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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022114948
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】食品描画補助器
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/28 20060101AFI20220801BHJP
   A63H 33/30 20060101ALI20220801BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A47J43/28
A63H33/30 B
A63H33/00 304Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011451
(22)【出願日】2021-01-27
(71)【出願人】
【識別番号】391010529
【氏名又は名称】株式会社テンヨー
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】恩慈 宗三
【テーマコード(参考)】
2C150
4B053
【Fターム(参考)】
2C150BA43
2C150CA18
2C150DD08
2C150DK17
2C150FD35
4B053AA03
4B053BL01
4B053CA30
(57)【要約】
【課題】 使用者が食品上に描画を行う際に、簡便に、上手に、所望の模様を描画するための食品描画補助器を提供すること。
【解決手段】 食品上に所望の模様を描画するための食品描画補助器1であって、食品の横に置かれる基台10と、基台10から第1の傾斜角で設置され、模様の原稿を載せるための原稿台20と、基台から第2の傾斜角で設置され、原稿を使用者の目に向けて反射すると共に、食品からの直射光を目に向けて透過する半反射半透過する反射板30とを備え、原稿が反射した反射像を見ながらなぞることで食品上に模様を描画することを補助する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品上に所望の模様を描画するための食品描画補助器であって、
該食品の横に置かれる基台と、
該基台から第1の傾斜角で設置され、模様の原稿を載せるための原稿台と、
該基台から第2の傾斜角で設置され、該原稿を使用者の目に向けて反射すると共に、該食品からの直射光を目に向けて透過する半反射半透過する反射板と
を備え、
該原稿が反射した反射像を見ながらなぞることで食品上に模様を描画することを補助する
ことを特徴とする食品描画補助器。
【請求項2】
前記基台が、平面上に設置する下部台部と、直立して高さを調整可能な昇降部と、該昇降部の上端に付設され略水平な上部台部とを備え、
該上部台部から所定の鉛直面に対して、面対称となるように前記原稿台と前記反射板とを斜め上方に向けて第1の傾斜角及び第2の傾斜角で設置する
請求項1に記載の食品描画補助器。
【請求項3】
前記基台に、前記昇降部の高さ調整に合わせて上下するゲージ板を備え、該ゲージ板の指示位置を描画する高さに合わせた時に昇降部をロックするロック機構を備えた
請求項2に記載の食品描画補助器。
【請求項4】
前記基台の下部台部が一方を幅狭、他方を幅広に構成され、
一方の先端部が弧状で形成される
請求項2又は3に記載の食品描画補助器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品上に所望の模様を描画するための食品描画補助器に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーキなどの食品上にチョコクリーム等で文字やイラストなどの模様を描くことは広く行われている。また、ホットケーキを焼く時に生地で先に模様を描き、時間差で上から生地を流し込むことによって最初に描いた部分の焼き色が濃くなることを利用した模様付きのホットケーキの調理方法も知られている。
【0003】
習熟した者以外、子供や一般の人にとってケーキ上あるいはフライパン上に直接、クリームや生地で正確に描画することは困難である。模様を描くノズルから太さやスピードに気を遣わなければならない上に、正確な位置に置くことは難しく、調理の楽しさを損ねてしまう原因となっている。
このような問題を解消し、子供でも上手に複雑な絵を描ける方法を提供することで、調理の楽しさや食育に寄与することができる。
【0004】
従来技術として特許文献1ないし8には、ホットケーキ等の焼き物食品に描画する技術が開示されているが、原稿に忠実に描画を行う簡便な方法は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭58-43735号
【特許文献2】特開昭59-11136号
【特許文献3】登実3083674号
【特許文献4】特開2012-81239号
【特許文献5】特開2011-239765号
【特許文献6】特開平9-171号
【特許文献7】特開平5-146261号
【特許文献8】特開平2-247997号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、使用者が食品上に描画を行う際に、簡便に、上手に所望の模様を描画するための食品描画補助器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために次のような食品描画補助器を提供する。
第1の実施態様によれば、食品上に所望の模様を描画するための食品描画補助器であって、食品の横に置かれる基台と、基台から第1の傾斜角で設置され、模様の原稿を載せるための原稿台と、基台から第2の傾斜角で設置され、原稿を使用者の目に向けて反射すると共に、食品からの直射光を目に向けて透過する半反射半透過する反射板とを備え、原稿が反射した反射像を見ながらなぞることで食品上に模様を描画することを補助する食品描画補助器を提供する。
【0008】
第2の実施態様によれば、上記の基台が、平面上に設置する下部台部と、直立して高さを調整可能な昇降部と、昇降部の上端に付設され略水平な上部台部とを備え、上部台部から所定の鉛直面に対して、面対称となるように上記の原稿台と上記の反射板とを斜め上方に向けて第1の傾斜角及び第2の傾斜角で設置する食品描画補助器を提供することもできる。
【0009】
第3の実施態様によれば、上記の基台に、上記の昇降部の高さ調整に合わせて上下するゲージ板を備え、ゲージ板の指示位置を描画する高さに合わせた時に昇降部をロックするロック機構を備えた構成でもよい。
【0010】
第4の実施態様によれば、上記の基台の下部台部が一方を幅狭、他方を幅広に構成され、一方の先端部が例えば円形の鍋の円周に沿うように弧状で形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る食品描画補助器の斜視図である。
図2】本発明の食品描画補助器の左側面図である。
図3】下部台部の平面図である。
図4】上部台部と原稿台の連結方法を示す説明図である。
図5】ガイド板の説明図である。
図6】ロック機構の説明図である。
図7】本発明の使用方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
図1は、本発明に係る食品描画補助器の斜視図であり、図2は同、左側面図である。食品描画補助器(1)は、食品上に文字やイラストなどの所望の模様を描画する際に、使用者が原稿を参考にしながら簡便に描画できるように補助する器具である。
【0013】
描画の対象としては、ホットケーキやケーキ、チョコレートプレート、ヨーグルト、プリン、オムレツ、パン、お好み焼きなど様々な食品が可能であり、これらの食品に流動性のある液体、例えばシロップ、ホイップクリーム、チョコクリーム等の甘味料や、ケチャップ、ソースなどの調味料を細いノズル状の容器から絞り出して描画する。
【0014】
また、描画時に直接食品の上に描画する構成に限らず、例えばフライパン上に描いた上で後から生地を被せるような手順で食品上に描画する構成でもよい。すなわち、本発明において「食品上に所望の模様を描画する」と言うのは、既存の食品上に直接描画する場合に限らず、フライパンやホットプレート、皿などの調理器具、食器、容器などに一度描画してから、食品上に付加する、移動する、転写する等の態様を含むものである。
【0015】
食品描画補助器(1)は、食品の横に置かれる基台(10)と、基台から(図2上)右斜め上方に設置される原稿台(20)、基台から(図2上)左斜め上方に設置される反射板(30)とから構成される。
【0016】
基台(10)は、平面上に設置する下部台部(11)と、直立して高さを調整可能な昇降部(12)と、昇降部の上端に付設され略水平な上部台部(13)とを備える。下部台部(11)は図1ないし図3に示すように原稿台(20)側が幅狭、反射板(30)側が幅広に構成され、反射板(30)側は二股(110)に分岐することで基台(10)の安定性を高めると共に、大きめのフライパンや食品などを避けやすく構成している。一方、幅狭の方の先端も弧状で内側に凹ませているので、小さめのフライパン、皿、食品などを避けることができる。
【0017】
このように下部台部(11)を2種類の形状としたことで描画する対象の大きさにあわせて、例えば原稿台(20)側を幅広、反射板(30)側を幅狭で使用することによって、様々な食品に対応することができる。
【0018】
昇降部(12)は、下部台部(11)に設ける差し込み口に柱状体を差し込んで直立させたものであり、中途に昇降ハンドル(120)を有し、昇降ハンドル(120)を回転させることによって上下に昇降自在となっている。昇降機構について詳述すると、柱状体は下部台部(11)と接続される外筒と、上部台部(13)と接続される内筒がスライド可能に2層となっている。外筒に軸支される昇降ハンドル(120)の回転軸に付設したピニオンギアが、内筒を側面に設けたラックギアと噛合し、昇降ハンドル(120)を回転することで外筒に対して内筒が上下に摺動するように構成されている。
【0019】
また、後述するように昇降動作をロックするためのロック機構のレバー(121)も備えており、外筒上で左右に摺動するレバー(121)を動かすことで、内筒と係合して昇降機構が上下に動かないように規制することができる。
【0020】
図4は上部台部(13)と原稿台(20)の連結方法を示す説明図である。
上部台部(13)にも下部台部(11)と同様に昇降部(12)の柱状体を差し込むための差し込み口を備え、昇降部(12)上端を差し込むことで略水平に固定される。上部台部(13)は略四角形の板状体であり、その対向する2辺にそれぞれ原稿台(20)の基部を支持する原稿台支持溝(130)と、反射板(30)の基部を支持する反射板支持溝(131)が設けられている。
【0021】
原稿台支持溝(130)は斜め内側下方に傾斜して設けられる溝であって2つ並列し、原稿台(20)の下端に凸設された2つの差し込み板(21)が嵌合することで、所定の角度を保持して支持すると共に、容易に着脱することができる。
反射板支持溝(131)についても同様の構成で、反射板を所定の角度で保持すると共に、着脱可能に構成している。
【0022】
原稿台(20)は、描画する模様の原稿を載せるための板状の台であり、本実施例では反射板と同様の透明な樹脂板で形成している。原稿台(20)の左右両側には原稿用紙を差し込んだときに両端を挟む挟持部(22)を備えている。原稿用紙(23)は、原稿台(20)に適合するサイズで予め提供することができ、例えばキャラクターや絵画、文字などを印刷して準備する。あるいは、当該サイズの白紙を提供して、使用者が先に手書きやプリンターなどで印刷して、随意の描画ができるようにしてもよい。
【0023】
反射板(30)も本実施例では原稿台(20)と同一の部材であるが、反射板(30)の要件としては、原稿を使用者の目に向けて反射すると共に、食品からの直射光を目に向けて透過する半反射半透過の素材で構成することである。一般的な透明の樹脂、例えばアクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の材料で表面を平滑に構成すれば、半反射半透過とすることができるので、本構成は低コストで実現が可能である。
なお、反射板(30)は無色透明でなく薄いグレーの透明板など、反射した原稿が視認しやすいように着色してもよい。
【0024】
そして、本発明では図2に示すように、上部台部(13)から所定の鉛直面(A)に対して、面対称となるように原稿台(20)と反射板(30)とを斜め上方に向けて第1の傾斜角(α)及び第2の傾斜角(β)で設置する。本実施例にでαは約30度、βは約30度であり、すなわち原稿台(20)と反射板(30)のなす角度は約60度である。上部台部(13)の上方から使用者が視認したときに、原稿台(20)上の原稿の虚像は、原稿台(20)と反射板(30)の延長線上の交点を含む水平面上に見ることができる。該水平面は反射板(30)を挟んで原稿台(20)と対称であるので、α+β=γである。
【0025】
このように鉛直面(A)に対して面対称となるように第1の傾斜角及び第2の傾斜角をそれぞれ30度とすることで、ちょうど上方からのぞき込んだときに水平面に虚像を結ぶようにできるので好適であるが、本発明の実施において傾斜角は限定されない。
食品を水平に置く場合に、例えば、原稿台(20)を鉛直方向に立て(α=0)、第2の傾斜角β=45度としても、γ=45度、β+γ=90度となって、水平面に虚像を結ばせることができる。
【0026】
なお、本発明において原稿台(20)と反射板(30)の高さを変化させてもよいので、その場合には上記の趣旨を逸脱しない限り適宜、傾斜角を設定することは自由である。
【0027】
図5は、ガイド板の説明図、図6はロック機構の説明図である。
本発明において、高さ調整を容易に行えるように、ガイド板(4)を上部台部(30)に付設してもよい。ガイド板(4)は上部台部(30)のスリット(42)に一端を差し込み、所定距離離隔するための水平部(40)と、その他端から垂直下方に延設した垂直部(41)とから成り、垂直部(41)の下端が、原稿台(20)と反射板(30)の延長線上の交点を含む水平面の高さを示している。
【0028】
使用時にはまずガイド板(4)をスリット(42)に差し込んで昇降機構の昇降ハンドル(120)で描画する面の高さに調整し、高さが決まったらレバー(121)を「とまる」方に動かして昇降をロックする。その後、ガイド板(4)を取り外す。
正確に高さ調整を行うことで、像のズレがなく、反射板(30)により映し出される像と食品や調理器具との距離が適切にとることができるため、描画のしやすさに寄与し、衛生上も優れた効果を奏する。
【0029】
最後に、図7では本発明を用いた描画の具体例を図示している。使用者と食品描画補助器(1)の位置関係は随意であるが、例えば、左側に原稿台(20)、右側に反射板(30)を位置させ、上部台部(13)の側方からのぞき込むようにすると、フライパン(5)の上に原稿用紙に描かれたイラストの虚像が見える。この虚像をなぞるようにして先端が細いノズル状のボトルから描画に用いる液体で描くことにより、簡便に正確な描画を補助すると共に、虚像自体を眺めることで楽しい調理を行うことができる。
【符号の説明】
【0030】
1 食品描画補助器
10 基台
11 下部台部
12 昇降部
13 上部台部
20 原稿台
30 反射板
4 ガイド板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7