得ることができないことがある。このため、本発明によるコンクリートにおいては、主として、A剤中に含まれる起泡剤によってコンクリート中の空気量を調整する。しかしながら、補助的にAE剤を用いることで、より精密な空気量調整が可能となる。なお、補助的にAE剤を用いる場合には、AE剤を練混ぜ水に添加することが好ましい。
【0028】
本発明によるコンクリートには、その特長が損なわれない範囲で、その他の各種添加剤(材)が併用されても良い。この種の添加剤としては、例えば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等の分散剤、凝結遅延剤、強度促進材、膨張材、セメント用ポリマー、繊維、発泡剤、防水剤、防錆剤、増粘剤、保水剤、顔料、撥水剤、白華防止剤、消泡剤、各種無機微粉末等が挙げられる。これらの成分は、コンクリートに対して単独で添加される他、本発明による効果を損なわない範囲で、上記のセメント混和剤(A剤またはB剤)に添加することもできる。
【0029】
<コンクリートの製造方法>
本発明は、セメント、固形パラフィン、乳化剤、起泡剤、亜硝酸塩、および収縮低減剤を含むコンクリートの製造方法にも関するものである。そしてそのコンクリートはコンクリートの単位量として、
前記固形パラフィンを固形分換算で0.5~5.0kg/m3、好ましくは0.9~4.2kg/m3、
前記亜硝酸塩を固形分換算で0.5~3.6kg/m3、好ましくは0.8~2.5kg/m3、
前記収縮低減剤を2.0~15.0kg/m3、好ましくは3.0~12.0kg/m3、
含むことを特徴とする。
【0030】
ここで、固形パラフィン、乳化剤、および起泡剤はA剤として、亜硝酸塩はB剤として、コンクリートに添加される。ここで、A剤は固形パラフィン、乳化剤、および起泡剤が分散媒に溶解または分散した分散液であり、B剤は亜硝酸塩が溶媒に溶解した溶液である。A剤とB剤とは、それぞれコンクリートに直接添加してもよいが、A剤とB剤を練混ぜ水に添加して、それをコンクリートに使用してもよい。
【0031】
また収縮低減剤の添加方法は特に限定されず、コンクリートに直接添加しても、あるいは練混ぜ水に添加してもよい。
【0032】
その他の各種添加剤も、任意に添加することができる。
【実施例0033】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明が実施例により限定されるものではない。
【0034】
実施例1~9および比較例1~4
<コンクリートの製造>
まず、セメント混和剤として、固形パラフィンと、乳化剤と、起泡剤と、水とを含む分散物(以下、A剤という)と、亜硝酸カルシウムを含む水溶液(以下、B剤という)を準備した。これらの使用量は表1に示すとおりであった(それぞれ質量%)。
【0035】
各成分を表2に示す割合で準備し、環境温度20℃にて、強制二軸コンクリートミキサを用いて混練しコンクリートを製造した。収縮低減剤、A剤、B剤、混和剤、およびAE剤は、練混ぜ水に添加して製造した。なお、各成分としては以下のものを用いた。
・練混ぜ水(記号W):上水道水
・セメント(記号C):普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製、密度3.16g/cm3)
・細骨材(記号S):山砂(静岡県掛川市産、表乾密度2.57g/cm3)
・粗骨材(記号G):硬質砂岩2005(茨城県桜川市産、表乾密度2.65g/cm3)
・収縮低減剤A:低級アルコールのアルキレンオキシド付加物
・収縮低減剤B:ポリオオキシエチレンアルキルエーテル
・混和剤:マスターポリヒード15S(ポゾリスソリューションズ社製)
・AE剤:マスターエア202(ポゾリスソリューションズ社製)
【0036】
【0037】
【0038】
得られた組成物について、以下の通りの方法で性能を評価した。得られた結果は表3に示すとおりであった。
【0039】
<空気量>
空気量の測定は、JIS A 1128「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法‐空気室圧力方法」に準拠して行った。
【0040】
<耐凍害性>
耐凍害性では、JIS A 1148「コンクリートの凍結融解試験方法」に準拠して、耐久性指数を算出して評価した。
【0041】
<スケーリング抵抗性>
スケーリング抵抗性は、ASTM C 372に準拠して測定した。
【0042】
<圧縮強度>
圧縮強度は、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して行った。
【0043】
【0044】
上記結果より、乳化剤が含まれないコンクリートは、空気量が多いものの耐凍害性およびスケーリング抵抗性も劣り、圧縮強度も低くなる傾向にあった。A剤に起泡剤を添加せず乳化剤しか含まれていないコンクリートは、AE剤を添加して空気量を調整することができても、耐凍害性およびスケーリング抵抗性が劣る傾向にあることがわかった。