(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115047
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】車両のムービングコンソール
(51)【国際特許分類】
B60H 1/00 20060101AFI20220801BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
B60H1/00 102R
B60R7/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021138060
(22)【出願日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0011686
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安 桂 榮
(72)【発明者】
【氏名】金 京 植
【テーマコード(参考)】
3D022
3L211
【Fターム(参考)】
3D022CA07
3D022CB01
3D022CC18
3D022CD07
3L211BA01
3L211BA60
3L211DA12
(57)【要約】
【課題】車体に対して一定の範囲内で移動でき、車両のシートバリエーションの多様性を確保でき、車両空調装置から送風される温風又は冷風を吐出することができる車両のムービングコンソールを提供する。
【解決手段】本発明の車両のムービングコンソールは、車体に対して直線スライド可能に設置されたハウジングと、前記ハウジングに内蔵され、一緒に直線スライド可能に設置された移動ダクトと、前記移動ダクトとの相対的な直線スライドが可能であり、車体に固定された固定ダクトから供給された空気を前記移動ダクトへ供給することができるように設置された接続ダクトと、前記接続ダクトの入口が前記固定ダクトと連通する位置に前記接続ダクトを固定又は解除するロッキング装置と、を含んでなる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に対して直線スライド可能に設置されたハウジングと、
前記ハウジングに内蔵され、一緒に直線スライド可能に設置された移動ダクトと、
前記移動ダクトとの相対的な直線スライドが可能であり、車体に固定された固定ダクトから供給された空気を前記移動ダクトへ供給することができるように設置された接続ダクトと、
前記接続ダクトの入口が前記固定ダクトと連通する位置に前記接続ダクトを固定又は解除するロッキング装置と、を含んで構成されることを特徴とする車両のムービングコンソール。
【請求項2】
前記移動ダクトは、前記接続ダクトの外側に挿入された状態で重畳できる直線区間が備えられ、前記移動ダクトが前記接続ダクトから遠ざかる方向に直線スライドされた状態でも、前記接続ダクトと連通した状態を継続的に維持するように構成さるたことを特徴とする請求項1に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項3】
前記ロッキング装置は、
車体に対して固定されたストッパーと、
前記接続ダクトに対して固定された回転軸に沿って回転可能に設置され、回転角度に応じて前記ストッパーにロックされる状態が可変されるロッキングレバーと、
前記ロッキングレバーが前記ストッパーにロックされる方向に弾性力を印加するように設置されたロッキングスプリングと、を含んで構成されることを特徴とする請求項2に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項4】
前記ロッキング装置は、
前記移動ダクトが前記接続ダクトに近づく方向に直線スライドすることにより、前記ロッキングレバーのロック状態を解除することができるように、前記移動ダクトに固定されたロッキング解除部をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項3に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項5】
前記ストッパーは、前記接続ダクトの下側に設置され、
前記ロッキング解除部は、前記ストッパーの上端と前記接続ダクトとの間の空間に直線スライドして進入することができるように設置され、
前記ロッキングレバーは、前記ロッキング解除部の直線スライド軌跡よりも下側に回転軸が位置するように前記接続ダクトの下側に設置されることを特徴とする請求項4に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項6】
前記ロッキングレバーは、前記ロッキングスプリングの弾性力によって前記ストッパーにロックされるフックアームと、
前記ロッキング解除部によって回転して前記フックアームをストッパーから解除させるように、前記フックアームと一体に形成された解除アームとを含んで構成されることを特徴とする請求項5に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項7】
前記ロッキングレバーのフックアームが前記ストッパーから解除された状態で、前記ロッキングスプリングの弾性力によって、前記接続ダクトと移動ダクトの相対的なスライドを拘束することができるようにする拘束アームが前記ロッキングレバーにさらに備えられることを特徴とする請求項6に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項8】
前記ロッキング解除部は、前記移動ダクトの下側に固定されるロアプレートに備えられ、
前記ロアプレートには、前記ロッキングレバーの拘束アームが挿入されて前記移動ダクトを前記接続ダクトに対して拘束させる拘束ホールが形成されていることを特徴とする請求項7に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項9】
前記ストッパーには、前記拘束アームが前記拘束ホールに挿入された状態で、前記ロッキングレバーが近づくにつれて、前記フックアームがガイドされながら回転して、前記拘束アームが前記拘束ホールから抜け出た後、前記フックアームが前記ストッパーにロックされるようにするガイド部が一体に備えられることを特徴とする請求項8に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項10】
前記ハウジング内には、前記接続ダクトに重畳できる移動ダクトの直線区間の上側に収納函が備えられ、
前記移動ダクトは、前記収納函に対して固定され、
前記ロッキングレバーは、前記接続ダクトの下側に一体に設置されるムービングブロックロアにその回転軸が固定され、
前記ロッキング解除部は、前記移動ダクトの下側に固定されるロアプレートに備えられることを特徴とする請求項4に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項11】
前記接続ダクトの上側には、前記収納函との相対的な直線スライドがガイドされるようにする直線ガイドが備えられることを特徴とする請求項10に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項12】
前記接続ダクトの上側には、前記ムービングブロックロアの上側に結合するムービングブロックアッパーが備えられ、
前記直線ガイドは、前記ムービングブロックアッパーと収納函との間に備えられることを特徴とする請求項11に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項13】
前記ロアプレートの下側に固定されるスライダーと、
車体に対する前記スライダーの直線スライドをガイドするように車体に固定されて設置されるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って前記スライダーを移動させて、前記ロアプレート、移動ダクト及びハウジングを直線スライドさせる動力を提供する駆動モーターと、をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項10に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項14】
前記ロッキング装置が解除され、前記接続ダクトが前記固定ダクトと分離された状態で、前記接続ダクトと移動ダクトの相対的なスライドを拘束する拘束装置がさらに備えられることを特徴とする請求項2に記載の車両のムービングコンソール。
【請求項15】
前記拘束装置は、前記ロッキング装置と連動するように構成されることを特徴とする請求項14に記載の車両のムービングコンソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のコンソールは、内部に物を保管する空間を備え、車両内に設置される。従来は、コンソールが車体に固定的して設置されていた。未来型車両では、シートが車体に対して固定的に設置されるのではなく、前後左右に移動が可能で、スイベリング(swiveling)を可能にするなど、より多様なシートバリエーション(Seat Variation)が要求される。したがって、コンソールが車体に固定されるのではなく、移動可能に装着され、シートの位置や姿勢の変化に対応できるようにする必要がある。また、コンソールが車体に対して移動可能に設置され、車両の空調装置から送風される温風又は冷風を吐出することができるなら、Bピラーがなくて空調ベントを設置することが難しい車両などにおいても、車両の室内の温度調節及び空気調和性能が良好に確保できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2020-0063280号公報
【特許文献2】韓国登録特許第1987006号公報
【特許文献3】韓国登録特許第1987030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、車体に対して一定の範囲内で移動でき、車両のシートバリエーションの多様性を確保でき、移動性を有しながらも、車両空調装置から送風される温風又は冷風を吐出することができ、車両の温度調節及び空気調和が可能な車両のムービングコンソールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための本発明による車両のムービングコンソールは、
車体に対して直線スライド可能に設置されたハウジングと、前記ハウジングに内蔵され、一緒に直線スライド可能に設置された移動ダクトと、前記移動ダクトとの相対的な直線スライドが可能であり、車体に固定された固定ダクトから供給された空気を前記移動ダクトへ供給することができるように設置された接続ダクトと、前記接続ダクトの入口が前記固定ダクトと連通する位置に前記接続ダクトを固定又は解除するロッキング装置と、を含んでなることを特徴とする。
【0006】
前記移動ダクトは、前記接続ダクトの外側に挿入された状態で重畳できる直線区間が備えられ、前記移動ダクトが前記接続ダクトから遠ざかる方向に直線スライドされた状態でも、前記接続ダクトと連通した状態を継続的に維持するように構成されることを特徴とする。
【0007】
前記ロッキング装置は、車体に対して固定されたストッパーと、前記接続ダクトに対して固定された回転軸に沿って回転可能に設置され、回転角度に応じて、前記ストッパーにロックされる状態が可変されるロッキングレバーと、前記ロッキングレバーが前記ストッパーにロックされる方向に弾性力を印加するように設置されたロッキングスプリングと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0008】
前記ロッキング装置は、前記移動ダクトが前記接続ダクトに近づく方向に直線スライドすることにより、前記ロッキングレバーのロック状態を解除することができるように、前記移動ダクトに固定されたロッキング解除部をさらに含んで構成されることを特徴とする。
【0009】
前記ストッパーは、前記接続ダクトの下側に設置され、前記ロッキング解除部は、前記ストッパーの上端と前記接続ダクトとの間の空間に直線スライドして進入することができるように設置され、前記ロッキングレバーは、前記ロッキング解除部の直線スライド軌跡よりも下側に回転軸が位置するように前記接続ダクトの下側に設置されることを特徴とする。
【0010】
前記ロッキングレバーは、前記ロッキングスプリングの弾性力によって前記ストッパーにロックされるフックアームと、前記ロッキング解除部によって回転して前記フックアームをストッパーから解除させるように、前記フックアームと一体に形成された解除アームと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】
前記ロッキングレバーのフックアームが前記ストッパーから解除された状態で、前記ロッキングスプリングの弾性力によって、前記接続ダクトと移動ダクトの相対的なスライドを拘束することができるようにする拘束アームが前記ロッキングレバーにさらに備えられることを特徴とする。
【0012】
前記ロッキング解除部は、前記移動ダクトの下側に固定されるロアプレートに備えられ、前記ロアプレートには、前記ロッキングレバーの拘束アームが挿入されて前記移動ダクトを前記接続ダクトに対して拘束させる拘束ホールが形成されていることを特徴とする。
【0013】
前記ストッパーには、前記拘束アームが前記拘束ホールに挿入された状態で、前記ロッキングレバーが近づくにつれて、前記フックアームがガイドされながら回転して、前記拘束アームが前記拘束ホールから抜け出た後、前記フックアームが前記ストッパーにロックされるようにするガイド部が一体に備えられることを特徴とする。
【0014】
前記ハウジング内には、前記接続ダクトに重畳できる移動ダクトの直線区間の上側に収納函が備えられ、前記移動ダクトは、前記収納函に対して固定され、前記ロッキングレバーは、前記接続ダクトの下側に一体に設置されるムービングブロックロアにその回転軸が固定され、前記ロッキング解除部は、前記移動ダクトの下側に固定されるロアプレートに備えられることを特徴とする。
【0015】
前記接続ダクトの上側には、前記収納函との相対的な直線スライドがガイドされるようにする直線ガイドが備えられることを特徴とする。
【0016】
前記接続ダクトの上側には、前記ムービングブロックロアの上側に結合するムービングブロックアッパーが備えられ、前記直線ガイドは、前記ムービングブロックアッパーと収納函との間に備えられることを特徴とする。
【0017】
前記ロアプレートの下側に固定されるスライダーと、車体に対する前記スライダーの直線スライドをガイドするように車体に固定されて設置されるガイドレールと、前記ガイドレールに沿って前記スライダーを移動させて、前記ロアプレート、移動ダクト及びハウジングを直線スライドさせる動力を提供する駆動モーターと、をさらに含んで構成されることを特徴とする。
【0018】
前記ロッキング装置が解除され、前記接続ダクトが前記固定ダクトと分離された状態で、前記接続ダクトと移動ダクトの相対的なスライドを拘束する拘束装置がさらに備えられることを特徴とする。
【0019】
前記拘束装置は、前記ロッキング装置と連動するように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の車両のムービングコンソールは、車体に対して一定の範囲内で移動できる。これにより、車両のシートバリエーションの多様性を確保するのに有利である。また、本発明の車両のムービングコンソールは、移動性を有しながらも、車両空調装置から送風される温風又は冷風を吐出することができる。すなわちムービングコンソールからの車両の温度調節及び空気調和を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る車両のムービングコンソールのハウジングの外観を示す図である。
【
図2】
図1のハウジングを除去した内部を示す図である。
【
図3】
図2の構成を他の角度から観測した図である。
【
図4】
図2の構成を分解して示す分解斜視図である。
【
図5】
図4の構成を別の角度から観測した図である。
【
図6】
図4の構成を別の角度から観測した図である。
【
図7】
図2のVII-VII線に沿った断面図である。
【
図8】本発明のハウジングが上側に結合してスライドされるようにするスライダーとガイドレールを示す図である。
【
図10】ロッキングレバーの拘束アームとロアプレートの拘束ホールを示す図である。
【
図11】本発明のムービングコンソールが実現できる3つの状態を比較して示す図である。
【
図12】移動ダクトの移動によるロッキングレバーの挙動を比較して説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施例で説明する。本発明の実施例は、例示されたものに過ぎず、様々な形態で実施でき、これに限定されるものではない。構成要素間の関係を説明する表現、すなわち「~間に」又は「~に隣り合う」は、これらの間に別の構成要素が介在することもある。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、他の構成要素、部品などの可能性を予め排除しないとする。
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0024】
図1乃至
図10を参照すると、本発明に係る車両のムービングコンソールの実施形態は、車体に対して直線スライド可能に設置されたハウジング1と、ハウジング1に内蔵され、一緒に直線スライド可能に設置された移動ダクト3と、移動ダクト3との相対的な直線スライドが可能であり、車体に固定された固定ダクト5から供給された空気を移動ダクト3へ供給することができるように設置された接続ダクト7と、接続ダクト7の入口が固定ダクト5と連通する位置に接続ダクト7を固定又は解除するロッキング装置9と、を含んで構成される。
【0025】
すなわち、本発明は、車体に対してコンソールのハウジング1が直線スライド可能に設置され、コンソールの位置を容易に変更することができるため、車両のシート位置及びスイベリング(swiveling)状態などを多様に可変にでき、シートバリエーションの多様性の確保に有利であり、上述のようコンソールのハウジング1が移動しながらも、移動ダクト3が接続ダクト7を介して固定ダクト5から供給される冷風又は温風を室内に吐出できるようにすることにより、容易に車両の温度調節及び空気調節性能を満たすことができる。したがって、本発明は、Bピラーが削除されてBピラーを介して冷風や温風を供給することが不可能な未来型車両などにおいて、容易に車両の温度調節及び空気調和性能を確保するのにも使用できる。
【0026】
ハウジング1には、移動ダクト3を介して供給された冷風や温風を吐出させるベント11が備えられており、上側のカバーを開放するとその内部に物を収納することができる収納函13が備えられている。本実施形態において、ハウジング1は、車体に対して前後方向に直線スライド可能であることを前提に説明しているが、直線スライドの方向は、状況に応じて多様に変更できるのはもちろんである。
【0027】
固定ダクト5は、車体のフロアに固定され、車両の前方に位置しているエアコン(図示せず)やヒーターなどの空調装置から冷風又は温風の供給を受けて接続ダクト7の入口に向かって供給することができるように上側に開口した吐出口を備えている。移動ダクト3は、接続ダクト7の外側に挿入された状態で重畳できる直線区間が備えられ、移動ダクト3が接続ダクト7から遠ざかる方向に直線スライドされた状態でも、接続ダクト7と連通した状態を継続的に維持するように構成される。本実施形態において、移動ダクト3が接続ダクト7から遠ざかる方向は車体の後方である。
【0028】
参考まで、
図11は本発明のムービングコンソールが実現することができる3つの状態をA、B、Cで比較して示す。B状態を基準状態とするとき、A状態は移動ダクト3が車体の前方に移動した状態を示し、C状態は移動ダクト3が車体の後方に移動した状態を示す。
【0029】
ロッキング装置9は、車体に対して固定されたストッパー15と、接続ダクト7に対して固定された回転軸に沿って回転可能に設置され、回転角度に応じてストッパー15にロックされる状態が可変されるロッキングレバー17と、ロッキングレバー17がストッパー15にロックされる方向に弾性力を印加するように設置されたロッキングスプリング19と、を含んで構成される。つまり、ロッキング装置9は、ロッキングレバー17がロッキングスプリング19の弾性力によってストッパー15に固定されることにより、接続ダクト7が車体の前方又は後方に移動せずにストッパー15にロックされ、
図11のBのような基準状態を安定的に維持することができる。
【0030】
基準状態から移動ダクト3と収納函13などが後方に移動してC状態に変化するとき、ロッキング装置9は、接続ダクト7が一緒に後方に移動せずにストッパー15によって安定した固定状態を形成するようにして、固定ダクト5と連通した接続ダクト7の状態を安定的に確保するようにする。したがって、固定ダクト5を介して供給される温風や冷風は、
図11のCのような状態においても接続ダクト7と移動ダクト3を介してベント11へ安定して吐出できる。
【0031】
ロッキング装置9は、移動ダクト3が接続ダクト7に近づく方向に直線スライドすることにより、ロッキングレバー17のロック状態を解除することができ、移動ダクト3に固定されたロッキング解除部21をさらに含んで構成される。つまり、移動ダクト3が
図11のB状態からA状態に移動するとき、ロッキング解除部21がロッキングレバー17のロック状態を解除することができるようにするのである。ここで、注意すべきことは、移動ダクト3が
図11のC状態からB状態に移動する間に、ロッキング解除部21がロッキングレバー17のロック状態を解除するように構成されたのではないことである。つまり、移動ダクト3が
図11のC状態からB状態に移動する間には、むしろ、ロッキングレバー17は、ストッパー15に強固なロック状態を維持しなければならず、これとは異なり、移動ダクト3がB状態からA状態に移動するためには、移動ダクト3が接続ダクト7と一緒に移動しなければならないので、そのためにロッキングレバー17のロック状態を解除して、接続ダクト7がストッパー15から分離されて前方にスライドすることができるようにするのである。
【0032】
本実施形態において、ストッパー15は、接続ダクト7の下側に設置され、ロッキング解除部21は、ストッパー15の上端と接続ダクト7との間の空間に直線スライドして進入することができるように設置され、ロッキングレバー17は、ロッキング解除部21の直線スライド軌跡よりも下側に回転軸が位置するように接続ダクト7の下側に設置される構成である。
【0033】
ここで、ロッキングレバー17は、ロッキングスプリング19の弾性力によってストッパー15にロックされるフックアーム23と、ロッキング解除部21によって回転してフックアーム23をストッパー15から解除させるように、フックアーム23と一体に形成された解除アーム25とを含んで構成される。
【0034】
図7は基準状態でのロッキングレバー17、ストッパー15及びロッキング解除部21を示しているので、ロッキング解除部21がロッキングレバー17の解除アーム25と当接する位置がロッキングレバー17の回転軸よりも上側に位置して、ロッキング解除部21が図面上の左側、すなわち車体の前方に向かって移動すると、ロッキングレバー17の解除アーム25が図面上の反時計回りに回転しながら、フックアーム23がストッパー15から解除されるようにするのである。
【0035】
一方、ロッキング装置9が解除されると、接続ダクト7はストッパー15から分離されて車体の前方に向かって自由に移動することができ、このような接続ダクト7の移動により、接続ダクト7は固定ダクト5から分離される(
図11のA状態を参照)。上述したような状態では、接続ダクト7と移動ダクト3の相対的なスライドを拘束することができるようにする拘束装置を備えて、移動ダクト3を後方に移動させて基準状態に復帰するようにするとき、接続ダクト7が一緒に移動することができるようにしなければならない。拘束装置は、別個に構成することもできるが、ロッキング装置9と連動するように構成されると、部品数を低減することができて好ましい。
【0036】
本実施形態では、ロッキング装置9に拘束装置が一緒に実現されるようにして、互いに連動するように構成している。すなわち、ロッキングレバー17には、ロッキングレバー17のフックアーム23がストッパー15から解除された状態で、ロッキングスプリング19の弾性力によって、接続ダクト7と移動ダクト3の相対的なスライドを拘束することができるようにする拘束アーム27がさらに備えられた構成である。また、ロッキング解除部21は、移動ダクト3の下側に固定されるロアプレート29に備えられ、ロアプレート29には、ロッキングレバー17の拘束アーム27が挿入されることにより移動ダクト3を接続ダクト7に対して拘束させる拘束ホール31が形成された構成である。
【0037】
したがって、
図11のAのような状態では、
図12のAに示されているように、ロッキングレバー17の拘束アーム27がロッキングスプリング19の弾性力によってロアプレート29の拘束ホール31に挿入されて移動ダクト3と接続ダクト7とが互いに拘束されるようにすることにより、移動ダクト3を後方に移動させるとき、接続ダクト7が一緒に移動する。ストッパー15には、拘束アーム27が拘束ホール31に挿入された状態で、ロッキングレバー17が近づくにつれて、フックアーム23がガイドされながら回転して、拘束アーム27が拘束ホール31から抜け出た後、フックアーム23がストッパー15にロックされるようにするガイド部33が一体に備えられる。
【0038】
すなわち、
図11のA及び
図12のAのような状態から、移動ダクト3を後方に移動させると、
図11のBのような状態の直前に
図12のBのような状態を経て、
図12のCのような状態でロッキングレバー17のフックアーム23がストッパー15にロックされるが、
図12のB状態からC状態に変化することは、フックアーム23が後方に移動しながらストッパー15のガイド部33に接触してガイドされ、フックアーム23が反時計回りに回転し、ロッキングスプリング19の弾性力はロッキングレバー17に作用し続けているので、最終的には、フックアーム23が再び時計回りに回転しながら
図12のCのような状態でロック状態を形成する。
【0039】
図12のCのような状態は、
図11のC状態のように、移動ダクト3が基準状態よりも後方に移動した状態でも同一に維持される。本実施形態において、ハウジング1内には、接続ダクト7と重畳できる移動ダクト3の直線区間の上側に収納函13が備えられ、移動ダクト3は、収納函13に対して固定され、ロッキングレバー17は、接続ダクト7の下側に一体に設置されるムービングブロックロア35にその回転軸が固定され、ロッキング解除部21は、移動ダクト3の下側に固定されるロアプレート29に一体に備えられる。接続ダクト7の上側には、収納函13との相対的な直線スライドがガイドされるようにする直線ガイド37が備えられる。接続ダクト7の上側には、ムービングブロックロア35の上側に結合するムービングブロックアッパー39が備えられ、直線ガイド37は、ムービングブロックアッパー39と収納函13との間に備えられる。つまり、接続ダクト7は、上側のムービングブロックアッパー39と下側のムービングブロックロア35によって包まれた状態で一体化され、ムービングブロックロア35の下側にはロッキングレバー17の回転軸及びロッキングスプリング19を設置し、ムービングブロックアッパー39と収納函13との間には直線ガイド37を設置することにより、収納函13が移動ダクト3と共に接続ダクト7に対して相対運動するとき、その運動を柔らかくて安定的にガイドすることができるようにしたのである。
【0040】
一方、本実施形態は、ロアプレート29の下側に固定されるスライダー41と、車体に対するスライダー41の直線スライドをガイドするように車体に固定されて設置されるガイドレール43と、ガイドレール43に沿ってスライダー41を移動させ、ロアプレート29、移動ダクト3及びハウジング1を直線スライドさせる動力を提供するように備えられた駆動モーター45とを含んで構成される。したがって、本発明は、別途の操作スイッチなどで駆動モーター45を駆動すると、スライダー41がガイドレール43に沿って直線スライドすることにより、ハウジング1及び移動ダクト3が移動しながら、結果としてコンソールの位置を車体に対して可変させることができる。参考まで、駆動モーター45の回転力を用いてスライダー41を直線スライドさせる構成は、リードスクリューなどの従来の様々な直線駆動装置で実現することができる。
【0041】
本発明は特定の実施形態について図示及び説明したが、様々な改良及び変化を加えられることは、当該分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0042】
1 ハウジング
3 移動ダクト
5 固定ダクト
7 接続ダクト
9 ロッキング装置
11 ベント
13 収納函
15 ストッパー
17 ロッキングレバー
19 ロッキングスプリング
21 ロッキング解除部
23 フックアーム
25 解除アーム
27 拘束アーム
29 ロアプレート
31 拘束ホール
33 ガイド部
35 ムービングブロックロア
37 直線ガイド
39 ムービングブロックアッパー
41 スライダー
43 ガイドレール
45 駆動モーター