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特開2022-115837カテーテルのオンライン磁気較正による医療デバイス機器の管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115837
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】カテーテルのオンライン磁気較正による医療デバイス機器の管理
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/095 20060101AFI20220802BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20220802BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
A61M25/095
A61B18/14
A61B5/00 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022010720
(22)【出願日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】17/161,015
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・オサドチー
(72)【発明者】
【氏名】メイル・バル-タル
(72)【発明者】
【氏名】アブラム・ダン・モンタグ
【テーマコード(参考)】
4C117
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C117XB03
4C117XB15
4C117XD24
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE19
4C117XE20
4C117XE26
4C117XE28
4C117XE29
4C117XE37
4C117XE44
4C117XE45
4C117XE46
4C117XE58
4C117XH11
4C117XJ13
4C117XQ17
4C160KK03
4C160KK06
4C160KK07
4C160KK12
4C160KK22
4C160KK38
4C160KK63
4C160MM38
4C267AA05
4C267AA09
4C267BB16
4C267BB42
4C267BB44
4C267BB62
4C267CC08
4C267CC19
4C267CC21
4C267DD10
4C267HH11
(57)【要約】
【課題】カテーテルのオンライン磁気較正によって医療デバイス機器を管理すること。
【解決手段】医療デバイスを較正するための方法が提供される。この方法は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行される較正エンジンによって実施される。この方法は、カテーテルの1つ又は2つ以上の構成要素による1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉することと、1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて較正データを推定することと、較正データをカテーテルに出力することと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用デバイスを較正するための方法であって、
1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行される較正エンジンによって、カテーテルの1つ又は2つ以上の構成要素による1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉することと、
前記較正エンジンによって、前記1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて、較正データを推定することと、
前記較正エンジンによって、前記較正データを前記カテーテルに出力することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ又は2つ以上の電圧測定値が、前記1つ又は2つ以上の構成要素の各々又は特定のセットによって取得された電圧読み取り値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カテーテルが患者内で操縦されるとき、前記電圧読み取り値が、1つ又は2つ以上の点で取得される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記較正データが、感度及び角度を含む1つ又は2つ以上のパラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記感度が、前記カテーテルの前記1つ又は2つ以上の構成要素の各々に対するコイル感度を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記角度が、前記カテーテルの前記1つ又は2つ以上の構成要素のうちの少なくとも1つの対の間の角度を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は2つ以上の構成要素が、少なくとも1つの軸方向センサを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの軸方向センサによる前記1つ又は2つ以上の電圧測定値が、少なくとも3つの送信機からのものである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記カテーテルが、単軸センサ、二軸センサ、及び三軸センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記較正データが、場所/配向及び較正パラメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
医療用デバイスを較正するためのシステムであって、
較正エンジンのためのプロセッサ実行可能コードを記憶するメモリと、
前記メモリに通信可能に結合された1つ又は2つ以上のプロセッサであって、前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記プロセッサ実行可能コードを実行して、前記システムに、
前記較正エンジンによって、カテーテルの1つ又は2つ以上の構成要素による1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉することと、
前記較正エンジンによって、前記1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて、較正データを推定することと、
前記較正エンジンによって、前記較正データを前記カテーテルに出力することと、を実行させるように構成されている、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
【請求項12】
前記1つ又は2つ以上の電圧測定値が、前記1つ又は2つ以上の構成要素の各々又は特定のセットによって取得された電圧読み取り値を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記カテーテルが患者内で操縦されるとき、前記電圧読み取り値が、1つ又は2つ以上の点で取得される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記較正データが、感度及び角度を含む1つ又は2つ以上のパラメータを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記感度が、前記カテーテルの前記1つ又は2つ以上の構成要素の各々に対するコイル感度を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記角度が、前記カテーテルの前記1つ又は2つ以上の構成要素のうちの少なくとも1つの対の間の角度を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ又は2つ以上の構成要素が、少なくとも1つの軸方向センサを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの軸方向センサによる前記1つ又は2つ以上の電圧測定値が、少なくとも3つの送信機からのものである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記カテーテルが、単軸センサ、二軸センサ、及び三軸センサのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記較正データが、場所/配向及び較正パラメータを含む、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療デバイス機器に関する。より具体的には、本発明は、カテーテルのオンライン磁気較正によって医療デバイス機器を管理することに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、製造プロセスの一部として、患者の身体内を正確に視覚化及び操縦するために、カテーテルが較正される。較正中、カテーテルは、3つの直交フィールドが適用されるように、較正チャンバの中央に配置される。カテーテルのセンサは、電圧測定値を取得し、各センサの配向及び感度は、印加された3つの直交フィールドに基づいて判定される。配向及び感度は、カテーテルのメモリ(例えば、EEPROMなどの読み取り/書き込みメモリ構成要素)に記憶される。現在、局所的で、高価で、かつかさばる較正チャンバを用いることなく、カテーテルを現場又はフィールドで較正する技術はない。また、技術の欠如により、カテーテルの時効の問題(例えば、経時的な較正パラメータの変化)も対処されないままである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
例示的な実施形態により、方法が提供される。この方法は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行される較正エンジンによって実施される。この方法は、カテーテルの1つ又は2つ以上の構成要素によって1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉することと、1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて較正データを推定することと、較正データをカテーテルに出力することと、を含む。
【0004】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、上記の例示的な方法の実施形態は、装置、システム、及び/又はコンピュータプログラム製品として実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて例として示される以下の説明より得ることができ、図中の同様の参照番号は、同様の要素を示す。
図1】1つ又は2つ以上の実施形態によって、本開示の主題の1つ又は2つ以上の特徴を実装することができる、例示的なシステムの図を例解する。
図2】1つ又は2つ以上の実施形態による例示的なシステムのブロック図を例解する。
図3】1つ又は2つ以上の実施形態による例示的な方法を例解する。
図4】1つ又は2つ以上の実施形態による例示的な方法を例解する。
図5】1つ又は2つ以上の実施形態による表を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
カテーテルのオンライン磁気較正によって医療デバイス機器を管理することに関するシステム及び方法が本明細書に開示される。システム及び方法は、較正エンジンによって駆動されるオンライン磁気較正システムとして実装することができる。このようにして、較正エンジン及びオンライン磁気較正システムは、特に、心臓医師及び医療従事者によって現在利用可能ではないか、又は現在実行されていないカテーテルのオンライン磁気較正を有効化/実装するように、医療デバイス機器を利用及び変換する。較正エンジンは、医療デバイス機器(例えば、オンライン磁気較正システム)の処理ハードウェアによる、またその処理ハードウェア内での処理動作を行う際に必ず実装されている、プロセッサ実行可能コード又はソフトウェアであり得る。説明を容易にするため、較正エンジンは、心臓をマッピングすることに関して本明細書に記載されているが、任意の解剖学的構造、身体部分、器官、又はその部分を、本明細書に記載される較正エンジンを操作するときのマッピングの標的とすることができる。
【0007】
較正エンジン及びオンライン磁気較正システムの1つ若しくは2つ以上の利点、技術的効果、及び/又は利点は、患者内のカテーテルの操縦中に自動較正を生成することによって、オンサイト又は現場のカテーテル較正の必要性に対処することを含む。「オンライン」という用語は、実際の処置中に較正する能力を指すことに留意されたい。「自動較正」という用語は、実際の処置中にカテーテルの感度及び/又は方向を調整する能力を指すことに留意されたい。更に、較正エンジン及びオンライン磁気較正システムは、カテーテルが較正直後(例えば、数ヶ月又は数年後)に使用されるため、局所較正チャンバの必要性を排除し、カテーテル時効問題を未然に防ぐ。更に、較正エンジン及びオンライン磁気較正システムは、既存の外科/マッピングシステムに適合及び実装することができ、任意のカテーテルとともに作業することができる。
【0008】
図1は、本明細書の主題の1つ又は2つ以上の特徴を1つ又は2つ以上の実施形態に従って実装することができる、システム100として示される例示的なシステム(例えば、医療デバイス機器)の図である。システム100の全部又は一部は、情報(例えば、生体測定データ及び/又は訓練データセット)を収集するために使用することができ、かつ/又は本明細書に記載されるように較正エンジン101を実装するために使用することができる。システム100は、例解されるように、カテーテル110(少なくとも1つの電極111を含む)、シャフト112、シース113、及びマニピュレータ114を備えたプローブ105を含む。システム100はまた、例解されるように、医師115(又は医療専門家又は臨床医)、心臓120、患者125、及びベッド130(又はテーブル)も含む。差し込み図140及び150は、心臓120及びカテーテル110をより詳細に示すものである点に留意されたい。システム100はまた、例解されるように、コンソール160(1つ又は2つ以上のプロセッサ161及びメモリ162を含む)及びディスプレイ165も含む。更に、システム100の各要素及び/又はアイテムは、その要素及び/又はそのアイテムのうちの1つ若しくは2つ以上を表す点に留意されたい。図1に示されるシステム100の例を改変して、本明細書に開示される実施形態を実施することができる。本開示の実施形態も、他のシステム構成要素及び設定を使用して、同様に適用することができる。更に、システム100は、電気的活動を感知するための要素、有線又は無線コネクタ、処理及びディスプレイデバイスなどの、更なる構成要素を含むことができる。
【0009】
システム100は、(例えば、較正エンジン101を使用して)心臓の状態を検出、診断、及び/又は治療するために利用することができる。心不整脈などの心臓状態は、特に老年人口において一般的かつ危険な内科疾患として根強く残っている。例えば、システム100は、生体測定データ(例えば、心臓120などの患者の器官の解剖学的及び電気的測定値)を取得し、心臓アブレーション処置を実施するように構成された外科用システム(例えば、Biosense Websterより販売されているCARTO(登録商標)システム)の一部とすることができる。より詳細には、心不整脈などの心疾患の治療では、心臓組織、心腔、静脈、動脈、及び/又は電気的経路の詳細なマッピングを得ることがしばしば求められる。例えば、(本明細書に記載されるような)カテーテルアブレーションを成功裏に行うための前提条件として、心不整脈の原因が心臓120の心腔において正確に位置特定されることがある。このような位置特定は、電気生理学的検査によって行われて、その調査の間に、心臓120の心腔内に導入されたマッピングカテーテル(例えば、カテーテル110)によって空間的に分解された電位を検出することができる。したがって、この電気生理学的検査、いわゆる電気解剖学的マッピングは3Dマッピングデータを提供し、これをモニター上に表示することができる。多くの場合、マッピング機能及び治療機能(例えば、アブレーション)は単一のカテーテル又は一群のカテーテルによって提供され、マッピングカテーテルはまた、同時に治療(例えば、アブレーション)カテーテルとしても動作する。この場合、較正エンジン101は、オンライン磁気較正アルゴリズムとして、カテーテル110によって直接記憶及び実行することができる。
【0010】
正常洞調律(normal sinus rhythm、NSR)を有する患者(例えば、患者125)では、心房、心室、及び興奮性伝導組織を含む心臓(例えば、心臓120)は、電気的に興奮して、同期した、パターンを有する形で拍動する。なお、この電気的興奮は、心内心電図(IC ECG)データなどとして検出することができる。
【0011】
心不整脈(例えば、心房細動又はaFib)を有する患者(例えば、患者125)では、心臓組織の異常領域は、正常な導電性組織に伴う同期した拍動周期に従わず、NSRを有する患者とは対照的である。これに対して、心臓組織の異常領域では隣接組織への異常な伝導が行われ、これにより心臓周期が乱れて非同期的な心律動となる。この非同期的心律動はまた、IC ECGデータとして検出することができる点に留意されたい。こうした異常伝導は、例えば、房室(atrioventricular、AV)結節の伝導経路に沿った洞房(sino-atrial、SA)結節の領域、又は心室及び心房の壁を形成する心筋組織など、心臓120の様々な領域で生じることがこれまでに知られている。異常な導電性の組織のパターンがリエントリー経路につながることにより、洞律動の複数倍になり得る規則的なパターンで心腔が拍動する、心房粗動などの他の状態も存在する。
【0012】
システム100が心臓の状態を検出、診断、及び/又は治療することを支援するため、プローブ105は、医師115によって、ベッド130上に横たわる患者125の心臓120内へと操縦することができる。例えば、医師115は、カテーテル110の近位端の近くのマニピュレータ114及び/又はシース113からの偏向を用いてシャフト112の遠位端を操作しながら、シース113を通してシャフト112を挿入することができる。差し込み図140に示されるように、カテーテル110をシャフト112の遠位端に取り付けることができる。カテーテル110は、折り畳まれた状態でシース113を通して挿入することができ、次いで、心臓120内で拡張させることができる。
【0013】
一般に、心臓120内のある点における電気的活動は通常、遠位先端又はその近くに電気センサを収容したカテーテル110(例えば、少なくとも1つの電極111)を心臓120内のその点へと前進させ、組織をセンサと接触させ、その点におけるデータを取得することによって測定することができる。単一の遠位先端電極のみを収容したカテーテルタイプを使用して心腔をマッピングすることに伴う1つの難点は、心腔全体としての詳細なマップに求められる必要な数の点にわたって各点ごとにデータを集積するために長い時間が必要とされることがある。したがって、心腔内の複数の点における電気的活動を同時に測定するために、多電極カテーテル(例えば、カテーテル110)が開発されてきた。
【0014】
少なくとも1つの電極111及びその本体上に連結されたカテーテル針を含むことができるカテーテル110は、体内臓器(例えば、心臓120)の電気的信号などの生体測定データを得て、かつ/又はその組織領域(例えば、心臓120の心腔)をアブレーションするように構成することができる。電極111は、追跡コイル、圧電変換器、電極、又は組織領域をアブレーションするか若しくは生体測定データを取得するように構成された要素の組み合わせなどの任意の同様の要素又は構成要素を表すものである点に留意されたい。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、カテーテル110は、軌跡情報を判定するために使用される1つ又は2つ以上の位置センサを含むことができる。この軌跡情報を使用して、組織の収縮性などの運動特性を推測することができる。
【0015】
生体測定データ(例えば、患者生体測定値、患者データ、又は患者生体測定データ)は、局所興奮時間(local activation time、LAT)、電気的活動、トポロジー、双極マッピング、基準活動、心室活動、優位周波数、インピーダンスなどのうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。LATは、正規化された初期開始点に基づいて計算された、局所活性化に対応する閾値活動の時点であり得る。電気的活動は、1つ又は2つ以上の閾値に基づいて測定され得る任意の適用可能な電気信号であり得、信号対ノイズ比及び/又はその他のフィルタに基づいて、感知及び/又は拡張され得る。トポロジーは、身体部分又は身体部分の一部の物理的構造に対応し得、身体部分の異なる部分に関する、又は異なる身体部分に関する物理的構造における変化に対応し得る。優位周波数は、身体部分の一部で一般的に見られる周波数又は周波数の範囲であってよく、同じ身体部分の異なる部分において異なり得る。例えば、心臓のPVの優位周波数は、同じ心臓の右心房の優位周波数と異なり得る。インピーダンスは、身体部分の特定の領域における抵抗測定値であり得る。
【0016】
生体測定データの例としては、これらに限定されるものではないが、患者識別データ、IC ECGデータ、双極心臓内基準信号、解剖学的及び電気的測定値、軌跡情報、身体表面(body surface、BS)ECGデータ、履歴データ、脳生体測定値、血圧データ、超音波信号、無線信号、音声信号、2次元又は3次元画像データ、血糖データ、及び温度データが挙げられる。生体測定データは一般的に、心血管疾患(例えば、不整脈、心筋症、及び冠動脈疾患)、及び自己免疫疾患(例えば、I型及びII型糖尿病)などの任意の数の様々な疾患を監視、診断、及び治療するために使用され得る。BS ECGデータは、患者の表面上の電極から収集されたデータ及び信号を含むことができ、IC ECGデータは、患者体内の電極から収集されたデータ及び信号を含むことができ、アブレーションデータは、アブレーションされた組織から収集されたデータ及び信号を含み得る点に留意されたい。更に、BS ECGデータ、IC ECGデータ、及びアブレーションデータは、カテーテル電極位置データとともに、1つ又は2つ以上の処置記録から導出することができる。
【0017】
例えば、カテーテル110は、電極111を使用して血管内超音波及び/又はMRIカテーテル法を実施して心臓120を画像化する(例えば、生体測定データを取得及び処理する)ことができる。差し込み図150は、心臓120の心腔内のカテーテル110を拡大図で示す。カテーテル110はポイントカテーテルとして示されているが、1つ又は2つ以上の電極111を含む任意の形状が、本明細書に開示される例示的な実施形態を実施するために使用され得る点は理解されよう。
【0018】
カテーテル110の例としては、これらに限定されるものではないが、複数の電極を有する線状カテーテル、バルーンを形成する複数のスパイン上に分散した電極を含むバルーンカテーテル、複数の電極を有するラッソーカテーテル若しくはループカテーテル、又は他の任意の適用可能な形状が含まれる。直線状カテーテルは、受信信号に基づいて及び/又は直線状カテーテルに対する外力(例えば、心臓組織)の作用に基づいて、捻れ、折れ曲がり、及び/又は他の形でその形状を変化させることができるように、完全に又は部分的に弾性であってよい。バルーンカテーテルは、患者の身体内に配備される際、その電極を心内膜表面に対して密接に接触した状態に保持することができるように設計することができる。一例として、バルーンカテーテルは、肺静脈(pulmonary vein、PV)などの管腔内に挿入され得る。バルーンカテーテルは収縮状態でPVに挿入することができ、それにより、PVに挿入されている間にバルーンカテーテルがその最大体積を占有することはない。バルーンカテーテルは、PVの内側にある間に拡張することができ、それにより、バルーンカテーテル上の電極は、PVの円形部分全体と接触する。PV又は任意の他の管腔の円形部分全体とのこのような接触は、効率的な撮像及び/又はアブレーションを可能とする。
【0019】
他の例によれば、身体パッチ及び/若しくはBS電極、又は1つ若しくは2つ以上の他の送信機もまた、患者125の身体上又は身体に近接して位置付けられ得る。1つ若しくは2つ以上の電極111を有するカテーテル110を身体内(例えば、心臓120内)に位置付けることができ、カテーテル110の位置を、カテーテル110の1つ若しくは2つ以上の電極111と身体パッチ及び/又はBS電極(例えば、送信機)との間で送受信される信号に基づいてシステム100により判定することができる。例えば、1つ又は2つ以上の送信機(例えば、9個の送信機)は、ベッド130の下など、患者125の外部に位置付けることができ、カテーテル110による1つ又は2つ以上の構成要素における検出のための1つ又は2つ以上の電圧測定値を誘導する磁場を提供する。更に、電極111は、心臓120内などの患者125の身体内から生体測定データを感知することができる(例えば、電極111は、組織の電位をリアルタイムで感知する)。生体測定データは、判定されたカテーテル110の位置と関連付けることができ、それにより、患者の身体部分(例えば、心臓120)のレンダリングを表示し、身体部分の形状に重ね合わされた生体測定データを示すことができる。
【0020】
プローブ105及びシステム100の他のアイテムは、コンソール160に接続することができる。コンソール160は、オンライン磁気較正アルゴリズム(較正エンジン101に含むことができ、かつ/又は較正エンジン101として表すことができる)を用いる任意のコンピューティングデバイスを含むことができる。例示的な実施形態によれば、コンソール160は、1つ又は2つ以上のプロセッサ161(任意のコンピューティングハードウェア)及びメモリ162(任意の非一時的な有形媒体)を含み、1つ又は2つ以上のプロセッサ161は、較正エンジン101に関してコンピュータ命令を実行し、メモリ162は、1つ又は2つ以上のプロセッサ161による実行のためにこれらの命令を記憶する。例えば、コンソール160は、生体測定データを受信及び処理して特定の組織領域が電気を伝導するかどうかを判定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コンソール160は、カテーテルの1つ又は2つ以上の構成要素によって1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉し、1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて較正データを推定し、かつ較正データをカテーテルに出力する機能を実行するために、(ソフトウェアにおいて)較正エンジン101によって更にプログラムすることができる。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、較正エンジン101は、コンソール160の外部にあることができ、例えば、カテーテル110内、外部デバイス内、モバイルデバイス内、クラウドベースのデバイス内に位置することができるか、又はスタンドアロン型プロセッサであることができる。この点に関して、較正エンジン101は、ネットワークを介して電子形態で転送可能/ダウンロードすることができる。
【0021】
一例では、コンソール160は、本明細書に記載のように、ソフトウェア(例えば、較正エンジン101)及び/又はプローブ105との間で信号を送受信するために、かつシステム100の他の構成要素を制御するために好適なフロントエンド及びインタフェース回路を備える、汎用コンピュータなどのハードウェア(例えば、プロセッサ161及びメモリ162)を含む、任意のコンピューティングデバイスであり得る。例えば、フロントエンド回路及びインタフェース回路は、コンソール160が少なくとも1つの電極111から信号を受信及び/又は少なくとも1つの電極111に信号を転送することを可能にする入出力(input/output、I/O)通信インタフェースを含む。コンソール160は、典型的には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)の後に続くアナログデジタル(analog-to-digital、A/D)ECG又は心電図/筋電図(electromyogram、EMG)信号変換集積回路として構成されたリアルタイムノイズ低減回路を含み得る。コンソール160は、A/D ECG又はEMG回路から別のプロセッサへ信号を伝えることができ、かつ/又は本明細書に開示される1つ若しくは2つ以上の機能を実行するようにプログラムすることができる。
【0022】
生体測定データを視覚的に提示するための任意の電子デバイスであり得るディスプレイ165は、コンソール160に接続されている。例示的な実施形態によれば、処置中、コンソール160は、ディスプレイ165上で、医師115への身体部分のレンダリングの提示を促進し、身体部分のレンダリングを表すデータをメモリ162に記憶することができる。例えば、運動特性を示すマップを、心臓120内の十分な数の点でサンプリングされた軌跡情報に基づいてレンダリング/構築することができる。一例として、ディスプレイ165は、身体部分のレンダリングを提示することに加えて、医療専門家115からの入力を受けるように構成することができるタッチスクリーンを含むことができる。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態では、医師115は、タッチパッド、マウス、キーボード、ジェスチャ認識装置などの1つ又は2つ以上の入力デバイスを使用して、システム100の要素及び/又は身体部分のレンダリングを操作することができる。例えば、入力デバイスを使用して、レンダリングが更新されるようにカテーテル110の位置を変更することができる。ディスプレイ165は、同じ場所、又は別の病院若しくは別の医療提供者ネットワークなどの遠隔の場所に位置し得る点に留意されたい。
【0024】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、システム100は、超音波、コンピュータ断層撮影(computed tomography、CT)、MRI、又はカテーテル110若しくは他の医療機器を利用する他の医療撮像技術を使用して生体測定データを得ることもできる。例えば、システム100は、1つ又は2つ以上のカテーテル110又は他のセンサを使用して、心臓120のECGデータ及び/又は解剖学的及び電気的測定値(例えば、生体測定データ)を得ることができる。より詳細には、コンソール160は、ケーブルによって、患者125に貼付された接着皮膚パッチを含むBS電極に接続することができる。BS電極は、BS ECGデータの形態で生体測定データを取得/生成することができる。例えば、プロセッサ161は、患者125の身体部分(例えば、心臓120)内のカテーテル110の位置座標を判定することができる。位置座標は、BS電極と、カテーテル110又は他の電磁構成要素の電極111との間で測定されるインピーダンス又は電磁場に基づいたものであってよい。追加的に、又は代替的に、操縦に使用される磁場を生成する場所パッドは、ベッド130の表面上に位置し得、また、ベッド130とは別個であり得る。生体測定データは、コンソール160に送信し、メモリ162に記憶させることができる。代替的に、又は追加的に、生体データは、本明細書で更に記載するようなネットワークを使用して、ローカル又はリモートであり得るサーバに送信され得る。
【0025】
1つ又は2つ以上の例示的な実施形態によれば、カテーテル110は、心臓120の心腔の組織領域をアブレーションするように構成することができる。差し込み図150は、心臓120の心腔内のカテーテル110を拡大図で示す。例えば、少なくとも1つの電極111などのアブレーション電極を、体内の臓器(例えば、心臓120)の組織領域にエネルギーを与えるように構成することができる。エネルギーは、熱エネルギーであってよく、組織領域の表面から始まって組織領域の厚さに延びる組織領域への損傷を引き起こす可能性がある。アブレーション処置に関する生体測定データ(例えば、アブレーション組織、アブレーション場所など)は、アブレーションデータとみなすことができる。
【0026】
一例によれば、生体測定データを取得することに関して、多電極カテーテル(例えば、カテーテル110)を心臓120の心腔内に前進させることができる。電極のそれぞれの位置及び配向を確立するために、前後方向(Anteroposterior、AP)及び横方向の蛍光写真を取得することができる。ECGは、BS ECGからの洞律動におけるP波の発生及び/又は冠状静脈洞内に配置されたカテーテル110の電極111からの信号など、時間基準に対して心臓表面と接触する電極111のそれぞれから記録することができる。本明細書で更に開示されるシステムは、電気的活動を記録する電極と、心内膜壁に近接していないことにより電気的活動を記録しない電極とを区別することができる。最初のECGが記録された後、カテーテルを再位置付けすることができ、蛍光写真及びECGを再び記録することができる。次に、(例えば、心臓マッピングを介して)電気的マップは、上記のプロセスの反復から構築することができる。
【0027】
心臓マッピングは、1つ又は2つ以上の技術を使用して実施することができる。一般に、心臓120の心臓領域、組織、静脈、動脈、及び/又は電気経路などの心臓領域のマッピングによって、瘢痕組織、不整脈源(例えば、電気的ローター)などの問題領域、健康な領域などの特定につながり得る。心臓領域は、本明細書で更に開示されるように、マッピングされた心臓領域の視覚的レンダリングがディスプレイを使用して提供されるようにマッピングすることができる。更に、心臓マッピング(心臓撮像の一例である)は、これらに限定されるものではないが、LAT、局所興奮速度、電気的活動、トポロジー、双極マッピング、優位周波数、又はインピーダンスなどの1つ若しくは2つ以上のモダリティに基づくマッピングを含み得る。複数のモダリティに対応するデータ(例えば、生体測定データ)は、患者の身体に挿入されたカテーテル(例えば、カテーテル110)を使用して捕捉することができ、対応する設定及び/又は医師115の選好に基づいて、同時に又は異なる時間にレンダリングするために提供することができる。
【0028】
第1の技術の一例として、心臓マッピングは、心臓120内の正確な場所の関数として、心臓組織の電気的特性、例えばLATを感知することによって実装することができる。対応するデータ(例えば、生体測定データ)は、心臓1120内に前進させられる、かつ遠位先端に電気及び場所センサ(例えば、電極111)を有する1つ又は2つ以上のカテーテル(例えば、カテーテル110)により取得され得る。具体例として、場所及び電気的活動は、心臓120の内側表面上の約10~約20箇所の点で最初に測定することができる。これらのデータ点は一般に、心臓表面の予備復元又はマップを満足な品質で生成するのに十分であり得る。予備マップは多くの場合、更なる点で測定されたデータと結合されて心臓の電気的活動の更に包括的なマップが生成され得る。臨床現場では、心腔の電気的活動の詳細な包括的マップを生成するために100箇所以上の部位(例えば数千)のデータを集積することも珍しいことではない。その後、生成された詳細なマップは、心臓の電気的活動の伝播を変化させ、正常な心律動を回復させるための治療活動方針、例えば、本明細書に記載される組織のアブレーションについての決定を行うための基準となり得る。
【0029】
更に、心臓マッピングは、心内電位場(例えば、IC ECGデータ及び/又は双極心内基準信号の一例である)の検出に基づいて生成することができる。大量の心臓電気的情報を同時に取得するために非接触的な方法を実施することができる。例えば、遠位端部分を有するカテーテルタイプは、その表面上にわたって分布し、信号感知及び処理手段への接続のために絶縁導電体に接続された一連のセンサ電極を備えることができる。端部のサイズ及び形状は、電極が心腔の壁から実質的に離間されるようなものとすることができる。心内電位場は、1回の心拍の間に検出することができる。一例によれば、センサ電極は、互いに離間された平面内に位置する一連の円周上に分布させることができる。これらの平面は、カテーテルの端部の長軸に対して垂直であってよい。少なくとも2個の更なる電極が、端部の長軸の両端に隣接して提供され得る。より具体的な例として、カテーテルは、各円周上に等角で離間された8個の電極を有する4つの円周を含み得る。したがって、この特定の実装形態では、カテーテルは、少なくとも34個の電極(32個の周方向電極と2個の端部電極)を含むことができる。別のより具体的な例として、カテーテルは、5本の柔軟な可撓性分枝、8本の放射状スプライン、又は平行なスプラインを有するフライ返し型(例えば、いずれも合計42個の電極を有し得る)などの他の多スプライン型カテーテルを含み得る。
【0030】
電気的又は心臓マッピングの例として、非接触式及び非拡張式多電極カテーテル(例えば、カテーテル110)に基づく電気生理学的心臓マッピングシステム及び技術を実施することができる。ECGは、複数の電極(例えば、42~122個の電極など)を有する1つ又は2つ以上のカテーテル110を用いて得ることができる。この実装形態により、プローブ及び心内膜の相対的な幾何学的形状の知見を、経食道心エコー法などの独立した撮像モダリティによって得ることができる。独立した撮像の後、非接触式電極を使用して心臓表面電位を測定し、この表面電位からマップを構築することができる(例えば、場合によっては、双極心内基準信号を使用する)。この技術は、(独立した撮像工程の後に)以下の工程を含むことができる。すなわち、(a)心臓120内に位置付けられたプローブ上に配置された複数の電極を用いて電位を測定する工程、(b)プローブ表面と心内膜表面及び/又は他の基準との幾何学的関係を判定する工程、(c)プローブ表面と心内膜表面との幾何学的関係を表す係数の行列を生成する工程、並びに(d)電極電位及び係数の行列に基づいて心内膜電位を判定する工程。
【0031】
電気的又は心臓マッピングの別の例として、心腔の電位分布をマッピングするための技術及び装置を実装することができる。心臓内多電極マッピングカテーテルアセンブリを心臓120に挿入することができる。マッピングカテーテル(例えば、カテーテル110)アセンブリは、1つ又は2つ以上の一体型基準電極(例えば、1つ又は電極111)を有する複数電極アレイ又はコンパニオン基準カテーテルを含むことができる。マッピングカテーテルの例は、単軸センサ(SAS)カテーテル、二軸センサ(DAS)、及び三軸センサ(TAS)カテーテルを含むが、これらに限定されない。
【0032】
1つ又は2つ以上の例示的な実施形態によれば、電極は、ほぼ球状のアレイの形態で展開することができ、この球状のアレイは、基準電極によって、又は心内膜表面と接触させられる基準カテーテルによって心内膜表面上の点に対して空間的に参照することができる。好ましい電極アレイカテーテルは、多数の個々の電極部位(例えば、少なくとも24個)を有することができる。加えて、この例示的な技術は、アレイ上の電極部位の各々の場所を知ること、及び心臓の幾何学的形状を知ることで実装することができる。これらの場所は、好ましくは、インピーダンスプレチスモグラフィ法によって判定される。
【0033】
電気的又は心臓マッピングの観点から、また、別の例によれば、カテーテル110は、多数の電極部位を画定する電極アレイを含み得る心臓マッピングカテーテルアセンブリとすることもできる。この心臓マッピングカテーテルアセンブリはまた、心臓壁を短針するために使用することが可能な遠位先端電極アセンブリを有する基準カテーテルを受容するための管腔を備えている。マップ心臓マッピングカテーテルアセンブリは、絶縁ワイヤの編組(例えば、編組内に24~64本のワイヤを有する)を含むことができ、ワイヤのそれぞれを使用して電極部位を形成することができる。心臓マッピングカテーテルアセンブリは、非接触電極部位の第1のセット及び/又は接触電極部位の第2のセットから電気的活動情報を取得するために使用されるように心臓120内に容易に位置付け可能である。
【0034】
更に、別の例によれば、心臓内の電気生理学的活動のマッピングを実施することができるカテーテル110は、心臓をペーシングするための刺激パルスを供給するように適合された遠位先端部、又は先端部と接触する組織をアブレーションするためのアブレーション電極を含むことができる。このカテーテル110は、直交電極の近傍の局所的な心臓電気的活動を示す差分信号を生成するための少なくとも一対の直交電極を更に含むことができる。
【0035】
本明細書で述べられるように、システム100を用いて心臓状態を検出、診断、及び/又は治療することができる。例示的な動作では、心腔内の電気生理学的データを測定するためのプロセスを、システム100によって実施することができる。このプロセスは、部分的に、能動電極と受動電極のセットを心臓120内に位置付けることと、能動電極に電流を供給し、それにより心腔内に電場を発生させることと、受動電極部位の電場を測定することとを含むことができる。受動電極は、バルーンカテーテルの膨張可能なバルーン上に位置付けられたアレイに含まれる。好ましい実施形態では、アレイは60~64個の電極を有すると言われる。
【0036】
別の例示的な動作として、心臓マッピングは、1つ又は2つ以上の超音波トランスデューサを使用してシステム100によって実施することもできる。超音波トランスデューサは、患者の心臓120に挿入することができ、心臓120内の様々な場所及び配向の複数の超音波スライス(例えば、2次元又は3次元スライス)を収集することができる。特定の超音波トランスデューサの場所及び配向が分かる場合もあり、収集された超音波スライスは、後で表示することができるように記憶させることができる。プローブ105(例えば、カテーテル110として示される治療カテーテル)の位置に対応する1つ又は2つ以上の超音波スライスを表示することができ、1つ又は2つ以上の超音波スライス上にプローブ105を重ね合わせることができる。
【0037】
システム100を考慮すると、心房性不整脈を含めた心不整脈は、心房の周りで散乱して、しばしば自己伝播する電気インパルスの複数の非同期的ループを特徴とする、マルチウェーブレット・リエントラント型である場合があることが分かる(例えば、IC ECGデータの別の例)。代替的に、又はマルチウェーブレット・リエントラント型に加えて、心不整脈はまた、心房の組織の孤立領域が、急速かつ反復する形で自律的に興奮する場合などの、巣状興奮源を有する場合もある(例えば、IC ECGデータの別の例)。心室性頻脈症(Ventricular tachycardia、V-tach又はVT)は、心室のうちの1つから発生する頻脈症又は高速な心律動である。これは、心室細動及び突然死につながり得るため、潜在的に致死性の不整脈である。
【0038】
例えば、aFibは、洞房結節によって生成される通常の電気インパルス(例えば、IC ECGデータの別の例)が心房静脈及びPVで生じる無秩序な電気インパルス(例えば、信号干渉)によって圧倒され、不規則的なインパルスを心室に伝導させる場合に発生する。その結果、不規則的な心拍が生じ、数分~数週間、又は更には数年間持続する場合がある。多くの場合、aFibは、しばしば脳卒中による死亡リスクをわずかに増加させる慢性的な状態である。aFibの治療方針は、心拍数を減らすか又は心律動を正常に戻す投薬治療である。更には、aFibを有する患者は、脳卒中のリスクから守るために抗凝血剤を投与される場合が多い。そのような抗凝血剤の使用は、それ自体のリスクである内出血を伴う。一部の患者では、投薬治療は十分ではなく、その患者のaFibは、薬剤不応、すなわち、標準的な薬理学的介入では治療不可能であると判断される。同期された電気的除細動もまた、aFibを通常の心律動に変換するために使用することができる。代替的に、aFibの患者には、カテーテルアブレーションによる治療も行われる。
【0039】
カテーテルアブレーションベースの治療は、心臓組織、特に心内膜及び心臓容積の電気的特性をマッピングすること、並びにエネルギーの印加によって心臓組織を選択的にアブレーションすることを含み得る。電気又は心臓マッピング(例えば、本明細書に記載される任意の電気生理学的心臓マッピングシステム及び技術によって実施される)には、心臓組織に沿った波伝播の電位マップ(例えば、電圧マップ)、又は様々な組織に位置する点への到達時間のマップ(例えば、LATマップ)を作成することが含まれる。局所的な心臓組織の機能不全を検出するために、電気的又は心臓マッピング(例えば、心臓マップ)を使用することができる。心臓マッピングに基づくアブレーションなどのアブレーションは、不要な電気信号が心臓120のある部分から別の部分へと伝播することを停止させるか又は変化させることができる。
【0040】
アブレーション法は、非伝導性の損傷部を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、損傷部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロックを作るためのマイクロ波、レーザ、及びより一般的には無線周波エネルギーの使用が挙げられる。エネルギー送達法の別の例としては、細胞膜を損傷する高い電場を与える不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)が挙げられる。2段階の処置(マッピングに続いてアブレーション)においては、通常、1つ又は2つ以上の電気センサ(例えば、電極111)を収容したカテーテル110を心臓120内に前進させ、多数の点におけるデータ(例えば、一般には生体測定データとして、又は具体的にはECGデータとして)を取得/獲得することによって、心臓120内の点における電気的活動が感知及び測定される。次いでECGデータを用いて、アブレーションを実施する心内膜の標的領域が選択される。
【0041】
心房細動及び心室頻拍などの困難な疾患を医師が治療する際の心臓アブレーション及び他の心臓電気生理学的処置は、ますます複雑化している。難治性不整脈の治療は現在、対象となる心腔の解剖学的形態を再構成するうえで3次元(three-dimensional、3D)マッピングシステムの使用に依存することができる。これに関して、本明細書でシステム100によって用いられる較正エンジン101は、オンライン磁気較正アルゴリズムを実装するとともに、一般に生体測定データ、又は具体的にはECGデータを操作及び評価して、より正確な診断、画像、スキャン、及び/又は異常な心拍若しくは不整脈を治療するためのマップを可能にする改善された組織データを生成する。例えば、心臓専門医は、ECGデータを生成及び分析するうえで、Biosense Webster,Inc.(Diamond Bar,Calif.)により製造されるCARTO(登録商標)3 3DマッピングシステムのComplex Fractionated Atrial Electrograms(CFAE)モジュールなどのソフトウェアに依存する。システム100の較正エンジン101は、このソフトウェアを強化して、改善された生体測定データを生成及び分析し、これにより更に、aFibの心臓基質(解剖学的及び機能的)を表す心臓120(瘢痕組織を含む)の電気生理学的特性に関する複数の情報を更に提供する。
【0042】
したがって、システム100は、異常ECGの検出の観点から、心筋症の潜在的な不整脈原性基質の位置を特定するために、CARTO(登録商標)3 3Dマッピングシステムなどの3Dマッピングシステムを実装することができる。これらの心臓疾患に関連する基質は、心室腔(右及び左)の心内膜及び/又は心外膜層の細分化及び遅延ECGの存在と関連付けられている。例えば、低電圧又は中電圧の領域は、ECGの細分化及び遅延活動を示し得る。更に、洞律動の間において低電圧又は中電圧の領域は、持続性のまとまりのある心室性不整脈において識別される臨界峡部(critical isthmus)に対応し得る(例えば、許容されない心室頻拍、及び心房内に当てはまる)。一般に、異常組織は、低電圧のECGによって特徴付けられる。しかしながら、心内膜-心外膜マッピングにおける初期の臨床経験によって、低電圧の領域は、こうした患者における唯一の不整脈発生機序として常に存在するとは限らないことが示されている。実際に、低電圧又は中電圧の領域は、洞律動の間にECGの細分化及び遅延活動を示す場合があり、これは、持続性のまとまりのある心室性不整脈の際に識別される臨界峡部(critical isthmus)に対応する(例えば、許容されない心室頻拍のみに当てはまる)。更に、多くの場合、ECGの細分化及び遅延活動は、正常又はほぼ正常な電圧振幅(>1~1.5mV)を示す領域で観察される。後者の領域は、電圧振幅に従って評価することができるが、心内信号によれば正常とはみなされず、したがって真の不整脈原性基質を表している。3Dマッピングは、主要疾患の進展によって分布にばらつきがあり得る、右/左心室の心内膜及び/又は心外膜層上の不整脈原性基質の位置を特定することができる。
【0043】
別の例示的な動作として、心臓マッピングは、1つ又は2つ以上の多電極カテーテル(例えば、カテーテル110)を使用してシステム100によって実施することもできる。多電極カテーテルは、心臓120内の電気的活動を刺激及びマッピングし、異常な電気的活動が見られる部位をアブレーションするために使用される。使用時には、多電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿静脈に挿入された後、対象となる心臓120の心腔内へと案内される。典型的なアブレーション処置では、その遠位端に少なくとも1つの電極111を有するカテーテル110を心腔内に挿入することを伴う。基準電極が、患者の皮膚にテープで貼り付けられるか、あるいは心臓内又は心臓付近に位置付けられる第2のカテーテルによって、あるいはカテーテル110の1つ又は他の電極111から選択することによって、提供される。高周波(RF)電流がアブレーションカテーテル110の先端電極111に印加され、先端電極の周囲の媒質(すなわち、血液及び組織)に基準電極に向かって電流が流れる。電流の分布は、組織より高い導電性を有する血液と比較した場合、組織と接触する電極表面の量に依存する。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織が十分に加熱されると、心臓組織において細胞破壊が引き起こされ、結果として、非電導性である心臓組織内に損傷部が形成される。この過程では、加熱された組織から電極自体への伝導によって先端電極111の加熱も生じる。電極の温度が十分に高くなり、場合により60℃を超えると、脱水された血中タンパク質の薄く透明な皮膜が、電極111の表面上に形成され得る。温度が上昇し続けると、この脱水層が徐々に厚くなり得、電極表面上に血液が凝固する。脱水された生物学的材料は、心内膜組織よりも高い電気抵抗を有するため、電気エネルギーの組織内部への流れに対するインピーダンスもまた増大する。インピーダンスが十分に高くなると、インピーダンス上昇が起こり、カテーテル110を身体から抜き取り、先端電極111を洗浄しなければならない。
【0044】
ここで図2を参照すると、1つ又は2つ以上の例示的実施形態による、本開示の主題の1つ又は2つ以上の特徴を実装することができるシステム200の図が例解されている。システム200は、患者202(例えば、図1の患者125の一例)に対して、装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、リモートコンピューティングシステム208、第1のネットワーク210、及び第2のネットワーク211を含む。更に、装置204は、生体測定センサ221(例えば、図1のカテーテル110の一例)、プロセッサ222、ユーザ入力(user input、UI)センサ223、メモリ224、及び送受信機225を含むことができる。説明を容易とし、簡潔にするため、図1の較正エンジン101が図2で再使用されている点に留意されたい。
【0045】
一実施形態によれば、装置204は、図1のシステム100の一例であってよく、装置204は、患者の内部の構成要素及び患者の外部の構成要素の両方を含むことができる。別の実施形態によれば、装置204は、取り付け可能なパッチ(例えば、患者の皮膚に取り付けられる)を含む患者202の外部の装置であってよい。別の実施形態によれば、装置204は、患者202の身体の内部のもの(例えば、皮下移植可能な)とすることができ、装置204を、経口注入、静脈若しくは動脈を介した外科的挿入、内視鏡処置、又は腹腔鏡処置を含む任意の適用可能な方法によって患者202体内に挿入することができる。一実施形態によれば、単一の装置204が図2に示されているが、例示的なシステムは、複数の装置を含むことができる。
【0046】
したがって、装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、較正エンジン101に関するコンピュータ命令を実行するようにプログラムすることができる。一例として、メモリ223は、装置204が生体測定センサ201を介して生体測定データを受信及び処理することができるように、プロセッサ222による実行のためのこれらの命令を記憶する。このように、プロセッサ222及びメモリ223は、ローカルコンピューティングデバイス206及び/又はリモートコンピューティングシステム208のプロセッサ及びメモリを表すものである。
【0047】
装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、較正エンジン101及びその機能を個別又は集合的に記憶、実行、及び実装するソフトウェア及び/又はハードウェアの任意の組み合わせとすることができる。更に、装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、本明細書に記載されるように、様々な通信技術を利用した任意の数及び組み合わせのコンピューティングデバイス及びネットワークを含む、及び/又は使用する電子的コンピュータフレームワークとすることができる。装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、異なるサービスに合わせて変更すること可能な、又は他と独立していくつかの機能を再構成することが可能な、容易にスケーラブルで、拡張可能な、モジュール式のものとすることができる。
【0048】
ネットワーク210及び211は、有線ネットワーク、無線ネットワークとすることができるか、又は1つ若しくは2つ以上の有線及び無線ネットワークを含むことができる。一実施形態によれば、ネットワーク210は、近距離ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、又はパーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN))の一例である。情報は、Bluetooth、Wi-Fi、Zigbee、Z-Wave、近接場通信(NFC)、ウルトラバンド、Zigbee、又は赤外線(infrared、IR)などの様々な近距離無線通信プロトコルのうちのいずれか1つを使用して、装置204とローカルコンピューティングデバイス206との間で近距離ネットワーク210を介して送信することができる。更に、ネットワーク211は、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(wide area network、WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(metropolitan area network、MAN)、直接接続若しくは一連の接続、セルラー電話ネットワーク、又はローカルコンピューティングデバイス206とリモートコンピューティングシステム208との間の通信を容易にすることが可能な任意のその他のネットワーク若しくは媒体のうちの1つ若しくは2つ以上のものの一例である。情報は、様々な長距離無線通信プロトコル(例えば、TCP/IP、HTTP、3G、4G/LTE、又は5G/New Radio)のいずれか1つを使用して、ネットワーク211を介して送信することができる。なお、ネットワーク210及び211の有線接続は、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)、RJ-11、又は任意の他の有線接続を使用して実装することができ、無線接続は、Wi-Fi、WiMAX、及びBluetooth、赤外線、セルラーネットワーク、衛星通信、又は任意の他の無線接続法を使用して実装することができる。
【0049】
動作中、装置204は、ネットワーク210を介して、患者202に関連する生体測定データを、連続的又は定期的に、取得、監視、記憶、処理、及び通信することができる。更に、装置204、ローカルコンピューティングデバイス206、及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、ネットワーク210及び211を介して通信する(例えば、ローカルコンピューティングデバイス206は、装置204とリモートコンピューティングシステム208との間のゲートウェイとして構成することができる)。例えば、装置204は、ネットワーク210を介してローカルコンピューティングデバイス206と通信するように構成された図1のシステム100の一例であり得る。ローカルコンピューティングデバイス206は、例えば、固定/独立型デバイス、基地局、デスクトップ/ラップトップコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、又はネットワーク211及び210を介して他のデバイスと通信するように構成された他のデバイスとすることができる。ネットワーク211上の、若しくはネットワーク211に接続された物理サーバとして、又はネットワーク211のパブリッククラウドコンピューティングプロバイダ(例えば、Amazon Web Services(AWS)(登録商標))内の仮想サーバとして実装されるリモートコンピューティングシステム208は、ネットワーク211を介してローカルコンピューティングデバイス206と通信するように構成することができる。これにより、システム200全体を通じて、患者202に関連する生体測定データを通信することができる。
【0050】
装置204の要素がここで説明される。生体測定センサ221は、例えば、異なる種類の生体測定データが観察/取得/入手されるように、1つ又は2つ以上の環境条件を電気信号に変換するように構成された1つ又は2つ以上のトランスデューサを含むことができる。例えば、生体測定センサ221は、電極(例えば、図1の電極111)、温度センサ(例えば、熱電対)、血圧センサ、血糖センサ、血中酸素センサ、pHセンサ、加速度計、及びマイクロフォンのうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0051】
較正エンジン101を実行するうえで、プロセッサ222は、生体測定センサ221によって取得された生体測定データを受信、処理、及び管理し、かつ生体測定データを、記憶させるためにメモリ224に、かつ/又は送受信機225を介してネットワーク210全体に通信するように構成することができる。1つ又は2つ以上の他の装置204からの生体測定データはまた、送受信機225を介してプロセッサ222によって受信され得る。また、以下でより詳細に説明するように、プロセッサ222は、UIセンサ223から受信される異なるタッピングパターン(例えば、シングルタップ又はダブルタップ)に選択的に応答して、パッチの異なるタスク(例えば、データの取得、記憶、又は送信)が、検出されたパターンに基づいて起動されるように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ222は、ジェスチャの検出に関して可聴フィードバックを生成することができる。
【0052】
UIセンサ223は、例えば、タップ又はタッチなどのユーザ入力を受信するように構成された圧電センサ又は静電容量センサを含む。例えば、UIセンサ223は、患者202が装置204の表面をタップ又はタッチすることに応答して、容量性結合を実施するように制御され得る。ジェスチャ認識は、抵抗容量性、表面容量性、投影容量性、表面超音波、圧電及び赤外線タッチなどの、様々な容量型のうちのいずれか1つを介して実装することができる。静電容量センサは、表面のタップ又はタッチが監視デバイスを起動させるように、表面の小さい領域又は長さにわたって配置され得る。
【0053】
メモリ224は、磁気、光学、又は電子メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなどの任意の好適な揮発性及び/又は不揮発性メモリ)などの任意の非一時的有形媒体である。メモリ224は、プロセッサ222によって実行されるコンピュータ命令を記憶する。
【0054】
送受信機225は、別個の送信機及び別個の受信機を含み得る。代替的に、送受信機225は、単一のデバイスに一体化された送信機及び受信機を含み得る。
【0055】
動作中、較正エンジン101を利用する装置204は、生体測定センサ221を介して患者202の生体測定データを観察/取得して、メモリ内に生体測定データを記憶し、送受信機225を介してシステム200全体でこの生体測定データを共有する。
【0056】
ここで図3を参照すると、1つ又は2つ以上の例示的な実施形態による、方法300(例えば、図1及び/又は図2の較正エンジン101によって実行される)が例解されている。方法300は、現在の臨床処置中に患者125内のカテーテル110の操縦中(例えば、マッピング体積にわたって)の自動較正を生成することによるオンサイト又は現場のカテーテル較正の必要性に対処する。
【0057】
この方法は、ブロック320で始まり、較正エンジン101は、使用中(例えば、現在の臨床処置において)、カテーテル110のメモリに記憶された第1の較正データを再呼び出しする。第1の較正データは、カテーテル製造中又は最後の較正活動中に記憶することができ、いずれの場合も、現在の臨床処置の前である。
【0058】
一般に、較正データは、感度及び角度(例えば、方向)などの1つ又は2つ以上のパラメータを含む。感度は、カテーテル110の各構成要素のコイル感度(例えば、感知コイルが生成するガウス当たりどれだけ多くのボルトであるかに関する各感知コイルの感度)であることができる。角度は、カテーテル110の構成要素の対の間の角度であることができる。
【0059】
ブロック340で、較正エンジン101は、カテーテル110から1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉する。1つ又は2つ以上の電圧測定値の各々は、カテーテル110の1つ又は2つ以上の構成要素によって捕捉することができる。より具体的には、1つ又は2つ以上の電圧測定値は、カテーテル110が患者125内で(例えば、マッピング体積にわたって)操縦されるときに、1つ又は2つ以上の点でカテーテル110の構成要素(例えば、電極111、センサなど)の各々又は特定のセットによって取得された電圧読み取り値であることができる。実施形態によれば、1つ又は2つ以上の電圧測定値は、1つ又は2つ以上の送信機から発生することができる。これに関して、1つ又は2つ以上の電圧測定値はシステム100に知られている。
【0060】
ブロック360で、較正エンジン101は、1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて、第2の較正データを推定する。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、較正エンジン101は、各構成要素によって取得された各電圧読み取り値を使用して、第2の較正データのリアルタイム感度及びリアルタイム角度を判定する。
【0061】
ブロック380で、較正エンジン101は、第2の較正データがカテーテル110に適用されるように、第2の較正データをカテーテル110に出力する(例えば、カテーテル110のメモリ内の第1の較正データを上書きする)。このようにして、ブロック320の第1の較正データは、ブロック360で推定された第2の較正データ(例えば、リアルタイム感度及びリアルタイム角度)によって修正することができる。
【0062】
矢印390で、方法300はループする。これに関して、較正エンジン101は、任意の記憶された較正を更に改良又は調整するために方法300を繰り返すことができる。すなわち、任意のオンライン較正データ(ブロック360で推定される)が、記憶された較正データ(ブロック320で呼び出される)とは異なる場合、較正エンジン101は、オンライン較正データを使用して、カテーテル110からより良好な性能を調達することができる(例えば、時効により、経時的に異なって機能し得る)。
【0063】
ここで図4を参照すると、1つ又は2つ以上の例示的な実施形態による、方法400(例えば、図1及び/又は図2の較正エンジン101によって実行される)が例解されている。この方法は、ブロック410で始まり、ここで、較正エンジン101は、臨床処置中に現在の位置で1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉する。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、較正エンジン101は、空間内の1つ又は2つ以上の点(カテーテル110が前進するときの現在の各位置)からカテーテル110の感知コイルで測定値(例えば、電圧読み取り値)を収集し、この値は、次いで、較正エンジン101によって使用されて、パラメータを推定し得る。
【0064】
例示的な実施形態では、システム100は、電気生理学システム(例えば、CARTO(登録商標)システム)、又はその一部であることができる。更に、カテーテル110は、SASセンサを含むことができる。SASセンサは、1つの較正パラメータ(例えば、コイル感度)を有する1つの軸方向センサ(感知コイル)を含む。各感知コイルは、単一点での9つ(この実施態様では)の送信機の各々からの電圧測定値を収集することができる。すなわち、測定値(T)の総数は、点(X)あたりの各軸方向センサ(S)のための送信機較正の数(M)に等しい(例えば、(MS)X=T)。最大収集時、SASセンサは、単一点で9つの測定値を収集する(例えば、91)1=9)。
【0065】
更に、カテーテル110は、DASセンサを含むことができる。DASセンサは、2つの軸方向センサを含む。DASセンサは、3つの較正パラメータ(例えば、2つのコイル感度及びそれらの間の角度)を有する。9つの送信機を有するシステムでは、DASセンサは、18個の電圧測定値を単一点で収集する(例えば、92)1=18)。
【0066】
更に、カテーテル110は、TASセンサを含むことができる。TASセンサは、3つの軸方向センサを含む。TASセンサは、6つの較正パラメータ(例えば、3つのコイル感度及びコイル対の間の3つの角度)を有する。次に、合計27個の電圧測定値(9個の送信機が存在する場合)が、単一点で捕捉される(例えば、(93)1=27)。
【0067】
決定ブロック420で、較正エンジン101は、較正のための追加の電圧測定が必要とされるかどうかを判定する。較正のための追加の電圧測定が必要とされる場合、方法400は、ブロック430に進む(YES矢印で示される)。次いで、方法400は、ブロック410を介して決定ブロック420に進む。較正のための追加の電圧測定が必要ない場合、方法400はブロック460に進む(NO矢印で示される)。
【0068】
追加の電圧測定が必要であると判定するために、カテーテルエンジン101は、使用されるカテーテルのタイプに関連する最小閾値数を利用し、最小閾値数を、捕捉された1つ又は2つ以上の電圧測定値の数と比較し得る。このようにして、較正エンジン110及びシステム100は、電圧測定値の数が未知のパラメータの数以上であるというルールを実装することができる。次に、コイル及び/又は送信機の数が最小閾値数を駆動する。
【0069】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、較正エンジン101は、カテーテル110のSAS、DAS、及び/又はTASセンサを較正することができる。SASセンサ(すなわち、1つの軸方向センサ)を較正するために、最小閾値数は、較正エンジン101が単一点から較正データを推定するのに十分な測定値を有することを保証するために6つの送信機からの6つの電圧測定値である。DAS(すなわち、2つの軸方向センサ)を較正するために、最小閾値数は、較正エンジン101が単一点から較正データを推定するのに十分な測定値を有することを保証するために5つの送信機からの10個の電圧測定値(例えば、10=52)である。TASセンサ(すなわち、3つの軸方向センサ)を較正するために、最小閾値数は、較正エンジン101が単一点から較正データを推定するのに十分な測定値を有することを保証するために4つの送信機からの12の電圧測定値(例えば、12=43)である。較正エンジン110及びシステム100が単一点よりも多くから収集する場合、最小閾値数は、DASセンサの場合は4つの送信機であることができ、TASの場合は3つの送信機であることができる。したがって、1つ又は2つ以上の技術的効果、利点、及び利益は、較正エンジン110及びシステム100が、任意のカテーテルで作業するために既存の外科/マッピングシステムに適応可能であるということである。
【0070】
ブロック430で、カテーテル110は、現在の位置を次の位置に変更するために経路に沿って前進させられる。較正エンジン101が経路上で較正している場合、カテーテル110は、(例えば、所定の)位置の間で移動することができることに留意されたい。一実施形態によれば、経路は、ほぼ、予想される作業体積(例えば、心室の片側から別の側への掃引)のサイズであることができる。
【0071】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、カテーテル110が操縦される又は前進させられるとき、追加の点が短時間内に収集され得る。図5のチャート500に示されるように、カテーテル110が操縦され、10個の点が収集される場合、270の電圧測定が行われる。同様に、カテーテル110が操縦され、100個の点が収集される場合、2700の電圧測定が行われる。
【0072】
ブロック460で、較正エンジン101は、1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて較正データ(例えば、少なくとも12個のパラメータ)を推定する。パラメータの例は、位置、配向角度、各センサの感度、及び各センサ間の相互角度を含むが、これらに限定されない。
【0073】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、少なくとも12個のパラメータは、TASセンサの場合、6つの場所/配向パラメータ及び6つの較正パラメータを含むことができる。TASセンサは、一般に、本明細書で考察されるように、3つのコイル感度及びコイル対の間の3つの角度(例えば、6つの較正パラメータ)を含むことに留意されたい。
【0074】
図5のチャート500に示されるように、270の電圧測定が行われる場合、60の場所/配向パラメータ及び6つの較正パラメータを推定することができる(例えば、66のパラメータ)。同様に、2700の電圧測定が行われる場合、600の場所/配向パラメータ及び6つの較正パラメータを推定することができる(例えば、606のパラメータ)。場所/配向パラメータの各々は、TAS位置に依存し、したがって、場所/配向パラメータの数は、(ブロック410及び420からの)位置の数に対応するように増加することに留意されたい。また、較正パラメータの各々は、TAS位置に依存しないため、較正パラメータの数は、6にとどまることにも留意されたい。較正エンジン101及びオンライン磁気較正システムの1つ又は2つ以上の利点、技術的効果、及び/又は利益は、推定値が局所フィールド歪みに関してより堅牢であるため、マッピング体積を横切るいくつかの点から較正データを推定する能力を含む。
【0075】
例えば、TASセンサの場合、合計27回の測定が1点で行われることに留意されたい。測定値の数を増加させるためにより多くのポイントが収集されるので、カテーテル較正が改善される(例えば、処置中に取得される測定値が多くなるほど、較正データのための推定がより堅牢となる)ことに更に留意されたい。チャート500に示されるように、10点で、270回の測定を使用して、66個のパラメータを推定することができ、そのうち6個は較正パラメータである。100個の点で、2700回の測定を使用して606個のパラメータを推定することができる(やはり、そのうち6個は較正パラメータである)。次いで、推定された較正パラメータを、センサとカテーテルとの間の以前から既知の幾何学的関係と組み合わせることができ、これは、操縦処置中にカテーテルの場所及び配向を最終的に提供する。したがって、結果として生じる場所は、現在の較正チャンバによって提供される較正よりも優れていないとしても、正確であり得る。
【0076】
ブロック480で、較正エンジン101は、較正データをカテーテル110に適用する。また、1つ又は2つ以上の実施形態によれば、推定された較正パラメータは、センサとカテーテル110との間の既知の先行関係と組み合わせることができる。例えば、TASセンサは、シャフト112と位置合わせされる。
【0077】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、磁気場所システム内の較正エンジン101は、いくつかの入力を取り込む数学モデル(例えば、式のセット)を利用する。入力の数は、限定されないが、磁場モデル(例えば、マッピング体積の各点での磁場値)、本明細書に記載の較正データ、マッピング体積におけるセンサ位置及び配向を含むことができる。モデル出力は、各感知コイルによって生成された電圧値の予測である。較正エンジン101が通常モードで動作しているとき、磁場は、フィールド生成器のメモリに記憶されているので知られており、較正データは、カテーテルメモリに記憶されているので知られており、センサ位置及び配向は、モデル予測電圧が実際の測定された電圧に最良に一致するように位置及び配向値を見つけることによって推定される。較正エンジン101が較正モードで動作しているとき、磁場は、フィールド生成器のメモリに記憶されているので知られているが、較正データ及びセンサ位置及び配向は、モデル予測電圧が実際の測定された電圧に最良に一致するように較正データ値及び位置及び配向値を見つけることによって推定される。更に、較正モードでは、場所推定は、通常モードにおけるほど堅牢である必要はない(較正エンジン101は、推定すべきより多くのパラメータを有するため)。更に、多くの点を使用して、較正エンジン101は、較正データを堅牢に推定することができる(例えば、選択された点に依存しないため)。較正エンジン101は、較正データが推定されるまで較正モードにおいて始動することができ、通常モード(例えば、記憶されたデータの代わりに任意の推定された較正データを使用する)に切り替わることができることに留意されたい。
【0078】
更に、較正エンジン101は、較正データを利用して、前の較正からの電極/コイルの劣化とともに、カテーテル110のライフサイクルを判定することができる。例えば、較正エンジン101は、記憶された較正パラメータとオンラインで推定された較正パラメータとの差についての閾値を設定及びチェックすることができ、これにより、カテーテル110が過度に劣化している(例えば、閾値よりも大きい)場合、(例えば、カテーテル110を停止させることによって)使用を防止する。カテーテル110が(例えば、閾値を超えているにもかかわらず)依然として使用可能であり得るため、較正エンジン101及びシステム100は、閾値に従って医師115(又は医療専門家若しくは臨床医)に通知を提供することができ、医師115は、(例えば、使用するリスクが高すぎないという知識に基づいて)いかなる方法においても、カテーテル110を使用することを決定することができる。
【0079】
図中の流れ図及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の考えられる実装形態の構造、機能性、及び動作を示すものである。この点に関して、流れ図又はブロック図における各ブロックは、示された論理機能を実施するための1つ又は2つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又は命令の部分を表し得るものである。いくつかの代替的な実装形態において、ブロックに示される機能は、図に示される順序以外の順序で行われ得る。例えば、連続して示す2つのブロックは、実際に、実質的に同時に実行され得、あるいはそれらのブロックは、時には、関連する機能性に応じて、逆の順序で実行され得る。ブロック図及び/又は流れ図の各ブロック、並びにブロック図及び/又は流れ図のブロックの組み合わせは、特定の機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースシステムによって実施することができるか、あるいは、専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを動作させる、又は実行することができるということにも留意されたい。
【0080】
特徴及び要素が特定の組み合わせで上に記載されるが、当業者であれば、特徴又は要素の各々を単独で又は他の特徴及び要素と組み合わせて使用することができることを理解するであろう。加えて、本明細書に記載される方法は、コンピュータ又はプロセッサで実行するために、コンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装され得る。本明細書で使用するコンピュータ可読媒体とは、電波又は他の自由に伝搬する電磁波、導波管若しくは他の伝送媒体を通って伝搬する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又は動線を通って伝送される電気信号などの、それ自体が一過性の信号であるものとして解釈されるべきではない。
【0081】
コンピュータ可読媒体の例としては、電気信号(有線又は無線接続を介して送信される)及びコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、これらに限定されるものではないが、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、コンパクトディスク(compact disk、CD)及びデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)などの光学媒体、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)、及びメモリスティックなどが挙げられる。プロセッサをソフトウェアとともに使用して、端末、基地局、又は任意のホストコンピュータで使用するための無線周波数送受信機を実装することができる。
【0082】
本明細書で使用される用語は、あくまで特定の実施形態を説明する目的のものに過ぎず、限定を目的としたものではない。本明細書で使用するとき、文脈上特に明記されない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数の形態をも含むものとする。「備える(comprise)」及び/又は「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で用いられる場合、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成部品の存在を示すものであるが、1つ又は2つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を除外するものではない点を理解されたい。
【0083】
本明細書の異なる実施形態の説明は例示の目的で示されたものであるが、網羅的であることも開示される実施形態に限定されることも意図していない。多くの改変及び変形が、記載される実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実用的な用途、又は市場に見られる技術と比較した技術的改良点を最も良く説明するため、又は当業者による本明細書に開示される実施形態の理解を可能とするために選択されたものである。
【0084】
〔実施の態様〕
(1) 医療用デバイスを較正するための方法であって、
1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行される較正エンジンによって、カテーテルの1つ又は2つ以上の構成要素による1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉することと、
前記較正エンジンによって、前記1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて、較正データを推定することと、
前記較正エンジンによって、前記較正データを前記カテーテルに出力することと、を含む、方法。
(2) 前記1つ又は2つ以上の電圧測定値が、前記1つ又は2つ以上の構成要素の各々又は特定のセットによって取得された電圧読み取り値を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記カテーテルが患者内で操縦されるとき、前記電圧読み取り値が、1つ又は2つ以上の点で取得される、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記較正データが、感度及び角度を含む1つ又は2つ以上のパラメータを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記感度が、前記カテーテルの前記1つ又は2つ以上の構成要素の各々に対するコイル感度を含む、実施態様4に記載の方法。
【0085】
(6) 前記角度が、前記カテーテルの前記1つ又は2つ以上の構成要素のうちの少なくとも1つの対の間の角度を含む、実施態様4に記載の方法。
(7) 前記1つ又は2つ以上の構成要素が、少なくとも1つの軸方向センサを含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記少なくとも1つの軸方向センサによる前記1つ又は2つ以上の電圧測定値が、少なくとも3つの送信機からのものである、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記カテーテルが、単軸センサ、二軸センサ、及び三軸センサのうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記較正データが、場所/配向及び較正パラメータを含む、実施態様1に記載の方法。
【0086】
(11) 医療用デバイスを較正するためのシステムであって、
較正エンジンのためのプロセッサ実行可能コードを記憶するメモリと、
前記メモリに通信可能に結合された1つ又は2つ以上のプロセッサであって、前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記プロセッサ実行可能コードを実行して、前記システムに、
前記較正エンジンによって、カテーテルの1つ又は2つ以上の構成要素による1つ又は2つ以上の電圧測定値を捕捉することと、
前記較正エンジンによって、前記1つ又は2つ以上の電圧測定値に基づいて、較正データを推定することと、
前記較正エンジンによって、前記較正データを前記カテーテルに出力することと、を実行させるように構成されている、1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える、システム。
(12) 前記1つ又は2つ以上の電圧測定値が、前記1つ又は2つ以上の構成要素の各々又は特定のセットによって取得された電圧読み取り値を含む、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記カテーテルが患者内で操縦されるとき、前記電圧読み取り値が、1つ又は2つ以上の点で取得される、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記較正データが、感度及び角度を含む1つ又は2つ以上のパラメータを含む、実施態様11に記載のシステム。
(15) 前記感度が、前記カテーテルの前記1つ又は2つ以上の構成要素の各々に対するコイル感度を含む、実施態様14に記載のシステム。
【0087】
(16) 前記角度が、前記カテーテルの前記1つ又は2つ以上の構成要素のうちの少なくとも1つの対の間の角度を含む、実施態様14に記載のシステム。
(17) 前記1つ又は2つ以上の構成要素が、少なくとも1つの軸方向センサを含む、実施態様11に記載のシステム。
(18) 前記少なくとも1つの軸方向センサによる前記1つ又は2つ以上の電圧測定値が、少なくとも3つの送信機からのものである、実施態様17に記載のシステム。
(19) 前記カテーテルが、単軸センサ、二軸センサ、及び三軸センサのうちの少なくとも1つを含む、実施態様11に記載のシステム。
(20) 前記較正データが、場所/配向及び較正パラメータを含む、実施態様11に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】