(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115737
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】自動シート消毒装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20220802BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
A61L2/18
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021012485
(22)【出願日】2021-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000141598
【氏名又は名称】株式会社吉田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 通三
(72)【発明者】
【氏名】深澤 太郎
(72)【発明者】
【氏名】根本 忠明
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058BB06
4C058BB07
4C058CC03
4C058DD12
4C058EE03
4C058JJ08
4C058JJ23
4C058JJ24
4C058JJ29
4C058KK02
4C058KK22
4C058KK26
(57)【要約】
【課題】診察台を自動で消毒することができる自動シート消毒装置を提供すること。
【解決手段】自動シート消毒装置100は、診察台10のシート面10aを消毒する装置である。自動シート消毒装置100は、診察台10のシート幅L1の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッド2と、消毒ヘッド2を保持する消毒ヘッド保持手段3と、消毒ヘッド保持手段3をシート面10aに沿ってシート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段4と、を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、
前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、
前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、
前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有していること、
を特徴とする自動シート消毒装置。
【請求項2】
前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲していること、
を特徴とする請求項1に記載の自動シート消毒装置。
【請求項3】
前記消毒ヘッド移動手段は、少なくとも前記診察台に連結載置、前記診察台の近傍に独立配置、あるいは、前記診察台に併設した診療装置に連結載置のいずれか一つが可能であること、
を特徴とする特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動シート消毒装置。
【請求項4】
前記消毒ヘッド保持手段は、前記消毒ヘッドと、前記シート面との距離を可変可能にする伸縮機構を有していること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項5】
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台の側面に沿って設けたガイド機構に、前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項6】
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台に併設する診療装置に設けたガイド機構に前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項7】
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台、または、床面に設けた多段水平伸縮機構に前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項8】
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台、または、床面に昇降機構を介して設けた多段水平伸縮機構に、前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項9】
前記消毒ヘッド移動手段は、床面を走行可能にする自動走行手段を有していること、
を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項10】
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台の側面に沿って設けたガイド機構に角度可変可能に前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項11】
前記消毒ヘッドは、前記診察台に併設する診療用テーブルに保持され、
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診療用テーブルの駆動機構によって前記診察台の側面に沿って移動し、
前記消毒ヘッドと前記シート面との距離は、前記診療用テーブルの高さの調整または歯科診療椅子の高さの調整により可変可能に構成したこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項12】
前記消毒ヘッドは、診療時の邪魔にならないように前記シート面の上方以外に格納することが可能であること、
を特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項13】
前記消毒ヘッドは、消毒液をしみ込ませた保水性部材で前記シート面を拭き取る拭き取り方式で構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項14】
前記消毒ヘッドは、紫外線照射手段によって前記シート面に紫外線を照射して殺菌する照射方式で構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項15】
前記消毒ヘッドは、消毒液を前記シート面に噴出して殺菌する噴射方式で構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項16】
前記消毒ヘッドは、当該消毒ヘッドに付着している消毒液を吸引する吸引装置を備えたこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項17】
前記消毒ヘッドは、当該消毒ヘッドのシート幅方向の全部または一部による消毒が可能な消毒領域可変手段、あるいは、当該消毒ヘッドのシート幅方向の全部または一部の吸引が可能な吸引領域可変手段を備えていること、
を特徴とする請求項12ないし請求項16のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項18】
前記消毒ヘッドは、距離センサを有し、前記距離センサと前記シート面との間の距離を一定に保つために、前記消毒ヘッドの高さまたは前記診察台の高さを自動制御可能にしたこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動シート消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、感染性が非常に高い新型コロナウイルス(正式名称「SARS-CoV-2」)の発生により世界規模のパンデミックが起こり、その感染防止対応が急務である。集団感染の共通点は、「換気が悪く」、「人が密に集まって過ごすような空間」、「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」であり、特に、医療現場では、集団感染が起こり易い。
【0003】
患者からの飛沫は、患者周囲の診療器具やシートに直接付着したり、落下して付着したり、あるいは、間接的に付着したりする。このため、病院関係者だけでなく、診療器具や、シートに付着した飛沫物は、他の患者への感染ルートとなってしまう。このようなことから、感染しないようにするためには、あらゆる物を消毒することが重要になっている。
【0004】
消毒する装置としては、例えば、特許文献1に記載された殺菌済みの安心便座が知られている。特許文献1に記載の殺菌済みの安心便座は、拭き取り器のローラが洋式便座を熱風で消毒したり、消毒液に浸した紙で1回拭いて消毒したり、紫外線で所定時間照射して消毒したりするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、機器や装置等を消毒する装置としては、特許文献1に記載されている殺菌済みの安心便座のように、洋式便座を消毒するものは知られている。しかし、診察台を自動で消毒する自動シート消毒装置はなかった。
【0007】
そこで、本発明は、診察台を自動で消毒することができる自動シート消毒装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、診察台を自動で消毒することができる自動シート消毒装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置を示す概略側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置を示す概略正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第1変形例を示す概略側面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第1変形例を示す概略正面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第2変形例を示す概略正面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第3変形例を示す概略正面図である。
【
図7A】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第4変形例を示す概略側面図である。
【
図7B】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第4変形例を示す図であり、ガイド機構を示す要部概略斜視図である。
【
図7C】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第4変形例を示す図であり、伸縮機構を示す要部概略縦断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第5変形例を示す概略側面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第6変形例を示す概略側面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第7変形例を示す概略側面図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第8変形例を示す概略側面図である。
【
図12A】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第9変形例を示す図であり、消毒時の状態を示す概略正面図である。
【
図12B】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第9変形例を示す図であり、消毒ヘッドを消毒ヘッド保持手段側に回動させる前の状態を示す概略平面図である。
【
図12C】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第9変形例を示す図であり、消毒ヘッドを消毒ヘッド保持手段側に回動させたときの状態を示す概略正面図である。
【
図12D】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第9変形例を示す図であり、消毒ヘッドを歯科診療椅子の下に格納するときの状態を示す概略正面図である。
【
図13A】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第10変形例を示す図であり、消毒ヘッドを示す説明図である。
【
図13B】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第10変形例の消毒ヘッドの変形例を示す説明図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第11変形例を示す図であり、消毒ヘッドを示す説明図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第12変形例を示す図であり、消毒ヘッドを示す説明図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第13変形例を示す図であり、消毒ヘッドを示す説明図である。
【
図17A】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第14変形例を示す図であり、消毒ヘッド移動手段の設置状態を示す要部概略側面図である。
【
図17B】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第14変形例を示す図であり、ガイド機構を示す概略側面図である。
【
図17D】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第14変形例を示す図であり、消毒ヘッド移動手段の要部概略図である。
【
図18】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第15変形例を示す図であり、消毒ヘッドと診療用テーブルの設置状態を示す要部概略斜視図である。
【
図19】本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置の第16変形例を示す診察台の要部概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100を示す図であり、診察台10に連結載置した自動シート消毒装置100の概略側面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100を示す図であり、診察台10に連結載置した自動シート消毒装置100の概略正面図である。
なお、本実施形態では、
図1及び
図2に示す診察台10において、長手方向を前後方向、幅方向を左右方向として説明する。また、各部品においても同様とする。また、以下の説明において、同一の構成のものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0012】
<診察台>
診察台10は、診察室で患者を診察する際に、患者が横たわった状態で使用するものである。診察台10は、患者が座る診察用椅子(医療用椅子)、歯科の治療時に使用される歯科診療椅子5(
図3参照)等の椅子類や、マッサージ、整骨、整体等で使用される診察用ベッド、施術用ベッド、オムツ交換ベッド等のベッド類を含む。診察台10は、ベース部11と、台座12と、マット13と、を備えて構成されている。
【0013】
ベース部11は、診察室に床面F上に設置された基台から成る。ベース部11は、台座12の下面中央部に設けられている。
台座12は、ベース部11に支持された平面視して矩形の診察台本体である。
マット13は、台座12の上に載設されたベッドである。マット13は、平面視して矩形の厚板状のクッションから成る。
【0014】
<自動シート消毒装置>
自動シート消毒装置100は、診察台10のシート面10aを消毒する装置である。自動シート消毒装置100は、消毒ヘッド2と、消毒ヘッド保持手段3と、消毒ヘッド移動手段4と、を備えて構成されている。
【0015】
<消毒ヘッド>
消毒ヘッド2は、診察台10のシート面10aを消毒するための紫外線等の光を発したり、診察台10のシート面10aを消毒するための消毒液Aを噴霧したり、消毒液を含んだスポンジや布等で拭くことで消毒する装置である。消毒ヘッド2は、消毒ヘッド本体21と、発射部(図示省略)と、距離センサ22と、を備えて構成されている。消毒ヘッド2は、診察台10のシート幅L1の全部または一部を直線上に消毒することができる機能を有している。
【0016】
ここで、「シート幅L1」とは、診察台10のシート幅方向の最長部の長さであって、左右のアームレスト(図示省略)を有する診察台10の場合は、左右のアームレスト間の長さとなる。
【0017】
消毒ヘッド本体21は、診察台10のシート面10aの上方に、診察台10の幅方向全体に亘って延設された部材から成る。消毒ヘッド本体21は、診察台10のシート面10aに対して平行に配置されている。
【0018】
発射部(図示省略)は、紫外線等の消毒用の光を発射したり、消毒用の液体を噴射したりする発射装置である。発射部(図示省略)は、消毒ヘッド本体21の下面に適宜な間隔で幅方向に配置された複数の装置から成る。
【0019】
距離センサ22は、発射部(図示省略)から診察台10のシート面10aまでの距離L2を検出するセンサである。距離センサ22は、例えば、レーザ距離センサ、超音波距離センサ、光センサ等から成る。距離センサ22は、消毒ヘッド本体21の下面の幅方向中央部に設けられている。
【0020】
<消毒ヘッド保持手段>
消毒ヘッド保持手段3は、消毒ヘッド2を診察台10のシート面10aに平行な状態に保持するための保持部材である。消毒ヘッド保持手段3は、上端部が消毒ヘッド2の下側左端部に連結され、下端部が消毒ヘッド移動手段4の左端部に連結されて、全体が平面視して矩形のマット13の左端面に平行に上下方向に延びている。消毒ヘッド保持手段3は、消毒ヘッド2を昇降させる伸縮機構31を備えている。
【0021】
伸縮機構31は、消毒ヘッド2を上昇及び下降させるための装置であり、その構造は特に限定されない。伸縮機構31は、手動式のものであっても、自動式のものであってもよい。自動式の伸縮機構31の一例を挙げると、伸縮機構31は、伸縮機構31に設けられて上下方向に延設されたラック(図示省略)と、ラックに噛合するピニオン(図示省略)と、ピニオンを回転駆動させる昇降用モータ(図示省略)と、を備えて成る。伸縮機構31には、上端部に消毒ヘッド本体21が設けられ、下端部に摺動用モータ44のモータ軸44aが回転自在に挿設され、中央部にガイド機構41が設けられている。
また、伸縮機構31は、
図7Cに示すような油圧式、空気圧式よって伸縮されるシリンダ機構で、消毒ヘッド2を昇降させるようにしてもよい。
【0022】
<消毒ヘッド移動手段>
図1及び
図2に示すように、消毒ヘッド移動手段4は、消毒ヘッド保持手段3を、消毒ヘッド保持手段3を介在してシート面10aに沿ってシート幅方向に直交する方向(長手方向)に移動させるための移動装置である。消毒ヘッド移動手段4は、消毒ヘッド保持手段3を移動させることが可能であればよく、その構造は特に限定されない。消毒ヘッド移動手段4の一例を挙げると、消毒ヘッド移動手段4は、消毒ヘッド移動手段4に設けられて消毒ヘッド移動手段4の前端部から後端部に亘って延設されたガイド機構41(例えば、スライドガイド)と、ガイド機構41の下部に設置されて消毒ヘッド移動手段4の前端部から後端部に亘って延設されたラック42と、ラック42に噛合するピニオン43と、ピニオン43を回転駆動させる摺動用モータ44と、を備えて成る。
【0023】
ガイド機構41は、台座12の左側面の前端部から後端部に亘って延設されたガイド溝41aと、ガイド溝41a内を前後方向に摺動するスライド突起41bと、を備えて構成されている。なお、ガイド機構41は、後記する第4変形例のように、スライドガイド41Da(
図7A及び
図7B参照)を使用してもよい。
【0024】
ラック42は、台座12の下面左側の前端部から後端部に亘って延設されている。
ピニオン43は、ラック42の下側に噛合して配置されている。
また、消毒ヘッド移動手段4は、歯車を使用した歯車走行に限定されず、ラック42及びピニオン43に変えてレール及びローラを使用しモータで駆動して走行するローラ走行にしてもよい。
【0025】
摺動用モータ44は、消毒ヘッド保持手段3に外側(左側)から内側(シート側)に向けて固定されている。モータ軸44aは、消毒ヘッド保持手段3を貫通してラック42に噛み合うようにピニオン43が取り付けられている。このため、モータ44(ピニオン43)が回転すると、消毒ヘッド保持手段3は、ラック42上を前後方向に走行する。ラック42に平行に設けられたガイド機構41は、溝状になっており、伸縮機構31の内側に向けて設けられたスライド突起41bがガイド溝41aにガイドされて前後方向に移動するように構成されている。
【0026】
<作用効果>
次に、
図1及び
図2を参照しながら本実施形態に係る自動シート消毒装置100の作用効果を説明する。
【0027】
このように、本発明は、
図1及び
図2に示すように、診察台10のシート面10aを消毒する自動シート消毒装置100であって、診察台10のシート幅L1の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッド2と、消毒ヘッド2を保持する消毒ヘッド保持手段3と、消毒ヘッド保持手段3をシート面10aに沿ってシート幅方向に直交する方向(長手方向)に移動可能な消毒ヘッド移動手段4と、を有している。
【0028】
かかる構成によれば、自動シート消毒装置100は、診察台10のシート幅L1の全部または一部を消毒する消毒ヘッド2を、消毒ヘッド移動手段4によって、シート面10aに沿ってシートの長手方向に移動させることができる。このため、自動シート消毒装置100は、診察用椅子、診察用ベッド等を含む診察台10全体を、人の手を使わずに自動で効率よく短時間で消毒することができる。
【0029】
なお、自動シート消毒装置100は、診察台10を要部を消毒することが可能なものであればよく、ヘッドレスト、座部、レッグレストの少なくとも何れか一つを消毒できるように構成したものであってもよい。
また、消毒ヘッド移動手段4は、消毒ヘッド2を移動させることができるものであればよく、ラック、ピニオン機構に変えて、レール、ローラ等を使用した装置であってもよい。レールとローラとを使用した場合は、レールとローラとの摩擦力によって消毒ヘッド保持手段3が前後に移動する。
【0030】
[第1変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Aの第1変形例を示す図であり、診察台10に連結載置した自動シート消毒装置100Aの概略側面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Aの第1変形例を示す図であり、診察台10に連結載置した自動シート消毒装置100Aの概略正面図である。
【0032】
前記実施形態で説明した自動シート消毒装置100は、平らな診察台10を消毒するものに限定されるものではない。
図3及び
図4に示す自動シート消毒装置100Aのように、診察台10Aのシート面10Aaは、少なくとも長手方向に1以上屈曲しているものであってもよい。
【0033】
この場合、診察台10Aは、例えば、歯科診療椅子5のように、複数箇所にシート面10Aaが屈曲可能な屈曲部10Abを有している。
図3のように、自動シート消毒装置100Aは、シート面10Aaが屈曲している場合であっても、実施形態と同様に、消毒ヘッド2を、消毒ヘッド移動手段4をシート面10Aaの高さに合わせて上下動させることで、シート面10Aaに沿って走行させることができる(
図1及び
図2参照)。この場合、ガイド機構41は、側面視してガイド溝41aがヘッドレスト53、バックレスト54、座部55及びレッグレスト56沿って屈曲しており、スライド突起41bがガイド溝41aの屈曲形状に沿って前後に移動する。
【0034】
次に、診察台10Aの一例として、歯科治療の際に、患者が座る歯科診療椅子5を例に挙げて自動シート消毒装置100Aを説明する。
自動シート消毒装置100Aは、消毒ヘッド2を消毒ヘッド移動手段4により、シート面10Aaに沿って、歯科診療椅子5のヘッドレスト53からレッグレスト56に亘って移動させて、屈曲部10Abを含めてシート面10Aa全体を消毒可能である。
【0035】
歯科診療椅子5は、ベース部51と、台座52と、ヘッドレスト53と、バックレスト54と、座部55と、レッグレスト56と、を備えて成る。歯科診療椅子5は、ヘッドレスト53と、バックレスト54と、座部55と、レッグレスト56と、のそれぞれの間に屈曲部10Abを有している。このため、歯科診療椅子5は、屈曲部10Abの屈曲角度を適宜調整することで、シート面10Aa全体を平らにしたり、斜めにしたり、屈曲させたりすることができる。
【0036】
ベース部51は、基台となる部位である。
台座52は、ベース部51上に設けられて、ヘッドレスト53と、バックレスト54と、座部55と、レッグレスト56とを支持する部材である。台座52は、例えば、ヘッドレスト53とバックレスト54とを支持する第1台座部52aと、座部55を支持する第2台座部52bと、レッグレスト56を支持する第3台座部52cと、を可動自在に連結して構成されている。このため、第1台座部52aと第2台座部52bとの間、及び、第2台座部52bと第3台座部52cとの間には、それぞれ屈曲部10Abがある。
【0037】
ヘッドレスト53は、患者の頭部を支持する部位である。
バックレスト54は、患者の背中を支持して、患者を所定の診療体位に保持する部位である。
座部55は、患者の臀部を支持する部位である。
レッグレスト56は、患者の脚部を支持する部位である。
【0038】
消毒ヘッド移動手段4は、実施形態と同様、第1台座部52aと第2台座部52bと第3台座部52cとに沿って設けられて、台座52の前端部から後端部に亘って延設されたガイド機構41(スライドガイド)と、ガイド機構41の下部に設置されて消毒ヘッド移動手段4の左端部から右端部に亘って延設されたラック42と、ラック42に噛合するピニオン43と、ピニオン43を回転駆動させる摺動用モータ44と、を備えて成る。
【0039】
本発明の第1変形例によれば、診察台10Aのシート面10Aaは、少なくとも長手方向に1以上屈曲していても、消毒ヘッド2及び消毒ヘッド保持手段3が消毒ヘッド移動手段4によって、屈曲部10Abがあるシート面10aに沿ってシートの長手方向に移動させることができる。このため、自動シート消毒装置100は歯科診療椅子5等の診察台10A全体を、人の手を使わずに自動で効率よく消毒することができる。
【0040】
この第1変形例では、ヘッドレスト53からレッグレスト56に亘って、一つの消毒ヘッド移動手段4、一つの消毒ヘッド保持手段3、及び、一つの消毒ヘッド2を設けた場合を説明したが、ガイド溝41aが屈曲の箇所ごとに分割する形で複数の消毒ヘッド移動手段4を設けてもよい。つまり、消毒ヘッド2及び消毒ヘッド保持手段3を移動させる消毒ヘッド移動手段4は、ヘッドレスト53の上端部からバックレスト54の下端部の間、座部55の前端部から後端部の間、及び、レッグレスト56の上端部から下端部の間に、それぞれ設けてもよい。
【0041】
[第2変形例及び第3変形例]
図5は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Bの第2変形例を示す図であり、診察台10の近傍に独立配置した自動シート消毒装置100Bの概略正面図である。
図6は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Cの第3変形例を示す図であり、診察台10に併設した診療装置6に連結載置した自動シート消毒装置100Cの概略正面図である。
【0042】
前記第1変形例で説明した消毒ヘッド移動手段4は、台座12に設けたものに限定されるものではない。
図2、
図5及び
図6に示す自動シート消毒装置100,100B,100Cのように、消毒ヘッド移動手段4,4B,4Cは、少なくとも診察台10に連結載置、診察台10の近傍に独立配置、あるいは、診察台10に併設した診療装置6に連結載置のいずれか一であってもよい。
【0043】
この場合、
図2に示すように、消毒ヘッド移動手段4は、診察台10の下方にスライドガイド等のガイド機構41を設けて診察台10に連結載置してもよい。
【0044】
また、
図5に示す自動シート消毒装置100Bのように、消毒ヘッド移動手段4Bは、診察台10の近傍に独立配置してもよい。
【0045】
この場合、消毒ヘッド移動手段4Bは、直接床面Fに配置してもよいし、消毒ヘッド保持手段3の下端に設けられて、床面Fを走行することが可能な車輪47Bからなる走行手段45Bを設けてもよい。
【0046】
また、走行手段45Bは、自動で走行するようにしてもよい。自動走行可能な走行手段45Bは、走行モータ46Bと、走行モータ46Bによって回転及び反転して消毒ヘッド保持手段3Bを前進及び後退させる車輪47Bと、を備えて構成されている。走行手段45Bは、診療室内を記録した地図を内蔵したり、カメラで診療室内を観察して複数の診察台10を探して、消毒ヘッド2を各々の診察台10に対して移動させて所定の動作で消毒作業をさせるようにしてもよい。
車輪47Bは、所定の位置でストッパによって回転するのを固定することが可能なキャスタ等から成る。車輪47Bは、消毒ヘッド保持手段3Bの配置台32Baの左右下端部に複数設けられている。
【0047】
消毒ヘッド保持手段3Bは、配置台32Baに設けた油圧式、空気圧式あるいは電動式の駆動源によって伸縮されるシリンダ機構32Bで、消毒ヘッド2を昇降させるようにしてもよい。
【0048】
また、
図6に示す自動シート消毒装置100Cのように、消毒ヘッド移動手段4Cは、診察台10に併設した診療装置6に連結載置してもよい。
【0049】
この場合、消毒ヘッド移動手段4Cは、診察台10に併設した診療用テーブル61等の診療装置6に設けて、診療用テーブル61に連結載置してもよい。消毒ヘッド移動手段4Cは、伸縮機構31の下端から診療用テーブル61内に突設されたガイド機構41(例えば、逆L字形状のスライドガイド)と、ガイド機構41に設けられた摺動用モータ44と、摺動用モータ44によって回転されるピニオン43と、ピニオン43に噛合するラック42と、を備えて成る。
診療装置6は、歯科、耳鼻科、眼科等の医療の診断・治療を行うのに使用される装置であり、例えば、診療用テーブル61から成る。診療装置6は、診察台10の近傍に配置された装置であればよく、その構造、種類等は特に限定されない。
【0050】
本発明の第2変形例及び第3変形例によれば、消毒ヘッド移動手段4,4B,4Cは、診察台10の近傍に独立配置、診察台10に連結載置、あるいは、診察台10に併設した診療装置6に連結載置したことで、診察台10のシート面10aの上方を長手方向にスムーズに移動させることが可能になる。
【0051】
[第4変形例]
図7Aは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Dの第4変形例を示す図であり、診察台10Dに連結載置した自動シート消毒装置100Dの概略側面図である。
図7Bは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Dの第4変形例を示す図であり、ガイド機構41Dを示す要部概略斜視図である。
図7Cは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Dの第4変形例を示す図であり、伸縮機構31Dを示す要部概略縦断面図である。
図7Dは、
図7CのVII-VII拡大断面図である。
【0052】
図7Aまたは
図7Cに示すように、消毒ヘッド保持手段3Dは、消毒ヘッド2Dと、シート面10Daとの距離L2を可変可能にする伸縮機構31Dを有していてもよい。
【0053】
この場合、前記実施形態で説明した歯科診療椅子5は、
図7Aに示す歯科診療椅子5Dのように、患者の左右の腕を支持するアームレスト57Dを備えたものであってもよい。
消毒ヘッド2Dは、紫外線を照射したり、消毒液Aを噴射したりする装置に限定されない。消毒ヘッド2Dは、アルコール液等の消毒液Aを含んだ消毒ヘッド本体21Dで、シート面10Daを拭き取って殺菌する拭き取り方式のものであってもよい。
【0054】
また、伸縮機構31Dは、歯科診療椅子5Dにアームレスト57Dを備えたものであっても、消毒ヘッド本体21Dをシート面10Daに密着させた状態で歯科診療椅子5Dの長手宝方向に移動可能にするために、消毒ヘッド2Dを昇降可能にするための装置である。
図7Cに示すように、伸縮機構31Dは、例えば、消毒ヘッド本体21Dに連結されたピストンロッド31Dbを有するピストン31Daと、ピストン31Daを進退自在に収容したシリンダ31Dcと、シリンダ31Dcに油圧を供給する油圧供給装置31Dfと、を備えた油圧シリンダ機構から成る。
【0055】
油圧供給装置31Dfは、上昇用油圧供給管31Dgと、下降用油圧供給管31Dhと、上昇用油圧供給管31Dg及び下降用油圧供給管31Dhに設けられた開閉弁31Di,31Djと、を備えている。
上昇用油圧供給管31Dgは、シリンダ31Dcの上昇用ポート31Ddに油圧を供給してピストン31Da、ピストンロッド31Db及び消毒ヘッド本体21Dを上昇させるための配管である。
下降用油圧供給管31Dhは、シリンダ31Dcの下降用ポート31Deに油圧を供給してピストン31Da、ピストンロッド31Db及び消毒ヘッド本体21Dを下降させるための配管である。
【0056】
なお、伸縮機構31Dは、消毒ヘッド2Dを昇降させる装置であればよく、シリンダ方式に限らず、実施形態の伸縮機構31(
図1及び
図2参照)のようなラック・ピニオン機構や、昇降用モータを使って上昇下降させるものであってもよい。
【0057】
このように、消毒ヘッド保持手段3Dは、
図7Aに示す伸縮機構31Dを有することで、消毒ヘッド2Dとシート面10Daとの距離L2を可変させて、アームレスト57Dの高さに対応させて消毒ヘッド本体21Dを昇降させることができる。このため、自動シート消毒装置100Dは、アームレスト57Dを有する歯科診療椅子5Dであっても、消毒ヘッド2Dを伸縮機構31Dで昇降させて、アームレスト57Dのシート面10Daの高さに合わせながら長手方向に移動させて拭き取って殺菌することができる。
【0058】
また、
図7A及び
図7Bに示すように、消毒ヘッド移動手段4Dは、診察台10Dの側面(長手方向)に沿って設けたガイド機構41Dに、消毒ヘッド保持手段3Dを連結してもよい。
【0059】
この場合、ガイド機構41Dは、殺菌するシート面10Daの高さ、及び、歯科診療椅子5Dの左右方向の幅の大きさに合わせて、スライドガイド41Daが曲がって形成されている。スライドガイド41Daの上には、消毒ヘッド保持手段3Dの伸縮機構31Dの下面に設けられたスライダ33Dがスライドガイド41Da上を移動自在に載置されている。
【0060】
スライダ33Dは、水平なテーブル状の板部材から成る。スライダ33Dの下面には、スライドガイド41Daの左右端部に係合する複数のベアリング34Dが設けられている。
【0061】
このように、消毒ヘッド移動手段4Dは、診察台10Dの側面に沿って設けたガイド機構41Dに、消毒ヘッド保持手段3Dを連結したことで、消毒ヘッド2Dを診察台10Dのシート面10Daに沿って平行に移動させることができる。このため、高さが変化しているシート面10Daであっても、消毒ヘッド2Dで拭き取って殺菌することができる。
【0062】
また、
図7A、
図7Cあるいは
図7Dに示すように、消毒ヘッド2Dは、距離センサ22Dを有し、距離センサ22Dとシート面10Daとの間の距離L2を一定に保つために、消毒ヘッド2の高さまたは診察台10Dの高さを自動制御可能にしてもよい。
【0063】
この場合、距離センサ22Dは、消毒ヘッド2Dの中央部の上面、下面、左側側面及び右側側面に設けられている。このため、距離センサ22Dは、診察台Dが屈曲していたり、アームレスト57Dがあったりしても、距離センサ22Dからシート面10Daまでの距離L2を正確に計測することができる。例えば、アームレスト57Dの下面を消毒ヘッド2Dが移動する場合、消毒するアームレスト57Dの下面に対面して配置された距離センサ22Dによって、アームレスト57Dの下面と消毒ヘッド2Dとの間の距離をL2に保つように自動制御する。
なお、距離センサ22Dは、シート面10Daのエッジラインを検出するセンサや、シート面10Da等に設けたラインを検出するカメラ等であってもよい。
【0064】
本発明の第4変形例によれば、自動シート消毒装置100Dは、距離センサ22Dを有することで、距離センサ22Dとシート面10Daとの間の距離L2を測定して一定に保つことができる。このため、自動シート消毒装置100Dは、距離センサ22Dで測定した前記距離L2に基づいて、消毒ヘッド移動手段4D及び伸縮機構31Dを制御して消毒ヘッド2の高さ、または、診察台10Dの高さを自動制御して移動させることができる。なお、歯科診療椅子5Dの場合、座面の高さを可変する昇降機構が付いているので、距離センサ22Dにより診察台10Dの高さを自動制御してもよい。
【0065】
[第5変形例]
図8は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Eの第5変形例を示す図であり、診察台10Aの近傍に独立配置した自動シート消毒装置100Eの概略側面図である。
【0066】
前記実施形態で説明した消毒ヘッド移動手段4は、
図8に示す消毒ヘッド移動手段4Eのように、診察台10A、または、床面Fに設けた多段水平伸縮機構7に消毒ヘッド保持手段3を連結したものであってもよい。
【0067】
この場合、
図8に示すように、多段水平伸縮機構7は、例えば、伸縮機構31を取り付ける台座である伸縮機構取付台310に設けられている。伸縮機構取付台310は、伸縮機構取付台310を移動させるための車輪311と、車輪311の回転を抑止するためのストッパ(図示省略)と、を有している。なお、消毒ヘッド移動手段4Eは、床面Fに固定配置する場合や、持ち運び配置する場合は車輪311を設けなくともよい。
【0068】
多段水平伸縮機構7は、固定部材71と、第1伸縮部材72と、第2伸縮部材73と、第3伸縮部材74と、第1モータM1と、第2モータM2と、第3モータM3と、第1ボールねじ75と、第2ボールねじ76と、第3ボールねじ77と、を備えて成る。
【0069】
固定部材71は、伸縮機構取付台310に水平に設けられた基板部材である。固定部材71の中央部には、第1モータM1が設けられている。
第1伸縮部材72は、固定部材71上に前後方向に摺動自在に載置された摺動部材である。第1伸縮部材72は、第1モータM1のロータ歯車に噛合して、第1モータM1によって第1伸縮部材72と共に前後方向に進退する第1ボールねじ75と、第2モータM2と、を備えている。
【0070】
第2伸縮部材73は、第1伸縮部材72上に前後方向に摺動自在に載置された摺動部材である。第2伸縮部材73は、第2モータM2のロータ歯車に噛合して、第2モータM2によって第2伸縮部材73と共に前後方向に進退する第2ボールねじ76と、第3モータM3と、を備えている。
【0071】
第3伸縮部材74は、第2伸縮部材73上に前後方向に摺動自在に載置された摺動部材である。第3伸縮部材74は、第3モータM3のロータ歯車に噛合して、第3モータM3によって第3伸縮部材74と共に前後方向に進退する第3ボールねじ77を備えている。
【0072】
第1モータM1と第2モータM2と第3モータM3とは、制御装置(図示省略)を介して操作スイッチ(図示省略)に接続されている。
【0073】
なお、本発明の第5変形例の場合、消毒ヘッド2には、消毒ヘッド本体21をシート面10Aaに平行になるように手動、或いは、自動で消毒ヘッド本体21の角度を可変できるようにするための角度調整機構を設けてもよい。
【0074】
本発明の第5変形例によれば、消毒ヘッド移動手段4Eは、多段水平伸縮機構7に消毒ヘッド保持手段3を連結していることにより、多段水平伸縮機構7が水平方向に伸縮することで、消毒ヘッド保持手段3を移動させることができる。
【0075】
[第6変形例]
図9は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Fの第6変形例を示す図であり、診察台10Aの近傍に独立配置した自動シート消毒装置100Fの概略側面図である。
【0076】
前記第5変形例で説明した消毒ヘッド移動手段4E(
図8参照)は、これに限定されず、さらに、
図9に示す消毒ヘッド移動手段4Fのように、診察台10A、または、床面Fに昇降機構8を介して設けた多段水平伸縮機構7に、消毒ヘッド保持手段3を連結してもよい。
【0077】
この場合、昇降機構8は、多段水平伸縮機構7の固定部材71を上下方向に移動させることが可能な装置であればよく、その構造等は特に限定されない。その一例を挙げると、昇降機構8は、
図7Cに示す伸縮機構31Dのようなシリンダ機構から成る。
【0078】
本発明の第6変形例によれば、消毒ヘッド移動手段4Eは、多段水平伸縮機構7を昇降させる昇降機構8を設けたことで、消毒する箇所に応じて、消毒ヘッド2を自動的に前後方向に移動させたり、上下方向に移動させたりすることが可能となる。
【0079】
[第7変形例]
図10は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Gの第7変形例を示す図であり、診察台10Aの近傍に独立配置した自動シート消毒装置100Gの概略側面図である。
【0080】
前記第5変形例で説明した消毒ヘッド移動手段4E(
図8参照)は、これに限定されず、さらに、
図10に示す消毒ヘッド移動手段4Gのように、床面Fを走行可能にする自動走行手段300を有しているものであってもよい。
【0081】
この場合、自動走行手段300の伸縮機構取付台310には、車輪311を回転、反転させることで前後方向に走行させる走行モータMを備えている。走行モータMは、不図示のロータ軸にロータリエンコーダを備え、予め設定した基準位置を0として駆動するように構成されている。
【0082】
本発明の第7変形例によれば、消毒ヘッド移動手段4Gは、消毒ヘッド移動手段4Gを走行させる自動走行手段300を有していることで、消毒する箇所に応じて、走行モータMを正逆回転させることで、消毒ヘッド2を自動的に前後方向に移動させることができる。
【0083】
[第8変形例]
図11は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Hの第8変形例を示す図であり、診察台10Aの近傍に独立配置した自動シート消毒装置100Hの概略正面図である。
【0084】
前記第5変形例で説明した消毒ヘッド移動手段4E(
図8参照)は、これに限定されず、さらに、
図11に示す消毒ヘッド移動手段4Hのように、診察台10Aの側面(長手方向)に沿って設けたガイド機構41に角度可変可能に前記消毒ヘッド保持手段3を連結してもよい。
【0085】
この場合、消毒ヘッド保持手段3の伸縮機構31の基端部(下端部)と、消毒ヘッド移動手段4のガイド機構41の端部との連結部には、伸縮機構31をバックレスト54の傾き角度に合わせて角度θ1傾動させるための傾動装置35を備えている。傾動装置35は、軸部351と、減速歯車352と、駆動歯車353と、モータ354と、ロータリエンコーダ(図示省略)と、を備えて成る。
【0086】
軸部351は、伸縮機構31の基端部に設けられた回動軸である。軸部351は、伸縮機構31の揺動と一体に回動するように設けられている。
減速歯車352は、軸部351に一体に設けられた歯車である。減速歯車352は、モータの回転を減速させて、伸縮機構31の軸部351を中心に揺動させるための減速歯車機構を構成している。
駆動歯車353は、モータ354によって回転して、その回転を噛合している減速歯車352に伝達するため歯車である。
モータ354は、駆動歯車353を回転駆動させるの動力源である。
ロータリエンコーダ(図示省略)は、モータ軸の回転角度を検出するためのセンサである。ロータリエンコーダ(図示省略)及びモータ354は、制御装置に接続されている。
【0087】
なお、消毒ヘッド2は、消毒ヘッド回転機構(図示省略)が設けられており、伸縮機構31をバックレスト54の傾き角度に合わせて角度θ1傾動させ場合に、消毒ヘッド回転機構によって消毒ヘッド2の消毒面をバックレスト54のシート面10Aaに平行になるようになっている。
【0088】
本発明の第8変形例によれば、消毒ヘッド移動手段4Hは、消毒ヘッド保持手段3をガイド機構41に角度可変可能に設けたことで、消毒ヘッド2及び伸縮機構31をバックレスト54の傾き角度に合わせて移動させて、消毒することができる。
【0089】
[第9変形例]
図12Aは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Iの第9変形例を示す図であり、診察台10Aの近傍に独立配置した自動シート消毒装置100Iで消毒しているときの消毒時の状態を示す概略正面図である。
図12Bは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Iの第9変形例を示す図であり、診察台10Aの近傍に独立配置した自動シート消毒装置100Iの消毒ヘッド2を消毒ヘッド保持手段3側に回動させる前の状態を示す概略平面図である。
図12Cは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Iの第9変形例を示す図であり、消毒ヘッド2を消毒ヘッド保持手段3側に回動させたときの状態を示す概略正面図である。
図12Dは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Iの第9変形例を示す図であり、消毒ヘッド2を歯科診療椅子5の下に格納するときの状態を示す概略正面図である。
【0090】
また、
図12A~12Dに示す自動シート消毒装置100Iのように、消毒ヘッド2は、診療時の邪魔にならないようにシート面10Aaの上方以外に格納することが可能なものであってもよい。
【0091】
この場合、
図12A及び
図12Bに示すように、消毒ヘッド2と消毒ヘッド保持手段3との連結部には、消毒ヘッド2を回動させるための回転機構36が設けられている。回転機構36は、消毒ヘッド2の基端部に設けられた軸部(図示省略)と、その軸部に設けられた減速歯車361と、減速歯車機構を有し減速歯車361を回転させる駆動モータ362と、ロータリエンコーダ(図示省略)と、を備えて成る。
【0092】
図12A、
図12C及び
図12Dに示すように、消毒ヘッド保持手段3は、伸縮機構31を備えて、消毒ヘッド2を上昇及び下降させることができる。
図12Dに示すように、消毒ヘッド2を回動可能に支持した消毒ヘッド保持手段3は、移動可能な伸縮機構取付台310に保持されて、伸縮機構取付台310を移動させることで、一体に移動される。このため、消毒ヘッド2、消毒ヘッド保持手段3及び伸縮機構取付台310は、診察台10Aの下等のシート面10Aa以外の場所に移動させて保管させることが可能である。
【0093】
本発明の第9変形例によれば、消毒ヘッド2とシート面10Aaとの距離L2は、診療用テーブル61の高さの調整または歯科診療椅子5の高さの調整により可変可能に構成されている。このため、消毒ヘッド2は、診療時に邪魔にならないように、シート面10Aaの上方から移動させて、シート面10Aaの上方以外の場所に格納することが可能となる。
【0094】
[第10変形例]
図13Aは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Jの第10変形例を示す図であり、消毒ヘッド2Jを示す説明図である。
図13Bは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Jの第10変形例の消毒ヘッド2Jの変形例を示す説明図である。
【0095】
前記実施形態で説明した消毒ヘッド2(
図1及び
図2参照)は、
図13A及び
図13Bに示す消毒ヘッド2Jのように、消毒液Aをしみ込ませたスポンジや布等の保水性部材2Jbでシート面10a(
図1及び
図2参照)を拭き取る拭き取り方式で構成してもよい。
【0096】
この場合、
図13A、
図13Bに示すように、消毒ヘッド2Jは、左右方向に延設された板状の芯材2Jaと、芯材2Jaの下面に固着されたスポンジや布等の保水性部材2Jbと、で構成されている。消毒ヘッド2Jは、
図1及び
図2に示す実施形態の消毒ヘッド2と同様、消毒ヘッド保持手段3と消毒ヘッド移動手段4とによって、昇降、及び、前後方向に移動可能になっている。
【0097】
保水性部材2Jbは、
図13Aに示すように、タンク21J内のアルコール液等の消毒液Aが消毒液供給管22J、開閉弁23Jを介在して供給されて、保水性部材2Jb全体に消毒液Aがしみ込んでいる。開閉弁23Jは、絞り機構が付いており、消毒ヘッド2Jに供給する消毒液Aの流量を制御することが可能になっている。
【0098】
あるいは、
図13Bに示すように、保水性部材2Jbは、アルコール液等の消毒液Aをポンプ24Jによって消毒液供給管25Jを介在して供給されて、保水性部材2Jb全体に消毒液Aがしみ込んでいるようにしてもよい。
【0099】
本発明の第10変形例によれば、消毒ヘッド2Jは、消毒液Aをしみ込ませた保水性部材2Jbでシート面10a(
図1及び
図2参照)を拭き取ることにより、シート面10aを殺菌することができる。
【0100】
なお、消毒ヘッド2Jは、シート面10a(
図1及び
図2参照)に対して、それぞれのシート面10aの形状及び配置状態に合わせて複数の種類のものを並列して配置し、任意のものを適宜選択して使用してもよい。
【0101】
[第11変形例]
図14は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Kの第11変形例を示す図であり、消毒ヘッド2Kを示す説明図である。
【0102】
前記実施形態で説明した消毒ヘッド2(
図1及び
図2参照)は、
図14に示す消毒ヘッド2Kのように、消毒液Aをシート面10a(
図1及び
図2参照)に噴出して殺菌する噴射方式で構成してもよい。
【0103】
また、消毒ヘッド2Kは、当該消毒ヘッド2Kのシート幅方向の全部または一部による消毒が可能な消毒領域可変手段(開閉弁23K,25K)を備えているものであってもよい。
【0104】
この場合、
図14に示すように、消毒ヘッド2Kは、左右方向に延設された板状の芯材2Kaと、芯材2Kaの下部に取り付けられて消毒液Aを噴出するスプレイ孔2Keを有するノズル2Kb,2Kc,2Kdと、を備えて成る。消毒ヘッド2Kは、
図1及び
図2に示す実施形態の消毒ヘッド2と同様、消毒ヘッド保持手段3と消毒ヘッド移動手段4とによって、昇降、及び、前後方向に移動可能になっている。
【0105】
図14に示すように、ノズル2Kbは、芯材2Kaの左右方向の下部中央部に配置されて、シート面10a(
図1及び
図2参照)の幅方向の中央部位の領域aに消毒液Aを噴射する横長のスプレイノズルから成る。ノズル2Kbは、密閉タンク21K内のアルコール液等の消毒液Aがスプレイ管路22K、開閉弁23Kを介在して供給されて、シート面10a(
図1及び
図2参照)上に噴射する。
【0106】
ノズル2Kc,2Kdは、芯材2Kaの左右方向の下部中央に配置されたノズル2Kbの左右に隣設されて、シート面10a(
図1及び
図2参照)の左側部位の領域b、右側部位の領域cに消毒液Aを噴射する横長のスプレイノズルから成る。ノズル2Kc,2Kdは、密閉タンク21K内のアルコール液等の消毒液Aがスプレイ管路24Kを介在して供給されて、シート面10a(
図1及び
図2参照)上に噴射する。
【0107】
開閉弁23K,25Kは、絞り機構が付いており、流量を制御することが可能になっている。このため、開閉弁23K,25Kは、バルブを開閉制御することで、消毒液Aを噴射するノズル2Kb,2Kc,2Kdを選択可能になっている。例えば、開閉弁25Kを開弁し、開閉弁23Kを閉弁した場合は、左右のノズル2Kc,2Kdから消毒液Aを噴射してシート面10aの領域b,cのみを殺菌可能である。また、開閉弁23K,25Kを開弁した場合は、全部のノズル2Kb,2Kc,2Kdから消毒液Aを噴射してシート面10a(
図1及び
図2参照)全体の領域a,b,cを消毒することが可能である。
【0108】
本発明の第11変形例によれば、消毒ヘッド2Kは、消毒液Aをシート面10a(
図1及び
図2参照)上に噴射することにより、シート面10a(
図1及び
図2参照)を殺菌することができる。
【0109】
また、消毒ヘッド2Kは、消毒領域可変手段(開閉弁23K)を備えていることで、消毒ヘッド2Kのシート幅方向の全部または一部のノズル2Kb,2Kc,2Kdから消毒液Aを噴射してシート面10a(
図1及び
図2参照)の適宜な範囲を消毒することが可能である。
【0110】
なお、消毒ヘッド2Kは、シート面10a(
図1及び
図2参照)に対して、それぞれのシート面10aの形状及び配置状態に合わせて複数の種類のものを並列して配置し、任意のものを適宜選択して使用してもよい。
【0111】
[第12変形例]
図15は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Lの第12変形例を示す図であり、消毒ヘッド2Lを示す説明図である。
【0112】
前記実施形態で説明した消毒ヘッド2(
図1及び
図2参照)は、
図15に示す消毒ヘッド2Lのように、シート面10a(
図1及び
図2参照)に付着している塵埃や細菌、ウイルスなどを吸引するための吸引装置21Lを備えていてもよい。
【0113】
また、消毒ヘッド2Lは、消毒ヘッド2Lのシート幅方向の全部または一部の吸引が可能な吸引領域可変手段(開閉弁23L,25L)を備えていてもよい。
【0114】
この場合、
図15に示すように、消毒ヘッド2Lは、前記第12変形例の消毒ヘッド2K(
図14参照)のノズル2Kb,2Kc,2Kdに代えて、吸引するための吸込口ヘッド部2Lb,2Lc,2Ldを有している。
吸込口ヘッド部2Lbは、バキューム管路22L、開閉弁23Lを介在して吸引装置21Lに接続されて、シート面10a(
図1及び
図2参照)に付着している塵埃や細菌、ウイルスなどを吸引装置21Lによって吸引することができる。
【0115】
吸込口ヘッド部2Lc,2Ldは、バキューム管路24L、開閉弁25Lを介在して吸引装置21Lに接続されて、シート面10a(
図1及び
図2参照)に付着している塵埃や細菌、ウイルスなどを吸引装置21Lによって吸引することができる。
【0116】
開閉弁23L,25L(吸引領域可変手段)は、絞り機構が付いており、バキューム管路22L,24Lを流れる気流の流量を制御することが可能になっている。このため、開閉弁23L,25Lは、バルブを開閉制御することで、吸引する吸込口ヘッド部2Lb,2Lc,2Ldを選択可能になっている。例えば、開閉弁23Lのみを閉弁した場合は、中央部の吸込口ヘッド部2Lbの吸引口から塵埃や細菌を吸引することが可能である。また、開閉弁25Lのみを開弁した場合は、左右の吸込口ヘッド部2Lc,2Ldの吸引口から細菌等を吸引することができる。また、開閉弁23L,25Lを開弁した場合は、全部の領域a,b,cの吸込口ヘッド部2Lb,2Lc,2Ldの吸引口から細菌等を吸引することができる。
【0117】
本発明の第12変形例によれば、消毒ヘッド2Lは、吸引装置21Lを備えていることで、シート面10a(
図1及び
図2参照)に付着している塵埃や細菌、ウイルスなどを吸込口ヘッド部2Lb,2Lc,2Ldの吸引口から吸引して清掃及び消毒することができる。
【0118】
また、消毒ヘッド2Lは、吸引領域可変手段(開閉弁23L,25L)を備えていることで、消毒ヘッド2Lのシート幅方向の全部または一部から塵埃や細菌、ウイルスなどを吸引して清掃及び消毒することができる領域a,b,cを選択できる。
【0119】
なお、消毒ヘッド2Lは、シート面10a(
図1及び
図2参照)に対して、それぞれのシート面10aの形状及び配置状態に合わせて複数の種類のものを並列して配置し、任意のものを適宜選択して使用してもよい。
【0120】
[第13変形例]
図16は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Mの第13変形例を示す図であり、消毒ヘッド2Mを示す説明図である。
【0121】
前記実施形態で説明した消毒ヘッド2(
図1及び
図2参照)は、
図16に示す消毒ヘッド2Mのように、紫外線照射手段2Mbによってシート面10a(
図1及び
図2参照)に紫外線を照射して殺菌する照射方式で構成してもよい。
【0122】
また、消毒ヘッド2Mは、消毒ヘッド2Mのシート幅方向の全部または一部による消毒が可能な消毒領域可変手段(点消灯スイッチSW1,SW2,SW3)を備えているものであってもよい。
【0123】
この場合、紫外線照射手段2Mbは、紫外線を発する紫外線照射LED、エキシマランプ等の紫外線照射灯から成る。紫外線照射手段2Mbは、シート幅方向(左右方向)に延設された芯材2Maの下面に予め設定した所定間隔で複数配置して成る。紫外線照射手段2Mbは、シート面10a(
図1及び
図2参照)のシート幅方向の中央の照射領域aを照射する複数の紫外線照射灯と、左側の照射領域bを照射する複数の紫外線照射灯と、右側の照射領域cを照射する複数の紫外線照射灯と、に区分されている。各照射領域a,b,cを照射するそれぞれの紫外線照射手段2Mbは、それぞれの点消灯スイッチSW1,SW2,SW3(消毒領域可変手段)の操作によって点灯され、点消灯スイッチSW1,SW2,SW3の開閉操作によって照射する照射領域a,b,cを選択可能になっている。
【0124】
本発明の第3変形例によれば、消毒ヘッド2Mに紫外線照射手段2Mbを設けたことで、紫外線照射手段2Mbによってシート面10a(
図1及び
図2参照)に紫外線を照射して殺菌することができる。
【0125】
また、消毒ヘッド2Mは、消毒領域可変手段(点消灯スイッチSW1,SW2,SW3)を備えていることで、消毒ヘッド2Mのシート幅方向の全部または一部の領域a,b,cによる消毒を適宜選択して行うことができる。
【0126】
なお、消毒ヘッド2Mは、シート面10a(
図1及び
図2参照)に対して、それぞれのシート面10aの形状及び配置状態に合わせて複数の種類のものを並列して配置し、任意のものを適宜選択して使用してもよい。
【0127】
[第14変形例]
図17Aは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Nの第14変形例を示す図であり、診察台10Aに併設した診療装置6に連結載置した自動シート消毒装置100Nの消毒ヘッド移動手段4Nの設置状態を示す要部概略側面図である。
図17Bは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Nの第14変形例を示す図であり、診察台10Aに併設した診療装置6に連結載置した自動シート消毒装置100Nのガイド機構41Nを示す概略側面図である。
図17Cは、
図17AのVIII-VIII概略拡大断面図である。
図17Dは、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Nの第14変形例を示す図であり、消毒ヘッド移動手段4Nの要部概略図である。
【0128】
また、第1変形例の消毒ヘッド移動手段4(
図3参照)は、
図17A~
図17Dに示す消毒ヘッド移動手段4Nように、診察台10Aに併設する診療装置6に設けたガイド機構41Nに消毒ヘッド保持手段3Nを連結してもよい。
【0129】
図17Aに示すように、診療装置6は、その構造、種類等は特に限定されない。診療装置6は、例えば、歯科用治療ユニット1のアシスタントユニット15等である。
図17Cに示すように、消毒ヘッド2Nは、基端部側が、ユニットカバー15a,15b間に支持された消毒ヘッド保持手段3Nを介在して消毒ヘッド移動手段4Nのチェーン43Nに固定されたチェーン連結部42Nに連結されている。消毒ヘッド2Nは、ユニットカバー15a,15bから診察台10Aのシート面10Aaの幅方向に延設されている。なお、消毒ヘッド2Nは、形状を適宜変更することで、アシスタントユニット15の消毒も可能にする。
【0130】
図17A及び
図17Bに示すように、消毒ヘッド移動手段4Nは、ガイド機構41Nを側面視して診察台10Aのシート面10Aaに沿って設けて、消毒ヘッド2Nをシート面10Aaに沿って移動させる装置である。消毒ヘッド移動手段4Nは、前記チェーン連結部42Nと、チェーン43Nと、第1歯車44Naと、第2歯車44Nbと、第3歯車44Ncと、第4歯車44Ndと、第5歯車44Neと、第6歯車44Nfと、モータ45Nと、を備えて成る。
【0131】
図17Bに示すように、チェーン43Nは、チェーン43Nと、第1歯車44Naと、第2歯車44Nbと、第3歯車44Ncと、第4歯車44Ndと、第5歯車44Neと、第6歯車44Nfと、モータ45Nとに巻き掛けるようにして噛合している。チェーン43Nの上側は、シート面10Aaに沿って設けられて、チェーン連結部42N、消毒ヘッド保持手段3N及び消毒ヘッド2Nをシート面10Aaに沿って長手方向に移動させる。
図17A及び
図17Bに示すように、第1歯車44Naは、側面視してバックレスト54の上部側方に設けられている。第2歯車44Nbと第5歯車44Neは、側面視してバックレスト54と座部55との連結部の側方に設けられている。第3歯車44Ncと第6歯車44Nfは、側面視して座部55とレッグレスト56との連結部の側方に設けられている。第4歯車44Ndは、側面視してレッグレスト56の下端部の側方に設けられている。
【0132】
モータ45Nは、第1歯車44Naから第6歯車44Nfのうちのいずれか一つの歯車にモータ歯車を噛合させてチェーン43Nを駆動させるための駆動源である。
図17Bでは、その一例としてモータ45Nを第4歯車44Ndの軸部に設けて、第4歯車44Ndを回転駆動させてチェーン43Nを駆動させる場合を示している。
【0133】
本発明の第15変形例によれば、消毒ヘッド移動手段4Nは、診察台10Aに併設する診療装置6にガイド機構41Nを設けたことで、自動シート消毒装置100N全体を診察台10Aから離間した位置に配置することができる。
【0134】
[第15変形例]
図18は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Pの第15変形例を示す図であり、診察台10Aに併設した診療装置6に連結載置した自動シート消毒装置100Pの消毒ヘッド2と診療用テーブル61の設置状態を示す要部概略斜視図である。
【0135】
また、第1変形例の消毒ヘッド2(
図3及び
図4参照)は、
図18に示す消毒ヘッド2のように、診察台10Aに併設する診療用テーブル61に保持され、消毒ヘッド移動手段4Pは、診療用テーブル61の駆動機構62によって診察台10Aの(長手方向)側面に沿って移動し、消毒ヘッド2とシート面10Aaとの距離L2は、診療用テーブル61の高さの調整または歯科診療椅子5の高さの調整により可変可能に構成してもよい。
【0136】
この場合、診察台10A(歯科診療椅子5)を支えるベース部51は、歯科診療椅子5の高さを自由に調整することができる昇降機構58を有している。
診療用テーブル61は、診療用テーブル61の高さを調整したり、診療用テーブル61を床面Fに設けたレール63に沿って前後方向にスライドさせたりすることが可能な駆動機構62を有している。
【0137】
本発明の第15変形例によれば、消毒ヘッド移動手段4Pは、消毒ヘッド2を診療用テーブル61の駆動機構62によって診察台10Aの側面に沿って移動させることができる。さらに、消毒ヘッド2は、シート面10Aaとの距離L2を、診療用テーブル61の高さの調整または歯科診療椅子5の高さの調整によって可変させることができる。消毒ヘッド2は、シート面10Aaの高さに合わせて自由に調整して、消毒をすることができる。
【0138】
[第16変形例]
図19は、本発明の実施形態に係る自動シート消毒装置100Qの第16変形例を示す図であり、診察台10Aに併設した診療装置6に連結載置した自動シート消毒装置100Qの要部概略斜視図である。
【0139】
前記第9変形例の消毒ヘッド2(
図12~
図12C参照)は、
図19に示す消毒ヘッド2Qのように、診療時の邪魔にならないようにシート面10Aaの上方以外に格納してもよい。
【0140】
この場合、
図19に示すように、消毒ヘッド2Qは、診療用テーブル61に回動自在及び前後方向に移動自在に設けられて、消毒ヘッド駆動機構64によって、水平方向に回動したり、前後方向に移動したりすることが可能になっている。
【0141】
本発明の第16変形例によれば、消毒ヘッド2Qは、診療用テーブル61に水平方向に回動可能、及び、前後方向に移動可能に設けられている。このため、診療時に邪魔にならないように、シート面10Aaの上方から移動させて、シート面10Aaの上方以外の場所に格納することができる。
【0142】
[その他の変形例]
例えば、本発明に係る自動シート消毒装置の一例として、診察台10を消毒する場合を例に挙げて説明したが、医療以外に使用されるベンチシートや椅子や台やテーブルや机等であっても消毒することが可能である。
【0143】
また、
図11に示す本発明の第8変形例の傾動装置35は、一例であって適宜変更しても構わない。例えば、傾動装置35は、リンク機構を使用して伸縮機構31及び消毒ヘッド2を傾動させてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 歯科用治療ユニット
2,2D,2J,2L,2M,2K,2M,2N,2Q 消毒ヘッド
2Jb 保水性部材
2Mb 紫外線照射手段
3,3B,3D,3N 消毒ヘッド保持手段
4,4B,4C,4D,4E,4F,4G,4H,4L,4N,4P 消毒ヘッド移動手段
5,5D 歯科診療椅子
6 診療装置
7 多段水平伸縮機構
8 昇降機構
10,10A,10D 診察台
10a,10Aa,10Da シート面
21L 吸引装置
22D 距離センサ
23J,23K,25K 開閉弁(消毒領域可変手段)
23L,25L 開閉弁(吸引領域可変手段)
31D 伸縮機構
41,41D,41N ガイド機構
100,100A~100N,100P,100Q 自動シート消毒装置
A 消毒液
F 床面
L1 診察台のシート幅
L2 消毒ヘッドとシート面との距離
【手続補正書】
【提出日】2022-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、
前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、
前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、
前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、
前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台に併設する診療装置に設けたガイド機構に前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
を特徴とする自動シート消毒装置。
【請求項2】
診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、
前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、
前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、
前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、
前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台、または、床面に設けた多段水平伸縮機構に前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
を特徴とする自動シート消毒装置。
【請求項3】
診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、
前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、
前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、
前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、
前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台、または、床面に昇降機構を介して設けた多段
水平伸縮機構に、前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
を特徴とする自動シート消毒装置。
【請求項4】
診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、
前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、
前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、
前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、
前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台の側面に沿って設けたガイド機構に角度可変可能に前記消毒ヘッド保持手段を連結していること、
を特徴とする自動シート消毒装置。
【請求項5】
診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、
前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、
前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、
前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、
前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、
前記消毒ヘッドは、前記診察台に併設する診療用テーブルに保持され、
前記消毒ヘッド移動手段は、前記診療用テーブルの駆動機構によって前記診察台の側面に沿って移動し、
前記消毒ヘッドと前記シート面との距離は、前記診療用テーブルの高さの調整または前記診察台の高さの調整により可変可能に構成したこと、
を特徴とする自動シート消毒装置。
【請求項6】
前記消毒ヘッドは、診療時の邪魔にならないように前記シート面の上方以外に格納することが可能であること、
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項7】
前記消毒ヘッドは、消毒液をしみ込ませた保水性部材で前記シート面を拭き取る拭き取り方式で構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項8】
前記消毒ヘッドは、紫外線照射手段によって前記シート面に紫外線を照射して殺菌する照射方式で構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項9】
前記消毒ヘッドは、消毒液を前記シート面に噴出して殺菌する噴射方式で構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項10】
前記消毒ヘッドは、前記シート面に付着している塵埃や細菌、ウイルスを吸引する吸引装置を備えたこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項11】
前記消毒ヘッドは、当該消毒ヘッドのシート幅方向の全部または一部による消毒が可能な消毒領域可変手段、あるいは、当該消毒ヘッドのシート幅方向の全部または一部の吸引が可能な吸引領域可変手段を備えていること、
を特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【請求項12】
前記消毒ヘッドは、距離センサを有し、前記距離センサと前記シート面との間の距離を一定に保つために、前記消毒ヘッドの高さまたは前記診察台の高さを自動制御可能にしたこと、
を特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の自動シート消毒装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台に併設する診療装置に設けたガイド機構に前記消毒ヘッド保持手段を連結していることを特徴とする。
また、本発明は、診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台、または、床面に設けた多段水平伸縮機構に前記消毒ヘッド保持手段を連結していることを特徴とする。
また、本発明は、診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台、または、床面に昇降機構を介して設けた多段水平伸縮機構に、前記消毒ヘッド保持手段を連結していることを特徴とする。
また、本発明は、診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、前記消毒ヘッド移動手段は、前記診察台の側面に沿って設けたガイド機構に角度可変可能に前記消毒ヘッド保持手段を連結していることを特徴とする。
また、本発明は、診察台のシート面を消毒する自動シート消毒装置であって、前記診察台のシート幅の全部または一部を消毒可能な消毒ヘッドと、前記消毒ヘッドを保持する消毒ヘッド保持手段と、前記消毒ヘッド保持手段を前記シート面に沿って前記シート幅方向に直交する方向に移動可能な消毒ヘッド移動手段と、を有すると共に、前記診察台のシート面は、少なくとも長手方向に1以上屈曲し、前記消毒ヘッドは、前記診察台に併設する診療用テーブルに保持され、前記消毒ヘッド移動手段は、前記診療用テーブルの駆動機構によって前記診察台の側面に沿って移動し、前記消毒ヘッドと前記シート面との距離は、前記診療用テーブルの高さの調整または前記診療台の高さの調整により可変可能に構成したことを特徴とする。