(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022011560
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20220107BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020112775
(22)【出願日】2020-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【弁理士】
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】山田 啓之
(72)【発明者】
【氏名】新井 朗
(72)【発明者】
【氏名】守岡 太郎
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB53
(57)【要約】
【課題】仮想的な外国為替証拠金取引において仕組みを単純化することで、初心者でも気軽に外国為替証拠金取引を始めることができるようにする。
【解決手段】コンピュータプログラムは、仮想的な外国為替証拠金取引を実現するサーバからネットワークを介して受信した情報に基づいて、新規注文を受け付ける受け付け画面をディスプレイに表示させる機能を端末に実現させるためのコンピュータプログラムであって、受け付け画面は、選択された通貨ペアの売買で共通のレートを表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想的な外国為替証拠金取引を実現するサーバからネットワークを介して受信した情報に基づいて、新規注文を受け付ける受け付け画面をディスプレイに表示させる機能を端末に実現させるためのコンピュータプログラムであって、
前記受け付け画面は、選択された通貨ペアの売買で共通のレートを表示するコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記画面に表示される共通のレートは、選択された通貨ペアの実際のAskとBidとの間の値に設定される請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
新規注文を行う通貨ペアを選択するための選択画面を前記ディスプレイに表示させる機能をさらに前記端末に実現させ、
前記選択画面で選択可能な通貨ペアの一方の通貨は固定され、前記選択画面には通貨ペアの他方のイメージが表示される請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記受け付け画面は、新規注文ごとに倍率を設定可能に構成される請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記受け付け画面は、投資する電子的価値の数量を入力するための領域と、利益確定の条件を電子的価値の数量で設定するための領域と、損切りの条件を電子的価値の数量で設定するための領域と、を有する請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
株式取引、外国為替証拠金取引、先物取引、債券取引等の投資には長い歴史がある。近年、実際にお金を投資することには抵抗を感じるが投資には興味がある層をターゲットにした、ポイントなどの電子的価値を投資するサービスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1は外国為替証拠金取引システムを開示する。特許文献1の
図3には、クライアント端末における外為取引の注文要求の作成段階での入力画面が示されている。この入力画面には売りのレートであるbidと買いのレートであるASKとが表示され、数量だけでなく注文に係る様々な設定を受け付けることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外国為替証拠金取引を熟知した玄人であれば、特許文献1の
図3に示されるような様々な情報が詰まった入力画面でも十分に理解して注文を行うことができるかもしれない。しかしながら、このような入力画面を外国為替証拠金の初心者がすぐに理解することは困難である。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、仮想的な外国為替証拠金取引において仕組みを単純化することで、初心者でも気軽に外国為替証拠金取引を始めることができるようにする技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、コンピュータプログラムに関する。このコンピュータプログラムは、仮想的な外国為替証拠金取引を実現するサーバからネットワークを介して受信した情報に基づいて、新規注文を受け付ける受け付け画面をディスプレイに表示させる機能を端末に実現させるためのコンピュータプログラムであって、受け付け画面は、選択された通貨ペアの売買で共通のレートを表示する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仮想的な外国為替証拠金取引において仕組みを単純化することで、初心者でも気軽に外国為替証拠金取引を始めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係るポイント投資システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1の投資サーバのハードウエア構成図である。
【
図3】
図1の投資サーバの機能および構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3のユーザ情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図5】ポイント投資サービスにおける投資ポイントと景品との関係の一例を示す模式図である。
【
図6】
図3の景品情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図7】
図1の投資サーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】携帯端末のディスプレイに表示されるログイン画面の代表画面図である。
【
図9】携帯端末のディスプレイに表示されるホーム画面の代表画面図である。
【
図10】携帯端末のディスプレイに表示される変換画面の代表画面図である。
【
図11】携帯端末のディスプレイに表示される投資対象選択画面の代表画面図である。
【
図12】携帯端末のディスプレイに表示される新規注文受け付け画面の代表画面図である。
【
図13】携帯端末のディスプレイに表示される保有状況表示画面の代表画面図である。
【
図14】携帯端末のディスプレイに表示される成り行き決済受け付け画面の代表画面図である。
【
図15】携帯端末のディスプレイに表示される景品交換画面の代表画面図である。
【
図16】携帯端末のディスプレイに表示される景品申込画面の代表画面図である。
【
図17】実施の形態における滑りの有無を整理した表を示す図である。
【
図18】変形例に係る投資ポイントと景品との関係の一例を示す模式図である。
【
図19】変形例に係る複数の投資ポイントを用いるスキームを説明する模式図である。
【
図20】携帯端末のディスプレイに表示される目標設定画面の代表画面図である。
【
図21】携帯端末のディスプレイに表示されるホーム画面の代表画面図である。
【
図22】利益確定条件設定ダイアログが表示された状態のホーム画面の代表画面図である。
【
図23】損切り条件設定ダイアログが表示された状態のホーム画面の代表画面図である。
【
図24】携帯端末のディスプレイに表示されるグラフィカル新規注文受け付け画面の代表画面図である。
【
図25】損切り条件変更オブジェクトを所定の距離だけ上にドラッグした後の状態のグラフィカル新規注文受け付け画面を示す代表画面図である。
【
図26】倍率を変更した後の状態のグラフィカル新規注文受け付け画面を示す代表画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
実施の形態に係るポイント投資システムでは、様々な場面で獲得される獲得ポイントを投資用の投資ポイントへ変換し、得られた投資ポイントをFX(Foreign Exchange、外国為替証拠金取引)などの投資で運用する。特に、投資ポイントを階段状に価値が変わる景品に交換できるようにする。例えば、投資ポイントの範囲である10000ポイント(以下、ptという)~11999ptはある同じ景品Aと交換可能である点で「同じ価値」を有し、12000pt~13999ptは別のより良い景品Bと交換可能である点でやはり「同じ価値」を有する。これにより、ユーザは利益確定のターゲットを、欲しい景品に対応する階段の一番下ぎりぎりのところに設定すればよい。また、ユーザは損切りのターゲットを、最低限確保したい景品に対応する階段の一番下ぎりぎりのところに設定すればよい。上記の景品A、Bの例では、ユーザが最低限景品Aは確保したいが運用により景品Bを狙いたい場合、ユーザは、利益確定のターゲットを12000ptに設定し、損切りのターゲットを10000ptに設定すればよいと容易に理解することができる。このように、本実施の形態に係るポイント投資システムによると、ユーザによる投資判断がより簡単になり、投資へのハードルを下げることができる。
【0013】
図1は、実施の形態に係るポイント投資システム2の構成を示す模式図である。ポイント投資システム2は、携帯端末4と、情報配信サーバ8と、投資サーバ10と、を備える。携帯端末4、情報配信サーバ8、投資サーバ10はそれぞれインターネットなどのネットワーク6に接続され、ネットワーク6を介して互いに通信可能に構成される。
図1に示される構成は例示であり、携帯端末4や各サーバ8、10の数に制限はない。各サーバ8、10は複数のサーバを含んでもよい。例えば、投資サーバ10と情報配信サーバ8を一のサーバとして構成することもできるし、投資サーバ10の後説するブロック構成要素毎をサーバとして構成することもできる。
【0014】
投資サーバ10は、仮想的なFXを実現するサーバである。投資サーバ10は、ポイント投資システム2により提供されるポイント投資サービスを利用するユーザの獲得ポイントおよび投資ポイントを管理する。獲得ポイントは、ユーザが当該ポイント投資サービスや他のロイヤリティプログラム、ポイントサービス、マイレージプログラムなどにおいて獲得したポイントである。獲得ポイントは、その発行体が定めるところにしたがい所定のレートで景品(例えば、商品やサービス)に交換可能である。投資ポイントは、ポイント投資サービスが提供する仮想的なFXに投資可能なポイントである。投資ポイントは、その発行体すなわちポイント投資サービスの提供者が定めるところにしたがい階段状に価値が変わる景品に交換可能である。
【0015】
本明細書では、仮想的な投資対象への投資を仮想的な投資または仮想投資と呼ぶ。仮想投資は、実際の金融商品の売買、取引または権利移転を発生させることなく、データの処理によって、ユーザにあたかも金融商品を取引しているかのように見せる形態の投資である。仮想投資は、実際の金融商品の売買等を伴わないので実装が比較的容易である。
【0016】
獲得ポイントと投資ポイントとは異なる。例えば、獲得ポイントを発行する主体と、投資ポイントを発行する主体と、は異ってもよい。上記の例では、投資ポイントを発行する主体はポイント投資サービスの提供者である一方、獲得ポイントは当該提供者以外の主体、例えばロイヤリティプログラムの提供者により発行されてもよい。また、獲得ポイントの景品への交換の態様と、投資ポイントの景品への交換の態様と、は異なる。例えば、獲得ポイントは実店舗での使用が可能である一方、投資ポイントは景品との交換のみに用いられてもよい。獲得ポイントと交換可能な景品の範囲は、投資ポイントと交換可能な景品の範囲より広くてもよいし、その逆も可能である。獲得ポイントの景品への交換レートは、投資ポイントの景品への交換レートよりもユーザに有利であってもよいし、その逆も可能である。獲得ポイントから投資ポイントへの交換レートと、投資ポイントから獲得ポイントへの交換レートと、は等価であってもよいし、異なっていてもよい。投資ポイントへの変換を促進する場合は、獲得ポイントから投資ポイントへの交換レートを、投資ポイントから獲得ポイントへの交換レートよりも有利に設定してもよい。あるいはまた、ポイントの有効期限を維持する場合は獲得ポイントと投資ポイントとを可換としつつ、有効期限を延長する場合は変換を不可逆としてもよい。あるいはまた、景品を絞り込む場合には獲得ポイントから投資ポイントへの変換を不可逆としてもよい。あるいはまた、単に獲得ポイントから投資ポイントへの変換を不可逆としてもよい。
【0017】
情報配信サーバ8は、投資サーバ10において仮想投資を処理するために必要な情報を投資サーバ10にネットワーク6を介して配信する。情報配信サーバ8により配信される情報は、仮想的な投資対象が株式であれば日経平均株価や特定の企業の株価を含み、仮想的な投資対象がFXであれば為替レート(Ask、Bid)を含む。情報配信サーバ8は取引所に備えつけのサーバであってもよい。以下、仮想的な投資対象がFXである場合を説明するが、他の投資対象であっても同様の説明が成り立つことは、本明細書に触れた当業者には明らかである。
【0018】
携帯端末4はポイント投資サービスを利用するユーザの携帯端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップPCなどであってもよい。ユーザは、ダウンロードサイトからネットワーク6を介してポイント投資用アプリケーションプログラム(以下、ポイント投資アプリと称す)を携帯端末4にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、ポイント投資アプリは携帯端末4にプリインストールされていてもよい。ポイント投資アプリはポイント投資サービスの提供者により提供される。ポイント投資アプリが携帯端末4により実行されることにより、携帯端末4は各種機能を実現する。
【0019】
図2は、
図1の投資サーバ10のハードウエア構成図である。投資サーバ10は、メモリ102と、プロセッサ104と、通信インタフェース106と、ディスプレイ108と、入力インタフェース110と、を備える。これらの要素はそれぞれバス112に接続され、バス112を介して互いに通信する。
【0020】
メモリ102は、データやプログラムを記憶するための記憶領域である。データやプログラムは、メモリ102に恒久的に記憶されてもよいし、一時的に記憶されてもよい。プロセッサ104は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することにより、投資サーバ10の各種機能を実現する。通信インタフェース106は、投資サーバ10の外部との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース106はネットワーク6と接続され、ネットワーク6を介して携帯端末4や情報配信サーバ8とデータをやりとりする。ディスプレイ108は、各種情報を表示するためのデバイスである。入力インタフェース110は、ポイント投資システム2の管理者からの入力を受け付けるためのデバイスである。
【0021】
図3は、
図1の投資サーバ10の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0022】
投資サーバ10は、変換要求受付部122と、ポイント変換部124と、投資指示受付部126と、仮想投資処理部128と、景品交換処理部132と、ユーザ情報保持部134と、景品情報保持部136と、を備える。
【0023】
図4は、
図3のユーザ情報保持部134の一例を示すデータ構造図である。ユーザ情報保持部134は、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザの資格情報としてのパスワードと、ユーザの獲得ポイントに関する情報と、ユーザの投資ポイントに関する情報と、を対応付けて保持する。獲得ポイントに関する情報は、ユーザが有する獲得ポイントの数を含む。投資ポイントに関する情報は、ユーザが有する未投資分の投資ポイントの数と、既投資分の投資ポイントの数および当該投資の内容と、を含む。投資の内容は、FXにおける投資対象の通貨と、実際の約定レート(後述のMid)と、ポジション(売り/買いの別)と、保有する通貨量と、倍率と、利益確定に係る指定された利益量と、損切りに係る指定された損失量と、指値の為替レート(以下、単に指値という)と、逆指値の為替レート(以下、単に逆指値という)と、を含む。
【0024】
図4の例では、ユーザ「A0001」は現時点で獲得ポイントを「25000pt」有しており、FX投資に利用可能な(未投資の)投資ポイントを「1500pt」有しており、さらに「USD」「100」通貨分の「買い」ポジションを有しており、当該買いポジションを建てたときの約定レートは「100.00pt/USD」であり、したがって当該買いポジションを建てたときに投資した投信ポイントは「10000pt」であったことが示されている。さらに、当該買いポジションを建てたときに指定された倍率は「1倍」であり、「500pt」儲かったら利益確定し、「300pt」損をしたら損切りするという指定があったことが示される。後述する指値、逆指値の自動設定機能により、「500pt」の利益に対して指値が「105.00pt/USD」に設定され、「300pt」の損に対して逆指値が「97.00pt/USD」に設定されている。
【0025】
図5は、ポイント投資サービスにおける投資ポイントと景品との関係の一例を示す模式図である。ポイント投資サービスでは、投資ポイントは所定の属性または種類の景品と交換可能とされる。
図5の例では、投資ポイントはレジャー・旅行に属する景品に交換可能とされる。この例では、投資ポイントはレジャー・旅行に属する景品に交換する以外に用途がないので、投資ポイントはレジャー・旅行という景品の種類に対応するものである。他の例では、投資ポイントは家電、食料品などの他の種類の景品に対応してもよい。
【0026】
景品は投資ポイントの範囲に対応付けられており、当該範囲の投資ポイントと交換可能とされる。
図5の例では、景品「遊園地ペア入園券」は投資ポイントの範囲「10000pt~11999pt」に対応付けられており、景品「一泊二日かに三昧」は投資ポイントの範囲「12000pt~13999pt」に対応付けられており、景品「パリ一週間の旅」は投資ポイントの範囲「14000pt~15999pt」に対応付けられている。
【0027】
図6は、
図3の景品情報保持部136の一例を示すデータ構造図である。景品情報保持部136は、景品を特定する景品IDと、景品の名前と、景品と交換可能な投資ポイントの範囲と、を対応付けて保持する。
【0028】
図3に戻り、変換要求受付部122は、ネットワーク6を介してユーザの携帯端末4から、獲得ポイントから投資ポイントへの変換の要求を受け付ける。携帯端末4は後述の変換画面502において、獲得ポイントを投資ポイントに変換するための指示をユーザから受け付け、当該変換の要求を投資サーバ10にネットワーク6を介して送信する。変換の要求は、変換元の獲得ポイント数を含む。
【0029】
ポイント投資システム2により実現されるポイント投資サービスにおいては、獲得ポイントから投資ポイントへの変換は自由であり、その逆、つまり投資ポイントから獲得ポイントへの変換も自由である。他の実施の形態では、投資ポイントから獲得ポイントへの変換は想定されておらず、実装もされていなくてもよい。
【0030】
ポイント変換部124は、変換要求受付部122が変換の要求を受け付けると、受け付けた要求に応じて獲得ポイントから投資ポイントへの変換を実行する。ポイント変換部124における獲得ポイントから投資ポイントへの変換のレートは、ポイント投資サービスの提供者によって適宜設定されてもよい。例えば変換のレートが2に設定されている場合、変換元の獲得ポイント数が「50ポイント」であれば変換先の投資ポイント数は「100ポイント」となる。ポイント変換部124は変換の結果でユーザ情報保持部134を更新する。併せてポイント変換部124は、ユーザを特定するユーザIDと、変換元の獲得ポイント数と、をネットワーク6を介して獲得ポイントの発行体のサーバ(不図示)に通知してもよい。獲得ポイントの発行体は、通知された獲得ポイント数をユーザの獲得ポイント残高から減じてもよい。獲得ポイントの発行体は、このように消し込まれた獲得ポイントに応じた対価をポイント投資サービスの提供者に提供してもよい。当該提供者は、この対価を原資として、投資ポイントと交換可能な景品(特典ともいう)を用意してもよい。
【0031】
投資指示受付部126は、情報配信サーバ8からネットワーク6を介して、日本円(JPY)と他の通貨との通貨ペアの実際のAskおよびBidを取得する。本実施の形態では取引可能な通貨ペアの一方はJPYに固定される。投資指示受付部126は、通貨ペアごとに、取得された実際のAskとBidとの間のレートであるMidを算出する。例えばMidはAskとBidとの平均レートであってもよいし、所定の重み付け平均により得られるレートであってもよい。投資指示受付部126は、情報配信サーバ8から計算済のMidを受け取ってもよい。
【0032】
本実施の形態では、FXにおけるAsk、Bidという考え方を廃し、代わりにその中間のレートであるMidを採用する。通貨ペアの売買には、売買で共通のレートであるMidが用いられる。本実施の形態ではJPY1単位(1円)=1投資ポイントに設定している。例えば、USD/JPYのMidが103.57円/ドルであれば、それは103.57ptで1ドル買えること、および1ドルを売れば103.57pt入手できること、を示す。JPYと投資ポイントとの関係について、他の設定も可能である。
【0033】
投資指示受付部126は、ネットワーク6を介してユーザの携帯端末4から、変換の結果得られた投資ポイントを投資するための投資指示を受け付ける。この投資指示は、新規にポジションを建てるための新規注文に係る指示である。投資指示受付部126は、ネットワーク6を介してユーザの携帯端末4のディスプレイに、ユーザに選択された通貨ペアのMidを含む新規注文受け付け画面504(後述)を表示させる。携帯端末4は新規注文受け付け画面504において、ユーザが有する未投資分の投資ポイントを用いてFXの新規注文を行うための新規注文指示をユーザから受け付け、当該新規注文指示を投資サーバ10にネットワーク6を介して送信する。
【0034】
新規注文指示は以下の情報を含む。
●取引する通貨(USD、EUR、GBP等)
●建てるポジション(売り/買いの別)
●取引する投資ポイントの数
●投資倍率(×1、×3、×10等)
●利益確定条件、すなわち、それだけ増えたら利益確定するという投資ポイントの増加数
●損切り条件、すなわち、それだけ減ったら損切りするという投資ポイントの減少数。
【0035】
仮想投資処理部128は、投資指示受付部126が受け付けた新規注文指示に応じて、新規注文受け付け画面504に表示されるMidとは異なりうるそのときの実際のMidで、当該新規注文を約定させる。取引する投資ポイントの数をA、実際のMidをR、とすると、仮想投資処理部128はA/Rを約定した取引通貨量Tとする(T=A/R)。新規注文受け付け画面504に表示されていたMidをSとすると、タイムラグによりR≠Sとなる場合がある。この場合、ユーザはT’=A/Sとなることを期待して新規注文を出したが、実際にはT=A/Rで約定することとなり、ユーザの想定とは異なる取引結果となる。これを為替レートが「滑る(Slippage)」という。本実施の形態では、新規注文時の為替レートの滑りは許容するが、後述の決済時は為替レートは滑らないものとして扱う。本実施の形態の取引はFXの仮想取引であるから、実際の取引とは異なり、システムの側で為替レートが滑る、滑らないを任意に設定可能である。
【0036】
仮想投資処理部128は、約定した取引通貨量Tと、利益確定条件と、約定時の実際のMid(Rとする)と、投資倍率と、に基づいて、当該新規注文に係る指値を設定する。利益確定条件に含まれる投資ポイントの増加数をΔI、設定対象の指値をQ、投資倍率をN、とすると、仮想投資処理部128は、買いポジションについて、
Q=R+ΔI/(T×N)
により指値Qを設定する。上記式は
ΔI=(Q-R)×T×N
から導出される。仮想投資処理部128は、売りポジションについて、
Q=R-ΔI/(T×N)
により指値Qを設定する。上記式は
ΔI=(R-Q)×T×N
から導出される。
【0037】
仮想投資処理部128は、約定した取引通貨量Tと、損切り条件と、約定時の実際のMid(Rとする)と、投資倍率Nと、に基づいて、当該新規注文に係る逆指値を設定する。損切り条件に含まれる投資ポイントの減少数をΔJ、設定対象の逆指値をP、投資倍率をN、とすると、仮想投資処理部128は、買いポジションについて、
P=R-ΔJ/(T×N)
により逆指値Pを設定する。上記式は
ΔJ=(R-P)×T×N
から導出される。仮想投資処理部128は、売りポジションについて、
P=R+ΔJ/(T×N)
により逆指値Pを設定する。上記式は
ΔJ=(P-R)×T×N
から導出される。
【0038】
上記の指値、逆指値の自動設定機能について例を用いて説明する。新規注文受け付け画面504に表示されるMidが100.00pt/USDのときに、ユーザが100000ptを指定して買いポジションを建てる注文を入れたとする。ユーザは1000USDの買いポジションが建つことを期待するが、Midが101.01pt/USDに滑ったことにより実際は100000/101.01≒990USDの買いポジションが建つ。ここで、ユーザが利益確定する投資ポイントの増加数として5000pt、投資倍率として×1を指定していると、指値は、
101.01(pt/USD)+5000(pt)/(990(USD)×1)
≒106.06(pt/USD)
と算出され、自動的に設定される。ユーザが損切りする投資ポイントの減少数として3000pt、投資倍率として×1を指定していると、逆指値は、
101.01(pt/USD)-3000(pt)/(990(USD)×1)
≒97.98(pt/USD)
と算出され、自動的に設定される。
【0039】
為替レートが滑らなかった場合、ユーザの期待どおりに1000USDの買いポジションが建つので、5000ptの利益確定ラインに対して指値は105.00pt/USDとなり、3000ptの損切りラインに対して逆指値は97.00pt/USDとなる。したがって、上記の自動設定された指値、逆指値は、ユーザが表示されるMidから想定する指値、逆指値とは異なるものとなる。しかしながら、上記の自動設定された指値で利益確定した場合、106.06(pt/USD)×990(USD)≒105000(pt)となり、ユーザが指定した通りの投資ポイントの増加量(=5000pt)が実現される。同様に上記の自動設定された逆指値で損切りした場合、97.98(pt/USD)×990(USD)≒97000(pt)となり、ユーザが指定した通りの投資ポイントの減少量(=3000pt)が実現される。
【0040】
本実施の形態では、新規注文において、取引する投資ポイントの数を固定し、為替レートの滑りを約定した取引通貨量の変動で吸収するようにしている。これに対して、取引通貨量を固定し、為替レートの滑りを投資ポイントの数の変動で吸収する態様も考えられる。この場合、上記の例と同じ前提を用いると、101010ptを用いて1000USDの買いポジションが建つこととなる。5000ptの利益確定ラインに対して指値は101.01+5000/1000=106.01pt/USDとなり、3000ptの損切りラインに対して逆指値は101.01-3000/1000=98.01pt/USDとなる。この指値で利益確定した場合、106.01(pt/USD)×1000(USD)≒106010(pt)となり、ユーザが指定した増加量からのずれ(106010-105000=1010)が発生する。同様に上記の逆指値で損切りした場合、98.01(pt/USD)×1000(USD)=98010(pt)となり、ユーザが指定した減少量からのずれ(98010-97000=1010)が発生する。
【0041】
このように、為替レートの滑りを投資ポイントの数の変動で吸収する場合は、利益確定や損切りが発生したときの投資ポイントの増減がユーザの想定とは異なるものとなる。本実施の形態では景品の価値が階段状に変化するので、このような想定外の結果はユーザにとって好ましくない。ユーザは、多くの場合、利益確定ラインや損切りラインをぎりぎりのところに設定するからである。これに対して、取引する投資ポイントの数を固定し、為替レートの滑りは約定の結果得られる取引通貨量に反映させ、その上で指値や逆指値を自動設定する場合は、利益確定や損切りが発生したときにユーザが想定していたとおりの投資ポイントの増減が発生する。したがって、景品の価値が階段状に変化するポイント投資システム2により適した指値・逆指値自動設定が実現される。
【0042】
仮想投資処理部128は、Midを監視し、利益確定条件が設定されているポジションの利益確定執行条件が充たされると、設定されている指値で当該ポジションを決済する(手仕舞いする)。利益確定執行条件は、例えば買いポジションであればMidが指値を上回ると充たされ、この場合、指値を上回った実際のMidではなく指値自体で決済される。利益確定執行条件は、例えば売りポジションであればMidが指値を下回ると充たされ、この場合も指値を下回った実際のMidではなく指値自体で決済される。
【0043】
仮想投資処理部128は、Midを監視し、損切り条件が設定されているポジションの損切執行条件が充たされると、設定されている逆指値で当該ポジションを決済する。損切執行条件は、例えば買いポジションであればMidが逆指値を下回ると充たされ、この場合、逆指値を下回った実際のMidではなく逆指値自体で決済される。損切執行条件は、例えば売りポジションであればMidが逆指値を上回ると充たされ、この場合も逆指値を上回った実際のMidではなく逆指値自体で決済される。
【0044】
仮想投資処理部128は、ネットワーク6を介してユーザの携帯端末4のディスプレイに、Midを含む成り行き決済受け付け画面(後述)を表示させる。携帯端末4は成り行き決済受け付け画面において成り行き決済を行うための成り行き決済指示をユーザから受け付け、当該成り行き決済指示を投資サーバ10にネットワーク6を介して送信する。仮想投資処理部128は、成り行き決済指示を受け付けた場合、成り行き決済受け付け画面に表示されたMidで対象ポジションを決済する。
【0045】
景品交換処理部132は、ネットワーク6を介してユーザの携帯端末4から、FX投資の結果増減した投資ポイントを景品に交換するための交換指示を受け付ける。景品交換処理部132は、受け付けた交換指示に基づいて、景品情報保持部136を参照し、景品交換処理を実行する。景品交換処理部132は、ネットワーク6を介してユーザの携帯端末4のディスプレイに、現在のユーザの投資ポイントで交換可能な景品のリストを含む景品交換画面(後述)を表示させる。携帯端末4は景品交換画面を介して交換先の景品の指定を含む交換指示をユーザから受け付け、受け付けた交換指示を投資サーバ10にネットワーク6を介して送信する。景品交換処理部132は、景品情報保持部136を参照して指定景品に対応する投資ポイントの下限値を読み出す。景品交換処理部132はユーザ情報保持部134にアクセスし、ユーザの未投資分の投資ポイントから、読み出された投資ポイントの下限値を減じる。景品交換処理部132は併せて指定景品をユーザの所有とするための処理を行う。
【0046】
以上の構成による投資サーバ10の動作を説明する。
図7は、
図1の投資サーバ10における一連の処理の流れを示すフローチャートである。投資サーバ10は、獲得ポイントから投資ポイントへの変換の要求を受け付ける(S702)。投資サーバ10は、受け付けた要求に基づいて、獲得ポイントから投資ポイントへの変換処理を実行する(S704)。投資サーバ10は変換の結果をユーザ情報保持部134に登録する。
【0047】
投資サーバ10は、投資ポイントを投資するための投資指示を受け付ける(S706)。投資サーバ10は、投資指示の種類を判別する(S708)。投資指示が成り行き決済指示の場合(S708の「成り行き決済」)、投資サーバ10は成り行き決済受け付け画面に表示されたMidである画面表示レートで、成り行き決済を行う(S716)。
【0048】
投資指示が新規注文指示の場合(S708の「新規注文」)、投資サーバ10は、そのときの実際のMidで新規注文を約定する(S710)。投資サーバ10は、約定した通貨の量と、利益確定条件に係る投資ポイントの増加量と、約定時の実際のMidと、倍率と、に基づいて指値を設定する(S712)。投資サーバ10は、約定した通貨の量と、損切り条件に係る投資ポイントの減少量と、約定時の実際のMidと、倍率と、に基づいて逆指値を設定する(S714)。投資サーバ10は、約定した通貨の量と、設定された指値と、設定された逆指値と、をユーザ情報保持部134に登録する。
【0049】
投資サーバ10は、Midを監視し、Midが設定された指値に達したか、または設定された逆指値に達したか、を判定する(S718)。指値に達した場合(S718の「指値に達した」)、投資サーバ10は、対象ポジションを指値で決済する(S720)。逆指値に達した場合(S718の「逆指値に達した」)、投資サーバ10は、対象ポジションを逆指値で決済する(S722)。
【0050】
投資サーバ10は、投資ポイントを景品に交換するための交換指示を受け付ける(S724)。投資サーバ10は、景品交換処理を実行する(S726)。
【0051】
図8は、携帯端末4のディスプレイ40に表示されるログイン画面506の代表画面図である。ユーザはログイン画面506でユーザIDとパスワードとを入力し、OKボタンをタップする。携帯端末4は、タップの検出に応じて、入力されたユーザIDおよびパスワードを取得し、ネットワーク6を介して投資サーバ10に送信する。投資サーバ10は、ユーザ情報保持部134に登録されているユーザIDおよびパスワードと、受信したユーザIDおよびパスワードと、を照合し、ユーザ認証を行う。投資サーバ10は、ユーザ認証の成否を示す情報をネットワーク6を介して携帯端末4に送信する。携帯端末4は、ユーザ認証に成功した場合はホーム画面500をディスプレイ40に表示させ、失敗した場合は所定のエラー画面(不図示)をディスプレイ40に表示させる。
【0052】
図9は、携帯端末4のディスプレイ40に表示されるホーム画面500の代表画面図である。ホーム画面500には、ユーザ認証(またはログイン)に成功したユーザのユーザID508と、現在の日時510と、ユーザが保有するポイントの概略と、が表示される。特に、ホーム画面500には、ユーザが有する獲得ポイント数512と、ユーザが有する投資ポイント数516と、が表示される。ホーム画面500には、景品と交換ボタン524、投資ポイントに変換ボタン526、新規注文ボタン528、保有状況の確認・決済ボタン530が設けられ、それぞれ対応する機能への動線として機能する。
【0053】
携帯端末4は、投資ポイントに変換ボタン526に対するタップを検出すると、変換画面502をディスプレイ40に表示させる。
図10は、携帯端末4のディスプレイ40に表示される変換画面502の代表画面図である。変換画面502は、獲得ポイント数534獲得ポイント数534と、変換元の獲得ポイント数入力/表示領域536と、変換先の投資ポイント数入力/表示領域538と、注意書き表示領域542と、を有する。ユーザが変換元の獲得ポイント数入力/表示領域536に所望の獲得ポイント数を入力すると、入力された獲得ポイント数に対応する変換先の投資ポイント数が算出され、変換先の投資ポイント数入力/表示領域538に表示される。逆もしかりであり、ユーザが変換先の投資ポイント数入力/表示領域538に所望の投資ポイント数を入力すると、入力された投資ポイント数に対応する変換元の獲得ポイント数が算出され、変換元の獲得ポイント数入力/表示領域536に表示される。注意書き表示領域542は、いったん獲得ポイントを投資ポイントに変換してしまうと獲得ポイントに戻すことはできない旨を示すテキストを含む。
【0054】
携帯端末4は、変換画面502のOKボタンに対するタップを検出すると、変換元の獲得ポイント数入力/表示領域536に入力/表示された獲得ポイント数を含む変換要求を生成し、ネットワーク6を介して投資サーバ10に送信する。投資サーバ10は上述の通りに変換要求を処理する。
【0055】
携帯端末4は、ホーム画面500の新規注文ボタン528に対するタップを検出すると、新規注文を行う通貨ペアを選択するための投資対象選択画面544をディスプレイ40に表示させる。
図11は、携帯端末4のディスプレイ40に表示される投資対象選択画面544の代表画面図である。投資対象選択画面544は、ユーザが有する未投資分の投資ポイント数546と、複数の投資対象オブジェクト548、549、550と、を有する。本実施の形態では上述のとおり選択可能な通貨ペアの一方はJPYに固定されており、投資対象選択画面544には通貨ペアの他方のイメージが表示される。投資対象オブジェクトはそれぞれ、JPYと通貨ペアを構成する通貨のイメージおよび名称と、当該通貨のMidと、時刻と、その日の最高値および最安値と、を表示する。例えば、第1投資対象オブジェクト548は米ドル(USD)に対応し(通貨ペアとしてはUSD/JPY)、第2投資対象オブジェクト549はユーロ(EUR)に対応し(通貨ペアとしてはEUR/JPY)、第3投資対象オブジェクト550は英ポンド(GBP)に対応する(通貨ペアとしてはGBP/JPY)。
【0056】
携帯端末4は、投資対象選択画面544に含まれるいずれかの投資対象オブジェクトに対するタップを検出すると、新規注文受け付け画面504をディスプレイ40に表示させる。
図12は、携帯端末4のディスプレイ40に表示される新規注文受け付け画面504の代表画面図である。注文受け付け画面504は、投資対象選択画面544でタップを検出した投資対象オブジェクト、すなわちユーザに選択された投資対象オブジェクトに対応する通貨のイメージおよび名前552と、その通貨のMid・時刻・その日の最高値および最安値などのステータスを表示するステータス表示領域554と、ユーザが有する未投資分の投資ポイント数556と、新規注文の詳細を入力/表示するための新規注文入力/表示領域558と、利益確定および損切りの条件を入力/表示するためのゴール入力/表示領域560と、総ポイント予定数表示領域562と、注文ボタン564と、を有する。ゴール条件の入力は任意とされてもよく、その場合、ゴール入力/表示領域560はデフォルトで非表示とされてもよい。
【0057】
新規注文受け付け画面504は、新規注文ごとに投資倍率を設定可能に構成される。新規注文入力/表示領域558は、注文の種別の指定を受け付ける注文種別指定領域566と、取引する投資ポイントの数の入力を受け付けるポイント数入力領域568と、投資倍率の入力を受け付ける投資倍率入力領域570と、を有する。ユーザは、注文種別指定領域566において、建てたいポジションを「売」、「買」のなかから選択し、ポイント数入力領域568に投資する投資ポイントの数を入力する。この入力は直接数字を入力することによってなされてもよいし、ポイント数入力領域568の左右の「+」ボタン、「-」ボタンによりなされてもよい。同様に、ユーザは、投資倍率入力領域570に投資倍率を入力する。
【0058】
新規注文受け付け画面504は、利益確定の条件を投資ポイントの数で設定するための領域と、損切りの条件を投資ポイントの数で設定するための領域と、を有する。ゴール入力/表示領域560は、利益確定条件に係る投資ポイントの増加数の入力を受け付ける増加数入力領域572と、損切り条件に係る投資ポイントの減少数の入力を受け付ける減少数入力領域574と、仮の指値576と、仮の逆指値578と、を有する。ユーザは、利益確定してもよいと考える投資ポイントの増加数を増加数入力領域572に入力し、損切りしてもよいと考える投資ポイントの減少数を減少数入力領域574に入力する。増加数入力領域572に数値が入力されると、ステータス表示領域554に表示されているMidを基に対応する指値が計算され、仮の指値576に表示される。減少数入力領域574に数値が入力されると、ステータス表示領域554に表示されているMidを基に対応する逆指値が計算され、仮の逆指値578に表示される。総ポイント予定数表示領域562には、利益確定条件が達成された場合の投資ポイント数が表示される。
【0059】
携帯端末4は、注文ボタン564に対するタップを検出すると、選択されている通貨と、注文種別指定領域566で指定されたポジションと、ポイント数入力領域568に入力された投資ポイントの数と、投資倍率入力領域570に入力された投資倍率と、増加数入力領域572に入力された増加数と、減少数入力領域574に入力された減少数と、を含む新規注文指示を生成し、投資サーバ10にネットワーク6を介して送信する。投資サーバ10は、受信した新規注文指示に基づき上述の新規注文処理を実行する。
【0060】
携帯端末4は、ホーム画面500の保有状況の確認・決済ボタン530に対するタップを検出すると、保有状況表示画面580をディスプレイ40に表示させる。
図13は、携帯端末4のディスプレイ40に表示される保有状況表示画面580の代表画面図である。保有状況表示画面580は、投資中のポジションに対応する投資中オブジェクト588を有する。投資中オブジェクト588は、投資中の通貨の名前と、保有通貨量と、ポジションの別と、現在のMidと、成り行き決済ボタン590と、を表示する。
【0061】
携帯端末4は、保有状況表示画面580に含まれるいずれかの投資中オブジェクト588の成り行き決済ボタン590に対するタップを検出すると、成り行き決済受け付け画面592をディスプレイ40に表示させる。
図14は、携帯端末4のディスプレイ40に表示される成り行き決済受け付け画面592の代表画面図である。成り行き決済受け付け画面592は、保有状況表示画面580でタップを検出した投資中オブジェクト、すなわちユーザに選択された投資中オブジェクトに対応するポジションの通貨の名称594と、その通貨の現在のMid596と、ポジションの詳細を表示するポジション詳細表示領域597と、ポジションの評価損益595と、成り行き決済ボタン593と、を表示する。携帯端末4は、成り行き決済ボタン593に対するタップを検出すると、成り行き決済受け付け画面592に表示されているポジションを特定する情報を含む成り行き決済指示を生成し、ネットワーク6を介して投資サーバ10に送信する。投資サーバ10は、成り行き決済指示を受け付けると、成り行き決済受け付け画面592に表示される現在のMid596で対象ポジションを決済する。
【0062】
携帯端末4は、ホーム画面500の景品と交換ボタン524に対するタップを検出すると、景品交換画面602をディスプレイ40に表示させる。
図15は、携帯端末4のディスプレイ40に表示される景品交換画面602の代表画面図である。景品交換画面602は、景品への交換に利用可能な(例えば、未投資分の)ユーザの投資ポイント数604と、ポイント投資サービスで提供される景品に対応する景品オブジェクト606、608、610と、を表示する。各景品オブジェクトは、景品の名称と、景品に交換可能な投資ポイントの範囲と、を表示する。
図15の例では、ユーザが有する交換可能な投資ポイントは11500ptであり、これは、表示されている3つの景品オブジェクト606、608、610のうち第1景品オブジェクト606の範囲10000pt~11999ptには入るが、第2景品オブジェクト608(12000pt~13999pt)、第3景品オブジェクト610(14000pt~15999pt)の範囲には入らない。したがって、第1景品オブジェクト606は選択可能なように表示され、第2景品オブジェクト608、第3景品オブジェクト610はいずれもグレーアウトされたり薄くされたりするなど、選択不可であるように表示される。実際、
図15の状態では第2景品オブジェクト608、第3景品オブジェクト610へのタップは受け付けられない。なお、仮にユーザの投資ポイント数が12500ptであったならば、景品交換画面602において第2景品オブジェクト608が選択可能なように表示され、第1景品オブジェクト606、第3景品オブジェクト610はいずれも選択不可であるように表示される。
【0063】
携帯端末4は、景品交換画面602に含まれる選択可能ないずれかの景品オブジェクトに対するタップを検出すると、景品申込画面612をディスプレイ40に表示させる。
図16は、携帯端末4のディスプレイ40に表示される景品申込画面612の代表画面図である。景品申込画面612は、景品交換画面602でタップを検出した景品オブジェクト、すなわちユーザに選択された景品の景品オブジェクトの名称614と、仮に当該景品との交換を実施した場合の投資ポイントの変化を示す明細表示領域616と、はい/いいえボタン618と、を表示する。携帯端末4は、はい/いいえボタン618のはいボタンに対するタップを検出すると、景品申込画面612に表示されている景品を交換先の景品として指定する交換指示を生成し、ネットワーク6を介して投資サーバ10に送信する。
【0064】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0065】
本実施の形態に係るポイント投資システム2によると、新規注文受け付け画面504はユーザに選択された通貨ペアの売買で共通のレートであるMidを表示し、投資ポイントによる通貨の売買も共通のMidにより行われる。従来のFXではAskとBidとが用いられ、初心者には分かりづらいものとなっていたが、本実施の形態ではレートは1種類しか存在しないので、初心者にも分かりやすい(仮想)FXが実現される。なお、勝ち負けの計算が難しくなる取引手数料は設けなくてもよい。
【0066】
また、本実施の形態に係るポイント投資システム2では、通貨ペアの一方はJPYに固定され、投資対象選択画面544にはJPYと通貨ペアを構成する他方の通貨のイメージを表示して、ユーザに選択させる。従来のFXではなじみのない通貨同士のペアも選択可能となっており、これは初心者には分かりづらく混乱を来す要因となっていたが、本実施の形態では通貨ペアの一方をなじみのあるJPYに固定することで、初心者にも分かりやすい(仮想)FXが実現される。なお、我が国ではなじみのある通貨はJPYであるが、本実施の形態を他国で実施するのであればJPYの代わりにその国の通貨を固定通貨として採用してもよい。例えば、米国であれば通貨ペアの一方をUSDに固定してもよい。
【0067】
また、本実施の形態に係るポイント投資システム2では、レバレッジを設定する代わりに、単なる投資倍率という考え方を導入し、新規注文受け付け画面504において新規注文ごとに投資倍率を設定できるようにしている。これにより、証拠金などの複雑な計算が不要となり、また、証拠金維持率や追証も廃することができる。その結果、初心者にも分かりやすい(仮想)FXが実現される。なお、投資ポイントが0になったら強制的に損切りするように設定することで、投資ポイントがマイナスにならないようにしてもよい。
【0068】
図17は、本実施の形態における滑りの有無を整理した表を示す図である。
【0069】
本実施の形態に係るポイント投資システム2では、決済のタイミングでユーザが想定通りの景品に交換できることを担保するために、利益確定、損切り、成り行き決済の全てで為替レートの滑りがないことを仕組みで保証する。この仕組みがないと、為替レートの滑りによって、想定よりも例えば1ポイント足りずに目標の景品に交換できないという事態が発生しうる。本実施の形態では、全ての決済種別において滑りがないことでユーザに不利益が働かないだけでなく、決済レートがユーザの想定通りの値になるため、わかりやすいUXを実現することができる。
【0070】
一方で、本実施の形態では、新規注文時の為替レートの滑りを許容する。新規注文時の為替レートの滑りを有りにしないと、アービトラージのような不正注文を誘発する可能性があるからである。ただし、上述のとおり、本実施の形態では、決済時に為替レートが滑ったときに、ユーザが注文時に設定した利益確定と損切りのポイントが変わらないように、指値と逆指値のレートは自動で補正する。これにより、新規注文時の為替レートの滑りによるユーザへの影響を抑制することができる。
【0071】
アービトラージとは、レート更新の早い業者Aと遅い業者Bの両方のレートを見ながら、業者Aのレートが上がって、業者Bのレートが動いていないときに業者Bで買いの注文をしたり、業者Aのレートが下がって、業者Bのレートが動いていないときに業者Bで売りの注文をしたりするような不正取引のことである。
【0072】
また、本実施の形態に係るポイント投資システム2では、景品と投資ポイントの範囲とが対応付けられるので、ユーザは明確な投資ポイントの目標値、例えば欲しい景品の範囲の下限、を念頭に置いて利益確定するポイント数や損切りするポイント数を設定する。例えば、今4500ptあって、5000ptから欲しい景品に交換できるのであれば、利益確定ラインとして500ptを明確に想起する。本実施の形態に係るポイント投資システム2は、利益確定条件や損切り条件をポイント数で指定できるようにしたので、為替レートで指定する場合と比較して投資ポイントの目標増減値から為替レートに逆算する手間を省くことができる。さらに、新規注文時に為替レートが滑った場合でも、指定された利益確定条件や損切り条件を実現するように指値や逆指値が自動的に設定されるので、ユーザの計算負担をさらに削減することができる。
【0073】
以上、実施の形態に係るポイント投資システム2の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解される。
【0074】
実施の形態では、ポイントを獲得して投資する場合について説明したが、電子的価値であればポイントに限らず、例えばクーポンやマイルやコインやチップなどにも本実施の形態の技術的思想を適用することができる。電子的価値は、金額等の財産的価値が電子的に記載または記録されるもののうち、資金決済に関する法律で定められる前払式支払手段に該当しないものとして定義されてもよい。
【0075】
実施の形態では、投資サーバ10は仮想投資を実行する場合を説明したが、これに限られず、実際の株式売買や外国為替売買などの実際の投資を実行するための処理を行ってもよい。
【0076】
実施の形態では、景品の価値が階段状に設定される場合を説明したが、これに限られず、景品と投資ポイントの範囲とが対応していれば他の態様であってもよく、例えば、景品Aの投資ポイントの範囲と景品Bの投資ポイントの範囲とが少なくとも部分的に重なっていてもよい。
図18は、変形例に係る投資ポイントと景品との関係の一例を示す模式図である。
図18の例では、投資ポイントは家電に属する景品に交換可能とされる。この例では、投資ポイントは家電に属する景品に交換する以外に用途がないので、投資ポイントは家電という景品の種類に対応するものである。景品は投資ポイントの範囲に対応付けられており、当該範囲の投資ポイントと交換可能とされる。
図18の例では、景品「電動ひげそり」は投資ポイントの範囲「10000pt~11999pt」に対応付けられており、景品「液晶テレビ」は投資ポイントの範囲「11000pt~13500pt」に対応付けられている。すなわち、景品「電動ひげそり」の投資ポイントの範囲と景品「液晶テレビ」の投資ポイントの範囲とは「11000pt~11999pt」の範囲で重なっている。景品「携帯電話」は投資ポイントの範囲「10800pt~14100pt」に対応付けられている。すなわち、景品「携帯電話」の投資ポイントの範囲は、景品「液晶テレビ」の投資ポイントの範囲を包含している。
【0077】
実施の形態では、景品に交換した後の投資ポイントの残り(端数)をユーザに返却する場合について説明したが、これに限られず、例えば、景品交換処理において、投資ポイントを景品に交換した後の投資ポイントの端数はユーザに返却されなくてもよい。この場合、例えば11500ptを、「10000pt~11999pt」の範囲に対応する景品に交換しても11500pt-10000pt=1500ptは返却されない。このシステムでは、10000ptも11000ptも11500ptも11999ptも同じ景品に交換して消えてしまうという意味で、全く同じ価値を有することとなる。あるいはまた、景品交換処理において、投資ポイントの最小単位(例えば、1pt)より小さい端数(例えば、0.5ptや0.1pt)が生じた場合にはそれを切り捨ててもよい。
【0078】
実施の形態では、投資ポイントをある種類の景品に交換できるようにする場合を説明したが、これに限られず、用途別または景品の種類別に複数の投資ポイントを設けてもよい。
図19は、変形例に係る複数の投資ポイントを用いるスキームを説明する模式図である。この変形例では、獲得ポイントを、レジャー用投資ポイント、家電用投資ポイント、食料品用投資ポイントの三つの投資ポイントに不可逆的に変換できる。変形例に係るポイント投資システムは、レジャー用投資ポイント、家電用投資ポイント、食料品用投資ポイントのそれぞれを独立に運用するよう構成される。レジャー用投資ポイントはレジャー関係の景品と交換可能であり、家電用投資ポイントは家電関係の景品と交換可能であり、食料品用投資ポイントは食料品関係の景品と交換可能であるが、各投資ポイントは異なるカテゴリの景品とは交換できない。レジャー用投資ポイント、家電用投資ポイント、食料品用投資ポイントそれぞれの運用および景品への交換は、実施の形態と同様の仕組みにより実現される。
【0079】
図19の変形例では、獲得ポイントを各種投資ポイントに変換し、各種投資ポイントをそれぞれ投資で増やして、増やした各種投資ポイントを対応する種類の景品に交換する。獲得ポイント、投資ポイント、景品の間の関係はこれに限られず、例えば、獲得ポイントを投資ポイントに変換し、投資ポイントを投資で増やし、増やした後は、投資ポイントを獲得ポイントに逆変換して、獲得ポイントから景品に交換してもよい。あるいはまた、獲得ポイントを投資ポイントに変換し、投資ポイントを投資で増やし、増やした投資ポイントと獲得ポイントとを合算して景品に交換してもよい。
【0080】
実施の形態では、
図12の新規注文受け付け画面504を介して、新規注文ごと、すなわちポジションごとにゴール条件(利益確定条件、損切り条件)を設定する場合を説明したが、これに限られない。例えば、ユーザは欲しい景品を目標に複数の通貨ペアに投資する可能性がある。この場合、ユーザが所有する異なる複数のポジション(投資した通貨ペア)の評価結果を含む投資ポイントの合計値の目標を設定してもよい。
図20は、携帯端末4のディスプレイ40に表示される目標設定画面802の代表画面図である。目標設定画面802は、目標ポイント入力領域804と、指定可能な景品を示す景品オブジェクト806、808、810と、設定ボタン812と、を有する。ユーザは、目標ポイント入力領域804に数値を入力することで目標とする投資ポイント数を指定してもよいし、景品オブジェクト806、808、810のいずれかをタップすることで、タップされた景品に対応するポイント範囲の下限を目標とする投資ポイント数として指定していもよい。設定ボタン812がタップされると、携帯端末4は、上記のいずれかにより指定された投資ポイント数を目標ポイント数として取得する。携帯端末4は、取得した目標ポイント数を含むホーム画面814をディスプレイ40に表示させる。
【0081】
なお、
図20の例では、景品オブジェクトが指定されると、対応する投資ポイント数が目標ポイント入力領域804に自動的に入力される。したがって、目標は投資ポイント数で指定される。これに対して、別の例では、景品そのものを目標に設定できるようにしてもよい。景品と交換可能な投資ポイントの範囲が変動する場合、景品そのものを目標に設定していれば、当該変動に応じて利益確定条件および損切り条件を自動的に変更できるので有利である。
【0082】
図21は、携帯端末4のディスプレイ40に表示されるホーム画面814の代表画面図である。ホーム画面814は、
図20の目標設定画面802で設定された目標ポイント数を表示する目標表示領域816と、目標の達成度合いをグラフィカルに表示する達成度表示バー領域818と、目標の達成までに必要な投資ポイント数を表示する必要ポイント数表示領域820と、利益確定条件設定オブジェクト822と、損切り条件設定オブジェクト824と、ユーザが当該目標に関連して保有する異なる複数のポジションの内訳を表示する内訳表示領域826と、を有する。内訳表示領域826は、ユーザが当該目標に関連して保有する異なる複数のポジションの評価額(評価ポイント)の合計を表示する合計評価ポイント表示領域830と、ユーザが当該目標に関連して保有している未投資の投資ポイント数を表示する投資余力表示領域832と、合計評価ポイント表示領域830に表示される数と投資余力表示領域832に表示される数との和である合計投資ポイントを表示する合計投資ポイント表示領域828と、ユーザが当該目標に関連して保有する異なる複数のポジションのそれぞれを示すポジションオブジェクト838、840、842と、各ポジションの構成比を示す円グラフ836と、を有する。各ポジションオブジェクト838、840、842は、ポジションを示すイメージと、現在の評価額(評価ポイント)と、現在のMidと、増減値と、を表示する。
【0083】
ユーザが利益確定条件設定オブジェクト822をタップすると、携帯端末4は、それを利益確定のための目標を設定するためのユーザ指示として受け付け、受け付けた指示に応じて、利益確定条件設定ダイアログ844をホーム画面814の前面に表示させる。
図22は、利益確定条件設定ダイアログ844が表示された状態のホーム画面814の代表画面図である。利益確定条件設定ダイアログ844は、利益確定するために合計投資ポイントが充たすべき条件である利益確定条件を指定することを可能とする。利益確定条件設定ダイアログ844は、利益確定ポイント入力領域846と、設定ボタン848と、を有する。ユーザは、もし合計投資ポイントがその値に到達するか上回ったら利益確定する利益確定ポイント数を利益確定ポイント入力領域846に入力し、設定ボタン848をタップする。携帯端末4は、利益確定条件設定ダイアログ844で設定された利益確定ポイント数を新たな目標ポイント数としてホーム画面814の目標表示領域816および達成度表示バー領域818に反映させる。投資サーバ10はネットワーク6を介して、利益確定条件設定ダイアログ844で設定された利益確定ポイント数を取得して保持し、ユーザの合計投資ポイントが取得された利益確定ポイント数に到達するか上回ると、その時点で、ユーザが目標に関連して所有する異なる複数のポジションを全て決済する。
【0084】
図21のホーム画面814においてユーザが損切り条件設定オブジェクト824をタップすると、携帯端末4は、それを損切りのための目標を設定するためのユーザ指示として受け付け、受け付けた指示に応じて、損切り条件設定ダイアログ850をホーム画面814の前面に表示させる。
図23は、損切り条件設定ダイアログ850が表示された状態のホーム画面814の代表画面図である。損切り条件設定ダイアログ850は、損切りするために合計投資ポイントが充たすべき条件である損切り条件を指定することを可能とする。損切り条件設定ダイアログ850は、損切りポイント入力領域852と、設定ボタン854と、を有する。ユーザは、もし合計投資ポイントがその値に到達するか下回ったら損切りする損切りポイント数を損切りポイント入力領域852に入力し、設定ボタン854をタップする。投資サーバ10はネットワーク6を介して、損切り条件設定ダイアログ850で設定された損切りポイント数を取得して保持し、ユーザの合計投資ポイントが取得された損切りポイント数に到達するか下回ると、その時点で、ユーザが目標に関連して所有する異なる複数のポジションを全て決済する。
【0085】
図20~
図23に示される変形例において、ユーザが目標に関連して所有する異なる複数のポジションのそれぞれは、個別の利益確定条件および/または損切り条件を有してもよい。その場合、合計投資ポイントについての利益確定条件、損切り条件および個別のポジションの利益確定条件、損切り条件のいずれかが充たされたタイミングで決済されてもよい。あるいはまた、合計投資ポイントについての利益確定条件、損切り条件が設定された場合は個別のポジションの利益確定条件、損切り条件は無視されるよう設計されてもよい。
【0086】
図12の新規注文受け付け画面504では、利益確定条件、損切り条件をそれぞれ増加ポイント数、減少ポイント数で指定する場合を説明した。これに対して
図20~
図23に示される変形例では、利益確定条件も損切り条件もトータルのポイント数で指定するように構成される。これにより、ユーザは目標に設定するポイント数と欲しい景品に必要なポイント数とを直接比べることができて分かりやすいので、目標の設定におけるユーザ利便性が向上する。なお、
図20~
図23に示される変形例において、
図12の例と同様に利益確定条件、損切り条件をそれぞれ増加ポイント数、減少ポイント数で指定してもよい。
【0087】
実施の形態では、
図12の新規注文受け付け画面504において新規注文に係る各種パラメータをユーザから受け付ける場合を説明したが、これに限られず、例えば値動きを示すチャート上で直接新規注文のパラメータを入力または指定できるようにしてもよい。
図24は、携帯端末4のディスプレイ40に表示されるグラフィカル新規注文受け付け画面856の代表画面図である。例えば、
図12の新規注文受け付け画面504にグラフィカル新規注文受け付け画面856への動線となるオブジェクトを設け、当該オブジェクトがタップされるとグラフィカル新規注文受け付け画面856が表示されてもよい。グラフィカル新規注文受け付け画面856は、選択された通貨ペアの値動き(またはMidの動き)を示すチャート872と、投資倍率の入力を受け付ける投資倍率入力領域858と、利益確定条件に係る投資ポイントの増加数の入力を受け付ける増加数入力領域860と、損切り条件に係る投資ポイントの減少数の入力を受け付ける減少数入力領域862と、利益確定条件変更オブジェクト864と、損切り条件変更オブジェクト866と、利益確定ライン868と、損切りライン870と、利益確定レート874と、損切りレート876と、を有する。チャート872は日足、分足、秒足や週足、月足、年足等により構成されてもよい。
【0088】
ユーザはチャート872を参照しながら希望の投資倍率を投資倍率入力領域858に入力または選択し、希望の増加ポイント数を増加数入力領域860に入力し、損切りに係る減少ポイント数を減少数入力領域862に、それぞれ入力する。投資する投資ポイント数(
図12のポイント数入力領域568で指定済み)と、投資倍率入力領域858に入力された倍率と、増加数入力領域860に入力された増加ポイント数と、から利益確定のレートが算出され、算出されたレートに対応する利益確定レート874および利益確定ライン868が表示される。投資する投資ポイント数(
図12のポイント数入力領域568で指定済み)と、投資倍率入力領域858に入力された倍率と、減少数入力領域862に入力された減少ポイント数と、から損切りのレートが算出され、算出されたレートに対応する損切りレート876および損切りライン870が表示される。
【0089】
ユーザが利益確定レートの変更を望む場合、ユーザは利益確定条件変更オブジェクト864をドラッグすることで、上下のいずれかの向きに所望の距離だけ動かす。携帯端末4は、そのように移動された後の利益確定条件変更オブジェクト864の位置に対応するレートで利益確定した場合の増加ポイント数を再計算し、計算結果で増加数入力領域860の表示を更新する。
【0090】
ユーザが損切りレートの変更を望む場合、ユーザは損切り条件変更オブジェクト866をドラッグすることで、上下のいずれかの向きに所望の距離だけ動かす。携帯端末4は、そのように移動された後の損切り条件変更オブジェクト866の位置に対応するレートで損切りした場合の減少ポイント数を再計算し、計算結果で減少数入力領域862の表示を更新する。
【0091】
図25は、損切り条件変更オブジェクト866を所定の距離だけ上にドラッグした後の状態のグラフィカル新規注文受け付け画面856を示す代表画面図である。損切りレートの変更に伴い減少ポイント数が再計算され、再計算結果が減少数入力領域862に反映されている。具体的には、
図24の状態から損切りレートを上に動かした結果、損切り時の減少ポイント数が「-3000」から「-1000」に更新されている。
【0092】
ユーザが投資倍率の変更を望む場合、ユーザは投資倍率入力領域858に所望の倍率を入力または選択する。携帯端末4は、変更された倍率と、投資する投資ポイント数と、増加数入力領域860に入力された増加ポイント数と、から利益確定のレートを再計算し、再計算で得られたレートで利益確定レート874および利益確定ライン868の表示を更新する。携帯端末4は、変更された倍率と、投資する投資ポイント数と、減少数入力領域862に入力された減少ポイント数と、から損切りのレートを再計算し、再計算で得られたレートで損切りレート876および損切りライン870の表示を更新する。
【0093】
図26は、倍率を変更した後の状態のグラフィカル新規注文受け付け画面856を示す代表画面図である。倍率の変更に伴い利益確定レートおよび損切りレートが再計算され、再計算結果により利益確定ライン868、利益確定レート874、損切りライン870、損切りレート876の表示が更新されている。具体的には、
図24の倍率「×10」から「×20」に変更された結果、同じ増加ポイント数、減少ポイント数に対して利益確定レートが下がると共に損切りレートが上がり、
図24の状態と比べて
図26の状態では利益確定ライン868と損切りライン870との間が狭くなる。
【符号の説明】
【0094】
2 ポイント投資システム、 4 携帯端末、 6 ネットワーク、 8 情報配信サーバ、 10 投資サーバ。