(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114937
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】監視装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01M 99/00 20110101AFI20220801BHJP
G01H 17/00 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
G01H17/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011431
(22)【出願日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】柳原 健太郎
【テーマコード(参考)】
2G024
2G064
【Fターム(参考)】
2G024AD34
2G024BA12
2G024BA27
2G024CA13
2G024FA04
2G024FA06
2G024FA11
2G064AA05
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB22
2G064BA02
2G064BD02
2G064CC41
2G064CC42
2G064CC43
2G064DD02
(57)【要約】
【課題】監視対象とする個々の構造物に対する振動に関するパラメータを設定せず、周波数スペクトルから固有周波数を認識して異常を評価できるようにする。
【解決手段】本発明の監視装置は、センサが計測した計測信号に基づいて得た周波数スペクトルに存在しているピークを検出して、ピークに関する情報をピーク毎に求める分析手段と、各ピークの前記ピークに関する情報を蓄積する蓄積手段と、複数回の計測で得られた各ピークのピークに関する情報を集計して、構造物の通常時に出現し得る複数のピークを検出し、各ピークのピークに関する情報を求める集計手段と、通常時に出現し得る各ピークのピークに関する情報と、評価対象の測定データとに基づいて、測定データの異常度を評価する異常度評価手段を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に設けられたセンサが計測した計測信号に基づいて得た周波数スペクトルに存在しているピークを検出して、ピークに関する情報をピーク毎に求める分析手段と、
前記各ピークの前記ピークに関する情報を蓄積する蓄積手段と、
複数回の計測で得られた前記各ピークの前記ピークに関する情報を集計して、前記構造物の通常時に出現し得る複数のピークを検出し、各ピークのピークに関する情報を求める集計手段と、
前記通常時に出現し得る各ピークのピークに関する情報と、評価対象の測定データとに基づいて、測定データの異常度を評価する異常度評価手段と
を備えることを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記分析手段が、前記周波数スペクトルに存在している複数のピークのうち、各ピークの高さに基づいて、ピークの絞り込みをすることを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記分析手段が、前記周波数スペクトルに存在している複数のピークのうち、周波数領域に出現している各ピークの高さを相対的に比較して、当該周波数領域におけるピーク絞り込みをすることを特徴とする請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記集計手段が、複数の計測で得られた前記ピークに関する情報を周波数順に並び替え、周波数が近似する2つのグループであって、2つのグループの両方に、同一計測で得られた前記ピークに関する情報が含まれないようにして、2つのグループを1つにまとめるグループ化を繰り返し行うことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の監視装置。
【請求項5】
前記集計手段が、グループ化して得た各ピークの前記ピークに関する情報に基づいて、頻繁に出現するピークの特定の周波数領域と、計測回数に対して一定割合以上で存在しているピークの特定の周蓮領域とを含むものを、前記構造物の通常時に出現し得るピークとして検出することを特徴とする請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
前記異常度評価手段が、特定の周波数領域に現れたピーク周波数若しくはピークの高さの平均値、及び又は、分散を用いて、測定データに対する異常度を求めることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の監視装置。
【請求項7】
前記異常度評価手段が、特定の周波数領域にピーク周波数が現れていない場合に、計測に異常があったとみなすことを特徴とする請求項6に記載の監視装置。
【請求項8】
前記異常度評価手段が、特定の周波数領域にピーク周波数が現れているが、ピークの高さが平均値と比較して著しく低い場合に、計測に異常があったとみなすことを特徴とする請求項6又は7に記載の監視装置。
【請求項9】
前記異常度評価手段が、頻繁にピークが発生していない周波数領域において、高いピークが発生した場合に、構造物に異常が発生したとみなすことを特徴とする請求項6~8のいずれかに記載の監視装置。
【請求項10】
監視対象とする構造物に設けられたセンサと、前記センサが計測した計測信号を含む情報を送信する送信部とを有する無線機と、
前記無線機から受信した情報に含まれている前記計測信号に基づいて、前記構造物の異常度を評価する、請求項1~9のいずれかに記載の監視装置と
を備えることを特徴とする監視システム。
【請求項11】
分析手段が、構造物に設けられたセンサが計測した計測信号に基づいて得た周波数スペクトルに存在しているピークを検出して、ピークに関する情報をピーク毎に求め、
蓄積手段が、前記各ピークの前記ピークに関する情報を蓄積し、
集計手段が、複数回の計測で得られた前記各ピークの前記ピークに関する情報を集計して、前記構造物の通常時に出現し得る複数のピークを検出し、各ピークのピークに関する情報を求め、
異常度評価手段が、前記通常時に出現し得る各ピークのピークに関する情報と、評価対象の測定データとに基づいて、測定データの異常度を評価する
ことを特徴とする監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、システム及び方法に関し、例えば、構造物の振動に基づいて、構造物の健全性を測定する監視装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、工場設備やインフラ構造物(例えば、橋梁、標識などを取り付けている柱などの構造物)に種々のセンサを設置し、対象物の健全性を測定する試みが数多くなされている。多くの対象物は固有の振動周波数(以下、「固有周波数」と呼ぶ。)を持っており、構造物に劣化などの異常が発生すると固有周波数が変化することが知られている。
【0003】
例えば、構造物に加速度センサが設置される場合、センサが取得できる情報は個々の瞬間の加速度であり、センサは周波数を直接測定することはできない。周波数を測定するために、監視装置は、センサが計測した計測信号を連続的に収集し、フーリエ変換を行って周波数スペクトルを得る。周波数スペクトルは各周波数における振動量を示しているだけであるので、どの周波数が構造物の固有周波数であるかはわからない。したがって、監視装置は、スペクトル形状を分析し、ピークが現れている周波数を取り、周波数のピーク特性を判断することで固有周波数を得ている。
【0004】
従来のピークの異常を検知する方法は、事前に、特定の周波数のピークの正常データ値を用意しておき、正常データ値と実際に測定したデータ値との差分を取り、その差分値が閾値を超える場合に、異常とみなす方法が主流である。この従来の方法は、例えば工場設備などのように、一定の振動が定常的に加わるような場合には問題なく動作する。
【0005】
しかしながら、例えば、橋梁等のインフラ構造物の振動源は、不定期に通過する車両であったり、風であったりするので、一定の振動が得られる環境に置かれていないことが多い。このように、一定の振動が得られる環境ではない場合、振動がなく、周波数のピークが得られない状況や、振動源側の異常が原因でピークが大きく変化する状況が発生することがある。このような場合に従来の方法を用いてピークの異常を検知しようとすると、上述した状況もピークの異常とみなしてしまい、本来発見したい構造物の劣化を検知できなくなってしまうという問題が生じ得る。
【0006】
上述した問題を解決するため、従来、固有周波数や閾値などの振動に関する正常なパラメータを事前に人間が設定しておく方法が多く用いられている。また、機械学習などを用いて、固有周波数や閾値などの振動に関するパラメータの設定を自動化する取り組みもなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開番号WO2017/064854
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、監視対象の構造物の数が増えると、個々の構造物の固有周波数等の振動に関するパラメータを人間が設定することは現実的ではない。振動に関するパラメータの設定を自動化しても、設定結果を人間が確認する必要があり、大量のスペクトルデータから固有周波数を切り出し、パラメータが誤りなく設定されていることを確認することは困難である。また、そもそも多くのピークの中からどれが構造物の固有周波数であるかは、単一のスペクトルを見ただけでは自明ではなく、多くのスペクトルデータを重ね合わせることで初めてわかるものである。上述した作業を人間が実施するには膨大な手間を要する。
【0009】
そのため、監視対象の振動に関するパラメータの設定に要する作業を自動化して、人間の手間を最小化することが求められている。
【0010】
そこで、本発明は、監視対象とする個々の構造物に対する振動に関するパラメータの設定を施すことなく、複数のスペクトルデータから、構造物の固有周波数を認識し、自動的に構造物の異常判定を実現する監視装置、システム及び方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の監視装置は、構造物に設けられたセンサが計測した計測信号に基づいて得た周波数スペクトルに存在しているピークを検出して、ピークに関する情報をピーク毎に求める分析手段と、各ピークの前記ピークに関する情報を蓄積する蓄積手段と、複数回の計測で得られた各ピークのピークに関する情報を集計して、構造物の通常時に出現し得る複数のピークを検出し、各ピークのピークに関する情報を求める集計手段と、通常時に出現し得る各ピークのピークに関する情報と、評価対象の測定データとに基づいて、測定データの異常度を評価する異常度評価手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第2の本発明の監視システムは、監視対象とする構造物に設けられたセンサと、センサが計測した計測信号を含む情報を送信する送信部とを有する無線機と、無線機から受信した情報に含まれている計測信号に基づいて、構造物の異常度を評価する、第1の本発明の監視装置とを備えることを特徴とする。
【0013】
第3の本発明の監視方法は、分析手段が、構造物に設けられたセンサが計測した計測信号に基づいて得た周波数スペクトルに存在しているピークを検出して、ピークに関する情報をピーク毎に求め、蓄積手段が、各ピークのピークに関する情報を蓄積し、集計手段が、複数回の計測で得られた各ピークのピークに関する情報を集計して、構造物の通常時に出現し得る複数のピークを検出し、各ピークのピークに関する情報を求め、異常度評価手段が、通常時に出現し得る各ピークのピークに関する情報と、評価対象の測定データとに基づいて、測定データの異常度を評価することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、監視対象とする個々の構造物に対する振動に関するパラメータの設定を施すことなく、複数のスペクトルデータから、構造物の固有周波数を認識し、自動的に構造物の異常判定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る監視装置の内部構成を示す内部構成図である。
【
図2】実施形態に係る監視システムの全体構成を示す全体構成図である。
【
図3】実施形態に係るセンサ機器の内部構成を示す内部構成図である。
【
図4】実施形態に係る監視装置における処理動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係るプロミネンスの導出方法を説明する説明図である。
【
図6】実施形態に係るプロミネンスの導出手順を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態における周波数スペクトルの一例を示すスペクトル図である。
【
図8】実施形態の監視装置が連日測定したデータ結果の一例を示す図である。
【
図9】
図8のデータ結果のうち、一部のグループに属するピークデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)実施形態
以下では、本発明に係る監視装置、システム及び方法の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
(A-1)実施形態の構成
(A-1-1)全体構成
図2は、実施形態に係る監視システムの全体構成を示す全体構成図である。
【0018】
図2において、監視システム1は、親機10と、子機としての複数のセンサ機器20(20-1~20-n;nは正の整数)と、監視装置30とを有する。
【0019】
監視対象とする構造物には、センサ機器20のセンサが設置されており、構造物の振動をセンサが計測する。センサ機器20は、センサが計測した計測信号(計測値)を含む情報を親機10に送信する。親機10は、複数のセンサ機器20のそれぞれから各センサが計測した計測信号を取得して、各センサ機器20から取得した情報を監視装置30に与える。監視装置30は、各センサ機器20からセンサの計測信号を収集し、その収集した計測信号を用いて監視対象の状態や状況を監視する。
【0020】
ここで、監視対象とする「構造物」には様々なものがあるが、構造物は、例えば橋梁等のように、一定の振動が定常的に加わる環境にないインフラ構造物とする。勿論、一定の振動が定常的に加わる構造物の異常を判定する場合にも、本発明は適用できる。
【0021】
センサ機器20は、主にセンサ、スケジュール決定手段、及び通信手段を有する。センサ機器20が有するセンサは加速度センサ203(
図3参照)であり、加速度センサ203は構造物に固定的に設置される。なお、加速度センサ203は、構造物の健全性を測定する際に、構造物に設置されるようにしてもよい。センサ機器20は、加速度センサ203が間欠的に計測した計測信号(計測値)を親機10に送信する。
【0022】
親機10は、無線機であり、センサ機器20から受信した計測信号を含む情報を、監視装置30に転送するものである。親機10は、複数のセンサ機器20と通信可能であり、各センサ機器20から受信した情報を監視装置30に転送する。なお、親機10は、転送機能に加えて、センサ機器20と同じ構成を備えるものとしてもよい。その場合、親機10は、自機のセンサによって計測した計測信号を、監視装置30に直接送信するようにしてもよい。また別の変形例として、親機10が、後述する監視装置30の機能の全部又は一部を備えるものであってもよい。
【0023】
監視装置30は、親機10を介して、各センサ機器20から加速度センサ203が計測した計測信号を収集して保存(蓄積)する。監視装置30は、加速度センサ203の計測信号をフーリエ変換して周波数スペクトルを導出する。監視装置30は、周波数スペクトルの形状を分析して、構造物の通常時に、ピークが現れる特定の周波数領域を抽出して、特定の周波数領域毎のピークデータを蓄積する。
【0024】
なお、監視装置30は、加速度センサ203による計測毎に、周波数スペクトルから抽出した特定の周波数領域毎のピークデータを測定して蓄積する。例えば、加速度センサ203が1日に1回計測する場合、監視装置30は、1日に1回、周波数スペクトルから抽出した特定の周波数領域毎のピークデータを測定して蓄積する。
【0025】
また、監視装置30は、過去に測定した大量の特定の周波数領域のピークデータを用いてグループ化して、構造物の固有周波数と推測される特定の周波数領域のピークデータを求めて蓄積する。
【0026】
監視装置30は、大量のピークデータを用いて求めた特定の周波数領域のピーク特性と、評価対象とする特定の周波数領域のピークデータ(評価対象の測定データ)とに基づいて、測定データの異常度を評価する。ここでは、監視装置30が測定データの異常の程度をスコア値で評価する。閾値等を用いて測定データのスコア値が異常であると判定するとき、構造物が異常であるとみなす。なお、変形例として、監視装置30がセンサ機器20から加速度センサ203が計測した計測信号を収集可能とするため、監視装置30と親機10とが一体化したものとしてもよい。
【0027】
図2では、子機としてのセンサ機器20が、親機10を介して、情報を監視装置30に送信する情報通信システムを例示するが、この情報通信システムの構成は一例である。センサ機器20が監視装置30に情報を伝達可能であれば、情報通信システムの構成は、
図2の構成に限定されない。
【0028】
親機10、センサ機器20及び監視装置30を含むネットワークは、無線回線又は有線回線を用いたものとしてもよい。例えば、センサ機器20と親機10とは、センサネットワークSNを構成してもよい。センサネットワークSNの通信方式は、特定小電力無線方式などに代表される低速な無線通信方式を適用することができる。例えば、IEEE802.11a/b/g/nなどに代表される無線ネットワーク規格、若しくは、IEEE802.15.4、Bluetooth(登録商標)などの無線通信方式であっても構わない。センサ機器20及び親機10には、それぞれネットワークSN上で固有のアドレス(例えば、MACアドレス、ショートアドレス、IPアドレス等)が割り当てられている。
【0029】
親機10と監視装置30との間のネットワークは基幹ネットワークNTとしてもよい。基幹ネットワークNTは、例えば、Internet又はEthernet(登録商標)である。基幹ネットワークNTは、無線回線であってもよいし、有線回線であってもよい。
【0030】
(A-1-2)監視装置の内部構成
図1は、実施形態に係る監視装置30の内部構成を示す内部構成図である。
【0031】
図1において、監視装置30は、通信部301、制御部302、ピークデータ分析部303、グループ化処理部304、異常度評価部305、データ蓄積部306を有する。
【0032】
通信部301は、親機10と接続するネットワークの通信する通信インタフェースである。
【0033】
制御部302は、監視装置30の各種機能を司る装置又は処理部である。制御部302は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有する装置で構成されてもよい。CPUがROMに格納される処理プログラム(例えば、監視プログラム等)を実行することにより、処理が実現されるようにしてもよい。
【0034】
データ蓄積部306は、構造物の健全性を判定するための情報を蓄積する。例えば、データ蓄積部306は、各加速度センサ203の計測データ(例えば、加速度203センサが計測した計測信号、計測信号をフーリエ変換して得た周波数スペクトルデータ等)や、計測信号を用いて求めた特定の周波数領域のピークデータ(例えば、周波数、ピークの高さを示す値、日時情報、グループ番号等を含むデータ)などを蓄積する。
【0035】
ピークデータ分析部303は、データ蓄積部306に蓄積されている加速度センサ203が計測した計測信号をフーリエ変換して周波数スペクトルを求める。また、ピークデータ分析部303は、ピークの高さという概念を用いて、周波数スペクトルに現れる多くのピークの中から極大値となる周波数(以下、「ピーク周波数」と呼ぶ。)を求める。そして、ピークデータ分析部303は、ピークの高さの順にピークデータを並び替えして、不要なピークを削除するため、上位のピークデータを抽出してデータ蓄積部306に蓄積する。なお、ピークデータ分析部303の詳細な説明は動作の項で行なう。また、ピークデータ分析部303がピークデータを作成するときには、グループ番号は決まっていなくてもよい。日時情報は、加速度センサ203の計測日時を示す情報とする。
【0036】
グループ化処理部304は、過去に測定した複数のピークデータもデータ蓄積部306から読み出して、特定の周波数領域毎にグループ番号を付して、特定の周波数領域毎のピークデータをまとめる(グループ化する)。また、グループ化処理部304は、大量の特定の周波数領域のピークデータを用いてグループ化を繰り返し行い、構造物の固有周波数と推測される特定の周波数領域のピーク特性を求める。グループ化処理の詳細な説明は動作の項で行なう。
【0037】
異常度評価部305は、過去の大量のピークデータを用いて求めた特定の周波数領域のピーク特性と、評価対象とする測定データとを用いて、測定データの異常度を示すスコア値を求める。異常度評価部305は、スコア値を用いて測定データの異常度を評価する。
【0038】
異常度(スコア値)を求める方法は、様々な方法を適用することができる。例えば、異常度評価部305は、過去の大量のピークデータを用いて、ピークが現れている周波数及び又はピークの高さ(を示す値)の平均値、ピークが現れている周波数及び又はピークの高さ(を示す値)の分散を用いて、測定データの異常度(スコア値)を求める。
【0039】
(A-1-3)センサ機器の内部構成
図3は、実施形態に係るセンサ機器20の内部構成を示す内部構成図である。
【0040】
図3において、センサ機器20は、通信部201、制御部202、加速度センサ203、スケジュール決定部204、タイマ部205、時計部206、データ保存部207を有する。
【0041】
センサ機器20は、ハードウェアにより構成されても良く、また、センサ機器20の一部の構成についてはソフトウェア的に構成しても良い。
【0042】
通信部201は、親機10と接続するネットワークと通信する通信インタフェースである。
【0043】
加速度センサ203は、橋梁等の構造物の振動を測定する。加速度センサ203は、瞬間の加速度を計測して制御部202に計測信号を与える。1台のセンサ機器20は、複数の加速度センサ203を備えてもよい。
【0044】
なお、センサ種類はこれに限らない。例えば、センサ機器20は、加速度センサ203に加えて、あるいは、加速度センサ203に代えて、温度センサ、湿度センサ、振動センサ、赤外線イメージセンサ等、様々な種類のセンサを備えるようにしてもよい。
【0045】
制御部202は、センサ機器20における各種機能を司る装置及び処理部である。制御部202は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有する。CPUがROMに格納される処理プログラム(例えば、測定プログラム等)を実行することにより、処理が実現されるようにしてもよい。
【0046】
制御部202は、通信部201を介して、監視装置30から測定動作に関する情報を受信し、加速度センサ203を稼働させる測定動作スケジュール情報をスケジュール決定部204に与える。
【0047】
スケジュール決定部204は、監視装置30から受信した測定動作スケジュール情報に基づいて、加速度センサ203を稼働させる周期的な測定タイミングを決定する。スケジュール決定部204は、加速度センサ203の周期的な測定タイミングを、タイマ部205に設定する。
【0048】
タイマ部205は、スケジュール決定部204により設定された測定タイミングを管理する。タイマ部205は時計部206の現在時刻を監視し、時刻が測定タイミングの測定時刻に達すると、タイマ部205は制御部202を起動させる。これにより、制御部202が起動するので加速度センサ203が起動状態となり、加速度センサ203が稼働する。なお、測定時刻以外のときには、センサ機器20は休止状態となり、タイマ部205及び時計部206以外の構成要素を休止させる。これにより、消費電力を抑えることができる。
【0049】
時計部206は、現在時刻を提供する時計である。
【0050】
(A-2)実施形態の動作
まずは、監視システム1における全体的な処理を簡単に説明する。
【0051】
センサ機器20は、測定動作スケジュールに基づいて、加速度センサ203を稼働させる周期的に測定タイミングを決定する。センサ機器20では、測定タイミングの時刻に達すると、所定時間、加速度センサ203が稼働する。稼働状態の加速度センサ203は、振動による加速度など構造物の特性を示すデータを計測する。通信部201は、加速度センサ203が計測した計測信号(計測値)を含む情報を親機10に送信し、親機10は、センサ機器20から受信した情報を監視装置30に転送する。
【0052】
次に、実施形態に係る監視装置30における監視方法の動作を、図面を参照しながら説明する。
【0053】
図4は、実施形態に係る監視装置30における処理動作を示すフローチャートである。以下では、
図4に示す手順に基づいて、監視装置30における処理を説明する。
【0054】
[S1:ピークの高さの導出]
監視装置30は、センサ機器20の加速度センサ203が計測した計測信号(計測値)を受信する。監視装置30では、ピークデータ分析部303が計測信号(時系列の振動波形)をフーリエ変換して周波数スペクトルを求める。監視装置30は、周波数スペクトルを分析して、構造物の固有周波数を特定し、固有周波数の信号成分の強さ(振幅)の変化を検出して構造物の異常を判定する。
【0055】
例えば、監視装置30は、加速度センサ203の計測毎に、計測信号をフーリエ変換して得た周波数スペクトルからピークを抽出して、特定の周波数領域毎のピークデータを求める。
【0056】
ここで、周波数スペクトルには多数のピークが存在する。固有周波数は、一般的には、周波数スペクトルにおいて極大値として現れる複数のピーク周波数の中に存在する。周波数スペクトルにおける極大値であっても、構造物の異常判定に採用するピークとして相応しくない不適当な極大値も存在する。
【0057】
例えば、フーリエ変換の特性により、大きなピークの前後の周波数には、細かいピークが多く存在することがある。これら細かいピークは、フーリエ変換に用いるデータ数を極端に増やせば消えるものであり、ピークとして採用することは不適当なものである。
【0058】
そこで、この実施形態では、ピークデータ分析部303が、「ピークの高さ」という概念を用いて、周波数スペクトルに存在する多数のピークの各ピークの「ピークの高さ」を導出する。
【0059】
ここで、「ピークの高さ」を導出する一例として、「プロミネンス」という概念がある。
図5及び
図6を用いて、プロミネンスの導出処理を説明する。
【0060】
図5(A)は周波数スペクトル例である。説明便宜上、周波数スペクトルの左端点を「a」、その右端点を「g」とする。「左端a」から「右端g」までの5個の極大値のそれぞれをピーク番号「1」~「5」とし、5個の極小値のそれぞれを「b」~「f」とする。
【0061】
図6に示す手順で、ピークデータ分析部303は、ピーク毎に、ピークの高さを示すプロミネンスを導出する。まず、ピークデータ分析部303は、ピークを選択し(S101)、値が次の状態となるまで、ピークの左側と右側に移動させていき、水平線の端点を導く(S102)。
・より高いピークと値が交差
・値が左端又は右端に到達。
【0062】
次に、ピークデータ分析部303は、S102で導いたピークの左区間と右区間での最小点(最小値)を求め(S103)、S103で導いた2個の最低値のうち、高い方の値を基準レベル(最高最小点)とする(S104)。ピークデータ分析部30は、基準レベルとピークとの差をピークの高さ(プロミネンス)とする(S105)。
【0063】
ピークデータ分析部303は、全てのピークを選択したか否かを判定し(S106)、全てのピークを選択していなければ(S106/No)、ピークデータ分析部303はS101に移行して処理を繰り返す。他方、全てのピークを選択していれば(S106/Yes)、ピークデータ分析部303は処理を終了する。
【0064】
例えば、
図5(A)の「ピーク番号:1」のピークのプロミネンスを導出する方法例を説明する。
【0065】
まず、「ピーク番号:1」のピークを選択する(S101)。このピークから左側に値を移動させていくと値が「左端a」に到達するので、「左端a」がピーク左区間の水平線の端点となる。他方、ピークから右側に値を移動させていくと、値が「ピーク番号:1」のピークよりも高い「ピーク番号:2」のピークと交差するので、値がピーク2に交差する点が、ピーク右区間の水平線の端点となる(S102)。
【0066】
次に、ピーク左区間の最小点が「左端a」であり、ピーク右区間の最小点が「b」であるので(S103)、「左端a」と「b」のうち、高い方の「b」を基準レベルとする(S104)。そして、基準レベル「b」から「ピーク番号:1」までの高さ「P1」が、「ピーク番号:1」のピークの高さ(プロミネンス)とする(S105)。ピークデータ分析部303は、全てのピークについても上述した処理を行い、その結果を
図5(B)に示す。
【0067】
[S2:不要なピークの削除]
次に、ピークデータ分析部303は、周波数スペクトルに存在する各ピークの高さと、各ピークの前後に現れるピークの高さとを比較して、周波数の違いを考慮した上で、一定比率以下の場合には小さい方のピークを削除する。
【0068】
例えば、
図5(A)を例にとると、「ピーク番号:3」のピークの高さは、隣の「ピーク番号:4」のピークの高さに比べて小さいので、「ピーク番号:3」のピークは削除対象となる。
【0069】
より具体的には、ピークデータ分析部303は、「ピーク番号:3」のピークの高さP3と、「ピーク番号:4」のピークの高さP4との比率を取り、その比率が閾値以下のときに、「ピーク番号:3」のピークは高さが小さいと判断して、削除対象とする。また、別の方法として、「ピークデータ分析部303は、ピーク番号:3」のピークの高さP3と、「ピーク番号:4」のピークの高さP4との差分値を取り、その差分値が閾値以下のときに、「ピーク番号:3」のピークは高さが小さいと判断してもよい。なお、ピークの高さに基づいて採用するピークを判定する際に用いる閾値は、適宜変更可能としてもよい。
【0070】
さらに、別の方法として、ピークデータ分析部303は、ピークの高さ順にピークデータをソートして、上位から固定比率のデータのみをピークとして採用する方法を取るようにしてもよい。
【0071】
図7は、周波数スペクトルの一例である。横軸は周波数(Hz)、縦軸は振幅スペクトル(gal×s)である。例えば、8Hz付近と11Hz付近のそれぞれに高いピークが現れている。これに対して、例えば、7Hz付近と10Hz付近にもピークが現れているが、7Hz付近のピークの高さは8Hz付近のピークのそれよりも低く、同様に10Hz付近のピークの高さは11Hz付近のピークのそれよりも低いので、7Hz付近及び11Hz付近のピークは、この実施形態のピークとして採用されない。つまり、ピークデータ分析部303は7Hz付近及び11Hz付近のピークを削除する。
【0072】
[S3:ピークデータの作成]
ピークデータ分析部303は、周波数スペクトルに存在するピークのうち、不要なピークを削除して残った複数のピークのピークデータを作成する。例えば、ピークデータ分析部303は、1日の計測値に基づく周波数スペクトルからピークを抽出して、各ピークのピークデータを作成する。そして、ピークデータ分析部303は、各ピークのピークデータをデータ蓄積部306に蓄積する。
【0073】
ここで、ピークデータは、ピーク毎の情報であり、ピークが現れている周波数(ピーク周波数)、ピークの高さの値、日付情報、グループ番号等を含む。なお、この段階では、各ピークのグループ番号が決定しておらず、グループ番号は付与されていない。
【0074】
[S4;グループ化処理]
グループ化処理部304は、データ蓄積部306から複数日のピークデータを読み出し、全てのピークデータを周波数順にソートする。そして、グループ化処理部304は、全てのピークデータにグループ番号を付与する。例えば、初期状態は、周波数順に並び替えたピークデータのそれぞれに、固有のグループ番号を順番に付与する。
【0075】
次に、グループ化処理部304は、グループ番号を付したピークデータのうち、周波数の差が最も小さい2つのグループに着目する。そして、グループ化処理部304は、2つのグループの全ピークデータを調査して、2つのグループに同一日のデータがないことを判断する。同一日のデータがない場合、グループ化処理部304は2つのグループを結合する。なお、同一日のデータがある場合、グループの結合は行わない。
【0076】
グループ化処理部304は、上述したグループの結合処理を、全てのグループ間について行う。結合後のグループについても新たな1つのグループとみなし、他のグループとの間で同一日のデータがあるか否かを判断してグループ化を繰り返し行う。グループ化処理を繰り返し行うことにより、周波数が近いピークデータから順番に同じグループに属するようになり、自然に周波数帯が形成される。
【0077】
グループ化処理部304は、1つのグループとして形成されたグループについても、グループ番号(若しくは周波数)が隣接する2つのグループのピークデータを比較し、同一日のデータがなければ、グループの結合を行う。
【0078】
例えば、異なるグループになっているということは、両方のグループに、少なくとも1日以上、同日のピークデータが存在していることを意味する。ここでは、両方のグループに同日のピークデータが存在していることを「重複」と表記する。グループ化処理部304は、グループにどれだけ「重複」が存在しているかの割合(例えば、全数に対する重複数)を調べる。また、グループ化処理部304は、2つのグループに属するピークデータの数を比較する。
【0079】
例えば、グループ化処理部304は、2つのグループのそれぞれに属しているピークデータ数を比較する。例えば、一方のグループに属するピークデータの数が多く、他方のグループに属するピークデータの数が少ないものとする。その場合、2つのグループにおける重複数も少ない場合(重複数が閾値以下の場合)、グループ化処理部304は2つのグループを結合する。
【0080】
また例えば、2つのグループに重複しているピークデータの「ピークの高さ」が明らかに低い場合(ピークの高さが閾値以下の場合)、重要なピークではないとみなして、グループ化処理部304は2つのグループを結合する。
【0081】
このように、グループ化処理部304は、1つのグループとして形成されたグループであっても、2つのグループに重複しているピークデータを考慮してグループ化する。
【0082】
[S5:グループの選定]
上述したグループ化処理により、多くの場合、複数のグループが得られる。次に、グループ化処理部304は、構造物の固有周波数として用いるグループを選定する。
【0083】
グループ化処理部304によるグループの選定方法の一例を説明する。グループの選定方法は、1つの基準(又は手法)で選定することに限らず、複数の基準(又は手法)を用いて選定する。例えば、グループ化処理部304は、測定回数に対して、一定割合以上のピークデータが存在しているグループを選定する。また例えば、グループ化処理部304は、閾値以上のピークの高さであるピークデータが属しているグループを選定する。
【0084】
ここで、「一定割合以上」とすることは、振動源がないインフラ構造物を監視する場合には、特に重要な項目である。例えば、通行止め等で車両通行が全くなかった場合、又は風が全く吹かなかった場合には、橋梁等の構造物に異常がない状態であっても、ピークが現れないことがある。従って、ピークがないことに対して一概に異常であると判断することはできない。
【0085】
そこで、顕著なピーク、頻繁なピークが多く存在している周波数(グループ)だけでなく、構造物の通常時にピークが現れない周波数(グループ)も選定するために、「一定割合以上」としている。
【0086】
なお、勿論、顕著なピーク、頻繁に出現するピークの周波数も重要な周波数(グループ)であるので、これらのグループも選定する必要がある。また一定割合の値は、特に限定されず、監視対象とする構造物の状況や環境などに応じて、適宜決めるようにしてもよい。
【0087】
図8は、監視装置30が連日測定したデータ結果の一例である。横軸は日付であり、縦軸は周波数(Hz)である。
図8において、丸の大きさは「ピークの高さ」を示しており、丸の直径が大きくほど「ピークの高さ」が高いことを示している。
【0088】
図9は、
図8のデータ結果のうち、一部のグループに属するピークデータ例を示す。例えば、「f欄」は周波数、「p欄」はピークの高さを示しており、「f」、「p」の数字はグループ番号を示している。例えば、
図8の6Hz付近が第9グループ、8Hz付近が第10グループ、11Hz付近が第11グループとしている。
【0089】
例えば、11Hz付近の第11グループは、閾値以上のピークの高さを持つピークデータが属しているグループである。また例えば、8Hz付近の第10グループは、測定回数に対して一定割合以上のピークデータが存在しているグループである。このように、通常時にはピークが現れていない(若しくはピークが現れにくい)グループも選定できるようにしている。
【0090】
[S6:スコア値の導出]
異常度評価部305は、過去の大量のピークデータを用いて求めた特定の周波数領域のピーク特性と、評価対象の測定データとを用いて、測定データの異常度を示すスコア値を導出する。
【0091】
スコア値の求め方の一例を説明する。ここでは、スコア値が高くなるほど、測定データが異常であることを示す。
【0092】
例えば、大多数の日にピークデータが存在しているグループについては、(a)平均周波数からのズレによってスコア値をつける、(b)ピークの強さは平均値(ピーク振幅の値)から強い側へのズレに対してはスコア値をつける、(c)ピークの強さが弱くなっていることに対してはスコアをつけない、(d)ピークデータが存在しないことに対してスコア値を付与する、などといった方法が考えられる。
【0093】
また例えば、一部の日にだけピークデータが存在するグループについては、(i)ピークデータが存在することに対してスコア値をつける、(ii)ピークの強さに応じてスコア値を上げる、(iii)グループ内の周波数のズレに対してもスコアをつける、などといった方法が考えられる。
【0094】
これは、構造物に劣化等の異常が発生した場合にはピークが大きくズレて、ピークが別のグループに飛ぶ場合を想定している。また、異常によって新たなピークが発生する場合が考えられるため、データ数が少なくともピークの高いデータが発生した場合には考慮する必要がある。
【0095】
例えば、
図9の例で、第11グループは大多数の日にピークデータが存在しているグループとみなす。第9、第10グループは、一部の日にだけピークデータが存在するとみなす。これら第9、第10グループに関しては、ピークの強さが強いピークデータに対して、スコア値を上げて付与するなどの処理を行なうようにしてもよい。
【0096】
(A-3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、構造物の固有周波数や正常データ値等のパラメータを事前設定することや、測定結果の確認をすることなく、ピーク周波数の変化による異常検知が可能となる。また、実施形態によれば、一定の振動源がないインフラ構造物に対しても利用可能な判定方法を提供することが可能となる。
【0097】
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
【0098】
(B-1)上述した実施形態では、監視対象が1つの同一構造物とする場合を例示したが、同時期に施行された複数の構造物を1つのグループとしてまとめて監視するときにも本発明をそのまま利用できる。
【0099】
(B-2)上述した監視装置の各種機能は、物理的に同一の装置で行われてもよいし、それぞれ別の装置で行われるようにしてもよい。例えば、ピークデータ分析部303、グループ化処理部304、異常度評価部305が、それぞれ分散配置されて異なる装置で行われるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…監視システム、10…親機、20…センサ機器、30…監視装置、201…通信部、202…制御部、203…加速度センサ、204…スケジュール決定部、205…タイマ部、206…時計部、207…データ保存部、301…通信部、302…制御部、303…ピーク分析部、304…グループ化処理部、305…異常度評価部、306…データ蓄積部。