(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115578
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】撮影装置に装着される顕微鏡
(51)【国際特許分類】
G02B 21/36 20060101AFI20220802BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20220802BHJP
G02B 21/26 20060101ALI20220802BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20220802BHJP
【FI】
G02B21/36
G02B21/00
G02B21/26
G02B7/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012224
(22)【出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514008402
【氏名又は名称】テラベース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】愛宕 世高
(72)【発明者】
【氏名】市坪 達也
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 善平
(72)【発明者】
【氏名】池田 充
【テーマコード(参考)】
2H044
2H052
【Fターム(参考)】
2H044BB00
2H052AA14
2H052AD14
2H052AF14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】撮影装置に装着された状態での液体及び流動体等の試料の観察において、視野、及び、光軸に沿う軸方向についてピントが合っている範囲を広く確保可能な顕微鏡を提供すること。
【解決手段】顕微鏡1では、ベース11が撮影装置2の外表面に設置され、軸方向についてベース11に対して撮影装置2が位置する側とは反対側にホルダー12が配置される。ベース11の底壁21は、内部空洞18を間に挟んでホルダー12の頂壁31と対向する。試料台13は、軸方向についてベース11が位置する側とは反対側からホルダー12に取付けられ、試料台13においてベース11が位置する側とは反対側を向く表面に試料載置部が形成される。ホルダー12の頂壁31には、光軸が通過する位置に第1のレンズ61が配置され、ベース11の底壁21には、光軸が通過する位置に、第2のレンズ62及び第3のレンズ63が、互いに対して軸方向に隣接して配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置に装着される顕微鏡であって、
底壁を備え、前記底壁が前記撮影装置の撮影レンズと対向する状態で前記撮影装置の外表面に設置されるベースと、
頂壁を備え、撮影光学系の光軸に沿う軸方向について前記ベースに対して前記撮影装置が位置する側とは反対側に配置されるホルダーであって、前記ベースと一緒に内部空洞を形成するとともに、前記内部空洞を間に挟んで前記頂壁が前記ベースの前記底壁と対向するホルダーと、
前記軸方向について前記ベースが位置する側とは反対側から前記ホルダーに取付けられる試料台であって、前記ベースが位置する側とは反対側を向く表面に形成される試料載置部を備え、前記光軸が前記試料載置部を通過する試料台と、
前記ホルダーの前記頂壁において前記光軸が通過する位置に配置される第1のレンズと、
前記ベースの前記底壁において前記光軸が通過する位置に配置される第2のレンズと、
前記底壁において前記光軸が通過する位置に配置され、前記軸方向について前記第2のレンズに対して前記撮影装置が位置する側とは反対側に隣接する第3のレンズと、
を具備する、顕微鏡。
【請求項2】
前記試料台は、
前記ベースが位置する側とは反対側を向く表面において前記ベースが位置する側へ凹む第1の溝と、
前記第1の溝の底部から前記ベースが位置する側へさらに凹み、前記試料載置部が底部に形成される第2の溝と、
を備える、請求項1の顕微鏡。
【請求項3】
前記試料台は、前記試料載置部において前記ベースが位置する側とは反対側へそれぞれが突出する4つ以上の突起を備え、
前記試料載置部からの前記突起のそれぞれの突出寸法は、前記第1の溝の前記底部から前記第2の溝の前記底部までの凹み寸法より小さい、
請求項2の顕微鏡。
【請求項4】
前記試料載置部では、前記軸方向に対して交差する第1の方向に沿って前記突起の複数が並ぶ第1の突起列が複数形成されるとともに、前記軸方向及び前記第1の方向の両方に対して交差する第2の方向に沿って前記突起の複数が並ぶ第2の突起列が複数形成される、請求項3の顕微鏡。
【請求項5】
前記試料載置部では、前記軸方向から視て、前記突起の4つを角とする四角形で囲まれた領域を、前記光軸が通過する、請求項3又は4の顕微鏡。
【請求項6】
前記試料台において前記ベースが位置する側とは反対側を向く面に設置されるカバーをさらに具備し、
前記カバーは、前記第1の溝の前記底部に当接するとともに、前記第2の溝の前記試料載置部との間に隙間を有する状態で、前記試料載置部を前記ベースが位置する側とは反対側から覆う、
請求項2乃至5のいずれか1項の顕微鏡。
【請求項7】
前記第1の溝は、
前記軸方向に対して交差する第1の方向の一方側へ前記光軸から離れた領域に形成され、前記軸方向及び前記第1の方向の両方に対して交差する第2の方向に沿って延設される第1の溝縁面と、
前記第1の方向について前記第1の溝縁面が位置する側とは反対側へ前記光軸から離れた領域を通って延設される第2の溝縁面と、
を備え、
前記第2の溝は、前記第1の溝縁面から前記第2の溝縁面まで前記第1の方向に沿って形成される、
請求項6の顕微鏡。
【請求項8】
前記カバーは、前記第1の方向について前記光軸に対して前記第1の溝縁面が位置する側とは反対側に形成されるカバー縁を備え、
前記カバー縁は、前記第2の方向に沿って延設され、
前記カバー縁は、前記第1の方向について前記光軸が位置する側へ凹むカバー凹部を備え、
前記カバー凹部は、前記軸方向から視て前記第2の溝と少なくとも一部が重なる位置に、形成される、
請求項7の顕微鏡。
【請求項9】
前記カバー縁の前記カバー凹部は、前記軸方向から視て円弧状になる、請求項8の顕微鏡。
【請求項10】
前記第2のレンズと前記第3のレンズとの間の前記軸方向についての距離は、前記第2のレンズ及び前記第3のレンズのそれぞれの焦点距離に比べて小さい、請求項1乃至9のいずれか1項の顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置に装着される顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、撮影機能を有する携帯端末等の撮影装置に装着される顕微鏡が、開示されている。この顕微鏡は、撮影装置の撮影レンズに対物レンズが対向する状態で、撮影装置に装着される。また、顕微鏡には、試料が載置される試料載置部が形成され、撮影装置に顕微鏡が装着された状態では、試料載置部は、撮影光学系の光軸に沿う軸方向について、対物レンズに対して撮影装置が位置する側とは反対側に位置する。そして、試料載置部に載置される試料を含む被写体の被写体像を撮影装置の撮像素子等に結像して、試料を撮影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のような撮影装置に装着される顕微鏡を用いての試料の観察では、液体及び流動体等を試料として観察することがある。このような試料の観察では、試料を観察可能な倍率における視野を広く確保することが、求められる。そして、試料の観察では、光軸に沿う軸方向についてピントが合っている範囲を広く確保することが、求められている。
【0005】
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、撮影装置に装着された状態での液体及び流動体等の試料の観察において、視野、及び、光軸に沿う軸方向についてピントが合っている範囲を広く確保可能な顕微鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のある態様は、撮影装置に装着される顕微鏡であって、底壁を備え、前記底壁が前記撮影装置の撮影レンズと対向する状態で前記撮影装置の外表面に設置されるベースと、頂壁を備え、撮影光学系の光軸に沿う軸方向について前記ベースに対して前記撮影装置が位置する側とは反対側に配置されるホルダーであって、前記ベースと一緒に内部空洞を形成するとともに、前記内部空洞を間に挟んで前記頂壁が前記ベースの前記底壁と対向するホルダーと、前記軸方向について前記ベースが位置する側とは反対側から前記ホルダーに取付けられる試料台であって、前記ベースが位置する側とは反対側を向く表面に形成される試料載置部を備え、前記光軸が前記試料載置部を通過する試料台と、前記ホルダーの前記頂壁において前記光軸が通過する位置に配置される第1のレンズと、前記ベースの前記底壁において前記光軸が通過する位置に配置される第2のレンズと、前記底壁において前記光軸が通過する位置に配置され、前記軸方向について前記第2のレンズに対して前記撮影装置が位置する側とは反対側に隣接する第3のレンズと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影装置に装着された状態での液体及び流動体等の試料の観察において、視野、及び、光軸に沿う軸方向についてピントが合っている範囲を広く確保可能な顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る顕微鏡及び撮影装置を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る顕微鏡及び撮影装置を、軸方向に対して平行又は略平行な断面で概略的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る顕微鏡のベースを概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る顕微鏡のベースを、軸方向に対して平行又は略平行な断面で概略的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る顕微鏡のホルダーを概略的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る顕微鏡のホルダーを、軸方向に対して平行又は略平行な断面で概略的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る顕微鏡の試料台を、軸方向の一方側から見た状態で示す概略図である。
【
図8】
図8は、
図7の A1-A1線断面を概略的に示す断面図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態に係る顕微鏡のカバーを、軸方向の一方側から見た状態で示す概略図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態において、カバーが試料台に取付けられた状態を、軸方向の一方側から視た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照して、説明する。実施形態では、撮影機能を有する携帯端末等の撮影装置、及び、撮影装置に装着される顕微鏡を用いて、液体及び流動体等を試料として観察する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1及び
図2は、実施形態の一例として、第1の実施形態に係る顕微鏡1及び撮影装置2を示す。
図1及び
図2等に示すように、本実施形態では、スマートフォン等の撮影機能を有する携帯端末が、撮影装置2として用いられる。また、本実施形態では、試料として、精液が観察される。
【0011】
撮影装置2は、外装フレーム3、撮像素子5、撮影レンズ6及びカバーガラス7を備える。外装フレーム3は、撮影装置2の外装を形成する。また、撮影レンズ6及びカバーガラス7は、外装フレーム3に取付けられ、撮影レンズ6は、撮像素子5とともに撮影光学系を形成する。撮影装置2では、撮像素子5、撮影レンズ6及びカバーガラス7は、撮影光学系の光軸Lに沿う軸方向(矢印L1及び矢印L2で示す方向)に並んで配置され、光軸Lは、撮像素子5、撮影レンズ6及びカバーガラス7のそれぞれの中心軸と同軸又は略同軸となる。また、撮影装置2では、撮像素子5が内部に配置され、撮影レンズ6は、カバーガラス7に対して撮像素子5が位置する側に配置される。撮影装置2の外表面では、カバーガラス7によって、撮影窓が形成される。撮影装置2では、撮影レンズ6等を用いて被写体の被写体像を撮像素子5に結像することにより、被写体を撮影する。
【0012】
顕微鏡1は、ベース11、ホルダー12、試料台13、カバー15及びシート16を備える。なお、
図1及び
図2は、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態を示す。また、
図1は、斜視図を示し、
図2は、光軸Lに沿う軸方向に対して平行又は略平行な断面を示す。顕微鏡1は、シート16を間に介してベース11が撮影装置2の外表面(外装フレーム3の外表面)に取付けられることにより、撮影装置2に装着される。シート16は、粘着性を有する樹脂から形成され、例えば、シリコーンから形成される。シート16は、リング形状又は略リング形状に形成され、シート16には、シート16を厚さ方向に貫通する孔17が形成される。シート16は、外装フレーム3の外表面に密着及び粘着した状態で、外装フレーム3に取付けられる。また、シート16は、シート16の中心軸が光軸Lと同軸又は略同軸になり、かつ、孔17の中心軸が光軸Lと同軸又は略同軸になる状態で、外装フレーム3の外表面に設置される。
【0013】
図3及び
図4は、ベース11を示す。
図3は、斜視図であり、
図4は、光軸Lに沿う軸方向に対して平行又は略平行な断面を示す。
図2乃至
図4等に示すように、ベース11は、底壁21及び周壁22を備え、底付きの筒形状に形成される。ベース11は、樹脂から形成され、光を通さない、又は、光をほとんど通さない樹脂から形成される。ベース11を形成する樹脂としては、例えば、ポリプロピレンが挙げられるとともに、ビスタマックス等のオレフィン系樹脂が挙げられる。顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、底壁21は、軸方向について撮像素子5が位置する側とは反対側から、撮影レンズ6及び外装フレーム3の外表面に対向する。そして、ベース11は、ベース11の中心軸が光軸Lと同軸又は略同軸になる状態で、外装フレーム3の外表面(撮影装置2の外表面)に設置される。
【0014】
周壁22は、ベース11の内部を外周側から覆う。周壁22の一端は、底壁21に接続され、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、周壁22は、軸方向に沿って撮影装置2が位置する側とは反対側へ、底壁21から延設される。すなわち、周壁22は、軸方向の一方側へ、底壁21から突出する。そして、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、周壁22は、撮影光学系の光軸Lを、外周側から囲む。また、周壁22の外周面には、ベース側係合部として雄ネジ部23が形成される。
【0015】
底壁21の外表面には、リング形状又は略リング形状の溝27が形成される。溝27は、底壁21から周壁22が突出する側とは反対側を向く面に形成され、溝27の中心軸は、ベース11の中心軸と同軸又は略同軸になる。したがって、ベース11は、撮影装置2が位置する側を溝27が形成される面が向き、かつ、溝27の中心軸が光軸Lと同軸又は略同軸になる状態で、撮影装置2の外表面に設置される。また、溝27のリング形状又は略リング形状は、シート16のリング形状又は略リング形状に対応する形状であり、ベース11は、撮影装置2が位置する側から溝27にシート16が挿入された状態で、撮影装置2の外表面に設置される。
【0016】
また、底壁21には、突出部25,26が形成される。突出部25は、底壁21から周壁22が突出する側とは反対側へ突出し、突出部26は、底壁21から周壁22が突出する側へ突出する。このため、突出部25,26は、互いに対して反対側へ、底壁21において突出する。また、突出部25,26の中心軸は、互いに対して同軸又は略同軸になり、突出部25,26のそれぞれの中心軸は、ベース11の中心軸と同軸又は略同軸になる。また、突出部25の外周は、溝27によって、全周に渡って囲まれる。顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、突出部25,26のそれぞれの中心軸は、光軸Lと同軸又は略同軸になり、光軸Lは、突出部25,26を通過する。そして、突出部25は、軸方向について撮影装置2が位置する側へ突出し、シート16の孔17に挿入される。
【0017】
また、底壁21には、貫通孔28が形成される。貫通孔28は、突出部25の突出端から突出部26の突出端まで、ベース11の中心軸に沿って底壁21を貫通する。そして、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、貫通孔28の中心軸は、光軸Lと同軸又は略同軸になる。また、貫通孔28は、3つの領域S1~S3を有する。貫通孔28では、突出部25の突出端が位置する側から、領域S1,S2,S3の順に形成される。したがって、領域S1は、突出部25の突出端での貫通孔28の開口を含む領域であり、領域S3は、突出部26の突出端での貫通孔28の開口を含む領域である。そして、領域S2は、領域S1,S3の間の領域である。領域S1では、領域S2に比べて、貫通孔28の径が大きく、貫通孔28の断面積が大きい。また、領域S2では、領域S3に比べて、貫通孔28の径が大きく、貫通孔28の断面積が大きい。
【0018】
図5及び
図6は、ホルダー12を示す。
図5は、斜視図であり、
図6は、光軸Lに沿う軸方向に対して平行又は略平行な断面を示す。
図2、
図5及び
図6等に示すように、ホルダー12は、頂壁31及び周壁32を備え、頂部付きの筒形状に形成される。ホルダー12は、樹脂から形成され、光を通さない、又は、光をほとんど通さない樹脂から形成される。ホルダー12を形成する樹脂としては、例えば、ポリプロピレンが挙げられる。顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、ホルダー12は、光軸Lに沿う軸方向について、撮影装置2が位置する側とは反対側からベース11に取付けられる。このため、ホルダー12は、軸方向について、ベース11に対して撮影装置2が位置する側とは反対側に配置される。ホルダー12は、ホルダー12の中心軸がベース11の中心軸と同軸又は略同軸になる状態で、ベース11に取付けられる。また、ホルダー12がベース11に取付けられた状態では、ホルダー12は、ベース11と一緒に、内部空洞18を形成する。顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、ホルダー12の中心軸は、光軸Lと同軸又は略同軸になる。
【0019】
周壁32は、ホルダー12の内部を外周側から覆う。周壁32の一端は、頂壁31に接続され、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、周壁32は、軸方向に沿って撮影装置2が位置する側へ、頂壁31から延設される。すなわち、周壁32は、軸方向についてベース11及び撮影装置2が位置する側へ、頂壁31から突出する。ホルダー12がベース11に取付けられた状態では、ベース11の周壁22及びホルダー12の周壁32は、内部空洞18を外周側から全周に渡って囲む。そして、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、周壁32は、撮影光学系の光軸Lを、外周側から囲む。また、ホルダー12がベース11に取付けられた状態では、ホルダー12の頂壁31は、内部空洞18を間に挟んで、ベース11の底壁21と対向する。
【0020】
光軸Lに沿う軸方向についてのホルダー12の寸法は、軸方向についてのベース11の寸法に比べて、大きい。そして、ホルダー12の周壁32の頂壁31からの突出長は、ベース11の周壁22の底壁21からの突出長に比べて、大きい。周壁32の内周面には、ホルダー側係合部として雌ネジ部33が形成される。雌ネジ部33が、ベース11の雄ネジ部23との螺合によって係合することにより、ホルダー12がベース11に取付けられる。このため、ホルダー12は、周壁32の一部がベース11の周壁22の一部を外周側から覆う状態で、ベース11に取付けられる。なお、雌ネジ部(ホルダー側係合部)33が、雄ネジ部(ベース側係合部)23と螺合によって係合している状態でも、ホルダー12は、光軸L(中心軸)の軸回りに、ベース11に対して回転可能である。そして、雌ネジ部33が雄ネジ部23と係合している状態では、ホルダー12をベース11に対して回転させることにより、ホルダー12がベース11に対して軸方向に沿って移動し、底壁21と頂壁31との間の距離が、調整される。
【0021】
また、ホルダー12の周壁32では、外周面に2つの段差部35A,35Bが形成され、内周面に段差部35Cが形成される。段差部35Bは、段差部35Aに比べて、頂壁31から離れた位置に形成され、段差部35Cは、段差部35Bに比べて、頂壁31から離れた位置に形成される。また、段差部35A~35Cのそれぞれは、ホルダー12の周方向(光軸Lの軸回り)について、全周に渡って形成される。段差部35Aが形成されるため、頂壁31と段差部35Aとの間の領域では、段差部35A,35Bの間の領域に比べて、周壁32の外径が小さい。また、段差部35Bが形成されるため、段差部35A,35Bの間の領域では、段差部35Bと頂壁31からの遠位端(突出端)との間の領域に比べて、周壁32の外径が小さい。そして、段差部35Cが形成されるため、頂壁31と段差部35Cとの間の領域では、段差部35Cと頂壁31からの遠位端(突出端)との間の領域に比べて、周壁32の内径が小さい。なお、周壁32では、段差部35Cに比べて頂壁31から離れた位置に、雌ネジ部33が形成される。
【0022】
頂壁31の外表面には、円形状又は略円形状の溝37が形成される。溝37は、頂壁31から周壁32が突出する側とは反対側を向く面に形成され、溝37の中心軸は、ホルダー12の中心軸と同軸又は略同軸になる。顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、溝37が形成される面は、撮影装置2が位置する側とは反対側を向き、溝37の中心軸が光軸Lと同軸又は略同軸になる。
【0023】
また、頂壁31には、突出部36が形成される。突出部36は、頂壁31から周壁32が突出する側へ突出する。また、突出部36の中心軸は、ホルダー12の中心軸と同軸又は略同軸になる。顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、突出部36の中心軸は、光軸Lと同軸又は略同軸になり、光軸Lは、突出部36を通過する。そして、突出部36は、軸方向について撮影装置2が位置する側へ突出する。
【0024】
また、頂壁31には、貫通孔38が形成される。貫通孔38は、溝37の底部から突出部36の突出端まで、ホルダー12の中心軸に沿って頂壁31を貫通する。そして、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、貫通孔38の中心軸は、光軸Lと同軸又は略同軸になる。また、貫通孔38は、3つの領域S4~S6を有する。貫通孔38では、溝37の底部が位置する側から、領域S4,S5,S6の順に形成される。したがって、領域S4は、溝37の底部での貫通孔38の開口を含む領域であり、領域S6は、突出部36の突出端での貫通孔38の開口を含む領域である。そして、領域S5は、領域S4,S6の間の領域である。
【0025】
領域S4では、領域S5に比べて、貫通孔38の径が大きく、貫通孔38の断面積が大きい。また、領域S5では、領域S6に比べて、貫通孔38の径が大きく、貫通孔38の断面積が大きい。なお、領域S5での貫通孔38の径は、領域S2での貫通孔28の径と同一又は略同一の大きさになり、領域S5での貫通孔38の断面積は、領域S2での貫通孔28の断面積と同一又は略同一の大きになることが、好ましい。
【0026】
図7及び
図8は、試料台13を示す。
図7は、光軸Lに沿う軸方向の一方側から視た状態を示し、
図8は、光軸Lに沿う軸方向に対して平行又は略平行な断面を示し、
図7のA1-A1線断面を示す。
図2、
図7及び
図8等に示すように、試料台13は、天板41及び周板42を備える。試料台13は、光透過性を有する樹脂から形成され、試料台13を形成する樹脂としては、例えば、透明なプラスチックが挙げられる。顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、試料台13は、光軸Lに沿う軸方向について、ベース11及び撮影装置2が位置する側とは反対側からホルダー12に取付けられる。試料台13は、試料台13の中心軸がベース11及びホルダー12のそれぞれの中心軸と同軸又は略同軸になる状態で、ホルダー12に取付けられる。顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、試料台13の中心軸は、光軸Lと同軸又は略同軸になる。なお、
図7は、軸方向についてホルダー12が位置する側とは反対側から視た状態を示す。
【0027】
天板41は、試料台13の中心軸を中心又は略中心とする円板形状又は略円板形状に、形成される。試料台13がホルダー12に取付けられた状態では、試料台13の天板41は、ベース11が位置する側とは反対側から、ホルダー12の頂壁31に当接する。ホルダー12の頂壁31では、軸方向についてベース11が位置する側とは反対側を向く表面に、試料台13の天板41が当接する。また、ホルダー12の頂壁31においてベース11が位置する側とは反対側を向く表面では、溝37に対して外周側の部位に試料台13の天板41が当接し、溝37の底部には、天板41は接触しない。そして、試料台13は、軸方向について溝37の底部と天板41との間に隙間が形成される状態で、ホルダー12に取付けられる。
【0028】
周板42は、天板41の外縁に沿って形成され、試料台13の中心軸(光軸L)の軸回り(顕微鏡1の周方向)について全周に渡って形成される。周板42の一端は、天板41に接続され、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、周板42は、軸方向に沿って撮影装置2及びベース11が位置する側へ、天板41から延設される。すなわち、顕微鏡1では、周板42は、軸方向についてベース11が位置する側へ、天板41から突出する。試料台13がホルダー12に取付けられた状態では、周板42は、ホルダー12の周壁32に外周側から当接する。ホルダー12の周壁32では、軸方向について頂壁31と段差部35Aとの間の領域に、試料台13の周板42が当接する。また、ホルダー12の周壁32では、ホルダー12の中心軸(光軸L)の軸回りの全周に渡って、試料台13の周板42が外周側から当接する。
【0029】
顕微鏡1の試料台13では、軸方向についてベース11及びホルダー12が位置する側とは反対側を向く表面に、溝43,45が形成される。溝(第1の溝)43は、軸方向についてベース11及びホルダー12が位置する側、すなわち、天板41から周板42が突出する側へ凹む。溝(第2の溝)45は、溝43の内部に形成される。溝45は、軸方向についてベース11及びホルダー12が位置する側へ、溝43の底部からさらに凹む。試料台13では、溝45の底部に、観察対象となる試料が載置される試料載置部46が、形成される。試料台13の中心軸は、溝45の試料載置部46を通過する。このため、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、撮影光学系の光軸Lは、溝45の試料載置部46を通過する。なお、溝43の底部からの溝45の凹み寸法は、目視では確認不可能な程度の大きさであり、例えば、0.02mm程度である。
【0030】
ここで、試料台13において、中心軸(光軸L)に沿う軸方向(矢印L1及び矢印L2で示す方向)に対して交差する(直交又は略直交する)第1の方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、及び、軸方向及び第1の方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)第2の方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)を、規定する。
図8では、第1の方向に直交又は略直交する断面が、示される。試料台13の溝(第1の溝)43は、溝縁面47,48を備える。
【0031】
溝縁面(第1の溝縁面)47は、試料台13の中心軸(光軸L)から第1の方向の一方側(矢印X1側)に離れた領域に形成される。そして、溝縁面47の全体が、第1の方向について、光軸Lに対して矢印X1側に位置する。溝縁面47は、延設端E1,E2を有し、溝縁面47は、延設端E1から延設端E2まで、第2の方向に沿って延設される。延設端E1は、溝縁面47の一端を形成し、試料台13の中心軸(光軸L)に対して第2の方向の一方側(矢印Y1側)に位置する。延設端E2は、溝縁面47において延設端E1とは反対側の端を形成する。そして、延設端E2は、第2の方向について、試料台13の中心軸(光軸L)に対して、延設端E1が位置する側とは反対側(矢印Y2側)に位置する。溝縁面47は、第1の方向に対して直交又は略直交する平面状に形成され、軸方向から視て、第2の方向に沿う直線状になる。
【0032】
溝縁面(第2の溝縁面)48は、第1の方向について溝縁面47が位置する側とは反対側(矢印X2側)へ試料台13の中心軸(光軸L)から離れた領域を通って、延設される。溝縁面48の一端は、溝縁面47の延設端E1に接続され、溝縁面48の他端は、溝縁面47の延設端E2に接続される。溝縁面48の一部は、第1の方向について、光軸Lに対して、溝縁面47が位置する側に形成され、溝縁面48の残りの一部は、第1の方向について、光軸Lに対して、溝縁面47が位置する側とは反対側に形成される。また、溝縁面48の一部は、第2の方向について、光軸Lに対して、溝縁面47の延設端E1が位置する側に形成され、溝縁面48の残りの一部は、第2の方向について、光軸Lに対して、溝縁面47の延設端E2が位置する側に形成される。本実施形態では、溝縁面48は、曲面状に形成され、軸方向から視て、試料台13の中心軸(光軸L)を中心又は略中心とする円弧状になる。ただし、溝縁面48は、必ずしも曲面状である必要はなく、第1の方向について溝縁面47が位置する側とは反対側へ光軸から離れた領域を通って延設されていればよい。
【0033】
溝43では、溝縁面47,48によって、溝43全体を囲む溝43の縁面が形成される。前述のように、溝縁面47,48が形成されるため、溝43全体を囲む溝43の縁面は、光軸Lに沿う軸方向から視て、D字形状又は略D字形状になる。そして、光軸Lは、D字形状又は略D字形状によって囲まれた範囲を通過する。
【0034】
溝45は、延設端E3,E4を有し、溝45は、延設端E3から延設端E4まで、第1の方向に沿って延設される。延設端E3は、溝45の一端を形成し、延設端E4は、溝45において延設端E3とは反対側の端を形成する。延設端E3は、第1の方向について、試料台13の中心軸(光軸L)に対して、溝縁面47が位置する側に位置する。延設端E4は、第1の方向について、試料台13の中心軸(光軸L)に対して、溝縁面47が位置する側とは反対側に位置する。溝45は、延設端E3において溝縁面47に接続され、延設端E4において溝縁面48に接続される。このため、溝(第2の溝)45は、溝縁面(第1の溝縁面)47から溝縁面(第2の溝縁面)48まで、第1の方向に沿って延設される。
【0035】
また、溝43が形成される範囲、すなわち、溝縁面47,48によって囲まれる範囲では、溝45は、第2の方向について中央部分にのみ形成される。したがって、溝縁面47,48によって囲まれる範囲では、溝43の底部は、第2の幅方向について溝45の両側に、延設される。すなわち、溝縁面47,48によって囲まれる範囲では、第2の幅方向について溝45の両側に、溝45以外の部分が形成される。
【0036】
図9は、
図7の範囲A2を拡大して示し、
図10は、
図9のA3-A3線断面を示す。また、
図11は、
図10の範囲A4を拡大して示す。
図9では、軸方向についてベース11が位置する側とは反対側から視た状態が示され、
図10及び
図11では、第1の方向に直交又は略直交する断面が示される。
図9乃至
図11等に示すように、試料台13の溝45の底部に形成される試料載置部46には、突起49が4つ以上形成される。
図9乃至
図11等の一例では、試料載置部46に、16個の突起49が形成される。突起49のそれぞれは、天板41から周板42が突出する側とは反対側へ、突出する。このため、顕微鏡1では、突起49のそれぞれは、軸方向についてベース11及びホルダー12が位置する側とは反対側へ、突出する。
【0037】
ここで、突起49のそれぞれの溝45の底部(試料載置部46)からの突出寸法は、目視では確認不可能な程度の大きさであり、例えば、0.015mm程度である。また、試料載置部46からの突起49のそれぞれの突出寸法は、溝43の底部から溝45の底部までの凹み寸法より、小さい。このため、顕微鏡1では、突起49のそれぞれの突出端は、軸方向について、溝43の底部に対して、ベース11が位置する側に位置する。そして、突起49のそれぞれは、溝43の底部に対して、ベース11が位置する側とは反対側へは突出しない。
【0038】
本実施形態では、第1の方向に沿って突起49の複数が並ぶ突起列(第1の突起列)が、試料載置部46に形成される。また、試料載置部46には、第2の方向に沿って突起49の複数が並ぶ突起列(第2の突起列)が形成される。
図9乃至
図11等の一例では、第1の方向に沿った突起列が4つ形成され、第1の方向に沿った突起列のそれぞれでは、4つの突起49が第1の方向に並ぶ。そして、第2の方向に沿った突起列が4つ形成され、第2の方向に沿った突起列のそれぞれでは、4つの突起49が第2の方向に並ぶ。第1の方向に沿った突起列のそれぞれでは、4つの突起49が等間隔又は略等間隔で配置され、第1の方向に沿った4つの突起列では、突起49の間隔が互いに対して同一又は略同一になる。また、第2の方向に沿った突起列のそれぞれでは、4つの突起49が等間隔又は略等間隔で配置され、第2の方向に沿った4つの突起列では、突起49の間隔が互いに対して同一又は略同一になる。
【0039】
また、試料載置部46では、4つ以上の突起49は、第1の方向に沿う突起列と第2の方向に沿う突起列とが交差する状態に配置され、格子状に配置される。
図9乃至
図11等の一例では、4×4の格子状に16個の突起49が配置される。このため、4つの突起49の外周側に12個の突起49が配置され、外周側の12個の突起49を通る四角形(正方形)に囲まれた領域内に、内周側の4つの突起49が配置される。また、内周側の4つの突起49を4つの角とする四角形(正方形)で囲まれた領域を、試料台13の中心軸(光軸L)が通過する。なお、
図9乃至
図11等の一例では、内周側の4つの突起を角とする四角形の中心又は略中心を、光軸Lが通過する。
【0040】
図2等に示すように、顕微鏡1では、カバー15は、光軸Lに沿う軸方向について、ベース11及びホルダー12が位置する側とは反対側から、試料台13に取付けられる。そして、カバー15は、試料台13においてベース11及びホルダー12が位置する側とは反対側を向く面に、設置される。カバー15は、光透過性を有する樹脂から形成され、カバー15を形成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂が挙げられる。
【0041】
図12は、カバー15を示し、
図13は、カバー15が試料台13に取付けられた状態を示す。
図12及び
図13は、光軸Lに沿う軸方向の一方側から視た状態を示し、軸方向についてベース11が位置する側とは反対側から視た状態を示す。また、
図14は、
図13のA5-A5線断面を示し、試料台13の第2の方向に直交又は略直交する断面が示される。
図12乃至
図14等に示すように、カバー15は、薄い板状に形成される。カバー15では、幅方向(矢印X3及び矢印X4で示す方向)、幅方向に対して交差する(直交又は略直交する)長さ方向(矢印Y3及び矢印Y4で示す方向)、及び、幅方向及び長さ方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)厚さ方向が、規定される。カバー15では、厚さ方向に沿った寸法が、幅方向に沿った寸法及び長さ方向に沿った寸法のそれぞれに比べて、遥かに小さい。
【0042】
カバー15は、厚さ方向が光軸Lに沿う軸方向と一致又は略一致する状態で、試料台13に取付けられる。また、試料台13にカバー15が取付けられた状態では、カバー15の幅方向が第1の方向と一致又は略一致し、カバー15の長さ方向が第2の方向と一致又は略一致する。カバー15は、一対のカバー主面51,52を備える。カバー15では、カバー主面(第1のカバー主面)51は、厚さ方向の一方側を向き、カバー主面(第2のカバー主面)52は、厚さ方向についてカバー主面51とは反対側を向く。顕微鏡1では、カバー15のカバー主面51は、軸方向について、ベース11及びホルダー12が位置する側とは反対側を向く。
【0043】
図15は、
図14の範囲A6を拡大して示す。
図14及び
図15等に示すように、顕微鏡1では、カバー15は、軸方向についてベース11が位置する側とは反対側から、試料台13の試料載置部46を覆う。そして、カバー15のカバー主面52は、試料載置部46(溝45の底部)と対向する。このため、撮影光学系の光軸Lは、カバー15を通過する。カバー15は、溝(第1の溝)43の底部に当接する状態で、試料台13に取付けられる。また、カバー15は、溝(第2の溝)45の試料載置部46との間に隙間を有する。ここで、前述のように、試料載置部46からの突起49のそれぞれの突出寸法は、溝43の底部から溝45の底部までの凹み寸法より、小さい。このため、突起49のそれぞれは、カバー15と接触せず、突起49のそれぞれの突出端とカバー15のカバー主面52との間には、隙間が形成される。なお、カバー15と溝45の試料載置部46との間の隙間の寸法は、溝43の底部からの溝45の凹み寸法に相当する。そして、カバー15と試料載置部46との間の隙間の寸法は、溝45において精液が重力に関係なく隙間に流入する大きさになる。
【0044】
図12乃至
図14等に示すように、カバー15は、一対のカバー縁53,55、一対の中継縁57A,57B、及び、傾斜縁58を備える。カバー15では、カバー縁53,55、中継縁57A,57B、及び、傾斜縁58によって、カバー主面51,52のそれぞれの外縁が形成される。カバー縁53,55は、第1の方向(カバー15の幅方向)に互いに対して離れて配置され、カバー縁53,55のそれぞれは、第2の方向(カバー15の長さ方向)に沿って延設される。顕微鏡1では、第1の方向についてカバー縁53,55の間を、光軸Lが通過する。カバー縁53は、第1の方向について、光軸Lに対して、試料台13の溝縁面47が位置する側に位置する。そして、カバー縁55は、第1の方向について、光軸Lに対して、溝縁面47が位置する側とは反対側に位置する。したがって、カバー縁55は、第1の方向について、光軸Lに対して、溝45の延設端E4が位置する側に、形成される。
【0045】
カバー縁53は、試料台13の溝縁面47に当接又は近接し、溝縁面47に沿って延設される。カバー縁53は、軸方向から視て、第2の方向に沿う直線状になる。また、カバー縁55は、第1の方向について光軸Lに近づく側へ、溝45の延設端E4から離れて形成される。このため、カバー縁55は、第1の方向について溝45の延設端E4との間に、隙間を有する。カバー縁55と延設端E4との間の隙間は、スティック等を用いて試料(精液)を溝45へ滴下可能な程度の大きさに、形成される。
【0046】
カバー縁55には、第1の方向について光軸Lが位置する側へ凹むカバー凹部56が、形成される。カバー縁55では、第2の方向について中央部分に、カバー凹部56が形成される。このため、カバー凹部56は、光軸Lに沿う軸方向から視て試料台13の溝45と少なくとも一部が重なる位置に、形成される。
図13等の一例では、カバー縁55のカバー凹部56は、軸方向から視て円弧状になる。そして、カバー縁55のカバー凹部56以外の部分は、第2の方向に沿う直線状になる。なお、カバー縁55では、カバー凹部56の底位置も、光軸Lに対して、溝45の延設端E4が位置する側に位置する。
【0047】
カバー15では、カバー縁53の一端とカバー縁55の一端との間は、中継縁57A及び傾斜縁58によって、中継される。そして、カバー縁53の他端とカバー縁55の他端との間は、中継縁57Bによって、中継される。顕微鏡1では、第2の方向について中継縁57A,57Bの間を、光軸Lが通過する。中継縁57A及び傾斜縁58は、第2の方向について、光軸Lに対して、試料台13の溝縁面47の延設端E1が位置する側に位置する。そして、中継縁57Bは、第2の方向について、光軸Lに対して、溝縁面47の延設端E2が位置する側に位置する。中継縁57Bは、一端がカバー縁53に接続され、他端がカバー縁55に接続される。また、中継縁57Aは、一端がカバー縁55に接続され、他端が傾斜縁58に接続される。そして、傾斜縁58は、一端がカバー縁53に接続され、他端が中継縁57Aに接続される。
【0048】
中継縁57A,57Bのそれぞれは、試料台13の溝縁面48に、内周側から当接又は近接する。そして、中継縁57A,57Bのそれぞれは、溝縁面48に沿って延設される。中継縁57A,57Bは、軸方向から視て、光軸Lを中心又は略中心とする円弧状になる。また、傾斜縁58は、第1の方向及び第2の方向の両方に対して傾斜する状態で、延設される。傾斜縁58では、第1の方向についてカバー縁53に近い位置ほど、第2の方向について光軸Lに近い側に位置する。また、傾斜縁58は、溝43の溝縁面47,48との間に隙間を有する。ここで、カバー15において、第2の方向(長さ方向)についての仮想上の中央面を、規定する。仮想上の中央面は、光軸Lを通過するとともに、第2の方向に対して直交する。本実施形態では、傾斜縁58が設けられるため、カバー15は、前述の仮想上の中央面を中心として、非対称な形状になる。
【0049】
なお、カバー15を前述のような形状に形成する際には、カバー15を形成する板部材にカバー主面52側から刃等を押付けて、板部材を切断する。このため、カバー縁53,55、中継縁57A,57B及び傾斜縁58のそれぞれとカバー主面52との境界部分は、R面状に形成される。一方、カバー縁53,55、中継縁57A,57B及び傾斜縁58のそれぞれとカバー主面52との境界部分には、角が形成される。
【0050】
図2等に示すように、顕微鏡1には、3枚のレンズ61~63が設けられる。レンズ61~63は、互いに対して同一の種類である。また、レンズ61~63では、外径が互いに対して同一又は略同一になるとともに、中心軸に対して直交又は略直交する断面積が互いに対して同一又は略同一になる。そして、レンズ61~63では、焦点距離が互いに対して同一又は略同一になる。
【0051】
レンズ(第1のレンズ)61は、ホルダー12の頂壁31に取付けられる。そして、レンズ61は、頂壁31に形成される貫通孔38に配置される。レンズ61の中心軸は、貫通孔38の中心軸と同軸又は略同軸となる。また、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、レンズ61の中心軸は、光軸Lと同軸又は略同軸となる。そして、光軸Lは、レンズ61を通過する。レンズ61の外径は、領域S5での貫通孔38の径と同一又は略同一になり、領域S6での貫通孔38の径に比べて小さい。そして、中心軸に対して直交又は略直交するレンズ61の断面積は、領域S5での貫通孔38の断面積と同一又は略同一になり、領域S6での貫通孔38の断面積に比べて小さい。このような構成であるため、貫通孔38では、レンズ61が、領域S5,S6の境界部分に領域S5側から当接する。これにより、貫通孔38では、レンズ61の領域S6への移動が、規制される。
【0052】
レンズ(第2のレンズ)62及びレンズ(第3のレンズ)63のそれぞれは、ベース11の底壁21に取付けられる。そして、レンズ62,63のそれぞれは、底壁21に形成される貫通孔28に配置される。レンズ62,63のそれぞれの中心軸は、貫通孔28の中心軸と同軸又は略同軸となる。また、顕微鏡1が撮影装置2に装着された状態では、レンズ62,63のそれぞれの中心軸は、光軸Lと同軸又は略同軸となる。そして、光軸Lは、レンズ62,63を通過する。レンズ63は、軸方向について、レンズ62に対して、撮影装置2が位置する側とは反対側に隣接する。したがって、レンズ62,63は、互いに対して軸方向に隣接して配置される。レンズ62,63の間の軸方向についての距離は、微小であり、レンズ61~63のそれぞれの焦点距離に比べて、遥かに小さい。
【0053】
レンズ62,63のそれぞれの外径は、領域S2での貫通孔28の径と同一又は略同一になり、領域S3での貫通孔28の径に比べて小さい。そして、中心軸に対して直交又は略直交するレンズ62,63のそれぞれの断面積は、領域S2での貫通孔28の断面積と同一又は略同一になり、領域S3での貫通孔28の断面積に比べて小さい。このような構成であるため、貫通孔28では、レンズ63が、領域S2,S3の境界部分に領域S2側から当接する。これにより、貫通孔28では、レンズ62,63の領域S3への移動が、規制される。
【0054】
顕微鏡1を用いて試料である精液を観察する際には、顕微鏡1を撮影装置2に装着する。この際、顕微鏡1は、ベース11、ホルダー12、試料台13及びカバー15が前述のように配置される状態で、撮影装置2に装着される。また、顕微鏡1の中心軸が撮影レンズ6等の中心軸(撮影光学系の光軸L)と同軸又は略同軸になる状態に、顕微鏡1の位置を調整する。そして、光軸Lに沿う軸方向について、撮影装置2が位置する側とは反対側から光を照射する等して、明るさを調整する。また、ホルダー12をベース11に対して光軸Lの軸回りに回転する等して、底壁21と頂壁31との間の距離を調整し、レンズ62,63のそれぞれのレンズ61に対する距離を調整する。これにより、ピントが合う状態に、ピントが調整される。
【0055】
そして、前述のような調整が行われた状態において、スティック等を用いて、試料である精液を試料台13の溝(第2の溝)45へ滴下する。この際、カバー15のカバー縁55と溝45の延設端E4との間の隙間から、精液を滴下する。滴下した精液は、カバー15と溝45の底部との間の隙間に形成される試料載置部46に、流入する。そして、溝45における精液の流れが停止するまで、ある程度の時間、待機する。そして、精液の流れが停止すると、撮影装置2での操作入力等によって、精液を含む被写体の被写体像を撮像素子5に結像する等して、被写体を撮影する。また、撮影装置2のプロセッサ等は、被写体の画像等に基づいて、精液における単位体積当たりの精子の数等を算出及び計測する。
【0056】
本実施形態では、ホルダー12の頂壁31にレンズ61が配置され、ベース11の底壁21にレンズ62,63が互いに対して軸方向に隣接して配置される。このため、レンズ62,63の間の軸方向についての距離は、レンズ62,63のそれぞれの焦点距離に比べて、遥かに小さい。前述のようにレンズ61~63が配置されるため、レンズ62,63の合成レンズの合成焦点距離は、レンズ62,63のそれぞれの焦点距離より、小さい。顕微鏡1では、内部空洞18に対して撮影装置2が位置する側に複数のレンズ62,63が配置され、レンズ62,63の合成レンズの合成焦点距離が小さくなることにより、試料を観察可能な倍率での視野が広くなる。すなわち、精液の観察において、光軸Lに対して直交又は略直交する方向についての視野が、広くなる。精液の観察では、光軸Lに対して直交又は略直交する方向(第1の方向及び第2の方向)についての視野が広くなることにより、精液中を移動する精子等を適切に観察可能になる。
【0057】
また、前述のようにレンズ61~63が配置されることにより、顕微鏡1では、光軸Lに沿う軸方向についてピント(焦点)が合っている範囲を、広くすることが可能になる。すなわち、前述のようにレンズ61~63が配置されることにより、焦点深度が深くなると推定される。精液中では、精子は、光軸Lに対して直交又は略直交する方向だけでなく、光軸Lに沿う軸方向へも移動する。このため、顕微鏡1において軸方向についてピントが合っている範囲が広くなることにより、精子等をさらに適切に観察可能になる。なお、カバー15と溝45の試料載置部46との間の隙間の寸法、すなわち、溝43の底部からの溝45の凹み寸法は、前述のピント(焦点)が合っている範囲の寸法以下である。
【0058】
また、本実施形態では、前述のようにレンズ62,63を隣接して配置することにより、レンズ62,63の合成レンズの合成焦点距離を小さくしている。このため、レンズ62,63のいずれかに焦点距離が小さいレンズを用いなくても、精液を観察可能な倍率での顕微鏡1の視野が確保される。したがって、レンズ61~63として互いに対して焦点距離が同一又は略同一のレンズを用いても、すなわち、レンズ61~63として互いに対して同一の種類のレンズを用いても、精液を観察可能な倍率での顕微鏡1の視野が確保される。レンズ61~63が互いに対して同一の種類であることにより、顕微鏡1の品質が安定化する。また、レンズ61~63が互いに対して同一の種類であることにより、顕微鏡1の製造において、レンズ61~63を調達し易くなるとともに、製造コストも低減可能となる。
【0059】
また、レンズ62,63を隣接して配置し、レンズ62,63の合成レンズの合成焦点距離を小さくすることにより、顕微鏡1では、レンズ62,63のそれぞれから試料台13の試料載置部46までの距離を小さくすることが可能になる。レンズ62,63のそれぞれから試料台13の試料載置部46までの距離を小さくなることにより、軸方向に沿った顕微鏡1の寸法を小さくすることが可能となり、顕微鏡1の小型化を実現可能となる。
【0060】
また、本実施形態では、試料台13において、溝(第2の溝)45は、溝(第1の溝)の底部からさらに凹み、溝45の底部に、試料載置部46が形成される。そして、カバー15は、溝43の底部に当接するとともに、溝45の底部(試料載置部46)との間に隙間を有する状態で、試料載置部46をベース11が位置する側とは反対側から覆う。このような構成にすることにより、カバー15と溝45の底部との間に、第1の方向に対して直交又は略直交する断面積が小さい隙間が形成される。このため、前述のようにして溝45に滴下された精液は、カバー15と溝45の底部との間に流入し易くなり、試料載置部46に流入し易くなる。例えば、重力に関係なく、溝45に滴下された精液は、カバー15と溝45の底部との間に流入する。
【0061】
また、本実施形態では、カバー15のカバー縁55は、第1の方向について、光軸Lに対して、試料台13の溝縁面47が位置する側とは反対側に位置する。そして、カバー縁55は、第1の方向について溝45の延設端E4との間に、隙間を有する。このような構成であるため、前述のようにカバー15よって試料載置部46が覆われても、カバー縁55と溝45の延設端E4との間の隙間を通して、スティック等を用いて試料(精液)を45へ滴下可能となる。また、カバー縁55には、第1の方向について光軸Lが位置する側へ凹むカバー凹部56が、形成され、カバー凹部56は、軸方向から視て試料台13の溝45と少なくとも一部が重なる位置に、形成される。このため、カバー縁55に前述のようにカバー凹部56が形成されることにより、カバー縁55と溝45の延設端E4との間の隙間を通して、溝45へ精液を滴下し易くなる。また、光軸に沿う軸方向から視てカバー凹部56が円弧状になることにより、精液を滴下する位置をさらに適切に認識し易くなる。
【0062】
また、本実施形態では、試料台13の試料載置部46に4つ以上の突起49が形成される。このため、撮影装置2によって撮影された被写体の画像では、精液中の精子に加えて、突起49が撮影される。これにより、撮影装置2のプロセッサ等は、撮影された画像における突起49に基づいて、撮影された画像における面積を、容易かつ適切に算出可能になる。そして、撮影装置2のプロセッサ等は、算出した面積、及び、溝45の底部とカバー15との間の距離に基づいて、撮影された画像における体積を、容易かつ適切に算出可能になる。前述のように撮影された画像における体積が算出されることにより、精液における単位体積当たりの精子の数等が、容易かつ適切に計測される。
【0063】
また、試料載置部46からの突起49のそれぞれの突出寸法は、溝43の底部から溝45の底部までの凹み寸法に比べて、小さい。このため、前述のように突起49を設けても、カバー15は突起49に接触しない。したがって、突起49を設けても、カバー15は、溝43の底部に適切に当接し、カバー15の一部が溝43の底部から浮き上がること等が防止される。これにより、突起49を設けても、カバー15は、試料台13に適切に取付けられる。
【0064】
また、試料載置部46では、第1の方向に沿って突起49の複数が並ぶ突起列(第1の突起列)が複数形成されるとともに、第2の方向に沿って突起49の複数が並ぶ突起列(第2の突起列)が複数形成される。第1の方向に沿った突起列及び第2の方向に沿った突起列のそれぞれが試料載置部46に複数形成されることにより、画像における面積を突起49の位置に基づいてさらに容易かつ適切に算出可能となる。また、本実施形態の試料載置部46では、4つ以上の突起49は、第1の方向に沿う突起列と第2の方向に沿う突起列とが交差する状態に配置され、格子状に配置される。これにより、画像における面積の突起49に基づいた算出処理が、さらに簡略化され、画像における面積の突起49に基づいた算出結果が、さらに適切になる。
【0065】
また、本実施形態では、内周側の4つの突起49を4つの角とする四角形(正方形)で囲まれた領域を、光軸Lが通過する。このような構成にすることにより、撮影装置2によって撮影された画像では、突起49の中の少なくとも4つが適切に撮影される。画像において突起49の中の少なくとも4つが適切に撮影されることにより、画像における面積の突起49に基づいた算出処理が、さらに簡略化され、画像における面積の突起49に基づいた算出結果が、さらに適切になる。
【0066】
また、本実施形態では、カバー15に傾斜縁58が設けられ、カバー15は、第2の方向(長さ方向)についての仮想上の中央面を中心として、非対称な形状になる。このため、カバー15では、中心軸(光軸L)の軸回りについての傾斜縁58の位置等に基づいて、カバー主面51,52を識別可能である。このため、試料台13へのカバー15の取り付けにおいて、試料台13が位置する側をカバー主面52が向く状態で、カバー15を試料台13に容易かつ適切に取付け可能になる。
【0067】
ここで、カバー主面52では、前述のように、カバー縁53,55、中継縁57A,57B及び傾斜縁58のそれぞれとの境界部分が、R面状になる。このため、カバー主面52が試料台13と対向する状態でカバー15が試料台13に取付けられることにより、カバー15は、溝43の底部に適切に当接し、カバー15の一部が溝43の底部から浮き上がること等が、適切に防止される。カバー15が溝43の底部に適切に当接することにより、溝45においてカバー15で覆われる範囲では、溝45の底部とカバー15との間の隙間距離は、所定の大きさで一定又は一定になる。これにより、前述のようにして画像における体積を算出する場合において、体積の算出結果が、さらに適切になる。
【0068】
(変形例)
なお、ある変形例では、試料台13の天板41において、突出壁が、溝43の溝縁面47,48の外周側に隣接して形成される。試料台13の天板41では、軸方向についてベース11及びホルダー12が位置する側とは反対側を向く面に、突出壁が形成される。突出壁は、軸方向について、ベース11が位置する側とは反対側へ突出する。また、突出壁は、試料台13の中心軸(光軸L)の軸回りについて溝43の全周に渡って、溝縁面47,48に外周側から隣接する。前述のように突出壁が形成されるため、試料台13の突出壁は、光軸Lに沿う軸方向から視て、D字形状又は略D字形状になる。本変形例では、突出壁が設けられることにより、カバー15を試料台13の溝43に挿入し易くなり、カバー15を試料台13に取付け易くなる。
【0069】
また、前述の実施形態等では、ベース11及びホルダー12は、互いに対して別体であるが、ある変形例では、ベース11及びホルダー12が一体に形成されてもよい。この場合も、ベース11は、底壁21を備え、ホルダー12は、頂壁31を備える。そして、ホルダー12は、軸方向について、ベース11に対して撮影装置2が位置する側とは反対側に配置される。
【0070】
また、前述の実施形態等では、顕微鏡1がスマートフォンに装着される例について説明したが、携帯タブレット等のスマートフォン以外の携帯端末に顕微鏡1を装着し、前述したように精液の観察を行ってもよい。また、カメラ又はビデオ等の携帯端末以外の撮影装置に顕微鏡1を装着し、前述のように試料である精液を撮影及び観察してもよい。また、撮影装置によって撮影された試料を含む被写体の画像データは、例えば、撮影装置とは別体のコンピュータ等の処理装置によって解析されてもよい。この場合、コンピュータ等の処理装置は、被写体の画像データを解析することにより、精液における単位体積当たりの精子の数等を算出する。また、精液以外の液体又は流動体等についても、顕微鏡1及び撮影装置を用いて、前述の実施形態等と同様にして撮影及び観察可能である。
【0071】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0072】
1…顕微鏡、2…撮影装置、5…撮像素子、6…撮影レンズ、11…ベース、12…ホルダー、13…試料台、15…カバー、18…内部空洞、21…底壁、31…頂壁、43…溝(第1の溝)、45…溝(第2の溝)、46…試料載置部、47…溝縁面(第1の溝縁面)、48…溝縁面(第2の溝縁面)、49…突起、53,55…カバー縁、56…カバー凹部、58…傾斜縁。