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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115127
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】物品取得装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011589
(22)【出願日】2021-01-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年10月22日~11月11日に、イオンモール八千代緑が丘イオン八千代緑が丘店4階モーリーファンタジー八千代緑ヶ丘店にて運用実施、 (2)令和2年10月23日~11月10に、イオンモール柏イオン柏店2階モーリーファンタジー柏店にて運用実施
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(72)【発明者】
【氏名】及川 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】菊地 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】中川西 淳
(57)【要約】
【課題】景品と景品以外の物品(スペーサ)の何れを掴んでも、景品のみを検出できるようにする物品取得装置を提供する。
【解決手段】
所定の閉じた空間に設けられ、取得対象となる物品が載置される載置面と、操作者からの操作を受け付ける操作部と、前記空間内を移動して前記物品を把持する取得部と、前記操作部からの操作に従って、前記取得部を駆動する制御部と、前記取得部に把持された物品を取出口まで落下させる落下口と、を有し、前記落下口の上側には、前記載置面に向かって傾斜して設けられた誘導板と、当該誘導板の少なくとも縁の一部を固定する固定部が設けられ、前記誘導板は、所定の重量より重い物品に対しては湾曲または変形移動して前記取り出し口まで落下させる、物品取得装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の閉じた空間に設けられ、取得対象となる物品が載置される載置面と、
操作者からの操作を受け付ける操作部と、
前記空間内を移動して前記物品を把持する取得部と、
前記操作部からの操作に従って、前記取得部を駆動する制御部と、
前記取得部に把持された物品を取出口まで落下させる落下空間と、
を有し、
前記落下空間には、傾斜して設けられた誘導板と、
前記誘導板の少なくとも縁側を保持する固定部が設けられ、
前記誘導板は所定の重量より重い物品に対しては変形する変形部を有する、
ことを特徴とすることを特徴とする物品取得装置。
【請求項2】
前記誘導板は、前記所定の重量より重い物品に対しては湾曲することを特徴とする、請求項1記載の物品取得装置。
【請求項3】
前記固定部は、前記所定の重量より重い物品に対しては変形する変形部を有すること、を特徴とする請求項1記載の物品取得装置。
【請求項4】
前記物品には、前記所定の重量よりも軽く、かつ球体もしくは略球体形状の物品を含み、
前記載置面には、当該軽い物品が複数載置されていることを特徴とする、請求項1乃至3記載の物品取得装置。
【請求項5】
前記誘導板は複数枚で構成され、そのそれぞれは、前記落下口の中央に向かって山なり形状に湾曲していることを特徴とする、請求項1乃至4記載の物品取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の物品が載置された物品取得装置において、物品把持部により所定の物品以外の物品取得した場合でも、物品検出センサが反応しないようにする構造に関する。
【背景技術】
【0002】
物品取得装置の一つとして景品取得ゲーム装置がある。この景品取得ゲーム装置は、遊戯者が操作部を操作し、筐体内の取得手段を移動させてぬいぐるみ等の景品を確保し、そのまま落下口まで移動させて落下させ、筐体外へ排出させることで景品の取得させるものである。
その際、落下口の上下方向の中央部に複数の景品検出センサが横設されており、この景品検出センサにより景品の落下を検出することができるようになっている(例えば特許文献1参照)。
更に物品取得装置の一つとして、2本または3本以上のアームを閉じて景品を掴み上げる景品取得ゲーム装置(クレーンゲーム機)がある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
その中には、大きさや形状が異なる景品が様々な方向を向いて入っており、景品の取得動作において、そのような状態の景品を掴んで閉じたアームに対して、掴んだ景品との隙間が生じ、掴んだ位置に対する景品の重量バランスによっては、景品が隙間を移動して重量バランスが崩れて落下しやすくなる場合がある。
このため、景品載置面にスペーサとして多数の小ボールを敷き詰め、その上に景品を載置するようにしたサービスがある。
このようにすることで、小さい景品であってもアームは小ボールごと景品を掴めるようになるため、小ボールがアームと景品の隙間を埋めてしっかりと掴むことができ、景品を取得しやすくするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-122509号公報
【特許文献2】特開2018-068345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6に従来の景品取得ゲーム装置を示す。従来では景品取得ゲーム装置10は、収容空間12に収容されたぬいぐるみ等の景品14を景品取得部16により取得し、収容空間12の下方に設けられた落下空間18まで移動して落下させることで、プレイヤに景品14を獲得させるゲームを実現するものである。収容空間14にはスペーサ(小ボール)の上に景品14が載置され、景品取得部16の把持爪14Aをスペーサに潜らせ景品を抱きかかえるようにして掴み落下空間18に落下させると景品が取得できる。この落下時に、落下空間18に横設した景品取得センサ25が発する赤外線を遮ることで景品の取得が検出され、景品の取得が把握される。
【0006】
落下空間18を形成する基台22の上方の外面の内壁22Bには景品検出センサ25が複数個横設されており、同様に落下空間18の反対側の同一高さの内壁に対になった景品検出センサ25が図示されていないが複数個横設されている。落下する景品14が景品検出センサ25の赤外光を遮ることで落下を検出することができる。内壁22Bの上縁22Cは水平となっている。
【0007】
しかしながら、景品が掴めなかった場合であっても、小ボールのみを掴んで落下空間に落下させてしまう場合がある。その場合でも景品検出センサ25が反応し、景品が排出されたと判断されてしまうことがある。
これにより景品が取れていないにもかかわらず取得した景品を検出する景品取得センサが動作してしまい、景品の在庫数等を把握するための景品管理が正しく行えなくなってしまう問題が発生する。
【0008】
本発明の目的は、所定の物品と、それ以外の物品(スペーサ)の何れを掴んでも、所定の物品のみを検出できるようにするとともに、物品管理を正しく行えるようにする物品取得装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様における物品取得装置は
所定の閉じた空間に設けられ、取得対象となる物品が載置される載置面と、
操作者からの操作を受け付ける操作部と、
前記空間内を移動して前記物品を把持する取得部と、
前記操作部からの操作に従って、前記取得部を駆動する制御部と、
前記取得部に把持された物品を取出口まで落下させる落下空間と、
を有し、
前記落下空間には、傾斜して設けられた誘導板と、
前記誘導板の少なくとも縁側を保持する固定部と、
前記落下空間の上下方向の内壁であって、前記誘導板の下側には物品検出部が設けられ、
前記誘導板は、所定の重量より重い物品の落下に対しては変形または移動して前記取り出し口まで落下させ、前記物品検出部によって当該物品が検出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、落下空間に落下する物品が誘導板に落下する際に衝撃のエネルギーによって景品が検出センサを通過するか否かに仕分けられ規定の物品のみが景品検出センサで検出され、物品管理を正しく行えるようなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態のボール仕分機構を備えた景品取得ゲーム装置の斜視図である。
図2】景品を取得した際にボール仕分機構の動きを示す景品取得ゲーム装置の斜視図である。
図3】景品取得ゲーム装置の制御部分のブロック図である。
図4A】ボール仕分け機構の正面左側斜め上からの斜視図である。
図4B図4Aを背面裏側から見上げた斜視図である。
図4C図4Aを正面裏側から見上げた斜視図である。
図4D図4Aの状態から誘導体80が下側に回動して傾斜した状態を示す斜視図である。
図5】ボール仕分機構の各部品の展開図である。
図6】従来の景品取得ゲーム装置の斜視図である。
図7】第2実施形態のボール仕分分割機構にスペーサ(ボール)が落下した景品取得ゲーム装置の斜視図である。
図8】第2実施形態のボール仕分分割機構部分の拡大正面概念図である。
図9】第2実施形態のボール仕分分割機構の開閉板の裏側上部に前側固定部を取り付けた斜視図である。
図10】第2実施形態のボール仕分分割機構の動作を説明する正面図、側面図である。
図11】第2実施形態のボール仕分分割機構に景品が落下した景品取得ゲーム装置の斜視図である。
図12】第9実施形態の巣箱状の回収箱を設けたボール仕分け機構の説明図である。
図13】第10実施形態のボール回収フラップによる仕分け機構の説明図ある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
(実施形態)
図1は、ボール仕分機構を備えた景品取得ゲーム装置の斜視図である。
【0013】
景品取得ゲーム装置10は、遊戯者が収容空間12を見ながら操作部46を操作して、景品取得部を動作させ、収容空間12に収容されたぬいぐるみ等の景品14を景品取得部16により取得して収容空間12の下方に設けられた落下空間18に落下させることで、景品14を獲得させるものである。以下、景品取得ゲーム装置10を、単に「装置10」と略す。
【0014】
装置10は、例えば直方体の筐体20を備えている。筐体20は、基台22と、収容体24とを含んで構成される。
【0015】
まず、収容体24について説明する。収容体24は、基台22の上に設けられている。収容体24は、天井面24Aと、側面24Bと、床面24Cとを含んで構成され、これらに囲まれた内部に収容空間12を形成している。この収容空間12には、上述したように景品14が収容されている他、ボール14A等のスペーサが敷き詰められている。
【0016】
天井面24Aの内側には、景品14を把持する景品取得部16が吊り下げられている。景品取得部16は、レールやモータ等で構成された図示しない移動部により、例えば図中X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能とされている。この景品取得部16は、内部上面から鉛直方向(Z軸方向)に吊り下げられ開閉動作する把持爪16Aを含む。景品取得部16は図示しない伸縮パイプで昇降可能に吊り下げられ、景品14を把持するための複数の把持爪16Aが設けられている。実施形態では、把持爪16Aの数は3本に設計されている。
【0017】
側面24Bのうち正面及び横面は、収容体24の内部に収容された景品14等を遊戯者が目視することができるように、透明な樹脂またはガラスの板状部材から形成されている。特に、収容体24の正面は、第1開閉部材(開閉部の一部)としての、一又は複数の開閉扉26で構成されている。実施形態では、開閉扉26は、スライド自在な2枚の開閉扉26A、26Bを含む。開閉扉26A、26Bは、開閉可能に収容体24の前面に設けられている。開閉扉26A、26Bは、管理者が図示しない引手を把持してスライドすることにより開閉可能となっている。この開閉扉26A、26Bが開状態にされることによって、内部の収容空間12が露出し、且つ、収容空間12と連通する開口12Aが形成される。
【0018】
また、側面24Bのうち背面は、鏡面状の板状部材や装飾が施された板状部材により形成されている。なお、本実施形態において「正面」とは、基台22において後述の操作部46が設けられている側の面であることを意味する。
【0019】
床面(載置面)24Cは、景品14を載置する景品載置台として機能する。床面24Cの手前側の一方の隅部には、景品14が落下する落下空間18が形成されている。
【0020】
落下空間18の上面視は、例えば四角形状とされている。そして、四角形状の2辺は、床面24Cにより形成されている。床面24Cにおいて落下空間18と接する2辺には、第1衝立30と第2衝立32が設けられている。また、落下空間18を除く床面24Cの手前側にも、第3衝立34が設けられている。これら第1衝立30と、第2衝立32と、第3衝立34の全体の上面視の形状は、例えばクランク状とされている。
床面24Cにはスペーサとしてのボール14Aが多数個敷き詰められており、ボール群の上に景品14が載置されている。
【0021】
具体的には、第1衝立30は、落下空間18の奥行き側に設けられ、対向する落下空間18の1辺に対して略平行に配置されている。第3衝立34は、第1衝立30に対して筐体幅方向(Y軸方向)にずらした状態で略平行に配置されている。
【0022】
次に、基台22について説明する。
基台22は、上述した落下空間18を形成している。基台22は、例えば、表示部44、投入口45、操作部46、第2開閉部材(開閉部の一部)としての開閉板50等を備えている。
【0023】
図3に示すように、制御部40は、CPU(Central Processing Unit)40Aと、RAM(Random Access Memory)40Bと、ROM(Read only Memory)40Cと、ドライブ装置47と、記憶媒体48、ネットワークI/F(Interface)部49と、を有する。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。また、各構成は、当該バスを介して、景品取得部16、景品検出センサ25、表示部44、操作部46等にもデータ送受信可能に接続されている。
【0024】
CPU40Aは、操作部46からの入力に基づく景品取得部16の制御や、設定情報の制御、データの演算、加工を行う制御部である。また、CPU40Aは、RAM40B又はROM40Cに記憶された制御プログラム(設定プログラム)を実行する演算装置である。
【0025】
RAM40Bは、例えば主記憶部などである。RAM40Bは、CPU40Aが実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータ、装置10の設定情報を記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0026】
制御部は40、景品取得部16や表示部44等の装置10の各構成に接続され、これら各構成を制御する。景品14が景品落下空間18を落下すると景品検出センサ25により景品取得を検出し、取得数を記憶する。
【0027】
図1に戻り、操作部46には、遊技媒体を投入する投入口の他、表示部44を備える。なお、遊技媒体としては、硬貨が一般的であるが、紙幣や、又は電子マネー受領器であってもよい。
【0028】
表示部44は、例えばタッチパネルにより構成され、例えば装置10の設定情報等、景品取得数、各種情報を表示するものである。
【0029】
操作部46は、プレイヤが操作する景品14の取得に係る入力部であって、例えば景品取得部16に対するプレイヤの移動操作等を入力する。
【0030】
開閉板50は、開閉可能に基台22に設けられている。この「開閉」の方法は、特に限定されないが、例えば回動や、スライド、折り畳み、脱着等が挙げられる。実施形態では、開閉板50は、筐体幅方向における一端部(例えば図中紙面左側端部)を軸として手前側に回動されることで閉状態から開状態にされる。この開状態で係員が基台22の落下空間18に入り込むことができ、奥側まで手を伸ばして景品14の配置等を容易に変更することができる。
【0031】
開閉板50の例えば中央部には、落下空間18と連通する景品回収口52が形成されている。この景品回収口52を覆う覆い部材として、開閉板50の裏面には、フラップ54が取り付けられており、板状のフラップ54を奥側に押し込むことで、上端部を軸として回動可能に上側に回動し、落下空間18が露出する。
【0032】
落下空間18にはボール仕分機構70が取り付けられている。ボール仕分機構70の構造を説明するのに便宜上、装置10の側面側に取り付ける方向を後ろ方向、落下空間側にくる方向を前方向、ゲーム装置10の前方向を左方向、ゲーム装置10の奥方向を右方向として、上方向を上方向、下方向を下方向として説明する。
【0033】
ボール仕分機構70は、基台22の落下空間18を形成する内面22Bに横設して複数設けられた景品検出センサ25(図6に図示)の上方に位置して設けられる。ボール仕分機構70の左右両端はゲーム機の壁側に掛かる2つの固定体71間にげ設けた傾動可能な屋根型の誘導体80から構成される。
【0034】
図4A図4Dにボール仕分機構70の斜視図を示し、図4Aは、正面左側斜め上からの斜視図であり、図4Bは、図4Aの背面裏側から見上げた斜視図であり、図4C図4Aの正面裏側から見上げた斜視図である。図4D図4Aの状態から誘導体80が下側に回動して傾斜した状態を示す。このボール仕分機構70は、透明なPET素材(ポリエチレンテレフタレート)から構成されている。
【0035】
PET素材は、折り曲げに強く、破断しづらい素材である。そのため、遊戯者からみて、透明であるので存在感が薄まり、落下空間18を塞ぎ景品が取りにくそうとのイメージを低減できる。
【0036】
図4A(A)には、ボール仕分機構70の正面左側斜め上からの斜視図を示し、左右両端に固定体71が位置し、固定体71、71間を背面体72が接続し、固定体71、71間には前方に向けて誘導体80が下側に傾動可能ではあるが、水平状態に取り付けられている。誘導体80は切妻屋根型の棟81の左右の緩やかな平面82を有し、左右両側は側縁辺83、正面側は上向辺84、平面82の後には下向辺85(図4C参照)を有している
【0037】
ボール仕分機構70は、基台22の内壁22Bに横設けられた景品検出センサ25の横幅をやや超える間隔を有して基台22の上縁22Cに掛けられる。逆L字状に固定体71を背面体72(72A~72D)の両端に平行に固定することによりボール仕分け機構の基台部分が得られる。両端の固定体71間にボール仕分けを行う切妻屋根の誘導体80が掛け渡され軸着される。
【0038】
図4Bのボール仕分機構の後方左側斜下からの斜視図に示す通り、左右両端に固定体71、71が位置し、固定体71、71の間には背面体71により平行に固定される。
固定体71は略逆L字状をしている。景品検出センサ25の上方を覆う形で、逆L字の底部分を基台の上縁22Cに掛け、両側の固定体71間の幅は横設された景品検出センサ25の横幅より距離があり、上側から誘導体80が覆う。両側の固定体71は背面体72の両端に固定される。内縁22Cの水平に沿って背面体72が掛け渡され、背面体72の後上縁は上向辺72Aとなって上向きに折り曲げられ、基台の上縁22Cに対応する水平板72Bのさらに上縁から内壁22に向けて斜めになった縁取72C、さらに固定体71の逆L字に沿って内壁22Bに密着する垂下板72Dが位置する。水平板72Bには位置決穴72Eが設けられ、基台の上縁22Cのネジ位置にあたり、ボール仕分機構70の取付位置の左右位置が決められる。
【0039】
これにより、固定体71の逆L字状の後底面に水平板72Bを挟んで両端に取り付けたマグネット73が取り付けてある。マグネット73は板金製の上縁22Cに磁着し、垂下板72Dが基台22の内壁22Bに密着することでボール仕分機構70は装置10の落下空間18に面する基台の上縁22Cと筐体内面22Bに密接して固定される。
垂下板72Dの下縁は、ボール仕分機構70の固定体71を内壁22Bに掛け渡した際に、内壁22Bに横設された景品検出センサ25を塞がない高さである。
【0040】
図4Cの裏面からの斜視図には、両端の逆L字状の固定体71、71の対向面に支軸74、75がねじ止めして横設されている。切妻屋根状の誘導体80の両側縁の側縁辺83は下側に山折りで略直角に折り曲げられ、側縁辺83の後方側には穴83Aが開口している。誘導体80の後部が固定体71との間で傾動自在に支えられる。
そのため固定体71の支軸74がスペーサを介して穴83Aを貫通し、トーションバネ74Aを巻装してあり、トーションバネ74Aが抜け落ちない様にワッシャで保持されている。
支軸74の取り付け位置の後方やや下側位置に支軸75も同様に固定体71の側面にねじ止めされ支軸75にはローラ75Aが貫通しワッシャで保持されている。トーションバネ74Aの腕部がそれぞれ支軸75のローラ75Aの下縁と誘導体80の底面に当接し、誘導体80を上側に向けて付勢している。ここで支軸75のローラ75Aの上縁は誘導体80の側縁辺83の下辺が当接して、誘導体80を水平から上側に傾かないストッパの役目も果たしている。
【0041】
これにより誘導体80は、両側の固定体71の支軸74を回動軸として落下空間18の下方に傾斜可能に支持され、誘導体80の裏側に折り曲げた側縁辺の穴83Aを中心に誘導体80を水平状態から下方に傾斜可能にしている。
【0042】
図5にボール仕分機構の展開図を示す。素材は透明なポリエチレンテレフタレート(PET)板である。図中に示される十字に〇印部分は留め具で固定する留め穴である。
【0043】
図5(A)は固定体71、71であり左右で上下逆にしてある。図5(B)は背面体72、図5(C)は誘導体80である。これらは、一枚のPET素材の平板を展開図に沿って山溝(山折り:一点鎖線)、谷溝(谷折り:点線)を付け型抜きして作る。展開図中、留め穴は組み立て後にプラスチック留め具PSで折り曲げた部材と重ね合わせて固着する。
【0044】
図5(A)の固定体の展開図の線は全て直角の谷折り(一点鎖線)となる。マグネット73を固定する留め穴71A、支軸74、75を立てる留め穴74A、75Bが示される。
折曲辺のうち留め穴71A、71Aは組み立て時に重ね合わせてマグネット73と共に固定する。留め穴71Bは組み立てた際に背面体71の両端と重ねてプラスチック留め具で固定する。
左右の広い面積にある留め穴74A、75Aは組み立てた際に支軸74、75を立てるのである。斜めの細長領域は支持体71を組み立て際に支持体の強度を増す補強部71Cである。
【0045】
図5(B)の背面体72は上の横線は直角の山折り(点線)、他の2本は谷折り(一点鎖線)となる。それぞれ、上向辺72A、水平板72B、縁取72C、垂下板72Dの領域になる。水平板72Bの左側には位置決定穴72Eが設けられている。
水平板72Bの両端にある留め穴71Aは組み立て際に固定体の留め穴71Aと重ね合わせてマグネット73を固定する。縁取72Dの両端四隅にある留め穴71Bは組み立て時に固定体の留め穴71Bに重ね合わせてプラスチック留め具PSで固定する。
2つの固定体71、71は、背面体72の両端に固定され、対向する側において前記支軸を内側から突出させて固定する。
【0046】
図5(C)の誘導体80の展開図にあるように、上方(組立て時は前側)が緩やかな切妻屋根の山状になっており、誘導体80の中央の縦線の棟81で緩やかな山折りにし左右に平面82を有し、左右の側縁辺83は山折りで略直角に下側に折り曲げられ、誘導体80の中央の縦線の棟81の後方の左右にある後縁辺85は山折りで直角に下側に折り曲げられ、上側左右の上縁辺84は上側に略直角に谷折りで折り曲げられている。この各縁辺が誘導体80の広い面に対し略直角に折り曲げられていることにより、誘導体80の平面82の強度を増すことになる。前述の両側の固定体71の支軸74は、誘導体の側縁辺83に設けた穴83Aに貫通し、誘導体80を挟持し、誘導体全体を切妻屋根型に保っている。
【0047】
図1の本ボール仕分機構を筐体に取り付けた斜視図において、通常、誘導体80は落下空間に向けて水平な状態になっている。遊戯者が景品取得部16を操作して、収容空間12内の景品14を取得しようとしたものの、把持爪16Aがスペーサのボール14Aのみを掴んで落下空間18に戻り、景品取得部16の把持爪16Aの開閉動作により、落下空間18にボールを落下させた場合、誘導体80の前側の長さは落下空間18の中央部分をカバーしており、通常は誘導体80の前側の切妻屋根に落下することになる。ここでボール14Aは70mmの直径で例えばポリプロピレン製の比較的軽い球体である。ボールの直径はこれより小さくてもよく、形状は球体に限らず、楕円体や多面体等の略球体形状でもよく、材質も発泡スチロール製でもよい。このボールが把持爪16Aの開閉に伴い、誘導体80の切妻屋根の上に落下すると、その弾みでボール14Aは屋根の傾斜が左右方向になっているので、左右側の何れかに跳ねて落下空間18の左右側に落ちることになる。
【0048】
これにより、誘導体80の下方にある景品検出センサ25に検出されることなく、落下空間18の底に落下する。誘導体80は水平になっているとは言え、ボール14Aが切妻屋根の前側に落ちる衝撃で誘導体80は多少前側下方に振動するが、それでもボール14Aの跳ね返り方向は左右前方になるだけで、景品検出センサ25が反応する誘導体80の前方の落下空間18に落ちることはない。
ボール14Aが誘導体80の切妻屋根の中央に落ちたとしても切妻屋根の前側の前縁の上縁辺84は上側に折曲がっており、これがボールを誘導体80の左右に逃がす役目をするので、やはり景品検出センサ25の検出範囲には落ちることなく落下空間の左右に落ちる。
【0049】
景品取得部16が、景品14を把持して落下空間18に落下させた場合は、景品14はボール14Aと比べて重量が大きく、そのまま誘導体80に落下すると切妻屋根が上側に付勢している抗力に抗して下側に湾曲したり、傾斜して景品14を落下空間にそのまま落下させることになる。その際に景品検出センサ25の検出範囲に落下するので景品14の落下が検出される。景品14が落下すると誘導体80はトーションバネ74Aにより水平方向に付勢されているので元の水平状態に復帰する。
【0050】
このように誘導体80は把持爪16Aから落下してくる軽量のボール14Aでは落下空間18の左右端に跳ね返し、比較的重量の重い景品14は、誘導体80の上側の付勢力に抗して誘導体80ごと下方に傾き景品落下センサ25の検出範囲を通過することができ、景品25の取得が検出できるようになる。
これにより景品取得が把握でき、景品14の取得数等の情報が景品取得センサ25により正確に取れ、制御部40は景品14の補充等について情報を店員に知らせることができ、装置10の営業効率を向上させることができる。
【0051】
さらに、ボール仕分機構70の装置10の取り付け、取り外しにあたり、マグネット73で固定でき、何ら工具を必要とせず、取り付け、取り外しが容易にできる。
係員が装置10の前扉26Aを開き、さらに開閉板50を手前に開き、誘導体80を手で下方に傾斜させて、落下空間13に入り込み、収容空間12の奥側の景品14の配置等を変更することが容易となる。
【0052】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図7図11に示し説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り第1実施形態と同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0053】
図7は、第2実施形態のボール仕分分割機構にスペーサ(ボール)が落下した景品取得ゲーム装置の斜視図で、図8はボール仕分分割機構部分の拡大正面概念図である。
図9は、開閉板50の裏側上部にボール仕分分割機構の前側固定部を取り付けた斜視図を示す。
【0054】
図7には、落下空間にはホール仕分分割機構100が左右にかまぼこ状の誘導板110A、110Bが2つ並んだ状態で取り付けられている。この2つの誘導板110A、110Bは、落下空間左右の中央が湾曲して凹んで当接する当接凹部111になっており、当接凹部は左右に分離可能になっており、当接凹部111は後方に緩い傾斜が付いている。
景品取得部16の把持爪16Aから落下したスペーサ(ボール)14Aは、当接凹部111に落下した後、後方に向けた傾斜に沿って転がる。当接凹部111が第1衝立30の高さを超えていれば、スペーサ((ボール)14Aは収容空間12内に戻される。
もし当接凹部111の後方の高さが第1衝立30より低ければスペーサ(ボール)は第1衝立30に阻まれる。その際に誘導板の後方と第1衝立との距離がスペーサ(ボール)14Aの径より広ければ、スペーサ(ボール)は落下空間18に落下する。この位置は景品落下センサ25の検出範囲外であり、落下空間18への落下にあたり景品落下センサに検出されず落下する。この点では第1実施形態と同様である。
【0055】
図8のボール仕分分割機構の拡大正面概念図には、落下空間の手雨中央に前側固定部130が設けられている。前側固定部は誘導板110A、110Bの前側の縁に設けた穴を遊嵌自在に横棒130Aに貫通している。誘導板110A、110Bは、それぞれ外側辺が基台の内壁22A、22Bに既存のネジまたは磁石、両面テープ等で固定する。あるいは第2衝立32を固定するネジを用いて誘導板110Bの外側下方辺を前後方向に亘り固定する。
これにより誘導板110A、110Bの外側縁は前後方向に亘り、基台22の内壁22A、22Bあるいは第2衝立に固定される。
【0056】
さらに誘導板110A、110Bの前側縁の穴は前側固定部130の横棒に遊嵌させて、通常は誘導板110A、110Bの弾性力により、前側固定部130の中央寄りに付勢され。中央で当接凹部111となっている。この状態では、図10(B)の側面断面図に示す通り、誘導板110A、110Bの後方は、誘導板110A、110Bの弾性力により中央の当接凹部111を形成したまま後方側は誘導板110A、110Bの自重で緩やかに下側に下がり傾斜を形成する。傾斜が第1衝立30の高さを超える場合は把持爪16Aから落下したスペーサ(ボール)は傾斜を転がり、収容空間12に回収される。
【0057】
図9には開閉板50の裏側上部に前側固定部130を取り付けた斜視図を示し、装置10の基台22の正面左側に位置する開閉板50は左端に設けた縦軸により手前に開くことができ、フラッパ54を上に押し上げるように押し込むことで落下空間18に遊戯者が手を差し込むことができる。
開閉板50の裏側のフラッパのヒンジ55にはヒンジの取り付けネジ55Aを取り外しボール仕分分割機構100の前側固定部130の取付部130Cを取り付けている。取付部130Cからは奥側に曲がり立設部130Bが立設されており、第1衝立より高い位置に横棒130Aが左右方向に横設されている。前側固定部130の開閉板50への固定にあたり、開閉板の上部裏板56が金属板であることから前側固定部を磁石で固着することでもよい。こうすることで取り付け位置の左右位置、高さ位置がある程度調整できる。
【0058】
図11には、ボール仕分分割機構100に景品14が落下した景品取得ゲーム装置の斜視図を示す。景品はスペーサ(ボール)よりは重くて大きく、把持爪16Aから落下空間18の真上位置で落下されると、誘導板110A、110Bの当接凹部111はその衝撃で誘導板110A、110Bの弾性力に抗し、110A、110Bの当接凹部111を割り込み誘導板110A、110Bの当接部分を前後方向に開き景品は自重でそのまま真下に落下する。
【0059】
図8のボール仕分機拡大正面概念図では、誘導板110A.110Bが景品の落下時に景品が落下する際の重さと大きさで当接凹部111が左右に分かれて点線で示すように変形する。前側固定部130では、誘導板110A、110Bの前縁の穴が前側固定部130を遊嵌しているので、衝撃で左右に移動し、点線で示す位置に移動した後、景品落下後は誘導板110A、110Bの弾性力により湾曲部が戻り、元の実線で示す位置に戻る。
景品14が誘導版の当接凹部111を割って景品取得センサの25の検出光(一点鎖線で示す)を遮り落ちることで、景品14の取得が検出され、落下空間18を落下する。この様子が図10(C)の正面図に示すように景品はそのまま落下空間18を落下する。図10(D)の側面図では、当接凹部111を割って落下する際に後方部がその衝撃でさらに下方に傾斜しているのが示される。この際に前側固定部では誘導板の前縁の穴が横棒の範囲内でしか遊嵌できず、落下景品が大きい場合は誘導板110A、110Bの後ろ側がより大きく開く(図11中の後ろ側の左右の矢印幅が手前側の矢印幅より広がっている)ことで景品を落下させる。
【0060】
装置10の開閉部50は左側の縦ヒンジで左手前側に開くことができ、その際に前側固定部130に固定してある誘導板110A、110Bを取り外す必要がある。そのために装置の開閉扉26Aを開き、前側固定部130の横棒130Aから誘導板110A、110Bの前縁の穴を横棒の外側へ取り外す。これにより誘導版110A、110Bはそのまま残り、開閉板50を手前に開くことが可能である。係員は開閉板50を開いた後、落下空間18に入り込み、収容空間12内において景品等の配置メンテナンスをすることが可能となる。係員のメンテナンス後、ボール仕分分割機構110を元に戻すには、係員が装置10の外部に出て開閉板50を閉め、前側固定部の横棒にそれぞれ誘導板110A、110Bの前縁の穴を貫通させて開閉扉26Aを閉めればよい。
<<変形例>>
【0061】
(第3実施形態)
次に図8図11に記載した第2実施形態の変形例の第3実施形態を述べる。これは図示しないが誘導板110A、110Bの別例(風船状:雫状)として、落下空間18の左右両側から落下空間の横幅以上(2~3倍程度)の横幅があり、奥行きが落下空間の奥行きより若干短い2枚の誘導板と同一素材の平板を用い、正面からみて風船状(雫状)に丸め手前側両端を落下空間の内壁に固定する。これにより2枚の誘導板が落下空間の左右両壁から正面視で風船状(雫状)に延出し、落下空間の中央の前後に亘り左右の風船状(雫状)が落下空間を塞ぐ形になる。この両側の風船状(雫状)は高さ方向の高い部分が落下空間の横幅方向で中央部分を含む1/3程度にある。
【0062】
落下空間の奥行き方向に向けて両側からの風船状(雫状)で挟まれた圧接する接触部分はなだらかに傾斜している。これにより把持部から落下したスペーサ(ボール)は両側からの風船状の圧接した接触(谷間)部分に落下する。スペーサ(ボール)は両側から圧接された接触部分に跳ね返され保持され、奥行き方向に緩やかに傾斜した傾斜部を転動し、傾斜部を転がって図10(B)同様に収容空間に戻る。
把持部から景品が落下した場合は、スペーサ(ボール)に比して重量があるので、落下した勢いで、両側から圧接して塞がれている接触部分を両側に押し広げ落下空間内に落下する。誘導板110A、110Bは、景品が落下する運動エネルギーに対しては変形するだけの曲げに対する弾性率を有しているが、スペーサ程度の重量においては、その落下する運動エネルギーでは殆ど変形しない。これにより景品はそのまま落下空間の下方に落下し、景品検出センサ25にて検出され、景品の取得が感知される。
【0063】
(第4実施形態)
次にさらに別の変形例(すだれ形状)として第4実施形態を述べる。落下空間の横幅以上(2~3倍程度)の横幅があり、奥行きが落下空間の奥行きより若干短い樹脂版の平板を誘導板として用いる。平板には長さ方向の半分程から長さ方向に複数のスリット(切り込み)がすだれ状に設けてある。この平板を例えば落下空間の左内壁にスリットを上部に向けて固定し、落下空間全体を覆うように自重で湾曲させる。これにより湾曲部の頂点は正面視で落下空間の左寄りにあり、湾曲して落下空間18を覆い、スリットの端部は落下空間の反対側に位置する第2衝立32の上方に位置させる。スリットは落下空間18の手前から後方を覆っており、把持部からスペーサ(ボール)が落下すると、スリットの湾曲部に落下し、その弾みで樹脂板のスリットを伝って転がり、落下空間18には落ちずに反対側の第2衝立32の上方を超えて収容空間12にスペーサ(ボール)を導く。
【0064】
把持部から景品14が落下した場合は、景品14の重量で落下の勢いでスリットを押し下げて落下空間18に落下し、景品落下センサ25にて検出される。原理としては、上述の風船状の誘導板と同様に、スペーサと景品の運動エネルギーの違いによる誘導板の変形有無という点では同じである。なお、このすだれ形状の樹脂板は、装置10の開閉板50側に取付けてスリットを奥側の衝立の上方に向けて取り付けることでもよい。
【0065】
(第5実施形態)
上記例では樹脂板にスリットを設けたが、第5実施形態としてスリットがない平版でもよい。樹脂板の弾力でスペーサ(ボール)を収容空間12に導き、景品は重量があるので、樹脂版の弾力に抗して落下空間18に押し下げて景品を落下空間に導くことでもよい。
【0066】
(第6実施形態)
次にさらにすだれ形状の別例を第6実施形態として述べる。上記すだれ形状は樹脂板に設けたスリットの弾性力を用いて、スペーサ(ボール)と景品の重量の違いによって、仕分けをしていたが、ここでは発泡ポリエチレンチューブを使用した実施例を述べる。ここでは直径38mmほどで長さが落下空間幅程度の発泡ポリエチレンチューブを平行に並べて落下空間を塞ぐ。中空の丸棒の平行固定にあたり、落下空間の片側に2枚の離間した固定板を設置する。この固定板は落下区空間の横幅又は奥行幅で高さが第2又は第3衝立の高さ以上ある。固定板は一枚の樹脂版を断面コの字に間隔2~3cm程度を開けて折り曲げて作られる。樹脂板には丸棒を差し込み固定するが穴が横に並んで開口されており、穴は丸棒が容易に抜け落ちないように丸棒の径より狭くなっており、隣同士の穴の間隔は、スペーサ(ボール)の径より狭くしてあり、発泡ポリエチレンチューブを併設した際にスペーサ(ボール)がチューブ間から抜け落ちずに転がるように設定してある。
【0067】
固定板は、装置10の側面又は開閉板に固定板に固定される。例えば装置10の落下空間の左側に固定するには固定板の外側に吸盤を取り付けて透明な側面板に固定し、これにより固定板の上側に固定された発泡ポリエチレンチューブは落下空間の縁から他の縁に向けて自重で傾斜し、その傾斜端は第2衝立32の高さを超える高さ位置に設定する。
【0068】
(第7実施形態)
次に第7実施形態として開閉板50に固定する場合を説明する。
開閉板50に固定するには固定板は断面形状がh状に折り曲げて逆h型にしてhの上部分を開閉扉の上部分に固定し、コの字部分を衝立より高くしてコの字の上側部分に発泡ポリエチレンチューブを差し込む丸穴を並べ、発泡ポリエチレンチューブの端は自重で下方に傾く。開閉扉に取り付けた固定板の発泡ポリエチレンチューブは装置正面から見ると、衝立の高さより高く、発泡ポリエチレンチューブの開放端は自重により傾斜するものの、第1衝立に向けて突き出しており、開放端は第1衝立30の高さよりは高く設定してある。
【0069】
これにより把持部からスペーサ(ボール)14Aが発泡ポリエチレンチューブに落下しても、発泡ポリエチレンチューブに跳ね返され、発泡ポリエチレンチューブ間を転がり、衝立を乗り越えて、収容空間12にスペーサ(ボール)14Aを戻す。
把持部から景品14を落下させた場合は発泡ポリエチレンチューブを景品14の重さで押し下げ落下空間18に景品を落下させ、景品検出センサ25が検出する。
開閉扉50の上部に固定板を取り付けた場合も同様であるが、この場合は把持部から落下する景品14の重さにより発泡ポリエチレンチューブ自体が重さで下方に傾く際に、固定板の樹脂板も弾性により湾曲し、発泡ポリエチレンチューブを落下空間18側に押し下げ、落下空間18に景品を落下させる。
【0070】
(第9実施形態)
次にさらに、開閉扉に巣箱形状にスペーサ(ボール)を受ける第9実施形態を説明する。図12は巣箱状の回収箱を設けたボール仕分け機構の説明図である。
これは把持部から落下するスペーサ(ボール)を受け止める巣箱状の回収箱が落下空間に設けてある。
図12(A)は景品取得ゲーム装置装置に巣箱形状の回収箱を設けた左側斜図であり図12(B)は巣箱形状の回収箱の側面図を示す。
【0071】
図12(A)に示す通り、把持部16が落下空間18の所定位置に達し、把持爪16Aが開くことにより、落下空間18でボール(スペーサ)14Aを落下させる。この落下位置に巣箱形状の回収箱140が開閉扉50の上部に断面逆L字状のブラケット143を介して取り付けられている。回収箱140は把持爪16Aが開閉する位置の下側に斜面141を有し、落下した景品がこの斜面141から落下空間18に落下する。ボール(スペーサ)14Aが落下した際には斜面141に設けた開口142に入ることで、回収箱140に回収されるようになっている(図12(B))。この回収箱に回収されたボール(スペーサ)は店員が回収し、収納空間12に戻す。あるいは回収箱の底面を第2衝立32の高さより高く設定することで、底面を第2衝立32の高さを超えるように傾斜させて開口を設けることで、自動的に回収されたスペーサ(ボール)が収容空間に戻るようにしてもよい。
【0072】
あるいは、回収箱140の開閉板側の底部に穴を設け、その穴から真下に落下することで景品検出センサ25に検出されずに落下空間18に落下させることも可能である。このブラケット143は前後上下の位置調整が可能に長孔が設けてありネジで固定される。ボール(スペーサ)14Aが落下する位置に景品が落下した場合には、景品は大きさが大きく、開口142には入らず、斜面141に沿って落下空間18に落下し、景品取得センサ25にて検出される。
【0073】
(第10実施形態)
次にさらに、ボール回収フラップを設けた第10実施形態を示す。図13はボール回収フラップによる仕分機構の説明図ある。これは、景品取得部16の把持爪16Aから落下するスペーサ(ボール)14Aまたは景品14の重さにより、落下空間に設けたフラップ150により、仕分けする機構である。
図13(A)は、景品取得ゲーム装置にボール回収フラップを設けた左側面図である。装置10の落下空間180の手前側に景品落下空間の左右内壁間に2本の棒体を掛け渡して固定する。この棒体は支軸74、75として内側内壁間を押圧して取り付けられている。ボール回収フラップ150は落下空間18をほぼ覆う浅底状の2重構造の透明樹脂板であり、正面視で手前側の左右に錘151がそれぞれ取り付けられており、落下空間の左右に掛け渡した棒体を支軸74としてシーソ状に落下空間18に向けて傾くことが可能である。ボール回収フラップの底面の左右両側から下に向けてブラケットを設け、ブラケットに棒体を支軸として軸着すればボール回収フラップの底面は2重構造にする必要はない。
【0074】
ボール回収フラップ150の手前側には回収樋152が落下空間18の左右に亘り、落下空間18の壁面や開閉扉50に固定して設けてあり、ボール回収フラップ150が通常状態では手前にやや傾斜していることから比較的軽いスペーサ(ボール)14Aは落下した衝撃程度ではボール回収フラップ150は落下空間18側に傾かず、落下空間18側に転がることなく、手前側に向け転がり、回収樋152に回収される。回収樋152の両側にはボール回収フラップ150の両側面を両側から傾動自在に支える支軸74が貫通している。ボール回収フラップ150は支軸74の支点からそれ以上手前側に傾斜しないようにボール回収フラップの底部を支える支軸75が位置している。ボール回収フラップ150は通常(何も物体が載っていない状態)では手前側にやや傾斜しており、これはボール回収フラップ150の手前側左右に設けた錘151や、支軸74に巻き付けたトーションバネの作用により、ボール回収フラップが手前側に多少傾斜している状態を保っている。支軸75はボール回収スラップの底面に接して、これ以上手前側に傾かないストッパの役目をしている。
【0075】
通常、ボール回収スラップ150は錘151や支軸74に巻装したトーションバネにより手前側に水平やや傾斜しており、スペーサ(ボール)14Aが落下しても落下空間18に傾斜することなく、錘151又は支軸74に設けたトーションバネの作用によりスペーサ(ボール)14Aが手前側に転がるようにしてある。
次に把持爪16Aが開き景品14が落下した場合は、ボール回収フラップ150上に落下し、景品14の落下衝撃は大きく、ボール回収フラップ150は支軸74を支点として錘151あるいは支軸74に巻装したトーションバネの付勢に打ち勝ちボール回収フラップ150を落下空間18側に傾斜させ、景品14を落下空間18に落下させ景品検知センサ25により検知される。これにより景品14の取得を検知することが出来るようになる。
【0076】
以上、種々の変形例の実施形態を含め、本発明を述べた。
操作部が取得した物品(景品又はスペーサ)が誘導板(各実施形態により名称は様々)だが、落下する際の衝撃によるエネルギにより誘導板を変形させ景品検出センサを通過するか否かに分けられ、正規の物品(景品)のみが検出されることで物品の管理を正しく行うことができる。
本願発明は取得した景品が落下空間に落下する際に、把持部が本来の景品でないスペーサ(ボール)を把持して落下空間に落下させても、それを景品検知センサに検知させないように本来の景品とスペーサ(ボール)を仕分ることにより、本来の景品の取得数を正確に把握することができる。
さらに本発明の仕分機構は物品取得装置を変更することなく、追加することで本来の景品と景品ではないスペーサ(ボール)とを区別するので、物品取得装置の管理精度を高めることができるようになる。
さらにスペーサ(ボール)は各種の色ボールがカラフルであり、大きさはスペーサの役割を果たすことができるのならピンポン球のように小さくてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 景品取得ゲーム装置、12収容空間、14景品、14Aスペーサ(ボール)
16景品取得部、16A把持爪、18落下空間、20筐体、22基台、内壁22A、22B、上縁22C、24収容体、24A天井面、24B側面、24B床面、25景品検出センサ、30、第1衝立、32第2衝立、33第3衝立、44表示面、45投入口、46操作部、50開閉板、52景品回収口
70ボール仕分機構、71固定体、72背面体、72A上向辺、72B水平板、72C縁取、72D垂下板、72E位置決穴、73マグネット、支軸74、74A、75トーションバネ、80誘導板、81棟、82平面、83側縁辺、83A穴、84上縁辺、85後縁辺
100ボール仕分分割機構、110A、110B誘導板、111当接凹部、120A、120B固定部、前側固定部130、
140回収箱、141斜面、142開口、143ブラケット
150ボール回収フラップ、151錘、152回収樋
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13