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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115442
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ドラムカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20220802BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20220802BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G03G21/18 171
G03G21/18 114
G03G21/16 152
G03G21/16 147
G03G15/00 651
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012036
(22)【出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 郷
【テーマコード(参考)】
2H035
2H171
【Fターム(参考)】
2H035CA07
2H035CD11
2H035CD14
2H035CZ01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA09
2H171FA17
2H171GA08
2H171JA23
2H171JA31
2H171JA35
2H171JA51
2H171KA05
2H171KA13
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA26
2H171QA04
2H171QA08
2H171QB02
2H171QB16
2H171QB32
2H171QC05
2H171QC22
2H171QC25
2H171SA10
2H171SA12
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171SA32
(57)【要約】
【課題】クリーニングローラが回転しにくくなるのを抑制することを目的とする。
【解決手段】ドラムカートリッジ50は、感光体ドラム51と、感光体ドラム51と接触するクリーニングローラ53であって、クリーニングシャフト53Aを有するクリーニングローラ53と、クリーニングローラ53を感光体ドラム51に押圧する押圧部材54であって、クリーニングシャフト53Aの外周面に接触する押圧部材54と、クリーニングローラ53と電気的に接続されるクリーニング電極56を備える。クリーニング電極56は、押圧部材54を介してクリーニングローラ53に電気的に接続される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムと、
前記感光体ドラムと接触するクリーニングローラであって、クリーニングシャフトを有するクリーニングローラと、
前記クリーニングローラを前記感光体ドラムに押圧する押圧部材であって、前記クリーニングシャフトの外周面に接触する押圧部材と、
前記クリーニングローラと電気的に接続されるクリーニング電極と、を備え、
前記クリーニング電極は、前記押圧部材を介して前記クリーニングローラに電気的に接続されることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項2】
前記クリーニングローラは、前記第1方向に延びるクリーニング軸について回転可能であり、
前記押圧部材は、前記第1方向に交差する第2方向において、前記クリーニングローラを前記感光体ドラムに押圧することを特徴とする請求項1に記載のドラムカートリッジ。
【請求項3】
前記第2方向は、前記第1方向と直交することを特徴とする請求項2に記載のドラムカートリッジ。
【請求項4】
前記クリーニング電極は、前記第2方向において、前記クリーニングシャフトから離れていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のドラムカートリッジ。
【請求項5】
前記クリーニングシャフトは、前記第2方向において、前記感光体ドラムと前記押圧部材の間に位置することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項6】
前記押圧部材と前記クリーニング電極とを電気的に接続させる接続バネを備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項7】
前記接続バネは、前記第1方向において、前記押圧部材と前記クリーニング電極の間に位置することを特徴とする請求項6に記載のドラムカートリッジ。
【請求項8】
前記接続バネは、前記第1方向に伸縮可能なコイルバネであることを特徴とする請求項7に記載のドラムカートリッジ。
【請求項9】
前記クリーニング電極は、前記第1方向に延びる第1ボスであって、前記第1方向における前記接続バネの一端に嵌る第1ボスを有することを特徴とする請求項8に記載のドラムカートリッジ。
【請求項10】
前記押圧部材は、前記第1方向に延びる第2ボスであって、前記第1方向における前記接続バネの他端に嵌る第2ボスを有することを特徴とする請求項9に記載のドラムカートリッジ。
【請求項11】
前記感光体ドラムを回転可能に保持するドラムフレームを備え、
前記ドラムフレームは、
前記押圧部材が前記第1方向に移動するのを規制する規制ボスを備えることを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項12】
前記押圧部材は、
前記クリーニングシャフトに接触する接触部と、
前記接触部から前記クリーニングシャフトとは反対側に延びる第1壁であって、前記規制ボスと前記接続バネの間に位置する第1壁と、を有することを特徴とする請求項11に記載のドラムカートリッジ。
【請求項13】
前記押圧部材は、前記接触部から前記クリーニングシャフトとは反対側に延びる第2壁を有し、
前記規制ボスは、前記第1方向において、前記第1壁と前記第2壁の間に位置することを特徴とする請求項12に記載のドラムカートリッジ。
【請求項14】
前記押圧部材を前記クリーニングシャフトに向けて付勢するバネを備え、
前記規制ボスは、前記バネを保持することを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項15】
前記バネは、コイル部と2つのアーム部とを有するトーションバネであり、
前記規制ボスは、前記コイル部内に入ることを特徴とする請求項14に記載のドラムカートリッジ。
【請求項16】
前記ドラムカートリッジは、本体電極を有する本体筐体に着脱可能であり、
前記クリーニング電極は、前記ドラムカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において前記本体電極に接触することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項17】
前記クリーニング電極は、
前記ドラムカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において前記本体電極と接触する接触面と、
前記ドラムカートリッジが前記本体筐体に装着される過程において前記本体電極を前記接触面に案内するガイド面と、を有することを特徴とする請求項16に記載のドラムカートリッジ。
【請求項18】
前記クリーニング電極は、導電性樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項19】
前記押圧部材は、導電性樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、感光体ドラムをクリーニングするためのクリーニングローラを備えたドラムカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドラムカートリッジとして、感光体ドラムと、クリーニングローラと、押圧部材と、クリーニング電極と、を備えるものが知られている(特許文献1参照)。感光体ドラムは、第1方向に延びるドラム軸について回転可能である。クリーニングローラは、第1方向に延びるクリーニングシャフトを有している。
【0003】
押圧部材は、第1方向に直交する第2方向においてクリーニングローラを感光体ドラムに押圧する部材であり、クリーニングシャフトの外周面に接触している。クリーニング電極は、クリーニングシャフトの第1方向の一端に接触している。
【0004】
ドラムカートリッジは、本体筐体に着脱可能である。本体筐体は、クリーニング電極に電気を供給するための本体電極を備えている。本体電極は、クリーニング電極と接触する接点部と、接点部をクリーニング電極に向けて第1方向に付勢するバネ部と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-106349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、押圧部材が、クリーニングシャフトの外周面に接触するので、クリーニングシャフトと押圧部材との間に摩擦が生じる。さらに、ドラムカートリッジが本体筐体に装着された状態において、本体電極の付勢力によってクリーニング電極が、第1方向において、クリーニングシャフトの一端に押圧されるので、クリーニングシャフトとクリーニング電極との間にも摩擦が生じる。
そのため、クリーニングシャフトにかかる摩擦力が大きくなり、クリーニングローラが回転しにくくなるおそれがある。
【0007】
そこで、本開示は、ドラムカートリッジが感光体ドラムとクリーニングローラと押圧部材とクリーニング電極とを備える場合に、クリーニングシャフトにかかる摩擦力が大きくなり、クリーニングローラが回転しにくくなるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本開示に係るドラムカートリッジは、第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムと、前記感光体ドラムと接触するクリーニングローラであって、クリーニングシャフトを有するクリーニングローラと、前記クリーニングローラを前記感光体ドラムに押圧する押圧部材であって、前記クリーニングシャフトの外周面に接触する押圧部材と、前記クリーニングローラと電気的に接続されるクリーニング電極と、を備える。
前記クリーニング電極は、前記押圧部材を介して前記クリーニングローラに電気的に接続される。
【0009】
この構成によれば、クリーニングローラを感光体ドラムに押圧するための押圧部材を利用して、クリーニング電極をクリーニングシャフトに電気的に接続させるので、クリーニング電極をクリーニングシャフトの一端に押し付ける必要がない。つまり、従来の構造に比べ、クリーニング電極とクリーニングシャフトとの摩擦をなくすことができるので、ドラムカートリッジが感光体ドラムとクリーニングローラと押圧部材とクリーニング電極とを備える場合において、クリーニングシャフトにかかる摩擦力が大きくなるのを抑制することができ、クリーニングローラが回転しにくくなるのを抑制することができる。また、例えば押圧部材とは別の部材を介してクリーニング電極をクリーニングシャフトに電気的に接続させる構造と比べ、構造を簡易化することができる。
【0010】
また、前記クリーニングローラは、前記第1方向に延びるクリーニング軸について回転可能であり、前記押圧部材は、前記第1方向に交差する第2方向において、前記クリーニングローラを前記感光体ドラムに押圧してもよい。
【0011】
また、前記第2方向は、前記第1方向と直交してもよい。
【0012】
また、前記クリーニング電極は、前記第2方向において、前記クリーニングシャフトから離れていてもよい。
【0013】
また、前記クリーニングシャフトは、前記第2方向において、前記感光体ドラムと前記押圧部材の間に位置してもよい。
【0014】
また、前記押圧部材と前記クリーニング電極とを電気的に接続させる接続バネを備えていてもよい。
【0015】
この構成によれば、接続バネによって、押圧部材とクリーニング電極との電気的な接続をより確実に行うことができる。
【0016】
また、前記接続バネは、前記第1方向において、前記押圧部材と前記クリーニング電極の間に位置してもよい。
【0017】
また、前記接続バネは、前記第1方向に伸縮可能なコイルバネであってもよい。
【0018】
また、前記クリーニング電極は、前記第1方向に延びる第1ボスであって、前記第1方向における前記接続バネの一端に嵌る第1ボスを有していてもよい。
【0019】
この構成によれば、接続バネがクリーニング電極から外れるのを第1ボスによって抑制することができる。
【0020】
また、前記押圧部材は、前記第1方向に延びる第2ボスであって、前記第1方向における前記接続バネの他端に嵌る第2ボスを有していてもよい。
【0021】
この構成によれば、接続バネが押圧部材から外れるのを第2ボスによって抑制することができる。
【0022】
また、前記ドラムカートリッジは、前記感光体ドラムを回転可能に保持するドラムフレームを備え、前記ドラムフレームは、前記押圧部材が前記第1方向に移動するのを規制する規制ボスを備えていてもよい。
【0023】
この構成によれば、押圧部材が第1方向にずれるのを規制ボスによって抑制することができる。
【0024】
また、前記押圧部材は、前記クリーニングシャフトに接触する接触部と、前記接触部から前記クリーニングシャフトとは反対側に延びる第1壁であって、前記規制ボスと前記接続バネの間に位置する第1壁と、を有していてもよい。
【0025】
この構成によれば、接続バネの付勢力によって押圧部材が第1方向に移動するのを規制ボスによって規制することができる。
【0026】
また、前記押圧部材は、前記接触部から前記クリーニングシャフトとは反対側に延びる第2壁を有し、前記規制ボスは、前記第1方向において、前記第1壁と前記第2壁の間に位置していてもよい。
【0027】
この構成によれば、押圧部材が第1方向の一方と他方に移動するのを規制ボスによって規制することができる。
【0028】
また、前記押圧部材を前記クリーニングシャフトに向けて付勢するバネを備え、前記規制ボスは、前記バネを保持してもよい。
【0029】
この構成によれば、規制ボスとは別の部位でバネを保持する構造と比べ、構造を簡易化することができる。
【0030】
また、前記バネは、コイル部と2つのアーム部とを有するトーションバネであり、前記規制ボスは、前記コイル部内に入るボスであってもよい。
【0031】
また、前記ドラムカートリッジは、本体電極を有する本体筐体に着脱可能であり、前記クリーニング電極は、前記ドラムカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において前記本体電極に接触してもよい。
【0032】
また、前記クリーニング電極は、前記ドラムカートリッジが前記本体筐体に装着された状態において前記本体電極と接触する接触面と、前記ドラムカートリッジが前記本体筐体に装着される過程において前記本体電極を前記接触面に案内するガイド面と、を有していてもよい。
【0033】
この構成によれば、ガイド面によって本体電極を接触面に案内するので、接触面と本体電極をより確実に接触させることができる。
【0034】
また、前記クリーニング電極は、導電性樹脂からなっていてもよい。
【0035】
また、前記押圧部材は、導電性樹脂からなっていてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本開示によれば、ドラムカートリッジが感光体ドラムとクリーニングローラと押圧部材とクリーニング電極とを備える場合に、クリーニングシャフトにかかる摩擦力が大きくなってクリーニングローラが回転しにくくなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本開示の実施形態に係るドラムカートリッジを備えたカラープリンタを示す断面図である。
図2】クリーニング電極周りの構造を示す斜視図である。
図3】クリーニング電極周りの構造を分解して示す斜視図である。
図4】押圧部材周りの構造を示す断面図である。
図5】クリーニング電極と本体電極の関係を示す図(a)~(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本開示の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、カラープリンタ1は、本体筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、排出部90とを備えている。
【0039】
本体筐体10は、開口10Aと、アッパーカバー11とを有している。開口10Aは、後述するプロセスカートリッジ40が通過可能な開口である。アッパーカバー11は、開口10Aを開閉するためのカバーである。アッパーカバー11の上面は、本体筐体10から排出されたシートSを蓄積する排出トレイ11Aとなっている。アッパーカバー11は、LEDユニット31を保持する複数のLED取付部材11Bを有している。
【0040】
シート供給部20は、供給トレイ21と、シート搬送機構22とを備えている。供給トレイ21は、シートSを収容する。シート搬送機構22は、供給トレイ21から感光体ドラム51に向けてシートSを搬送する。
【0041】
画像形成部30は、4つのLEDユニット31と、4つのプロセスカートリッジ40と、転写ユニット70と、定着装置80とを備えている。
【0042】
LEDユニット31は、感光体ドラム51を露光する複数のLED(図示略)を備えている。LEDユニット31は、LED取付部材11Bに回動可能に連結されている。
【0043】
プロセスカートリッジ40は、アッパーカバー11とシート供給部20との間で前後方向に並んで配置されている。プロセスカートリッジ40は、ドラムカートリッジ50と、現像カートリッジ60とを備えている。ドラムカートリッジ50は、本体筐体10に着脱可能となっている。ドラムカートリッジ50は、感光体ドラム51と、帯電器52と、クリーニングローラ53とを備えている。
【0044】
感光体ドラム51は、第1方向に延びるドラム軸X1について回転可能である。
帯電器52は、感光体ドラム51を帯電させるための帯電ワイヤ52Aを備えている。帯電ワイヤ52Aは、第1方向に延びている。
【0045】
クリーニングローラ53は、感光体ドラム51をクリーニングするためのローラである。クリーニングローラ53は、感光体ドラム51に接触している。
【0046】
現像カートリッジ60は、ドラムカートリッジ50に着脱可能となっている。現像カートリッジ60は、現像ローラ61と、供給ローラ62と、トナー収容室63とを備えている。
【0047】
現像ローラ61は、感光体ドラム51にトナーを供給するローラである。供給ローラ62は、現像ローラ61にトナーを供給するローラである。
【0048】
転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。駆動ローラ71および従動ローラ72は、無端状の搬送ベルト73を回転させるためのローラである。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に配置されている。転写ローラ74は、感光体ドラム51との間で搬送ベルト73を挟んでいる。
【0049】
定着装置80は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82とを備えている。加熱ローラ81は、感光体ドラム51から搬送されたシートSにトナー像を定着させるローラである。加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを挟む。
【0050】
画像形成部30では、帯電器52が、感光体ドラム51の表面を帯電する。その後、LEDユニット31が、感光体ドラム51の表面を露光する。これにより、感光体ドラム51上に静電潜像が形成される。
【0051】
現像ローラ61は、トナー収容室63内のトナーを、感光体ドラム51上の静電潜像に供給する。これにより、感光体ドラム51上にトナー像が形成される。
【0052】
搬送ベルト73は、シートSを搬送する。シートSは、感光体ドラム51と転写ローラ74の間を通過する。この際、感光体ドラム51上のトナー像が、シートSに転写される。その後、シートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を通過する。この際、シートS上のトナー像が熱定着される。
【0053】
排出部90は、排出ローラ91を備えている。排出ローラ91は、定着装置80から搬送されたシートSを排出トレイ11Aに排出する。
【0054】
図2に示すように、クリーニングローラ53は、第1方向に延びるクリーニング軸X2について回転可能である。クリーニングローラ53は、円柱状のクリーニングシャフト53Aと、円筒状のローラ部53Bとを有している。
【0055】
クリーニングシャフト53Aは、例えば金属などからなる。クリーニングシャフト53Aは、第1方向に交差する第2方向において、感光体ドラム51から離れている。なお、本実施形態では、第2方向は、ドラム軸X1とクリーニング軸X2を結ぶ直線に沿った方向である。また、好ましくは、第2方向は、第1方向に直交する。クリーニングシャフト53Aは、第2方向において、感光体ドラム51と押圧部材54の間に位置する。
【0056】
ローラ部53Bは、例えばゴムなどからなる。ローラ部53Bは、クリーニングシャフト53Aの一部を被覆している。ローラ部53Bは、感光体ドラム51に接触している。
【0057】
ドラムカートリッジ50は、押圧部材54と、バネ55と、クリーニング電極56と、接続バネ57と、ドラムフレーム58とをさらに備えている。押圧部材54およびクリーニング電極56は、導電性樹脂からなる。バネ55および接続バネ57は、例えば金属からなる。ドラムフレーム58は、非導電性の樹脂からなる。クリーニング電極56は、接続バネ57および押圧部材54を介してクリーニングローラ53のクリーニングシャフト53Aに電気的に接続されている。
【0058】
接続バネ57は、押圧部材54とクリーニング電極56とを電気的に接続させるバネである。接続バネ57は、第1方向において、押圧部材54とクリーニング電極56の間に位置する。接続バネ57は、第1方向に伸縮可能なコイルバネである。第1方向における接続バネ57の一端は、クリーニング電極56に接触する。第1方向における接続バネ57の他端は、押圧部材54に接触する。
【0059】
クリーニング電極56は、第1方向に延びる第1ボス56Aを有する。第1ボス56Aは、第1方向における接続バネ57の一端に嵌る。押圧部材54は、第1方向に延びる第2ボス54Dを有する。第2ボス54Dは、第1方向における接続バネ57の他端に嵌る。
【0060】
押圧部材54は、第2方向において、クリーニングローラ53を感光体ドラム51に押圧する部材である。押圧部材54は、クリーニングシャフト53Aの第1方向の一端と他端に1つずつ配置されている。一端側の押圧部材54は、クリーニングシャフト53Aの第1方向の一端を感光体ドラム51に向けて押圧する。他端側の押圧部材54は、クリーニングシャフト53Aの第1方向の他端を感光体ドラム51に向けて押圧する。なお、一端側の押圧部材54と他端側の押圧部材54は、略同一構造であるため、以下、一端側の押圧部材54について代表して説明する。図3に示すように、押圧部材54は、接触部54Aと、第1壁54Bと、第2壁54Cとをさらに有する。
【0061】
接触部54Aは、クリーニングシャフト53Aの外周面に接触する部位である(図4も参照)。接触部54Aは、クリーニングシャフト53Aの外周面に沿ったC形状を有する。
【0062】
第1壁54Bおよび第2壁54Cは、接触部54Aからクリーニングシャフト53Aとは反対側に延びている。第1壁54Bおよび第2壁54Cは、第1方向において間隔を空けて配置されている。第2ボス54Dは、第1壁54Bから第2壁54Cとは反対側に向けて第1方向に延びている。
【0063】
バネ55は、押圧部材54をクリーニングシャフト53Aに向けて付勢するトーションバネである。バネ55は、コイル部55Aと、2つのアーム部55B,55Cとを有する。一方のアーム部55Bは、押圧部材54の接触部54Aに接触する。他方のアーム部55Cは、ドラムフレーム58の後述するベース壁58Aに接触する。
【0064】
ドラムフレーム58は、ベース壁58Aと、側壁58Bと、突出壁58Cと、規制ボス58Dとを有する。ベース壁58Aは、感光体ドラム51の外周面と対向している。側壁58Bは、ベース壁58Aの第1方向の一端から突出している。側壁58Bは、感光体ドラム51の第1方向の一端とクリーニングシャフト53Aの第1方向の一端を回転可能に保持する。
【0065】
突出壁58Cは、ベース壁58Aから第1方向および第2方向に交差する方向に突出している。突出壁58Cの先端は、第1方向においてクリーニング電極56と対向している。
【0066】
規制ボス58Dは、突出壁58Cの先端からクリーニング電極56に向けて第1方向に突出するボスである。規制ボス58Dは、バネ55のコイル部55A内に入ることで、バネ55を保持している。図5に示すように、押圧部材54の第1壁54Bは、第1方向において、規制ボス58Dと接続バネ57の間に位置する。これにより、規制ボス58Dは、接続バネ57から力を受けた押圧部材54が第1方向に移動するのを規制する。
【0067】
また、突出壁58Cおよび規制ボス58Dは、第1方向において、押圧部材54の第1壁54Bと第2壁54Cの間に位置する。これにより、押圧部材54が、第1方向の一方と他方に移動することが突出壁58Cおよび規制ボス58Dによって規制される。
【0068】
本体筐体10は、本体電極12と、本体バネ13とを有する。本体電極12は、クリーニング電極56に電気を供給する電極である。本体バネ13は、図5(c)に示すように、ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着された状態において、本体電極12をドラムカートリッジ50に向けて第1方向に付勢する。
【0069】
クリーニング電極56は、ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着された状態において本体電極12に接触する電極である。クリーニング電極56は、ドラムフレーム58の側壁58Bに取り付けられている。クリーニング電極56は、第2方向において、クリーニングシャフト53Aから離れている。本実施形態では、クリーニング電極56は、第2方向において、ローラ部53Bから離れている。
【0070】
クリーニング電極56は、接触面56B(図2も参照)と、ガイド面56Cとを有する。図5(c)に示すように、接触面56Bは、ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着された状態において本体電極12と接触する面である。ガイド面56Cは、図5(b),(c)に示すように、ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着される過程において本体電極12を接触面56Bに案内する面である。
【0071】
接触面56Bは、第1方向に交差している。好ましくは、接触面56Bは、第1方向に直交している。ガイド面56Cは、接触面56Bの第2方向の一端(ドラムカートリッジ50の装着方向における下流側の端)に接続されている。ガイド面56Cは、接触面56Bから第2方向に離れるにつれて、第1方向においてローラ部53Bに近づくように、接触面56Bに対して傾斜している。
【0072】
次に、ドラムカートリッジ50を本体筐体10に装着する過程と、ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着された状態の、クリーニング電極56、本体電極12および本体バネ13の作用について、図5を参照して説明する。
【0073】
図5(a),(b)に示すように、ドラムカートリッジ50を本体筐体10に装着していくと、クリーニング電極56のガイド面56Cが本体電極12に接触する。ガイド面56Cは、本体電極12を、本体バネ13の付勢力に抗して、第1方向におけるドラムカートリッジ50から遠ざかる方向に移動させる。これにより、図5(b),(c)に示すように、本体電極12が、ガイド面56Cによって、接触面56Bに案内される。
【0074】
図5(c)に示すように、ドラムカートリッジ50が本体筐体10に装着された状態においては、本体バネ13の付勢力がクリーニング電極56に働くが、クリーニング電極56が第2方向においてクリーニングローラ53から離れた位置でドラムフレーム58の側壁58Bに取り付けられているため、本体バネ13の第1方向の付勢力がクリーニングローラ53に加わることはない。
【0075】
図示せぬ電源によりクリーニングローラ53に電気を供給する場合には、電源から本体バネ13および本体電極12を介してクリーニング電極56に電気が供給される。クリーニング電極56に供給された電気は、接続バネ57および押圧部材54を介してクリーニングシャフト53Aに供給される。
【0076】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
本実施形態は、クリーニングローラ53を感光体ドラム51に押圧するための押圧部材54を利用して、クリーニング電極56をクリーニングシャフト53Aに電気的に接続させる。そのため、クリーニング電極56が、クリーニングシャフト53Aの一端に接触しない。その結果、クリーニングシャフト53Aにかかる摩擦力が大きくなることによりクリーニングローラ53が回転しにくくなるのを抑制することができる。また、例えば押圧部材とは別の部材を介してクリーニング電極をクリーニングシャフトに電気的に接続させる構造と比べ、構造を簡易化することができる。
【0077】
接続バネ57によって押圧部材54とクリーニング電極56とを電気的に接続させるので、押圧部材54とクリーニング電極56との電気的な接続をより確実に行うことができる。
【0078】
クリーニング電極56が接続バネ57の一端に嵌る第1ボス56Aを有するので、接続バネ57がクリーニング電極56から外れるのを抑制することができる。
【0079】
押圧部材54が接続バネ57の他端に嵌る第2ボス54Dを有するので、接続バネ57が押圧部材54から外れるのを抑制することができる。
【0080】
規制ボス58Dによって押圧部材54が第1方向に移動するのを規制するので、押圧部材54が第1方向にずれるのを抑制することができる。
【0081】
押圧部材54の第1壁54Bが規制ボス58Dと接続バネ57の間に位置するので、接続バネ57の付勢力によって押圧部材54が第1方向に移動するのを規制ボス58Dによって規制することができる。
【0082】
規制ボス58Dが、第1方向において、第1壁54Bと第2壁54Cの間に位置するので、押圧部材54が第1方向の一方と他方に移動するのを規制ボス58Dによって規制することができる。
【0083】
規制ボス58Dがバネ55を保持するので、例えば規制ボスとは別の部位でバネを保持する構造と比べ、構造を簡易化することができる。
【0084】
ガイド面56Cによって本体電極12を接触面56Bに案内するので、接触面56Bと本体電極12をより確実に接触させることができる。
【0085】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0086】
前記実施形態では、クリーニング電極と押圧部材の間に接続バネを介在させたが、本開示はこれに限定されず、接続バネはなくてもよい。この場合、例えば、クリーニング電極を押圧部材に接触させてもよい。また、押圧部材およびクリーニング電極の少なくとも一方を、板バネ、線バネなどで構成してもよい。
【0087】
接続バネは、コイルバネに限らず、トーションバネ、板バネなどのその他のバネであってもよい。バネは、トーションバネに限らず、板バネ、コイルバネなどのその他のバネであってもよい。
【0088】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0089】
50 ドラムカートリッジ
51 感光体ドラム
53 クリーニングローラ
53A クリーニングシャフト
54 押圧部材
56 クリーニング電極
図1
図2
図3
図4
図5