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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115183
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】検温消毒装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20220802BHJP
   A47K 7/04 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
A61L2/18
A47K7/04
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011679
(22)【出願日】2021-01-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-12
(71)【出願人】
【識別番号】506291313
【氏名又は名称】株式会社エーワン
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】福間 二郎
【テーマコード(参考)】
2D134
4C058
【Fターム(参考)】
2D134DA00
4C058AA29
4C058BB07
4C058CC02
4C058DD02
4C058DD13
4C058JJ06
4C058JJ24
4C058JJ29
(57)【要約】
【課題】検温および手の消毒の両方を自動的かつ円滑に行うことができる検温消毒装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、手Hを位置させる空間10aを形成する空間形成部10と、空間形成部10の空間10aの所定位置に手Hが配置されたことを検知する手検知部20と、所定位置に配置された手Hの検温を行う検温部30と、所定位置に配置された手Hのひらに消毒液を噴射する消毒液噴射部40と、各部の動作を制御する制御部50と、を備え、手検知部20と、検温部30と、消毒液噴射部40とが空間形成部10に設けられている。消毒液噴射部40は手のひらに上方から消毒液を噴射する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手を位置させる空間を形成する空間形成部と、
前記空間形成部の前記空間の所定位置に手が配置されたことを検知する手検知部と、
前記所定位置の上方に位置し前記所定位置に配置された手の検温を行う検温部と、
前記所定位置に配置された手のひらに上方から消毒液を噴射する消毒液噴射部と、
各部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記手検知部と、前記検温部と、前記消毒液噴射部とが前記空間形成部に設けられている、検温消毒装置。
【請求項2】
前記空間形成部に前記手を入れる方向に沿って複数の前記検温部が配置されている、
請求項1に記載の検温消毒装置。
【請求項3】
第1の前記検温部と第2の前記検温部との間に、前記消毒液噴射部が配置されている、
請求項2に記載の検温消毒装置。
【請求項4】
複数の前記検温部と複数の前記消毒液噴射部が一直線上に配置されている
請求項1~3のいずれかに記載の検温消毒装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記手検知部で手を検知した後、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う、請求項1~4のいずれかに記載の検温消毒装置。
【請求項6】
所定の報知を行う報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記検温部で検温した値が一定条件を満たしたか否かの情報を前記報知部から報知する制御を行う、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の検温消毒装置。
【請求項7】
複数の前記検温部の検温した値のうち最も高い値が一定条件を満たしたか否かの情報を前記報知部から報知する制御を行う、
請求項6に記載の検温消毒装置。
【請求項8】
前記検温部は、少なくとも手のひら検温を行う、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検温消毒装置。
【請求項9】
前記空間形成部は前記消毒液噴射部から噴射され消毒を行ったあとの余剰の消毒液が前記空間形成部の外側へ排出される排出構造を有する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の検温消毒装置。
【請求項10】
前記手検知部は前記検温部と一体型である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の検温消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検温とともに手の消毒を行うことができる検温消毒装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
防疫や衛生上の観点から、施設・店舗などの建物の入口や入室前には、手の消毒とともに検温を行うことが多い。特許文献1には、手を挿入できる広さを有する収納部に、手を一度挿入する動作により、手を挿入したことを感知するセンサーが手を感知して手に送風して乾燥させるブロワーの作動と、消毒液を噴霧して消毒することをあわせて行えるような手消毒乾燥装置が開示される。
【0003】
また、特許文献2には、箱様筐体が、ユーザの手が消毒のために差し入れられる2つの開口部を持ち、手で接触することなく作動する噴霧ノズルによる消毒液自動噴霧機能を備える自動手洗装置が開示される。この自動手洗装置では、噴霧ノズルからの消毒液の噴射が正しい場所、すなわち、指先、指および手のひら部分に正確に向けられ、開口部が卵型で縦長の楕円形であり、手を消毒中に正しい位置に促すよう実質的に均等に成形された凹部を含む構成になっている。
【0004】
特許文献3には、歩行者の手指に消毒液を供給する手指消毒器であって、上面と前面および後面とがそれぞれ開口して延在し、歩行者の手の通過を許容する雨樋状の本体部と、本体部の開口の近傍に設けられ、開口から本体部の消毒空間に侵入した手指を検出するセンサと、センサより歩行者の進行方向の前方側の本体部の側板部の内面に設けられ、センサの検出に応じて消毒液を噴射する噴射ノズルと、消毒液を噴射ノズルから噴射させるポンプと、を備える手指消毒器が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-031011号公報
【特許文献2】特表2012-501686号公報
【特許文献3】特開2020-025771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
建物や部屋に入ろうとする人に対して検温を行う場合、担当者が手持ちの温度測定器によって1人ずつ体温を測定したり、赤外線画像を取り込むことで人の体温を測定したりすることが行われる。また、手の消毒については、手動ポンプ式では手でポンプを作動させて消毒液を噴霧したり、電動ポンプ式では手をノズルの下にかざすことで消毒液を自動的に噴射したりすることが行われる。このような検温と手の消毒との両方を行う作業については、なるべく人員や時間をかけずに円滑に行うことが望まれる。
【0007】
本発明は、検温および手の消毒の両方を自動的かつ円滑に行うことができる検温消毒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、手を位置させる空間を形成する空間形成部と、前記空間形成部の前記空間の所定位置に手が配置されたことを検知する手検知部と、前記所定位置の上方に位置し前記所定位置に配置された手の検温を行う検温部と、前記所定位置に配置された手のひらに上方から消毒液を噴射する消毒液噴射部と、各部の動作を制御する制御部と、を備え、前記手検知部と、前記検温部と、前記消毒液噴射部とが前記空間形成部に設けられている、検温消毒装置である。
【0009】
このような構成によれば、空間形成部の空間の所定位置に手を配置させることで検温部によって手の検温を行い、上方に位置する消毒液噴射部から手のひらに消毒液を噴射する。これにより、空間形成部の空間に手を入れる一度の動作で、検温から消毒までの一連の処理が行われる。
【0010】
好適には、前記空間形成部に前記手を入れる方向に沿って複数の前記検温部が配置されている。
【0011】
好適には、第1の前記検温部と第2の前記検温部との間に、前記消毒液噴射部が配置されている。
【0012】
上記検温消毒装置において、制御部は、手検知部で手を検知した後、検温部で手の検温を行い、その後、消毒液噴射部から消毒液を噴射する制御を行うことが好ましい。これにより、手の検温を行った後に手の消毒を行うことになり、消毒液の噴射による検温への影響が抑制される。
【0013】
上記検温消毒装置において、制御部は、検温部で検温した値が一定条件を満たしている場合に消毒液噴射部から消毒液を噴射する制御を行うことが好ましい。これにより、検温で一定条件を満たしていない場合には消毒を行わずに検温結果に対する処理を進められる。
【0014】
上記検温消毒装置において、所定の報知を行う報知部をさらに備え、制御部は、検温部で検温した値が一定条件を満たしたか否かの情報を報知部から報知する制御を行うようにしてもよい。これにより、検温で一定条件を満たしているか否かの情報が報知部の報知によって周囲に迅速に伝えられる。
【0015】
上記検温消毒装置において、検温部は、少なくとも手の平ひらの温を行うことが好ましい。手のひらの側には消毒液噴射部が設けられているため、検温部によって少なくとも手の甲を検温することで消毒液の噴射による検温への影響が抑制される。
【0016】
上記検温消毒装置において、空間形成部の空間に手を挿入する方向を挿入方向として、手検知部は、検温部および消毒液噴射部よりも挿入方向の下手側に配置されることが好ましい。これにより、空間形成部の空間の奥まで手を挿入した状態で検温および消毒が行われる。
【0017】
上記検温消毒装置において、空間形成部は消毒液噴射部から噴射され消毒を行ったあとの余剰の消毒液が空間形成部の外側へ排出される排出構造を有することが好ましい。これにより、噴射後の余剰の消毒液が空間形成部の内側に溜まることが抑制される。
【0018】
上記検温消毒装置において、手検知部は検温部と一体型であってもよい。これにより、手検知部と検温部とが一つの構成で済むことになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、検温および手の消毒の両方を自動的かつ円滑に行うことができる検温消毒装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態に係る検温消毒装置を例示する斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る検温消毒装置を例示する断面図である。
図3図3は、実施形態に係る検温消毒装置の手検知部、検温部及び消毒液噴射部の側面方向から見た配置を説明するための図である。
図4図4は、図3の示す検温消毒装置の手検知部、検温部及び消毒液噴射部の平面方向から見た配置を説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る検温消毒装置の構成を例示するブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る検温消毒装置の動作を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0022】
図1は、実施形態に係る検温消毒装置を例示する斜視図である。
図2は、実施形態に係る検温消毒装置を例示する側面図である。
図3は、実施形態に係る検温消毒装置の手検知部、検温部及び消毒液噴射部の側面方向から見た配置を説明するための図である。
図4は、図3の示す検温消毒装置の手検知部、検温部及び消毒液噴射部の平面方向から見た配置を説明するための図である。
本実施形態に係る検温消毒装置1は、所定位置に手を挿入することで検温と消毒とを自動的に行う装置である。
検温消毒装置1は、手Hを位置させる空間10aを形成する空間形成部10と、手Hを検知する手検知部20と、手Hの検温を行う検温部30と、手Hのひらに消毒液を噴射する消毒液噴射部40と、各部の動作を制御する制御部50と、を備える。
【0023】
空間形成部10は、手Hを挿入可能な開口を有している。開口のサイズは空間形成部10の空間10aに手Hを挿入しても空間形成部10の内側に接触しない程度(空間10aの中央辺りに手Hを載置しても空間形成部10に接触しない程度)の大きさである。空間形成部10は、大人の手Hは挿入できても、子供の頭は挿入できないサイズや形状になっている。
【0024】
本実施形態では、空間形成部10は矩形状の開口を有する空間になっており、空間形成部10の延在方向を手Hの挿入方向に合わせて配置されている。本実施形態では、手Hの挿入方向は、挿入方向の下手側が水平に対して僅かに下がる方向としてもよい。傾斜の角度は、水平に対して約5度以上、45度以下程度、好ましくは15度程度である。これにより、空間形成部10の空間10aに手Hを自然に挿入できるようになる。また、空間形成部10内に噴射された消毒液が空間形成部10内に留まらず、傾斜の下方へ流れやすくなる。
【0025】
空間形成部10は、例えば下支柱2の上端に配置される。下支柱2は床に設置可能であって上下方向に延在する。下支柱2の表面側に広告等が表示可能である。
空間形成部10の上には、表面側に広告等が表示可能な上支柱3が設けられている。
【0026】
手検知部20は空間形成部10に設けられ、空間形成部10の空間10aの所定位置に手Hが配置されたことを検知する。手検知部20には、例えば赤外線センサや光学センサが用いられる。ここで、手Hの所定位置とは、空間10a内で手Hを検温および消毒することが可能な位置のことをいう。
手検知部20は、空間形成部10の空間10a内における手Hの挿入方向の下手側に配置され、手Hの指辺りを検知するように設けられているとよい。これにより、手Hを空間形成部10の空間10aの奥まで挿入したことを検知しやすくなる。
【0027】
検温部30a,30b,30cは空間形成部10に設けられ、空間形成部10の空間10aの所定位置に配置された手Hの検温を行う。手検知部20には、例えば赤外線センサが用いられる。検温部30a,30b,30cは、例えば空間10aにおける手Hの挿入方向に沿って順に配置されている。検温部30aは手Hの手根辺りを検温し、検温部30bは手Hの中央付近を検温し、検温部30cは手Hの指尖球辺りを検温するように位置されている。手検知部20および検温部30a,30b,30cは、空間10aの上方に設けられている。なお、検温部の少なくとも一つが、空間10aの下方から検温する位置に配置されてもい。
【0028】
ここで、本実施形態では手検知部20および検温部30a,30b,30cを別体で設けているが、これらを一体型(1つのセンサによる共用や、1つのセンサモジュールによる共用)にしてもよい。これにより、手検知部と検温部とが一つの構成で済むことになる。
【0029】
消毒液噴射部40a,40bは空間形成部10に設けられ、例えば空間10aにおける手Hの挿入方向に沿って順に配置され、上方から手Hのひらに消毒液を噴射する。消毒液噴射部40a,40b噴射口から噴射する消毒液は手Hのひらの広い範囲に吹き付けられる。
【0030】
例えば、図3及び図4に示すように、消毒液噴射部40aは、検温部30aと検温部30bとの間に位置している。消毒液噴射部40bは、検温部30bと検温部30cとの間に位置している。
本実施形態では、手検知部20、検温部30a,30b,30c、消毒液噴射部40a,40bが一直線上に設けられている。
なお、これらは一直状以外の位置に配置されていてもよい。
【0031】
上支柱3には、消毒液を収容するタンクと、タンクから消毒液噴射部40a,40bへ消毒液を供給するポンプとが設けられる。上支柱3の中にタンクおよびポンプが設けられることで、検温消毒装置1の意匠性が高められる。
【0032】
制御部50は、例えば支柱2の内部に設けられる。制御部50は、手検知部20で手Hを検知した後、所定のタイミングで検温部30a,30b,30cでの手Hの検温と、消毒液噴射部40a,40bからの層毒液の噴射とを制御する。例えば、制御部50は、手検知部20で手Hを検知した後、検温部30a,30b,30cで手の検温を行い、その後、ポンプ70に指示を与えてタンク80から消毒液噴射部40a,40bへ消毒液を供給し、噴射口から消毒液を噴射する制御を行う。制御部50によって、手Hの検温を行った後に消毒液を噴射するようにタイミングを制御することで、消毒液の噴射による検温への影響が抑制される。
【0033】
検温消毒装置1には報知部60が設けられていてもよい。報知部60は、例えば空間形成部10に設けられる。報知部60は、光、音、文字(数字)等の表示によって報知を行う。例えば、制御部50は、検温部30で検温した値が一定条件を満たしたか否かの情報を報知部60から報知する制御を行うようにしてもよい。一例として、所定の場所に報知部60が設けられており、検温の値が一定値(例えば、37.5℃)を越えた場合には報知部60が赤色に光り、一定値以下の場合には報知部60が緑色に光るようになっている。
検温の値が一定値を越えた場合には報知部60が赤色に光るとともに警告音を発するようにしてもよい。報知部60は表示装置(液晶表示装置など)を有していてもよく、表示装置に検温の結果(体温の値)を表示してもよい。
制御部50は、複数の検温部30a,30b,30cの検温した値のうち最も高い値が一定条件を満たしたか否かの判断を行い、肯定判断の場合に、報知部60から報知する制御を行う、
上記一定値は、感染症等の病気の可能性がある温度として設定する。
【0034】
なお、検温消毒装置1の各種設定については、携帯端末などのアプリケーションソフトウェアによって行うようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェアで報知に関する一定条件(温度閾値)や報知の種類(発光色や音の種類など)、電源のON/OFFなどを行い、携帯端末の通信機能を用いて設定を制御部50に送るようにしてもよい。また、制御部50は、携帯端末に検温した値や消毒液の残量などの情報を携帯端末に送信し、アプリケーションソフトウェアで表示するようにしてもよい。アプリケーションソフトウェアに報知部60の機能を持たせてもよい。
【0035】
(検温消毒装置の動作)
図5は、実施形態に係る検温消毒装置の動作を例示するフローチャートである。
先ず、ステップS101に示すように、手Hを検知したか否かの判断を行う。手Hの検知は手検知部20によって行われる。空間形成部10における空間10aの所定位置まで手Hを挿入すると、手検知部20によって手Hの検知が行われる。所定位置まで手Hが挿入されないと手検知部20による手Hの検知は行われない。これにより、不要な検温や消毒を行うことが回避される。
【0036】
手検知部20によって手Hを検知した場合、ステップS102に示すように、手Hの検温を行う。検温は、検温部30によって行われる。
【0037】
次に、ステップS103に示すように、制御部50は、検温部30による検温の結果が一定条件を満たすか否かの判断を行う。一定条件を満たさなかった場合(ステップS103でNo)、ステップS104へ進み、報知部60から報知(警告)を行う。例えば、検温の結果が予め設定された温度(例えば、37.5℃)よりも高い場合、報知部60から報知(警告)を行う。これにより、体温が高い人に対する対応を迅速に行うことができる。
【0038】
一定条件を満たしている場合(ステップS103でYes)、ステップS105へ進む。ステップS105では、消毒液噴射部40から手Hのひらに向けて消毒液を噴射する。制御部50は、消毒液噴射部40から消毒液を噴射している間、時間を計数する。
【0039】
次に、ステップS106に示すように、制御部50は、消毒液噴射部40から消毒液を噴射している時間が一定時間経過したか否かを判断する。一定時間を経過していなかった場合(ステップS106でNo)、そのまま消毒液噴射部40からの消毒液の噴射を継続する。
一定時間を経過した場合(ステップS106でYes)、ステップS107に示すように消毒液の噴射を停止する。その後、ステップS108に示すように報知部60から報知(完了)を行う。
【0040】
次に、ステップS109に示すように、処理終了か否かの判断を行い、終了しない場合(ステップS109でNo)、ステップS101へ戻り、以降の処理を繰り返す。一方、終了する場合(ステップS109でYes)、処理を終了する。
【0041】
このような検温消毒装置1によって、空間形成部10の空間10aに手Hを位置させることで検温部30による手Hの検温と、消毒液噴射部40から手Hのひらに向けた消毒液を噴射とを行うことができる。これにより、空間形成部10の空間10aに手Hを入れる一度の動作で、検温から消毒までの一連の処理を自動的に行うことができるようになる。なわち、空間形成部10の空間10a内で検温および消毒を完結させることができる。
【0042】
また、検温消毒装置1では、空間形成部10の空間10aの所定位置に手Hを入れた状態を手検知部20で検知してから検温および消毒を行うため、手Hが空間10aに十分に挿入されていない状態で検 温および消毒を進めてしまうことがない。
したがって、手Hの検温位置を安定化させて検温の精度を高めることができる。また、手Hのひらに対して十分な消毒液をかけることができ、消毒の確実性を高めることができる。
【0043】
消毒液を噴射する際、手Hが空間10aに挿入されており、しかも空間10aが下支柱2及び上支柱3でカバーされるため、消毒液が空間形成部10の外側に漏れる(吹き出す)ことはない。したがって、消毒液が人の顔にかかることはない。
【0044】
また、制御部50は、検温部30a,30b,30cで検温した値が一定条件を満たしている場合に消毒液噴射部40a,40bから消毒液を噴射する制御を行うため、検温で一定条件を満たしていない場合には消毒を行わずに報知(警告)を行うなど、検温結果に対する対応を迅速に進めることができる。
【0045】
また、検温消毒装置1において、手検知部20および検温部30が空間10aの上側に配置されるため、余剰の消毒液が手検知部20や検温部30a,30b,30cに付着しにくく、消毒液による手検知部20および検温部30a,30b,30cへの影響を抑制することができる。
【0046】
ここで、空間形成部10は消毒液噴射部40から噴射され消毒を行ったあとの余剰の消毒液が空間形成部10の外側へ排出される排出構造を有することが好ましい。排出構造としては、噴射口がその周囲に対して高く設けられている構造等が挙げられる。これにより、噴射後の余剰の消毒液が空間形成部10の内側に溜まることが抑制される。
【0047】
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0048】
1…検温消毒装置,2…下支柱, 3…上支柱,10…空間形成部,10a…空間,20…手検知部,30a,30b,30c…検温部,40a,40b…消毒液噴射部,50…制御部,60…報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手を位置させる空間を形成する空間形成部と、
前記空間形成部の前記空間内の手を検温及び消毒可能な所定位置に手が配置されたことを検知する手検知部と、
前記手検知部とは別に設けられ、前記所定位置の上方に位置し前記所定位置に配置された手の検温を行う検温部と、
前記所定位置に配置された手のひらに上方から消毒液を噴射する消毒液噴射部と、
各部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記手検知部と、前記検温部と、前記消毒液噴射部とが前記空間形成部に設けられており、
前記検温部及び前記消毒液噴射部は、前記手検知部に対して、前記空間形成部の前記手を挿入する開口部の側に配置され、
前記空間の天井部に、複数の前記検温部と、複数の前記消毒液噴射部とが交互に、手挿入方向に沿って一直線状に配置され、
前記手検知部は、前記複数の検温部と、前記複数の消毒液噴射部と前記一直線状に配置され、
前記複数の検温部は、
前記所定位置に配置された手の手根辺りを検温する第1の検温部と、前記所定位置に配置された手の中央付近を検温する第2の検温部と、前記所定位置に配置された手の指尖球辺りを検温する第3の検温部とを含む、
検温消毒装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記手検知部で手を検知した後、前記検温部で手の検温を行い、その後、前記消毒液噴射部から前記消毒液を噴射する制御を行う、請求項1に記載の検温消毒装置。
【請求項3】
所定の報知を行う報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記検温部で検温した値が一定条件を満たしたか否かの情報を前記報知部から報知する制御を行う、請求項1又は請求項2に記載の検温消毒装置。
【請求項4】
複数の前記検温部の検温した値のうち最も高い値が一定条件を満たしたか否かの情報を前記報知部から報知する制御を行う、
請求項3に記載の検温消毒装置。
【請求項5】
前記検温部は、少なくとも手のひら検温を行う、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検温消毒装置。
【請求項6】
前記空間形成部は前記消毒液噴射部から噴射され消毒を行ったあとの余剰の消毒液が前記空間形成部の外側へ排出される排出構造を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の検温消毒装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、手を位置させる空間を形成する空間形成部と、前記空間形成部の前記空間内の手を検温及び消毒可能な所定位置に手が配置されたことを検知する手検知部と、前記手検知部とは別に設けられ、前記所定位置の上方に位置し前記所定位置に配置された手の検温を行う検温部と、前記所定位置に配置された手のひらに上方から消毒液を噴射する消毒液噴射部と、各部の動作を制御する制御部と、を備え、前記手検知部と、前記検温部と、前記消毒液噴射部とが前記空間形成部に設けられており、前記検温部及び前記消毒液噴射部は、前記手検知部に対して、前記空間形成部の前記手を挿入する開口部の側に配置され、
前記空間の天井部に、複数の前記検温部と、複数の前記消毒液噴射部とが交互に、手挿入方向に沿って一直線状に配置され、前記手検知部は、複数の前記検温部と、複数の前記消毒液噴射部と前記一直線状に配置され、前記複数の検温部は、前記所定位置に配置された手の手根辺りを検温する第1の検温部と、前記所定位置に配置された手の中央付近を検温する第2の検温部と、前記所定位置に配置された手の指尖球辺りを検温する第3の検温部とを含む、検温消毒装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】