(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115191
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】表示操作部、装置、及び表示操作プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220802BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220802BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20220802BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20220802BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/041 580
G06F3/042 480
G06F3/0488
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011689
(22)【出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】江原 和明
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA10
5E555AA74
5E555AA76
5E555BA31
5E555BB31
5E555BC01
5E555BC13
5E555BC16
5E555CA12
5E555CA17
5E555CA42
5E555CA43
5E555CB12
5E555CB20
5E555CB23
5E555CB33
5E555CB68
5E555CC01
5E555DB41
5E555DD08
5E555EA05
5E555EA07
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示部への接触を回避することができる。
【解決手段】操作画面を表示する表示部21と、操作画面に対する接触操作又は近接操作を検知する第一操作部31と、操作画面に対する離間操作を検知する第二操作部41と、第一操作部31と第二操作部42とを切り替える切替部と、第二操作部41から第一操作部31に切り替える制御部とを備え、制御部は、第一操作部31に切り替えた後で、取引処理を実行する。また、切替部は、ハードウェアによって構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を表示する表示部と、
前記操作画面に対する接触操作又は近接操作を検知する第一操作部と、
前記操作画面に対する離間操作を検知する第二操作部と、
前記第一操作部と前記第二操作部とを切り替える切替部とを備え、
前記切替部は、ハードウェアによって構成されている
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項2】
請求項1に記載の表示操作部であって、
前記切替部は、前記第一操作部、及び前記第二操作部をマニュアルスイッチで切り替えるものである
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の表示操作部であって、
前記第一操作部と前記第二操作部とは重ねられている
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項4】
操作画面を表示する表示部と、
前記操作画面に対する接触操作又は近接操作を検知する第一操作部と、
前記操作画面に対する離間操作を検知する第二操作部と、
前記第一操作部と前記第二操作部とを切り替える制御部とを備え、
前記制御部は、前記第一操作部、及び前記第二操作部の何れを用いるかの旨の表示を前記表示部に行わせ、前記第一操作部、及び前記第二操作部の何れか一方又は双方の操作部で選択された操作部に切り替える
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項5】
請求項4に記載の表示操作部であって、
前記制御部は、前記第二操作部に切り換えた状態で、前記第一操作部、及び前記第二操作部の何れを用いるかの旨の表示を前記表示部に行わせ、前記第二操作部で選択された操作部に切り替える
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項6】
操作画面を表示する表示部と、
前記操作画面に対する接触操作又は近接操作を検知する第一操作部と、
前記操作画面に対する離間操作を検知する第二操作部と、
前記第二操作部から前記第一操作部に切り替える
制御部とを備える
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項7】
請求項6に記載の表示操作部であって、
前記制御部は、前記第一操作部に切り替えた後で、取引処理を実行する
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の表示操作部であって、
前記表示部の表示面は、矩形状を呈しており、
少なくとも前記第二操作部は、
前記表示面を構成する第一縁部に沿って線状に配置される複数の第一赤外線発光素子と、
前記第一縁部に対向する第二縁部に沿って線状に配置され、何れかの前記第一赤外線発光素子が発光する赤外光を受光する複数の第一赤外線受光素子と、
前記表示面を構成する第三縁部に沿って線状に配置される複数の第二赤外線発光素子と、
前記第三縁部に対向する第四縁部に沿って線状に配置され、何れかの前記第二赤外線発光素子が発光する赤外光を受光する複数の第二赤外線受光素子とを有する
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の表示操作部を備えた装置。
【請求項10】
操作画面を表示する表示部と、前記操作画面に対する接触操作又は近接操作を検知する第一操作部と、前記操作画面に対する離間操作を検知する第二操作部とを備えた表示操作部の制御部に実行させる表示操作プログラムであって、
前記第一操作部、及び前記第二操作部の何れを用いるかの旨の表示を前記表示部に行わせ、前記第一操作部、及び前記第二操作部の何れか一方又は双方の操作部で選択された操作部に切り替えることを実行させる
ことを特徴とする表示操作プログラム。
【請求項11】
操作画面を表示する表示部と、前記操作画面に対する接触操作又は近接操作を検知する第一操作部と、前記操作画面に対する離間操作を検知する第二操作部とを備えた表示操作部の制御部に実行させる表示操作プログラムであって、
前記第二操作部から前記第一操作部に切り替えることを実行させる
ことを特徴とする表示操作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示操作部、装置、及び表示操作プログラムに関し、例えば、タッチパネル入力装置付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2には、表示装置の上に、2つの光学式入力装置を2段に重ねたタッチパネル入力装置が開示されている。例えば、特許文献1に記載のタッチパネル入力装置は、フリック動作(画面のスクロール動作)により、操作面CP上で指が移動したときに、走査光路面SL1から走査光路面SL2に切り替えるものである。また、特許文献2には、触れる位置を予め表示して操作者にフィードバックするようにして、操作者による誤入力を減少させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015―055986号公報(
図8,12、段落0073,0087,0088)
【特許文献2】特開平6-4214号公報(
図10,11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今、感染症予防の観点から、衛生面に対する意識が高まっている。タッチパネル入力装置を搭載する装置においても、画面に接触することなく衛生的に入力操作を行いたいという要望が高まっている。
【0005】
そこで、特許文献1に記載のタッチパネル入力装置を適用することを考える。しかしながら、特許文献1に記載のタッチパネル入力装置は、2段の走査光路面SL1,SL2を切り替えて使用するものであり、表示部としての操作面CPに対する指の接触を前提にしている。そのため、衛生的な入力操作を行うことができない。
【0006】
本発明は、表示部への接触を回避することができる表示操作部、装置、及び表示操作プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、第1発明の表示操作部は、操作画面を表示する表示部と、前記操作画面に対する接触操作又は近接操作を検知する第一操作部と、前記操作画面に対する離間操作を検知する第二操作部と、前記第一操作部と前記第二操作部とを切り替える切替部とを備え、前記切替部は、ハードウェアによって構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、第2発明の表示操作部は、操作画面を表示する表示部と、前記操作画面に対する接触操作又は近接操作を検知する第一操作部と、前記操作画面に対する離間操作を検知する第二操作部と、前記第一操作部と前記第二操作部とを切り替える制御部とを備え、前記制御部は、前記第二操作部から前記第一操作部に切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示部への接触を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態である装置の一例を示す外観図である。
【
図2】本発明の第1実施形態である装置の表示操作部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態である装置の表示操作部を用いた選択操作を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態である表示操作部の断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態である表示操作部の平面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態である表示操作部の構成図である。
【
図7】本発明の第1実施形態である表示操作部の動作を説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の第2実施形態である装置の外観図である。
【
図9】本発明の第2実施形態である装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第2実施形態である表示操作部の構成図である。
【
図11】本発明の第3実施形態である表示操作部の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態につき詳細に説明する。なお、各図は、本実施形態を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
(構成の説明)
図1は、本発明の第1実施形態である装置の一例を示す外観図である。
装置200は、空港等で使用される自動チェックイン機である。装置200は、表示操作部100と、非接触ICカードリーダ5と、レシートプリンタ6と、磁気カードリーダ7と、これらを取り付ける筐体1とを有している。なお、表示操作部100には、操作画面3が表示される。表示操作部100は、操作画面3に指を接触させて入力操作する接触操作モードと、操作画面3から指を離間して入力操作する離間操作モード(非接触操作モード)とを切り替えて使用するものである。
【0013】
図2は、その表示操作部100(
図1)に表示される操作画面3の一例を示す図であり、
図3は、本発明の第1実施形態である装置200(
図1)の表示操作部100を用いた選択操作を示す斜視図である。
「画面操作選択」画面3aは、操作画面3(
図1)の一例であり、取引の最初に表示される画面である。「画面操作選択」画面3a(
図2)は、例えば、文字列「画面操作選択」と、「接触」ボタン11と、「非接触」ボタン12とから構成される。表示操作部100は、「画面操作選択」画面3aの表示時には、離間操作モードで動作しており、操作者が指で「接触」ボタン11を指示すると、接触操作モードで動作するように構成されている。また、操作者が指で「画面操作選択」画面3aの表示時に「非接触」ボタン12を指示すると、離間操作モードでの動作が継続される。
【0014】
図4は、本発明の第1実施形態である表示操作部100の断面図であり、
図5は、本発明の第1実施形態である表示操作部100の平面図である。また、
図4は、
図5のIV-IV線に対応する断面図である。
表示操作部100は、表示部21と、2つのタッチパネル入力装置31、41とを備えて構成される。タッチパネル入力装置31は、表示部21の表示面縁部に配設されている。タッチパネル入力装置41は、タッチパネル入力装置31の上部に重ねて配設されている。つまり、タッチパネル入力装置41は、タッチパネル入力装置31と同様に表示部21の表示面縁部に配設されている。
【0015】
表示部21は、XY面に沿って配設された矩形状の表示面21aを有し、表示面21aは、互いに直交する縁部22,23と、縁部22,23にそれぞれ対向する縁部24,25とを有している。下段のタッチパネル入力装置31は、縁部22,23に沿って配設される赤外線受光素子群33,33と、縁部24,25に沿って配設される赤外線発光素子群32,32とを有している。タッチパネル入力装置31の赤外線発光素子群32と赤外線受光素子群33は、高さHの間に配置され、かつ、赤外線発光素子群42と赤外線受光素子群43よりも表示面21aに近接している。
【0016】
縁部22に沿って配設される赤外線受光素子群33は、複数の赤外線受光素子33aから構成される。縁部23に沿って配設される赤外線受光素子群33は、複数の赤外線受光素子33bから構成される。縁部24に沿って配設される赤外線発光素子群32は、複数の赤外線発光素子32cから構成される。縁部25に沿って配設される赤外線発光素子群32は、複数の赤外線発光素子32dから構成される。
【0017】
ここで、複数の赤外線発光素子32c,32dは、順次、発光するように走査されており、各々の赤外線発光素子32c,32dが照射する照射光は、拡がり角を有している。そのため、複数の赤外線受光素子33a,33bは、何れかの赤外線発光素子32c,32dが順次、発光する赤外線の強度分布で受光する。
【0018】
この状態で、操作者の手指で表示部21の表示面21aがタッチされると、複数の赤外線受光素子33a,33bが受光する強度分布が変化するので、タッチ位置を検出することができる。
【0019】
同様に、上段のタッチパネル入力装置41は、縁部22,23に沿って配設される赤外線発光素子群42,42と、縁部24,25に沿って配設される赤外線受光素子群43,43とを有している。縁部22に沿って配設される赤外線発光素子群42は、複数の赤外線発光素子42aから構成される。縁部23に沿って配設される赤外線発光素子群42は、複数の赤外線発光素子42bから構成される。縁部24に沿って配設される赤外線受光素子群43は、複数の赤外線受光素子43cから構成される。縁部25に沿って配設される赤外線受光素子群43は、複数の赤外線受光素子43dから構成される。このように、上段のタッチパネル入力装置41と下段のタッチパネル入力装置31とでは、赤外線の照射方向が逆方向になっている。なお、
図5に示す発光素子及び受光素子の配置はあくまで例示であり、
図5とは異なる配置にしてもよい。
【0020】
タッチパネル入力装置31は、表示部21の表示面縁部に配設されているので、表示部21の表示面21aへの手指の接触を検知する。また、タッチパネル入力装置31が有する複数の赤外線発光素子32及び複数の赤外線受光素子33は、表示部21の表示面21aに近接配置しているので、表示部21の表示面21aへの手指の近接をも検知する。つまり、タッチパネル入力装置31は、表示部21の表示面21aへの手指の接触操作及び近接操作を検出する。また、タッチパネル入力装置41が有する複数の赤外線発光素子42及び複数の赤外線受光素子43は、表示部21の表示面21aから高さHだけ離間している。そのため、タッチパネル入力装置41は、表示部21の表示面21aへの手指の離間操作を検出する。
【0021】
図6は、本発明の第1実施形態である表示操作部の構成図である。
表示操作部100は、表示部21と、2つのタッチパネル入力装置31,41と、切替部52と、制御部50(50a)とを備える。表示部21は、制御部50aが出力するRGB信号、DP信号(Display Port信号)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)信号等の映像信号で画像を表示する。
【0022】
切替部52は、2つのシリアル信号(例えば、USB1信号,USB2信号)の何れかをS信号(セレクタ信号)で選択して、シリアル信号(例えば、USB0信号)を出力するハードウェア機器である。タッチパネル入力装置31,41と切替部52とは、USB(Universal Serial Bus)ケーブルで接続される。切替部52と制御部50aとは、USBケーブルで接続される。
【0023】
制御部50aは、不図示のCPU(Central Processing Unit)及び不図示の記憶部と、入出力ポート53等で構成されている。制御部50aは、記憶部に格納されたプログラムを実行することにより、選択制御部54、表示処理部55、操作処理部56、取引処理部57の機能を実現する。
【0024】
選択制御部54は、入出力ポート53を介して切替部52を制御し、2つのシリアル信号を選択するS信号を出力する。選択制御部54は、入出力ポート53を制御する機能部である。表示処理部55は、表示部21に表示させる画像データを生成し、映像信号(例えば、RGB信号)として出力する機能部である。操作処理部56は、タッチパネル入力装置31,41から入力されるデータを用いて、利用者の操作内容を解析する機能部である。取引処理部57は、
図1の外観図に示す表示操作部100、非接触ICカードリーダ5、レシートプリンタ6、磁気カードリーダ7等を用いた取引処理(例えば、自動チェックイン機としての処理)を実行する機能部である。なお、操作処理部56は、選択制御部54を含めても構わない。
【0025】
図7は、本発明の第1実施形態である表示操作部の動作を説明するフローチャートである。
このフローは、装置200(
図1)で使用される、所定の業務ソフトが実行される時に起動する。
制御部50aは、切替部52にタッチパネル入力装置41を選択させ(S101)、「画面操作選択」画面3a(
図2)を表示部21に表示させる(S102)。これにより、表示操作部100は、「離間操作」を検出可能な状態に設定される。S102の処理後、制御部50aは、接触と非接触との何れのタッチ入力が選択されたかの判定を行う(S103)。つまり、制御部50aは、「接触」ボタン11(
図2)と「非接触」ボタン12(
図2)との何れのボタンが非接触で選択されたかの判定を行う(S103)。
【0026】
「接触」ボタン11が選択されたら(S103で「接触」)、制御部50aは、切替部52にタッチパネル入力装置31を選択させる(S104)。一方、「非接触」ボタン12が選択されたら(S103で「非接触」)、タッチパネル入力装置41の選択(S101)を維持する。これにより、表示操作部100は、「接触操作」を検出するか「離間操作」を検出するかの設定が成される。なお、S101において、タッチパネル入力装置41は、「離間操作」の検出に設定されるので、表示操作部100は、離間操作モードから接触操作モードに遷移するが、接触操作モードから離間操作モードには遷移しない。
【0027】
S103で「非接触」と判定されたり、S104の処理が行われたりした後、制御部50aは、通常の取引処理(例えば、自動チェックイン処理や現金取引等)を実行し(S105)、業務ソフトが終了されたか否かを監視し、その判定を行う(S106)。業務ソフトが終了されなければ(S106でNo)、制御部50aは、処理をS101に戻し、切替部52にタッチパネル入力装置41を選択させる。これにより、次の使用者が装置200を操作する準備が整う。一方、業務ソフトの終了により、制御部50aは、処理を終了する。なお、
図7での業務終了の判定はあくまで例示であり、
図7に示す処理とは別の処理で判定されてもよい。
【0028】
以上説明したように、本実施形態の表示操作部100は、2段に重ねたタッチパネル入力装置31,41の何れか一方に切り替えて使用するものである。タッチパネル入力装置31は、表示部21の表示面21aに配設されたものであり、操作者が「接触操作」又は「近接操作」を行うときに使用するものである。一方、タッチパネル入力装置41は、タッチパネル入力装置31に重ねて配設されたものであり、操作者が「離間操作」を行うときに使用するものである。
【0029】
なお、特許文献2に記載のタッチパネル入力装置では、表示面と赤外線発光素子及び赤外線受光素子の間に、視差による誤差が生じたり、一度タッチパネル入力検知のセンサ高さを超えて表示面に近付けた指をそのままセンサ高さから離さずに連続して入力を試みたときに、2つ目以降のタッチ操作が検知されなかったりという問題点があった。しかしながら、本実施形態の表示操作部100であれば、このような問題点(視差による誤動作や不検知)が無い。
【0030】
操作者が使用する前には、予め、タッチパネル入力装置41を使用する「離間操作」が選択されており(S101)、表示画面(「画面操作選択」画面3a(
図2))には、「接触」ボタン11及び「非接触」ボタン12が表示されている(S102)。これにより、表示部21の表示面21aに接触することなく、一連の業務処理に先立って、衛生的に「接触操作」と「離間操作」とを選択させることができる。
【0031】
(第2実施形態)
前記第1実施形態の装置200では、「画面操作選択」画面3a(
図2)に表示された「接触」ボタン11及び「非接触」ボタン12を用いて、接触操作又は近接操作と離間操作とを切り替えたが、フットスイッチを用いて切り替えることもできる。
【0032】
図8は、本発明の第2実施形態である装置の外観図であり、
図9は、本発明の第2実施形態である装置の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
装置201は、前記第1実施形態の装置200(
図1)と同様に、表示操作部101を備えるが、さらにマニュアルスイッチ4を備える点で相違する。マニュアルスイッチ4は、使用者が操作する機械的スイッチ(例えばフットスイッチ)である。
【0033】
表示操作部101は、「画面操作選択」画面3bを表示する。「画面操作選択」画面3b(
図9)には、例えば、文字列「ペダルを踏んでいる間、画面操作を非接触操作モードから離間操作モードに切り替えることができます」と表示される。なお、「画面操作選択」画面3bは、マニュアルスイッチ4を用いて接触/非接触を選択する操作を操作者に促すものであり、選択操作を行うものではない。
【0034】
図10は、本発明の第2実施形態である表示操作部の構成図である。
表示操作部101は、前記第1実施形態の表示操作部100(
図6)と同様に、表示部21と、タッチパネル入力装置31,41と、切替部52と、制御部50bとを備え、さらに、マニュアルスイッチ4を備える。
【0035】
制御部50bは、前記第1実施形態の制御部50a(
図6)と同様に、表示処理部55、操作処理部56、取引処理部57の機能を実現するが、選択制御部54の機能を実現しない。また、切替部52には、マニュアルスイッチ4が接続されている。つまり、本実施形態の表示操作部101は、選択制御部54の代わりに、マニュアルスイッチ4を用いて、タッチパネル入力装置31,41の切替えを行うように構成されている。また、マニュアルスイッチ4と切替部52とは、足で操作しないときに、タッチパネル入力装置41が機能し、足で操作している間はタッチパネル入力装置31が機能するように接続されている。すなわち、制御部50bは、足で操作しないときには離間操作モードで動作しており、足で操作している間に離間操作モードによる動作から接触操作モードによる動作に切り替わる。
【0036】
(動作説明)
装置201を起動すると、切替部52はタッチパネル入力装置41を選択させる状態、すなわち「離間操作」できる状態で一連の通常業務を開始する。そして、通常業務を行っている場合に、一時的に「接触操作」を行うときには、マニュアルスイッチ4の操作によって接触操作モードを選択させ、切替部52がタッチパネル入力装置31に切り替える。このように、表示操作部101は、離間操作モードから接触操作モードに遷移し、接触操作モードから離隔操作モードに遷移する。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、操作者自身が一連の業務処理の最中にあっても、マニュアルスイッチの操作によって、離間操作モードから接触操作モードに切り替えることができる。また、本実施形態では、プログラム(業務ソフトウェア)を何ら変更することなく、離間操作モードと接触操作モードとを切り替えることができる。
【0038】
(第3実施形態)
前記第1実施形態の表示操作部100は、ハードウェアの切替部52を設け、タッチパネル入力装置31,41の切替えを行っていたが、プログラムを用いて切り替えることもできる。
【0039】
図11は、本発明の第3実施形態である表示操作部の構成図である。
表示操作部102は、前記第1実施形態の表示操作部100(
図6)と同様に、表示部21と、タッチパネル入力装置31,41と、制御部50cとを備えるが、切替部52を有していない。
【0040】
制御部50cは、前記第1実施形態の制御部50a(
図6)と同様に、表示処理部55、操作処理部56、取引処理部57の機能を実現するが、さらに切替制御部58の機能も実現する点で相違する。切替制御部58は、タッチパネル入力装置31,41と接続し、適宜、タッチパネル入力装置31,41が通信する入出力信号(USB1信号、USB2信号)の何れか選択した信号によって操作処理部56と通信する。なお、本実施形態のフローチャートは、前記第1実施形態のフローチャート(
図7)と同様である。
【0041】
本実施形態の表示操作部102によれば、前記第1実施形態の表示操作部101と同様に、表示部21の表示面21aに接触することなく、一連の業務処理に先立って、衛生的に「接触操作」と「離間操作」とを選択することができる。また、表示操作部100は、「離間操作」から「接触操作」に遷移するが、「接触操作」から「離間操作」には遷移しない。
【0042】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が可能である。
(1)前記第1実施形態の装置200(
図1)では、一連の通常業務処理の前に、使用するタッチパネル入力装置を選択させる例を説明したが、業務処理中の各画面にも選択ボタンを設けて、操作内容に応じて操作者が選択できるようにしてもよい。例えば、ソフトキーボードや番号入力時にその選択ボタンを設けることによって、連続した入力を行なう時に、都度、指を表示画面から離して設けたタッチパネル入力装置の感応距離以上に離すことなく操作することができる。
【0043】
さらに、操作者が事前に登録したタッチパネル入力装置に切り替わるようにしてもよい。例えば、非接触ICカードリーダや磁気カードリーダ等で操作者のカードを読み取ることや、不図示のカメラを使用した顔認証等により操作者を特定し、操作者が事前に登録したタッチパネル入力装置に切り替えることによって、都度、操作者に選択させることなく業務処理を行うことができる。
【0044】
(2)前記第2実施形態の装置201(
図8)では、フットスイッチ(ペダル型切り替えスイッチ)の例を説明したが、手で触れて操作するスイッチであっても、手で触れずに操作できるセンサ型スイッチであってもよい。また、マニュアルスイッチ4を操作している間だけ、切替部52による切り替えが行われる例を説明したが、ロック型スイッチのように操作すると操作状態が保持され、再度操作することで操作状態が解除されるようなスイッチであってもよく、例えばスイッチを操作することで離間操作モードから接触操作モードに切り替えられると共にスイッチがロックされることで切り替えられた離間操作モードが保持され、再度スイッチを操作することでロックが解除され接触操作モードから離間操作モードに切り替えるようにしてもよい。
【0045】
さらに、トグル型スイッチのように操作毎に切り替わるスイッチであってもよい。この装置は、例えばスイッチを操作することで離間操作モードから接触操作モードに切り替えられ、再度スイッチを操作することで接触操作モードから離間操作モードに切り替えられるようにしたものでもよい。これらの場合、表示操作部が表示する「画面操作選択」画面には、例えば、文字列「ペダルを踏むことで、画面操作を離間操作モードから接触操作モードに切り替えることができます。離間操作モードに戻す場合は再度ペダルを踏んでください。」などと表示されてもよい。
【0046】
(3)前記第1,2,3実施形態では、赤外線方式のタッチパネル入力装置31,41を2段重ねにした例で説明したが、タッチパネル入力装置は赤外線方式(光学式)以外でもよい。また、タッチパネル入力装置31とタッチパネル入力装置41とは、それぞれ方式が異なっていてもよい。
【0047】
(4)前記第1,3実施形態では、通常取引処理を行う前に、予め切替部52にタッチパネル入力装置41を選択させていたが(S101)、タッチパネル入力装置31を選択させても構わない。このときには、手指が表示部21の表示面21aに接触する「接触操作」によって、離間操作モードと接触操作モードとを切り替えることになる。
【0048】
(5)前記各実施形態の装置200,201は、自動チェックイン機を例示していたが、タッチパネル式表示装置があれば、どのような装置であっても構わない。具体的には、例えばATM(Automated Teller Machine)等の自動取引装置や画像形成装置であってもよい。さらに、より小型の装置であっても構わない。
【符号の説明】
【0049】
3 操作画面
4 マニュアルスイッチ
21 表示部
22,23,24,25 縁部
31 タッチパネル入力装置(第一操作部)
41 タッチパネル入力装置(第二操作部)
32,32c,32d 赤外線発光素子(第一赤外線発光素子)
33,33a,33b 赤外線受光素子(第一赤外線受光素子)
42,42c,42d 赤外線受光素子(第二赤外線受光素子)
43,43a,43b 赤外線発光素子(第二赤外線受光素子)
50,50a,50b,50c 制御部
52 切替部
100,101,102 表示操作部
200,201 装置