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特開2022-115016廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置および方法
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  • 特開-廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115016
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20220801BHJP
   C22B 7/00 20060101ALI20220801BHJP
   C22B 13/00 20060101ALI20220801BHJP
   C22B 1/00 20060101ALI20220801BHJP
   B02C 19/06 20060101ALI20220801BHJP
   B02C 2/00 20060101ALI20220801BHJP
   B02C 13/00 20060101ALI20220801BHJP
   H01M 10/54 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
B09B5/00 A
C22B7/00 C ZAB
C22B13/00
C22B1/00 101
B02C19/06 A
B02C2/00
B02C13/00 Z
H01M10/54
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021025902
(22)【出願日】2021-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】202110112481.5
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520223723
【氏名又は名称】生態環境部華南環境科学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】檀笑
(72)【発明者】
【氏名】温勇
(72)【発明者】
【氏名】王樹賓
(72)【発明者】
【氏名】韓偉江
(72)【発明者】
【氏名】項▲いゅん▼
(72)【発明者】
【氏名】陳爍娜
(72)【発明者】
【氏名】劉海兵
(72)【発明者】
【氏名】劉理祥
(72)【発明者】
【氏名】崔海亮
(72)【発明者】
【氏名】向運栄
(72)【発明者】
【氏名】蔡彬
【テーマコード(参考)】
4D004
4D063
4D065
4D067
4K001
5H031
【Fターム(参考)】
4D004AA07
4D004AA11
4D004AA23
4D004AB03
4D004AC05
4D004BA05
4D004CA04
4D004CA07
4D004CA09
4D004CA13
4D004CA40
4D004CB05
4D004CB13
4D004CC03
4D004DA10
4D004DA17
4D063BB06
4D063GA02
4D063GA10
4D063GC17
4D063GD02
4D065BB12
4D065EB02
4D065EB14
4D065EB20
4D065ED23
4D065ED25
4D065EE08
4D067CA01
4D067CA07
4D067CA09
4D067GA10
4D067GA16
4D067GA20
4D067GB07
4K001AA20
4K001AA21
4K001BA22
4K001CA01
4K001CA03
4K001CA04
5H031AA01
5H031RR01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】得られた回収物の混合度を大幅に低減し、資源のリサイクルに便利な廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置および回収方法を提供する。
【解決手段】回収装置は、位置修正機構1、分解機構2、粉砕機構およびふるい分け機構から構成され、回収方法は、分解前の準備→電解液の放出→位置修正→ウォータージェット分割→高圧水洗浄→分類・粉砕・収集→資源収集のステップにより、既存の手動分解や機器一括粉砕方法ではなく、廃棄鉛蓄電池を組ごとに切断、粉砕およびふるい分けにかける方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置修正機構(1)、分解機構(2)、粉砕機構およびふるい分け機構(3)から構成さ
れる廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置であって、
前記位置修正機構(1)は、伝達ベルト(11)を含み、前記伝達ベルト(11)の移動
方向に沿って、順次、高さ調節可能な高さ制限ローラ(12)および回転装置(13)が
設けられ、
前記分解機構(2)は、鉛蓄電池(4)の搬送方向に沿って順次設けられた第1の分解装
置(21)および第2の分解装置(22)から構成され、
前記第1の分解装置(21)は、第1のスライドレール(2112)上に架設され、前記
回転装置(13)の位置に対応する2つの第1の制限フレーム(211)を含み、前記2
つの第1の制限フレーム(211)のクランプ側にそれぞれペアの制限ロール(2111
)が設けられ、
前記第1の分解装置(21)は、2つの第1の制限フレーム(211)の間に設けられ回
転装置(13)と突き合わされた第2のローラ(212)、前記2つの第1の制限フレー
ム(211)の上方に設けられたペアの高圧ウォータージェット(213)、前記第2の
ローラ(212)の上方に設けられ高圧ウォータージェット(23)の位置に対応する制
限クランプ(214)、および前記2つの第1の制限フレーム(21)の下方に設けられ
た第1の水タンク(215)をさらに含み、
前記第2の分解装置(22)は、第2のスライドレール(2214)上に架設され第1の
制限フレーム(211)と突き合わされた第2の制限フレーム(221)、前記第2の制
限フレーム(221)の間に設けられ前記第2のローラ(212)の位置に対応する押出
装置(222)、前記第2の制限フレーム(221)の外側に設けられた高圧吐出ノズル
(223)、および第2の制限フレーム(221)の下方に設けられスクリーン(224
1)が付けられた第2の水タンク(224)を含み、
前記第2の制限フレーム(221)は、底部フレーム(2212)、高圧吐出ノズル(2
23)から離間された側に設けられ、ボールねじを介して底部フレーム(2212)に接
続された頂部フレーム(2211)から構成され、前記底部フレーム(2212)と頂部
フレーム(2211)の鉛蓄電池(4)に接触する面に摺りボール(2213)が設けら
れ、
前記ふるい分け機構(3)は、攪拌ふるい分け装置(31)および磁気ふるい分け装置(
32)を含み、前記磁気ふるい分け装置(32)は、垂直方向上に位置調節可能な回転式
電磁ストリップ(322)を含む、
ことを特徴とする廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置。
【請求項2】
鉛蓄電池(4)の転送方向を正方向とし、前記回転装置(13)は、転送経路上に順次レ
ザーセンサ(131)および伝達ベルト(11)と突き合わされた第1のローラ(132
)を含み、
前記隣接する第1のローラ(132)の隙間に、鉛蓄電池(4)の転送方向に垂直な平面
に沿って軸周りに回転可能な回転ロッド(133)が設けられ、前記第1のローラ(13
2)の回転ロッド(133)の近接方向に隣接する一端に補助ローラ(134)が設けら
れ、前記補助ローラ(134)と第1のローラ(132)の転送領域に近い接続部に補助
傾斜面(135)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の廃棄鉛蓄電池資源の
統合回収装置。
【請求項3】
前記制限ロール(2111)は、第1の制限フレーム(211)上に回転可能に接続され
たメインロッド(21111)および緩衝ロッド(21112)を含み、前記メインロッ
ド(21111)はその上に設けられた接続ロッド(21113)を介して緩衝ロッド(
21112)の第1の制限フレーム(211)から離れた一端に回転可能に接続され、
前記メインロッド(21111)と接続ロッド(21113)の接続部にホイール(21
114)が設けられ、
前記メインロッド(21111)と第1の制限フレーム(211)の接続部における緩衝
ロッド(21112)に近い側に制限プレート(21115)が設けられる、ことを特徴
とする請求項1に記載の廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置。
【請求項4】
前記押出装置(222)は、環状ガイドレール(2222)が設けられたフレーム(22
21)を含み、前記環状ガイドレール(2222)内に折り畳み式押し板(2223)が
設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置。
【請求項5】
前記磁気ふるい分け装置(32)は、主に混合ボックス(311)および前記混合ボック
ス(311)の下方に位置する緩衝ボックス(313)から構成され、
前記混合ボックス(311)の収束開口に接線方向に入水口(3121)が設けられ、前
記混合ボックス(311)の水平面に垂直な中心軸線の位置に、混合ボックス(311)
の頂面を貫通する中空軸(314)が設けられ、前記中空軸(314)は、混合ボックス
(311)の頂部に設けられギアセットから構成された駆動構造(316)を介して外部
モータに接続され、
前記中空軸(314)の緩衝ボックス(313)に近い一端に接続ディスク(321)が
接続され、前記接続ディスク(321)の緩衝ボックス(313)に近い側の縁に周方向
に沿って1ターンの電磁ストリップ(322)が接続され、
前記接続ディスク(321)の電磁ストリップ(322)から離れた側にシーリングディ
スク(323)が設けられ、前記シーリングディスク(323)と接続ディスク(321
)間の距離が、緩衝ボックス(313)の垂直方向における深さと同じである、ことを特
徴とする請求項1に記載の廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の回収装置を使用して鉛蓄電池資源を統合的に回収
する方法であって、
S1、分解前の準備
レーザー距離計を使用して位置修正機構(1)に入る直前の伝達ベルト(11)上の鉛蓄
電池(4)の外郭を測定し、鉛蓄電池(4)の最も長い辺の長さaと、上部カバー(41
)からシェル(42)の底面までの間隔bと、上部カバー(41)をクランプするシェル
(42)両側面の間隔cとを取得し、
同じバッチの処理する鉛蓄電池(4)の外郭データをコントロールセンターにフィードバ
ックし、コントロールセンターは、フィードバックデータに基づいて、高さ制限ローラ(
12)の高さが長さaよりも小さく間隔b、cよりも大きく、第1の制限フレーム(21
1)と第2の制限フレーム(221)の間隔が間隔bと等しく、第2の制限フレーム(2
21)の頂部フレーム(2211)の高さが間隔cと等しく、かつ間隔b、cを区別でき
るレザーセンサ(131)の高さと等しくなるように調整するステップと、
S2、電解液の放出
処理する鉛蓄電池(4)を位置修正機構(1)まで持ち上げる過程中、パンチを使用して
鉛蓄電池(4)のシェル(42)に穴を開け、電解液を貯蔵タンクに流入させるステップ
と、
S3、位置修正
S31、高さ制限ローラ(12)の高さを調整し、処理する鉛蓄電池(4)が高さ制限ロ
ーラ(12)を通過すると、伝達ベルト(11)にある鉛蓄電池(4)が高さ制限ローラ
(12)によって平になり、
S32、鉛蓄電池(4)がレザーセンサ(131)を通過すると、レザーセンサ(131
)が光信号を受信したかどうかに基づいて鉛蓄電池(4)の上部カバー(41)の向きを
判断し、鉛蓄電池(4)の上部カバー(41)が側方に向かう場合、継続的に転送し、鉛
蓄電池(4)の上部カバー(41)が上方に向かうと、回転ロッド(133)を始動させ
て鉛蓄電池(4)を回転させるステップと、
S4、ウォータージェットによる分割
S41、ステップS3で処理された鉛蓄電池(4)を第1のローラ(132)により第2
のローラ(212)に転送し、制限ロール(2111)の補助下で、鉛蓄電池(4)が高
圧ウォータージェット(213)の前方に達すると、制限クランプ(214)が下に移動
して鉛蓄電池(4)を固定し、高圧ウォータージェット(213)は鉛蓄電池(4)の上
部カバー(41)およびシェル(42)の底面を切断し、
S42、ステップS31によって切断された上部カバー(41)が第1の水タンク(21
5)の底部に沈み、シェル(42)の底面が第1の水タンク(215)の表面に浮かぶス
テップと、
S5、高圧水による洗浄
ステップS4で処理された鉛蓄電池(4)が押出装置(222)によって押され、第2の
制限フレーム(221)に沿って前進し、高圧吐出ノズル(223)から吐出された高圧
水流を通過すると、シェル(42)の内部に埋め込まれた陽極板(43)、陰極板(44
)、鉛ペースト、および残留の電解液が第2の水タンク(224)に洗い流されるステッ
プと、
S6、分類・粉砕・収集
S61、第1の水タンク(215)の表面に浮かぶシェル(42)を収集した後、コーン
クラッシャーで粉砕してPPプラスチックを得る、
S62、第1の水タンク(215)の底部に沈む上部カバー(41)を収集した後、ハン
マークラッシャーで粉砕してPVCプラスチック、PEプラスチック、ゴム、金属スクラ
ップの混合物を得る、
S63、第2の水タンク(224)のスクリーン(2241)によって遮られた陽極板(
43)、陰極板(44)のグリッドを収集し、粉砕して鉛アンチモン合金材料を得る、
S64、ステップS5で処理されたシェル(42)および仕切り板(56)を収集し、粉
砕してPPプラスチック、PVCプラスチックまたはPEプラスチックの混合物を得るス
テップと、
S7、資源の収集
S71、金属材料の収集:ふるい分け機構(3)によってステップS62で収集された混
合物をふるい分け、攪拌分離装置(41)によって大きな金属スクラップを粗い分離して
から、磁気ふるい分け装置(32)によって小さな金属スクラップを二回および三回分離
し、分離した金属スクラップを溶融して回収する、
S72、ゴムとプラスチックの収集:ステップS71で処理されたPVCプラスチック、
PEプラスチック、ゴム、混合物を収集し、エジェクト方法によりホイストを使用して前
記混合物をリバウンドプレートにエジェクトし、ゴム、プラスチックリバウンド距離の違
いにより、ゴムとプラスチックを分離する、
S73、鉛ペーストの収集:前記スクリーン(2241)によってふるい分けられた後、
第2の水タンク(224)の底部に鉛ペーストを集中的に収集し、
S74、鉛アンチモン合金の収集:鉛アンチモン合金をステップS63によって収集し、
S75、電解液の収集:電解液をステップS2によって収集するステップと、
を含むことを特徴とする鉛蓄電池資源を統合的に回収する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池資源の回収の技術分野に関し、具体的には、廃棄鉛蓄電池資源の統合回収
装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の廃棄鉛蓄電池の回収には、以下の技術的問題がある。
第一に、鉛蓄電池の粉砕物の混合度を下げるために、粉砕前に手動で鉛蓄電池を分解する
ため、効率が低い、
第二に、効率を上げるために、粉砕机によって鉛蓄電池全体を一括に粉砕し、そして粉砕
物を重力-水浮力方法によりふるい分けたが、単なる物理的にふるい分けるため、重量の
異なる物質を完全にふるい分けるのは困難であり、かつ粉砕物の混合度が高い。
【発明の概要】
【0003】
上記の問題を解決するために、本発明は、廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置および方法を
提供し、廃棄鉛蓄電池を組ごとに切断、粉砕およびふるい分け、得られた回収物の混合度
が低く、資源のリサイクルに便利であり、具体的な技術的解決策は以下の通りである。
【0004】
一、回収装置
本発明によって設計された廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置は、位置修正機構、分解機構
、粉砕機構およびふるい分け機構から構成される。
【0005】
前記位置修正機構は伝達ベルトを含み、前記伝達ベルトの移動方向に沿って、順次高さ調
節可能な高さ制限ローラおよび回転装置が設けられる。
【0006】
前記分解機構は、鉛蓄電池の搬送方向に沿って順次設けられた第1の分解装置および第2
の分解装置から構成される。
【0007】
前記第1の分解装置は、第1のスライドレールに架設され前記回転装置の位置に対応する
2つの第1の制限フレームを含み、前記2つの第1の制限フレームのクランプ側に制限ロ
ールが対になって設けられる。
【0008】
前記第1の分解装置は、2つの第1の制限フレーム間に設けられ回転装置と突き合わされ
た第2のローラ、前記2つの第1の制限フレームの上方に対になって設けられた高圧ウォ
ータージェット、前記第2のローラの上方に設けられ高圧ウォータージェットの位置に対
応する制限クランプ、および前記2つの第1の制限フレームの下方に設けられた第1の水
タンクをさらに含む。
【0009】
前記第2の分解装置は、第2のスライドレール上に架設され第1の制限フレームと突き合
わされた第2の制限フレーム、前記第2の制限フレーム間に設けられ前記第2のローラの
位置に対応する押出装置、前記第2の制限フレームの外側に設けられた高圧吐出ノズル、
および第2の制限フレーム下方に設けられスクリーン付きの第2の水タンクを含む。
【0010】
前記第2の制限フレームは、底部フレーム、および高圧吐出ノズルから離れた側に設けら
れボールねじを介して底部フレームに接続された頂部フレームから構成され、前記底部フ
レームおよび頂部フレームの鉛蓄電池に接触する面に摺りボールが設けられる。
【0011】
前記ふるい分け機構は、攪拌ふるい分け装置および磁気ふるい分け装置を含み、前記磁気
ふるい分け装置は回転できる垂直方向に位置調節可能な電磁ストリップを含む。
【0012】
本発明の一態様によれば、鉛蓄電池の転送方向を正方向とし、前記回転装置は転送経路に
順次レザーセンサおよび伝達ベルトと突き合わされた第1のローラが設けられる。
【0013】
前記隣接する第1のローラの隙間に、鉛蓄電池の転送方向に垂直な平面に沿って軸周りに
回転可能な回転ロッドが設けられ、前記第1のローラの回転ロッドに近い近接方向の一端
に補助ローラが設けられ、前記補助ローラおよび第1のローラの転送領域に近い接続部に
補助傾斜面が設けられる。
【0014】
異なるタイプの鉛蓄電池の長さ・幅・高さデータが異なるため、鉛蓄電池の外郭データを
確認した後、鉛蓄電池を上部カバーが側方に向かうように転送するために、高さ制限ロー
ラを使用して伝達ベルト上に立っている鉛蓄電池の位置を制限し、回転装置によって鉛蓄
電池の上部カバーの向きを限定する必要がある。
【0015】
鉛蓄電池の上部カバーからシェルの底面までの間隔bが上部カバーをクランプするシェル
の両側面の間隔cよりも大きいと、レザーセンサの高さを間隔bよりも小さく間隔cより
も大きくなるように調整する必要があり、このとき、鉛蓄電池を上部カバーが上または下
へ向かうように回転装置を通過させると、レザーセンサの光信号が遮断され、回転ロッド
が回転し、鉛蓄電池の上部カバーが側方に向かうようになり、後のウォータージェット切
断に便利である。鉛蓄電池の上部カバーからシェルの底面までの間隔bが上部カバーをク
ランプするシェルの両側面の間隔cよりも小さい場合、その原理は同じである。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記制限ロールは、第1の制限フレーム上に回転可能に接続さ
れたメインロッドおよび緩衝ロッドを含み、前記メインロッドは、その上に設けられた接
続ロッドを介して緩衝ロッドの第1の制限フレームから離れた一端に回転可能に接続され
る。前記メインロッドと接続ロッドの接続部にホイールが設けられる。前記メインロッド
と第1の制限フレームの接続部の緩衝ロッドに近い側に制限プレートが設けられる。
【0017】
制限ロールは鉛蓄電池の位置を制限し、高圧ウォータージェットの切断時鉛蓄電池の振動
による影響を低減する。制限ロールの最も大きい作用は、高圧ウォータージェットにより
鉛蓄電池の上部カバーおよびシェル底面を切断した後、鉛蓄電池の上部カバーおよびシェ
ル底面が第1の制限フレームおよび第2のローラの隙間に沿って第1の水タンクに下落さ
せることであり、このとき、制限ロールは緩衝ロッドにより即時にリバウンドされ、すぐ
に鉛蓄電池の位置を制限する。
【0018】
本発明の一態様によれば、前記押出装置は、環状ガイドレールが設けられたフレームを含
み、前記環状ガイドレール内に折り畳み式押し板が設けられる。環状ガイドレールは、鉛
蓄電池の転送方向に沿った2つのレールを含み、折り畳み式押し板の前進方向と鉛蓄電池
の転送方向が同じであるレールは第2の制限フレームの中央に位置し、折り畳み式押し板
が正確に鉛蓄電池の転送を押すことを確保する。
【0019】
本発明の一態様によれば、前記磁気ふるい分け装置の主な構造は攪拌ふるい分け装置とは
、以下のことを除いて同じである。
【0020】
前記磁気ふるい分け装置は、混合ボックスおよび前記混合ボックスの下方に位置する緩衝
ボックスから構成される。前記混合ボックスの収束開口に接線方向に入水口が設けられ、
前記混合ボックスの水平面に垂直な中心軸線の位置に、混合ボックスの頂面を貫通する中
空軸が設けられ、前記中空軸は混合ボックスの頂部に設けられギアセットから構成された
駆動構造を介して外部モータに接続される。前記中空軸の緩衝ボックスに近い一端に接続
ディスクが接続され、前記接続ディスクの緩衝ボックスに近い一側縁の周方向に沿って1
ターンの電磁ストリップが設けられる。前記接続ディスクの電磁ストリップから離れた側
にシーリングディスクが設けられ、前記シーリングディスクと接続ディスク間の距離は、
緩衝ボックスの垂直方向上の深さと同じである。
【0021】
磁気ふるい分け装置では、重力により分離しにくい小さな金属材料、プラスチックおよび
ゴム混合物について、小さな金属材料が浮上状態で徐々に電磁ストリップによって吸引さ
れ、駆動構造は周期的に排出口の開きに従い降下し、シーリングディスクがボルテックス
ボックスと緩衝ボックスの接続部を封止して、連続的な排出過程中、下向きの流れを回避
するために、電磁ストリップの電力を切断し、この時、電磁ストリップに吸引された小さ
な金属材料は重力により分離された小さな金属材料とともに排出される。
【0022】
本発明の一態様によれば、前記攪拌ふるい分け装置の本体は、混合ボックス、前記混合ボ
ックスの下方に位置するボルテックスボックス、および緩衝ボックスから構成される。前
記混合ボックス上に給料口およびオーバーフローポートが設けられ、前記ボルテックスボ
ックスの側面に入水口が設けられ、前記緩衝ボックスの底部に排出口が設けられる。
【0023】
前記混合ボックスの水平面に垂直な中心軸線の位置に、混合ボックスの頂面を貫通する中
空軸が設けられ、前記中空軸は、混合ボックスの頂部に設けられギアセットから構成され
た駆動構造を介して外部モータに接続される。前記中空軸のボルテックスボックスに近い
緩衝ボックスの接続部に排出制御用の円錐形のヘッドが設けられ、前記円錐形のヘッドの
上方に攪拌ブレードが設けられる。
【0024】
二、回収方法
S1、分解前の準備
レーザー距離計を使用して、位置修正機構に入る直前の伝達ベルト上の鉛蓄電池の外郭を
測定し、鉛蓄電池の最も長い辺の長さa、上部カバーからシェル底面までの間隔b、およ
び上部カバーをクランプするシェルの両側面の間隔cを取得する、
同じバッチで処理される鉛蓄電池の外郭データをコントロールセンターにフィードバック
し、コントロールセンターはフィードバックされたデータに基づいて高さ制限ローラの高
さが長さaよりも小さく間隔b、cよりも大きく、第1の制限フレームと第2の制限フレ
ームの間隔が間隔bと等しく、第2の制限フレームの頂部フレームの高さが間隔cと等し
く、かつ間隔b、cを区別できるレザーセンサの高さと等しくなるように調整する。
【0025】
S2、電解液の放出
理する鉛蓄電池を位置修正機構に持ち上げる過程中、パンチで鉛蓄電池のシェルに穴を開
き、電解液を貯蔵タンクに流入させる。
【0026】
S3、位置修正
S31、高さ制限ローラの高さを調整し、処理する鉛蓄電池が高さ制限ローラを通過する
と、伝達ベルト上に立っている鉛蓄電池が高さ制限ローラによって平になる、
S32、鉛蓄電池がレザーセンサを通過すると、レザーセンサが光信号を受信できるかど
うかに基づいて、鉛蓄電池の上部カバーの向きを判断し、鉛蓄電池の上部カバーが側方に
向かうと、継続的に転送し、鉛蓄電池の上部カバーが上方に向かうと、回転ロッドにより
鉛蓄電池を回転させる。
【0027】
S4、ウォータージェットによる分割
S41、ステップS3で処理された鉛蓄電池を第1のローラによって第2のローラに転送
し、制限ロールの補助下で、鉛蓄電池が高圧ウォータージェットの前方に達すると、制限
クランプが下へ移動し鉛蓄電池を固定し、高圧ウォータージェットにより鉛蓄電池の上部
カバーおよびシェルの底面を切断する、
S42、ステップS31で切断された上部カバーが第1の水タンクの底部に沈み、シェル
の底面が第1の水タンクの表面に浮かぶ。
【0028】
S5、高圧水による洗浄
ステップS4で処理された鉛蓄電池が押出装置によって押され、第2の制限フレームに沿
って前進し、高圧吐出ノズルから吐出された高圧水流を通過すると、シェルの内部に埋め
込まれた陽極板、陰極板、鉛ペースト、および残留の電解液が第2の水タンクに洗い流さ
れる。
【0029】
S6、分類・粉砕・収集
S61、第1の水タンクの表面に浮かぶシェルを収集した後、コーンクラッシャーで粉砕
してPPプラスチックを取得する、
S62、第1の水タンクの底部に沈む上部カバーを収集した後、ハンマークラッシャーで
粉砕してPVCプラスチック、PEプラスチック、ゴム、金属スクラップの混合物を取得
する、
S63、第2の水タンクのスクリーンによって遮られた下陽極板、陰極板のグリッドを収
集し、粉砕して鉛アンチモン合金材料を取得する、
S64、ステップSで処理されたシェルおよび仕切り板を収集し、粉砕してPPプラスチ
ック、PVCプラスチックまたはPEプラスチック混合物を取得する。
【0030】
S7、資源収集
S71、金属材料の収集:ふるい分け機構を使用してステップS62で収集された混合物
をふるい分け、攪拌分離装置を使用して大きい金属スクラップを粗い分離してから、磁気
ふるい分け装置を使用して小さな金属スクラップを二回および三回分離し、分離された金
属スクラップを溶融して回収する、
S72、ゴムとプラスチックの収集:ステップS71で処理されたPVCプラスチック、
PEプラスチック、ゴム、混合物を収集し、エジェクト方法により、ホイストを使用して
前記混合物をリバウンドプレート上にエジェクトし、ゴム、プラスチックのリバウンド距
離の違いにより、ゴムとプラスチックを分離する、
S73、鉛ペーストの収集:前記スクリーンでふるい分けられた後、第2の水タンクの底
部に鉛ペーストを集中的に収集する、
S74、鉛アンチモン合金の収集:鉛アンチモン合金をステップS63で収集する、
S75、電解液の収集:電解液をステップS2で収集する。
【0031】
従来の鉛蓄電池資源の回収装置と比較すると、本発明の有益な効果は以下の通りである。
本発明によって設計された廃棄鉛蓄電池資源の統合回収装置は、既存の手動分解または機
器による一括粉砕の代わりに、廃棄鉛蓄電池を組ごとに切断、粉砕およびふるい分け、得
られた回収物の混合度が大幅に低下し、資源のリサイクルに便利である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の装置の全体平面図である。
図2】本発明の回転装置の構造概略図である。
図3】本発明の第1の分解装置の概略側面図である。
図4】本発明の制限ロールの構造概略図である。
図5】本発明の第2の分解装置の概略側面図である。
図6】本発明の押出装置の構造概略図である。
図7】本発明のふるい分け機構の構造概略図である。
図8】本発明の廃棄鉛蓄電池の分解概略図。
【0033】
[符号の説明]
1 位置修正機構
11 伝達ベルト
12 高さ制限ローラ
13 回転装置
131 レザーセンサ
132 第1のローラ
133 回転ロッド
134 補助ローラ
135 補助傾斜面
2 分解機構
21 第1の分解装置
211 第1の制限フレーム
2111 制限ロール
21111 メインロッド
21112 緩衝ロッド
21113 接続ロッド
21114 ホイール
21115 制限プレート
2112 第1のスライドレール
212 第2のローラ
213 高圧ウォータージェット
214 制限クランプ
215 第1の水タンク
22 第2の分解装置
221 第2の制限フレーム
2211 頂部フレーム
2212 底部フレーム
2213 摺りボール
2214 第2のスライドレール
222 押出装置
2221 フレーム
2222 環状ガイドレール
2223 折り畳み式押し板
223 高圧吐出ノズル
224 第2の水タンク
2241 スクリーン
3 ふるい分け機構
31 攪拌ふるい分け装置
311 混合ボックス
3111 給料口
3112 オーバーフローポート
312 ボルテックスボックス
3121 入水口
313 緩衝ボックス
3131 排出口
314 中空軸
315 攪拌ブレード
316 駆動構造
317 円錐形のヘッド
32 磁気ふるい分け装置
321 接続ディスク
322 電磁ストリップ
323 シーリングディスク
4 鉛蓄電池
41 上部カバー
411 電極柱
412 ブレース
413 液補充穴カバー
42 シェル
43 陽極板
44 陰極板
45 バスバー
46 仕切り板
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の方法および効果をより明らかに説明するために、以下、図面を参照して本発明の
技術的解決策を明確かつ完全に説明する。
【0035】
実施例
本実施例は、主に本発明の全体構造を説明するが、以下の通りである。
図1、3、5に示すように、廃棄鉛蓄電池4の資源を統合的に回収するための装置は、位
置修正機構1、分解機構2、粉砕機構およびふるい分け機構3から構成される。
前記位置修正機構1は、伝達ベルト11を含み、前記伝達ベルト11の移動方向に沿って
、順次高さ調節可能な高さ制限ローラ12および回転装置13が設けられる。
前記分解機構2は、鉛蓄電池4の搬送方向に沿って順次設けられた第1の分解装置21お
よび第2の分解装置22から構成される。
前記第1の分解装置21は、第1のスライドレール2112上に架設され前記回転装置1
3の位置に対応する2つの第1の制限フレーム211を含み、前記2つの第1の制限フレ
ーム211のクランプ側に制限ロール2111が対になって設けられる。
前記第1の分解装置21は、2つの第1の制限フレーム211間に設けられ回転装置13
と突き合わされた第2のローラ212、前記2つの第1の制限フレーム211上方に対に
なって設けられた高圧ウォータージェット213、前記第2のローラ212の上方に設け
られ高圧ウォータージェット23の位置に対応する制限クランプ214、および前記2つ
の第1の制限フレーム21の下方に設けられた第1の水タンク215を含む。
前記第2の分解装置22は、第2のスライドレール2214上に架設され第1の制限フレ
ーム211と突き合わされた第2の制限フレーム221、前記第2の制限フレーム221
間に設けられ前記第2のローラ212の位置に対応する押出装置222、前記第2の制限
フレーム221の外側に設けられた高圧吐出ノズル223、および第2の制限フレーム2
21の下方に設けられスクリーン2241付きの第2の水タンク224を含む。
前記第2の制限フレーム221は、底部フレーム2212、および高圧吐出ノズル223
から離れた側に設けられ、ボールねじを介して底部フレーム2212に接続される頂部フ
レーム2211から構成され、前記底部フレーム2212および頂部フレーム2211の
鉛蓄電池4に接触する面に摺りボール2213が設けられる。
前記ふるい分け機構3は、攪拌ふるい分け装置31および磁気ふるい分け装置32を含み
、前記磁気ふるい分け装置32は回転でき垂直方向上の位置調節可能な電磁ストリップ3
22を含む。
【0036】
具体的には、図2に示すように、鉛蓄電池4の転送方向を正方向とし、前記回転装置13
は転送経路に順次レザーセンサ131および伝達ベルト11と突き合わされた第1のロー
ラ132が設けられる。
前記隣接する第1のローラ132の隙間に、鉛蓄電池4の転送方向に垂直な平面に沿って
軸周りに回転可能な回転ロッド133が設けられ、前記第1のローラ132の回転ロッド
133に近い近接方向の一端に補助ローラ134が設けられ、前記補助ローラ134およ
び第1のローラ132の転送領域に近い接続部に補助傾斜面135が設けられる。
異なるタイプの鉛蓄電池4の長さ・幅・高さデータは異なるため、鉛蓄電池4の外郭デー
タを確認した後、鉛蓄電池4を上部カバー41が側方に向かうように転送するために、高
さ制限ローラ12を使用して伝達ベルト11上に立っている鉛蓄電池4の位置を制限し、
回転装置13によって鉛蓄電池4の上部カバー41の向きを限定する必要がある。
鉛蓄電池4の上部カバー41からシェル42の底面までの間隔bが上部カバー41をクラ
ンプするシェル42の両側面の間隔cよりも大きいと、レザーセンサ131の高さを間隔
bよりも小さく間隔cよりも大きくなるように調整する必要があり、このとき鉛蓄電池4
が上部カバー41が上または下へ向かうように回転装置13を通過すると、レザーセンサ
131の光信号が遮断され、回転ロッド133が回転し、鉛蓄電池4の上部カバー41を
側方に向かうようにして、後のウォータージェット切断に便利である。鉛蓄電池4の上部
カバー41からシェル42の底面までの間隔bが上部カバー41をクランプするシェル4
2の両側面の間隔cよりも小さい場合、その原理は同じである。
具体的には、図4に示すように、前記制限ロール2111は第1の制限フレーム211上
に回転可能に接続されたメインロッド21111および緩衝ロッド21112を含み、前
記メインロッド21111はその上の接続ロッド21113を介して緩衝ロッド2111
2の第1の制限フレーム211から離れた一端に回転可能に接続される。前記メインロッ
ド21111と接続ロッド21113の接続部にホイール21114が設けられる。前記
メインロッド21111および第1の制限フレーム211の接続部の緩衝ロッド2111
2に近い側に制限プレート21115が設けられる。
制限ロール2111は鉛蓄電池4の位置を制限し、高圧ウォータージェット213による
切断の時鉛蓄電池4の振動影響を低減する。制限ロール2111の最も主な作用は、高圧
ウォータージェット213により鉛蓄電池4の上部カバーおよびシェル42底面を切断し
た後、鉛蓄電池4の上部カバーおよびシェル42の底面を第1の制限フレーム211およ
び第2のローラ212の隙間にそって第1の水タンク215に落下させることであり、こ
の時、制限ロール2111は緩衝ロッド21112の作用下で即時にリバウンドされ、す
ぐに鉛蓄電池4の位置を制限する。
【0037】
具体的には、図6に示すように、前記押出装置222は環状ガイドレール2222が設け
られたフレーム2221を含み、前記環状ガイドレール2222内に折り畳み式押し板2
223が設けられる。環状ガイドレール2222は鉛蓄電池4の転送方向に沿った2つの
レールを含み、折り畳み式押し板2223の前進方向と鉛蓄電池4の転送方向が同じであ
るレールは第2の制限フレーム221の中央に位置し、折り畳み式押し板2223が正確
に鉛蓄電池4の転送を押すことを確保する。
具体的には、図7に示すように、前記磁気ふるい分け装置32の本体構造は攪拌ふるい分
け装置31とは、以下のことを除いて同じである。
前記磁気ふるい分け装置32は、混合ボックス311および前記混合ボックス311の下
方に位置する緩衝ボックス313から構成される。前記混合ボックス311の収束開口に
接線方向に入水口3121が設けられ、前記混合ボックス311の水平面に垂直な中心軸
線の位置に、混合ボックス311の頂面を貫通する中空軸314が設けられ、前記中空軸
314は、混合ボックス311の頂部に設けられギアセットから構成された駆動構造31
6を介して外部モータに接続される。前記中空軸314の緩衝ボックス313に近い一端
に接続ディスク321が設けられ、前記接続ディスク321の緩衝ボックス313に近い
側縁の周方向に沿って1ターンの電磁ストリップ322が設けられる。前記接続ディスク
321の電磁ストリップ322から離れた側にシーリングディスク323が設けられ、前
記シーリングディスク323と接続ディスク321間の距離は緩衝ボックス313の垂直
方向上の深さと同じである。
磁気ふるい分け装置32では、重力により分離しにくい小さな金属材料、プラスチックお
よびゴム混合物については、小さな金属材料が浮上状態で徐々に電磁ストリップ322に
よって吸引され、駆動構造316は周期的に排出口3131の開きに従い降下し、シーリ
ングディスク323がボルテックスボックス312と緩衝ボックス313の接続部を封止
して、連続的な排出過程中に下向きの流れを回避するときに、電磁ストリップ322の電
力を遮断し、この時、電磁ストリップ322によって吸引された小さな金属材料は重力に
より分離された小さな金属材料とともに排出される。
【0038】
具体的には、前記攪拌ふるい分け装置31の本体は混合ボックス311、前記混合ボック
ス311下方に位置するボルテックスボックス312および緩衝ボックス313から構成
される。前記混合ボックス311に給料口3111およびオーバーフローポート3112
が設けられ、前記ボルテックスボックス312の側面に入水口3121が設けられ、前記
緩衝ボックス313の底部に排出口が設けられる。
前記混合ボックス311の水平面に垂直な中心軸線の位置に、混合ボックス311の頂面
を貫通する中空軸314が設けられ、前記中空軸314は、混合ボックス311の頂部に
設けられギアセットから構成された駆動構造316を介して外部モータに接続される。前
記中空軸314のボルテックスボックス312および緩衝ボックス313に近い接続部に
排出制御用の円錐形のヘッド317が設けられ、前記円錐形のヘッド317の上方に攪拌
ブレード315が設けられる。
【0039】
応用例
本応用例では、上記実施例中の構造を基に本発明の電池回収動作流れを説明するが、具体
的には以下の通りである。
【0040】
S1、分解前の準備
レーザー距離計を使用して、位置修正機構1に入る直前の伝達ベルト11の鉛蓄電池4の
外郭を測定し、鉛蓄電池4の最も長い辺の長さa、上部カバー41からシェル42の底面
までの間隔b、および上部カバー41をクランプするシェル42の両側面の間隔cを取得
する、
同じバッチで処理される鉛蓄電池4の外郭データをコントロールセンターにフィードバッ
クし、コントロールセンターはフィードバックデータに基づいて高さ制限ローラ12の高
さが長さaよりも小さく間隔b、cよりも大きく、第1の制限フレーム211および第2
の制限フレーム221の間隔が間隔bと等しく、第2の制限フレーム221の上頂部フレ
ーム2211の高さが間隔cと等しく、かつ間隔b、cを区別できるレザーセンサ131
の高さと等しくなるように調整する。
【0041】
S2、電解液の放出
処理する鉛蓄電池4を位置修正機構1まで持ち上げる過程中、パンチで鉛蓄電池4のシェ
ル42に穴を開き、電解液を貯蔵タンクに流入させる。
【0042】
S3、位置修正
S31、高さ制限ローラ12の高さを調整し、処理する鉛蓄電池4が高さ制限ローラ12
を通過する時、伝達ベルト11上に立っている鉛蓄電池4は高さ制限ローラ12によって
平になる、
S32、鉛蓄電池4がレザーセンサ131を通過する時、レザーセンサ131が光信号を
受信できるかどうかに基づいて、鉛蓄電池4の上部カバー41の向きを判断し、鉛蓄電池
4の上部カバー41が側方に向かうと、継続的に転送し、鉛蓄電池4の上部カバー41が
上方に向かうと、回転ロッド133を始動させて鉛蓄電池4を回転させる。
【0043】
S4、ウォータージェット分割
S41、ステップS3で処理された鉛蓄電池4を第1のローラ132により第2のローラ
212に転送し、制限ロール2111の補助下で、鉛蓄電池4が高圧ウォータージェット
213の前方に達すると、制限クランプ214は下へ移動して鉛蓄電池4を固定し、高圧
ウォータージェット213により鉛蓄電池4の上部カバー41およびシェル42の底面を
切断する、
S42、ステップS31で切断された上部カバー41が第1の水タンク215の底部に沈
み、シェル42の底面が第1の水タンク215の表面に浮かぶ。
【0044】
S5、高圧水による洗浄
ステップS4で処理された鉛蓄電池4が押出装置222によって押され、第2の制限フレ
ーム221に沿って前進し、高圧吐出ノズル223から吐出された高圧水流を通過すると
、シェル42の内部に埋め込まれた陽極板43、陰極板44、鉛ペースト、および残留の
電解液が第2の水タンク224に被洗い流される。
【0045】
S6、分類・粉砕・収集
S61、第1の水タンク215の表面のシェル42を収集した後、コーンクラッシャーで
粉砕してPPプラスチックを取得する、
S62、第1の水タンク215の底部に沈む上部カバー41を収集した後、ハンマークラ
ッシャーで粉砕してPVCプラスチック、PEプラスチック、ゴム、金属スクラップの混
合物を取得する、
S63、第2の水タンク224のスクリーン2241によって遮られた陽極板43、陰極
板44のグリッドを収集し、粉砕して鉛アンチモン合金材料を取得する、
S64、ステップS5で処理されたシェル42および仕切り板56を収集し、粉砕してP
Pプラスチック、PVCプラスチックまたはPEプラスチック混合物を取得する。
【0046】
S7、資源収集
S71、金属材料の収集:ふるい分け機構3を使用してステップS62で収集された混合
物をふるい分け、攪拌分離装置41を使用して大きい金属スクラップを粗い分離してから
、磁気ふるい分け装置32を使用して小さな金属スクラップを二回および三回分離し、分
離された金属スクラップを溶融して回収する、
S72、ゴムとプラスチック収集:ステップS71で処理されたPVCプラスチック、P
Eプラスチック、ゴム、混合物を収集し、エジェクト方法により、ホイストを使用して前
記混合物をリバウンドプレート上にエジェクトし、ゴム、プラスチックリバウンドの距離
の違いにより、ゴムとプラスチックを分離する、
S73、鉛ペーストの収集:前記スクリーン2241によってふるい分けられた後、第2
の水タンク224の底部に鉛ペーストを集中的に収集する、
S74、鉛アンチモン合金の収集:鉛アンチモン合金をステップS63で収集する、
S75、電解液の収集:電解液をステップS2で収集する。
【0047】
実験例
本実験例では、上記応用例中の回収方法を基に説明され、具体的な実施例を参照して本発
明の具体的な効果を説明する。
鉛蓄電池は様々なタイプがあり、主なプラスチックシェル、ゴムシェル、ポリプロピレン
シェルに分かれ、本実験例で使用される廃棄鉛蓄電池はプラスチックシェルの電気自転車
の鉛蓄電池であり、電気自転車の修理工場から購入され、総重量が7.1kgであり、最
も長い辺の長さaは180mmであり、上部カバー41からシェル42の底面までの間隔
は165mmであり、上部カバー41をクランプするシェル42の両側面の間隔は80m
mである。
該鉛蓄電池の各成分の組成は表1に示され、鉛蓄電池中のグリッドおよび鉛ペーストの組
成は表2に示される。
表1 廃棄鉛蓄電池の各成分の組成
【0048】

【0049】
表2 廃棄鉛蓄電池のグリッドおよび鉛ペースト組成
【0050】
【0051】
表1および表2のデータから分かるように、鉛蓄電池の重量は、主に電極板のグリッドお
よび鉛ペーストに集中し、鉛含有量は約60%であり、グリッドでは鉛約93%、アンチ
モン3%および少量の他の金属を含む。したがって、高純度の鉛を回収するために、ステ
ップS63によってグリッドをふるい分けて収集し、ステップS63によって鉛ペースト
をふるい分けて収集する必要がある。
上記応用例中の分解方法により鉛蓄電池を分解し、各成分の質量部は表3に示される。
表3 分解後の鉛蓄電池の各成分の質量分布
【0052】
【0053】
分解前後に、鉛蓄電池の質量差が0.08kgであり、総質量の1.13%を占め、これ
は、プロセス間での材料収集および移送中の必然的な損失である。
表1、2、3から分かるように、鉛蓄電池の大部分の金属重量が電極板に集中し、プラス
チックおよびゴムの重量が上部カバー41およびシェル42に集中することが分かる。
プラスチックの密度は約1.05g/cmであり、異なる粒子径のプラスチックは異な
る節水区間での沈降速度は表4に示される。
表4 異なる粒子径のプラスチックは異なる節水区間での沈降速度
【0054】
【0055】
電池カバー中の金属の重量は主にバスバーに集中し、バスバーは主に銅‐アルミ合金で構
成され、平均密度は約6.1g/cmであり、異なる粒子径の合金は異なる節水区間で
の沈降速度は表5に示される。
表5 異なる粒子径の合金は異なる節水区間での沈降速度
【0056】

【0057】
表4と表5のデータを比較して分かるように、金属合金の粒子径が大きい時、プラスチッ
クの総沈降速度の差が大きいが、合金の粒子径が0.2mmであると、粒子径20mmの
プラスチックの沈降速度に近い。この時、重力分離法で両者を分離することは困難である
ため、磁気ふるい分け装置32を使用して沈降速度が近い小さな金属とプラスチックを分
離する必要がある。
磁気ふるい分け装置32では、オーバーフローポート3112からのオーバーフロー材料
および排出口3131からの沈殿材料それぞれの回収率は表6に示される。
表6 オーバーフロー材料および沈殿材料の各成分の回収率
【0058】
【0059】
表6のデータから分かるように、オーバーフロー材料中のプラスチックゴムの含有量は9
9.28%に達し、沈殿材料中の含有量よりもはるかに高く、沈殿材料中の小さな金属の
含有量が98.02%に達し、オーバーフロー材料中の含有量よりもはるかに高く、これ
は、本発明で設計されたふるい分け機構3は小さな金属をプラスチックゴムから効果的に
分離できることを示している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8