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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115094
(43)【公開日】2022-08-08
(54)【発明の名称】熱伝導構造及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20220801BHJP
   H01L 23/373 20060101ALI20220801BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
H01L23/36 D
H01L23/36 M
H05K7/20 F
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009422
(22)【出願日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】110103093
(32)【優先日】2021-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】520240063
【氏名又は名称】河南▲き▼力新材料科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】何 銘祥
(72)【発明者】
【氏名】黄 軍凱
(72)【発明者】
【氏名】黄 漢璋
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA03
5E322AB06
5E322AB08
5E322FA04
5E322FA06
5F136BA30
5F136BC05
5F136BC07
5F136EA23
5F136FA14
5F136FA16
5F136FA17
5F136FA23
5F136FA51
5F136FA63
5F136FA66
5F136FA68
5F136FA70
5F136FA72
5F136FA75
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子装置の熱源から生じた熱を速やかに外部へ伝導させ、放熱効果を向上させる熱伝導構造及び該熱伝導構造を応用した電子装置を提供する。
【解決手段】熱伝導構造1は、熱伝導金属層11と、構造層Sと、を含む。構造層Sは、熱伝導金属層11に設置される。その中、構造層Sは、グラフェン層12と陶磁材料層13から形成される積み重ね構造或いは構造層Sはグラフェンと陶磁材料の混合層である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導金属層と、
前記熱伝導金属層に設置されグラフェン層と陶磁材料層から形成される積み重ね構造であり、或いはグラフェンと陶磁材料の混合層である構造層と、を含むことを特徴とする熱伝導構造。
【請求項2】
前記陶磁材料層の材料は窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、またはその組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱伝導構造。
【請求項3】
前記グラフェンと陶磁材料の混合層の材料はグラフェンと陶磁材料を含み、前記陶磁材料は窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、またはその組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の熱伝導構造。
【請求項4】
前記陶磁材料層は、前記グラフェン層と前記熱伝導金属層の間に設置されることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導構造。
【請求項5】
前記グラフェン層は、前記陶磁材料層と前記熱伝導金属層の間に設置されることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導構造。
【請求項6】
前記熱伝導金属層から離れる前記陶磁材料層の表面は、多数の微構造を有し、これらの微構造の形状は柱状、球状、角錐状、台形状、不規則形状、またはその組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導構造。
【請求項7】
前記陶磁材料層は、さらに充填材料及び/または多数の孔穴を含み、前記充填材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、またはその組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導構造。
【請求項8】
前記熱伝導金属層から離れる前記グラフェンと陶磁材料の混合層の表面は、多数の微構造を有し、前記これらの微構造の形状は柱状、球状、角錐状、台形状、不規則形状、またはその組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導構造。
【請求項9】
前記グラフェンと陶磁材料の混合層は、さらに充填材料を含み、前記充填材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、またはその組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導構造。
【請求項10】
前記充填材料の形状は、顆粒状、片状、球状、縞状、ナノチューブ状、不規則形状、またはその組み合わせであることを特徴とする請求項7または9に記載の熱伝導構造。
【請求項11】
前記構造層から離れる前記熱伝導金属層の片側に設置される両面接着剤層を含み、前記両面接着剤層は熱伝導両面テープであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の熱伝導構造。
【請求項12】
熱源と、
請求項1から11のいずれかに記載の熱伝導構造から構成され、
前記熱伝導構造は前記熱源と連接されることを特徴とする電子装置。
【請求項13】
前記熱源から離れる前記熱伝導構造の片側に設置される放熱構造を含むことを特徴とする請求項12に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱伝導構造に関し、特に放熱効果を向上できる熱伝導構造及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴って、電子装置についての設計と研究開発は薄型化と高性能を優先的に考慮されている。高性能計算と薄型化が要求される状況において、電子装置の電子素子は従来より多くの熱を発生することが避けられない。このため、「放熱」はこれらの素子または装置にとって必要不可欠な機能となる。特に高出力の素子にとって、稼動する際に生じる熱は大幅に増加するため、電子製品の温度を急速に上昇させる。電子製品が高すぎる温度を受ける時、素子に取り返しのつかないダメージを与えたり、寿命を大幅に減少させたりする。
【0003】
従来技術の多くは、素子または装置に設置される放熱フィン、ファン、又は放熱デバイス(例えばヒートパイプ)を利用して、稼動時に生じる廃熱を誘導して排出させる。その中、放熱フィン又は放熱片は一般的に一定の厚さを有し、それに高い熱伝導性質を有する金属材料から製造されたり、又は高い熱伝導性質を有する無機材料を混ぜて製造されたりする。しかし、金属材料の熱伝導効果は優れているが、密度が大きいため、放熱フィンまたは放熱片全体の重量及び厚みを増加させる。無機材料を混ぜた高分子複合材料は、構造強度が良くないため、一部の製品には応用できない可能性がある。
【0004】
このため、高出力素子または装置需要に適用する熱伝導構造をいかに発展させて、異なる製品分野に適用して製品の薄型化の要求に応えられることは関連業者が継続的に追求する目標の一つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の熱伝導構造における全体の重量、厚み、及び構造強度が薄型化の要求に不適用であるという問題を解決する。
【0006】
本発明の目的は、熱伝導構造と該熱伝導構造を応用した電子装置を提供することである。本発明の熱伝導構造は電子装置の熱源が生じた熱を速やかに外部へ伝導させ、放熱効果を向上させる。
【0007】
本発明の熱伝導構造は異なる製品分野に応用できるため、異なる製品の薄型化の要求に応える。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の熱伝導構造は、熱伝導金属層と構造層とを含む。構造層は熱伝導金属層に設置される。その中、構造層はグラフェン層と陶磁材料層から形成される積み重ね構造であり、或いはグラフェンと陶磁材料の混合層である。
【0009】
一つの実施例において、熱伝導金属層は銅、アルミ、銅合金、またはアルミ合金を含む。
【0010】
一つの実施例において、陶磁材料層の材料は窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、またはその組み合わせを含む。
【0011】
一つの実施例において、グラフェンと陶磁材料の混合層の材料はグラフェンと陶磁材料を含み、陶磁材料は窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、またはその組み合わせとを含む。
【0012】
一つの実施例において、陶磁材料層は、グラフェン層と熱伝導金属層の間に設置される。
【0013】
一つの実施例において、グラフェン層は、陶磁材料層と熱伝導金属層の間に設置される。
【0014】
一つの実施例において、熱伝導金属層から離れる陶磁材料層の表面は多数の微構造を有し、これらの微構造の形状は柱状、球状、角錐状、台形状、不規則形状、またはその組み合わせである。
【0015】
一つの実施例において、陶磁材料層は、さらに充填材料及び/または多数の孔穴を含む。
【0016】
一つの実施例において、熱伝導金属層から離れるグラフェンと陶磁材料の混合層の表面は多数の微構造を有し、これらの微構造の形状は柱状、球状、角錐状、台形状、不規則形状、またはその組み合わせである。
【0017】
一つの実施例において、グラフェンと陶磁材料の混合層は、さらに充填材料を含む。
【0018】
一つの実施例において、充填材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、またはその組み合わせである。
【0019】
一つの実施例において、充填材料の形状は、顆粒状、片状、球状、縞状、ナノチューブ状、不規則形状、またはその組み合わせである。
【0020】
一つの実施例において、熱伝導構造は、さらに構造層から離れる熱伝導金属層の片側に設置される両面接着剤層を含む。
【0021】
一つの実施例において、両面接着剤層は、熱伝導両面テープである。
【0022】
本発明の電子装置は熱源と上述実施例の熱伝導構造を含み、熱伝導構造は熱源と連接される。
【0023】
一つの実施例において、電子装置は、さらに熱源から離れる熱伝導構造の片側に設置される放熱構造を含む。
【0024】
上述のように、本発明の熱伝導構造は、構造層によって熱伝導金属層に設置される。その中、構造層はグラフェン層と陶磁材料層から形成される積み重ね構造であり、或いはグラフェンと陶磁材料の混合層という構造設計である。熱伝導構造と電子装置の熱源が連接する時、熱源が生じた熱を速やかに且つ有効に外部へ伝導することによって、電子装置の放熱効果が向上される。また、本発明の熱伝導構造は異なる製品分野に応用できるため、電子装置の薄型化の要求に応えることができる。そのほか、本発明の一つの実施例では、伝統材料のPI保護層と比較すると、陶器材料層は保護と絶縁の効果を提供できる以外、熱伝導効果も向上できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の熱伝導構造は電子装置の熱源が生じた熱を速やかに外部に放出させ、放熱効果を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一つの実施例の熱伝導構造を示す図である。
図2A】本発明の異なる実施例の熱伝導構造を示す図である。
図2B】本発明の異なる実施例の熱伝導構造を示す図である。
図2C】本発明の異なる実施例の熱伝導構造を示す図である。
図2D】本発明の異なる実施例の熱伝導構造を示す図である。
図2E】本発明の異なる実施例の熱伝導構造を示す図である。
図2F】本発明の異なる実施例の熱伝導構造を示す図である。
図2G】本発明の異なる実施例の熱伝導構造を示す図である。
図3】本発明の異なる実施例の電子装置を示す図である。
図4】本発明の異なる実施例の電子装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下は図面を参照し、同じ構成素子は同じ符号を付して、本発明の一部実施例の熱伝導構造と電子装置を説明する。以下の実施例における各素子はその相対関係を説明するだけであって、素子の実際の比例または寸法を代表するものではない。
【0028】
本発明の熱伝導構造は電子装置に応用する時、電子装置の放熱効果を向上できる。電子装置の熱源は電子装置の電池、制御チップ(例えば中央制御ユニット(CPU))、駆動チップ、メモリー(例えられるが、SSDハードディスクに限定しない)、主回路基板、グラフィックスボード、ディスプレイパネル、平面光源、またはほかに熱が生じる素子、ユニット、またはモジュールなどでもよく、これらに限定されるものではない。そのほか、本発明の熱伝導構造は異なる製品分野に応用できるため、電子装置の薄型化の要求に応えることができる。
【0029】
図1は本発明の一つの実施例の熱伝導構造を示す図である。図1に示すように、本実施例の熱伝導構造1は熱伝導金属層11と、構造層Sとを含む。
【0030】
熱伝導金属層11は高熱伝導係数の金属片、金属箔、または金属膜を含み、その材料は例えば銅、アルミ、銅合金(銅とそのほかの金属の合金)、アルミ合金(アルミとそのほかの金属の合金)、またはその組み合わせとして含むが、これらに限定されるものではない。本実施例での熱伝導金属層11はアルミ箔を例とする。
【0031】
構造層Sは熱伝導金属層11に設置される。構造層Sはグラフェン層12と陶磁材料層13から形成される積み重ね構造であり、或いは構造層Sはグラフェンと陶磁材料の混合層である。本実施例の構造層Sはグラフェン層12と陶磁材料層13から形成される積み重ね構造を例とする。本実施例では、グラフェン層12は陶磁材料層13と熱伝導金属層11の間に設置される。ここでは、グラフェン層12は多数のグラフェンナノシートを含み、グラフェンナノシートは極めて高い熱伝導率(thermal conductivity > 5000 W/m-K)を有するため、熱伝導構造1に良好な熱伝導効果を有させる。一部の実施例では、グラフェンナノシートと溶剤(及び粘着剤)を均等に混ぜてスラリーに形成させた後、塗布または印刷などの製造過程によって、スラリーが熱伝導金属層11に設置されることで、グラフェン層12(例えばGraphene Thermal Film,GTF)が形成される。上述の溶剤は例えば、メチルエチルケトン(Methyl Ethyl Ketone,MEK)、水、アセトン(Acetone)、酢酸エチル(Ethyl Acetate,EAC)、3-メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、トルエン、エタノール、その組み合わせ、またはほかの中高極性溶媒であるが、これらに限定されるものではない。また、塗布過程は例えばスプレー塗布(spray coating)またはスピン塗布(spin coating)であるが、これらに限定されるものではない。印刷過程は例えばインクジェットプリント(inkjet printing)またはシルクスクリーン(screen printing)であるが、これらに限定されるものではない。一部の実施例では、グラフェンナノシートが全体に占める割合は0より大きい且つ15%以下(0<グラフェンナノシート含有量≦15%)、例えば1.5%、3.2%、5%、7.5%、11%、13%、またはそのほかの割合である。
【0032】
本実施例の陶磁材料層13は熱伝導金属層11から離れるグラフェン層12の表面に設置される。一部の実施例では、グラフェン層12に陶磁材料層13が塗布または印刷などの方法によって形成されることで、構造層Sが形成される。陶磁材料層13の材料は高熱伝導係数の陶磁材料と接着剤部材であるが、これらに限定されるものではない、そして陶磁材料が接着剤部材に混ぜられる。陶磁材料は例えば窒化ホウ素(BN)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、その組み合わせ、またはそのほか高熱伝導係数(K値)を有する陶磁材料が含まれる。本実施例では、陶磁材料層13の材料は窒化ホウ素(BN)を含む陶磁材料を例とする。特に、グラフェン12は導電性があり、伝統材料のポリイミド(PI)保護層と比較すると、本実施例の陶磁材料層13は保護(摩擦に強い)と絶縁の特性を提供できる以外、熱伝導効果も向上できる。ほかの一部の実施例では、陶磁材料層13は例えば熱伝導接着剤によってグラフェン層12の上表面に貼り付けられる。
【0033】
続いて、本実施例の熱伝導構造1は構造層Sによって熱伝導金属層11に設置され、また構造層Sはグラフェン層12と陶磁材料層13から形成される積み重ね構造の構造設計であり、本実施例の熱伝導構造1は電子装置の熱源と接続する時、熱源が生じた熱を速やかに且つ有効に外部へ伝導することで、電子装置の放熱効果が向上される。また、伝統材料のPI保護層と比較すると、本実施例の陶器材料層13は保護(摩擦に強い)と絶縁の効果を提供できる以外、中に含まれる陶磁材料は熱伝導効果も向上できる。そのほか、本発明の熱伝導構造1は異なる製品分野に応用できるため、薄型化の要求に応じることができる。
【0034】
一部の実施例では、熱伝導構造は二つの剥離層(図に未表示)を含め、この二つの剥離層は熱伝導構造の上下両側(例えば図1の熱伝導構造1の上側と下側)に対応して設置される。熱伝導構造を使用する時、この二つの剥離層を取り除けば、熱伝導構造は両面テープ(例えば熱伝導両面テープ)によって熱源に貼り付けられる。熱伝導両面テープの材料は粘着性を有する以外、熱の伝導も助ける。また、剥離層の材質は紙類、布類、ポリエステル類(例えばテレフタル酸ポリエチレン、PET)、またはその組み合わせであるが、これらに限定されるものではない。ここで喚起したいのは、熱伝導構造の上下両側に対応する剥離層の態様は本発明におけるすべての実施例に応用できる。
【0035】
図2Aから図2Gを参照されたい。本発明の異なる実施例の熱伝導構造を示す図である。
【0036】
図2Aに示すように、本実施例の熱伝導構造1aは上述実施例の熱伝導構造1の素子組み合わせ及び各素子の連接関係とほぼ同じである。異なる所は、本実施例の熱伝導構造1aはさらに両面接着剤層14を含み、両面接着剤層14は例えば熱伝導両面テープであり、構造層Sから離れる熱伝導金属層11の片側に設置される。本実施例の両面接着剤層14はグラフェン層12から離れる熱伝導金属層11の下表面に設置される。両面接着剤層14が熱伝導金属層11と熱源の間に設置されることを利用すれば、熱伝導構造1aが熱源に貼り付けられ、熱源が生じた熱は熱伝導構造1aの誘導によって速やかに外部へ放出される。また、熱源から離れる陶磁材料層13の片側に放熱構造(図に未表示)が設置されることで、熱の放出が加速される。
【0037】
上述の熱伝導両面テープは接着剤部材と熱伝導材料を含み、熱伝導部材は接着剤部材に混ぜられる。熱伝導両面テープは粘着性を有する以外、熱伝導材料を介して熱の伝導も助ける。熱伝導材料は例えばグラフェン、グラフェンオキサイド、陶磁材料、またはその組み合わせである。陶磁材料は例えば窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、または炭化ケイ素、……など高熱伝導係数を有する陶磁材料、またはその組み合わせであるが、これらに限定されるものではない。そのほか、接着剤部材は例えば感圧接着剤(pressure sensitive adhesive,PSA)であるが、これに限定されるものではない。その材料はゴム系、アクリル系、シリコン系、またはその組み合わせであり、化学式構造はゴム類、アクリル酸類、有機ケイ素類、またはその組み合わせであり、本発明では限定しない。さらに説明するのは、両面接着剤層14を利用して熱伝導構造(の熱伝導金属層)が熱源と連接される特徴も以下すべての実施例に応用できる。
【0038】
また、図2Bに示すように、本実施例の熱伝導構造1bと上述実施例の熱伝導構造1の素子組み合わせ及び各素子の連接関係とほぼ同じである。異なる所は、本実施例において熱伝導金属層11から離れる熱伝導構造1bの陶磁材料層13bの表面に多数の微構造131を有し、これらの微構造131の形状は例えば柱状、球状、角錐状、台形状、不規則形状、またはその組み合わせであるが、これらに限定されるものではない。一部の実施例では、シルクスクリーン、凹凸版印刷、またはそのほかの方法で陶磁材料層13bの表面に微構造131を作って、放熱面積を増加させることで、放熱効果を向上させる。陶磁材料層13bの表面に多数の微構造131を有するという特徴は図2Cから図2Eの実施例にも応用できる。
【0039】
また、図2Cに示すように、本実施例の熱伝導構造1cは上述実施例の熱伝導構造1の素子組み合わせ及び各素子の連接関係とほぼ同じである。異なる所は、本実施例の熱伝導構造1cの陶磁材料層13cは充填材料132を含み、充填材料132は例えば陶磁材料であり、その形状は顆粒状、片状、球状、縞状、ナノチューブ状、不規則形状、またはその組み合わせであるが、これらに限定されるものではない。また、充填材料132のサイズは0.5μm~10μmの間である。一部の実施例では、充填材料132は酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、またはその組み合わせが含まれるため、陶磁材料層13cの放熱効果が増加される。上述したナノチューブ状の充填材料132は、例えば窒化ホウ素ナノチューブである。
【0040】
また、図2Dに示すように、本実施例の熱伝導構造1dは上述実施例の熱伝導構造1の素子組み合わせ及び各素子の連接関係とほぼ同じである。異なる所は、本実施例の熱伝導構造1dの陶磁材料層13dは多数の孔穴133を含む。一部の実施例では、陶磁材料層13dの製造プロセスにおいて造孔剤を添加し、陶磁材料層13dに多数の孔穴133が形成されて表面積を増加させることで、熱放射の放熱効果を向上させる。一部の実施例では、該造孔剤は例えば陶磁造孔剤である。
【0041】
また、図2Eに示すように、本実施例の熱伝導構造1eは上述実施例の熱伝導構造1の素子組み合わせ及び各素子の連接関係とほぼ同じである。異なる所は、本実施例の熱伝導構造1eの陶磁材料層13eは充填材料132と多数の孔穴133とを含む。
【0042】
また、図2Fに示すように、本実施例の熱伝導構造1fは上述実施例の熱伝導構造1の素子組み合わせ及び各素子の連接関係とほぼ同じである。異なる所は、本実施例の熱伝導構造1fの陶磁材料層13はグラフェン層12と熱伝導金属層11の間に設置される。そのほか、上述陶磁材料層に充填材料を添加する特徴も本実施例に応用できる。
【0043】
また、図2Gに示すように、本実施例の熱伝導構造1gは上述実施例の熱伝導構造1の素子組み合わせ及び各素子の連接関係とほぼ同じである。異なる所は、本実施例の構造層Sはグラフェンと陶磁材料の混合層15である。その中、グラフェンと陶磁材料の混合層15の材料はグラフェンと陶磁材料を含み、陶磁材料は例えば窒化ホウ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、または炭化ケイ素、……など高熱伝導係数を有する陶磁材料、またはその組み合わせであるが、これらに限定されるものではない。一部の実施例では、グラフェンと陶磁材料の混合割合は、例えば1:9、3:7、5:5、またはほかの割合でもよく、限定されるものではない。一部の実施例では、グラフェンと陶磁材料の混合層15はさらに上述の充填材料を含む。そのほか、上述微構造の特徴は本実施例のグラフェンと陶磁材料の混合層15に応用できる。
【0044】
また、図3図4は本発明の異なる実施例の電子装置を示す図である。図3に示すように、本発明は電子装置2に関する。電子装置2は熱源21と熱伝導構造22とを含み、熱伝導構造22は熱源21と連接する。一部の実施例では、熱伝導構造22は両面接着剤層23(例えば熱伝導両面テープ)によって熱源21と連接される。ここでは、熱伝導構造22は上述の熱伝導構造1、1aから1gの中の一つとし、またはその変化した態様である。具体的な技術内容はすでに上述で詳しく説明したため、ここでは余計な説明をしない。理解できるのは、熱伝導構造22本体は上述の両面接着剤層14がある時、両面接着剤層23を設置する必要がない。
【0045】
電子装置2、2aは例えば平面ディスプレイまたは平面光源であるが、これらに限定されるものではない。例えば、携帯電話、ノートパソコン、タブレット、テレビ、ディスプレイ、バックライトモジュール、照明モジュール、またはそのほかの平面型の電子装置であるが、これらに限定されるものではない。熱源は電子装置の電池、制御チップ(例えば中央制御ユニット(CPU))、駆動チップ、メモリー(例えられるが、SSDハードディスクに限定しない)、主回路基板、グラフィックスボード、ディスプレイパネル、平面光源、またはほかに熱が生じる素子、またはユニットであるが、これらに限定されるものではない。一部の実施例では、電子装置2は平面ディスプレイであり、例えば発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)であるが、これらに限定されるものではない。これらのとき、熱源21はディスプレイパネルであって、ディスプレイ画面を有する。熱伝導構造22は直接にまたは間接に(例えば熱伝導両面テープを経由して)ディスプレイ画面と反対する表面に貼り付けることで、熱伝導及び放熱を助け、平面ディスプレイの放熱効果を向上させる。別の一部の実施例では、電子装置2は平面光源であり、例えばバックライトモジュール、LED照明モジュール(LED Lighting)、またはOLED照明モジュール(OLED Lighting)であるが、これらに限定されるものではない。これらのとき、熱源21は発光ユニットとなって光射出面を有し、熱伝導構造22は直接にまたは間接に(例えば接着剤部材を再経由して)光射出面と相対する表面に貼り付けることで、熱伝導及び放熱を助け、平面光源の放熱効果を向上させる。
【0046】
また、図4に示すように、本実施例の電子装置2aはさらに放熱構造24が含まれ、放熱構造24は熱源21から離れる熱伝導構造22の片側に設置される。このため、電子装置2aでは、放熱構造24は熱伝導構造22によって熱源21と連接され、熱源21から生じた熱は熱伝導構造22の協力によって速やかに放熱構造24に伝導され、さらに放熱構造24を利用して電子装置2aから生じた熱を外部に放出させ、放熱効果を向上させる。一部の実施例では、放熱構造24は例えば放熱膜でもよく、例えばグラフェン熱伝導膜(GTF)であるが、これに限定されるものではない。または放熱構造24は伝統の放熱装置または構造であってもよく、例えば扇風機、フィン、放熱ペースト、放熱片、放熱器、……またはほかの形式の放熱素子、放熱ユニット或いは放熱装置、またはその組み合わせであるが、本発明では限定しない。一部の実施例では、放熱構造24と熱伝導構造22の間は熱伝導両面テープによって連接される。
【0047】
そのほか、アルミ金属片層の対照群1と、アルミ金属片層とグラフェン層の対照群2と、本発明の熱伝導構造1、熱伝導構造1fと熱伝導構造1gとの比較実験では、同じ熱源の状況において、熱源から離れる熱伝導構造1の表面温度は対照群1より約12.5℃低くなる。熱源から離れる熱伝導構造1fの表面温度は対照群1より約13.21℃低くなる。熱源から離れる熱伝導構造1gの表面温度は対照群1より約10.32℃低くなる。熱源から離れる熱伝導構造1の表面温度は対照群2より約5.06℃低くなる。熱源から離れる熱伝導構造1fの表面温度は対照群2より約5.77℃低くなる。熱源から離れる熱伝導構造1gの表面温度は対照群2より最大約2.88℃低くなることから、本発明は構造層Sによって熱伝導金属層11に設置される。その内、構造層Sはグラフェン層12と陶磁材料層13から形成される積み重ね構造であり、或いは構造層Sはグラフェンと陶磁材料の混合層15の構造設計であり、確実且つ有効に熱源から生じた熱を速やかに外部に伝導させ、放熱効果を向上させる。
【0048】
以上をまとめると、本発明の熱伝導構造は、構造層によって熱伝導金属層に設置され、その内、構造層はグラフェン層と陶磁材料層から形成される積み重ね構造であり、或いは構造層はグラフェンと陶磁材料層の混合層の構造設計である。熱伝導構造と電子装置の熱源が連接する時、熱源が生じた熱を速やかに且つ有効に外部へ伝導できることによって、電子装置の放熱効果が向上される。また、本発明の熱伝導構想は異なる製品分野に応用できるため、電子装置の薄型化の要求を達させる。そのほか、本発明の一つ実施例では、伝統材料のPI保護層と比較すると、陶磁材料層は保護と絶縁の効果を提供できる以外、熱伝導効果も向上できる。
【0049】
以上は例として挙げるだけであって、限定されるものではない。即ち、本発明の精神と範囲を離れない限り、それに対して行われる修正または変化は、すべて本発明の請求項に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は異なる製品分野に適用でき薄型化の要求に応えられ、高出力素子または装置要求に適用する熱伝導構造を提供する。
【符号の説明】
【0051】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、22 熱伝導構造
11 熱伝導金属層
12 グラフェン層
13、13b、13c、13d、13e 陶磁材料層
131 微構造
132 充填材料
133 孔穴
14、23 両面接着剤層
15 グラフェンと陶磁材料の混合層
2、2a 電子装置
21 熱源
24 放熱構造
S 構造層
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4