(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115710
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/04 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
G03G15/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012438
(22)【出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】森本 亘哉
【テーマコード(参考)】
2H076
【Fターム(参考)】
2H076AB02
2H076AB12
2H076DA04
2H076DA43
(57)【要約】
【課題】感光体の同じ箇所が露光されることがなくなり、感光体の特定箇所が劣化することを防止することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御部(380)は、ポリゴンミラー(330)を回転させ、光センサ(360)によってポリゴンミラー(330)によって偏向されたレーザ光を検知する起動処理の開始から、起動処理後の待機状態になる前に、感光体(410)を回転させ、感光体(410)が1回転する前に感光体(410)を停止させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザ光を偏向するポリゴンミラーと、
前記ポリゴンミラーによって偏向されたレーザ光によって露光される感光体と、
前記ポリゴンミラーによって偏向されたレーザ光を検知する光センサと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ポリゴンミラーを回転させ、前記光センサによって前記ポリゴンミラーによって偏向されたレーザ光を検知する起動処理の開始から、当該起動処理後の待機状態になる前に、前記感光体を回転させ、前記感光体が1回転する前に前記感光体の回転を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ポリゴンミラーの回転速度が第1の目標速度に到達したことに基づいて、前記光源からのレーザ光の出射を開始する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ポリゴンミラーの回転速度が前記第1の目標速度に到達したことに基づいて、前記感光体の回転を開始する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置はさらに、モータと、前記感光体と前記モータとを接続するクラッチを備え、
前記制御部は、前記モータの回転を開始した後、前記クラッチを接続して、前記感光体の回転を開始する、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、起動処理の開始から、当該起動処理後の待機状態になる前の前記感光体の回転速度を、印刷時の前記感光体の回転速度よりも遅くなるように、前記モータを制御する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置はさらに、前記モータによって回転される定着器を備え、
前記制御部は、前記定着器のヒータが非通電であるスリープ状態から、前記定着器を定着温度より低い所定温度とするレディ状態に遷移させるとき、前記起動処理および前記感光体の回転を実行する、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像形成装置の電源投入時に、前記起動処理および前記感光体の回転を実行する、請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザスキャナを使用した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザスキャナを使用した画像形成装置において、レーザスキャナの起動時に感光体が不要に露光され、転写部にトナーが付着することを防止することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、不要な露光によってトナーが付着した部分に対して、転写逆バイアスを印加して、転写部に不要なトナーが付着することを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レーザスキャナを使用した画像形成装置において、起動処理時にポリゴンミラーを回転させて、光センサがビームを検知するため、不必要に感光体が露光される。感光体の特定の個所の露光が繰り返されると、特定の個所のみ光劣化が進行する。
【0006】
特許文献1に記載の技術は、不要な露光によってトナーが付着した部分に対して、転写逆バイアスを印加して、転写部に不要なトナーが付着することを防止するものであるが、感光体に対する不要な露光自体を防止するものではない。
【0007】
本発明の一態様は、感光体の同じ箇所が露光されることがなくなり、感光体の特定箇所が劣化することを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る画像形成装置は、レーザ光を出射する光源と、光源から出射されたレーザ光を偏向するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって偏向されたレーザ光によって露光される感光体と、ポリゴンミラーによって偏向されたレーザ光を検知する光センサと、制御部と、を備え、制御部は、ポリゴンミラーを回転させ、光センサによってポリゴンミラーによって偏向されたレーザ光を検知する起動処理の開始から、当該起動処理後の待機状態になる前に、感光体を回転させ、感光体が1回転する前に感光体の回転を停止させることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、感光体の同じ箇所が露光されることがなくなり、感光体の特定箇所が劣化することを防止することが可能となる。
【0010】
制御部は、ポリゴンミラーの回転速度が第1の目標速度に到達したことに基づいて、光源からのレーザ光の出射を開始してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、レーザ光による不要な露光をさらに防止することができる。
【0012】
制御部は、ポリゴンミラーの回転速度が前記第1の目標速度に到達したことに基づいて、感光体の回転を開始してもよい。
【0013】
上記の構成によれば、感光体の不要な回転を防止することができる。
【0014】
画像形成装置はさらに、モータと、感光体とモータとを接続するクラッチを備え、制御部は、モータの回転を開始した後、クラッチを接続して、感光体の回転を開始してもよい。
【0015】
上記の構成によれば、感光体を回転させる前にモータを回転させることができ、第1クラッチにより感光体の回転タイミングを決められる。
【0016】
制御部は、起動処理の開始から、当該起動処理後の待機状態になる前の感光体の回転速度を、印刷時の感光体の回転速度よりも遅くなるように、モータを制御してもよい。
【0017】
上記の構成によれば、感光体やモータの不要な消耗を軽減することが可能となる。
【0018】
画像形成装置はさらに、モータによって回転される定着器を備え、制御部は、定着器のヒータが非通電であるスリープ状態から、定着器を定着温度より低い所定温度とするレディ状態に遷移させるとき、起動処理および感光体の回転を実行してもよい。
【0019】
上記の構成によれば、印刷準備を行う際に、スキャナの正常な起動を確認することが可能となる。
【0020】
制御部は、画像形成装置の電源投入時に、起動処理および感光体の回転を実行してもよい。
【0021】
上記の構成によれば、印刷準備を行う際に、スキャナの正常な起動を確認することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、感光体の同じ箇所が露光されることがなくなり、感光体の特定箇所が劣化することを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【
図2】
図1に示す露光部の構成を示す概略図である。
【
図3】制御部による制御対象の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置の起動処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の起動時における各部の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<画像形成装置10の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の構成を示す概略図である。
図1に示すように、画像形成装置10は、給紙部100と画像形成部200とを備える。
【0025】
給紙部100は、トレイ110と、ピックアップローラ120と、搬送ローラ130と、レジストレーションローラ140とを有する。トレイ110に収容されたシートWは、ピックアップローラ120により1枚ずつ取り出され、搬送ローラ130により搬送され、レジストレーションローラ140により姿勢が矯正されて、所定のタイミングで画像形成部200に送られる。
【0026】
画像形成部200は、制御部380と、露光部300と、プロセス部400と、定着器500と、帯電印加部610と、現像印加部620と、転写印加部630とを備える。露光部300は、後述する感光ドラム410に向けてレーザ光Lを照射する。露光部300の構成については後に詳述する。
【0027】
プロセス部400は、感光ドラム410と、帯電部420と、現像部430と、転写ローラ440とを有する。帯電部420は、帯電ワイヤ421と、グリッド422とを有するスコロトロン式の帯電部であり、感光ドラム410の表面を一様に帯電させる。帯電部420によって一様に帯電された感光ドラム410の表面に上述した露光部300からのレーザ光Lが照射されると、感光ドラム410の表面に静電潜像が形成される。
【0028】
現像部430は、現像剤を供給することによって、感光ドラム410の表面に形成された静電潜像を現像する。これにより、感光ドラム410の表面に現像剤像が形成される。転写ローラ440は、感光ドラム410に対向するように配置されており、感光ドラム410の表面に形成された現像剤像を、搬送されるシートWに転写する。感光ドラム410は、感光体の一例であり、転写ローラ440は、転写部の一例であり、シートWは被転写体の一例である。
【0029】
定着器500は、感光ドラム410よりもシートWの搬送方向の下流側に配置されており、熱によって現像剤像をシートWに定着させる。その後、シートWは、排出ローラ710を介して、画像形成装置10の上面に形成された排出トレイ720へ排出される。
【0030】
帯電印加部610は、制御部380からの指示に応じて、現像部430の現像剤と同極性の電圧VCを帯電ワイヤ421に印加する帯電印加動作を行う。この帯電印加動作では、帯電印加部610は、グリッド422のグリッド電圧VGを検出し、そのグリッド電圧VGが目標値(例えば+800V)になるように、帯電印加部610から帯電ワイヤ421に流す電流および電圧VCの値の少なくとも一方を調整する。
【0031】
現像印加部620は、制御部380からの指示に応じて、現像剤と同極性の現像電圧VDを現像部430の現像ローラ431に印加し、その現像電圧VDを現像目標値(例えば+400V)に維持する現像印加動作を行う。
【0032】
転写印加部630は、制御部380からの指示に応じて、順転写印加動作と、逆転写印加動作とを切り替えて行うことができる。転写印加部630は、順転写印加動作では、現像剤と逆極性の順転写電圧VTMを転写ローラ440に印加し、その順転写電圧VTMを順転写目標値(例えば-1200V)に維持し、逆転写印加動作では、現像剤と同極性の逆転写電圧VTPを転写ローラ440に印加し、その逆転写電圧VTPを逆転写目標値(例えば+900V)に維持する。
【0033】
<露光部300の構成>
図2は、
図1に示す露光部300の構成を示す概略図である。
図2に示すように、露光部300は、レーザ光Lを発するレーザダイオード(以下「LD」と呼ぶ。)310と、第1レンズ部320と、ポリゴンミラー330と、ポリゴンモータ340と、第2レンズ部350と、ビームディテクタ(以下「BD」と呼ぶ。)360と、モニタ素子370とを備える。LD310は、光源の一例であり、BD360は、光センサの一例である。なお、説明の便宜上、
図2には、制御部380及び感光ドラム410も記載されている。
【0034】
ポリゴンミラー330は、正六角柱の側面を構成するように配置された6つの反射面331を有する回転多面鏡である。ポリゴンミラー330は、ポリゴンモータ340によって回転駆動される。
【0035】
第1レンズ部320は、例えばコリメートレンズで構成され、制御部380から出力される発光信号に応じてLD310から発せられたレーザ光Lを、光束に変換してポリゴンミラー330に向けて照射する。第2レンズ部350は、例えばfθレンズで構成され、第1レンズ部320から照射され、ポリゴンミラー330の反射面331によって反射されたレーザ光Lを、感光ドラム410の表面に向けて照射する。
【0036】
ポリゴンモータ340の回転に伴ってポリゴンミラー330が回転すると、第1レンズ部320からのレーザ光Lの照射方向に対する反射面331の角度が周期的に変わるため、レーザ光Lは反射面331によって周期的に偏向される。これにより、感光ドラム410の表面にレーザ光Lによるライン状の静電潜像(以下、露光ラインという)が形成される。
【0037】
BD360は、レーザ光Lの照射方向に対する反射面331の角度が特定の角度である状態において、反射面331によって反射されたレーザ光Lが入射する位置に配置されている。BD360は、レーザ光Lが入射していないタイミングにおいてローレベルとなり、レーザ光Lが入射しているタイミングにおいてハイレベルとなるBD信号を出力する。モニタ素子370は、LD310の近傍に配置され、L310が発するレーザ光Lの量に応じたモニタ信号を出力する。このモニタ信号は、例えば、LD310が発するレーザ光Lの量を調整する光量調整等に利用される。
【0038】
<制御部380による制御対象の構成>
図3は、制御部380による制御対象の一例を示す図である。制御部380は、上述のポリゴンモータ340の回転制御、LD310の発光制御以外に、BD360から出力されるBD信号の検出処理、モータ450の回転制御、第1クラッチ124および第2クラッチ134の接続制御、定着器500内の定着ヒータ501の加熱制御等を行う。なお、制御部380と、各部との間の点線は、電気信号を示している。その他の実線は、モータ450の回転の伝達を示している。
【0039】
制御部380は、CPU(Central Processing Unit)381、ROM(Read Only Memory)382、RAM(Random Access Memory)383、および記憶部の一例としてのNVM(Non-Volatile Memory)384を備えている。制御部380は、回転信号によるポリゴンモータ340の回転制御、発光信号によるLD310の発光制御等を行う。
【0040】
CPU381は、ROM382から読み出したプログラムにしたがって処理を行い、その処理の結果をRAM383またはNVM384に記憶させながら、画像形成装置10の各部を制御する。ROM382には、各種のプログラムが記憶されており、各種のプログラムには、例えば、画像形成装置10の各部を制御するためのプログラムが含まれる。RAM383は、CPU381が各種のプログラムを実行する際の作業領域およびデータの一時的な記憶領域として利用される。NVM384は、書き換え可能な不揮発性メモリである。
【0041】
モータ450の回転は、ギア122によって第1クラッチ124および第2クラッチ134に伝達される。第1クラッチ124は、制御部380によって接続が制御され、モータ450の回転を感光ドラム410に伝達したり、遮断したりする。同様に、第2クラッチ134は、制御部380によって接続が制御され、モータ450の回転を現像部430に伝達したり、遮断したりする。
【0042】
画像形成装置10の電源投入時、制御部380は、起動処理を開始する。この起動処理において、制御部380は、LD310を発光させてBD360によるレーザ光Lの検知を行う。BD360によってレーザ光Lが検知されると、制御部380は、起動処理を終了して待機状態に遷移する。この起動処理において、レーザ光Lが感光ドラム410に照射されるため、感光ドラム410が露光されることになる。感光ドラム410の同じ箇所が露光されるのを防止するために、制御部380は、感光ドラム410を回転させる。感光ドラム410の回転は、起動処理の開始から、待機状態になるまでの間に行われる。起動処理の終了後、直ぐに印刷を行う場合には、印刷の際に感光ドラム410が回転するので、特に感光ドラム410を回転させる必要はない。
【0043】
<画像形成装置10の起動処理の処理手順>
図4は、画像形成装置10の起動処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、制御部380は、画像形成装置10の電源投入後、エラーチェックモードに移行する(S1)。このエラーチェックモードは、BD360によってレーザ光Lを検知できるか否かをチェックするモードである。
【0044】
エラーチェックモードに移行すると、制御部380は、ポリゴンモータ340の加速制御を行う(S2)。ポリゴンモータ340は、例えば、DCブラシレスモータ等によって構成され、ホール素子または励磁コイルの逆起電力から回転速度に対応するFG(Frequency Generation)信号を得ることができる。
【0045】
次に、制御部380は、回転速度を参照して、ポリゴンモータ340が目標回転速度(第1の目標速度)に到達したか否かを判定する(S3)。目標回転速度に到達していなければ(S3にてNo)、ステップS2に戻って以降の処理を繰り返す。また、目標回転速度に到達していれば(S3にてYes)、制御部380は、ポリゴンモータ340を加速制御から定速制御に切り換える(S4)。なお、目標回転速度は、加速の途中ではなく、一定の回転速度となる目標値である。
【0046】
起動モードにおいて、制御部380は、モータ450を回転させ、第1クラッチ124を接続して感光ドラム410を回転させる(S5)。なお、制御部380は、モータ450が印刷時の目標回転速度よりも遅い状態で、第1クラッチ124を接続するものとする。
【0047】
また、制御部380は、感光ドラム410が1回転する前に第1クラッチ124を切断し、感光ドラム410の回転を停止させるものとする。これによって、再度起動処理が行われた場合でも、感光ドラム410の周方向における露光位置が変わるため、感光ドラム410の同じ箇所への不要な露光を抑制することができる。
【0048】
なお、感光ドラム410の回転方向は、正転であってもよいし、反転であってもよい。制御部380が、感光ドラム410を反転させる場合には、感光ドラム410に固着したトナーをブレードで削り取ることができる。
【0049】
次に、制御部380は、LD310の強制点灯を開始する(S6)。これは、BD360がレーザ光Lを検知するために、所定時間の間、強制的にLD310を点灯させるものである。制御部380は、BD360から出力されるBD信号を受け、BD360がレーザ光を受光したか否かを判定する(S7)。
【0050】
BD360がレーザ光を受光すれば(S7にてYes)、制御部380は、ポリゴンモータ340をBD制御に切り替え(S8)、処理を終了する。BD制御は、ポリゴンモータ340の回転速度をFG信号ではなくBD信号から取得して定速で回転させる制御である。なお、制御部380は、BD制御に移行すると、定期的にBD360がレーザ光を受光したか否かを検知することになるが、レーザ光がBD360に入射されるタイミングの直前にLD310を発光させ、それ以外のタイミングではLD310を発光させないようにする。これによって、感光ドラム410の不要な露光を抑制することができる。
【0051】
また、所定時間の間にBD360がレーザ光を受光しなければ(S7にてNo)、制御部380は、BDエラーと判定し、エラー処理を行う(S9)。なお、このエラー処理は、本願発明とは直接関連しないため、詳細な説明は行わない。
【0052】
<画像形成装置10の起動時における各部の動作>
図5は、画像形成装置10の起動時における各部の動作を示すタイミングチャートである。画像形成装置10の起動時に定着ヒータ501の加熱制御等を開始し、所定の温度に到達したタイミングT1において、制御部380は、モータ450の回転を開始する。モータ450は定着器500に接続されており、モータ450を回転させると定着器500が回転する。モータ450の波形は、縦軸がモータ450の回転速度を示している。このタイミングT1においては、ポリゴンモータ340の回転は行っていない。
【0053】
タイミングT2において、モータ450の回転速度が所定値となったときに、制御部380は、その回転速度を維持する。このタイミングT2で、制御部380は、ポリゴンモータ340の回転を開始する。この状態では、第1クラッチ124を遮断しているため、感光ドラム410は回転しない。
【0054】
タイミングT3において、ポリゴンモータ340の回転速度が目標回転速度(第1の目標速度)に到達し、制御部380は、第1クラッチ124を接続し、感光ドラム410を回転させ、感光ドラム410が1回転する前に第1クラッチ124を切断し、感光ドラム410の回転を停止させる。制御部380は、このときの感光ドラム410の回転速度が、印刷時の感光ドラム410の回転速度よりも遅くなるように、モータ450の回転を制御する。これによって、感光ドラム410やモータ450の不要な消耗を軽減することが可能となる。
【0055】
タイミングT4において、制御部380は、LD340を強制点灯させる。制御部380は、BD信号が得られた場合には強制点灯を終了し、レーザ光がBD360に入射されるタイミングの直前にLD310を発光させ、それ以外のタイミングではLD310を発光させない制御を実行する。
【0056】
タイミングT5において、制御部380は、モータ450の回転速度を上げる。このとき、制御部380は、第2クラッチ134を制御して、現像部430の現像ローラ431を回すようにしてもよいし、現像ローラ431を回さないようにしてもよい。タイミングT6において、モータ450の回転速度は印刷時の目標回転速度に到達する。
【0057】
また、定着器500の定着ヒータ501が非通電であるスリープ状態から、定着器500を印刷温度より低い所定温度とするレディ状態に遷移させるときに、制御部380は、起動処理を行い、感光ドラム410を回転させるようにしてもよい。
【0058】
〔ソフトウェアによる実現例〕
画像形成装置10の機能ブロック(特に、制御部380)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0059】
後者の場合、画像形成装置10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。
【0060】
上記プロセッサとしては、例えばCPUを用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAMなどを更に備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0061】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変
更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0062】
上記の実施形態では、起動処理において感光ドラム410を回転させた後にLD340を強制点灯させるように構成したが、これに限定されず、LD340を強制点灯させた後に感光ドラム410を回転させてもよい。また、感光ドラム410を回転させている間の期間にLD340を強制点灯させるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 画像形成装置
124 第1クラッチ
310 レーザダイオード
330 ポリゴンミラー
360 ビームディテクタ
380 制御部
410 感光ドラム
450 モータ
500 定着器
501 ヒータ