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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115255
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】窒化物半導体発光素子
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/20 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
H01S5/20 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021011771
(22)【出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】深町 俊彦
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AA46
5F173AF24
5F173AF33
5F173AF36
5F173AF40
5F173AF76
5F173AF95
5F173AH22
5F173AP16
5F173AP33
5F173AR23
5F173AR62
5F173AR71
5F173AR99
(57)【要約】
【課題】窒化物半導体発光素子の発熱を低減し、スロープ効率を向上させる。
【解決手段】一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、第1導電型窒化物半導体層と、前記第1導電型窒化物半導体層上に位置する活性層と、前記活性層上に位置する第2導電型窒化物半導体層と、前記第2導電型窒化物半導体層の一部に位置する電流狭窄層と、前記第2導電型窒化物半導体層上に位置し、前記活性層で発生される光に透明な透明導電層とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型窒化物半導体層と、
前記第1導電型窒化物半導体層上に位置する活性層と、
前記活性層上に位置する第2導電型窒化物半導体層と、
前記第2導電型窒化物半導体層の一部に位置する電流狭窄層と、
前記第2導電型窒化物半導体層上に位置し、前記活性層で発生される光に透明な透明導電層とを備えることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
【請求項2】
前記第1導電型窒化物半導体層、前記活性層、第2導電型窒化物半導体層および前記透明導電層の各端面に形成された端面保護膜をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項3】
前記電流狭窄層の下面は、前記第2導電型窒化物半導体層の上面より低い位置に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項4】
前記電流狭窄層は、前記活性層で発生される光の導波方向に沿った開口部を有するように形成され、前記第2導電型窒化物半導体層は前記開口部に埋め込まれていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項5】
第1導電型窒化物半導体層と、
前記第1導電型窒化物半導体層上に位置する活性層と、
前記活性層上に位置する第2導電型窒化物半導体層と、
前記第2導電型窒化物半導体層上に位置し、前記活性層で発生される光に透明な透明導電層と、
前記透明導電層の一部に位置する電流狭窄層と、
前記第1導電型窒化物半導体層、前記活性層、第2導電型窒化物半導体層および前記透明導電層の各端面に形成された端面保護膜とを備えることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
【請求項6】
前記透明導電層は、前記活性層上のガイド層またはクラッド層の少なくともいずれか1つとして用いられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項7】
前記電流狭窄層は、前記第2導電型窒化物半導体層の端面側において、前記活性層の発光部上にも位置することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項8】
前記電流狭窄層は、光の導波方向に沿うように位置し、前記第2導電型窒化物半導体層の端面側に連続することを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項9】
前記第2導電型窒化物半導体層は、前記電流狭窄層と前記活性層との間に延在することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項10】
前記第1導電型はn型、前記第2導電型はp型であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項11】
前記電流狭窄層が存在しない位置におけるp型窒化物半導体層の厚さは、40nm以上550nm以下であることを特徴とする請求項10に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項12】
前記第1導電型はp型、前記第2導電型はn型であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項13】
前記電流狭窄層が存在しない位置におけるn型窒化物半導体層の厚さは、5nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項12に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項14】
前記透明導電層は、In、Sn、Zn、Ti、NbおよびZrから選択される少なくともいずれか1つの元素を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項15】
前記透明導電層は、光伝搬時の垂直横モードを閉じ込め可能な範囲内で薄膜化されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【請求項16】
前記透明導電層の厚さは、80nm以上120nm以下であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
露光機用の光源として、青紫レーザダイオードの採用が進んでいる。この青紫レーザダイオードには高出力化および高信頼化が求められており、さらなる発熱の抑制および高スロープ効率化が求められている。
特許文献1には、p型GaNガイド層、p型AlGaNクラッド層およびp型GaNコンタクト層を活性層上に順次形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3785970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、p側電極とコンタクトをとるためにp型GaNコンタクト層が設けられている。このため、レーザ光の垂直横モードがp型GaNコンタクト層側に引っ張られ、レーザ光の増幅効率の低下を招いていた。
また、特許文献1に開示された構成では、p型AlGaNクラッド層が薄いと、レーザ光の垂直横モードがp側電極にかかり、光損失を招いていた。
【0005】
一方、レーザ光の伝搬モードがp型GaNコンタクト層側に引っ張られたり、p側電極にかかったりするのを防止するため、p型AlGaNクラッド層を厚くすると、その分だけ抵抗および光損失が増大し、発熱が増大するとともに、スロープ効率の低下を招いていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、発熱を低減し、スロープ効率を向上させることが可能な窒化物半導体発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、第1導電型窒化物半導体層と、前記第1導電型窒化物半導体層上に位置する活性層と、前記活性層上に位置する第2導電型窒化物半導体層と、前記第2導電型窒化物半導体層の一部に位置する電流狭窄層と、前記第2導電型窒化物半導体層上に位置し、前記活性層で発生される光に透明な透明導電層とを備える。
【0008】
これにより、第2導電型窒化物半導体層の厚膜化を抑制しつつ、光伝搬方向に対して垂直方向の垂直横モードを透明導電層にて閉じ込めることが可能となる。また、電極とコンタクトをとるためのコンタクト層を透明導電層上に設ける必要がなくなるとともに、透明導電層を介して活性層に注入される電流の抵抗を低減することができる。さらに、活性層に注入される電流を電流狭窄層にて狭窄し、発光領域に電流を効率よく注入することが可能となるとともに、光伝搬方向に対して水平方向の水平横モードを電流狭窄層間に閉じ込めることが可能となる。このため、窒化物半導体発光素子の発熱を低減することが可能となるとともに、光伝搬時の光損失を低減し、スロープ効率を向上させることができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記第1導電型窒化物半導体層、前記活性層、第2導電型窒化物半導体層および前記透明導電層の各端面に形成された端面保護膜をさらに備える。
【0010】
これにより、垂直横モードの分布を維持しつつ導波光を反射させることができ、光損失を低減することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記電流狭窄層の下面は、前記第2導電型窒化物半導体層の上面より低い位置に設定されている。
【0012】
これにより、活性層に注入される電流を電流狭窄層にて狭窄し、発光領域に電流を効率よく注入することが可能となるとともに、光伝搬方向に対して水平方向の水平横モードを電流狭窄層間に閉じ込めることが可能となる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記電流狭窄層は、前記活性層で発生される光の導波方向に沿った開口部を有するように形成され、前記第2導電型窒化物半導体層は前記開口部に埋め込まれている。
【0014】
これにより、光伝搬方向に対して垂直方向の垂直横モードを透明導電層にて閉じ込めることを可能としつつ、光伝搬方向に対して水平方向の水平横モードを電流狭窄層間に閉じ込めることが可能となり、光伝搬時の光損失を低減することができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、第1導電型窒化物半導体層と、前記第1導電型窒化物半導体層上に位置する活性層と、前記活性層上に位置する第2導電型窒化物半導体層と、前記第2導電型窒化物半導体層上に位置し、前記活性層で発生される光に透明な透明導電層と、前記透明導電層の一部に位置する電流狭窄層と、前記第1導電型窒化物半導体層、前記活性層、第2導電型窒化物半導体層および前記透明導電層の各端面に形成された端面保護膜とを備える。
【0016】
これにより、第2導電型窒化物半導体層の厚膜化を抑制しつつ、光伝搬方向に対して垂直方向の垂直横モードを透明導電層にて閉じ込めることが可能となるとともに、垂直横モードの分布を維持しつつ導波光を端面保護膜にて反射させることができる。また、電極とコンタクトをとるためのコンタクト層を透明導電層上に設ける必要がなくなるとともに、透明導電層を介して活性層に注入される電流の抵抗を低減することができる。さらに、電流狭窄層の形成後に再度の結晶成長を行うことなく、活性層に注入される電流を電流狭窄層にて狭窄し、発光領域に電流を効率よく注入することが可能となる。このため、工程数の増大を抑制しつつ、窒化物半導体発光素子の発熱を低減することが可能となるとともに、光伝搬時の光損失を低減し、スロープ効率を向上させることができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記透明導電層は、前記活性層上のガイド層またはクラッド層の少なくともいずれか1つとして用いられる。
【0018】
これにより、光伝搬時の垂直横モードを透明導電層にて閉じ込めることを可能としつつ、第2導電型窒化物半導体層のガイド層またはクラッド層を除去することができ、第2導電型窒化物半導体層を介して活性層に注入される電流の抵抗を低減することができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記電流狭窄層は、前記第2導電型窒化物半導体層の端面側において、前記活性層の発光部上にも位置する。
【0020】
これにより、窒化物半導体発光素子をウェハから切り出す際の劈開異常を低減することが可能となるとともに、端面の発熱を抑制し、端面破壊を抑制することができる。
【0021】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記電流狭窄層は、光の導波方向に沿うように位置し、前記第2導電型窒化物半導体層の端面側に連続する。
【0022】
これにより、電流狭窄層の1回のパターニングに基づいて、水平横モードを電流狭窄層間に閉じ込めることが可能となるとともに、電流非注入領域を端面側に形成することができ、電流非注入領域の作製にかかる工程数の増大を抑制することができる。
【0023】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記第2導電型窒化物半導体層は、前記電流狭窄層と前記活性層との間に延在する。
【0024】
これにより、電流狭窄層を薄膜化しつつ、再結合に必要な空乏層を第2導電型窒化物半導体層に確保することができる。このため、発光効率を低下させることなく、電流狭窄層との格子定数の不整合に起因して第2導電型窒化物半導体層にかかる応力を低減することができる。
【0025】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記第1導電型はn型、前記第2導電型はp型である。
【0026】
これにより、電流注入側のキャリアとして、電子に比べ移動度が小さな正孔を用いることができる。このため、電流狭窄層を薄膜化しつつ、p型窒化物半導体層における電流狭窄効果を得ることができ、電流狭窄層との格子定数の不整合に起因してp型窒化物半導体層にかかる応力を低減することができる。
【0027】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記電流狭窄層が存在しない位置におけるp型窒化物半導体層の厚さは、40nm以上550nm以下である。
【0028】
ここで、p型窒化物半導体層の厚さを40nm以上とすることにより、再結合に必要な空乏層をp型窒化物半導体層に確保することができ、発光効率の低下を防止することができる。p型窒化物半導体層の厚さを550nm以下とすることにより、p型窒化物半導体層を介して活性層に注入される電流の抵抗を低減することができ、窒化物半導体発光素子の発熱を低減することができる。
【0029】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記第1導電型はp型、前記第2導電型はn型である。
【0030】
これにより、n型窒化物半導体層の厚膜化を抑制しつつ、光伝搬方向に対して垂直方向の垂直横モードを透明導電層にて閉じ込めることが可能となり、窒化物半導体発光素子の発熱を低減することが可能となるとともに、光伝搬時の光損失を低減し、スロープ効率を向上させることができる。
【0031】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記電流狭窄層が存在しない位置におけるn型窒化物半導体層の厚さは、5nm以上150nm以下である。
【0032】
ここで、n型窒化物半導体層の厚さを5nm以上とすることにより、再結合に必要な空乏層をn型窒化物半導体層に確保することができ、発光効率の低下を防止することができる。n型窒化物半導体層の厚さを150nm以下とすることにより、n型窒化物半導体層を介して活性層に注入される電流の抵抗を低減することができ、窒化物半導体発光素子の発熱を低減することができる。
【0033】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記透明導電層は、In、Sn、Zn、Ti、NbおよびZrから選択される少なくともいずれか1つの元素を含む。
【0034】
これにより、導電性を確保しつつ、活性層で発生される光に透明な透明導電層を形成することが可能となる。
【0035】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記透明導電層は、光伝搬時の垂直横モードを閉じ込め可能な範囲内で薄膜化されている。
【0036】
これにより、第2導電型窒化物半導体層の厚膜化を抑制しつつ、光伝搬方向に対して垂直方向の垂直横モードを透明導電層にて閉じ込めることが可能となるとともに、透明導電層を介して活性層に注入される電流の抵抗を低減することができる。このため、窒化物半導体発光素子の発熱を低減することが可能となるとともに、光伝搬時の光損失を低減し、スロープ効率を向上させることができる。
【0037】
また、本発明の一態様に係る窒化物半導体発光素子によれば、前記透明導電層の厚さは、80nm以上120nm以下である。
【0038】
ここで、透明導電層の厚さを80nm以上とすることにより、光伝搬方向に対して垂直方向の垂直横モードを透明導電層にて閉じ込めることが可能となる。透明導電層の厚さを120nm以下とすることにより、透明導電層を介して活性層に注入される電流の抵抗を低減することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の一態様においては、窒化物半導体発光素子の発熱を低減し、スロープ効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に垂直に切断して示す断面図である。
図2】(a)は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に沿って切断して示す断面図、(b)は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の各層の屈折率を示す図である。
図3A】第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図である。
図3B】第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図である。
図3C】第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の電流狭窄層の構成例を示す平面図である。
図3D】第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図である。
図4】第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の内蔵電位を求めるための簡略化したモデルの一例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の伝搬モードのシミュレーション結果を示す図である。
図6】(a)は、比較例に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に沿って切断して示す断面図、(b)は、比較例に係る窒化物半導体発光素子の各層の屈折率を示す図である。
図7A】比較例に係る窒化物半導体発光素子の伝搬モードのシミュレーション結果の一例を示す図である。
図7B】比較例に係る窒化物半導体発光素子の伝搬モードのシミュレーション結果のその他の例を示す図である。
図8】第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の実装例を示す断面図である。
図9】第2実施形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に垂直に切断して示す断面図である。
図10】第3実施形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に垂直に切断して示す断面図である。
図11A】第3実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図である。
図11B】第3実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の構成に必須のものとは限らない。実施形態の構成は、本発明が適用される装置の仕様や各種条件(使用条件、使用環境等)によって適宜修正または変更され得る。本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定され、以下の個別の実施形態によって限定されない。また、以下の説明に用いる図面は、各構成を分かり易くするため、実際の構造と縮尺および形状などを異ならせることがある。
【0042】
図1は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に垂直に切断して示す断面図、図2(a)は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に沿って切断して示す断面図、図2(b)は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の各層の屈折率を示す図である。
【0043】
図1および図2(a)において、半導体レーザLAは、n型窒化物半導体層N1、活性層15、p型窒化物半導体層N2、電流狭窄層19および透明導電層20を備える。活性層15は、n型窒化物半導体層N1上に積層されている。p型窒化物半導体層N2は、活性層15上に積層されている。p型窒化物半導体層N2の厚さは、40nm以上550nm以下であるのが好ましい。なお、窒化物半導体は、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)という組成を持つことができる。
【0044】
なお、n型窒化物半導体層N1から活性層15への不純物の拡散を抑制するために、n型窒化物半導体層N1と活性層15との間にノンドープ窒化物ガイド層14を設けてもよい。p型窒化物半導体層N2から活性層15への不純物の拡散を抑制するために、p型窒化物半導体層N2と活性層15との間にノンドープ窒化物ガイド層16を設けてもよい。
【0045】
電流狭窄層19は、p型窒化物半導体層N2の一部に位置する。ここで、電流狭窄層19は、屈折率導波型および利得導波型のいずれか少なくとも1つの共振器が構成されるようにp型窒化物半導体層N2の一部に配置することができる。このとき、電流狭窄層19の下面は、p型窒化物半導体層N2の上面より低い位置に設定することができる。また、電流狭窄層19の下面は、透明導電層20の下面より低い位置に設定することができる。また、電流狭窄層19は、図2(a)に示すように、p型窒化物半導体層N2の端面側において、活性層15の発光部上にも位置することができる。また、電流狭窄層19は、電流狭窄層19と活性層15との間にp型窒化物半導体層N2が延在するように配置することができる。電流狭窄層19は、例えば、AlNからなる高抵抗層を用いることができる。電流狭窄層19の厚さは、例えば、100nmに設定することができる。
【0046】
透明導電層20は、活性層15で発生される光に透明な導電層である。透明導電層20は、フェルミレベルが伝導帯に位置することができる。透明導電層20は、活性層15上のガイド層またはクラッド層の少なくともいずれか1つとして用いられる。透明導電層20は、In、Sn、Zn、Ti、NbおよびZrから選択される少なくともいずれか1つの元素を含むことができ、これらの元素の酸化物とすることができる。例えば、透明導電層20は、ITO膜であってもよいし、ZnO膜であってもよいし、SnO膜であってもよいし、TiO膜であってもよい。透明導電層20は、垂直横モードMAを閉じ込め可能な範囲内で薄膜化されているのが好ましい。垂直横モードMAは、光伝搬方向に対して垂直方向の伝搬モードである。このとき、透明導電層20の厚さは、80nm以上120nm以下であるのが好ましい。なお、本明細書では、p型窒化物半導体層N2と透明導電層20を合わせてp側層と言うことがある。
【0047】
n型窒化物半導体層N1は、n型窒化物クラッド層12およびn型窒化物ガイド層13を備える。n型窒化物クラッド層12およびn型窒化物ガイド層13は、n型窒化物半導体基板11上に順次積層されている。
【0048】
p型窒化物半導体層N2は、p型キャリアブロック層17およびp型窒化物ガイド層18を備える。p型キャリアブロック層17およびp型窒化物ガイド層18は、ノンドープ窒化物ガイド層16上に順次積層されている。ここで、p型窒化物半導体層N2の一部に電流狭窄層19を配置するために、電流狭窄層19に開口部KAを形成し、p型窒化物ガイド層18の一部をp型窒化物ガイド層18Aとして開口部KAに埋め込むようにしてもよい。
【0049】
透明導電層20上には、透明導電層20およびp型窒化物半導体層N2を介して活性層15に電流を注入する電極21が形成されている。電極21は、Ti/Pt/Auの積層構造とすることができる。Ti/Pt/Auの厚さは、例えば、100/50/300nmに設定することができる。
【0050】
また、図2(a)に示すように、半導体レーザLAの端面EFには、端面保護膜22が形成されている。端面保護膜22は、AlN/SiOの積層構造とすることができる。AlN/SiOの厚さは、例えば、30/300nmに設定することができる。
半導体レーザLAの端面ERには、端面保護膜23が形成されている。端面保護膜23は、AlN/(SiO/Ta/SiOの積層構造とすることができる。AlN/(SiO/Ta/SiOの厚さは、例えば、30/(60/40)/10nmに設定することができる。
端面保護膜22、23は、n型窒化物半導体層N1、活性層15、p型窒化物半導体層N2および電流狭窄層19のそれぞれの端面だけでなく、透明導電層20の端面も被覆することができる。
【0051】
n型窒化物半導体基板11、n型窒化物クラッド層12、n型窒化物ガイド層13、ノンドープ窒化物ガイド層14、活性層15、ノンドープ窒化物ガイド層16、p型キャリアブロック層17およびp型窒化物ガイド層18、18Aとして、例えば、n型GaN基板、n型Al0.02Ga0.98N層、n型GaN層、In0.02Ga0.99N層、In0.02Ga0.98N層/In0.08Ga0.88N層/In0.02Ga0.98N層からなる単一量子井戸層、In0.02Ga0.99N層、p型Al0.22Ga0.78N層およびp型GaN層をそれぞれ用いることができる。
【0052】
n型窒化物クラッド層12の厚さは、例えば、700nm、ドナー濃度Nは、1×1017cm-3に設定することができる。n型窒化物ガイド層13の厚さは、例えば、50nm、ドナー濃度Nは、1×1017cm-3に設定することができる。ノンドープ窒化物ガイド層14の厚さは、例えば、136nmに設定することができる。活性層15の量子井戸層の障壁層/井戸層/障壁層の厚さは、例えば、10/9/10nmに設定することができる。ノンドープ窒化物ガイド層16の厚さは、例えば、135nmに設定することができる。p型キャリアブロック層17の厚さは、例えば、4nm、アクセプタ濃度Nは、1×1018cm-3に設定することができる。p型窒化物ガイド層18、18Aの合計の厚さは、例えば、50nm、アクセプタ濃度Nは、1×1018cm-3に設定することができる。
【0053】
ここで、図2(b)に示すように、n型窒化物クラッド層12の屈折率は、n型窒化物ガイド層13の屈折率より小さくし、n型窒化物ガイド層13の屈折率は、ノンドープ窒化物ガイド層14の屈折率より小さくし、ノンドープ窒化物ガイド層14の屈折率は、活性層15の屈折率より小さくすることができる。
また、透明導電層20の屈折率は、p型窒化物ガイド層18の屈折率より小さくし、p型窒化物ガイド層18の屈折率は、ノンドープ窒化物ガイド層16の屈折率より小さくし、ノンドープ窒化物ガイド層16の屈折率は、活性層15の屈折率より小さくすることができる。また、透明導電層20の屈折率は、p型キャリアブロック層17の屈折率より小さくし、p型キャリアブロック層17の屈折率は、p型窒化物ガイド層18の屈折率より小さくすることができる。
【0054】
図2(a)に示すように、半導体レーザLAのレーザ発振時の垂直横モードMAは、透明導電層20にかかる。ここで、透明導電層20の屈折率をp型窒化物ガイド層18の屈折率より小さくすることにより、p型窒化物半導体層N2の厚膜化を抑制しつつ、垂直横モードMAを透明導電層20にて閉じ込めることが可能となる。また、p型窒化物半導体層N2上に透明導電層20を積層することにより、電極21とコンタクトをとるためのp型窒化物半導体コンタクト層を透明導電層20上に設ける必要がなくなるとともに、透明導電層20を介して活性層15に注入される電流の抵抗を低減することができる。さらに、p型窒化物半導体層N2の一部に電流狭窄層19を設けることにより、活性層15に注入される電流を電流狭窄層19にて狭窄し、発光領域に電流を効率よく注入することが可能となるとともに、光伝搬方向に対して水平方向の水平横モードを電流狭窄層19間に閉じ込めることが可能となる。このため、半導体レーザLAの発熱を低減することが可能となるとともに、光伝搬時の光損失を低減し、スロープ効率を向上させることができる。
【0055】
また、n型窒化物半導体層N1、活性層15、p型窒化物半導体層N2および電流狭窄層19のそれぞれの端面だけでなく、透明導電層20の端面EF、ERも端面保護膜22、23にて被覆することにより、垂直横モードMAの分布を維持しつつ導波光を反射させることができ、光損失を低減することができる。
【0056】
また、p型窒化物半導体層N2の厚さを40nm以上とすることにより、再結合に必要な空乏層をp型窒化物半導体層N2に確保することができ、発光効率の低下を防止することができる。p型窒化物半導体層N2の厚さを550nm以下とすることにより、p型窒化物半導体層N2を介して活性層15に注入される電流の抵抗を低減することができ、半導体レーザLAの発熱を低減することができる。
【0057】
また、透明導電層20の厚さを80nm以上とすることにより、垂直横モードMAを透明導電層20にて閉じ込めることが可能となる。透明導電層20の厚さを120nm以下とすることにより、透明導電層20を介して活性層15に注入される電流の抵抗を低減することができる。
【0058】
図3A図3Bおよび図3Dは、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図、図3Cは、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の電流狭窄層の構成例を示す平面図である。
図3Aにおいて、エピタキシャル成長によって、n型窒化物クラッド層12、n型窒化物ガイド層13、ノンドープ窒化物ガイド層14、活性層15、ノンドープ窒化物ガイド層16、p型キャリアブロック層17およびp型窒化物ガイド層18をn型窒化物半導体基板11上に順次積層する。さらに、エピタキシャル成長やスパッタなどの方法によって、電流狭窄層19をp型窒化物ガイド層18上に積層する。
【0059】
次に、図3Bに示すように、フォトリソグラフィー技術およびドライエッチング技術に基づいて、電流狭窄層19をパターニングし、電流狭窄層19に開口部KAを形成する。このとき、図3Cに示すように、半導体レーザLAの端面EF、ER側において活性層15の発光部上にも電流狭窄層19が位置するように開口部KAを形成することができる。これにより、ウェハから切り出す際の端面EF、ERの劈開異常を低減することが可能となるとともに、端面EF、ERの発熱を抑制し、端面破壊を抑制することができる。
【0060】
また、レーザ光が導波する共振器の両側に電流狭窄層19が位置するとともに、活性層15の発光部上の端面EF、ER側に電流狭窄層19が連続するように開口部KAを形成することができる。これにより、電流狭窄層19の1回のパターニングに基づいて、水平横モードを電流狭窄層19間に閉じ込めることが可能となるとともに、電流非注入領域を端面EF、ER側に形成することができ、電流非注入領域の作製にかかる工程数の増大を抑制することができる。
【0061】
次に、図3Dに示すように、エピタキシャル成長によって、開口部KAに埋め込まれるようにp型窒化物ガイド層18Aをp型窒化物ガイド層18上に選択的に形成する。
【0062】
次に、図1に示すように、スパッタなどの方法によって、透明導電層20をp型窒化物ガイド層18Aおよび電流狭窄層19上に形成する。次に、蒸着などの方法によって、電極21を透明導電層20上に形成する。
【0063】
次に、図2(a)に示すように、n型窒化物半導体基板11の劈開によって、劈開面を持つ端面EF、ERを形成する。次に、スパッタなどの方法によって、各端面EF、ERに端面保護膜22、23を形成する。
【0064】
以下、p型窒化物半導体層N2の厚さの計算例について説明する。
p型窒化物半導体層N2の厚さは、ダイオードとして十分な特性が得られるように、p型窒化物半導体層N2内に形成される空乏層の空乏層厚w以上にする必要がある。
【0065】
この空乏層厚さwは、以下のようにして求められる。
本実施形態の窒化物半導体発光素子はp型-i型-n型という半導体の層構造をもつ。このpinジャンクションの内蔵電位Φは、以下の式(1)で与えられる。
【0066】
【数1】
【0067】
ここで、Φ、Φ、Φは、以下の式(2)~(4)で与えられる。
【0068】
【数2】
【0069】
【数3】
【0070】
【数4】
【0071】
ただし、式(2)~(4)において、以下の式(5)の関係がある。
【0072】
【数5】
【0073】
ここで、zはpinジャンクションの厚み方向の位置を示す座標、ρおよびρはp型半導体層およびn型半導体層の各空乏層の単位体積当たりの電荷量、εは誘電率、εは真空の誘電率、wはp型半導体層とi型半導体層との境界位置におけるz座標、wはn型半導体層とi型半導体層との境界位置におけるz座標、wはp型半導体層の空乏層厚、wはn型半導体層の空乏層厚である。ただし、ε、ρおよびρはzの関数である。
【0074】
実際の素子構造に対して式(1)~(5)を解くことによって、P型半導体内に形成される空乏層厚Wが求められる。本実施形態の窒化物半導体発光素子の場合、内蔵電位Φは、簡略化したモデルで計算することができる。
【0075】
図4は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の内蔵電位を求めるための簡略化したモデルの一例を示す図である。
図4において、このモデルでは、p型半導体層のアクセプタ濃度Nおよびp型半導体層のドナー濃度Nはz座標に対して一定とした。i型半導体層の厚さwintrはw+wで与えられる。
【0076】
このモデルについて、内蔵電位Φを求めると、内蔵電位Φは、以下の式(6)で与えられる。
【0077】
【数6】
【0078】
次に、式(5)から、N・w=N・wの関係より、空乏層厚wについて求めると、空乏層厚wは、以下の式(7)で与えられる。
【0079】
【数7】
【0080】
同様に、空乏層厚wについて求めると、空乏層厚wは、以下の式(8)で与えられる。
【0081】
【数8】
【0082】
GaN系半導体レーザの場合、p型半導体のドーパントにはMgが使われる。Mgの不純物準位は深いため、ほとんど活性化されず、10%でも活性化できれば十分なほどである。ただし、n型半導体はドーパントにSiが使われており、ほぼ100%活性化される。そこで、Mgの活性化率をαとすると、式(7)および(8)は、以下の式(9)および(10)のように修正される。
【0083】
【数9】
【0084】
【数10】
【0085】
また、GaN系半導体レーザでは、ピエゾ効果および自発分極により内部に電場ができ、上式はそれらの影響も考慮した方が好ましい。ただし、上式は、ある程度簡略化されたモデルから導出されているが、GaN系半導体レーザに対しても、概ねよい目安を与えることが経験的に判っている。
そこで、上式より、具体的な空乏層厚w(温度T=25℃)を求める。温度TにおけるバンドギャップEgは、以下の式(11)で与えられる。
【0086】
【数11】
【0087】
ただし、aおよびbは定数である。これらの式から、真性キャリア密度nは、以下の式(12)で与えられる。
【0088】
【数12】
【0089】
式(12)により、n~8.7×10-11cm-3と求まる。ただし、N=2.2×1018cm-3、N=4.5×1019cm-3、E(0)=3.5[eV]、a=-5.08×10-4[eV/K]、b=-996[K]とした。Nは伝導体の実効状態密度、Nは価電子帯の実効状態密度である。
【0090】
=1.0×1018[cm-3]、N=1.0×10[cm-3]、α=5[%]としたときに、式(12)と以下の式(13)から内蔵電位Φを求めると、内蔵電位Φは、~3.2Vとなる。
【0091】
【数13】
【0092】
従って、図4の簡略化したモデルでは、wintr=300nm、ε=9.5のとき、p型半導体層の空乏層厚wは、w~91nmとなり、P型半導体層の厚さは91nm以上必要であることが判る。
【0093】
以上の見積もりは、T=25[℃]の条件で計算したが、実際には通電に伴う発熱によって活性層15の周辺の温度は25℃以上になり、内蔵電位Φが小さくなる方向に働く。また、実際の使用環境において、ハンドリングなどで多少逆バイアスが印加されるような状況も想定され、内蔵電位Φが大きくなる方向に働く。このため、素子の扱い易さおよび動作の信頼性を確保するため、p型窒化物半導体層N2の厚さは150nm程度になるように余裕を持たせて設定してもよい。
【0094】
ここで、p型およびn型の不純物濃度が空間的に一様な場合を想定して式(9)および式(10)を算出したが、p型およびn型の不純物濃度が空間的に非一様に分布する場合は、空間的に平均した不純物濃度を式(9)および式(10)に適用すればよい。さらにより正確に見積もるには、式(1)~式(5)を用いて計算すればよい。
【0095】
次に、透明導電層20の厚さの計算例について説明する。
p型クラッド層、コア層およびn型クラッド層の3層の誘電体スラブ型導波路を考える。ここで、p型クラッド層の屈折率をn、コア層の屈折率をn、n型クラッド層の屈折率をn-とする。このとき、n=ncore>n=nn-cladかつn=ncore>n=np-cladとなる3層の誘電体スラブ型導波路を伝搬する光波は、コア層周辺をピークに概ね山型の分布をする。TE(Transverse Electric)波の場合、最外のp型クラッド層側への光の分布E(y)は、以下の式(14)で与えられる。
【0096】
【数14】
【0097】
ただし、κは、以下の式(15)で与えられる。
【0098】
【数15】
【0099】
ここで、伝搬定数βは、nn-clad・k<β<ncore・kの範囲にある。ただし、kは発光光の波数であり、定数である。このことから、導波モードの乱れを防止するには、経験的に最外のクラッド層厚は、以下の式(16)を満たすのが好ましい
【0100】
【数16】
【0101】
本実施形態では、概ね活性層とガイド層がコア層に対応し(合計の厚さが500nm)、その屈折率は405nmのときncore~2.52(GaNの場合)、p側層の屈折率ncladは~2.11である。このため、透明導電層20の層厚は94nm以上とするのが好ましい。
【0102】
以上の見積もりは、3層の誘電体スラブ型導波路を用いた場合であるが、3層以上の多層の場合にも、最外のクラッド層に対しては同様に見積もり可能なことが経験的に判っている。また、発振波長も狙いに対し長波側へばらつくことがあるので、ある程度余裕を持たせて透明導電層20の厚さを100nm程度に設定するのが好ましい。また、伝搬光がTM(Transverse Magnetic)波の場合も同様に見積もることができる。
【0103】
図5は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の伝搬モードのシミュレーション結果を示す図である。
図5において、図2(a)の構造についてp側層厚を100nmに設定してシミュレーションを行った。p側層厚が100nm程度あれば、光の伝搬モードが縦方向に十分閉じ込められることが判った。このため、p側層厚が薄いままでも光の伝搬モードが縦方向に十分閉じ込めることができ、半導体レーザLAの低抵抗化および低光損失化を図ることができる。
【0104】
図6(a)は、比較例に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に沿って切断して示す断面図、図6(b)は、比較例に係る窒化物半導体発光素子の各層の屈折率を示す図である。
図6(a)において、半導体レーザLBは、図2(a)の半導体レーザLAのp型窒化物半導体層N2の代わりにp型窒化物半導体層N2´を備える。p型窒化物半導体層N2´の一部には、電流狭窄層33が設けられている。
【0105】
p型窒化物半導体層N2´上には、電極35が形成されている。半導体レーザLBの端面EFには、端面保護膜36が形成され、半導体レーザLBの端面ERには、端面保護膜37が形成されている。
【0106】
p型窒化物半導体層N2´は、p型キャリアブロック層17、p型窒化物ガイド層31、p型窒化物クラッド層32およびp型窒化物コンタクト層34を備える。p型キャリアブロック層17、p型窒化物ガイド層31、p型窒化物クラッド層32およびp型窒化物コンタクト層34は、ノンドープ窒化物ガイド層16上に順次積層されている。
【0107】
p型窒化物ガイド層31、p型窒化物クラッド層32およびp型窒化物コンタクト層34として、例えば、p型GaN層、p型Al0.02Ga0.98N層およびp型GaN層をそれぞれ用いることができる。ここで、図6(b)に示すように、p型窒化物クラッド層32の屈折率は、p型窒化物ガイド層31およびp型窒化物コンタクト層34の屈折率より小さくすることができる。
【0108】
このとき、p型窒化物クラッド層32にある程度の厚さがないと、光の伝搬モードがp型窒化物コンタクト層34側に引っ張られ、光の増幅効率の低下を招く。また、p型窒化物クラッド層32にある程度の厚さがないと、光の伝搬モードが電極35にかかるため、光損失が増大する。このため、p型窒化物コンタクト層34の厚さが100nm、N=1×1018cm-3としたとき、p型窒化物クラッド層32がp型Al0.02Ga0.98N層の場合、ncladは~2.51なので、585nm以上の厚さが必要である。
【0109】
図7Aは、比較例に係る窒化物半導体発光素子の伝搬モードのシミュレーション結果の一例を示す図である。
図7Aにおいて、図6(a)の構造についてp型窒化物半導体層N2´の厚さを700nmに設定してシミュレーションを行った。この場合、p型窒化物半導体層N2´の厚さが厚いため、抵抗が増大するとともに、光の伝搬モードが電極35側に若干染み出している。
【0110】
図7Bは、比較例に係る窒化物半導体発光素子の伝搬モードのシミュレーション結果のその他の例を示す図である。
図7Bにおいて、図6(a)の構造についてp型窒化物半導体層N2´の厚さを100nmに設定してシミュレーションを行った。この場合、光の伝搬モードが電極35にかかり、伝搬損失の増大を招くことが予想される。
【0111】
図8は、第1実施形態に係る窒化物半導体発光素子の実装例を示す断面図である。
図8において、半導体レーザLAは、サブマウントMT上にジャンクションダウンボンディング実装されている。サブマウントMTの材料は、例えば、SiCである。半導体レーザLAとサブマウントMTとの接続には、例えば、Au-SnハンダHDを用いることができる。
【0112】
インナーストライプ型の半導体レーザLAは、図1の電極21を平坦化することができる。このため、半導体レーザLAをジャンクションダウンボンディング実装した場合においても、半導体レーザLAの特定領域に外部応力が集中するのを緩和することができ、信頼性を向上させることができる。また、半導体レーザLAをジャンクションダウンボンディング実装することにより、半導体レーザLAの放熱性を向上させることができ、レーザ出力を向上させることができる。
【0113】
図9は、第2実施形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に垂直に切断して示す断面図である。
図9において、半導体レーザLCは、p型窒化物半導体層N11、活性層35、n型窒化物半導体層N12、電流狭窄層39および透明導電層40を備える。活性層35は、p型窒化物半導体層N11上に積層されている。n型窒化物半導体層N12は、活性層35上に積層されている。n型窒化物半導体層N12の厚さは、5nm以上150nm以下であるのが好ましい。
【0114】
なお、n型窒化物半導体層N12から活性層35への不純物の拡散を抑制するために、n型窒化物半導体層N12と活性層35との間にノンドープ窒化物ガイド層37を設けてもよい。
【0115】
電流狭窄層39は、n型窒化物半導体層N12の一部に位置する。電流狭窄層39は、n型窒化物半導体層N12からノンドープ窒化物ガイド層37にかけて延在してもよい。このとき、電流狭窄層39は、屈折率導波型および利得導波型のいずれか少なくとも1つの共振器が構成されるようにn型窒化物半導体層N12およびノンドープ窒化物ガイド層37の一部に配置することができる。電流狭窄層39の平面形状は、図3Cに示したように設定することができる。電流狭窄層39は、例えば、AlNからなる高抵抗層を用いることができる。電流狭窄層39の厚さは、例えば、n型窒化物半導体層N12の厚さとノンドープ窒化物ガイド層37の厚さの合計と等しくすることができる。例えば、電流狭窄層39の厚さは、150nmに設定することができる。
【0116】
透明導電層40は、活性層35で発生される光に透明な導電層である。透明導電層40は、フェルミレベルが伝導帯に位置することができる。透明導電層40は、活性層45上のガイド層またはクラッド層の少なくともいずれか1つとして用いられる。透明導電層40は、In、Sn、Zn、Ti、NbおよびZrから選択される少なくともいずれか1つの元素を含むことができ、これらの元素の酸化物とすることができる。透明導電層40は、光伝搬方向に対して垂直方向の伝搬モードである垂直横モードを閉じ込め可能な範囲内で薄膜化されているのが好ましい。このとき、透明導電層40の厚さは、80nm以上120nm以下であるのが好ましい。なお、本明細書では、n型窒化物半導体層N12と透明導電層40を合わせてn側層と言うことがある。
【0117】
p型窒化物半導体層N11は、p型窒化物クラッド層32、p型窒化物ガイド層33およびp型キャリアブロック層34を備える。p型窒化物クラッド層32、p型窒化物ガイド層33およびp型キャリアブロック層34は、p型窒化物半導体基板31上に順次積層されている。
【0118】
n型窒化物半導体層N12は、n型窒化物ガイド層38を備える。n型窒化物ガイド層38は、ノンドープ窒化物ガイド層37上に積層されている。ここで、ノンドープ窒化物ガイド層37およびn型窒化物ガイド層38の一部に電流狭窄層39を配置するために、電流狭窄層39に開口部KCを形成し、ノンドープ窒化物ガイド層37およびn型窒化物ガイド層38を開口部KCに順次埋め込むようにしてもよい。
【0119】
透明導電層40上には、透明導電層40およびp型窒化物半導体層N12を介して活性層35に電流を注入する電極41が形成されている。電極41は、Ti/Pt/Auの積層構造とすることができる。Ti/Pt/Auの厚さは、例えば、100/50/300nmに設定することができる。
【0120】
また、半導体レーザLCの前端面および後端面には、端面保護膜が形成されている。半導体レーザLCの前端面の端面保護膜は、AlN/SiOの積層構造とすることができる。AlN/SiOの厚さは、例えば、30/300nmに設定することができる。半導体レーザLCの後端面の端面保護膜は、AlN/(SiO/Ta/SiOの積層構造とすることができる。AlN/(SiO/Ta/SiOの厚さは、例えば、30/(60/40)/10nmに設定することができる。端面保護膜は、p型窒化物半導体層N11、活性層35、n型窒化物半導体層N12および電流狭窄層39のそれぞれの端面だけでなく、透明導電層40の端面も被覆することができる。
【0121】
p型窒化物半導体基板31、p型窒化物クラッド層32、p型窒化物ガイド層33、p型キャリアブロック層34、活性層35、ノンドープ窒化物ガイド層37およびn型窒化物ガイド層38として、例えば、p型GaN基板、p型Al0.02Ga0.98N層、p型GaN層、p型Al0.22Ga0.78N層、In0.02Ga0.98N層/In0.08Ga0.88N層/In0.02Ga0.98N層/In0.08Ga0.88N層/In0.02Ga0.98N層/In0.08Ga0.88N層/In0.02Ga0.98N層からなる多重量子井戸層、GaN層およびp型GaN層をそれぞれ用いることができる。
【0122】
p型窒化物クラッド層32の厚さは、例えば、500nm、アクセプタ濃度Nは、1×1018cm-3に設定することができる。n型窒化物ガイド層33の厚さは、例えば、36nm、アクセプタ濃度Nは、1×1018cm-3に設定することができる。p型キャリアブロック層34の厚さは、例えば、4nm、アクセプタ濃度Nは、1×1018cm-3に設定することができる。活性層35の量子井戸層の障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層の厚さは、例えば、10/9/10/9/10/9/10nmに設定することができる。ノンドープ窒化物ガイド層37の厚さは、例えば、33nmに設定することができる。p型窒化物ガイド層38の厚さは、例えば、117nm、ドナー濃度Nは、1×1017cm-3に設定することができる。なお、n型窒化物半導体層N12および透明導電層40の厚さは、第1実施形態と同様な方法によって求めることができる。
【0123】
ここで、p型窒化物クラッド層32の屈折率は、p型窒化物ガイド層33の屈折率より小さくすることができる。p型キャリアブロック層34の屈折率は、p型窒化物クラッド層32の屈折率より小さくすることができる。
また、透明導電層40の屈折率は、n型窒化物ガイド層38の屈折率より小さくし、n型窒化物ガイド層38の屈折率は、ノンドープ窒化物ガイド層36の屈折率より小さくし、ノンドープ窒化物ガイド層37の屈折率は、活性層35の屈折率より小さくすることができる。
【0124】
ここで、透明導電層40の屈折率をn型窒化物ガイド層38の屈折率より小さくすることにより、n型窒化物半導体層N12の厚膜化を抑制しつつ、垂直横モードを透明導電層40にて閉じ込めることが可能となる。また、n型窒化物半導体層N12上に透明導電層40を積層することにより、電極41とコンタクトをとるためのn型窒化物半導体コンタクト層を透明導電層40上に設ける必要がなくなるとともに、透明導電層40を介して活性層35に注入される電流の抵抗を低減することができる。さらに、n型窒化物半導体層N12の一部に電流狭窄層39を設けることにより、活性層35に注入される電流を電流狭窄層39にて狭窄し、発光領域に電流を効率よく注入することが可能となるとともに、光伝搬方向に対して水平方向の水平横モードを電流狭窄層39間に閉じ込めることが可能となる。このため、半導体レーザLCの発熱を低減することが可能となるとともに、光伝搬時の光損失を低減し、スロープ効率を向上させることができる。
【0125】
また、n型窒化物半導体層N12の厚さを5nm以上とすることにより、再結合に必要な空乏層をn型窒化物半導体層N12に確保することができ、発光効率の低下を防止することができる。n型窒化物半導体層N12の厚さを150nm以下とすることにより、n型窒化物半導体層N12を介して活性層35に注入される電流の抵抗を低減することができ、半導体レーザLCの発熱を低減することができる。
【0126】
図10は、第3実施形態に係る窒化物半導体発光素子の構成を光導波方向に垂直に切断して示す断面図である。
図10において、半導体レーザLDは、図1の半導体レーザLAの活性層15、p型窒化物半導体層N2、電流狭窄層19および透明導電層20の代わりに、活性層55、p型窒化物半導体層N22、電流狭窄層59および透明導電層60を備える。活性層55は、n型窒化物半導体層N1上に積層されている。p型窒化物半導体層N22は、活性層15上に積層されている。
【0127】
なお、n型窒化物半導体層N1から活性層55への不純物の拡散を抑制するために、n型窒化物半導体層N1と活性層55との間にノンドープ窒化物ガイド層14を設けてもよい。p型窒化物半導体層N22から活性層55への不純物の拡散を抑制するために、p型窒化物半導体層N12と活性層55との間にノンドープ窒化物ガイド層56を設けてもよい。
【0128】
電流狭窄層59は、透明導電層60の一部に位置する。このとき、電流狭窄層59は、利得導波型の共振器が構成されるように透明導電層60の一部に配置することができる。電流狭窄層59は、p型窒化物半導体層N22の端面側において、活性層55の発光部上にも位置することができる。電流狭窄層59は、例えば、AlNからなる高抵抗層を用いることができる。電流狭窄層59の厚さは、例えば、100nmに設定することができる。
【0129】
透明導電層60は、活性層55で発生される光に透明な導電層である。透明導電層60は、フェルミレベルが伝導帯に位置することができる。透明導電層60は、活性層55上のガイド層またはクラッド層の少なくともいずれか1つとして用いられる。透明導電層60は、In、Sn、Zn、Ti、NbおよびZrから選択される少なくともいずれか1つの元素を含むことができ、これらの元素の酸化物とすることができる。透明導電層60は、垂直横モードを閉じ込め可能な範囲内で薄膜化されているのが好ましい。ここで、透明導電層60の一部に電流狭窄層59を配置するために、電流狭窄層59に開口部KDを形成し、透明導電層60Dを開口部KDに埋め込むようにしてもよい。
【0130】
p型窒化物半導体層N22は、p型キャリアブロック層57およびp型窒化物ガイド層58を備える。p型キャリアブロック層57およびp型窒化物ガイド層58は、ノンドープ窒化物ガイド層56上に順次積層されている。
【0131】
透明導電層60上には、透明導電層60およびp型窒化物半導体層N22を介して活性層55に電流を注入する電極61が形成されている。電極61は、Ti/Pt/Auの積層構造とすることができる。Ti/Pt/Auの厚さは、例えば、100/50/300nmに設定することができる。
【0132】
また、半導体レーザLDの前端面および後端面には、端面保護膜が形成されている。半導体レーザLDの前端面の端面保護膜は、AlN/SiOの積層構造とすることができる。AlN/SiOの厚さは、例えば、30/300nmに設定することができる。半導体レーザLDの後端面の端面保護膜は、AlN/(SiO/Ta/SiOの積層構造とすることができる。AlN/(SiO/Ta/SiOの厚さは、例えば、30/(60/40)/10nmに設定することができる。端面保護膜は、p型窒化物半導体層N1、活性層55、n型窒化物半導体層N22および電流狭窄層59のそれぞれの端面だけでなく、透明導電層60の端面も被覆することができる。
【0133】
活性層55、ノンドープ窒化物ガイド層56、p型キャリアブロック層57およびp型窒化物ガイド層58として、例えば、In0.02Ga0.98N層/In0.08Ga0.88N層/In0.02Ga0.98N層/In0.08Ga0.88N層/In0.02Ga0.98N層からなる2重量子井戸層、In0.02Ga0.99N層、p型Al0.22Ga0.78N層およびp型GaN層をそれぞれ用いることができる。
【0134】
活性層55の量子井戸層の障壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層の厚さは、例えば、10/9/10/9/10nmに設定することができる。ノンドープ窒化物ガイド層16の厚さは、例えば、126nmに設定することができる。p型キャリアブロック層17の厚さは、例えば、4nm、アクセプタ濃度Nは、1×1018cm-3に設定することができる。p型窒化物ガイド層18の厚さは、例えば、150nm、アクセプタ濃度Nは、1×1018cm-3に設定することができる。
【0135】
このとき、透明導電層60の屈折率は、p型窒化物ガイド層58の屈折率より小さくし、p型窒化物ガイド層58の屈折率は、ノンドープ窒化物ガイド層56の屈折率より小さくし、ノンドープ窒化物ガイド層56の屈折率は、活性層55の屈折率より小さくすることができる。p型キャリアブロック層57の屈折率は、p型窒化物ガイド層58の屈折率より小さくすることができる。
【0136】
ここで、透明導電層60の屈折率をp型窒化物ガイド層58の屈折率より小さくし、透明導電層60の端面も端面保護膜にて被覆することにより、p型窒化物半導体層N2の厚膜化を抑制しつつ、垂直横モードを透明導電層60にて閉じ込めることが可能となるとともに、垂直横モードの分布を維持しつつ導波光を端面保護膜にて反射させることができる。また、p型窒化物半導体層N22上に透明導電層60を積層することにより、電極61とコンタクトをとるためのp型窒化物半導体コンタクト層を透明導電層60上に設ける必要がなくなるとともに、透明導電層60を介して活性層55に注入される電流の抵抗を低減することができる。さらに、透明導電層60の一部に電流狭窄層59を設けることにより、電流狭窄層60の形成後に再度の結晶成長を行うことなく、活性層55に注入される電流を電流狭窄層59にて狭窄し、発光領域に電流を効率よく注入することが可能となる。このため、工程数の増大を抑制しつつ、半導体レーザLDの発熱を低減することが可能となるとともに、光伝搬時の光損失を低減し、スロープ効率を向上させることができる。
【0137】
図11Aおよび図11Bは、第3実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造方法の一例を示す断面図である。
図11Aにおいて、エピタキシャル成長によって、n型窒化物クラッド層52、n型窒化物ガイド層53、ノンドープ窒化物ガイド層54、活性層55、ノンドープ窒化物ガイド層56、p型キャリアブロック層57およびp型窒化物ガイド層58をn型窒化物半導体基板51上に順次積層する。さらに、エピタキシャル成長やスパッタなどの方法によって、電流狭窄層59をp型窒化物ガイド層58上に積層する。なお、p型窒化物半導体層N22および透明導電層60の厚さは、第1実施形態と同様な方法によって求めることができる。
【0138】
次に、図11Bに示すように、フォトリソグラフィー技術およびドライエッチング技術に基づいて、電流狭窄層59をパターニングし、電流狭窄層59に開口部KDを形成する。電流狭窄層59の平面形状は、図3Cに示したように設定することができる。
【0139】
次に、図10に示すように、スパッタなどの方法によって、開口部KDに埋め込まれるように透明導電層60Dをp型窒化物ガイド層58および電流狭窄層59上に形成する。次に、蒸着などの方法によって、電極61を透明導電層60上に形成する。次に、n型窒化物半導体基板11の劈開によって、劈開面を持つ端面を形成する。次に、スパッタなどの方法によって、各端面に端面保護膜を形成する。
【符号の説明】
【0140】
N1 n型窒化物半導体層
N2 p型窒化物半導体層
11 n型窒化物半導体基板
12 第n型窒化物クラッド層
13 n型窒化物ガイド層
14、16 ノンドープ窒化物ガイド層
15 活性層
17 p型キャリアブロック層
18 p型窒化物ガイド層
19 電流狭窄層
20 透明導電層
21 電極
22 端面保護膜
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B