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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115436
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】エアフィルター取付装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20220802BHJP
   F24F 1/0073 20190101ALI20220802BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
B01D46/10 B
F24F1/0073
F24F13/28
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012026
(22)【出願日】2021-01-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】390003333
【氏名又は名称】新晃工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(72)【発明者】
【氏名】宮内 紳祐
(72)【発明者】
【氏名】前田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】叶 磊
(72)【発明者】
【氏名】日置 達也
【テーマコード(参考)】
3L051
4D058
【Fターム(参考)】
3L051BA06
3L051BB05
4D058JA12
4D058KB02
4D058KC12
4D058KC15
4D058KC33
4D058KC37
4D058KC42
4D058KC54
4D058KC62
4D058KC81
4D058SA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】メインフィルターとプレフィルターとを装着するエアフィルターにおいて、プレフィルターだけを簡単に着脱自在する空気調和機のエアフィルター取付装置を提供する。
【解決手段】メインフィルター32とプレフィルター33を取り付けるエアフィルター取付装置において、メインフィルターの上流側には、上流壁と下流壁で形成する断面コの状の上下一対のプレフィルター用のスライド枠を設け、メインフィルターはプレフィルター用スライド枠の下流壁でメインフィルターをパッキン31に対して押圧して固定し、プレフィルターはスライド枠の上流壁の一部に設けた切欠き部分から固定部材を貫通させて押圧し、スライド枠の下流壁で押圧して固定し、逆に取りはずすには固定部材を操作してプレフィルターだけを着脱自在した空気調和機のエアフィルター取付装置。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に進退する空気調和機のフィルター室の仕切機構に取り付けるパネル型のエアフィルターであって、主たるメインフィルターとその上流に配置するプレフィルターを取り付けるエアフィルター取付装置において、前記仕切機構はメインフィルターの枠周囲の内側に対応してパッキンを配置するとともに、該仕切機構の前記メインフィルターの上下端に位置する箇所には左右方向にメインフィルターを移動可能なスライド枠を設けてスライドして収納し、前記メインフィルターの上流側には、上下端にプレフィルターを左右方向に移動可能なスライド枠を設けてプレフィルターをスライドして収納し、上流壁と下流壁と底部とで形成する断面コの状の上下一対のプレフィルター用のスライド枠を設け、前記メインフィルターは前記プレフィルター用のスライド枠の下流壁でメインフィルター用の固定装置によって、メインフィルターをパッキンに対して押圧して固定し、前記プレフィルターは、プレフィルター用スライド枠の上流壁の一部に設けた切欠き部分からプレフィルター用の固定部材を貫通させて、該固定部材を押圧しプレフィルター用スライド枠の下流壁に対して固定部材で押圧して固定してメインフィルターとプレフィルターを取り付け、逆にプレフィルターを取り外す場合は、前記プレフィルター用の固定部材を操作して、プレフィルターだけを離脱可能にしたことを特徴とする空気調和機のエアフィルター取付装置。
【請求項2】
前記上下一対のプレフィルター用スライド枠は、空気の流れに対して前後に移動可能なスライド枠であって、左右に対してはそれぞれに脱落防止のための金具を設けることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機のエアフィルター取付装置。
【請求項3】
前記固定部材はノブボルトであることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機のエアフィルター取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機のパネル型エアフィルターの取付装置に関し、特に、簡単に着脱ができるパネル型エアフィルターの取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大規模空気調和機には大型のパネル型のエアフィルターが使用されるが、この大型のエアフィルターを着脱し交換や清掃することは、大型であるため空気調和機の点検扉を開いて作業員が空気調和機の奥まで入って着脱作業をしなければならず、やっかいな作業であった。
このため、特許文献1に開示されるように、複数枚のフィルターをジグザグ状に配列して、メンテナンスが容易にできるようにしたフィルター装置が提案されているが、構成が複雑になってしまうという問題点があった。
また、特許文献2に開示されるように、エアフィルターの着脱に伴う作業スペースの狭小化と装脱作業の容易化を図った空気調和装置が提案されており、空気調和装置の通風経路中に設けられるエアフィルターを装脱方向に分割された複数のフィルター部材で構成し、複数のフィルター部材間にはこれら相互を連結・離脱可能とする連結・離脱機構Xを設ける。かかる構成とすることで、エアフィルターがその長さ方向に一体構成とされている場合に比して、エアフィルターの装脱時におけるケーシングの前方側及び上方側への延出量が小さくなり、エアフィルターの装脱時の作業スペースの狭小化が図られ、容易に装脱することができ、その作業性がより一層向上するものが開示されているが、空気が上下に通過する縦型の空気調和機であるため、多くの空気が横方向に通過する横型の空気調和機には不向きであると言った問題点があった。
【0003】
そこで、特許文献3に開示されるように、比較的大型の大規模空気調和機の引き戸型のパネル型エアフィルターパネルのメインフィルターとプレフィルターを一体にして着脱を容易とするとともに、仕切板との間に隙間を無くし塵埃の機内進入を防止する空気調和機のパネル型エアフィルターの取り付け装置が提供されている。
しかし、特許文献3等のメインフィルターとプレフィルターを一体化したエアフィルターパネルでは、プレフィルターが塵等で目詰まりする期間が短く、この期間に合わせてメインフィルターを清掃や交換をするとなると、煩わしく、経済的にも不利である。また、メインフィルターとプレフィルターを一体化したエアフィルターにおいて、プレフィルターだけを取り除く作業は簡単ではないといった問題点があった。
このことを、図1及び、図2に沿って説明すると、図1は従来のフィルター室1の仕切機構4においては、図の左側を風下とすると、仕切枠41の枠に下流側からパッキン31、メインフィルター32、プレフィルター33を積層状態に配置されている。
パッキン31、メインフィルター32、プレフィルター33と互い密に積層させるには、図2(a)に示すように、先ず、パッキン31とメインフィルター32とを重合せ、メインフィルター32と仕切枠後部壁42との隙間Aに、図2(b)に示すように、枠付きのプレフィルター33を差し込み、パッキン31を圧迫変形するようにして圧着させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-13622号公報
【特許文献2】特開平11-304235号公報
【特許文献3】特開2018-38967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来のエアフィルターの着脱での問題点に鑑みてなされたもので、比較的大型の大規模空気調和機における従来の特許文献3のようにメインフィルターとプレフィルターを一体として装着するエアフィルターにおいて、引き戸型でパネル型のエアフィルターパネルの着脱を容易とし、つまりメインフィルター或いはプレフィルターだけを簡単に着脱自在にできる空気調和機のエアフィルター取付装置であり、かつ、仕切り板との間に隙間を無くし塵埃の機内への進入を防止する空気調和機のパネル型エアフィルターの取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、左右方向に進退する空気調和機のフィルター室の仕切機構に取り付けるパネル型のエアフィルターであって、主たるメインフィルターとその上流に配置するプレフィルターを取り付けるエアフィルター取付装置において、前記仕切機構はメインフィルターの枠周囲の内側に対応してパッキンを配置するとともに、該仕切機構の前記メインフィルターの上下端に位置する箇所には左右方向にメインフィルターを移動可能なスライド枠を設けてスライドして収納し、前記メインフィルターの上流側には、上下端にプレフィルターを左右方向に移動可能なスライド枠を設けてプレフィルターをスライドして収納し、上流壁と下流壁と底部とで形成する断面コの状の上下一対のプレフィルター用のスライド枠を設け、前記メインフィルターは前記プレフィルター用のスライド枠の下流壁でメインフィルター用の固定装置によって、メインフィルターをパッキンに対して押圧して固定し、前記プレフィルターは、プレフィルター用スライド枠の上流壁の一部に設けた切欠き部分からプレフィルター用の固定部材を貫通させて、該固定部材を押圧しプレフィルター用スライド枠の下流壁に対して固定部材で押圧して固定してメインフィルターとプレフィルターを取り付け、逆にプレフィルターを取り外す場合は、前記プレフィルター用の固定部材を操作して、プレフィルターだけを離脱可能にしている。
前記上下一対のプレフィルター用のスライド枠は、空気の流れに対して前後に移動可能なスライド枠であって、左右に対してはそれぞれに脱落防止のための金具を設け、脱落を防止している。
また、前記固定部材としてはノブボルトを用いることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気調和機のメインフィルターにプレフィルターを設けるパネル型エアフィルターにおいて、メインフィルターを仕切機構に固定したまま、頻繁に清掃や交換を必要とするプレフィルターだけを簡単に着脱自在にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来のプレフィルターを有するパネル型エアフィルターの全体斜視図。
図2図2(a)は、図1のX-X線での断面図でプレフィルターを装着する前の状態の図、図2(b)は、図1でプレフィルターを装着後の状態の図、
図3】空気調和機内に実施例1のエアフィルターを装着する状態の平面図、
図4】仕切機構とフィルターの固定機構を含むパネル型エアフィルターの全体の関係を示す説明図、
図5図5(a)は図4の上側ガイドレール51の斜視図、図5(b)はその分解斜視図、
図6図6(a)は図4の下側ガイドレール52の斜視図、図6(b)はその分解斜視図、
図7図7図4のY-Y線での断面図で、図7(a)はメインフィルター固定装置であるメインフィルター用ノブボルト61によって、メインフィルター32を固定する前の部分断面図、図7(b)は図7(a)の状態から、メインフィルター固定機構のノブボルト61によって、メインフィルター32を固定した状態の部分断面図、
図8図8図4のZ-Z線での断面図で、図8(a)は図4のプレフィルター固定装置であるプレフィルター用ノブボルト71によって、プレフィルター33を固定する前の部分断面図、図8(b)は(a)の状態から、プレフィルター33を固定した状態の部分断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の空気調和機のエアフィルターの取付装置について図面に沿って説明する。
[実施例]
本発明のパネル型のエアフィルターの取付装置の実施例を説明する。
図3は、標準的な大規模の空気調和機1の平面図で、上流からフィルター室12、コイル室13、送風室14の順で配置され、フィルター室12には、戸外からの外気OAを外気取入口121から、室内からの還気RAを還気取入口122から取り入れ、エアフィルター3で微細なゴミを取り除き、清浄な空気はコイル室13のコイル131で熱交換器され、加湿器132等で空気調和された空気は、送風室14のファン142によって給気SAの給気供給口141から居室等に送風される。
図3のフィルター室12において、パッキン31、メインフィルター32とプレフィルター33からなるパネル型のエアフィルター3は、パッキン31を介して仕切機構4に設けられ、点検扉123から保守点検や清掃や交換のために着脱する。
【0010】
ここで、本発明の空気調和機のエアフィルターの取付装置の全体の概略を図3図4に沿って説明する。
図3図4において、フィルター室12と熱交換するコイル室13を仕切る仕切機構4(41)は、パッキン31、その上流に配置するメインフィルター32、その上流に配置するプレフィルター33で気密性を確保して取り付けられる。ここで、メインフィルター32は塵等を捕集し、捕集効率が低下する時期に清掃或いは交換する。プレフィルター33はメインフィルター32の上流に設けられ、比較的大きな塵を捕集し、短期間で清掃或いは交換して、メインフィルター32の清掃や交換時期を長くして効率を向上させる。
図4で、メインフィルター下流側のメインフィルター枠周囲に沿ってパッキン31が設けられ、次に仕切枠41の上下枠に設けられたメインフィルター用レール42が上下に設けられ、そのメインフィルター用レール42にはメインフィルター32を側面からスライドさせて収納する。
同様に最上流の上部にはプレフィルター用のガイドレール51、下部には下側ガイドレール52を設けて、この1対の上下部のガイドレール51,52に側面からスライドさせてプレフィルター33を収納する。
ここで、上下部のガイドレール51,52の詳細を図5の上側ガイドレール51、下側ガイドレール52を説明する。
【0011】
図5の上側ガイドレール51は、脱落防止金具512と上流側の上流壁514と下流壁515と底部(天井部)516からなる断面コ字状のプレフィルター用のスライド枠511を形成し、所定箇所において、本実施例での所定箇所は上側ガイドレール51の左端近傍には切欠き部分513が設けられ(上下ガイドレールの各1箇所)ている。なお、この切欠き部分513は後述するプレフィルター33の固定部材が貫通するためのものである。
このプレフィルター33用のスライド枠511の両端部には、このスライド枠511全体が仕切枠41の天井水平部411を前後に移動可能にすることから、脱落を防止するために、天井水平部411の縁を前後に移動可能にするとともに、脱落しないように脱落防止金具512を設ける。この脱落防止金具512は天井水平部411の上面を前後にスライドする引掛部5121を有し、該金具512を取付孔5122にリベット5123を差し込んでスライド枠511に固着する。したがって、脱落防止金具512はスライド枠511が前後に移動可能であるが、左右に移動することができないので脱離することがなく、スライド枠511が仕切枠41の天井水平部411から脱離することはない。
【0012】
同様に、図6のプレフィルター33用の下側ガイドレール52は、上流側の上流壁524と下流側の 下流壁525と底部526からなる断面コ字状のプレフィルター用のスライド枠521を形成し、所定箇所において、例えば、本実施例での所定箇所では左端近傍には切欠き部分523が設けられ(1箇所)ている。なお、この切欠き部分523は後述するプレフィルター33の固定部材が貫通するためのものである。
このスライド枠521の所定箇所には、このスライド枠521全体が仕切枠41の底部412を前後に移動可能にすることから、脱落を防止するために、脱落しないようにL字状の引掛部5221を有する脱落防止金具522を設ける。この脱落防止金具522は仕切枠41の底部の前面垂直壁4121の掛け孔4122に引掛部5221を挿入、該金具522を取付孔5222にリベット5223でスライド枠521に固着する。したがって、この脱落防止金具522によって、スライド枠521が左右移動することがなく、且つ、前後方向にも引掛部5221によって、必要以上の移動が規制されることになる。
【0013】
次に、メインフィルターの固定構成を、図7を参照して説明する。
図7図4でのY―Y線での断面図で、図7(a)において、プレフィルター33は装着されずにパッキン31とメインフィルター32は重なり下流側に隙間Bを有した状態でセットされている。なお、本発明の固定機構は、具体的にはノブボルト等のネジ機構を用いたが、他の固定手段でも良い。
この場合にメインフィルター32の上流側面321の上端部3211及び下端部3212は、上部の上側ガイドレール51の下流壁515と、下部の下側ガイドレール52の下流壁525とに接した状態にある。
ここで、上側のメインフィルター固定用のノブボルト61は、天井の前面垂直壁4111に設けられた固定雌ネジ部611に係合され、同様に、下側のメインフィルター固定用の下ノブボルト61も、底部412の前面垂直壁4121に設けられた固定雌ネジ611に係合され、これらノブボルト61のツマミ614を回すことによって、それぞれの中心軸612の先端部613が前進及び後退する。
この場合に図7(a)のように下流側に隙間Bがあると、上側ガイドレール51及び下側ガイドレール52自体も下流側にスライドしてパッキン31及びメインフィルター32を仕切枠41に密着するように押圧する。
ここで、上下のノブボルト61のツマミ614を回し、それぞれのノブボルト61における中心軸612の先端部613が前進した場合には隙間Bがなくなり、最終的には図7(b)になる。
【0014】
このように、図7(b)では、先端部613が下流側に前進すると、上側ガイドレール51の上流壁514を押す(図7(b)では左側に押す)と同時に、下側ガイドレール52の上流壁524を押すので、両ガイドレール51、52の全体が仕切枠41側(図7(b)では左側に押す)に押され、下側ガイドレール52自体も仕切枠41側にスライドし、隙間Bは無くなり上下のガイドレール51、52の下流壁515と525がメインフィルター32の上下端の縁部を仕切枠41側に押し付けて固定する。
この図7(b)の状態では、プレフィルター33には関係なく、メインフィルター32は固定されている。逆に、メインフィルター32を離脱するには、上下の1対のノブボルト61を逆に方向に回して、ノブボルト61における中心軸612の先端部613が後退させて、図7(a)の状態にして、メンイフィルター32を移動自由な状態にして、点検扉123から仕切枠41の底部412のレール部を側面にスライドさせて脱離させれば良い。
【0015】
次に、プレフィルター33の固定機構について、図8を参照して説明する。
図8図4でのZ―Z線での断面図で、図8(a)は、プレフィルター33が図3での点検扉123から仕切枠41の底部412の上側ガイドレール51と下側ガイドレール52との間に、プレフィルター33を側面から上下のガイドレール51、52にスライドさせて装着し、装着後にプレフィルター固定用のノブボルト71で固定する。
ここで、上側のプレフィルター固定用のノブボルト71は、天井の前面垂直壁4111に設けられた固定雌ネジ部711に係合され、同様に、下側のプレフィルター固定用の下ノブボルト71も、底部412の前面垂直壁4121に設けられた固定雌ネジ711に係合され、これらノブボルト71のツマミ714を回すことによって、それぞれの中心軸712の先端部713が前進及び後退する。
図8(a)では、プレフィルター33は上側ガイドレール51と下側ガイドレール52との間に緩く支持された状態で保持される。
ここで、上側ガイドレール51のプレフィルター固定用のノブボルト71のツマミ714をその先端部713が前進するように回すと、本来上流壁514がある箇所は切欠き部分513となっているのでこの部分を通過し、図8(b)に示すように、先端部713は直接にプレフィルター33の上流側表面331の右側表面に当たり、上側ガイドレール51の下流壁515に対して押し圧し、同時にメインフィルター32の上流側面321の上端部3211をも押し圧し固定する。このノブボルト71はプレフィルター33に作用するが、下流壁515及びメインフィルター32の上流側面321の下端部3212をも押し圧する。
【0016】
同様に、下側ガイドレール52のプレフィルター固定用のノブボルト71のツマミ714を先端部713が前進するように回すと、下側ガイドレール52の上流壁524の左端には上流壁524がなく、何も存在しない切欠き部分523が設けられているので、プレフィルター用ノブボルト71の先端部713は前進し、図8(b)に示すように、本来上流壁524がある箇所は切欠き部分523となっているのでこの部分を通過し、先端部713は直接にプレフィルター33の上流側表面331に当たり、下側ガイドレール52の下流壁525に対して押し圧し固定する。このノブボルト71はプレフィルター33に作用するが、下流壁525及びメインフィルター32も押し圧し、同時にこのノブボルト71はプレフィルター33に作用するが、下流壁515及びメインフィルター32の下端部3212をも押し圧する。
以上のように、プレフィルター33は上下のガイドレール51、52により強固に支持されることになる。逆に、プレフィルター33を離脱するには、上下の1対のプレフィルター固定用のノブボルト71を逆に方向に回して、ノブボルト71における中心軸712の先端部713が後退させて、図8(a)の状態にし、プレフィルター33を移動自由な状態にして、点検扉123を開き上下のガイドレール51、52でスライドさせてから離脱させれば良い。
【0017】
このような構成であるので、本発明の実施例の空気調和機のメインフィルター32とその上流に配置するプレフィルター33を設けるパネル型エアフィルター3において、仕切枠41の前面中央部に位置するメインフィルター用の上下1対のノブボルト61を締めておけば、仕切枠41の前面の点検扉123に近いプレフィルター33の端部に位置するプレフィルター用ノブボルト71を操作するだけで、メインフィルター32を仕切機構4に固定したまま、頻繁に清掃や交換を必要とするプレフィルター33だけを簡単に着脱自在にすることができる。したがって、メインフィルター32をそのままにして、プレフィルター33を頻繁に、且つ簡単に取り出して、交換或いは清掃をおこなうことが可能になる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。
【符号の説明】
【0018】
1・・空気調和機、12・・フィルター室、121・・外気取入口、
122・還気取入口、123・・点検扉、13・・コイル室、131・・コイル
14・・送風室、141・・給気供給口、142・・ファン、
3・・パネル型エアフィルター、31・・パッキン、
32・・メインフィルター、321・・上流側面、
3211・・上端部、3212・・下端部、
33・・プレフィルター、331・・上流側表面、
4・・仕切機構、41・・仕切枠、411・・天井水平部、
4111・・天井の前面垂直壁、
412・・底部、4121・・底部の前面垂直壁、4122・・掛け孔、
51・・上側ガイドレール、511・・スライド枠、512・・脱落防止金具、
5121・・引掛部、5122・・取付孔、5123・・リベット、
513・・切欠き部分、514・・上流壁、515・・下流壁、
516・・底部(天井部)、
52・・下側ガイドレール、521・・スライド枠、522・・脱落防止金具、
5221・引掛部、5222・・取付孔、5223・・リベット、
523・・切欠き部分、524・・上流壁、
525・・下流壁、526・・底部、
61・・メインフィルター用ノブボルト、611・・固定雌ねじ部、
612・・中心軸、613・・先端部、614・・ツマミ、
71・・プレフィルター用ノブボルト、711・・固定雌ねじ部、
712・・中心軸、713・・先端部、714・・ツマミ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8