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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115065
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】成形用樹脂組成物及び成形体
(51)【国際特許分類】
   C08L 75/00 20060101AFI20220801BHJP
   C08K 3/015 20180101ALI20220801BHJP
   C08G 18/00 20060101ALI20220801BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220801BHJP
   A01N 33/12 20060101ALI20220801BHJP
   A01N 59/16 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
C08L75/00
C08K3/015
C08G18/00 A
A01P3/00
A01N33/12 101
A01N59/16 A
A01N59/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204138
(22)【出願日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2021010737
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】能勢 謙太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康資
(72)【発明者】
【氏名】平川 寛之
【テーマコード(参考)】
4H011
4J002
4J034
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011AA03
4H011BB04
4H011BB18
4H011BC03
4H011BC06
4H011BC09
4H011BC18
4H011BC19
4H011DH05
4H011DH07
4J002CK021
4J002DA076
4J002DA106
4J002EN136
4J002FD020
4J002FD050
4J002FD090
4J002FD160
4J002FD186
4J002FD200
4J002GL00
4J002GN00
4J034BA08
4J034CA04
4J034CA15
4J034CB03
4J034CC03
4J034DA01
4J034DB04
4J034DC02
4J034DC43
4J034DF01
4J034HA07
4J034HC03
4J034JA27
4J034JA41
4J034QC04
4J034RA10
4J034RA12
(57)【要約】
【課題】十分な抗菌効果を発揮でき、成形体の強度が良好であり、かつ、成形体の形状の選択可能性を広げることができる、成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部に抗菌剤(Y)が形成されている抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)を含有し、
前記抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)の体積平均粒子径は、50μm~1000μmである成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部に抗菌剤(Y)を有する抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)を含有し、
前記抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)の体積平均粒子径は、50μm~1000μmである成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物。
【請求項2】
抗菌剤(Y)の重量が、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の重量に基づいて0.1~2.0重量%である請求項1に記載の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物。
【請求項3】
前記抗菌剤(Y)は、25℃の水に不溶である請求項1又は2に記載の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1~3に記載の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物の成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用樹脂組成物及び成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性ポリウレタン樹脂(以下、TPUという)は、自動車内装部品及び事務用機器等に用いられている。そして、少量の抗菌剤でも優れた抗菌性を持続的に発揮できる抗菌性成形体として、無機抗菌剤が塗布された成形型を用いて得られる、表層にのみ無機抗菌剤が含有されているポリウレタン成形品が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開1997-100409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の抗菌性ポリウレタン成形品は、抗菌剤の剥離および脱落などにより抗菌性が低下するという問題があり、さらに、抗菌性を付与することができる成形体の形状も成形型に限定されるという問題もあった。
【0005】
本発明は、前記の課題を解決するものであり、十分な抗菌効果を発揮でき、成形体の強度が良好であり、かつ、成形体の形状の選択可能性を広げることができる、成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部に抗菌剤(Y)を有する抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)を含有し、前記抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)の体積平均粒子径は、50μm~1000μmである成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、十分な抗菌効果を発揮でき、成形体の強度が良好であり、かつ、抗菌剤が塗布された成形型を使用せずに抗菌性のある成形体を作ることができるため、成形体の形状の選択可能性を広げることができる、成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部に抗菌剤(Y)を有する抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)を含有する。
【0009】
本発明において「ウレタン(ウレア)樹脂」は、ウレタン結合のみを有するウレタン樹脂、またはウレタン結合、およびウレア結合の両方を有するウレタンウレア樹脂を意味する。
【0010】
本発明において「粒子」の形状には制限はなく、真球状粒子、凹凸粒子破砕状粒子等が含まれる。
【0011】
本発明において「抗菌性」とは、細菌の増殖を抑える性質を意味する。細菌としては例えば、大腸菌、黄色ブドウ球菌、乳酸菌及び緑膿菌等が挙げられる。
【0012】
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)としては、例えば数平均分子量が300~3000の高分子ジオール(a)、モノオール(c)、及び有機ジイソシアネート(e)を反応させて得られる樹脂が挙げられる。熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)は、高分子ジオール(a)、モノオール(c)、及び有機ジイソシアネート(e)とともに、必要により数平均分子量が300未満の低分子ジオール(b)及びジアミン(d)から選ばれる化合物を反応させて得られる樹脂であってもよい。
【0013】
高分子ジオール(a)の数平均分子量(以下、数平均分子量はMnと略記する)はJISK1557-1(プラスチック-ポリウレタン原料ポリオール試験方法-第1部:水酸基価の求め方)に準拠する方法により測定される、ジオールの水酸基価から算出することができる。
【0014】
高分子ジオール(a)としては、ポリエステルジオール(a1)、ポリカーボネートジオール(a2)、ラクトンモノマーから合成されるポリエステルジオール(a3)、ポリエーテルジオール(a4)、ポリエーテルエステルジオール(a5)及びポリアルカンジエンジオール(a6)が挙げられる。
ポリエステルジオール(a1)~ポリアルカンジエンジオール(a6)は単独で使用しても良いし2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0015】
ポリエステルジオール(a1)としては、2官能アルコール(a11)と2官能カルボン酸(a12)との縮合によって得られるものが挙げられる。
【0016】
2官能アルコール(a11)としては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、スピログリコール、ジオキサングリコール、アダマンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、メチルオクタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-メチルプロパンジオール、1,3,3-メチルペンタンジオール、1,5-ヘキサメチレングリコール、オクチレングリコール、9-ノナンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,4-ポリイソプレンジオール、1,4-ポリブタジエンジオール、1,2-ポリブタジエンジオール、1,4-もしくは1,2-ポリブタジエンジオールの水素添加物といったヒドロキシル基末端ポリアルカンジエンジオール類等が挙げられる。
【0017】
2官能カルボン酸(a12)としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t-ブチルイソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸及び4,4’-ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。
また、ポリエステルジオール(a1)の合成には、2官能カルボン酸(a12)のエステル形成性誘導体を用いてもよく、酸無水物(例えば、無水フタル酸)、低級アルキルエステル(例えば、ジメチルテレフタレート)及び酸ハライド(例えば、フタル酸クロライド)等を用いることができる。
【0018】
ポリエステルジオール(a1)としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンイソフタレート、ヘキサメチレンアジペート、ヘキサメチレンテレフタレート、及びヘキサメチレンイソフタレート等が挙げられる。
【0019】
ポリカーボネートジオール(a2)としては、前記2官能アルコール(a11)と、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1~6のジアルキルカーボネート、炭素数2~6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6~9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。前記2官能アルコール(a11)及び低分子カーボネート化合物はそれぞれ2種以上併用してもよい。
ポリカーボネートポリオール(a2)としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(ペンタメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,5-ペンタンジオールと1,6-ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
【0020】
ラクトンモノマーから合成されるポリエステルジオール(a3)において、ラクトンモノマーとしては、炭素数4~12のラクトン、たとえばγ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン及びこれらの2種以上の混合物を重合させて得られるポリエステルジオールが挙げられる。
【0021】
ポリエーテルジオール(a4)としては、2個の水酸基含有化合物(たとえば2官能アルコール(a11)、2価のフェノール類等)にアルキレンオキサイドが付加した化合物が挙げられる。上記2価のフェノール類としてはビスフェノール類[ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等]及び単環フェノール類[カテコール、ハイドロキノン、レゾルシノール等]等が挙げられる。
2官能アルコール(a11)にアルキレンオキサイドが付加した化合物としてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ポリエーテルジオールが挙げられる。
2価のフェノール類にアルキレンオキサイドが付加した化合物としてはハイドロキノンの炭素2~6のアルキレンオキサイド付加物、カテコールの炭素2~6のアルキレンオキサイド付加物、レゾルシノールの炭素2~6のアルキレンオキサイド付加物及びビスフェノールAの炭素2~6のアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ポリエーテルジオールが挙げられる。
【0022】
ポリエーテルエステルジオール(a5)としては、前記ポリエステルジオール(a1)において原料の2官能アルコール(a11)に代えて上記ポリエーテルジオール(a4)を用いたもの、例えば上記ポリエーテルジオール(a4)の1種以上と前記ポリエステルジオール(a4)の原料として例示したジカルボン酸の1種以上とを縮重合させて得られるものが挙げられる。上記ポリエーテルジオール(a4)としては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
【0023】
ポリアルカンジエンジオール(a6)としては1,4-ポリイソプレンジオール、1,4-ポリブタジエンジオール、1,2-ポリブタジエンジオール、1,4-もしくは1,2-ポリブタジエンジオールの水素添加物といったヒドロキシル基末端ポリアルカンジエンジオール類等が挙げられる。
【0024】
これらのうち耐熱性の観点から高分子ジオール(a)として好ましいのは、ポリエステルジオール(a1)及びポリカーボネートジオール(a2)である。
【0025】
成形体の引張強度及び切断時伸びの観点から、高分子ジオール(a)の数平均分子量(Mn)として好ましいのは500~3,000であり、特に好ましいのは800~2,300である。
【0026】
低分子ジオール(b)としては数平均分子量が300未満のジオールを用いることができる。低分子ジオール(b)としては、二官能アルコール(a11)で例示したアルコールが挙げられる。低分子ジオール(b)としては、好ましくは、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールであり、成形体の強度の観点から好ましいのは1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールである。低分子ジオール(b)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0027】
モノオール(c)としては、炭素数1~8の脂肪族モノオール類[直鎖モノオール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール及びオクタノール等)及び分岐鎖を有するモノオール(イソプロピルアルコール、ネオペンチルアルコール、3-メチル-ペンタノール及び2-エチルヘキサノール)等];炭素数6~10の環状基を有するモノオール類[脂環式モノオール(シクロヘキサノール等)及び炭素数7~12の芳香族モノオール(ベンジルアルコール及びナフチルエタノール等)等];これらの2種以上の混合物が挙げられる。また、ポリエステルモノオール、ポリエーテルモノオール及びポリエーテルエステルモノオール等の高分子モノオールもモノオール(c)として使用できる。これらの内で好ましいのは炭素数6~10の脂肪族モノオール及び炭素数7~12の芳香族モノオールである。
【0028】
ジアミン(d)としては、炭素数6~10の脂環式ジアミン(4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン及びイソホロンジアミン等);炭素数2~10の脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等);炭素数8~10の芳香脂肪族ジアミン(キシリレンジアミン等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの内で好ましいのは炭素数6~10の脂環式ジアミン及び炭素数2~10の脂肪族ジアミンであり、特に好ましいのはイソホロンジアミン及びヘキサメチレンジアミンである。
【0029】
有機ジイソシアネート(e)としては、以下のものが挙げられる。
(i)炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2~18の脂肪族ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート及び2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート等];
(ii)炭素数4~15の脂環式ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート及びビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロへキセン等];
(iii)炭素数8~15の芳香脂肪族ジイソシアネート[m-又はp-キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等];
(iv)芳香族ジイソシアネート[1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記)、粗製TDI、2,4’-又は4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI及び1,5-ナフチレンジイソシアネート等];
(v)これらのジイソシアネートの変性物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基又はウレア基等を有するジイソシアネート変性物)。
これらのうち、耐候性の観点から好ましいのは脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートであり、更に好ましいのはHDI、IPDI及び水添MDIである。
有機ジイソシアネート(e)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0030】
本発明において、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)は、真球状でも真球から外れた非真球状でもよい。
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の体積平均粒子径は、好ましくは50~1000μm、特に好ましくは100~500μm、最も好ましくは150~300μmである。
本発明において、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置を用いて測定した相対累積粒子径分布曲線(体積基準)において、累積量が50%のときの粒子径(d50)である。
【0031】
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)のMnは、好ましくは10,000~40,000であり、更に好ましくは13,000~30,000である。熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)のMnは例えば、実施例に記載の方法で測定される。
【0032】
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の製造方法としては以下の方法等が挙げられる。以下においては低分子ジオール(b)及びジアミン(d)を用いた場合の製造方法について説明しているが、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の製造方法は当該方法に限定されない。
(1)有機溶媒の存在下又は非存在下で、あらかじめ高分子ジオール(a)と低分子ジオール(b)とモノオール(c)との混合物と有機ジイソシアネート(e)とを、前記混合物中の水酸基と有機ジイソシアネート(e)のイソシアネート基とのモル比が、1:1.2~1:4.0となるように反応させ、得られた末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(Up)を、水及び分散安定剤存在下で、ジアミン(d)で伸長反応させる方法。尚、ジアミンはブロックされた直鎖脂肪族ジアミン(例えばケチミン化合物)等を使用することができる。
(2)上記ウレタンプレポリマー(Up)を、非極性有機溶媒及び分散安定剤存在下で、ジアミン(d)で伸長反応させる方法。
(3)高分子ジオール(a)、低分子ジオール(b)、モノオール(c)、ジアミン(d)及び有機ジイソシアネート(e)をワンショットで反応させる方法。
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)を分散体として得た場合は、分散媒を除去し、さらに粉砕しても良い。
【0033】
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の製造に用いる有機溶媒としては、炭素数3~9のケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びジエチルケトン等)、炭素数4~8のエーテル(テトラヒドロフラン等)及び炭素数3~6のエステル(酢酸メチル及び酢酸エチル等)が挙げられる。
有機溶媒は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0034】
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の製造に用いる分散安定剤としては、水溶性高分子(メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸塩類、ポリビニルピロリドン及びジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩等)、無機粉末(炭酸カルシウム粉末、リン酸カルシウム粉末、ハイドロキシアパタイト粉末及びシリカ粉末等)、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウム等)等が挙げられる。
分散安定剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0035】
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の製造に用いる非極性有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン及びキシレン等が挙げられる。
有機溶媒は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0036】
ウレタンプレポリマー(Up)を製造する際の反応温度は、ウレタン化を行う際に採用される温度と同じでよく、有機溶媒を使用する場合は好ましくは20℃~100℃であり、有機溶媒を使用しない場合は好ましくは20℃~140℃、より好ましくは80℃~130℃である。
【0037】
上記ウレタン化反応において、反応を促進するために必要によりポリウレタンに用いられる触媒を使用することができる。触媒としては、例えばアミン系触媒(トリエチルアミン、N-エチルモルホリン及びトリエチレンジアミン等)及び錫系触媒(トリメチルチンラウレート、ジブチルチンジラウレート及びジブチルチンマレート等)等が挙げられる。
【0038】
本発明で用いられる抗菌剤(Y)としては、抗菌用途に用いられるものを特に制限なく用いることができるが、例えば、25℃の水に不溶である抗菌剤が挙げられる。
25℃の水に不溶である抗菌剤を用いると、成形品から抗菌剤が剥離及び脱落しづらく、少ない使用量でも高い抗菌効果が長期に亘って奏されるようになる。
なお、本発明において、25℃の水に不溶とは、25℃のイオン交換水100g当たりに対する溶解度が0.1g以下であることを言う。
前記溶解度は、次の方法によって測定することができる。
200mLビーカーに入れた25℃のイオン交換水100gに対して、十分乾燥させた測定対象(抗菌剤)を投入し、長さ20mm、幅7mmのスターラーチップを入れ、マグネチックスターラーで撹拌し、1時間撹拌しても溶解できない量を、当該抗菌剤の25℃の水に対する溶解度とする。なお、マグネチックスターラーとしてはアズワン株式会社製HPS-100等を使用できる。
【0039】
水に不溶である抗菌剤としては、例えば、抗菌性を有する金属、抗菌性金属担持物、及び有機抗菌剤等が挙げられる。
抗菌性を有する金属としては、銅、銀、金、鉛、ニッケル、錫、亜鉛、鉄、及びジルコニウム等が挙げられる。
抗菌性金属担持物としては、銀ゼオライト、ジビニルベンゼン-2-ビニルピリジン-2-ビニルピリジン銀共重合体(例えば特開2006-307404号公報記載のもの)、アルミニウム・銀・ナトリウム硝酸ケイ酸塩(例えば特開2005-232654号公報記載のもの)、銀又は亜鉛を担持した二酸化ケイ素・酸化亜鉛・酸化アルミニウムの複合物(具体的には、抗菌性金属を担持した金属置換カンクリナイト様鉱物)、リン酸銀ジルコニウム及び銀・亜鉛ゼオライトの混合物等が挙げられる。
有機抗菌剤としては、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0040】
第4級アンモニウム塩としては、熱安定性の観点から対イオンが超強酸である下記一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0041】
【化1】
【0042】
一般式(1)におけるRおよびRは、直鎖もしくは分岐の炭素数1~22(好ましくは炭素数1~14)の脂肪族炭化水素基(アルキル基及びアルケニル基など)を表す。直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたアルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する。)及びオレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基及び2-エチルヘキシル基が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは炭素数が1~14の脂肪族炭化水素基、さらに好ましいのは炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、特に好ましいのは炭素数1または2の脂肪族炭化水素基、最も好ましいのはメチル基である。また、RとRは同一であっても異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
【0043】
は直鎖もしくは分岐の炭素数が1~22の脂肪族炭化水素基、炭素数が7~22のアリールアルキル基または炭素数が7~22のアリールアルケニル基を表す。
直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、前記例示したものが挙げられ、アリールアルキル基としてはベンジル基およびフェネチル基など、アリールアルケニル基としてはスチリル基およびシンナミル基などが挙げられる。
のうち好ましいのは直鎖もしくは分岐の炭素数が1~18の脂肪族炭化水素基、炭素数が7~15のアリールアルキル基、炭素数が7~15のアリールアルケニル基、さらに好ましいのは直鎖もしくは分岐の炭素数が6~14の脂肪族炭化水素基である。
【0044】
は直鎖または分岐の炭素数8~22の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基及びオレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2-エチルヘキシル基などが挙げられる。Rのうち好ましいのは直鎖または分岐の炭素数8~18の脂肪族炭化水素基、さらに好ましいのは直鎖または分岐の炭素数10~16の脂肪族炭化水素基である。
【0045】
は超強酸のアニオンを表す。
で表されるアニオンを構成する超強酸は、Hamme ttの酸度関数(-H0)が通常11.93(100%硫酸の数値)以上のもので、プロトン酸、およびプロトン酸/ルイス酸の組み合わせが挙げられる。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンス ルホン酸などが挙げられる。
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げられる。プロトン酸/ルイス酸の組み合わせは任意であるが、具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、耐熱性の観点から好ましいのはHammettの酸度関数(-H0)が12以上のもの(トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸 、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化 砒素、六フッ化タウリンなど)である。
【0046】
下記一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩としては、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム及びジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムなどの4級アンモニウム基とトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、六フッ化タウリンなどのHam mett酸度関数(-H0)が12以上の超強酸との組み合わせである。
【0047】
本発明で用いられる抗菌剤の形態は特に制限されず、液体でも固体でもよいが、固体粒子であることが好ましい。抗菌剤の粒子の形状は特に制限されず、例えば、球状、俵状、及び不定形状などであり得る。
【0048】
本発明で用いられる抗菌剤が固体粒子である場合、粒子の体積平均粒子径は、好ましくは0.01~29μm、さらに好ましくは0.05~5μm、最も好ましくは0.1~4μmである。抗菌剤の粒子の体積平均粒子径を0.01~29μmとすることで、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部に抗菌剤(Y)を形成することが出来る。
本発明において、抗菌剤(Y)の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置を用いて測定した相対累積粒子径分布曲線(体積基準)において、累積量が50%のときの粒子径(d50)である。
【0049】
抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)における抗菌剤(Y)の含有量は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の重量に基づき、0.1~2.0重量%である。抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)中の抗菌性化合物(Y)の含有量が0.1重量%~2.0重量%であることにより、特別な処理を行わなくても、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)へ抗菌性を付与させることができる。
抗菌剤(Y)の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.2重量%以上、最も好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは1.5重量%以下である。
【0050】
本発明の抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部に抗菌剤(Y)を有する。具体的には、抗菌剤(Y)は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部を被覆している。熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部が抗菌剤(Y)に被覆されることで、抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)に抗菌性を付与することができ、抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)を含有する成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物を用いることで所望の形状を有する成形体を作成することが可能である。
【0051】
抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)の体積平均粒子径は50μm~1000μmであり、好ましくは100~500μm、最も好ましくは150~300μmである。
本発明において、抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)の体積平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置を用いて測定した相対累積粒子径分布曲線(体積基準)において、累積量が50%のときの粒子径(d50)である。
【0052】
抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)に、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部に抗菌剤(Y)を有することは、例えば、抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)上のSEM-EDXの元素質量濃度において、抗菌剤(Y)の構成元素の質量濃度から確認することが出来る。
抗菌剤(Y)の構成元素の質量濃度が0.01%以上であれば、十分な抗菌効果を発揮でき、更に好ましくは0.03%以上であり、最も好ましくは0.05%以上である。
【0053】
以下に、望ましいSEM-EDXの測定条件を示す。
<SEM-EDX測定条件>
<炭素蒸着加工装置>
サンユー電子 QUICK CARBON MODEL SC-701C
Thickness Count:3回真空度:10^-2 Torr
<測定装置>
・SEM:日本電子 JSM-7000
・EDX:OXFORD INCA X-sight
真空度:1×10^-4Pa以下
加速電圧:25kV
電流モード:Medium
【0054】
本発明の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)及び抗菌剤(Y)以外の成分[以下「添加剤(Z)」ともいう]を含有していてもよい。
添加剤(Z)は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の原料となる前記のウレタンプレポリマー(Up)製造に混合しても良く、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)に混合しても良く、抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)と混合しても良い。
【0055】
添加剤(Z)としては無機フィラー(Z1)、顔料(Z2)、可塑剤(Z3)、離型剤(Z4)、安定剤(Z5)及びブロッキング防止剤(粉体流動性向上剤)(Z6)等が挙げられる。添加剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これらのうち、可塑剤(Z3)、離型剤(Z4)、安定剤(Z5)及びブロッキング防止剤(Z6)は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)又は抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)に混合して用いることが好ましい。
【0056】
無機フィラー(Z1)としては、抗菌性を有しないもの及び抗菌剤の担体とならないものであり、タルク、炭酸カルシウム、セリサイト、黒鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム及びホウ酸亜鉛等が挙げられる。これらのうち、タルクが好ましい。
【0057】
無機フィラー(Z1)の体積平均粒子径は、成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物中への分散性の観点から、0.1~30μmが好ましく、更に好ましくは1~20μm、特に好ましくは2~10μmである。
無機フィラー(Z1)の添加量は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)100重量部に対して、0~40重量部が好ましく、1~20重量部が更に好ましい。
【0058】
顔料(Z2)としては特に限定されず、公知の有機顔料及び無機顔料を使用することができる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料及びキナクリドン顔料等が挙げられ、無機顔料としては、抗菌性を有しないもの及び抗菌剤の担体とならないものであり、クロム酸塩、フェロシアン化合物、炭酸塩(炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等)及び燐酸塩(燐酸カルシウム及び燐酸マグネシウム等)等]、金属粉末(アルミ粉末、鉄粉末、ニッケル粉末及び銅粉末等)及びカーボンブラック等が挙げられる。
顔料の平均粒子径については特に限定はないが、好ましくは0.2~5.0μm、より好ましくは0.5~1.0μmである。
顔料(Z2)の添加量は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは0.01~5重量部、更に好ましくは1~3重量部である。
【0059】
可塑剤(Z3)としては、フタル酸エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルベンジル及びフタル酸ジイソデシル等);安息香酸エステル(ポリエチレングリコールジ安息香酸エステル等);脂肪族2塩基酸エステル(アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル及びセバシン酸-2-エチルヘキシル等);トリメリット酸エステル(トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル及びトリメリット酸トリオクチル等);脂肪酸エステル(オレイン酸ブチル等);脂肪族リン酸エステル(トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ-2-エチルヘキシルホスフェート及びトリブトキシホスフェート等);芳香族リン酸エステル[トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルホスフェート及びトリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフェート等];ハロゲン脂肪族リン酸エステル[トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(βークロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート及びトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等];及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
可塑剤(Z3)の添加量は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)100重量部に対して、好ましくは0~50重量部、更に好ましくは5~20重量部である。
【0060】
離型剤(Z4)としては公知の離型剤等が使用でき、フッ素化合物型離型剤[リン酸トリパーフルオロアルキル(炭素数8~20)エステル(トリパーフルオロオクチルホスフェート及びトリパーフルオロドデシルホスフェート等)];シリコーン化合物型離型剤(ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン及びカルボキシル変性ジメチルポリシロキサン等);脂肪酸エステル型離型剤[炭素数10~24の脂肪酸のモノ又は多価アルコールエステル(ブチルステアレート、硬化ひまし油及びエチレングリコールモノステアレート等)等];脂肪族酸アミド型離型剤[炭素数8~24の脂肪酸のモノ又はビスアミド(オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド及びエチレンジアミン等のジステアリン酸アミド等)等];金属石鹸(ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸亜鉛等);天然又は合成ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス及びポリブロピレンワックス等);及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
離型剤(Z4)の添加量は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)100重量部に対して、好ましくは0~1重量部、更に好ましくは0.05~0.5重量部である。
【0061】
安定剤(Z5)としては、紫外線吸収剤(Z51)や酸化防止剤(Z52)及び加水分解防止剤(Z53)の他、分子中に炭素-炭素二重結合(置換基を有していてもよいエチレン結合等)(但し芳香環中の二重結合は除く)又は炭素-炭素三重結合(置換基を有していてもよいアセチレン結合)を有する化合物等が使用できる。
【0062】
紫外線吸収剤(Z51)としては、ベンゾフェノン系[2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン及び2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等];ベンゾトリアゾール系[2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等];サリチル酸系[フェニルサリシレート等];ヒンダードアミン系[ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート等]等が挙げられる。
【0063】
酸化防止剤(Z52)としては、フェノール系[2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール及びブチル化ヒドロキシアニソール等];ビスフェノール系[2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等];リン系[トリフェニルフォスファイト及びジフェニルイソデシルフォスファイト等]等が挙げられる。
【0064】
加水分解防止剤(Z53)としては、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に有するものが挙げられる。カルボキシル基と反応する官能基としてはカルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基、シクロカーボネート基及びアジリジン基等が挙げられる。
【0065】
分子中に炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合を有する化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸と2~10価の多価アルコール(2~10価の多価アルコール、以下同様)とのエステル[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等];(メタ)アリルアルコールと2~6価の多価カルボン酸とのエステル[ジアリルフタレート及びトリメリット酸トリアリルエステル等];多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル[ペンタエリスリトール(メタ)アリルエーテル等)];多価アルコールのポリビニルエーテル(エチレングリコールジビニルエーテル等);多価アルコールのポリプロペニルエーテル(エチレングリコールジプロペニルエーテル等);ポリビニルベンゼン(ジビニルベンゼン等)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
これらの内、安定性(ラジカル重合速度)の観点から、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステルが好ましく、更に好ましくはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートである。
安定剤(Z5)の添加量は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)100重量部に対して、好ましくは0~20重量部、更に好ましくは1~15重量部である。
【0066】
ブロッキング防止剤(粉体流動性向上剤)(Z6)としては、粒子径10μm以下の熱硬化性樹脂(熱硬化性ポリウレタン樹脂、グアナミン系樹脂及びエポキシ系樹脂等)及び粒子径10μm以下の熱可塑性樹脂[熱可塑性ポリウレタンウレア樹脂及びポリ(メタ)アクリレート樹脂等]等が挙げられる。
ブロッキング防止剤(流動性向上剤)(Z6)の添加量は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)100重量部に対して、好ましくは0~5重量部、更に好ましくは0.5~1重量部である。
【0067】
添加剤(Z)の添加量の合計値は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)100重量部に対して、0.01~50重量部が好ましく、更に好ましくは1~30重量部である。
【0068】
本発明の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物は、熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)と抗菌剤(Y)とを混合する工程(以下「混合工程」ともいう)を含む製造方法で得ることが出来る。
【0069】
混合工程において用いる混合装置としては、公知の粉体混合装置を使用でき、容器回転型混合機、固定容器型混合機及び流体運動型混合機のいずれも使用できる。例えば固定容器型混合機としては高速流動型混合機、複軸パドル型混合機、高速剪断混合装置[ヘンシエルミキサ(登録商標)等]、低速混合装置(プラネタリーミキサー等)及び円錐型スクリュー混合機[ナウタミキサ(登録商標、以下省略)等]が挙げられ、これらの中で好ましいのは、複軸パドル型混合機、低速混合装置(プラネタリーミキサー等)及び円錐型スクリュー混合機(ナウタミキサ等)である。
【0070】
本発明の成形体は本発明の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物の成形体である。
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)の表面の少なくとも一部に抗菌剤(Y)が形成されていることにより、本発明の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物を成形した成形体は、抗菌剤の剥離および脱落などによる抗菌性の低下が起きづらく、かつ、所望の形状を得ることが出来る。
【0071】
成形体の成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、及びフィルム成形(キャスト法、テンター法、及びインフレーション法等)等が挙げられる。
本発明の成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物は、粒子の表面に抗菌剤を高濃度で含むことから粒子をそのまま成形体にすることで表面の抗菌剤濃度が高い成形体が得られる。そのため、前記の成型方法の中でも、加熱溶融した樹脂組成物を成形型に流し込むことなく成形体を得る成形方法、例えば樹脂粒子を直接成形型に充填して熱又は圧力を加えることで一体に成形する成形方法(スラッシュ成形、回転成形、圧縮成形、及びカレンダ成形等)が好ましい。成形体の形態としては、板状、シート状、フィルム及び繊維(不織布等も含む)等が挙げられる。
【実施例0072】
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、%は重量%を表す。
【0073】
<評価方法>
[ウレタン(ウレア)樹脂粒子Mnの測定方法]
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)のMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて以下の条件で測定した。
・装置:「HLC-8320」[東ソー(株)製]
・カラム:「TSKgel Guardcolumn α」、「TSKgel α-M」[東ソー(株)製]
・測定温度:40℃
・試料溶液:0.125重量%のN,N-ジメチルホルムアミド溶液
・溶液注入量:100μl
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点(分子量589、1,050、2,630、5,970、9,100、19,500、37,900、96,400、190,000、427,000、1,090,000、2,110,000)[東ソー(株)製]
尚、Mnの測定には、試料をN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液として用いた。
【0074】
[体積平均粒子径の測定方法]
熱可塑性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(X)、抗菌剤(Y)および抗菌性ウレタン(ウレア)樹脂粒子(W)の体積平均粒子径は以下の方法により測定した。
レーザー回折式粒子径分布測定装置[日機装(株)製「MicrotracMT3000II」]を用いて測定を行い、得られた相対累積粒子径分布曲線において累積量が50%のときの粒子径(d50)を体積平均粒子径とした。
【0075】
[製造例1:熱可塑性ウレタンウレア樹脂粒子(X-1)の製造]
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、ポリエステルジオール(a1)としてのMnが2300であるポリエチレンイソフタレート282.9部及びポリエステルジオール(a1)としてのMnが1,000であるポリブチレンアジペート424.4部、モノオール(c)としてのベンジルアルコール9.34部並びに低分子ジオール(b)としての1,4-ブタンジオール5.88部を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、50℃まで冷却した。続いて、有機溶媒としてのメチルエチルケトン150.0部及び有機ジイソシアネート(e)としてのヘキサメチレンジイソシアネート132.0部を投入し、90℃で6時間反応させた。次いで、70℃に冷却した後、安定剤としてのイルガノックス1010[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製]1.4部を加え、均一に混合してウレタンプレポリマー(Up-1)の溶液を得た。得られたプレポリマー溶液のイソシアネート基含有量は、1.63%であった。続いて、反応容器に、分散安定剤としてのサンスパールPS-8[三洋化成工業(株)製]5.9部を水152部に溶解した水溶液157.9部と有機溶媒としてのメチルエチルケトン37.1部を加えて20℃で均一に撹拌後、ウルトラディスパーサー[ヤマト科学(株)製]を用いて周速23m/s(回転数:10,000rpm)の攪拌下にジアミン(d)としてのヘキサメチレンジアミン1.7部を加え1分間混合した。続いて、75℃に温調したプレポリマー(Up-1)の溶液103.3部を投入し、周速23m/sで2分間混合し後、混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換し、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、熱可塑性ウレタンウレア樹脂粒子(X-1)を得た。
得られた熱可塑性ウレタンウレア樹脂粒子(X-1)は非真球状であり、その体積平均粒子径は205μm、Mnは25,000であった。
【0076】
[実施例1]
(1-1)成形用ウレタンウレア樹脂組成物の製造
抗菌剤(Y)としての抗菌型第4級アンモニウム塩(Y-1)[商品名:ネオジャーミDFS、ジデシルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩([(CHN(C1021 CFSO 、三洋化成工業株式会社製]1.0部を可塑剤(Z3)としてのポリエチレングリコール(重合度2~10)のジ安息香酸エステル(Z3-1)[商品名:サンソフトEB300、三洋化成工業(株)製]5.8部に溶解させたものに、顔料(Z2)としてのカーボンブラック(Z2-1)1.3部を分散させた分散液と、製造例1で得た熱可塑性ウレタンウレア樹脂粒子(X-1)100部とを、ミキサー[CRUSH MILLSER、Iwatani製]に投入し、回転速度700min-1で1分間攪拌した。
次いで、ナウターミキサー[LABOMIXER LV-1、ホソカワミクロン製]に移し、紫外線吸収剤(Z51)としてのビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート(混合物)(Z51-1)[商品名:チヌビン765、BASFジャパン株式会社製])0.3部を投入し70℃で撹拌下に4時間混合した。
次いで離型剤(Z4)としてのジメチルポリシロキサン(Z4-1)[商品名:ケイL45-10000、日本ユニカー株式会社製]0.06部を投入し30分混合した後室温まで冷却した。最後に、ブロッキング防止剤(Z6)としてのポリメチルメタクリレート(Z6-1)[商品名:ガンツパールPM-030S、ガンツ化成株式会社製]0.5部を室温で30分混合し抗菌性ウレタンウレア樹脂粒子を含む成形用ウレタンウレア樹脂組成物を得た。
得られた成形用ウレタンウレア樹脂組成物に含まれる抗菌性ウレタンウレア樹脂粒子についてSEM-EDXを測定し、抗菌剤(Y)の硫黄元素の質量濃度が0.11%であることを確認した。
【0077】
(1-2)成形体の製造
(1-1)で製造した、成形用ウレタンウレア樹脂組成物を180℃、60秒、5MPaの条件で、1.0mmのスペーサーを使用し、厚さ0.8mmのシートを得た。得られたシートについて、引張強度、切断時伸びの評価を行い、結果を表1に示した。
また、予め250℃に加熱されたシボ模様の入ったNi電鋳型に成形用ウレタンウレア樹脂組成物を充填し60秒間保持した後、余分な成形用ウレタンウレア樹脂組成物を排出し、型を60秒間水冷して厚さ1.0mmの成形表皮を作製し、抗菌性試験及び成形性試験を行い、結果を表1に示した。
【0078】
[実施例2~12及び比較例1~4]
実施例1の(1-1)において、抗菌剤(Y)の種類と重量を表1と表2に記載の重量にしたこと以外は実施例1の(1-1)及び(1-2)と同じ操作を行って成形用ウレタンウレア樹脂組成物の製造と、成形体の製造を行った。
成形用ウレタンウレア樹脂組成物については、実施例1と同様に抗菌性ウレタンウレア樹脂粒子についてSEM-EDXを測定し、抗菌剤(Y)の構成要素の質量濃度を検出した。
成形体については、実施例1と同様にシートの引張強度、及び切断時伸びの評価と、成形表皮の抗菌性試験及び成形性試験を行った。結果を表1と表2に示した。なお、比較例1は抗菌剤(Y)を用いていない成形用樹脂組成物であり、実施例1~8及び比較例2~4で作成した成形用ウレタンウレア樹脂組成物を用いた成形表皮の抗菌性試験の基準として用いた。
【0079】
<引張強度及び切断時伸びの測定方法>
測定はJIS K 6251:2010に準じて行った。即ち、実施例1~12及び比較例1~2で得られた厚さ0.8mmのシートからJIS K 6251:2010の引張試験片ダンベル1号形を3枚打ち抜き、その中心に40mm間隔で標線を引いた。板厚は標線間5カ所の最小値を採用した。これを25℃雰囲気下にてオートグラフに取り付け、200mm/分の速さで引っ張り、引張強度及び切断時伸びを測定した。引張強度及び切断時伸び共に指標値が大きいほど、得られた成形用ウレタンウレア樹脂組成物の引張強度及び切断時伸びに優れると言える。
【0080】
<成形性>
実施例1~12及び比較例1~4で得られた厚さ1.0mmの成形表皮を100mm×100mmの面積にカットしたものを用意し、裏面中央部を目視で観察し、以下の判定基準で溶融性を評価することで成形性を確認した。
5:均一で光沢がある。
4:未溶融で成形表皮表面より外れてしまう成形用ウレタンウレア樹脂組成物が有るが、光沢がある。
3:裏面全面に凹凸があり、光沢はない。表面に貫通するピンホールはない。
2:裏面全面に成形用ウレタンウレア樹脂組成物の粒子状の凹凸があり、かつ表面に貫通するピンホールがある。
1:成形用ウレタンウレア樹脂組成物が溶融せず、成形品にならない。
【0081】
<大腸菌に対する抗菌性試験>
測定はJIS Z2801(抗菌加工製品-抗菌性試験方法)に準拠し行った。
普通ブイヨン培地を滅菌精製水で500倍希釈した液で菌数を2.5×10~10×
10個/mlとなるように調製した試験菌液を、実施例1~12及び比較例1~2でそれぞれ得られた成形表皮(厚み1mm)を50mm×50mm×1mmに切り出した試験片3個の上に0.4ml滴下して、乾かないように上からフィルムをかぶせ温度35±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。その後、試験片とフィルムを10mlのSCDLP培地で洗いだし、その液を速やかに生菌数測定に供して生菌数(コロニーを形成するユニット個数/cm)の平均値を求めた。
比較例1で得られた成形表皮(抗菌剤(Y)を含まないもの)から作成した試験片における生菌数の平均値をBとし、実施例1~12及び比較例2で得られた成形表皮から作成した試験片それぞれにおける生菌数の平均値をCとし、以下の計算式から抗菌活性値を求め、表1と表2に記載した。なお、比較例1は抗菌活性値計算の基準であるため、-を引いた。
(計算式)
R = [log(B/C)]=[logB-logC]
R:抗菌活性値
【0082】
<黄色ブドウ球菌に対する抗菌性試験>
大腸菌に変えて黄色ブドウ球菌を用いた試験も同様に行い、その結果を表1と表2に記載した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
表1と表2に記載の実施例1~12のシートは、抗菌性に優れ、強度が良好である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明で得られる成形用ウレタン(ウレア)樹脂組成物から成形された成形体は、十分な抗菌効果を発揮し、成形体の強度が良好である。さらに、成形体はさまざま形状を取ることが出来るため、例えば自動車内装材、建材用床材及び壁紙シート等に使用することが出来る。