(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115476
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】表紙体及びファイル
(51)【国際特許分類】
B42F 7/00 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
B42F7/00 B
B42F7/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012086
(22)【出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多賀谷 彰
(72)【発明者】
【氏名】谷本 康一
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017QA01
2C017QA17
2C017QB01
(57)【要約】
【課題】見開きの2ページを視認しやすい状態で自立させることができる表紙体を提供する。
【解決手段】表紙体は、開閉可能に折り曲げられる第1表紙及び第2表紙を有し、当該第1表紙及び第2表紙はそれぞれ二重構造をなす二重構造部を含む表紙部と、第1表紙の二重構造部内を摺動可能に二重構造部に収容される第1表紙側摺動部と、第2表紙の二重構造部内を摺動可能に二重構造部に収容される第2表紙側摺動部とを有し、第1表紙及び第2表紙から引き出し可能に表紙部と接続される脚部とを備える。また、脚部は、第1表紙及び第2表紙から引き出され、表紙部を開いた状態において、当該表紙部を自立させるように支持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能に折り曲げられる第1表紙及び第2表紙を有し、当該第1表紙及び第2表紙はそれぞれ二重構造をなす二重構造部を含む表紙部と、
前記第1表紙の前記二重構造部内を摺動可能に当該二重構造部に収容される第1表紙側摺動部と、前記第2表紙の前記二重構造部内を摺動可能に当該二重構造部に収容される第2表紙側摺動部とを有し、前記第1表紙及び前記第2表紙から引き出し可能に前記表紙部と接続される脚部と、
を備え、
前記脚部は、前記第1表紙及び前記第2表紙から引き出され、前記表紙部を開いた状態において、当該表紙部を自立させるように支持する
表紙体。
【請求項2】
前記脚部は、第1の折り目を介して前記第1表紙側摺動部に連設される第1脚板と、第2の折り目を介して前記第2摺動部に連設される第2脚板とを有し、
前記脚部が前記第1表紙及び前記第2表紙から引き出され、前記表紙部を開いた状態において、前記第1の折り目及び前記第2の折り目はそれぞれ折り曲げられ、前記第1脚板、前記第2脚板及び前記表紙部の一部は、略錐体形状の側面を形成する
請求項1に記載の表紙体。
【請求項3】
前記脚部は、前記第1脚板と前記第2脚板とにわたりスリットを有し、
前記スリットの略端部から伸びる折り目を山折りに折り曲げ、前記スリットの中間部から伸びる折り目を谷折りに折り曲げて中割り折りされる舌片部が形成される
請求項2に記載の表紙体。
【請求項4】
前記表紙部は、前記第1表紙と前記第2表紙との間に連設される背表紙を有し、
前記脚部は、第1脚板と第2脚板との間に連接される第3脚板と、前記第3脚板を前記背表紙に対して回動可能に接続する接続部と、を有する
請求項1から3のいずれか一項に記載の表紙体。
【請求項5】
前記舌片部が中割り折りされた状態において、前記舌片部の前記スリット側の端縁は前記表紙部において対向する位置に当接する
請求項3、又は請求項3を引用する請求項4に記載の表紙体。
【請求項6】
前記第1表紙は、当該第1表紙の二重構造部内に、前記第1表紙側摺動部と係合して摺動範囲を規制する第1規制部を有し、
前記第2表紙は、当該第2表紙の二重構造部内に、前記第2表紙側摺動部と係合して摺動範囲を規制する第2規制部を有する
請求項1から5のいずれか一項に記載の表紙体。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の表紙体を備えるファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表紙体及びファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
また、書類とじ具に対して表表紙と裏表紙と中央帯部とを開いた状態で水平な折目で外面側へ一定の角度に折曲げ可能とし、折曲げ下縁と書類とじ具の下端とで全体を書見台状に立設して置くことができるように構成したファイリング用具も提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
従来、裏表紙の自由端側に、切欠部が形成されている一方、表表紙には、この切欠部に係脱可能な係合部材を備えた紐状部材が設けられたファイルが提案されている(例えば、特許文献2)。本技術では、表紙体を閉じた状態で切欠部に係合部材を係合させると表紙体の開放規制が可能となる一方、表紙体を合せる方向に開放した状態で係合させると表紙体の各自由端縁を接地させて自立させることができる。
【0004】
また、表表紙または裏表紙に一端が取り付けられたベルトの他端側に、係止部材と係合部材とからなる係止具の一方の部材を配設するとともに、裏表紙または表表紙の外側に、係止具の一方の部材と係脱可能な係止具の他方の部材を配設したシステム手帳も提案されている(例えば、特許文献3)。机上などに立てて所望の頁を開けた状態で使用することにより、その一週間の予定を、冊子を逐一開けることなく確認することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63-170270号公報
【特許文献2】特開2001-18566号公報
【特許文献3】特開2001-277755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたファイルは見開きで自立させることができるが、表表紙及び裏表紙の下部を外面側へ折曲げるため、書類Pの下部は表紙によって支持されず、安定した姿勢を保てないおそれがあった。また、特許文献2に開示されたファイルは見開きでは自立させることができず、特許文献3に開示されたシステム手帳は、全体の見開きの片側にさらに判型数の小さなシステム手帳を見開きで備えるものである。
【0007】
そこで、本発明は、見開きの2ページを視認しやすい状態で自立させることができる表紙体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表紙体は、開閉可能に折り曲げられる第1表紙及び第2表紙を有し、当該第1表紙及び第2表紙はそれぞれ二重構造をなす二重構造部を含む表紙部と、第1表紙の二重構造部内を摺動可能に二重構造部に収容される第1表紙側摺動部と、第2表紙の二重構造部内を摺動可能に二重構造部に収容される第2表紙側摺動部とを有し、第1表紙及び第2表紙から引き出し可能に表紙部と接続される脚部とを備える。また、脚部は、第1表紙及び第2表紙から引き出され、表紙部を開いた状態において、当該表紙部を自立させるように支持する。
【0009】
表紙部とは別に、表紙部から引き出し可能な脚部を設けることで、脚部は、表示部を開いた見開き状態を維持しつつ、表紙部全体を支持することができる。したがって、見開きの2ページを視認しやすい状態で自立させることができる。
【0010】
また、脚部は、第1の折り目を介して第1表紙側摺動部に連設される第1脚板と、第2の折り目を介して第2摺動部に連設される第2脚板とを有し、脚部が第1表紙及び第2表紙から引き出され、表紙部を開いた状態において、第1の折り目及び第2の折り目はそれぞれ折り曲げられ、第1脚板、第2脚板及び表紙部の一部は、略錐体形状の側面を形成するようにしてもよい。例えばこのような略錐体形状によれば、表紙体は安定して自立する。
【0011】
また、脚部は、第1脚板と第2脚板とにわたりスリットを有し、スリットの略端部から伸びる折り目を山折りに折り曲げ、スリットの中間部から伸びる折り目を谷折りに折り曲げて中割り折りされる舌片部が形成されるようにしてもよい。中割り折りされた舌片部は、第1脚板と第2脚板とが閉じる方向の外力に抵抗するよう働き、上述した略錐体形状を維持させることができる。
【0012】
また、表紙部は、第1表紙と第2表紙との間に連設される背表紙を有し、脚部は、第1脚板と第2脚板との間に連接される第3脚板と、前記第3脚板を前記背表紙に対して回動可能に接続する接続部と、を有してもよい。このようにすれば、脚部を表紙部から引き出すべき方向がガイドされ、使い易くなる。
【0013】
また、舌片部が中割り折りされた状態において、舌片部のスリット側の端縁は、表紙部において対向する位置に当接するものであってもよく、特に表紙体が背表紙を有するものであれば当該背表紙に当接するものであってもよい。このようにすれば、舌片部は、上述した略錐体形状の構造を補強することができる。
【0014】
また、第1表紙は、当該第1表紙の二重構造部内に、第1表紙側摺動部と係合して摺動範囲を規制する第1規制部を有し、第2表紙は、当該第2表紙の二重構造部内に、第2表紙側摺動部と係合して摺動範囲を規制する第2規制部を有するものであってもよい。このようにすれば、脚部を表紙部から引き出すべき大きさを適切に定めることができ、使い易くなる。
【0015】
また、上述した表紙体を備えるファイルを提供するようにしてもよい。表紙体は、例えばファイルに適用することができる。なお、上述した表紙体を備える冊子、ブックカバー、フォトフレーム、スマートフォンケース、タブレットケース等を提供するようにしてもよい。
【0016】
上記した構成は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0017】
本願発明によれば、見開きの2ページを視認しやすい状態で自立させることができる表紙体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、ファイルを開いて自立させた状態を示す図である。
【
図2】
図2は、表紙体の構成を説明するための図である。
【
図3】
図3は、ファイルを閉じた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、脚部を表紙部から引き出した状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、表紙体を開いた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、見開きの状態で自立したファイルを内側から見た斜視図である。
【
図7】
図7は、自立するリングバインダーの一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を図に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明の例示であり、本発明は実施形態に限定されるものではない。
【0020】
図1は、実施形態に係るファイルを開いて自立させた状態を示す図である。ファイル1は、表紙体2の間に、例えば複数のポケットが綴じられたクリアーファイル(クリアーブック)である。表紙体2は、例えば樹脂で形成される。また、表紙体2は、ファイル1の表紙に相当する表紙部21と、ファイル1を見開きで自立した状態に支持する脚部22とを含む。
【0021】
表紙部21は、例えば表表紙である第1表紙211と、例えば裏表紙である第2表紙212と、背表紙213とを含む。また、表紙部21は、重ねられた2枚のパネルの縁等を例えば溶着して貼り合わせた二重構造になっている。2枚のパネルの間には、表紙部21から引き出して当該表紙部21を自立した状態に支持するための脚部22を、折り畳んで収容できる。
【0022】
脚部22は、折り畳まれた状態において第1表紙211と重なる第1脚板221と、折り畳まれた状態において第2表紙212と重なる第2脚板222と、折り畳まれた状態において背表紙213と重なる第3脚板223とを備える。また、脚部22を表紙体2から引き出してファイル1を開くと、平面状に開かれた第1表紙211及び第2表紙212等の一部と、第1脚板221と、第2脚板222とが、略錐体(例えば三角錐)形状の三面を形成する。そして、当該錐体形状により、ファイル1を安定して自立させることができる。また、第1脚板221、第3脚板223及び第2脚板222にわたり逆V字状のスリットが設けられている。そして、当該スリットによって形成される舌片部224を、折り紙の中割り折りのように中央を谷折りに、外側を山折りに折り込むことにより、上述した錐体形状を補強できる。なお、
図1に示すように、折り曲げられて角度が付いた第1脚板221及び第2脚板222の各々に設けられる山折りの間に1以上の谷折りを設け、舌片部224を割り入れるように折り込むことを、本実施形態では「中割り折り」と呼ぶものとする。
【0023】
図2は、表紙体の構成を説明するための図である。
図2は、ファイル1を開いた状態の平面図の一例を示す。
図2においては、二重構造である表紙体2の内部の構成を破線で表す。また、自立させた状態において山折りにされる折り目を一点鎖線で、谷折りにされる折り目を二点鎖線で示す。一点鎖線及び二点鎖線で示す折り目は、直線状に薄肉化されており、折り曲げが容易になっている。また、例えば溶着により接着される箇所を、細かい点で示す。
【0024】
表紙部21は、内側パネル214及び外側パネル215の縁等を溶着して形成された、第1表紙211、第2表紙212及び裏表紙213を有する。また、内側パネル214及び外側パネル215の間には、脚部22が挟み込まれている。なお、
図2においては、脚部22にハッチングを付す。上述したように、脚部22は、第1表紙211と重なる第1脚板221と、第2表紙212と重なる第2脚板222と、背表紙213と重なる第3脚板223とを備える。また、外側パネル215は、背表紙213の中間から、第1表紙211の下端中央付近及び第2表紙212の下端中央付近にかけてそれぞれ切り欠きを有し、開口している。また、外側パネル215の当該開口部からは脚部22が露出している。
また、第3脚板223は、背表紙213の上部に向かって短冊状に延びた延伸部(「接続部」とも呼ぶ)2231を有し、延伸部2231の縁は、背表紙213の内側パネル214部分に溶着されている。脚部22のうち延伸部2以外の部分は表紙部21と接着されておらず、延伸部2231とその他の部分との間(すなわち、延伸部2231の端縁)には例えば薄肉化されたヒンジ部2232が形成される。よって、ファイル1を閉じた状態において、脚部22はヒンジ部2232を中心に摺動(回動)可能であり、使用者は表紙部21から脚部22を引き出すことができる。
【0025】
また、第1脚板221は、表紙部21から引き出された引出位置においても内側パネル214及び外側パネル215の間に保持される第1表紙側摺動部2212と、谷折り線2211を介して連設されている。第1表紙側摺動部2212のうち、ヒンジ部2232を固定端とした回動の外周側に当たる自由端側には、回動範囲を規制するための凸部である規制部2213を有する。同様に、第2脚板222は、表紙部21から引き出された引出位置においても内側パネル214及び外側パネル215の間に保持される第2表紙側摺動部2222と、谷折り線2212を介して接続されている。第2表紙側摺動部2222のうち、ヒンジ部2232を固定端とした回動の外周側に当たる自由端側には、回動範囲を規制するための凸部である規制部2223を有する。
【0026】
また、表紙体2は、脚部22が摺動する範囲を規制する規制部材231、232を、内側パネル214及び外側パネル215の間に備えている。
図2において、規制部材231、232は細い破線で表されている。また、規制部材231は、第1表紙211内の所定の位置に設けられ、例えば内側パネル214と溶着されている。規制部材232は、第2表紙212内の所定の位置に設けられ、例えば内側パネル214と溶着されている。また、脚部22の規制部2213、2223は、内側パネル214と規制部材231又は232との間に収容される。そして、規制部材231、232は、内側パネル214との接着部分の縁が凹状を形成し、脚部22の規制部2213、2223と係合して摺動を規制する規制部2311、2312をそれぞれ含む。
【0027】
また、脚板22には、第1脚板221、第3脚板223及び第2脚板222にわたって逆V字状のスリット225が設けられている。また、スリットの端部から第3脚板223へ向かう谷折り線とスリット225とによって包囲される領域を舌片部224とも呼ぶものとする。舌片部224は、表紙体2を開いた状態において、中割り折りにして、第3脚板223と第1脚板221との境界、及び第3脚板223と第2脚板222との境界に沿って谷折りに折り込み、舌片部224の外縁を山折りに折り込むことができる。
【0028】
<使用方法>
図3から
図5に、ファイルを変形させる手順を示す。
図3は、ファイルを閉じた状態を示す斜視図である。ファイル1及び表紙体2を閉じた状態においては、脚部22は表紙部21内に収容され、ファイル1の全体は略直方体の冊子状になっている。また、脚部22の一部は表紙部21の外側パネル215の開口部から露出しており、使用者は脚部22を挟持することができる。
【0029】
図4は、脚部を表紙部から引き出した状態を示す斜視図である。使用者は、脚部22を挟持して引き出すと、脚部22(第3脚板223)はヒンジ部2232を中心に回動する。また、
図2に示した規制部材231、232の規制部2311、2312と、脚部22の規制部2213、2223とが係合して、脚部22の回動が規制され、
図4に示すような引出状態になる。
【0030】
図5は、表紙体を開いた状態を示す斜視図である。第1表紙211及び第2表紙212を開くと、脚部22の第1脚板221及び第2脚板222は、谷折り線2211及び22
21でそれぞれ谷折りに屈曲し、脚部22はファイル1の背の方向に突出する。このとき、第1脚板221、第2脚板222及び第3脚板223の下端を平面上に載置することで、ファイル1は、表紙部21に所定の角度が付いた見開き状態で自立する。
【0031】
さらに、使用者は、中割り折りにして、第3脚板223と第1脚板221との境界、及び第3脚板223と第2脚板222との境界に沿って谷折りに折り込み、第3脚板223とスリット225の端部とを結ぶ舌片部224の外縁を山折りに折り込むことができる。このとき、
図1に示した状態になる。また、スリット225により画定される舌片部224の上端が表紙部21における対向する位置(すなわち、上述した錐体形状の内側へ中割り折りされた舌片部224の上端が向かう先にある背表紙213)に当接し、舌片部224は脚部22を閉じる方向に働く外力に抵抗するため、ファイル1が開いた状態を安定的に維持することができる。
【0032】
図6は、見開きの状態で自立したファイルを内側から見た斜視図である。
図6の例では、第1表紙211と第2表紙212との間に複数のポケット3が綴じられている。また、第1表紙211と第2表紙212とがほぼ180度逆の方向に開いた状態で、ファイル1は自立する。このようなファイル1は、特に書き物や料理等をしながら資料を開いたり、楽器の演奏中に譜面台として使用したりする際に、使用者にとって見やすく利便性が高い。
【0033】
図1及び
図6に示した状態のファイル1を閉じる際には、使用者は、ポケット3を内側にして第1表紙211と第2表紙212とを折り畳む。このとき、規制部材231と係合する第1脚板221が第1表紙211に引っ張られ、規制部材232と係合する第2脚板222が第2表紙212に引っ張られ、舌片部224の中割り折りが解除されるため、
図4に示した状態に戻る。その後、使用者は、引き出された脚部22を、表紙部21の内側パネル214と外側パネル215との間に押し戻し、ファイル1は
図3に示した状態に戻る。このように、ファイル1は一般的なファイルと同程度の大きさに折り畳むことができ、持ち運びも容易である。
【0034】
<変形例>
表紙体2は、背表紙213を備えず、第1表紙211と第2表紙212とが連設されるものであってもよい。この場合、脚部22は、第3脚板223や延伸部2231、ヒンジ部2232を有しない。よって、脚部22が表紙部21の内側パネル214と外側パネル215との間で意図しない位置へ摺動しないよう、例えば
図2の脚部22の上方等を脚部22の外縁に沿って接着し、摺動範囲を規制するようにしてもよい。脚部22が収容された状態と引き出された状態との間をガイドするように二重構造の表紙部21内を接着することで、使用者にとって操作が容易になる。また、この場合、中割り折りされた舌片部224の上端は表紙部21の対向する位置(具体的には、第1表示211及び第2表紙212の間の折り目)に当接する。この場合も、舌片部224は脚部22を閉じる方向に働く外力に抵抗するため、ファイル1が開いた状態を維持できる。
【0035】
また、表紙体2は、クリアーファイル以外の表紙にも用いることができる。
図7は、自立するリングバインダーの一例を示す斜視図である。リングバインダー10は、上述した表紙体2と、複数のリング4とを備える。なお、リング4の数は特に限定されない。また、レバーファイルやパイプ式ファイルのように様々な綴じ具のファイルや、冊子、ブックカバー、フォトフレーム、スマートフォンケース、タブレットケース等に上述した表紙体2を適用してもよい(図示せず)。例えばスマートフォンケースは、表紙体2の第1表紙211及び第2表紙212の一方にスマートフォンを保持し、他方はカバーとして機能するものであってもよい。
【0036】
なお、上記した内容は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において可能な限り組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0037】
1:ファイル
2:表紙体
21:表紙部
211:第1表紙
212:第2表紙
213:背表紙
214:内側パネル
215:外側パネル
22:脚部
221:第1脚板
2211:谷折り線(折り目)
2212:第1表紙側摺動部
2213:規制部
222:第2脚板
2221:谷折り線(折り目)
2222:第2表紙側摺動部
2223:規制部
223:第3脚板
2231:延伸部(接続部)
231、232:規制部材
2311、2321:規制部