(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115481
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】システム及びアプリケーションソフトウェア
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220802BHJP
G06Q 10/08 20120101ALI20220802BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20220802BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20220802BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20220802BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220802BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G06F3/12 325
G06F3/12 303
G06F3/12 353
G06F3/12 385
G06F3/12 392
G06Q10/08 300
B65G61/00 550
G07G1/00 331C
G07G1/06 E
G07G1/12 321L
B41J29/38 202
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012095
(22)【出願日】2021-01-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 冬湖
【テーマコード(参考)】
2C061
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ17
3E142DA04
3E142DA07
3E142FA01
3E142FA41
3E142GA03
3E142GA27
3E142GA32
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】配送する荷物に貼られる送り状を印刷するプリンタを備えるシステムを提供する。
【解決手段】印刷システムが実行する処理において、提供部としての処理S102は、対象アプリをダウンロードさせるとともに起動させるための情報である起動情報を携帯端末に提供する。対象アプリは、携帯端末において実行可能なアプリケーションソフトウェアである本体アプリの一部の機能を提供するアプリケーションソフトウェアである。受付部としての処理S115は、対象アプリが処理を実行することにより出力される印刷指示情報を受け付ける。印刷指示情報は、配送する荷物に貼られる送り状の印刷指示を示す情報である。印刷部としての処理S118は、受付部により印刷指示情報が受け付けられる場合に、送り状をプリンタで印刷する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタを備えるシステムであって、
携帯端末において実行可能なアプリケーションソフトウェアである本体アプリの一部の機能を提供するアプリケーションソフトウェアである対象アプリをダウンロードさせるとともに起動させるための情報である起動情報を前記携帯端末に提供する提供部と、
前記対象アプリが処理を実行することにより出力される印刷指示情報を受け付ける受付部であって、前記印刷指示情報は、配送する荷物に貼られる送り状の印刷指示を示す情報である、受付部と、
前記受付部により前記印刷指示情報が受け付けられる場合に、前記送り状を前記プリンタで印刷する印刷部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記本体アプリは、インストールが必要なアプリケーションソフトウェアであり、前記対象アプリは、インストールが不要なアプリケーションソフトウェアである、システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、前記荷物の重量又は大きさの入力を受け付ける受付処理を実行し、
前記システムは、前記荷物の重量又は大きさを計測する計測部を備え、
前記提供部は、前記計測部により前記荷物の重量又は大きさが計測される場合には、前記荷物の重量又は大きさの情報があらかじめ入力された状態で前記対象アプリを起動させるための前記起動情報を前記携帯端末に提供する、システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、
配送種別の選択を受け付ける種別受付処理と、
前記種別受付処理で受け付けられた前記配送種別に応じた配送料を前記携帯端末の表示部に表示する配送料表示処理と、
を実行する、システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、
配送種別の選択を受け付ける種別受付処理と、
前記種別受付処理で受け付けられた前記配送種別に応じた前記送り状の印刷指示を示す前記印刷指示情報を出力する種別印刷指示処理と、
を実行する、システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、前記荷物の配送元の情報である配送元情報、及び、前記荷物の配送先の情報である配送先情報、の少なくとも一方の入力を受け付ける配送情報受付処理を実行し、
前記受付部は、前記配送情報受付処理で受け付けられた前記配送元情報及び前記配送先情報の少なくとも一方が記載された前記送り状の印刷指示を示す前記印刷指示情報を受け受ける、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、前記配送情報受付処理において、前記携帯端末に記憶されている連絡先情報から前記配送元情報及び前記配送先情報の少なくとも一方の入力を受け付ける、システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、
前記荷物の配送料の支払い指示を受け付ける支払い受付処理と、
前記支払い受付処理で前記支払い指示が受け付けられる場合に、電子決済を行うための外部サーバに前記配送料の支払い要求を送信する支払い送信処理と、
を実行する、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
前記印刷部は、前記配送料の電子決済が完了することに応じて、前記送り状を印刷する、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、前記配送料の電子決済が完了することに応じて、前記印刷指示情報を出力する、システム。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載のシステムであって、
サーバを備え、
前記荷物の配送料の電子決済が完了することに応じて、前記サーバから前記プリンタに前記送り状の印刷指示が送信される、システム。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のシステムであって、
前記携帯端末は、前記荷物の配送元ユーザが所持する配送元端末であり、
前記配送元端末で起動される前記対象アプリは、前記荷物の配送料の支払いを行うウェブページのURLを含む情報であって配送先端末と共有される情報である支払い用情報を出力し、前記配送先端末は、前記荷物の配送先ユーザが所持する端末装置である、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
サーバを備え、
前記プリンタは、前記送り状を印刷した場合に、前記送り状の印刷が完了したことを示す印刷完了通知を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記プリンタから前記印刷完了通知を受信する場合、所定の端末装置から前記荷物の受取が完了したことを示す受取完了情報を受信していることを条件として、前記印刷完了通知を前記配送元端末に送信し、
前記配送元端末で起動される前記対象アプリは、前記サーバから前記印刷完了通知を受信する場合に、前記支払い用情報を出力する、システム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムであって、
サーバを備え、
前記配送先端末に前記支払い用情報が共有される場合に、前記配送先端末において前記対象アプリが起動し、
前記配送先端末で起動される前記対象アプリは、前記サーバに前記荷物の受取が完了しているか否かを確認する荷物受取確認を送信し、前記サーバから前記荷物の受取が完了していることを示す確認結果を受信する場合に、前記配送料の決済フォームを前記配送先端末の表示部に表示する、システム。
【請求項15】
請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載のシステムであって、
前記本体アプリは、前記送り状の履歴及び/又は前記荷物の配送料の決済の履歴の確認、前記荷物の配送元及び/又は配送先の住所登録、並びに、前記荷物の配送状況の確認、の少なくとも1つの機能を提供する、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、前記送り状の履歴及び/又は前記配送料の決済の履歴の確認、前記荷物の配送元及び/又は配送先の住所登録、並びに、前記荷物の配送IDの確認、の少なくとも1つの機能を提供する、システム。
【請求項17】
請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載のシステムであって、
前記対象アプリは、App Clips又はInstant Appsである、システム。
【請求項18】
携帯端末において実行可能なアプリケーションソフトウェアであって、
前記携帯端末において実行可能なアプリケーションソフトウェアである本体アプリの一部の機能を提供するアプリケーションソフトウェアであり、
配送する荷物に貼られる送り状の印刷指示を示す印刷指示情報を出力する印刷指示出力処理を実行する、アプリケーションソフトウェア。
【請求項19】
請求項18に記載のアプリケーションソフトウェアであって、
前記本体アプリはインストールが必要なアプリケーションソフトウェアであり、当該アプリケーションソフトウェアはインストールが不要である、アプリケーションソフトウェア。
【請求項20】
請求項18又は請求項19に記載のアプリケーションソフトウェアであって、
配送種別の選択を受け付ける種別受付処理と、
前記種別受付処理で受け付けられた前記配送種別に応じた配送料を前記携帯端末の表示部に表示する配送料表示処理と、
を実行する、アプリケーションソフトウェア。
【請求項21】
請求項18から請求項20までのいずれか1項に記載のアプリケーションソフトウェアであって、
配送種別の選択を受け付ける種別受付処理と、
前記種別受付処理で受け付けられた前記配送種別に応じた前記送り状の印刷指示を示す前記印刷指示情報を出力する種別印刷指示処理と、
を実行する、アプリケーションソフトウェア。
【請求項22】
請求項18から請求項21までのいずれか1項に記載のアプリケーションソフトウェアであって、
前記荷物の配送元の情報である配送元情報、及び、前記荷物の配送先の情報である配送先情報、の少なくとも一方の入力を受け付ける配送情報受付処理を実行し、
前記印刷指示出力処理において、前記配送情報受付処理で受け付けられた前記配送元情報及び前記配送先情報の少なくとも一方が記載された前記送り状の印刷指示を示す前記印刷指示情報を出力する、アプリケーションソフトウェア。
【請求項23】
請求項18から請求項22までのいずれか1項に記載のアプリケーションソフトウェアであって、
前記荷物の配送元ユーザが所持する前記携帯端末である配送元端末で起動され、
前記荷物の配送料の支払いを行うウェブページのURLを含む情報であって配送先端末と共有される情報である支払い用情報を出力する支払い用情報出力処理を実行し、前記配送先端末は、前記荷物の配送先ユーザが所持する端末装置である、アプリケーションソフトウェア。
【請求項24】
請求項18から請求項23までのいずれか1項に記載のアプリケーションソフトウェアであって、
App Clips又はInstant Appsであるアプリケーションソフトウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリンタを備えるシステム、及び、アプリケーションソフトウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配送受付システムが開示されている。この配送受付システムは、入力端末と、重量センサと、配送データ補完部と、ラベルプリンタと、を備える。入力端末は、送り先データを入力するための端末である。重量センサは、配送される荷物の重量を測定する。配送データ補完部は、入力された送り先データと荷物の重量とから配達料金を算出する。ラベルプリンタは、算出した配達料金と送り先データとをラベルにプリントする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の1つの局面は、配送する荷物に貼られる送り状を印刷する構成において新規な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、プリンタを備えるシステムであって、提供部と、受付部と、印刷部と、を備える。提供部は、対象アプリをダウンロードさせるとともに起動させるための情報である起動情報を携帯端末に提供する。対象アプリは、携帯端末において実行可能なアプリケーションソフトウェアである本体アプリの一部の機能を提供するアプリケーションソフトウェアである。受付部は、対象アプリが処理を実行することにより出力される印刷指示情報を受け付ける。印刷指示情報は、配送する荷物に貼られる送り状の印刷指示を示す情報である。印刷部は、受付部により印刷指示情報が受け付けられる場合に、送り状をプリンタで印刷する。
【0006】
このような構成によれば、配送する荷物に貼られる送り状を印刷する構成において新規な構成を提供できる。
【0007】
本開示の一態様は、携帯端末において実行可能なアプリケーションソフトウェアであって、携帯端末において実行可能なアプリケーションソフトウェアである本体アプリの一部の機能を提供するアプリケーションソフトウェアである。当該アプリケーションソフトウェアは、配送する荷物に貼られる送り状の印刷指示を示す印刷指示情報を出力する印刷指示出力処理を実行する。
【0008】
このような構成によれば、前記システムと同様な作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は印刷システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は印刷システムが実行する処理の流れを示すシーケンス図であり、配送元ユーザが配送料を負担する場合のシーケンス図である。
【
図3】
図3は荷物情報登録フォームを示す図である。
【
図5】
図5は配送元ユーザが配送料を負担する場合の決済フォームを示す図である。
【
図6】
図6は印刷指示情報としてのQRコードを示す図である。
【
図8】
図8は印刷システムが実行する処理の流れを示すシーケンス図であり、配送先ユーザが配送料を負担する場合のシーケンス図(1)である。
【
図11】
図11は配送先ユーザが配送料を負担する場合の決済フォームを示す図である。
【
図12】
図12は印刷システムが実行する処理の流れを示すシーケンス図であり、配送先ユーザが配送料を負担する場合のシーケンス図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す印刷システム1は、配送する荷物に貼られる送り状を印刷するシステムである。なお、本明細書でいう荷物には、手紙、はがき等の郵便物も含まれるものとする。
【0011】
印刷システム1は、配送元端末10、配送先端末20、プリンタ30、はかり40、施設端末50、運送サーバ60、電子決済サーバ70及びアプリサーバ80を備える。
<配送元端末>
配送元端末10は、荷物の配送元ユーザ(すなわち、荷物の送り主)が所持する携帯端末である。ここでいう携帯端末は、ユーザによって携帯して所持される情報機器を意味する。配送元端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等である。配送元端末10は、操作部11と、表示部12と、通信部13と、読み取り部14と、制御部15と、を備える。
【0012】
操作部11は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部11を操作することによって、様々な指示を配送元端末10に入力することができる。
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12は、いわゆるタッチパネルとしても機能する。すなわち、表示部12は、ユーザによって操作される操作部としても機能する。
【0013】
通信部13は、配送元端末10をインターネットNに接続するための通信インタフェースである。
【0014】
読み取り部14は、カメラ141を備え、カメラ141により得られた画像からコード情報等の読み取りを行う。コード情報は、情報を符号化したものである。コード情報は、QRコード等の二次元コード、バーコード等の一次元コード等である。なお、「QRコード」は登録商標である。
【0015】
制御部15は、CPU151と、メモリ152と、を備える。CPU151は、メモリ152に記憶されているOS(オペレーティングシステムの略称)153等のプログラムに従って、様々な処理を実行するプロセッサである。メモリ152は、RAM、ROM等によって構成されている。本実施形態では、OS153は、アップル社のiOS(登録商標)である。
<配送先端末>
配送先端末20は、荷物の配送先ユーザ(すなわち、荷物の受取人)が所持する端末装置である。ここでいう端末装置は、ユーザによって所持される情報機器を意味する。配送先端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等である。配送先端末20は、操作部21と、表示部22と、通信部23と、読み取り部24と、制御部25と、を備える。これらの構成21~25は、配送元端末10の構成11~15とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。
<プリンタ>
プリンタ30は、荷物の送り状を印刷するためのプリンタである。プリンタ30は、荷物の受取が行われる場所(本実施形態では郵便局、コンビニエンスストア等の施設F)に設置される。プリンタ30は、操作部31と、表示部32と、通信部33と、印刷実行部34と、読み取り部35、制御部36と、を備える。
【0016】
操作部31は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部31を操作することによって、様々な指示をプリンタ30に入力することができる。
表示部32は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部32は、いわゆるタッチパネルとしても機能する。すなわち、表示部32は、ユーザによって操作される操作部としても機能する。
【0017】
通信部33は、プリンタ30をインターネットNに接続するための通信インタフェースである。
【0018】
印刷実行部34は、プリント機能を実現する。すなわち、印刷実行部34は、インクジェット技術や電子写真技術の印刷機構を有する。印刷実行部34は、前記印刷機構を用いて、画像データに基づく画像を印刷媒体に印刷することが可能である。
【0019】
読み取り部35は、カメラ351を備え、カメラ351により得られた画像からコード情報等の読み取りを行う。
制御部36は、CPU361と、メモリ362と、を備える。CPU361は、メモリ362に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行するプロセッサである。メモリ362は、RAM、ROM、ハードディスク等によって構成されている。
<はかり>
はかり40は、配送する荷物の重量を測定するための機器である。はかり40は、荷物の受取が行われる場所(本実施形態では前述した施設F)に設置される。はかり40は、配送元ユーザ等の施設Fを訪問したユーザによって使用される。はかり40は、重量センサ41と、表示部42と、制御部43と、を備える。
【0020】
重量センサ41は、はかり40の載置部(図示省略)に載置された荷物の重量を検出するセンサである。
表示部42は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
【0021】
制御部43は、CPU431と、メモリ432と、を備える。CPU431は、メモリ432に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行するプロセッサである。メモリ432は、RAM、ROM等によって構成されている。本実施形態では、後述するとおり、制御部43は、重量センサ41が荷物の重量を検出する場合に、荷物の重量に応じたコード情報を表示部42に表示する。
<施設端末>
施設端末50は、施設Fに設置される。施設端末50は、施設Fの職員が使用する端末装置である。施設端末50は、インターネットNに接続し、運送サーバ60と通信可能に構成される。
<運送サーバ>
運送サーバ60は、運送業者Cが保有するサーバである。運送サーバ60は、インターネットN上に設置され、配送する荷物の情報や、荷物の受取、発送等に関する情報などを管理する。運送サーバ60は、通信部61と、制御部62と、を備える。通信部61は、運送サーバ60をインターネットNに接続するための通信インタフェースである。
【0022】
制御部62は、CPU621と、メモリ622と、を備える。CPU621は、メモリ622に格納されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。メモリ622は、RAM、ROM、ハードディスク等によって構成される。
<電子決済サーバ>
電子決済サーバ70は、ユーザからの指示に応じて電子決済を実行するサーバである。電子決済サーバ70は、電子決済サービスを提供する事業者(例えばアップル社)によってインターネットN上に設置される。本実施形態では、電子決済サーバ70が提供する電子決済サービスを利用して、荷物の配送料の支払いが行われる。
<アプリサーバ>
アプリサーバ80は、アプリケーションソフトウェア(以下「アプリ」という。)のダウンロードサービスを提供する事業者(例えばアップル社)によってインターネットN上に設置される。アプリサーバ80は、携帯端末のユーザから指定されたモバイルアプリを携帯端末に配信するサーバである。ここでいうモバイルアプリとは、配送元端末10や配送先端末20などの携帯端末において実行可能なアプリである。
【0023】
本実施形態では、アプリサーバ80には、本体アプリMA及び対象アプリTAがアップロードされている。
本体アプリMA及び対象アプリTAは、運送サーバ60を保有する運送業者Cによって提供されるモバイルアプリである。
【0024】
本体アプリMAは、荷物の送り状の履歴及び/又は配送料の決済の履歴の確認、荷物の配送元及び/又は配送先の住所登録、並びに、荷物の配送状況の確認、の少なくとも1つの機能を提供するアプリである。なお、本体アプリMAは、これら以外の機能を提供してもよい。
【0025】
一方、対象アプリTAは、本体アプリMAのApp Clipsである。ここで、App Clipsについて説明する。App Clipsとは、iOS14で導入された機能である。App Clipsは、ユーザが必要なときに必要な場所で、アプリをダウンロードしなくても、そのアプリの機能の一部を提供する。すなわち、あるモバイルアプリのApp Clipsは、そのモバイルアプリの機能の一部を切り取ったミニアプリである。App Clipsは、比較的低容量(例えば10MB以下)のアプリである。このため、ユーザは、必要な場面でApp Clipsを短時間でダウンロードし、フルアプリ(通常の完全なアプリ)をダウンロードしなくても、フルアプリの機能の一部を利用できる。
【0026】
対象アプリTA(App Clips)は、本体アプリMAの一部の機能、具体的には、送り状の履歴及び/又は配送料の決済の履歴の確認、荷物の配送元及び/又は配送先の住所登録、並びに、荷物の配送IDの確認、の少なくとも1つの機能を提供する。なお、ここでいう配送IDとは、荷物の配送を一意に識別できる識別情報である。
【0027】
ここで、本体アプリMAは、インストールが必要なアプリであってもよい。一方、App Clipsは、インストールが不要なアプリであってもよい。ここでいう「インストールが必要なアプリ」とは、例えば、携帯端末等のハードウェアにアプリを一旦導入すると、ユーザがアプリを意図的に削除(アンインストール)しない限りハードウェアに残り、利用可能な状態が続くアプリであってもよい。一方、「インストールが不要なアプリ」とは、例えば、携帯端末等のハードウェアに導入しても一定期間経過すると自動的にハードウェアから削除されるアプリであってもよい。
【0028】
なお、携帯端末においてApp Clipsが起動される起動条件としては、様々なものが想定される。例えば、携帯端末で所定のコード情報を読み取ったり近距離無線通信で所定情報を受信したりした場合などにおいてApp Clipsが起動される。
【0029】
アプリサーバ80には、このような本体アプリMA及び対象アプリTAがアップロードされている。
[1-2.処理]
次に、印刷システム1の各デバイス10~80によって実行される処理を、
図2並びに
図8及び
図9のシーケンス図を用いて説明する。
図2は、配送料を配送元ユーザが負担する場合のシーケンス図である。一方、
図8及び
図9は、配送料を配送先ユーザが負担する場合のシーケンス図である。
【0030】
なお、以下では、理解の容易化のために、配送元端末10のCPU151がプログラムに従って実行する処理を説明する際に、CPU151を主体として記載せず、配送元端末10を主体として記載する。また、配送元端末10によって実行される全ての通信は、通信部13を介するので、当該通信を説明する際に、「通信部13を介して」という記載を省略する。同様に、配送先端末20、プリンタ30、はかり40及び運送サーバ60を主体として記載し、「通信部23を介して」などの記載を省略する。また、配送元端末10が実行する処理がOS153による処理なのか対象アプリTA(App Clips)による処理なのかを明らかにするため、「配送元端末10のOS153は」あるいは「配送元端末10の対象アプリTAは」などと記載する。配送先端末20についても同様である。
【0031】
[1-2-1.配送元ユーザが配送料を負担する場合]
まず、配送元ユーザが配送料を負担する場合を、
図2を用いて説明する。まず、配送元ユーザは、配送する荷物を持参して施設Fを訪れ、荷物をはかり40に載置する。
【0032】
はかり40は、荷物が載置されると、S101において、荷物の重量を測定する。
続いて、はかり40は、S102において、配送元端末10に起動情報を提供する。
ここでいう起動情報とは、配送元端末10などの携帯端末において、対象アプリTAをダウンロードさせるとともに起動させるための情報である。本実施形態では、起動情報は、対象アプリTAのダウンロード用のURLを含むQRコードである。はかり40は、当該QRコードを表示部42に表示する。そして、配送元ユーザが、配送元端末10の読み取り部14を用いて前記QRコードを読み取ることで、起動情報がはかり40から配送元端末10に提供される。
【0033】
本実施形態では、はかり40は、荷物の重量の情報があらかじめ入力された状態で対象アプリTAを起動させるための起動情報を配送元端末10に提供する。すなわち、後述のとおり、対象アプリTAが起動されると、配送する荷物の重量等をユーザが入力する入力フォームが配送元端末10の表示部12に表示される。本実施形態では、前記QRコードに含まれるURLには、はかり40で測定された荷物の重量の情報がURLのクエリパラメータとして含まれる。そして、当該URLを用いて対象アプリTAをダウンロードすることで、荷物の重量の情報を含む対象アプリTAがアプリサーバ80からダウンロードされる。そして、その対象アプリTAが配送元端末10で起動されると、荷物の重量の情報が既に入力された状態で入力フォームが表示される。
【0034】
配送元端末10のOS153は、はかり40から起動情報を取得すると、S103において、起動情報に含まれるURLを用いて、アプリサーバ80に対して対象アプリTAのダウンロード要求を送信する。
【0035】
続いて、配送元端末10のOS153は、S104において、アプリサーバ80から対象アプリTAをダウンロードする。
続いて、配送元端末10のOS153は、S105において、対象アプリTA(App Clips)を起動する。
【0036】
配送元端末10の対象アプリTAは、起動されると、S106において、表示部12に入力フォームを表示する。
ここで、入力フォームには、
図3に示す荷物情報登録フォームと
図4に示す住所登録フォームとが含まれる。
【0037】
荷物情報登録フォームでは、荷物情報、配送オプション及び配送距離が入力(登録)される。
荷物情報は、配送する荷物の情報であり、荷物の重量、荷物の種類等の情報を含む。前述のとおり、荷物の重量はあらかじめ入力された状態で入力フォームが表示される。荷物の種類は、例えば、定形郵便物、定形外郵便物、それ以外の荷物等の種類である。
【0038】
配送オプションは、配送に付加するオプションサービスであり、補償、追跡、速達、着払い、配達日時指定の有無等である。
配達距離は、配送元住所と配送先住所との距離であり、例えば、配送元住所及び配送先住所の都道府県を入力する。
【0039】
荷物情報登録フォームにおいてこれらの項目を入力すると、
図3に示すように、入力した内容に応じた配送料が表示される。
荷物情報登録フォームの入力を完了し、決定ボタンB1を押下すると、
図4の住所登録フォームに移行する。
【0040】
住所登録フォームでは、配送元の情報である配送元情報と配送先の情報である配送先情報とが入力(登録)される。配送元情報は、配送元の氏名、郵便番号、住所及び連絡先の情報を含む。同様に、配送先情報は、配送先の氏名、郵便番号、住所及び連絡先の情報を含む。
【0041】
本実施形態では、配送元端末10に記憶されている連絡先情報(本実施形態では電話帳)から配送元情報及び配送先情報を入力可能である。すなわち、「電話帳からの入力」ボタンB2又はB3を操作すると、図示省略する連絡先一覧が表示され、表示された連絡先一覧から配送元又は配送先の人物の連絡先を選択することで、住所登録フォームにおける配送元情報又は配送先情報が入力される。
【0042】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S107で、S106で表示した入力フォームにおいてユーザから各項目の入力を受け付ける。ここで、
図2に示す例は、配送料を配送元ユーザが負担する場合である。このため、S107において、配送元ユーザは、
図3の配送オプションで「着払い」なし(すなわち元払い)を選択することが想定される。
【0043】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、住所登録フォームの決定ボタンB4が押下されると、S108において、
図5に示す決済フォームを表示部12に表示する。
決済フォームでは、荷物情報登録フォーム及び住所登録フォームで入力された内容が表示されるとともに、入力内容に応じた合計金額が表示される。また、決済フォームには、前の画面(すなわち、荷物情報登録フォーム及び住所登録フォーム)に戻るための戻るボタンB5と、決済を完了するための決済ボタンB6と、が表示される。
【0044】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S109において、支払い指示を受け付ける。ここで、対象アプリTAは、ユーザが決済ボタンB6を押下した場合に、支払い指示を受け付ける。
【0045】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S110において、支払い要求を電子決済サーバ70に送信する。電子決済サーバ70は、配送元端末10から支払い要求を受信する場合に、S111において、支払い処理を実行する。支払い処理では、配送元端末10からの支払い要求に含まれる合計金額(すなわち、配送料)を配送元ユーザに課金する。そして、課金した金額の支払いが行われる。
【0046】
続いて、電子決済サーバ70は、S112において、配送料の支払いが完了したことを示す支払い完了通知を配送元端末10に送信する。支払い完了通知には、支払いIDを示す支払い済み情報が含まれる。
【0047】
配送元端末10の対象アプリTAは、電子決済サーバ70から支払い完了通知を受信すると、S113において、荷物配送情報を運送サーバ60に送信する。なお、S113では、支払い完了通知も運送サーバ60に送信される。
ここで、荷物配送情報とは、荷物情報登録フォーム及び住所登録フォームで入力された各種情報を含む情報である。具体的には、荷物配送情報は、荷物情報、配送オプション、配送距離、配送元情報及び配送先情報を含む。また、荷物配送情報は決済情報を含む。ここでいう決済情報とは、電子決済サーバ70から送信された支払い済み情報を含む情報である。なお、運送サーバ60は、配送元端末10から荷物配送情報を受信すると、受信した荷物配送情報をメモリ622に記憶する。
【0048】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、印刷指示情報を表示部12に出力する。印刷指示情報とは、配送する荷物に貼られる送り状の印刷指示を示す情報である。本実施形態では、印刷指示情報は、
図6に示すようなQRコードである。印刷指示情報には、送り状をプリンタ30に印刷させるために必要な各種情報、具体的には、前述した荷物配送情報等が含まれる。
【0049】
続いて、プリンタ30は、S115において、配送先端末20から印刷指示情報を受け付ける。具体的には、配送先ユーザが、配送先端末20の表示部12に表示されたQRコード(すなわち、印刷指示情報)をプリンタ30の読み取り部35にかざす。すると、読み取り部35が印刷指示情報を読み取る。これによりプリンタ30が配送先端末20から印刷指示情報を受け付ける。
【0050】
続いて、プリンタ30は、S116において、運送サーバ60に照会要求を送信する。照会要求とは、印刷指示情報に含まれる荷物配送情報が運送サーバ60上に登録された荷物配送情報と一致するか否かの照会を求める情報である。運送サーバ60は、プリンタ30から照会要求を受信すると照会を行う。そして、運送サーバ60は、S117において、照会の結果、すなわち、プリンタ30から送られてきた荷物配送情報が運送サーバ60上の荷物配送情報に一致するか否かを示す情報、をプリンタ30に送信する。なお、
図2に示す例では、荷物配送情報が一致することが想定される。
【0051】
続いて、プリンタ30は、荷物配送情報が一致する旨の照会結果を運送サーバ60から受信すると、S118において、送り状の印刷を実行する。送り状には、
図7に示すように、お届け先(すなわち、配送先)及び送り主(すなわち、配送元)の郵便番号、住所、氏名(すなわち、配送元情報及び配送先情報)と、配送する荷物の種類及び配送オプションが記載される。また、送り状には、職員用荷物配送情報QRコードが記載される。このQRコードは、施設Fの職員が配送する荷物に係る荷物配送情報にアクセスするために用いられる。
【0052】
プリンタ30で送り状が印刷されると、配送元ユーザは、印刷された送り状を荷物に貼り、荷物を施設Fの窓口で職員に渡す。あるいは、荷物の回収BOX等に荷物を入れる。これにより、荷物の受取が完了し、荷物の発送が行われる。
【0053】
以上が、配送料を配送元ユーザが負担する場合の各デバイス10~80の処理である。
[1-2-2.配送先ユーザが配送料を負担する場合]
続いて、
図8及び
図9を用いて配送先ユーザが配送料を負担する場合について説明する。
【0054】
図8のS201~S206は、前述した
図2のS101~S106と同様であるため、説明を省略する。
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S207で、S206で表示した入力フォームにおいてユーザから各項目の入力を受け付ける。
図8及び
図9に示す例は、配送料を配送先ユーザが負担する場合である。このため、配送元ユーザは、
図3の配送オプションで「着払い」ありを選択することが想定される。
【0055】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S208で、確認画面を表示部12に表示する。ここでいう確認画面とは、
図5に示す決済フォームと基本的には同様の画面であり、
図3の荷物情報登録フォーム及び
図4の住所登録フォームで入力された内容と配送料とが表示される。ただし、確認画面では、決済フォームの決済ボタンB6に代えて、入力内容を確定する確定ボタン(図示省略)が表示される。
【0056】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S209において、確定操作を受け付ける。ここで、対象アプリTAは、ユーザが確定ボタンを押下した場合に、確定操作を受け付ける。
【0057】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S210において、運送サーバ60に荷物配送情報を送信する。ここで、前述した
図2のS113で送信される荷物配送情報には決済情報が含まれるが、S210で送信される荷物配送情報には決済情報に代えて料金情報が含まれる。料金情報とは、配送料を示す情報である。
【0058】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S211において、
図10に示すような印刷指示情報及び支払い用情報を表示部12に出力する。
ここでいう支払い用情報とは、配送料の支払いを行うウェブページのURLを含む情報であって配送先端末20と共有される情報である。
【0059】
具体的には、本実施形態では、QRコードである印刷指示情報と共に、支払い用情報を共有するための画面である共有画面D1が表示部12に表示される。
共有画面D1には、荷物の配達予定日時及び配送料の支払い期限と共に、支払い用情報をQRコード、LINE(登録商標)、電子メールの各手段で共有するためのボタンB7~B9が表示される。
【0060】
具体的には、ボタンB7を押下した場合、支払い用情報を含むQRコードが表示部12に表示され、当該QRコードを配送先端末20の読み取り部35で読み取ることで、支払い用情報が配送先端末20に共有される。また、ボタンB8又はB9を押下し、連絡先一覧から配送先ユーザを選択することで、配送先端末20にLINE又は電子メールで支払い用情報が共有される。ただし、支払い用情報はこれら以外の手段で共有されてもよい。
なお、本実施形態の支払い用情報には、配送先端末20において対象アプリTA(App Clips)をダウンロード及び起動するためのURLも含まれる。
【0061】
図8のS212~S215は、前述した
図2のS115~S118と同様であるため、説明を省略する。
プリンタ30は、S215で送り状を印刷すると、S216において、送り状の印刷が完了したことを示す印刷完了通知を運送サーバ60に送信する。
【0062】
運送サーバ60は、プリンタ30から印刷完了通知を受信すると、S217において、配送元端末10に印刷完了通知を送信する。
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S218において、支払い用情報を配送先端末20と共有する。
【0063】
配送先端末20のOS253は、配送元端末10から支払い用情報を取得すると、S219において、支払い用情報に含まれるURLを用いて、アプリサーバ80に対して対象アプリTAのダウンロード要求を送信する。
【0064】
そして、配送先端末20のOS253は、S220において、アプリサーバ80から対象アプリTAをダウンロードする。
配送先端末20のOS253は、対象アプリTAをダウンロードすると、S221において、対象アプリTA(App Clips)を起動する。
【0065】
配送先端末20の対象アプリTAは、起動されると、S222において、荷物受取確認を運送サーバ60に送信する。荷物受取確認とは、施設Fの窓口あるいは荷物の回収BOX等で荷物の受取が完了したか否かの確認である。荷物受取確認には、該当する荷物及び配送を特定できる情報(例えば荷物配送情報等)が含まれる。
【0066】
続いて、運送サーバ60は、荷物受取確認を配送先端末20から受信すると、S223において、確認結果を配送先端末20に送信する。
ここで、運送サーバ60は、次のように荷物の受取を確認する。すなわち、施設Fの職員が荷物を受け取ると、職員は、施設端末50を使って受取完了情報を運送サーバ60に送信する。ここでいう受取完了情報とは、荷物の受取が完了したことを示す情報であり、該当する荷物及び配送を特定できる情報(例えば荷物配送情報等)を含む情報である。
【0067】
運送サーバ60は、受取完了情報を受信すると、メモリ622に受取完了情報を登録する。運送サーバ60は、該当する荷物の受取完了情報が登録されている場合に、荷物の受取済みであることを示す確認結果(受取済みを示す確認結果)を送信する。一方、運送サーバ60は、該当する荷物の受取完了情報が登録されていない場合に、荷物が受け取られていないことを示す確認結果(未受取を示す確認結果)を送信する。
【0068】
図8及び
図9に示す例では、S222の確認結果の送信時において、運送サーバ60が施設端末50から受取完了情報がまだ受信していない。よって、運送サーバ60は、S233において、未受取を示す確認結果を配送先端末20に送信する。なお、配送先端末20の対象アプリTAは、未受取を示す確認結果を受信した場合、適宜のタイミングで、荷物受取確認を運送サーバ60に再送信する。
【0069】
続いて、S224において、施設端末50は、受取完了情報を運送サーバ60に送信する。
続いて、配送先端末20の対象アプリTAは、S225において、荷物受取確認を運送サーバ60に再送信する。S225の確認結果の送信時において、運送サーバ60は、施設端末50から受取完了情報を受信している。よって、運送サーバ60は、S226において、受取済みを示す確認結果を配送先端末20に送信する。
【0070】
配送先端末20の対象アプリTAは、受取済みを示す確認結果を受信すると、S227において、決済フォームを表示部22に表示する。
図11に示すように、決済フォームには、荷物情報、配送オプション、配送元情報及び配送先情報、配送料、支払い期限、そして、決済を完了する決済ボタンB10が表示される。
【0071】
続いて、配送先端末20の対象アプリTAは、S228において、支払い指示を受け付ける。ここで、対象アプリTAは、ユーザが決済ボタンB10を押下した場合に、支払い指示を受け付ける。
【0072】
続いて、配送先端末20の対象アプリTAは、S229において、支払い要求を電子決済サーバ70に送信する。電子決済サーバ70は、配送先端末20から支払い要求を受信する場合に、S230において、支払い処理を実行する。支払い処理では、配送先端末20からの支払い要求に含まれる配送料を配送先ユーザに課金する。そして、課金した金額の支払いが行われる。
【0073】
続いて、電子決済サーバ70は、S231において、支払い完了通知を配送先端末20に送信する。
配送先端末20の対象アプリTAは、支払い完了通知を電子決済サーバ70から受信すると、S232において、支払い完了通知を運送サーバ60に送信する。
【0074】
続いて、配送先端末20の対象アプリTAは、S233において、支払いが完了したことを示す支払い完了画面を表示部22に表示する。これにより、配送先ユーザは支払いが完了したことを把握する。
【0075】
以上が、配送料を配送先ユーザが負担する場合の各デバイス10~80の処理である。
なお、前述したS212~S217、S222及びS225は、S218~S221と独立した処理である。つまり、これらの処理の実行順序は、
図8及び
図9に示す実行順序に限られない。
【0076】
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態では、対象アプリTAをダウンロードさせるとともに起動させるための情報である起動情報をはかり40が配送元端末10に提供する(S102,S202)。そして、プリンタ30は、対象アプリTAが処理を実行することにより出力される印刷指示情報を受け付ける(S115,S212)。そして、プリンタ30が印刷指示情報を受け付ける場合に、プリンタ30が送り状を印刷する(S118,S215)。
【0077】
したがって、配送する荷物に貼られる送り状を印刷する構成において新規な構成を提供できる。
また、荷物を送る際に郵便局やコンビニエンスストア等の施設Fの窓口を通して行う処理の一部又は全てを配送先端末20上で行い、窓口の混雑を緩和することができる。さらに、荷物の回収BOX等を設けることで、時間帯によらず無人の窓口で荷物を送ることも可能となる。
【0078】
また、配送元ユーザは、対象アプリTA(App Clips)を用いて送り状を印刷できる。つまり、フルアプリである本体アプリMAをインストールしなくても送り状を印刷できる。よって、本体アプリMAをインストールして送り状を印刷する場合と比較して、素早く短時間で送り状を印刷できる。
【0079】
(2)本実施形態では、本体アプリMAは、インストールが必要なアプリである。一方、対象アプリTAは、インストールが不要なアプリである。
したがって、例えば、印刷指示情報を出力するという対象アプリTAの使用場面が過ぎると対象アプリTAが配送元端末10から自動的に削除される。よって、使用場面が過ぎた後も配送元端末10に対象アプリTAが残存することを抑制できる。
【0080】
(3)本実施形態では、配送元端末10は、荷物の重量の入力を受け付ける受付処理を実行する(S107,S207)。また、はかり40は、荷物の重量を計測する(S101,S201)。そして、はかり40は、荷物の重量が計測される場合には、荷物の情報があらかじめ入力された状態で対象アプリTAを起動させるための起動情報を配送元端末10に提供する。
【0081】
したがって、施設Fの職員が荷物の重量を計測する手間を省くことができる。よって、施設Fの職員が荷物の重量を計測することによる窓口の混雑を緩和できる。また、配送元ユーザが荷物の重量を手入力する場合と比較して、重量の入力間違いを抑制できる。
【0082】
(4)本実施形態では、対象アプリTAは、荷物の種類、配送オプション等の配送種別の選択を入力フォームにおいて受け付ける(S107,S207)。そして、対象アプリTAは、受け付けられた配送種別に応じた配送料を配送元端末10の表示部12に表示する。
【0083】
したがって、施設Fの職員が配送種別に応じた配送料の計算を行わなくてもよい。よって、配送料の計算による窓口の混雑を緩和できる。
(5)本実施形態では、対象アプリTAは、入力フォームにおいて入力された荷物の種類、配送オプション等の配送種別に応じた送り状の印刷指示を示す印刷指示情報を出力する(S107,S207)。そして、配送種別に応じた送り状が印刷される(S118,S215)。具体的には、配送種別の内容が記載された送り状が印刷される。
【0084】
したがって、施設Fの職員が配送種別に応じた送り状の作成を行わなくてもよい。よって、送り状の作成による窓口の混雑を緩和できる。
(6)本実施形態では、対象アプリTAは、配送元情報及び配送先情報の入力を受け付ける(S107,S207)。そして、プリンタ30は、受け付けられた配送元情報及び配送先情報が記載された送り状の印刷指示を示す印刷指示情報を受け受ける(S115,S212)。
【0085】
したがって、配送元ユーザが配送元情報及び配送先情報を送り状に手書きしなくてもよい。よって、配送元ユーザの手間を軽減することができる。
(7)本実施形態では、対象アプリTAは、配送元情報及び配送先情報の入力を受け付ける際に、配送元端末10に記憶されている連絡先情報から配送元情報及び配送先情報を入力できる。したがって、ユーザの利便性を向上できる。
【0086】
(8)本実施形態では、配送元端末10及び配送先端末20の対象アプリTAは、荷物の配送料の支払い指示を受け付ける支払い受付処理(S109,S228)。そして、配送元端末10及び配送先端末20の対象アプリTAは、支払い指示が受け付けられる場合に、電子決済サーバ70に配送料の支払い要求を送信する(S110,S229)。したがって、配送料の支払いを窓口で行わなくてもよい。よって、配送料の支払いによる窓口の混雑を緩和できる。
【0087】
(9)本実施形態では、プリンタ30は、電子決済サーバ70で配送料の電子決済が完了する場合に送り状を印刷する(S111,S118)。換言すれば、プリンタ30は、電子決済サーバ70で配送料の電子決済が完了することに応じて送り状を印刷する。
【0088】
したがって、配送料が支払われることを以て送り状が印刷される。よって、配送料が支払われずに荷物の配送が行われることを抑制できる。
(10)本実施形態では、配送元端末10の対象アプリTAは、電子決済サーバ70から配送料の支払い完了通知を受信してから印刷指示情報を出力する(S112,S114)。つまり、対象アプリTAは、配送料の電子決済が完了することに応じて、印刷指示情報を出力する。
【0089】
したがって、配送料が支払われることを以て印刷指示情報が出力される。よって、配送料が支払われずに荷物の配送が行われることを抑制できる。また、配送先ユーザは配送料の支払いを自宅等で行うこともできる。よって、配送料の支払いを常に施設Fの窓口で行う構成と比較して、窓口の混雑を緩和できる。
【0090】
(11)本実施形態では、配送元端末10で起動される対象アプリTAは、配送料の支払いを行うウェブページのURLを含む情報であって配送先端末20と共有される情報である支払い用情報を出力する(S211)。したがって、配送先ユーザが配送料を負担する場合において、配送先端末20が支払い用情報を容易に共有できる。
【0091】
ひいては、配送料を配送先で負担する場合でも、配送先ユーザが配達人へ直接料金を支払う手間をなくし、配送先ユーザの利便性を向上できる。
(12)本実施形態では、配送先端末20に支払い用情報が共有される場合に、配送先端末20において対象アプリTAが起動する(S221)。
【0092】
そして、配送先端末20で起動される対象アプリTAは、運送サーバ60に荷物受取確認を送信する(S222,S225)。そして、配送先端末20で起動される対象アプリTAは、運送サーバ60から荷物の受取が完了していることを示す確認結果を受信する場合に、配送料の決済フォームを配送先端末20の表示部22に表示する(S227)。
【0093】
したがって、荷物の受取が完了したことを以て配送料の支払いが可能になる。よって、荷物の受取が行われていないにもかかわらず配送先ユーザが配送料を支払ってしまうことを抑制できる。
【0094】
(13)本実施形態では、本体アプリMAは、送り状の履歴及び/又は配送料の決済の履歴の確認、荷物の配送元及び/又は配送先の住所登録、並びに、荷物の配送状況の確認、の少なくとも1つの機能を提供する。
【0095】
したがって、ユーザの利便性を向上できる。
(14)本実施形態では、対象アプリTAは、送り状の履歴及び/又は配送料の決済の履歴の確認、荷物の配送元及び/又は配送先の住所登録、並びに、荷物の配送IDの確認、の少なくとも1つの機能を提供する。
【0096】
したがって、対象アプリTAのダウンロード後に本体アプリMAをダウンロードした場合において対象アプリTA内の情報が本体アプリMAに引き継がれる。ひいては、対象アプリTAの使用時に入力又は閲覧していた情報を本体アプリMAにおいても引き続き使用又は閲覧することをできる。
【0097】
なお、本実施形態では、印刷システム1がシステムに相当し、配送元端末10が携帯端末に相当し、運送サーバ60がサーバに相当し、電子決済サーバ70が電子決済を行うための外部サーバに相当し、荷物の種類及び配送オプションが配送種別に相当する。また、S101及びS201が計測部としての処理に相当し、S102及びS202が提供部としての処理に相当し、S107及びS207が受付処理、種別受付処理及び配送情報受付処理としての処理に相当し、S108及びS208が配送料表示処理としての処理に相当し、S109及びS228が支払い受付処理としての処理に相当し、S110及びS229が支払い送信処理としての処理に相当する。また、S114及びS211が種別印刷指示処理としての処理に相当し、S115及びS212が受付部としての処理に相当し、S118及びS215が印刷部としての処理に相当し、S211が支払い用情報出力処理としての処理に相当する。
【0098】
[2.第2実施形態]
[2-1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0099】
第2実施形態では、配送料を配送先ユーザが負担する場合において、配送先端末20で配送料が支払い可能となるタイミングが第1実施形態と相違する。
具体的には、前述した第1実施形態では、支払い用情報が配送先端末20と共有されると、配送先端末20の対象アプリTAが起動し、当該対象アプリTAが運送サーバ60に荷物の受取が完了したか否かの確認を行う(S222,S225)。そして、確認の結果、荷物の受取が完了していれば配送先端末20において決済フォームが表示され、配送料の支払いが可能になる(S227)。
【0100】
これに対し、第2実施形態では、前述の確認は行われない。具体的には、運送サーバ60は、施設Fの施設端末50から荷物の受取完了情報を受信することを待って配送元端末10に印刷完了通知を送信する。そして、配送元端末10は、運送サーバ60から印刷完了通知を受信すると、支払い用情報を配送先端末20と共有する。そして、配送先端末20は、支払い用情報を取得すると、決済フォームを表示し、配送料の支払いが可能になる。つまり、第2実施形態では、運送サーバ60が施設Fの施設端末50から荷物の受取完了情報を受信することを条件として配送先端末20において配送料が支払い可能となる。以下、第2実施形態について詳細に説明する。
【0101】
第2実施形態と第1実施形態とは印刷システム1のハードウェア構成は同一である。
一方、第2実施形態は、第1実施形態とデバイス10~80が実行する処理が相違する。
以下、第2実施形態のデバイス10~80が、第1実施形態の処理(
図8及び
図9)に代えて実行する処理について、
図12及び
図13を用いて説明する。なお、
図12及び
図13は、配送料を配送先が負担する場合のシーケンス図である。
【0102】
図13のS301~S310は、前述した
図8のS201~S210と同様であるため、説明を省略する。
配送元端末10の対象アプリTAは、S311において、印刷指示情報を表示部12に出力する。特に、S311においては、支払い用情報は出力されない。
【0103】
図12のS312~S316は、前述した
図8のS212~S216と同様であるため、説明を省略する。
ここで、運送サーバ60は、S316でプリンタ30から印刷完了通知を受信しても、すぐに印刷完了通知を配送元端末10に送信しない。具体的には、運送サーバ60は、施設Fの施設端末50から荷物の受取が完了したことを示す受取完了情報を受信することを待ってから配送元端末10に印刷完了通知を送信する。
【0104】
続いて、運送サーバ60は、S317において、施設端末50から受取完了情報を受信する。
運送サーバ60は、受取完了情報を施設端末50から受信すると、S318において、配送元端末10に印刷完了通知を送信する。
【0105】
続いて、配送元端末10の対象アプリTAは、S319において、支払い用情報を表示部12に出力する。
図13のS320~S323は、前述した
図8のS218~S221と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
配送先端末20の対象アプリTAは、起動されると、S324において、決済フォームを表示部22に表示する。
図13のS325~S330は、前述した
図9のS228~S233と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)~(11)、(13)及び(14)を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
本実施形態では、運送サーバ60は、プリンタ30から印刷完了通知を受信する場合、施設端末50から受取完了情報を受信していることを条件として、印刷完了通知を配送元端末10に送信する(S318)。そして、配送元端末10で起動される対象アプリTAは、運送サーバ60から印刷完了通知を受信する場合に、支払い用情報を出力する(S319)。
【0108】
したがって、荷物の受取が完了したことを以て配送元端末10において支払い用情報が出力される。そして、配送元端末10が支払い用情報を配送先端末20と共有することで、配送先端末20において決済フォームが出力され、配送先端末20で配送料の支払いが可能になる。よって、荷物の受取が行われていないにもかかわらず配送先ユーザが配送料を支払ってしまうことを抑制できる。
【0109】
なお、本実施形態では、S301が計測部としての処理に相当し、S302が提供部としての処理に相当し、S307が受付処理、種別受付処理及び配送情報受付処理としての処理に相当する。また、S308が配送料表示処理としての処理に相当し、S311が種別印刷指示処理としての処理に相当し、S312が受付部としての処理に相当し、S315が印刷部としての処理に相当し、S319が支払い用情報出力処理としての処理に相当する。また、S325が支払い受付処理としての処理に相当し、S326が支払い送信処理としての処理に相当する。
【0110】
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0111】
(1)上記各実施形態において、対象アプリTAが出力する入力フォームにおいて配送する荷物の重量に代えて又は加えて荷物の大きさが入力可能であってもよい。
この場合において例えば、印刷システム1は配送する荷物の大きさを計測する計測部を備えてもよい。そして、計測部により荷物の大きさが計測される場合には、荷物の大きさの情報があらかじめ入力された状態で対象アプリTAを起動させるための起動情報が配送元端末10に提供されてもよい。
【0112】
具体的には印刷システム1は例えば次のような構成であってもよい。すなわち、施設Fに設けたカメラで荷物を撮像するなどして、荷物の大きさを計測する。そして、計測した荷物の大きさの情報をはかり40に送信し、荷物の大きさの情報を含むQRコード等の起動情報をはかり40が出力する。ここで、荷物の大きさの情報は、起動情報に含まれるURLのクエリパラメータとして含まれてもよい。そして、配送元端末10で起動情報を取得し、対象アプリTAが起動すると、入力フォームにおいて、計測された荷物の大きさの情報があらかじめ入力されていてもよい。
【0113】
このような構成によれば、施設Fの職員が荷物の大きさを計測する手間を省くことができる。よって、職員が荷物の大きさを計測することによる窓口の混雑を緩和できる。また、配送元ユーザが荷物の大きさを手入力する場合と比較して、荷物の大きさの入力間違いを抑制できる。
【0114】
一方、ユーザがメジャーなどを用いて自身で荷物の大きさを計測し、計測した大きさを入力フォームで手入力してもよい。
(2)対象アプリTAの起動方法は上記各実施形態のものに限られない。例えば、施設Fに対象アプリTAを起動するためのQRコードが貼られており、当該QRコードを配送元端末10で読み取ることで、対象アプリTAが起動してもよい。またその他の方法で対象アプリTAが起動されてもよい。
【0115】
(3)上記各実施形態では、入力フォームで入力された配送種別に応じて送り状の記載内容が変化するが、配送種別に応じた送り状の態様はこれに限られない。例えば、入力された配送種別に応じて、印刷される送り状の色などが変化してもよい。
【0116】
(4)上記各実施形態において、配送種別に応じて配送料及び/又は送り状が変化しなくてもよい。この場合において例えば、普通郵便のみなど、特定の配送種別のみに本開示の印刷システム1が適用されてもよい。
【0117】
(5)配送元情報及び配送先情報のうち少なくとも一方は連絡先情報から入力不可能であってもよい。この場合において、配送元ユーザは、配送元情報及び配送先情報のうち少なくとも一方を入力フォームにおいて手入力してもよい。
【0118】
また、配送元情報及び配送先情報のうち少なくとも一方が入力フォームで入力不可能であってもよい。この場合、配送元ユーザは、配送元情報及び配送先情報の少なくとも一方を、印刷された送り状に手書きしてもよい。
【0119】
(6)印刷システム1では、配送料を電子決済で支払うことが可能であるが、印刷システム1はこれに限られない。例えば、電子決済で配送料を支払えなくてもよい。この場合において例えば、配送元ユーザは施設Fの窓口で配送料を支払ってもよい。また例えば、配送先ユーザは、荷物の配達員に配送料を現金払いで支払ってもよい。
【0120】
(7)上記各実施形態において、配送元端末10の対象アプリTAが支払い用情報を出力せず、支払い用情報が配送先端末20と共有できない構成であってもよい。この場合において、配送料を配送先ユーザが負担するときは、配送先ユーザが配達員に配送料を現金払いしてもよい。
【0121】
(8)上記各実施形態では、対象アプリTAとしてアップル社のApp Clipsを例示したが、対象アプリTAはこれに限られない。対象アプリTAは、例えば、グーグル社のInstant Apps等であってもよい。
【0122】
(9)上記実施形態では、QRコードを用いて起動情報が配送元端末10に提供されるが、起動情報の配送元端末10への提供の仕方はこれに限られない。例えば、QRコードに代えて又は加えて、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、Near Field Communication等の通信規格に従った無線通信を用いて起動情報がはかり40等の機器から配送元端末10に提供されてもよい。また例えば、これらの手法に代えて又は加えて、App Clipコードを用いて起動情報が配送元端末10に提供されてもよい。
【0123】
(10)上記各実施形態では、印刷指示情報は、配送元端末10の表示部12に出力されるQRコードであるが、印刷指示情報はこれに限られない。印刷指示情報は、例えば、QRコード以外のコード情報であってもよく、識別番号又は暗証番号のようなIDであってもよい。後者の場合、ユーザがプリンタ30にIDを入力する場合に送り状が印刷されてもよい。
【0124】
(11)上記各実施形態において、配送元端末10で対象アプリTA(App Clips)が起動するに際し、いわゆる「Clip Card」と呼ばれる所定画面が表示部12に表示されてもよい。ここで、Clip Cardには、対象アプリTA(App Clips)が提供する機能の概要と共に、対象アプリTAをダウンロードして実行するための起動ボタンが表示される。そして、起動ボタンを押下すると対象アプリTAのダウンロードが開始され、対象アプリTAが起動されてもよい。配送先端末20で対象アプリTAを起動する場合も同様である。
【0125】
(12)上記第1実施形態では、支払い完了通知は、S112で電子決済サーバ70から一旦配送元端末10に送信され、その後、S113で配送元端末10から運送サーバ60に送信されるが、支払い完了通知の送信先はこれに限られない。例えば、電子決済サーバ70から運送サーバ60に支払い完了通知を直接送信してもよい。一方、配送元端末10の対象アプリTAから運送サーバ60に荷物配送情報を送信する。そして、運送サーバ60において、受信した支払い完了通知と荷物配送情報と紐付けてもよい。
【0126】
(13)上記第1実施形態において、電子決済サーバ70における支払い処理(S111)、すなわち、配送料の電子決済が完了することに応じて、運送サーバ60からプリンタ30に印刷完了通知が直接送信されてもよい。そして、プリンタ30は印刷完了通知を受信すると、送り状を印刷してもよい。
【0127】
このような構成によれば、配送元端末10に出力された印刷指示情報を配送元ユーザがプリンタ30に入力しなくても送り状がプリンタ30で印刷される。よって、配送元ユーザの手間を軽減できる。
【0128】
なお、上記構成において、運送サーバ60は、印刷完了通知の送信先のプリンタ30を次のように特定してもよい。すなわち、運送サーバ60は、配送元端末10の位置情報を取得し、配送元端末10付近に存在するプリンタ30に印刷完了通知を送信してもよい。
【0129】
また例えば、はかり40が出力する起動情報(QRコード等)に含まれるURLにプリンタ30を特定可能な情報がクエリパラメータとして含まれていてもよい。そして、当該URLを配送元端末10で読み取るなどして対象アプリTAを起動する。そして、対象アプリTAを用いて電子決済を完了すると、プリンタ30に印刷完了通知が送信される構成であってもよい。
【0130】
また例えば、配送先ユーザは、送り状を印刷する施設FをインターネットNで検索、指定する。すると、施設Fのホームページにおいて、その施設Fに設置されているプリンタ30を特定可能なクエリパラメータを含むURLが表示される。そして、当該URLを配送元端末10で読み取るなどして対象アプリTAを起動する。そして、対象アプリTAを用いて電子決済を完了すると、プリンタ30に印刷完了通知が送信される構成であってもよい。
【0131】
(14)本開示に記載の印刷システム1及び対象アプリTA並びにその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の印刷システム1及び対象アプリTA並びにその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の印刷システム1及び対象アプリTA並びにその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。
【0132】
(15)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0133】
(16)前述した印刷システム1に含まれる各制御部15,25,36,43,62としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、対象アプリTAを用いてプリンタ30で送り状を印刷する方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0134】
1…印刷システム、10…配送元端末、20…配送先端末、30…プリンタ、
50…施設端末、60…運送サーバ、70…電子決済サーバ、80…アプリサーバ、
MA…本体アプリ、TA…対象アプリ。