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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115685
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】送風手段
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
A41D13/002 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012393
(22)【出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】505155207
【氏名又は名称】株式会社桑和
(74)【代理人】
【識別番号】100107917
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 英俊
(72)【発明者】
【氏名】洲脇 勝一
【テーマコード(参考)】
3B011
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC02
3B011AC03
3B011AC18
3B011AC24
(57)【要約】
【課題】 衣服の外部から内部へ導入される気体を流動部よりも上流において簡単な構成により濾過することができる送風手段を提供する。
【解決手段】着用者が存する内部に面する内面と、外部に面する外面と、の間を連通させる衣服開口を有する衣服本体に取り付けられ、衣服開口を経て外部から内部へ気体を流通させる送風手段であって、外部と内部との間を連通させる内部流路と、シート状又は板状のフィルターにより濾過された気体が該内部流路を内部方向へ通過するようにフィルターの両主表面のうち下流側に存する下流側主表面に当接しフィルターを支持する下流側支持部と、を有し、衣服開口を貫通するように配設される貫通部と、貫通部に直接的又は間接的に取り付けられ、下流側支持部に対するフィルターの移動を制限するフィルター保持部と、外部に存する気体がフィルターにより濾過され該内部流路を経由して内部に吐出されるようフィルターよりも下流に配設され気体を流動させる流動部と、を備える送風手段である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者が存する内部に面する内面と、外部に面する外面と、の間を連通させる衣服開口を有する衣服本体に取り付けられ、衣服開口を経て外部から内部へ気体を流通させる送風手段であって、
外部と内部との間を連通させる内部流路と、シート状又は板状のフィルターにより濾過された気体が該内部流路を内部方向へ通過するようにフィルターの両主表面のうち下流側に存する下流側主表面に当接しフィルターを支持する下流側支持部と、を有し、衣服開口を貫通するように配設される貫通部と、
貫通部に直接的又は間接的に取り付けられ、下流側支持部に対するフィルターの移動を制限するフィルター保持部と、
外部に存する気体がフィルターにより濾過され該内部流路を経由して内部に吐出されるようフィルターよりも下流に配設され気体を流動させる流動部と、を備える送風手段。
【請求項2】
貫通部が、外部側と内部側とが開放され前記内部流路を形成する筒部を有し、
下流側支持部が、フィルターにより濾過された気体を通過させる通過開口が複数形成された当接部材により構成され、該当接部材が前記内部流路を塞ぐように筒部に取り付けられるものである、請求項1に記載の送風手段。
【請求項3】
前記当接部材が、筒部の外部側の端部に取り付けられるものである、請求項2に記載の送風手段。
【請求項4】
貫通部が、前記内部流路を有し衣服開口に内嵌される貫通部内嵌部と、貫通部内嵌部に取り付けられ衣服開口を通過不可能な貫通部係止部と、を含んでなり、
衣服開口を通過不可能な部分である第1部通過不可部を有するフィルター保持部及び流動部のいずれかである第1部が、貫通部内嵌部が衣服開口に内嵌された貫通部に取り付けられることで、第1部通過不可部と貫通部係止部との間の貫通部内嵌部を衣服開口が内嵌した状態が保持されるものである、請求項1乃至3のいずれか1に記載の送風手段。
【請求項5】
貫通部内嵌部が、端部から外周面に雄ネジが螺刻された直円筒体を含んでなり、
第1部が、該雄ネジと螺合する雌ネジが内周面に螺設され該直円筒体に外嵌される第1部環状部を有するものである、請求項4に記載の送風手段。
【請求項6】
第1部通過不可部が、第1部が貫通部に取り付けられた際の貫通部係止部に面する第1部環状部の端面を含むものである、請求項5に記載の送風手段。
【請求項7】
貫通部内嵌部が衣服開口に内嵌された貫通部に第1部が取り付けられることで、貫通部係止部と第1部通過不可部との間に衣服本体の布地が挟持されるものである、請求項4乃至6のいずれか1に記載の送風手段。
【請求項8】
フィルター保持部は、フィルターの両主表面のうち上流側に存する上流側主表面に当接し下流側支持部に対するフィルターの移動を制限するものである、請求項1乃至7のいずれか1に記載の送風手段。
【請求項9】
貫通部が、前記内部流路を有し衣服開口に内嵌され、端部から外周面に雄ネジが螺刻された直円筒体を含んでなる貫通部内嵌部を有し、
フィルター保持部が、該雄ネジと螺合する雌ネジが内周面に螺設され該直円筒体に外嵌されるフィルター保持部環状部と、フィルター保持部環状部に取り付けられ上流側主表面に当接する上流側当接部と、を有するものである、請求項8に記載の送風手段。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1に記載の送風手段と、前記フィルターと、を含んでなる、送風装置。
【請求項11】
前記フィルターが金属製である、請求項10に記載の送風装置。
【請求項12】
衣服本体と、該衣服本体に取り付けられる請求項1乃至9のいずれか1に記載の送風手段と、を備えてなる衣服。
【請求項13】
前記フィルターを含んでなる、請求項12に記載の衣服。
【請求項14】
前記フィルターが金属製である、請求項13に記載の衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風手段に関し、より詳細には、衣服の外部から内部へ気流を形成し衣服を快適に着用することができるようにする送風手段に関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、衣服の外部から内部へ通風を形成し着用することができる衣服が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、『防護服に単にファンを取り付けるだけでは、空調防護服を実現することはできない。ファンを取り付けた防護服は、ファンから外気とともに有害物質までも防護服の内部に取り込んでしまい、防護服としての機能を全く果たさなくなってしまうからである。また、防護服に空調服としての機能を付加するためには、防護服の内部に取り込んだ空気を外部に排出する空気排出部を防護服に設ける必要がある。更に、防護服に空調服としての機能を付加するためには、最低でも毎秒4リットルの空気を防護服の内部に取り込む必要がある。このように空調防護服の実現には数々の問題がある。本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、防護服としての機能を損なうことなく空調服としての機能を有する、簡易な構成の空調防護服を提供することを目的とする』(特許文献1の段落番号0005~0006)ためになされたものであり、具体的には『通気性の小さな又は通気性の無いシート状素材で作製された、シート状素材の所定部位に形成された一又は複数の開口孔を有する服本体と、一又は複数の開口孔に取り付けられた、空気を外部から取り込んで、服本体と身体又は下着との間の空間に空気の流れを強制的に生じさせる一又は複数の送風手段と、服本体の裏側から送風手段を取り囲むようにして服本体の裏側に周端部が固着された、空気中の特定の物質を除去するためのフィルターと、開口孔の近傍を除く服本体の所定部位に設けられた、服本体と身体又は下着との間の空間内を流通する空気を外部に排出するための複数の空気排出部と、一又は複数の送風手段に電力を供給するための電源手段と、電源手段と一又は複数の送風手段とを電気的に接続する電源ケーブルと、を備え、一又は複数の送風手段を駆動して外部の空気を一又は複数の送風手段から服本体内に取り込むことにより、服本体内の圧力を陽圧にして服本体と身体又は下着との間に空気流通路を形成すると共に、フィルターにより特定の物質が取り除かれた空気を空気流通路内に流通させて複数の空気排出部から外部に排出し、空気流通路内を流通する空気が身体から出た汗を気化させる際にその気化熱により身体を冷却することを特徴とする』(特許文献1の段落番号0007)空調防護服が開示されている。かかる『空調防護服では、大きな表面積を有するフィルターを、服本体の裏側から送風手段を取り囲むように配置し、そのフィルターの周端部を服本体の裏側に固着したことにより、フィルターの捕集効率の向上を図り、特定の物質、例えば有害物質が身体や下着に付着するのを防止することができると共に、大量の空気をフィルターを介して服本体と身体又は下着との間に取り込むことができる。また、フィルターにより特定の物質、例えば有害物質が取り除かれた空気を空気流通路内に流通させて複数の空気排出部から外部に排出することにより、空気流通路内を流通する空気が身体から出た汗を気化させ、その汗が気化する際の気化熱により使用者の身体を冷却することができる。このように、本発明の空調防護服は、簡易な構成で、防護服としての機能と空調服としての機能とを備えている。』(特許文献1の段落番号0009)。
【0003】
また、本願出願人は、衣服の外部から内部へ通風を形成し快適に着用することができる衣服に関し特許出願等をなしている(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2016/009511号公報
【特許文献2】特開2020-153033号公報
【特許文献3】特許第6692528号公報
【特許文献4】特開2020-153055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の衣服(空調防護服)においては、衣服の内部に導入される空気を濾過するフィルターは、衣服の外部に存する空気を取り込むファン(本発明にいう流動部)の下流に配設され(フィルターは、服本体の裏側からファン(送風手段)を取り囲むようにして服本体の裏側に周端部が固着され)ることから、衣服の外部に存する気体に含まれる異物が流動部(ファン)に到達し、流動部の故障や不具合を発生させる原因となり得る。
そこで、本発明では、衣服の外部から内部へ導入される気体を流動部よりも上流において簡単な構成により濾過することができる送風手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の送風手段(以下「本手段」という。)は、着用者が存する内部に面する内面と、外部に面する外面と、の間を連通させる衣服開口を有する衣服本体に取り付けられ、衣服開口を経て外部から内部へ気体を流通させる送風手段であって、外部と内部との間を連通させる内部流路と、シート状又は板状のフィルターにより濾過された気体が該内部流路を内部方向へ通過するようにフィルターの両主表面のうち下流側に存する下流側主表面に当接しフィルターを支持する下流側支持部と、を有し、衣服開口を貫通するように配設される貫通部と、貫通部に直接的又は間接的に取り付けられ、下流側支持部に対するフィルターの移動を制限するフィルター保持部と、外部に存する気体がフィルターにより濾過され該内部流路を経由して内部に吐出されるようフィルターよりも下流に配設され気体を流動させる流動部と、を備える送風手段である。
【0007】
本手段は、着用者が存する内部に面する内面と、外部に面する外面と、の間を連通させる衣服開口を有する衣服本体に取り付けられ、衣服開口を経て外部から内部へ気体を流通させるものである。
衣服本体は、衣服本体を着用する着用者が存する内部に面する内面(該着用者の身体に面する内面)と、外部に面する外面と、該内面と該外面との間を連通させる衣服開口と、を有している。
本手段は、衣服本体に取り付けられると共に、衣服本体に形成された衣服開口を経て該外部から該内部へ気体(通常は空気)を流通させる。
【0008】
本手段は、貫通部とフィルター保持部と流動部とを備える。
貫通部は、衣服開口を貫通するように配設され、内部流路と下流側支持部とを有する。内部流路は、一端が該外部側に存すると共に他端が該内部側に存し該外部と該内部との間を連通させる。そして、外部から内部に導入される気体を濾過するフィルターは、シート状又は板状をなし、該気体の流れについて下流側に存する下流側主表面と、該気体の流れについて上流側に存する上流側主表面と、の両主表面を有する(上流側主表面から下流側主表面に気体がフィルターを通過することで濾過される。)。下流側支持部は、フィルターにより濾過された気体が貫通部の該内部流路を該内部方向へ通過するように下流側主表面に当接してフィルターを支持する。
フィルター保持部は、貫通部に直接的(フィルター保持部が貫通部に別の部材を介さず取り付けられる)又は間接的(フィルター保持部が貫通部に別の部材を介して取り付けられる)に取り付けられ、貫通部の下流側支持部に対するフィルターの移動を制限する。フィルター保持部が下流側支持部に対するフィルターの移動を制限する方法は、フィルター保持部がフィルターに当接、係合、嵌合、粘着、接着等ようにしてもよい。
流動部は、フィルターよりも気体の流れについて下流に配設され、該外部に存する気体がフィルターにより濾過され貫通部の該内部流路を経由して該内部に吐出されるように気体を流動させる。
【0009】
このように本手段によれば、シート状又は板状のフィルターの両主表面のうち下流側主表面に貫通部の下流側支持部が当接すると共にフィルター保持部が下流側支持部に対するフィルターの移動を制限することでフィルターが保持され、流動部により外部に存する気体が流動されることでフィルターにより濾過され、フィルターにより濾過された気体が貫通部の該内部流路を内部方向へ通過して内部に吐出される。このため、衣服開口を貫通するように配設される貫通部と、貫通部に直接的又は間接的に取り付けられるフィルター保持部と、フィルターよりも下流に配設され気体を流動させる流動部と、を備える簡単な構成の本手段によって衣服本体の外部から内部へ導入される気体を流動部よりも上流に存するフィルターにより濾過することができる。
【0010】
本手段においては、貫通部が、外部側と内部側とが開放され前記内部流路を形成する筒部を有し、下流側支持部が、フィルターにより濾過された気体を通過させる通過開口が複数形成された当接部材により構成され、該当接部材が前記内部流路を塞ぐように筒部に取り付けられるもの(以下「筒部本手段」という。)であってもよい。
貫通部が有する下流側支持部が、フィルターにより濾過された気体を通過させる通過開口が複数形成された当接部材により構成される。そして、外部側と内部側とが開放されその間を連通させる前記内部流路を形成する筒部を貫通部が有し、下流側支持部を構成する該当接部材が、前記内部流路を塞ぐように筒部に取り付けられる。こうすることでフィルターにより濾過された気体を通過させる通過開口が複数形成された当接部材により下流側支持部が構成され、前記内部流路を形成する筒部に前記内部流路を塞ぐように該当接部材が取り付けられるという簡単な構成により本手段を構成できる。なお、該当接部材が前記内部流路を塞ぐように筒部に取り付けられる位置は、筒部の外部側(上流側)の端部である外部側端部、筒部の内部側(下流側)の端部である内部側端部、外部側端部と内部側端部との間の筒部の内部のいずれの位置であってもよい。
【0011】
筒部本手段においては、前記当接部材が、筒部の外部側の端部に取り付けられるものであってもよい。
このように下流側支持部を構成する前記当接部材が前記内部流路を塞ぐように筒部に取り付けられる位置が、筒部の外部側(上流側)の端部である外部側端部であると、フィルターを装着したり取り外すことを容易ならしめる(外部側端部に取り付けられると、筒部の外部からフィルターにアクセスしやすい。筒部の内部側(下流側)の端部である内部側端部や、外部側端部と内部側端部との間の筒部の内部に前記当接部材が取り付けられると、フィルターは筒部の内部に配置されがちであり、筒部の外部からフィルターにアクセスし難いことがある。)。
【0012】
本手段においては、貫通部が、前記内部流路を有し衣服開口に内嵌される貫通部内嵌部と、貫通部内嵌部に取り付けられ衣服開口を通過不可能な貫通部係止部と、を含んでなり、衣服開口を通過不可能な部分である第1部通過不可部を有するフィルター保持部及び流動部のいずれかである第1部が、貫通部内嵌部が衣服開口に内嵌された貫通部に取り付けられることで、第1部通過不可部と貫通部係止部との間の貫通部内嵌部を衣服開口が内嵌した状態が保持されるもの(以下「第1部本手段」という。)であってもよい。
貫通部が貫通部内嵌部と貫通部係止部とを含む。貫通部内嵌部は、外部と内部との間を連通させる内部流路を有すると共に衣服開口に内嵌される。貫通部係止部は、貫通部内嵌部に取り付けられると共に衣服開口を通過不可能である。そして、フィルター保持部及び流動部のいずれかである第1部が、衣服開口を通過不可能な部分である第1部通過不可部を有する(即ち、衣服開口を通過不可能な部分である第1部通過不可部をフィルター保持部が有する場合と流動部が有する場合とがある。)。そして、貫通部内嵌部が衣服開口に内嵌された貫通部に第1部が取り付けられることで、第1部通過不可部と貫通部係止部とのいずれも衣服開口を通過不可能であるので(第1部通過不可部と貫通部係止部とが、衣服開口から貫通部内嵌部が抜けることを防止する抜け止めとして機能する。)、貫通部内嵌部を衣服開口が内嵌した状態が保持され、本手段が衣服本体に取り付けられた状態が保たれる。
【0013】
第1部本手段においては、貫通部内嵌部が、端部から外周面に雄ネジが螺刻された直円筒体を含んでなり、第1部が、該雄ネジと螺合する雌ネジが内周面に螺設され該直円筒体に外嵌される第1部環状部を有するもの(以下「ネジ第1部本手段」という。)であってもよい。
貫通部内嵌部が含む直円筒体が、端部から外周面に雄ネジが螺刻されると共に、第1部が有する第1部環状部が、該雄ネジと螺合する雌ネジが内周面に螺刻されることで、該雄ネジと該雌ネジとを螺合させ第1部環状部を該直円筒体に外嵌させて、貫通部内嵌部が衣服開口に内嵌された貫通部に第1部を容易かつ確実に取り付けることができる。
【0014】
ネジ第1部本手段においては、第1部通過不可部が、第1部が貫通部に取り付けられた際の貫通部係止部に面する第1部環状部の端面を含むものであってもよい。
貫通部内嵌部の直円筒体に螺刻された雄ネジと、第1部が有する第1部環状部の雌ネジと、を螺合させ第1部環状部を該直円筒体に外嵌させ貫通部に第1部を取り付けた際、衣服開口を通過不可能な貫通部係止部に面する第1部環状部端面を第1部通過不可部が含むことで、第1部環状部端面が衣服本体の布地に当接することにより衣服開口から貫通部内嵌部が抜けることを確実に防止することができる。
【0015】
第1部本手段においては、貫通部内嵌部が衣服開口に内嵌された貫通部に第1部が取り付けられることで、貫通部係止部と第1部通過不可部との間に衣服本体の布地が挟持されるものであってもよい。
このように貫通部内嵌部が衣服開口に内嵌された貫通部に第1部が取り付けられることで、衣服本体の布地が貫通部係止部と第1部通過不可部との間に挟持されるので、衣服本体に本手段を確実に取り付けることができる。
【0016】
本手段においては、フィルター保持部は、フィルターの両主表面のうち上流側に存する上流側主表面に当接し下流側支持部に対するフィルターの移動を制限するもの(以下「上流側主表面当接本手段」という。)であってもよい。
前述の如く、フィルター保持部がフィルターに当接、係合、嵌合、粘着、接着等することによって、下流側支持部に対するフィルターの移動をフィルター保持部が制限するようにしてもよいが、フィルターの両主表面のうち上流側に存する上流側主表面(下流側主表面とは反対の面)にフィルター保持部が当接することで、下流側支持部に対するフィルターの移動を制限するようにすれば、シート状又は板状のフィルターに格別の構成を設けることなく、着脱可能かつ容易にフィルターの移動を制限することができる。
【0017】
上流側主表面当接本手段においては、貫通部が、前記内部流路を有し衣服開口に内嵌され、端部から外周面に雄ネジが螺刻された直円筒体を含んでなる貫通部内嵌部を有し、フィルター保持部が、該雄ネジと螺合する雌ネジが内周面に螺設され該直円筒体に外嵌されるフィルター保持部環状部と、フィルター保持部環状部に取り付けられ上流側主表面に当接する上流側当接部と、を有するものであってもよい。
貫通部が貫通部内嵌部を有し、貫通部内嵌部が直円筒体を含んでなる。貫通部内嵌部は、外部と内部との間を連通させる内部流路を有すると共に衣服開口に内嵌され、該直円筒体は端部から外周面に雄ネジが螺刻される。そして、フィルター保持部が、フィルター保持部環状部と上流側当接部とを有し、フィルター保持部環状部は、該直円筒体の該雄ネジと螺合する雌ネジが内周面に螺設され、上流側当接部は、フィルター保持部環状部に取り付けられ、フィルター保持部環状部が該直円筒体に外嵌されることで(該直円筒体の該雄ネジと、フィルター保持部環状部の該雌ネジと、が螺合する。)、上流側当接部が上流側主表面に確実に当接し、下流側支持部に対するフィルターの移動を容易かつ確実に制限する。
【0018】
本発明は、本手段と前記フィルターとを含んでなる送風装置(以下「本装置」という。)を提供する。即ち、本装置は、本手段と、前記フィルターと、を含んでなる、送風装置である。
【0019】
本装置においては、前記フィルターが金属製であってもよい。
前記フィルターは、外部に存する気体に含まれる異物(固体、液体)を所望程度除去できるようなものを適宜選択して用いることができ、その材質は、合成又は天然の樹脂、合成又は天然の繊維、合成又は天然のゴム、金属等のような様々なものを用いることができる。例えば、金属溶接作業において飛散するスパッタが、衣服本体の外部に存していれば、金属製メッシュ(金属網)によりフィルターを形成すればスパッタの進入を防止又は減少させることができ、本装置の故障を防止又は減少させることができる。
【0020】
本発明は、衣服本体と本手段とを備えてなる衣服(以下「本衣服」という。)を提供する。即ち、本衣服は、衣服本体と、該衣服本体に取り付けられる本手段と、を備えてなる衣服である。
【0021】
本衣服は、前記フィルターを含んでなるものであってもよい。
本衣服においては、前記フィルターが金属製であってもよい。前記フィルターの材質は、前述の通り様々なものを用いることができる。例えば、金属溶接作業において飛散するスパッタが、衣服本体の外部に存していれば、金属製の前記フィルター(金属製メッシュ(金属網))によりフィルターを形成すればスパッタの進入を防止又は減少させることができ、本手段の故障を防止又は減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る衣服(本衣服)である上着11を示す図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図2の状態からファン装置を構成するファン本体部とフランジ部とカバー部とを取り外した状態を示す分解図である。
図4】カバー部を示す図(図4(a)はカバー部の斜視図であり、図4(b)はカバー部の側面図である。)である。
図5】フィルターを示す図(図5(a)はフィルターの正面図であり、図5(b)はフィルターの側面図である。)である。
図6】フランジ部を示す図(図6(a)はフランジ部の斜視図であり、図6(b)はフランジ部の側面図である。)である。
図7】ファン本体部を示す図(図7(a)はファン本体部の正面図であり、図7(b)はファン本体部の側面図である。)である。
図8】フランジ部、フィルター及びカバー部の組み付け状態を示す図である。
図9】フランジ部、フィルター及びカバー部が組み付けられた組立体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る衣服(本衣服)である上着11を示す図である。図1を参照して、上着11について説明する。上着11は、通常のジャンパーと同様の上着本体13に一対のファン装置21が取り付けられて構成されている。上着本体13は、その着用者の胴体(不図示)を包む身頃部14と、該着用者の両腕(いずれも図示せず)を貫通させる袖部分15a、15bと、を含んでなり、身頃部14の前面に存し上下に延びる両縁には互いに係合可能なスライドファスナー14fa、14fbが取り付けられている。かかるスライドファスナー14fa、14fbを互いに係合させることで、身頃部14の前面に存する両縁を閉じることができる。
【0025】
一対のファン装置21は、いずれも同じものを用いており、後述の如く、身頃部14に形成された開口(図1においては不図示。後述の開口16であり、身頃部14の表面14a側と裏面14b側とを連通させる。)に貫入された状態で上着本体13に取り付けられている。なお、身頃部14の裏面14bは該着用者の身体(不図示)に面する面(上着11の内部12bに面する面)をいい、表面14aは上着11の外部12aに面する面をいう。
また、一対のファン装置21のいずれも、電力を供給するケーブル29により図示しない給電ユニット(通常、電池とそれからの電気の供給を断続するスイッチとを含む。)に接続され、該給電ユニットを操作することで一対のファン装置21を運転することができ、ファン装置21の運転により上着11の外部12aから内部12bに向けて空気を流入させることができる。
【0026】
図2は、図1のA-A断面図(図1のB-B断面も同様である。)である。図3は、図2の状態からファン装置21を構成するファン本体部23と、ファン本体部23に着脱自在なフランジ部25と、フランジ部25に脱着自在なカバー部27と、を取り外した状態を示す分解図である。そして、図4はカバー部27を示す図(図4(a)はカバー部27の斜視図(後述の係止部27b側から見たところを示している。)であり、図4(b)はカバー部27の側面図である。)であり、図5はフィルター41を示す図(図5(a)はフィルター41の正面図(フィルター41が有する主表面に対して垂直方向から見たところを示している。)であり、図5(b)はフィルター41の側面図である。)であり、図6はフランジ部25を示す図(図6(a)はフランジ部25の斜視図(後述のフィルター支持部25b側から見たところを示している。)であり、図6(b)はフランジ部25の側面図である。)であり、そして図7はファン本体部23を示す図(図7(a)はファン本体部23の正面図(ファン装置21を構成する際、カバー部27側から見たところを示す。)であり、図7(b)はファン本体部23の側面図(図7(a)中の矢印C方向から見たところを示す。)である。)である。
図2乃至図7を更に参照し、ファン装置21について説明する。なお、ファン装置21は、上着11の外部12aから内部12bに向けて空気を流通させ、その空気の流れに関して上流及び下流との言葉を用いる(図2及び図3には、上流方向を矢印G1により示し、下流方向を矢印G2により示す。)。
【0027】
ファン装置21は、ファン本体部23と、ファン本体部23に着脱自在なフランジ部25と、フランジ部25に脱着自在なカバー部27と、を含んでなり、フランジ部25とカバー部27とによってフィルター41を着脱自在に支持する。
【0028】
ファン本体部23は、仮想上の第1直線L1上に存する回転軸を中心に回転自在に支持されたファン23fと、ファン23fを回転させるモーター部23m(内部構造は省略する。)と、ファン23fを保護する通風自在なケース23c(空気の吐出方向は、互いの間に隙間23cbが形成された線材により構成される。)と、を有してなり、前記の給電ユニットからケーブル29を経て給電されることでモーター部23mがファン23fを回転させ、上着11の外部12aから内部12bに向けて空気を流通させる(空気の流れる方向を、図2図3及び図7(b)中に矢印Fとして示す。)。なお、図7(b)に示された差し込み口23jは、ケーブル29の先端に取り付けられた接続具(不図示)を差し込むためのものである。
そして、ファン本体部23のケース23cは、後述するようにフランジ部25が有する内側雄ネジ部25s2と螺合する雌ネジ部23sが内周に螺設されたケース筒部23ccと、互いの間に隙間23cbが設けられた複数の線材により構成されケース筒部23ccの下流側の端部に取り付けられた吐出部23cdと、を有している。
【0029】
フランジ部25は、直円筒形状の筒部25aと、筒部25aの外周面から外方に向かって張り出すように形成されたフランジ25fと、筒部25aの一端(上流側の端)に形成されたフィルター支持部25bと、を有してなる。
筒部25aは、フランジ25fよりも一端側(上流側、フィルター支持部25b側)に形成された外側雄ネジ部25s1と、フランジ25fよりも他端側(下流側)に形成された内側雄ネジ部25s2と、を外周面に有し、筒部25aの内部25cは上着11の外部12aと内部12bとを連通させ、外部12aから内部12bに向けて空気を流動させる。
フランジ25fは、筒部25aが形成する直円筒形状の該円筒の軸(ファン装置21を構成する際には、該軸は第1直線L1上に略存する。)に対して垂直な平面に沿って筒部25aの外周面から外方に張り出すようにドーナツ状の板状部材として該外周面に取り付けられている。フランジ25fが有するフランジ面25fa、25fbのうちフランジ面25fa(下流側)は、身頃部14の表面14a(外部12a側)に当接する。
フィルター支持部25bは、多数の開口25bhが形成された板状部材により構成され、筒部25aが形成する直円筒形状の該円筒の軸に対して垂直な平面に沿って筒部25aの一端(上流側の端)に取り付けられている。フィルター支持部25bは、後述するようにフィルター支持部25bとカバー部27との間にフィルター41を挟持し保持する。
身頃部14に形成される開口16(円形状)に筒部25aは内嵌可能であると共に、開口16をフランジ25fは通過不可能に形成されている。
【0030】
カバー部27は、フランジ部25の外側雄ネジ部25s1に螺合可能な雌ネジ部27sが内周に形成された円筒部27aと(図4(a)に示すように、雌ネジ部27sは該内周に断続的に形成されている。)、円筒部27aの一端(上流側の端)に形成される係止部27bと、を有しており、係止部27bは、中心部分に位置する円盤部27b1と、円盤部27b1と円筒部27aとを連結するように円盤部27b1から放射状に複数配設された棒状部27b2と、を含んでなる。複数の棒状部27b2互いの間には隙間27hが形成されており、これら隙間27hを経て外部12aの空気が吸入される。なお、円盤部27b1と複数の棒状部27b2とは、筒部25aが形成する直円筒形状の該円筒の軸に対して垂直な平面に沿っている。
【0031】
フィルター41は、上流側の主表面41aと、下流側の主表面41bと、の両主表面とも円形を略なす薄い円盤形状を有している。フィルター41は、上着11の外部12aから内部12bへ流入する空気を矢印Fで示す方向に主表面41aから下流側の主表面41bに通過させることで濾過し、外部12aに存する異物(例えば、ゴミや埃等)がファン本体部23(特にファン23f及びモーター部23m)に進入することを防止又は減少させ故障を防止又は減少させる。
このため上着11を着用する周囲の環境に応じてフィルター41の種類を変えることで、ファン装置21の故障を効果的に防止又は減少させることができる。例えば、金属溶接作業を行う作業者(不図示)が上着11を着用する場合には、金属溶接作業において飛散するスパッタがファン本体部23(特にファン23f及びモーター部23m)に進入すると故障の原因となり得るので、金属製メッシュ(金属網)によりフィルター41を形成すれば、フィルター41によってスパッタの進入を防止又は減少させることができる。
【0032】
上着本体13には、フランジ部25の筒部25aの外径よりもやや大きくかつフランジ25fが通過不可能となる半径の開口16が一対形成されている。一対の開口16は、一対のファン装置21を取り付けるべき位置に形成されており、開口16に取り付けられるファン装置21によって上着11の外部12aから内部12bへ空気を流入させる。
【0033】
上着11の使用方法について説明する。
まず、図8(a)に示すように、ファン装置21を構成するフランジ部25、フィルター41及びカバー部27を準備する。
そして、フランジ部25のフィルター支持部25bにフィルター41の主表面41bを当接させた状態で、図8(b)の矢印Eに示すよう、カバー部27の雌ネジ部27sをフランジ部25の外側雄ネジ部25s1に螺合させる。
これによって、図9に示すように、フランジ部25、フィルター41及びカバー部27が組み付けられた組立体51を形成できる。なお、図9(a)は組立体51をカバー部27側から見た斜視図であり、図9(b)は組立体51の側面図である。図9に示す状態においては、フィルター41は、フランジ部25のフィルター支持部25bと、カバー部27の係止部27bと、の間に挟持され支持されている。複数の棒状部27b2の間の隙間27hから吸入された空気は、フィルター41により濾過された後、フィルター支持部25bの多数の開口25bhを通過し、内部25cに流入できる。
かかる組立体51を一対準備する。
【0034】
次いで、後ろ身頃の下部に一対の円形の開口16が形成された上着本体13を準備する。
そして、上着本体13の開口16に組立体51を構成する筒部25aを嵌入する。このとき組立体51を構成するカバー部27が外部12aに位置するように筒部25aを嵌入する(即ち、フランジ面25faが身頃部14の表面14aに当接するように、外部12a側から筒部25aを嵌入する。)。
その後、内部12b側に突出した筒部25aの内側雄ネジ部25s2と、ファン本体部23の雌ネジ部23sと、を螺合させることで、組立体51にファン本体部23を取り付けることで、上着本体13に一対のファン装置21を取り付ける。
【0035】
最後に、このようにして上着本体13に取り付けられた一対のファン装置21をケーブル29により前記の給電ユニットに接続し上着11を構成できる(このように上着本体13に取り付けられたファン装置21は、図1及び図2に示したような状態となる。)。
なお、上ではフランジ部25、フィルター41及びカバー部27を含む組立体51を先に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、フランジ部25を開口16に嵌入し、その嵌入したフランジ部25にファン本体部23を取り付けた後、フィルター41及びカバー部27を取り付けるようにしてもよい。
【0036】
図示しない着用者が上着11を着用し、該着用者が暑さを感じる場合には、前記給電ユニットを操作してファン23fを回転させ、上着11の外部12aから内部12bに向けて空気を流入させ、上着11の内部12bにおいて空気を該着用者の身体表面に沿って流動させることで該身体表面の温度を下げることができる。
上着11が着用により汚れる等して洗濯をする場合には、前記給電ユニットを接続するケーブル29をファン本体部23から取り外し、上着本体13から一対のファン装置21を取り外す。そして、一対のファン装置21を取り外した上着本体13を、通常のジャンパー等と同様に洗濯することができる。
【0037】
以上説明の通り、ファン装置21は、着用者が存する内部12bに面する内面(裏面14b)と、外部12aに面する外面(表面14a)と、の間を連通させる衣服開口(開口16)を有する衣服本体(上着本体13)に取り付けられ、衣服開口(開口16)を経て外部12aから内部12bへ気体(ここでは空気)を流通させる送風手段であって、外部12aと内部12bとの間を連通させる内部流路(内部25c)と、シート状又は板状のフィルター41により濾過された気体(空気)が該内部流路(内部25c)を内部12b方向へ通過するようにフィルター41の両主表面41a、41bのうち下流側に存する下流側主表面(主表面41b)に当接しフィルター41を支持する下流側支持部(フィルター支持部25b)と、を有し、衣服開口(開口16)を貫通するように配設される貫通部(フランジ部25)と、貫通部(フランジ部25)に直接的又は間接的(ここでは直接的)に取り付けられ、下流側支持部(フィルター支持部25b)に対するフィルター41の移動を制限するフィルター保持部(カバー部27)と、外部12aに存する気体(空気)がフィルター41により濾過され該内部流路(内部25c)を経由して内部12bに吐出されるようフィルター41よりも下流に配設され気体(空気)を流動させる流動部(ファン本体部23)と、を備える送風手段を構成する。
【0038】
ファン装置21においては、貫通部(フランジ部25)が、外部12a側と内部12b側とが開放され前記内部流路(内部25c)を形成する筒部25aを有し、下流側支持部(フィルター支持部25b)が、フィルター41により濾過された気体(空気)を通過させる通過開口(開口25bh)が複数(多数)形成された当接部材により構成され、該当接部材が前記内部流路(内部25c)を塞ぐように筒部25aに取り付けられるものである。
ファン装置21においては、前記当接部材(下流側支持部(フィルター支持部25b)を構成する当接部材)が、筒部25aの外部12a側(上流側)の端部に取り付けられる。
【0039】
ファン装置21においては、貫通部(フランジ部25)が、前記内部流路(内部25c)を有し衣服開口(開口16)に内嵌される貫通部内嵌部(筒部25a)と、貫通部内嵌部(筒部25a)に取り付けられ衣服開口(開口16)を通過不可能な貫通部係止部(フランジ25f)と、を含んでなり、衣服開口(開口16)を通過不可能な部分である第1部通過不可部(ここではケース筒部23cc)を有するフィルター保持部及び流動部のいずれかである第1部(ここでは流動部(ファン本体部23))が、貫通部内嵌部(筒部25a)が衣服開口(開口16)に内嵌された貫通部(フランジ部25)に取り付けられることで、第1部通過不可部(ケース筒部23cc)と貫通部係止部(フランジ25f)との間の貫通部内嵌部(筒部25a)を衣服開口(開口16)が内嵌した状態が保持されるものである。
【0040】
ファン装置21においては、貫通部内嵌部(筒部25a)が、端部(ここでは下流側の端部)から外周面に雄ネジ(内側雄ネジ部25s2)が螺刻された直円筒体(筒部25a)を含んでなり、第1部(流動部(ファン本体部23))が、該雄ネジ(内側雄ネジ部25s2)と螺合する雌ネジ(雌ネジ部23s)が内周面に螺設され該直円筒体(筒部25a)に外嵌される第1部環状部(ケース筒部23cc)を有するものである。
ファン装置21においては、第1部通過不可部(ケース筒部23cc)が、第1部(流動部(ファン本体部23))が貫通部(フランジ部25)に取り付けられた際の貫通部係止部(フランジ25f)に面する第1部環状部(ケース筒部23cc)の端面23ccfを含むものである。
ファン装置21においては、貫通部内嵌部(筒部25a)が衣服開口(開口16)に内嵌された貫通部(フランジ部25)に第1部(流動部(ファン本体部23))が取り付けられることで、貫通部係止部(フランジ25f)と第1部通過不可部(ケース筒部23cc)との間に衣服本体(上着本体13)の布地が挟持されるものである。ここでは第1部環状部(ケース筒部23cc)の端面23ccfは、第1直線L1に対して垂直な平面に沿っているので、フランジ面25fa(下流側)と略平行となり、互いに略平行な端面23ccf及びフランジ面25faとの間に衣服本体(上着本体13)の布地がうまく挟持され、衣服本体(上着本体13)にファン装置21を確実に取り付けることができる。
【0041】
ファン装置21においては、フィルター保持部(カバー部27)は、フィルター41の両主表面41a、41bのうち上流側に存する上流側主表面(主表面41a)に当接し下流側支持部(フィルター支持部25b)に対するフィルター41の移動を制限するものである。
ファン装置21においては、貫通部(フランジ部25)が、前記内部流路(内部25c)を有し衣服開口(開口16)に内嵌され、端部(ここでは上流側の端部)から外周面に雄ネジ(外側雄ネジ部25s1)が螺刻された直円筒体を含んでなる貫通部内嵌部(筒部25a)を有し、フィルター保持部(カバー部27)が、該雄ネジ(外側雄ネジ部25s1)と螺合する雌ネジ(雌ネジ部27s)が内周面に螺設され該直円筒体(筒部25a)に外嵌されるフィルター保持部環状部(円筒部27a)と、フィルター保持部環状部(円筒部27a)に取り付けられ上流側主表面(主表面41a)に当接する上流側当接部(係止部27b)と、を有するものである。
【0042】
ファン装置21は、ファン装置21とフィルター41とを含んでなる送風装置(本装置)を構成することができる。
本装置においては、フィルター41を金属製のものとすることができる。
ファン装置21は、衣服本体(上着本体13)とファン装置21とを備えてなる衣服(本衣服)を構成することができる。
本衣服は、フィルター41を含んでなるものとすることができ、さらにフィルター41を金属製のものとすることができる。
【符号の説明】
【0043】
11 上着
12a 外部
12b 内部
13 上着本体
14 身頃部
14a 表面
14b 裏面
14fa、14fb スライドファスナー
15a、15b 袖部分
16 開口
21 ファン装置
23 ファン本体部
23c ケース
23cb 隙間
23cc ケース筒部
23ccf 端面
23cd 吐出部
23f ファン
23j 差し込み口
23m モーター部
23s 雌ネジ部
25 フランジ部
25a 筒部
25b フィルター支持部
25bh 開口
25c 内部
25f フランジ
25fa、25fb フランジ面
25s1 外側雄ネジ部
25s2 内側雄ネジ部
27 カバー部
27a 円筒部
27b 係止部
27b1 円盤部
27b2 棒状部
27h 隙間
27s 雌ネジ部
29 ケーブル
41 フィルター
41a、41b 主表面
51 組立体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9