(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115812
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ブラインド制御装置及び該ブラインド制御装置が有するブラインド制御モジュール
(51)【国際特許分類】
E06B 9/322 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
E06B9/322
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022003899
(22)【出願日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】110103296
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522017405
【氏名又は名称】型態同▲歩▼科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】李 政宏
(72)【発明者】
【氏名】江 龍逸
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA04
2E043BA02
2E043BB15
2E043BC02
2E043DA01
(57)【要約】
【課題】より安全で使いやすいブラインド制御モジュールの提供。
【解決手段】
伝動輪6と、逆進阻止ユニット7と、支持ユニット5に配置される駆動ユニット8と、を有する。伝動輪6はブラインドを巻き取る水平軸4に接続され、且つ、制限ホイール71が有するラチェット部712に対応して噛み合うラチェット部612、621と、駆動リール81と、を有する。制御コード85は駆動リール81に巻き付けられ、且つ、押し当て手段83と阻止手段84とを通過する自由端とを有し、該制御コード85が引かれると、逆進阻止ユニットがリリースされてブラインドが下げられる。制御コードが引かれると押し当て手段83が回転して駆動リールを駆動して駆動リールを伝動輪と噛み合わせてブラインドを引き上げる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラインドを巻き上げるための水平軸の一端部に接続されて該水平軸の回転を制御するブラインド制御モジュールであって、支持ユニットと、伝動輪と、逆進阻止ユニットと、駆動ユニットと、を備えており、
前記支持ユニットは、台座と前記台座に固定されて且つ前記台座から前記水平軸と平行に延伸するシャフト部を有する取り付けシャフトと有するように構成されており、
前記伝動輪は回転可能に前記取り付けシャフトに取り付けられ、且つ、前記水平軸の前記一端部に固定される軸本体と、前記軸本体の前記台座に臨む一側に接続されて且つ前記軸本体から外側へ張り出すフランジディスクと、を有し、前記軸本体は前記一側から延伸して前記シャフト部を収容する収容溝と、前記台座に面するように前記収容溝内に形成される第1のラチェット部と、を有しており、前記フランジディスクは、前記台座に面する表面に形成され且つ前記収容溝を包囲する第2のラチェット部を有しており、
前記逆進阻止ユニットは、前記収容溝内に収容される制限ホイールと付勢戻し手段とを有し、前記制限ホイールは移動可能に前記シャフト部に取り付けられる可動ホイール体と、前記第1のラチェット部に面するように前記可動ホイール体に形成される第3のラチェット部とを有し、前記制限ホイールは前記シャフト部に沿って、前記第3のラチェット部が前記第1のラチェット部と噛み合って前記伝動輪と共に回転する逆進阻止位置と、前記第3のラチェット部が前記第1のラチェット部から離れるリリース位置との間に移動可能に構成され、前記付勢戻し手段は前記制限ホイールを前記逆進阻止位置に押し付けるように構成されており、
前記駆動ユニットは、回転可能に前記シャフト部に取り付けられる駆動リールと、前記駆動リールと前記制限ホイールとの間に取り付けられて前記駆動リールの回転を前記制限ホイールに伝動して前記制限ホイールを前記リリース位置に移動させる伝動手段と、移動可能に前記台座に配置される押し当て手段と、回転可能に前記台座に配置される阻止手段と、一端が前記駆動リールに固定され、前記駆動リールの外周面に巻き付けられることができ、且つ、引き操作を受けることができる自由端を有する制御コードと、リール付勢手段と、を有するように構成されており、
前記駆動リールは、前記第2のラチェット部に面し、且つ前記シャフト部に沿って、前記第2のラチェット部と噛み合う駆動位置と前記第2のラチェット部から離れる通常位置との間に移動できる前記第4のラチェット部を有するように構成されており、前記押し当て手段は前記台座に対して、前記押し当て手段が前記駆動リールに連動しない初期位置と、前記押し当て手段が前記駆動リールを前記駆動位置に押し付ける押し当て力を提供する押し当て位置との間に移動できるように構成されており、前記阻止手段は、前記台座に対し、前記阻止手段が前記押し当て手段を前記初期位置に維持する阻止位置と、前記押し当て手段が前記押し当て位置に移動可能な許容位置との間に回転可能に構成されており、前記制御コードの前記自由端は前記阻止手段に通されて、前記阻止手段を回転させる引く力を受け付け可能になるよう構成され、前記リール付勢手段は、前記駆動リールに付勢力を与えて前記制御コードを巻き取るように回転駆動するように構成されることを特徴とするブラインド制御モジュール。
【請求項2】
前記取り付けシャフトは、前記シャフト部から外側へ放射状に突起してカムとしての役割を果たす突起部を有し、前記制限ホイールは前記シャフト部に対して回転可能であり、且つ、前記可動ホイール体に切り込まれて形成される溝が前記突起部に係合することにより、前記制限ホイールの回転を前記逆進阻止位置と前記リリース位置との間の軸方向での移動に変換することを特徴とする請求項1に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項3】
前記伝動手段としてストリングが採用され、該ストリングは両端がそれぞれ前記可動ホイール体と前記駆動リールとに固定されると共に、中間部分が前記シャフト部に巻き付けられることにより、前記制御コードを引く力が前記駆動リールを経由して前記制限ホイールを前記リリース位置に移動することを特徴とする請求項2に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項4】
前記押し当て手段は回転可能に前記台座に取り付けられ、且つ、前記制御コードが通されて前記制御コードを引く力により回転駆動される受力部と、前記駆動リールの前記第4のラチェット部に面する側の反対側に配置されて前記駆動リールに押し当てる押し当て部と、を有することにより、前記制御コードが引かれると、前記押し当て手段は前記初期位置から前記押し当て位置に移動されることを特徴とする請求項1に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項5】
前記阻止手段としてのレバーは垂直方向に延伸し、且つ、回転可能に前記台座に接続される支点部と、前記支点部の上方に配置されて前記押し当て手段の前記押し当て部に係合して前記受力部の回転を阻止する阻止部と、前記支点部の下方に配置される操作部と、を有し、前記制御コードは前記操作部に通されていることを特徴とする請求項4に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項6】
前記台座は前記取り付けシャフトの前記シャフト部に直交する垂直方向に延伸する取付板と、前記取付板から水平に突起し、且つ、前記取り付けシャフトの上方に配置される支持部と、を有し、前記押し当て手段は前記支持部に回転可能に取り付けられ、且つ、前記取り付けシャフト及び前記垂直方向の両方に直交するように延伸する回転軸とを有することにより、前記受力部は前記回転軸に対して回転可能に構成されることを特徴とする請求項5に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項7】
前記押し当て手段の前記押し当て部には、その側面周縁から切り込まれる係合ノッチが前記阻止手段の前記阻止部に対応するように形成されることにより、前記制御コードに外側向きの斜め下方へ引く力が与えられると前記阻止手段が連動して前記阻止位置に移動して前記阻止部が該係合ノッチと係合し、そして前記制御コードに垂直下方へ引く力が与えられると前記阻止手段が連動して前記許容位置に移動して前記阻止部が前記押し当て部から離れることを特徴とする請求項5に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項8】
前記押し当て手段の前記押し当て部の下端縁には退避ノッチが前記阻止手段の前記阻止部に近い位置に形成されることにより、前記制御コードが垂直下方に引き下げられると、前記阻止手段が前記阻止位置に回転し、前記阻止部は前記下端縁に当接し、そして前記制御コードが外側向きの斜め下方に引き下げられると、前記阻止手段は前記許容位置に移動して前記阻止部は前記退避ノッチ内に収容されることを特徴とする請求項5に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項9】
前記伝動輪と前記駆動リールとの間に介在して前記伝動輪及び前記駆動リールとの摩擦により、前記駆動リールを前記通常位置に戻す力を提供する弾力付勢リングをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項10】
前記台座は前記取り付けシャフトの前記シャフト部に直交して前記垂直方向に延伸する取付板を有しており、前記取付板は、互いに所定の角度間隔を開けて配置されて前記シャフト部を取り囲む複数の環状溝を有しており、前記押し当て手段の前記押し当て部は回転可能に前記シャフト部に取り付けられる環状部と、前記環状部から突起してそれぞれ摺動可能に前記環状溝に係合する複数の摺動突起部とを有することにより、前記環状部の前記シャフト部に対する回転で前記環状部を前記取付板から離れさせて前記駆動リールに押し当てるように構成されることを特徴とする請求項5に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項11】
前記環状部の外周面には前記阻止手段の前記阻止部に対応する係合ノッチが凹設され、前記阻止手段が前記阻止位置に回転すると、前記阻止部が前記係合ノッチに嵌まり込むように構成されることを特徴とする請求項10に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項12】
前記押し当て手段の前記受力部は、前記環状部の外周面から放射状に延伸する延伸部分と、前記延伸部分から延伸して前記制御コードが通されるコード通過部とを有することを特徴とする請求項10に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項13】
前記押し当て手段の前記受力部は、前記延伸部分から延伸し、且つ、前記コード通過部に直交する位置制限部を更に有し、前記台座は、前記取付板に配置される位置決めフレームと、前記位置決めフレームから所定の角度間隔を開け、且つ、前記阻止手段の近くに配置されるストッパーブロックと、を有し、前記押し当て手段が前記初期位置にある際、前記位置制限部は前記位置決めフレームを挿通して該位置決めフレームにより位置決めされ、前記押し当て手段が前記押し当て位置にある際、前記延伸部分は前記ストッパーブロックに当接すると共に該ストッパーブロックにより止められることを特徴とする請求項12に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項14】
前記押し当て手段の前記受力部は管状に形成されて前記環状部の内周面から延伸して前記駆動リールに挿入し、前記駆動ユニットは前記受力部に取り付けられて前記受力部と前記駆動リールとの両方と摩擦するように両者の間に介在する伝動リングを更に有することを特徴とする請求項10に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項15】
前記環状部には、その内周面に沿う少なくとも1つの延伸溝が形成されており、前記台座の前記取付板に、各前記延伸溝にそれぞれ嵌まり込んで該延伸溝に沿って移動可能な少なくとも1つの案内突起が形成されていることを特徴とする請求項14に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項16】
前記伝動輪の前記軸本体は内側に前記収容溝を囲む内周壁を有するように形成され、該内周壁には複数のエラストマー消音手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のブラインド制御モジュール。
【請求項17】
水平軸方向に沿って延伸し、第1の端部と該第1の端部に反対する第2の端部とを有するレールと、
請求項1に記載のブラインド制御モジュールであって、前記支持ユニットの前記台座が前記レールの前記第1の端部に接続され、前記シャフト部が前記第2の端部へ延伸するブラインド制御モジュールと、
前記レールの前記第2の端部に接続される回転補助モジュールと、
ブラインドを巻き上げるための水平軸であって、両端がそれぞれ前記ブラインド制御モジュールと前記回転補助モジュールに接続することにより、前記ブラインド制御モジュールに回転駆動されて前記ブラインドの上げ下げを制御する水平軸と、を備えることを特徴とするブラインド制御装置。
【請求項18】
前記水平軸は管状シャフトとして形成され、且つ、その外周壁から切り込まれて且つ前記両端まで水平に延伸して前記ブラインドを係合して固定する延伸スロットを画成するブラインド係合部を有しており、
前記ブラインド制御モジュールの前記伝動輪の前記軸本体は、前記水平軸の前記第1の端部と前記第2の端部との一方に挿入され、且つ、前記ブラインド係合部に接続して保持される第1の保持スロットを有しており、
前記回転補助モジュールは、垂直方向に沿って延伸し、且つ、前記レールに接続される取り付け壁と、前記取り付け壁に固定され、且つ、前記ブラインド制御モジュールへ水平に延伸する支持軸と、回転可能に前記支持軸に取り付けられる回転台と、を有するように構成され、前記回転台は前記水平軸の前記第1の端部と前記第2の端部との他方に挿入される軸接続部を有し、該軸接続部は前記ブラインド係合部に接続して保持される第2の保持スロットを有することを特徴とする請求項17に記載のブラインド制御装置。
【請求項19】
前記回転補助モジュールの前記回転台は、前記軸接続部から前記ブラインド制御モジュールに延伸して前記支持軸と接触せずに該支持軸を包囲し、且つ、直径が前記軸接続部より細い管状部を有しており、前記支持軸は軸体と、少なくとも1つの摩擦リングを有しており、前記軸体は、前記取り付け壁に固定される固定端部と、前記固定端部の反対側において前記回転台から露出する自由端部とを有し、前記摩擦リングは前記自由端部を囲み、
前記回転補助モジュールは減速スリーブとコイル部材とを更に有するように構成され、前記減速スリーブは前記自由端部に取り付けられるスリーブ体と、前記スリーブ体から前記回転台側へ延伸し、先端が前記管状部と前記軸体との間に配置されるように、前記軸体の周囲に配列される複数の弾力板と、を有しており、前記コイル部材は前記減速スリーブを囲むように該減速スリーブに取り付けられ、且つ、両端がそれぞれ前記回転台と前記スリーブ体とに固定されることにより、前記水平軸が回転して前記ブラインドが下げられる際、前記減速スリーブは前記摩擦リングと摩擦し、前記コイル部材が収縮して各前記弾力板が前記軸体側に付勢されるようになって前記回転台の回転速度が抑えられることを特徴とする請求項18に記載のブラインド制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブラインドに関し、特に、ブラインドの上げ下げを制御するブラインド制御装置、及び該ブラインド制御装置が有するブラインド制御モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラインドには様々な種類があり、例えば、ローラーブラインド、ローマンシェード、ハニカムシェード、ベネチアンブラインド、プリーツブラインドなどは、窓に取り付けられるアイテムとして市販されている。
【0003】
従来のローラーブラインドとして、例えば特許文献1に記載されるものがあり、通常はループコードを用いたコントローラでブラインド体の上げ下げを制御する構成になっている。コントローラから吊り下げられるこの制御コードは、絡まりやすく使用に不便であり、また人や他の物体に絡まれやすい問題点があり、特に小さい子供がいる場合は、危険な状況を引き起こす可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3194531号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の少なくとも1つの欠点を改善できるブラインド制御装置及び該ブラインド制御装置が有するブラインド制御モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点に鑑みて、本発明は、ブラインドを巻き上げるための水平軸の一端部に接続されて該水平軸の回転を制御するブラインド制御モジュールであって、支持ユニットと、伝動輪と、逆進阻止ユニットと、駆動ユニットと、を備えており、
【0007】
前記支持ユニットは、台座と前記台座に固定されて且つ前記台座から前記水平軸と平行に延伸するシャフト部を有する取り付けシャフトと有するように構成されており、
【0008】
前記伝動輪は回転可能に前記取り付けシャフトに取り付けられ、且つ、前記水平軸の前記一端部に固定される軸本体と、前記軸本体の前記台座に臨む一側に接続されて且つ前記軸本体から外側へ張り出すフランジディスクと、を有し、前記軸本体は前記一側から延伸して前記シャフト部を収容する収容溝と、前記台座に面するように前記収容溝内に形成される第1のラチェット部と、を有しており、前記フランジディスクは、前記台座に面する表面に形成され、且つ、前記収容溝を包囲する第2のラチェット部を有しており、
【0009】
前記逆進阻止ユニットは、前記収容溝内に収容される制限ホイールと付勢戻し手段とを有し、前記制限ホイールは移動可能に前記シャフト部に取り付けられる可動ホイール体と、前記第1のラチェット部に面するように前記可動ホイール体に形成される第3のラチェット部とを有し、前記制限ホイールは前記シャフト部に沿って、前記第3のラチェット部が前記第1のラチェット部と噛み合って前記伝動輪と共に回転する逆進阻止位置と、前記第3のラチェット部が前記第1のラチェット部から離れるリリース位置との間に移動可能に構成され、前記付勢戻し手段は前記制限ホイールを前記逆進阻止位置に押し付けるように構成されており、
【0010】
前記駆動ユニットは、回転可能に前記シャフト部に取り付けられる駆動リールと、前記駆動リールと前記制限ホイールとの間に取り付けられて前記駆動リールの回転を前記制限ホイールに伝動して前記制限ホイールを前記リリース位置に移動させる伝動手段と、移動可能に前記台座に配置される押し当て手段と、回転可能に前記台座に配置される阻止手段と、一端が前記駆動リールに固定され、前記駆動リールの外周面に巻き付けられることができ、且つ、引き操作を受けることができる自由端を有する制御コードと、リール付勢手段と、を有するように構成されており、
【0011】
前記駆動リールは、前記第2のラチェット部に面し、且つ前記シャフト部に沿って、前記第2のラチェット部と噛み合う駆動位置と前記第2のラチェット部から離れる通常位置との間に移動できる前記第4のラチェット部を有するように構成されており、前記押し当て手段は前記台座に対して、前記押し当て手段が前記駆動リールに連動しない初期位置と、前記押し当て手段が前記駆動リールを前記駆動位置に押し付ける押し当て力を提供する押し当て位置との間に移動できるように構成されており、前記阻止手段は、前記台座に対し、前記阻止手段が前記押し当て手段を前記初期位置に維持する阻止位置と、前記押し当て手段が前記押し当て位置に移動可能な許容位置との間に回転可能に構成されており、前記制御コードの前記自由端は前記阻止手段に通されて、前記阻止手段を回転させる引く力を受け付け可能になるよう構成され、前記リール付勢手段は、前記駆動リールに付勢力を与えて前記制御コードを巻き取るように回転駆動するように構成されることを特徴とするブラインド制御モジュールを提供する。
【0012】
また、本発明は、水平軸方向に沿って延伸し、第1の端部と該第1の端部に反対する第2の端部とを有するレールと、
【0013】
上記のブラインド制御モジュールであって、前記支持ユニットの前記台座が前記レールの前記第1の端部に接続され、前記シャフト部が前記第2の端部へ延伸するブラインド制御モジュールと、
【0014】
前記レールの前記第2の端部に接続される回転補助モジュールと、
【0015】
ブラインドを巻き上げるための水平軸であって、両端がそれぞれ前記ブラインド制御モジュールと前記回転補助モジュールに接続することにより、前記ブラインド制御モジュールに回転駆動されて前記ブラインドの上げ下げを制御する水平軸と、を備えることを特徴とするブラインド制御装置をも提供する。
【発明の効果】
【0016】
上記のように、本発明のブラインド制御装置及び該ブラインド制御装置が有するブラインド制御モジュールは、操作中以外でも、制御コードが駆動リールに巻き付けられるので、小さい子供や他の物体に絡まる状況を回避することができ、そしてブラインドを引き上げる操作も簡単で便利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のブラインド制御装置の第1の実施形態が示される斜視図である。
【
図3】第1の実施形態の他の角度の分解斜視図である。
【
図4】レールが省略された第1の実施形態の分解斜視図である。
【
図5】
図4に対応する、他の角度の分解斜視図である。
【
図6】第1の実施形態におけるブラインド制御モジュールが示される斜視図である。
【
図7】同ブラインド制御モジュールの一部分解斜視図である。
【
図8】同ブラインド制御モジュールの分解斜視図である。
【
図9】
図8に対応する、他の角度の分解斜視図である。
【
図10】同ブラインド制御モジュールにおける逆進阻止ユニットが示される斜視図である。
【
図12】第1の実施形態における回転補助モジュールが示される斜視図である。
【
図15】同ブラインド制御モジュールの操作を受けている時の側面図である。
【
図17】同ブラインド制御モジュールのブラインドが下げられる状態が示される側面図である。
【
図19】制御コードが限界まで引かれた状態が示される側面図である。
【
図21】ブラインドが下げられた状態が示される斜視図である。
【
図22】制御コードがリリースされた状態が示される側面図である。
【
図24】ブラインドが引き上げられる状態のブラインド制御モジュールが示される側面図である。
【
図26】ブラインドが引き上げられた状態が示される斜視図である。
【
図27】第2の実施形態のブラインド制御モジュールが示される斜視図である。
【
図28】第2の実施形態のブラインド制御モジュールが示される側面図である。
【
図29】第2の実施形態のブラインド制御モジュールが示される正面図である。
【
図30】第3の実施形態のブラインド制御モジュールが示される斜視図である。
【
図31】阻止手段が阻止位置に位置する状態が示される側面図である。
【
図32】阻止手段が許容位置に位置する状態が示される側面図である。
【
図33】第4の実施形態のブラインド制御モジュールが示される斜視図である。
【
図35】同実施形態のブラインド制御モジュールにおける伝動輪が示される斜視図である。
【
図36】同実施形態のブラインド制御モジュールにおける支持ユニットと押し当て手段と阻止手段が示される斜視図である。
【
図39】第5の実施形態のブラインド制御モジュールが示される斜視図である。
【
図40】同実施形態のブラインド制御モジュールにおける支持ユニットと押し当て手段と阻止手段と伝動リングと駆動リールが示される斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、同様の特性もしくは機能を有する要素を示すために、同じ符号を用いて各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0019】
図1と
図3に示されるように、本発明の第1の実施形態のブラインド制御装置100は、レール1と、ブラインド制御モジュール2と、回転補助モジュール3と、水平軸4と、を備える。
【0020】
レール1は、水平に延伸して両端に第1の端部11と第2の端部12とを有する。この実施形態においては、上壁13と、該上壁13の先端から下方へ延伸する前壁14とを有し、第1の端部11と第2の端部12が上壁13及び前壁14の水平方向の両端にそれぞれあるように構成される。
【0021】
ブラインド制御モジュール2は第1の端部11に接続され、回転補助モジュール3は第2の端部12に接続される。
【0022】
水平軸4は、ブラインド9を巻き上げるためのものであり、両端がブラインド制御モジュール2と回転補助モジュール3とにそれぞれ取り付けられ、ブラインド制御モジュール2により回転を制御されることにより、ブラインド9の上げ下げを制御する構成になっている。ちなみに、ブラインド9としては生地としてのブラインド以外、ローマンシェード、ハニカムシェード、ベネチアンブラインド、プリーツブラインドなどの形に構成されることもできる。
【0023】
図4と
図5に示されるように、この実施形態において、水平軸4は管状シャフトとして形成され、その管内において断面が略皿状に形成されたブラインド係合部41が形成され、該ブラインド係合部41と水平軸4との間にブラインド9を係合する開口を有する延伸スロット42が画成されている(
図1参照)。
【0024】
図6~
図9に示されるように、ブラインド制御モジュール2は支持ユニット5と伝動輪6と逆進阻止ユニット7と駆動ユニット8とを有する。
【0025】
支持ユニット5はレール1(
図1参照)に接続される台座51と、台座51に固定される取り付けシャフト52とを有する。台座51は水平軸方向に直交する垂直方向に延伸する取付板511と、取付板511から水平に突起する位置決定ピン部512と、取付板511から水平に突起すると共に、位置決定ピン部512の上方に位置する支持部513と、位置決定ピン部512の上方側及び下方側にそれぞれ位置するように、取付板511に形成された2つの第1のロック孔514と、を有するように形成されている。取り付けシャフト52は、水平軸4と平行に延伸するシャフト部521と、シャフト部521から放射状に突起してカム面としての役割を発揮する突起部522と、を有するように形成されている。
【0026】
この実施形態において、シャフト部521は取付板511に当接する大径部分521aと、大径部分521aから延伸する小径部分521bとを有する。この場合、大径部分521aには位置決定ピン部512が挿入できる挿入孔523と、2つの第1のロック孔514にそれぞれ対応する2つの第2のロック孔524とが形成され、固定用のねじもしくはリベットが互いに対応する第1のロック孔514及び第2のロック孔524を一斉に挿通することにより、取り付けシャフト52を取付板511に固定する構成になっている。シャフト部521は更に小径部分521bの先端から突起する一対の弾性フック525と、小径部分521bの大径部分521aに隣接する端部から外側へ張り出すバネ係合突起部526とを有する。
【0027】
伝動輪6は回転可能に取り付けシャフト52に取り付けられると共に、弾性フック525により取り外されないように係合されている。伝動輪6は水平軸4の端部に固定される軸本体61と、軸本体61に台座51に隣接する端部から外側へ張り出すフランジディスク62と、を有するように形成されている。軸本体61はシャフト部521を収容するための端部から延伸する収容溝611と、収容溝611内に形成されて台座51に面する第1のラチェット部612とを有する。フランジディスク62は、台座51に面する表面に形成され、且つ、収容溝611を包囲する第2のラチェット部621を有する。伝動輪6の軸本体61は水平軸4の一端に挿入され、且つ水平軸4のブラインド係合部41(
図4参照)を受け入れて該水平軸4を係合して保持する第1の保持スロット613が形成されることにより、水平軸4と共に回転するようになる。
【0028】
図7、8、10、及び11に示されるように、逆進阻止ユニット7は制限ホイール71と、収容溝611内に収容される付勢戻し手段72と、を有するように構成されている。制限ホイール71は可動的にシャフト部521に取り付けられる可動ホイール体711と、第1のラチェット部612に面するように可動ホイール体711に形成される第3のラチェット部712とを有するように形成されている。制限ホイール71はシャフト部521に沿って、第3のラチェット部712が第1のラチェット部612と噛み合って伝動輪6の片方向への回転のみを許容する逆進阻止位置(
図16参照)と、第3のラチェット部712が第1のラチェット部612と噛み合わないリリース位置(
図20参照)との間に移動することができるように構成されている。付勢戻し手段72は制限ホイール71と伝動輪6との間に介在し、制限ホイール71を前記逆進阻止位置に動かす付勢力を提供する。この実施形態においては、制限ホイール71はシャフト部521に対して回転可能であり、また、可動ホイール体711に形成される溝713で突起部522と係合して制限ホイール71の回転を軸方向における逆進阻止位置とリリース位置との間の移動に変換するように構成される。付勢戻し手段72はOリングの形として可動ホイール体711の外周面に配置され、伝動輪6との摩擦によって、制限ホイール71を元の位置に戻す付勢力を提供する。他の実施形態(例えば後述の第4の実施形態)では、付勢戻し手段72としてのコイルスプリングを制限ホイール71と駆動ユニット8の駆動リール81との間に介在するようにシャフト部521に取り付ける構成を採用することもできる。
【0029】
図7~
図9に示されるように、駆動ユニット8は駆動リール81と、伝動手段82と、押し当て手段83と、阻止手段84と、制御コード85と、リール付勢手段86と、弾力付勢リング87と、を有する。
【0030】
駆動リール81は回転可能にシャフト部521に取り付けられ、且つ、第2のラチェット部621に面する第4のラチェット部811を有する。駆動リール81はシャフト部521に連動して、第4のラチェット部811が第2のラチェット部621に噛み合う駆動位置(
図25参照)と第4のラチェット部811が第2のラチェット部621に噛み合わない通常位置(
図16参照)との間に移動することができる。伝動手段82は駆動リール81と制限ホイール71との間に接続されて駆動リール81の回転を制限ホイール71に伝動して制限ホイール71をリリース位置に移動できる。押し当て手段83は移動可能に台座51に取り付けられて台座51に対して押し当て手段83が駆動リール81に連動しない初期位置(
図16参照)と、押し当て手段83が駆動リール81に対して押し当て力を提供して駆動リール81を駆動位置に移動する押し当て位置(
図25参照)との間に移動できる。阻止手段84は回転可能に台座51に配置されて台座51に対して阻止手段84が押し当て手段83を初期位置に留まらせる阻止位置(
図17参照)と、押し当て手段83が押し当て位置に移動できる許容位置(
図24参照)との間に回転できる。制御コード85は一端が駆動リール81に固定されていると共に、駆動リール81の外周に巻き付けられて該一端の反対側の自由端は阻止手段84を通って露出して操作されることが可能になる。具体的には、制御コード85の露出する自由端を引っ張るように操作すると、阻止手段8を回転駆動することができる。リール付勢手段86は駆動リール81を回転させて制御コード85を巻き取る付勢力を提供する。弾力付勢リング87は伝動輪6と駆動リール81との間に介在して伝動輪6及び駆動リール81との摩擦により、駆動リール81を通常位置に戻す力を提供する。
【0031】
この実施形態において、駆動リール81は第1の半リール部812と第2の半リール部813とにより組み合わされて成ったものである。第1の半リール部812には、環状板部812aと、環状板部812aから第2の半リール部813側へ延伸する環状壁部812bと、環状壁部812bに形成される複数のエンゲージ突起812cと、環状板部812aにおける環状壁部812bの反対側に形成される環状溝部812dと、が形成されている。第4のラチェット部811は、環状溝部812dを包囲するように環状板部812aに形成されている。
【0032】
第2の半リール部813には、各エンゲージ突起812cをそれぞれ受け入れる複数の係合孔813aが形成されていて、各エンゲージ突起812cと各係合孔813aとの係合により、該第2の半リール部813と第1の半リール部812とを共に回転するように接続する。
【0033】
環状板部812aと環状壁部812bと第2の半リール部813とにより、リール付勢手段86が収容される収容空間が画成される。制御コード85は環状板部812aと第2の半リール部813との間に位置するように環状壁部812bの外周面に巻き付けられる。
【0034】
環状壁部812bには制御コード85を通すノッチ8121と、リール付勢手段86の一端が固定されるバネ配置スロット8122とが形成される。制御コード85の端部は、環状壁部812bの内側に固定される。
【0035】
リール付勢手段86は一つの端部がバネ係合突起部526に固定され、他の1つの端部がバネ配置スロット8122に固定されるようにシャフト部521に取り付けられるコイルスプリングであり、これにより駆動リール81を回転させ、且つ元の位置に戻らせる駆動力を提供すると共に、制御コード85を巻きつける。
【0036】
この実施形態において、伝動手段82としてストリングが採用され、該ストリングは両端がそれぞれ可動ホイール体711と駆動リール81とに固定されると共に、中間部分がシャフト部521に巻き付けられている。これにより、制御コード85を引く力が駆動リール81を回転駆動すると、伝動手段82の駆動リール81に固定される端部も引き動かされるので、これに連動する伝動手段82は制限ホイール71をリリース位置に移動する。具体的に説明すると、可動ホイール体711はストリングスロット714(
図10参照)を有し、環状板部812aにはストリング孔8123が形成されている。伝動手段82の両端はストリングスロット714と環状板部812aの内側とにそれぞれ固定され、そして該両端の間の部分は環状溝部812d内に収容される。駆動リール81により駆動されていない時、伝動手段82は弛んだ状態でシャフト部521を囲むように配置される。制御コード85が限界まで引かれて駆動リール81が回転し、駆動リール81に巻き取られる伝動手段82が引っ張られて制限ホイール71をリリース位置に移動し、そして制御コード85を引く力がなくなると、伝動手段82は弛んだ状態に戻るので、制限ホイール71は付勢戻し手段72によって逆進阻止位置に戻される。
【0037】
この実施形態において、押し当て手段83は回転可能に台座51の支持部513に取り付けられ、且つ、制御コード85が通されていて制御コード85を引く力により回転駆動される受力部831と、駆動リール81の第4のラチェット部811に面する側の反対側に配置されて駆動リール81に押し当てる押し当て部832とを有し、この構成により、制御コード85が引かれて受力部831が回転すると、押し当て手段83は初期位置から押し当て位置に移動される。具体的に説明すると、押し当て手段83は回転可能に支持部513に取り付けられると共に、前記軸方向及び前記垂直方向の両方に直交するように延伸する回転軸836を有し、前記受力部831は該回転軸836を中心として回転する。
【0038】
この実施形態において、阻止手段84は前記垂直方向に延伸するレバーとして構成され、且つ、回転可能に台座51の取付板511に接続される支点部841と、支点部841の上方に配置されて押し当て手段83の押し当て部832に係合して受力部831の回転を阻止する阻止部842と、支点部841の下方に配置される操作部843と、を有する。制御コード85は操作部843に通される。
図17に示されるように、制御コード85に対して外側向きの斜め下方へ引く力が与えられると、阻止部842は回転して押し当て手段83に当接する。具体的に説明すると、押し当て手段83の押し当て部832には、その側面周縁833から切り込まれる係合ノッチ833aが阻止手段84の阻止部842に対応するように形成され、阻止手段84が阻止位置に移動すると、阻止部842は該係合ノッチ833aと係合して押し当て手段83を初期位置に留まらせる。
【0039】
図5、
図12~
図14に示されるように、回転補助モジュール3は前記垂直方向に沿って延伸してレール1(
図1参照)に接続される取り付け壁31と、取り付け壁31に固定されると共に、ブラインド制御モジュール2側へ水平に延伸する支持軸32と、回転可能に支持軸32に取り付けられる回転台33と、を有する。回転台33は水平軸4の他端に挿入される軸接続部331を有し、そして該軸接続部331には水平軸4のブラインド係合部41に係合する第2の保持スロット331aが形成されているので、回転台33は水平軸4と共に回転する。
【0040】
この実施形態において、回転補助モジュール3は更に減速スリーブ34と、コイル部材35とを有する。回転台33は更に、軸接続部331からブラインド制御モジュール2側へ水平に延伸し、支持軸32と接触せずに該支持軸32を包囲し、且つ、直径が軸接続部331より細い管状部332を有する。支持軸32は軸体321と、少なくとも1つ(図中では2つ)の摩擦リング322を有する。軸体321は取り付け壁31に固定される固定端部321aと、固定端部321aの反対側において回転台33から露出する自由端部321bとを有する。摩擦リング322は自由端部321bを囲み、且つ、弾性を有するOリングとして減速スリーブ34と摩擦して抵抗力を生成する。
【0041】
減速スリーブ34は支持軸32の自由端部321bを囲むように該自由端部321bに取り付けられるスリーブ体341と、スリーブ体341から回転台33側へ延伸し、先端が管状部332と軸体321との間に配置されるように、軸体321の周囲に配列される複数の弾力板342と、を有する。コイル部材35は減速スリーブ34を囲むように減速スリーブ34に取り付けられ、且つ、両端がそれぞれ回転台33とスリーブ体341とに固定されている。具体的には、回転台33の軸接続部331及びスリーブ体341には、コイル部材35の両端とそれぞれ係合できる第1の接続孔331bと第2の接続孔343とがそれぞれ形成されている。この実施形態ではコイル部材35として圧縮スプリングが用いられているが、ストリングもしくはワイヤを用いてコイル部材35を構成することもできる。
【0042】
図1及び
図2に示されるように、水平軸4のブラインド9を持ち上げる回転方向が時計方向であり、ブラインド9を引き下げる回転方向が反時計方向であると定義する。水平軸4が反時計方向で回転する際、減速スリーブ34は摩擦リング322との摩擦接触により、回転台33より遅く回転するのでコイル部材35は収縮するようになり、そして各弾力板342は軸体321側に付勢されるようになって回転台33の回転速度を抑えてブラインド9が下りるスピードを遅くする。一方、ブラインド制御モジュール2により水平軸4が時計方向で回転するように駆動されてブラインド9を引き上げる際、コイル部材35は元の位置に戻されて各弾力板342は軸体321を緩く包囲するようになる。この状態において、回転補助モジュール3により生成されるトルクが弱くなるので、ブラインド制御モジュール2の制御コード85は省力的に操作可能になる。
【0043】
ブラインド制御モジュール2の操作について以下のように説明する。
【0044】
図1、7、15、16に示されるように、ブラインド9が収納されて使用されない状況において、制御コード85は駆動リール81に巻きつけられ、制限ホイール71は逆進阻止位置に位置し、且つ、第1のラチェット部612と第3のラチェット部712との噛み合いにより、伝動輪6は水平軸4の時計方向への回転に連動する回転方向にのみ片方向に回転可能な状態となるので、水平軸4の回転によりブラインド9が下げられるのを阻止する。この段階において、押し当て手段83は初期位置に位置し、駆動リール81は通常位置に位置する。
【0045】
図7、17、18に示されるように、制御コード85に外側向きの斜め下方へ引く力が与えられて操作部843が外側に回転されると共に阻止部842が押し当て手段83に当接して押し当て手段83を初期位置に位置させることにより、駆動リール81は通常位置に位置して伝動輪6と連動しない。この状態において、駆動リール81は制御コード85を引く力により駆動されるが、伝動輪6及び水平軸4はこれに連動しない。駆動リール81の回転により伝動手段82はシャフト部521に巻き付けられ、そして制限ホイール71はリリース位置に移動される。
図19~
図21に示されるように、制御コード85が限界まで引かれると、制限ホイール71がリリース位置に移動される。この段階において、伝動輪6は回転自在になっているので、水平軸4に取り付けられるブラインド9は自重により下がるようになるが、水平軸4の回転速度は回転補助モジュール3が有する減速手段により遅められているので、ブラインド9が下げる速度も減速される。
【0046】
図22と
図23に示されるように、制御コード85を引く力が消えると、駆動リール81はリール付勢手段86により逆方向に駆動されて制御コード85を巻き取り、そして伝動手段82はリリースされる(
図7参照)ので、制限ホイール71は逆進阻止位置に戻されて伝動輪6の回転を阻止してブラインド9を所望の高さに留まらせる。言い換えれば、制御コード85が再び限界まで引かれるまで、制限ホイール71は逆進阻止位置に維持される。
【0047】
図24~26に示されるように、使用者が制御コード85を引いてブラインド9を上げようとする際、阻止手段84は許容位置に回って阻止部842も押し当て部832から離れるので、押し当て手段83は押し当て位置に移動して駆動リール81を駆動位置に移動する。第4のラチェット部811と第2のラチェット部621との噛み合いにより、駆動リール81は伝動輪6及び水平軸4を時計方向に回転駆動してブラインド9を巻き取って引き上げる。制御コード85がリリースされると、
図16に示されるように、駆動リール81は弾力付勢リング87によって通常位置に戻され、押し当て手段83は初期位置に戻され、制御コード85は駆動リール81に巻き取られる。これと同様に、伝動輪6は制限ホイール71により止められるため水平軸4に連動して逆回転せず、これによりブラインド9を所望の位置に維持することができる。またブラインド9として長いものが用いられる場合、制御コード85を引いてから一旦放す操作を繰り返すことにより、ブラインド9が上昇する距離を長くすることができる。
【0048】
上記のように、操作中以外でも、制御コード85は駆動リール81に巻き付けられるので、小さい子供や他の物体に絡まれる状況を回避することができ、そしてブラインド9を引き上げる操作も簡単で便利である。
【0049】
図27~29に示されるように、第2の実施形態においては、弾力リーフ部834が押し当て手段83の受力部831から延伸するように受力部831に設けられる。弾力リーフ部834はレール1(
図2参照)の上壁13に当接する先端を有し、これにより押し当て手段83が押し当て位置にある際に押し当て手段83を押し戻す力が働き、制御コード85からの操作力が消えると、弾力リーフ部834により押し当て手段83は初期位置に押し戻される。
【0050】
図30~32に示されるように、第3の実施形態において、押し当て手段83の押し当て部832の下端縁839における阻止手段84の阻止部842に近い位置には退避ノッチ835が形成されている。
図31に示されるように、制御コード85が垂直下方に引き下げられると、阻止手段84の操作部843が内側に少し回転して阻止手段84を阻止位置に回転し、この阻止位置において阻止部842は下端縁839に当接して押し当て手段83は初期位置に位置する。一方、
図32に示されるように、制御コード85に駆動リール81から離れるように外側向きの斜め下方へ引く力が与えられると、阻止手段84の操作部843が外側に少し回転して阻止手段84を許容位置に回転し、この許容位置において阻止部842は退避ノッチ835内に嵌まり込むようになり、そして押し当て手段83は押し当て位置に移動して駆動リール81を駆動位置に移動する。
【0051】
図33~35に示されるように、第4の実施形態において、付勢戻し手段72は、シャフト部521に取り付けられて両端がそれぞれ制限ホイール71と駆動ユニット8の駆動リール81に当接するコイルスプリングである。伝動輪6の軸本体61は内側に収容溝611を囲む内周壁を有するように形成され、該内周壁には第1のラチェット部612に隣接する複数のエラストマー消音手段614が取り付けられている。この実施形態において、軸本体61は互いに120°の間隔を成す3対の消音手段614(図中ではそのうちの1対のみ示されている)を有し、各消音手段614はいずれも制限ホイール71の回転方向へ斜めに延伸する。消音手段614の材料については、シリコーンもしくはゴム材料を使用することができ、制限ホイール71が元の位置へ戻る回転速度を抑えることにより、ブラインド9を引き上げる際、制限ホイール71が第1のラチェット部612に接触する前に緩衝効果を発揮し、制限ホイール71は第1のラチェット部612に衝撃を与えることなく、これにより発生する騒音を無くすことができる。
【0052】
図36~38に示されるように、この実施形態において、取り付けシャフト52は台座51と一体に形成されており、そして台座51の取付板511にはシャフト部521を取り囲み、且つ、互いに所定の角度間隔を開けて配置される複数の環状溝515が形成されている。台座51は更に取付板511に配置される位置決めフレーム516と、位置決めフレーム516から所定の角度間隔を開け、且つ、阻止手段84の近くに配置されるストッパーブロック517と、取付板511から斜めに突起してストッパーブロック517まで円弧状に延伸するスロープブロック518と、を有する。
図37に示されるように、各環状溝515は時計方向に沿って深くなって行くように形成されている。
【0053】
押し当て手段83の押し当て部832は回転可能にシャフト部521に取り付けられる環状部837と、環状部837から突起してそれぞれ摺動可能に環状溝515に係合する複数の摺動突起部838とを有する。環状部837の外周面には阻止手段84の阻止部842に対応する係合ノッチ837aが凹設され、阻止手段84が阻止位置に回転する際、阻止部842は係合ノッチ837aに嵌まり込むように構成されている。押し当て手段83の受力部831は環状部837の外周面から放射状に延伸する延伸部分831aと、延伸部分831aから延伸して制御コード85が通過する(
図33参照)コード通過部831bと、コード通過部831bを横断するように延伸部分831aから延伸する位置制限部831cと、を有する。
【0054】
図36に示されるように、押し当て手段83が初期位置にある際、位置制限部831cは位置決めフレーム516を挿通し位置決めフレーム516に位置決めされ、延伸部分831aは位置決めフレーム516に当接し、取付板511は環状部837に当接し、各摺動突起部838はそれぞれ各環状溝515の最も深い場所に嵌め込まれる。制御コード85が垂直下方に引き下げられると、阻止手段84は許容位置に回転することにより受力部831を時計方向に回転し、摺動突起部838は環状溝515に沿って浅い場所に摺動することにより、環状部837を取付板511から離れさせて駆動リール81を駆動位置に移動させる。押し当て手段83が押し当て位置に移動する際、延伸部分831aがストッパーブロック517に当接すると共に該ストッパーブロック517により止められることにより、押し当て手段83の更なる回転を阻止する。押し当て手段83が初期位置から押し当て位置に回転する途中、延伸部分831aはスロープブロック518に支持され、且つ環状部837と共に安定に取付板511から離れる。第1の実施形態における阻止手段84と同じように、制御コード85に駆動リール81から離れるように外側向きの斜め下方へ引く力が与えられると、阻止手段84は阻止位置に移動され、操作部843は外側に回転し、阻止部842は係合ノッチ837aに係合して押し当て手段83を初期位置に位置させる。更に、この実施形態において、阻止手段84はプラスチック材料により作成され、そして変形してストッパーブロック517に当接する戻しポスト844を有するので、阻止手段84が引かれて許容位置から阻止位置に到達した時、戻しポスト844は湾曲し、阻止手段84を引く力がなくなると、戻しポスト844は元の形状に戻ると共に、阻止手段84を許容位置に戻して保持する。
【0055】
図39~41に示されるように、第5の実施形態において、押し当て手段83の受力部831は管状に形成されて環状部837の内周面から延伸して駆動リール81に挿入する構成になっている。駆動ユニット8は更に受力部831に取り付けられて受力部831と駆動リール81との両方と摩擦するように両者の間に介在する伝動リング88を有し、これにより駆動リール81の回転運動を受力部831に伝動する。伝動リング88の材料としてはシリコーン、ゴム、もしくは弾性を有する他の材料を採用することができる。また、環状部837には、その内周面に沿う2つの延伸溝837bが形成されている。台座51の取付板511に、該2つの延伸溝837bにそれぞれ嵌まり込んで該2つの延伸溝837bに沿って移動可能な2つの案内突起519が形成されることにより、押し当て手段83の台座51に対する回転を制限する。また、延伸溝837b及び延伸溝837bに対応する案内突起519の数に関しては、この実施例の2個ずつに限定されず、3個以上または1個ずつ形成する構成も可能である。この実施形態において、阻止手段84の構成は単純で、カーブ状に湾曲した板状体に形成されている。台座51は取付板511に直交するサイド壁510を有すると共に、該サイド壁510に貫通スロット510aが形成され、阻止手段84の操作部843が貫通スロット510aを通過すると該阻止手段84の更なる回転を制限することができる。
【0056】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0057】
1 レール
100 ブラインド制御装置
11 第1の端部
12 第2の端部
13 上壁
14 前壁
2 ブラインド制御モジュール
3 回転補助モジュール
31 取り付け壁
32 支持軸
321 軸体
321a 固定端部
321b 自由端部
322 摩擦リング
33 回転台
331 軸接続部
331a 第2の保持スロット
331b 第1の接続孔
332 管状部
34 減速スリーブ
341 スリーブ体
342 弾力板
343 第2の接続孔
35 コイル部材
4 水平軸
41 ブラインド係合部
42 延伸スロット
5 支持ユニット
51 台座
510 サイド壁
510a 貫通スロット
511 取付板
512 位置決定ピン部
513 支持部
514 第1のロック孔
515 環状溝
516 位置決めフレーム
517 ストッパーブロック
518 スロープブロック
519 案内突起
52 取り付けシャフト
521 シャフト部
521a 大径部分
521b 小径部分
522 突起部
523 挿入孔
524 第2のロック孔
525 弾性フック
526 バネ係合突起部
6 伝動輪
61 軸本体
611 収容溝
612 第1のラチェット部
613 第1の保持スロット
614 消音手段
62 フランジディスク
621 第2のラチェット部
7 逆進阻止ユニット
71 制限ホイール
711 可動ホイール体
712 第3のラチェット部
72 付勢戻し手段
8 駆動ユニット
81 駆動リール
811 第4のラチェット部
812 環状壁部
812 第1の半リール部
8121 ノッチ
8122 バネ配置スロット
812a 環状板部
812c エンゲージ突起
812d 環状溝部
813 第2の半リール部
813a 係合孔
82 伝動手段
83 押し当て手段
831 受力部
831a 延伸部分
831b コード通過部
831c 位置制限部
832 押し当て部
833 側面周縁
833a 係合ノッチ
834 弾力リーフ部
835 退避ノッチ
836 回転軸
837 環状部
837a 係合ノッチ
837b 延伸溝
838 摺動突起部
84 阻止手段
841 支点部
842 阻止部
843 操作部
844 戻しポスト
85 制御コード
86 リール付勢手段
87 弾力付勢リング
88 伝動リング
9 ブラインド