(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022115847
(43)【公開日】2022-08-09
(54)【発明の名称】レーザアブレーション密封スロット機械加工
(51)【国際特許分類】
B23K 26/36 20140101AFI20220802BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20220802BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20220802BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20220802BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20220802BHJP
【FI】
B23K26/36
F02C7/00 D
F01D25/00 X
F02C7/28 Z
B23K26/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022011843
(22)【出願日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】17/160,793
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ジョン・コスキ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・フランシス・アンドリューズ
(72)【発明者】
【氏名】カレブ・ドウェイン・マイヤーズ
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD01
4E168AD14
4E168AD18
4E168CB03
4E168CB04
4E168CB13
4E168EA00
4E168JA15
4E168JA23
4E168JA25
4E168JB04
(57)【要約】
【課題】キャビティを形成する構成部品をレーザアブレーションするシステムおよび方法が提供される。
【解決手段】一態様では、レーザシステムは、キャビティの断面の少なくとも一部が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くように構成部品をレーザアブレーションする。材料のスライスが取り除かれ、レーザシステムは、断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションする。これにより、側壁のテーパを取り除く。この過程は、キャビティの深さを形成するように反復させることができる。レーザシステムは、その後、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くために構成部品をレーザアブレーションする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティを形成するために構成部品をレーザアブレーションする方法であって、
(a)前記キャビティの断面の少なくとも一部分が形成されるように、前記構成部品から材料のスライスを取り除くために前記構成部品をレーザアブレーションするステップと、
(b)前記断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、前記構成部品から余剰側壁材料を取り除くために前記断面の輪郭に沿って前記構成部品をレーザアブレーションするステップと、
(c)前記キャビティの1つまたは複数の後続の断面を形成するために、前記方法のステップ(a)および(b)を反復するステップと、
(d)ステップ(c)での反復の後に、所定の深さに前記キャビティの端部壁面を形成するように、前記構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くために、前記構成部品をレーザアブレーションするステップと
を含む方法。
【請求項2】
ステップ(b)で前記構成部品から前記余剰側壁材料を取り除くために前記断面の前記輪郭に沿って前記構成部品をレーザアブレーションするステップは、前記断面の前記輪郭に沿って前記構成部品を複数回レーザアブレーションするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構成部品は、前記キャビティの前記1つまたは複数の後続の断面の所与の1つの少なくとも一部が形成されるように、材料の後続のスライスを取り除くために前記構成部品をレーザアブレーションするように前記方法がステップ(a)に反復する前に、ステップ(b)で複数回、前記断面の前記輪郭に沿ってレーザアブレーションされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記材料のスライスは、ステップ(b)で前記余剰側壁材料が前記レーザアブレーションすることによって取り除かれる前に、ステップ(a)で前記レーザアブレーションすることによって取り除かれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記構成部品は、前記キャビティの前記1つまたは複数の後続の断面の次の1つの少なくとも一部が形成されるように、材料の後続のスライスを取り除くために前記構成部品をレーザアブレーションするように前記方法がステップ(a)に反復する前に、ステップ(b)で前記断面の前記輪郭、または前記キャビティの前記1つまたは複数の後続の断面の所与の1つに沿ってレーザアブレーションされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(b)で前記断面の前記輪郭に沿って前記構成部品をレーザアブレーションすることにより、前記断面を形成する前記1つまたは複数の側壁がテーパ状でないように、前記構成部品から前記余剰側壁材料を取り除く、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(d)でレーザアブレーションによって取り除く前に、前記余剰端部壁面材料は、その断面に沿って丸い形状を有し、前記丸い形状は前記丸い形状の残りの部分より大きな深さで周を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法(300)のステップ(a)および(b)は、前記キャビティの少なくとも一部が所定の深さに到達するまで、ステップ(c)で反復される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記方法(300)のステップ(a)および(b)は、所定の数の反復が行われるまで、ステップ(c)で反復される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記構成部品はセラミックマトリックス複合構成部品である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記構成部品はガスタービンエンジン用タービンノズルであり、前記キャビティはその密封スロットである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(d)で前記キャビティの前記端部壁面を形成するように、前記余剰端部壁面材料を取り除くために前記構成部品をレーザアブレーションする際に、前記端部壁面の全体が前記所定の深さに形成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
密封スロットを形成するためにタービンノズルをレーザアブレーションする方法であって、
(a)前記密封スロットの断面の少なくとも一部分が形成されるように、前記タービンノズルから材料のスライスを取り除くために前記タービンノズルをレーザアブレーションするステップと、
(b)前記密封スロットの前記断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、前記タービンノズルから余剰側壁材料を取り除くために前記タービンノズルをレーザアブレーションするステップと、
(c)所定の深さに前記密封スロットの端部壁面を形成するように、余剰端部壁面材料を取り除くために前記タービンノズルをレーザアブレーションするステップと
を含む方法。
【請求項14】
ステップ(c)の前に、前記密封スロットの1つまたは複数の後続の断面に対して前記方法のステップ(a)および(b)を反復するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
レーザシステムのコントローラの1つまたは複数のプロセッサによって実行される場合に、前記コントローラに、
(a)キャビティの断面の少なくとも一部が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くためにレーザシステムに前記構成部品をレーザアブレーションさせ、
(b)前記断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、前記構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、前記レーザシステムに前記断面の輪郭に沿って前記構成部品をレーザアブレーションさせ、
(c)前記レーザシステムに前記キャビティの1つまたは複数の後続の断面に対して(a)および(b)を反復させ、
(d)(c)での反復の後に、所定の深さに前記キャビティの端部壁面を形成するように、前記構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くために前記レーザシステムに前記構成部品をレーザアブレーションさせる
コンピュータ実行可能指示を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は概して、ガスタービンエンジン用構成部品などの構成部品内へのレーザアブレーション機構に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの航空ガスタービンエンジン構成部品は、1つまたは複数のキャビティまたは開口部を備えている。例えば、タービンノズルアセンブリは、複数のタービンノズルを備えることができる。各タービンノズルは典型的には密封スロットを備えている。密封スロットは、隣接するタービンノズル間のスプライン密封を保持する。従来、タービンノズルは金属材料で形成されていた。このような金属タービンノズルの密封スロットは、密封スロットの高いアスペクト比および厳しい許容要件により、放電機械加工(EDM)で頻繁に機械加工されてきた。タービンノズルはより一般的には、セラミックマトリックス複合(CMC)材料で形成されている。CMC構成部品を機械加工するためにEDMを使用することは、このようなCMC構成部品の不均質材料による特定の課題を有する。超音波機械加工は、CMC部品内で密封スロットを機械加工する際に上手く証明された。しかし、EDMと同様に、超音波機械加工は典型的には、高額な工具を必要とし、比較的長いサイクル時間を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、上に記した課題の1つまたは複数に対処するシステムおよび方法は有用である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様および利点は、以下の記載で部分的に記載される、または記載から自明であり得る、または本発明の実施により習得され得る。
【0005】
一態様では、キャビティを形成するために構成部品をレーザアブレーションする方法が提供される。方法は、(a)キャビティの断面の少なくとも一部分が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするステップを含んでいる。方法はさらに、(b)断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションするステップを含んでいる。加えて、方法は、(c)キャビティの1つまたは複数の後続の断面を形成するために、方法のステップ(a)および(b)を反復するステップを含んでいる。さらに、方法は、(d)ステップ(c)での反復の後に、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くために、構成部品をレーザアブレーションするステップを含んでいる。
【0006】
別の態様では、密封スロットを形成するためにタービンノズルをレーザアブレーションする方法が提供される。方法は、(a)密封スロットの断面の少なくとも一部分が形成されるように、タービンノズルから材料のスライスを取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップを含んでいる。さらに、方法は、(b)密封スロットの断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、タービンノズルから余剰側壁材料を取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップを含んでいる。加えて、方法は、(c)所定の深さに密封スロットの端部壁面を形成するように、余剰端部壁面材料を取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップを含んでいる。
【0007】
別の例示的な態様では、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読媒体は、レーザシステムのコントローラの1つまたは複数のプロセッサによって実行される場合に、コントローラに、(a)キャビティの断面の少なくとも一部が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くためにレーザシステムに構成部品をレーザアブレーションさせ、(b)断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、レーザシステムに断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションさせ、(c)レーザシステムにキャビティの1つまたは複数の後続の断面に対して(a)および(b)を反復させ、(d)(c)での反復の後に、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くためにレーザシステムに構成部品をレーザアブレーションさせるコンピュータ実行可能指示を含んでいる。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特性、態様および利点は、以下の記載および添付の特許請求の範囲を参照してより良く理解されるだろう。本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を図示し、記載と共に、本発明の原理を説明するように働く。
【0009】
当業者を対象とした、その最良の形態を含む、本発明の完全および可能な開示は、添付の図面を参照する明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本主題の様々な実施形態による例示的ガスタービンエンジンの断面略図である。
【
図2】本主題の例示的実施形態による、
図2に示した構成部品などの構成部品をレーザアブレーションするための例示的レーザシステムの略図である。
【
図3】本主題の一例示的実施形態による、中にキャビティを形成するために構成部品をレーザアブレーションする方法のフロー図である。
【
図4】キャビティの第1の断面を形成するために、レーザアブレーションによって材料の第1のスライスがそこから取り除かれた、
図2の構成部品の断面略図である。
【
図5】キャビティの新しく形成された第1の断面のテーパ状側壁の1つを示す、
図4の断面5の拡大図である。
【
図6】材料の第1のスライスがレーザアブレーションによって取り除かれた後に、
図2の構成部品の上平面略図である。
【
図7】材料の第1のスライスが取り除かれ、キャビティの第1の断面を形成する余分側壁材料が第1の断面の輪郭に沿ったレーザアブレーションによって取り除かれた後の、
図2の構成部品の断面略図である。
【
図8】
図2の構成部品の断面略図であり、レーザアブレーションによってそこから材料の第2のスライスを取り除くレーザシステムを示す。
【
図9】キャビティの第2の断面を形成するように、材料の第2のスライスがレーザアブレーションによってそこから取り除かれた、
図2の構成部品の断面略図である。
【
図10】材料の第2のスライスがレーザアブレーションによって取り除かれた後の、
図2の構成部品の上平面略図である。
【
図11】材料の第2のスライスが取り除かれ、第2の部分の輪郭に沿ったレーザアブレーションによってキャビティの第2の部分を形成する余分な側壁材料が取り除かれた後の、
図2の構成部品の断面略図である。
【
図12】キャビティの少なくとも一部が所定の深さに形成された、
図2の構成部品の断面略図である。
【
図13】キャビティが仕様通りに形成された、
図2の構成部品の断面略図である。
【
図14】本主題の例示的実施形態による例示的演算システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書および図面の参照文字の繰り返しの使用は、同じまたは同様の機構または要素を示すことを意図している。
【0012】
次に、本発明の本実施形態に詳細に言及し、その1つまたは複数の実施例が添付の図面に図示されている。詳細な説明は、図面において機構を言及するために、数字および文字符号を使用する。図面および説明中の同様または同様の符号は、本発明の同様または同様の部分に言及するために使用されている。本明細書で使用されるように、「第1の」、「第2の」および「第3の」という用語は、1つの構成部品を別のものと区別するために交換可能に使用することができ、個別の構成部品の位置または重要性を示すことを意図したものではない。「上流側」および「下流側」という用語は、流体経路内の流体流れに対する相対的方向のことを言う。例えば、「上流側」は流体がそこから流れる方向のことを言い、「下流側」は流体がそこへ流れる方向のことを言う。
【0013】
本開示の態様は、ガスタービンエンジン用構成部品などの構成部品内に機構をレーザアブレーションするシステムおよび方法を対象とする。一例示的態様では、キャビティを形成するために構成部品をレーザアブレーションする方法が提供される。構成部品は、ガスタービンエンジンのタービンノズルであってもよく、キャビティは、例えば、その密封スロットであってもよい。構成部品は、セラミックマトリックス複合(CMC)材料または別の適切な材料で形成することができる。方法は、キャビティの部分の少なくとも一部が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするステップを含む。レーザシステムは、構成部品をレーザアブレーションするために使用することができる。レーザシステムのコントローラは、レーザビームが材料のスライスを取り除くために所定のパターンで構成部品に沿ってスキャンまたはシューティングするように、様々な構成部品を制御することができる。レーザビームが形成されている部分の側壁に近接するキャビティ内に前進すると、レーザビームは、レーザビームの円錐形状により構成部品の上表面を切り出すことができる。これは、機械加工表面でのより小さいエネルギーにつながり、したがって、新しく形成された部分の壁面をテーパ状にすることができる。
【0014】
材料のスライスを取り除いて、方法は部分の1つまたは複数の壁面を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、部分の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションするステップを含む。例えば、レーザビームは、余剰側壁材料を取り除くために、部分の輪郭周りで追跡するように制御することができる。すなわち、レーザビームは特に、側壁のテーパを取り除くために、輪郭に沿ってシューティングすることができる。レーザシステムのコントローラは、レーザビームが余剰側壁材料を取り除くために、所定のパターンで部分の輪郭に沿ってスキャンまたはシューティングするように、様々な構成部品を制御することができる。余剰側壁材料を取り除いて、キャビティの部分は仕様通りに完全に形成することができる。第1に材料のスライスを取り除き、その後第2に、輪郭に沿って通過を行うように構成部品をレーザアブレーションする過程は、キャビティの1つまたは複数の部分に対して反復させることができる。別の方法で記しているが、過程はキャビティの深さを形成するように反復させることができる。
【0015】
いくつかの例では、多数の輪郭レーザショットは、特にキャビティのより大きな深さで部分に対して、余剰側壁材料を取り除くために行うことができる。例えば、キャビティの開口端部での部分に対して、1つの輪郭ショットのみを行う必要がある可能性がある。しかし、キャビティの開口端部での部分よりキャビティのより大きな深さで形成された後続の部分では、多数の輪郭レーザショットは、余剰側壁材料を取り除くために行う必要がある可能性がある。
【0016】
上に記した2ステップ過程を反復した後、方法は、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くために構成部品をレーザアブレーションするステップを含む。余剰端部壁面材料は、その断面に沿って丸い形状を有することができる。余剰端部壁面材料の丸い形状は、丸い形状の残りの部分より大きな深さで輪郭または周を有することができる。レーザシステムのコントローラは、レーザビームが余剰端部壁面材料を取り除くために所定のパターンでスキャンするように、様々な構成部品を制御することができる。このように、端部壁面を仕様通りに形成することができる、例えば、端部壁面は平ら、またはキャビティの深さに垂直にすることができる。
【0017】
有利には、本明細書で提供されるシステムおよび方法は、構成部品内のキャビティ、特にタービンノズルの密封スロットなどの高いアスペクト比を備えたキャビティをレーザアブレーションすることに関連する課題をなくすまたは減少させることができる。例えば、構成部品の上または外側表面上のレーザビームの切り出しによる側壁のテーパは、本明細書で提供されたシステムおよび方法を使用して、なくすまたは大きく減少させることができる。さらに、従来の機械加工過程と異なり、金属型はレーザアブレーションに典型的には必要でなく、所与の構成部品に対する機械加工サイクル時間を減少させることもできる。さらに、レーザアブレーションは、CMCまたは金属材料で形成された構成部品を含む、幅広い種類の材料で構成部品を機械加工するのに使用することができる。本システムおよび方法は、他の利点および特典も有する。
【0018】
図1は、本主題の一例示的実施形態によるガスタービンエンジンの断面略図を提供する。
図1の図示した実施形態では、ガスタービンエンジンは、「ターボファン10」と本明細書で言われる、高バイパスターボファンジェットエンジン10である。ターボファン10は、(参照として提供された長手中心線12と平行に延びる)軸方向A、径方向R、および長手中心線12周りに360°軸方向Aに対して直交する平面に延びる周方向を画定する。
【0019】
ターボファン10は、ファン部分14、およびファン部分14から下流側に配置されたコアタービンエンジン16を備えている。コアタービンエンジン16は、環状コア入口20を画定するほぼ管状の外側ケーシング18を備えている。外側ケーシング18は、直流関係では、ブースターまたは低圧(LP)コンプレッサ22および高圧(HP)コンプレッサ24を備えたコンプレッサ部分、圧縮部分、高圧(HP)タービン28および低圧(LP)タービン30を備えたタービン部分、およびジェット排出ノズル部分32を囲んでいる。高圧(HP)シャフトまたはスプール34は、HPコンプレッサ24にHPタービン28を駆動可能に接続する。低圧(LP)シャフトまたはスプール36は、LPコンプレッサ22にLPタービン30を駆動可能に接続する。
【0020】
ファン部分14は、間隔を置くように、ディスク42に結合された複数のファンブレード40を有する可変ピッチファン38を備えている。図示するように、ファンブレード40は、径方向Rにほぼ沿ってディスク42から外向きに延びている。各ファンブレード40は、一体的にファンブレード40のピッチを集合的に変更するように構成された適切な作動部材44に動作可能に結合されているファンブレード40により、ピッチ軸P周りでディスク42に対して回転可能である。ファンブレード40、ディスク42、および作動部材44は一緒に、LPシャフト36によって長手軸12周りで回転可能である。
【0021】
図1をさらに参照して、ディスク42は、複数のファンブレード40を通した空気流を促進するように空気力学的に構成された回転可能な前面ナセル48によって覆われている。加えて、ファン部分14は、ファン38、および/またはコアタービンエンジン16の少なくとも一部を周方向に囲む環状のファンケーシングまたは外側ナセル50を備えている。ナセル50は、複数の周方向に間隔をおいて配置された出口ガイド羽根52によってコアタービンエンジン16に対して支持することができる。さらに、ナセル50の下流側部分54は、その間にバイパス空気流通路56を画定するように、コアタービンエンジン16の外側部分上に延びることができる。
【0022】
ターボファン10の動作中、空気58の量が、ナセル50および/またはファン部分14の関連する入口60を通してターボファン10に入る。空気58の量がファンブレード40にわたって通過すると、矢印62によって示されるような空気58の第1の部分は、バイパス空気流通路56内に案内または転送され、矢印64によって示されるような空気58の第2の部分は、環状コア入口20内およびLPコンプレッサ22内に案内または転送される。空気64の第2の部分の圧力はその後、高圧(HP)コンプレッサ24を通して燃焼部分26内に転送されるときに増加され、ここで、燃料と混合され、燃焼ガス66を提供するように燃焼される。
【0023】
燃焼ガス66は、HPタービン28を通して転送され、ここで、燃焼ガス66からの熱的および/または動的エネルギーの一部は、外側ケーシング18に結合されたHPタービン固定子羽根68、およびHPシャフトまたはスプール34に結合されたHPタービン回転子ブレード70の後続の段階を介して抽出され、したがって、HPシャフトまたはスプール34を回転させ、それにより、HPコンプレッサ24の動作を支持する。燃焼ガス66はその後、LPタービン30を通して転送され、ここで、熱的または動的エネルギーの第2の部分は、外側ケーシング18に結合されたLPタービン固定子羽根72およびLPシャフトまたはスプール36に結合されたLPタービン回転子ブレード74の後続の段階を介して燃焼ガス66から抽出され、したがって、LPシャフトまたはスプール36を回転させ、それにより、LPコンプレッサ22の動作および/またはファン38の回転を支持する。
【0024】
燃焼ガス66はその後、推進推力を提供するために、コアタービンエンジン16のジェット排出ノズル部分32を通して転送される。同時に、空気62の第1の部分の圧力は、ターボファン10のファンノズル排出部分76から排出され、また推進推力を提供する前に、バイパス空気流通路56を通して空気62の第1の部分が転送されると実質的に増加される。HPタービン28、LPタービン30、およびジェット排出ノズル部分32は少なくとも部分的に、コアタービンエンジン16を通して燃焼ガス66を転送するように熱いガス経路78を画定する。
【0025】
コアタービンエンジン16を有するターボファン10に関して記載されているが、本主題は他のタイプのターボ機械に適用可能であり得ることを理解されたい。例えば、本主題は、ターボプロップ、ターボシャフト、ターボジェット、工業および海上ガスタービンエンジン、および/または補助動力装置で、またはその中での使用に適切である可能性がある。ターボファン10の構成部品の様々な機構は、本明細書に記載したシステムおよび方法を使用してレーザアブレーションによって機械加工することができる。しかし、他のガスタービンエンジン、エンジン全般、他のターボ機械、および他の機械および/またはデバイス全体の構成部品の機構は、本明細書に記載したシステムおよび方法を使用してレーザアブレーションによって機械加工することができることを理解されたい。
【0026】
図2は、本主題の例示的実施形態による例示的レーザシステム100の略図を提供する。本実施形態では、レーザシステム100は、ガスタービンエンジン用構成部品などの、構成部品200内にキャビティ210を形成するように動作可能に構成されている。一実施例として、構成部品200は高圧タービンノズルであり、キャビティ210はその密封スロットである可能性がある。密封スロットはスプラインシールの一端部を保持し、隣接するノズルの密封スロットはスプラインシールの他端部を保持することができる。構成部品200は、燃焼器ライナ、コンプレッサノズルなどの他の適切な構成部品である可能性がある。密封スロットに加えて、キャビティ210は、窪み、刻み目、チャネル、スロット全体、チャンバ、ブラインド穴などである可能性がある。キャビティ210は、あらゆる適切な形状または幾何学形状を有することができる。
図2では、キャビティ210は、まだ機械加工されていないので、二点鎖線で示されている。
【0027】
構成部品200は、あらゆる適切な材料で形成することができる。一実施例として、構成部品200は、セラミックマトリックス複合(CMC)材料で形成することができる。CMC構成部品用例示的マトリックス材料としては、炭化ケイ素、ケイ素、シリカ、アルミナ、またはその組合せを挙げることができる。セラミック繊維は、サファイアおよび炭化ケイ素(例えば、TextronのSCS-6)などのモノフィラメントを含む酸化安定強化繊維と、炭化ケイ素(例えば、Nippon CarbonのNICALON(登録商標)、Ube IndustriesのTYRANNO(登録商標)、およびDow CorningのSYLRAMIC(登録商標))、アルミナシリケート(例えば、Nextelの440および480)、および刻んだひげ結晶および繊維(例えば、Nextelの440およびSAFFIL(登録商標))、および任意選択ではセラミック粒子(例えば、Si、Al、Zr、Yおよびその組合せの酸化物)および無機フィラー(例えば、パイロフィライト、珪灰石、マイカ、タルク、カイアナイト、およびモンモリロナイト)を含む粗紡および糸内に埋め込むことができる。CMC材料は、約1000~1200°Fの温度範囲で、約1.3×10-6インチ/インチ/°Fから約3.5×10-6インチ/インチ/°Fの範囲で熱拡張係数を有することができる。別の実施例として、構成部品200は、ポリマーマトリックス複合(PMC)材料などの他の適切な複合材料で形成することができる。さらなる実施例として、構成部品200は金属材料で形成することができる。
【0028】
図2に示すように、レーザシステム100は、垂直方向V、横方向L、および横断方向Tを画定する。垂直方向V、横方向L、および横断方向Tはそれぞれ、互いに対して相互に垂直であり、垂直方向システムを形成する。本実施形態では、レーザシステム100は、レーザ源102、およびレーザ源102から放出されるレーザビーム106を案内または収束するためのミラーまたは調節可能レンズ104を備えている。
図2に示すように、レーザビーム106は円錐形の形状をしている。調節可能レンズ104は、レーザビーム106の焦点108(すなわち、円錐形状のレーザビーム106の頂点または交点)を、構成部品200内のキャビティ210などの望ましい幾何的形状がレーザアブレーションすることができるように、移動またはスキャンすることができるように調節可能である。
【0029】
レーザシステム100はまた、アクチュエータ110を備えている。アクチュエータ110は、様々な位置の間で調節可能レンズ104を平行移動、回転、旋回、作動、調節あるいは移動させるように動作可能に構成されている。例えば、アクチュエータ110は、レーザビーム106を(
図2で二点鎖線によって示すように)移動させることができるように、調節可能レンズ104を配向することができる。このように、レーザビーム106の仰角は、キャビティ210を本明細書で記載するように形成することができるように、変更または調節することができる。アクチュエータ110は、調節可能レンズ104を配向することが可能である、あらゆる適切なタイプのアクチュエータ110であってもよい。
【0030】
図2にさらに示すように、レーザシステム100はさらに、コントローラ112を備えている。コントローラ112は、レーザ源102およびアクチュエータ110に通信可能に結合されている。コントローラ112は、1つまたは複数の信号ラインまたは共有通信バスを介してレーザ源102およびアクチュエータ110に通信可能に結合することができる、または追加または代替形態では、コントローラ112は、1つまたは複数の無線接続を介してレーザ源102およびアクチュエータ110と通信可能に結合することができる。
【0031】
レーザシステム100の動作は、コントローラ112によって制御されている。いくつかの例示的実施形態では、コントローラ112は、汎用I/O(GPIO)デバイスまたは機能ブロックを示すことができる制御パネルに通信可能に結合することができる。いくつかの例示的実施形態では、制御パネルは、回転ダイヤル、押しボタン、タッチパッド、タッチスクリーンを含む1つまたは複数の様々な電気、機械または電子機械入力デバイスなどの入力構成部品またはデバイスを備えることができる。制御パネルは、レーザシステム100の動作のユーザ操作に対する選択を行う。制御パネルのユーザ操作に応じて、コントローラ112は、レーザシステム100の様々な構成部品の動作を制御する。コントローラ112は、
図14の演算システム400の演算デバイス402の1つと同じまたは同様の方法で構成し、機能することができる。
【0032】
レーザシステム100は、密封スロットなどのキャビティ210を形成するように、構成部品200をレーザアブレーションするために使用することができる。特に、レーザシステム100は、キャビティ210の部分の少なくとも一部を形成するように材料のスライスを取り除くために構成部品200をレーザアブレーションし、その後、新しく形成された部分の輪郭をレーザアブレーションすることによって、キャビティ210を形成するために使用することができる。すなわち、レーザは、側壁テーパを取り除くために、キャビティ210の新しく形成された部分の輪郭周りでスキャンすることができる。キャビティ210の部分の少なくとも一部を形成するように材料のスライスを取り除くために構成部品200をレーザアブレーションし、その後、キャビティ210の新しく形成された部分の輪郭をレーザアブレーションする過程は、キャビティ210の部分毎、例えば、キャビティ210の少なくとも一部が所定の深さに到達するまで、反復させることができる。キャビティ210の一部が所定の深さに到達すると、構成部品200は、キャビティ210の端部壁面が所定の深さに形成されるように、余剰端部壁面材料を取り除くためにレーザアブレーションすることができる。この過程を実施することができる例示的方法は、以下に記載されている。
【0033】
図3は、本主題の一例示的実施形態による、中にキャビティを形成するために構成部品をレーザアブレーションする方法(300)のフロー図を提供する。方法(300)の説明を容易にするために、
図2から
図13まで全体的に参照する
【0034】
ステップ(302)では、方法(300)は、キャビティの部分の少なくとも一部が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするステップを含む。例えば、
図2に示すように、形成されるキャビティ210は、スライス毎に増加してレーザアブレーションすることができる。本実施形態では、形成されるキャビティ210は、第1のスライスSL1、第2のスライスSL2、第3のスライスSL3、第4のスライスSL4、第5のスライスSL5、および第6のスライスSL6を含む6つのスライス内で増加してレーザアブレーションされる。形成された場合、キャビティ210は、開口端部212とブラインド端部214の間で、例えば、垂直方向Vに沿って延びている。したがって、材料の第1のスライスSL1がレーザアブレーションによって取り除かれると、キャビティ210の開口端部212は少なくとも部分的に形成される。材料の第6のスライスSL6がレーザアブレーションによって取り除かれると、キャビティ210のブラインド端部214が少なくとも部分的に形成される。
【0035】
構成部品200から材料の第1のスライスSL1を取り除くために、レーザシステム100は、レーザビーム106に、例えば、
図2に示すように、構成部品200の表面に沿って所定のパターンでスキャンまたはシューティングさせる。特に、コントローラ112は、レーザ源102に所定の強度または電力でレーザエネルギーを放出させることができる。コントローラ112は、放出されたレーザビーム106が所定のパターンで構成部品200の表面に沿って移動するように、アクチュエータ110に調節可能レンズ104の配向を調節させることができる。例えば、レーザビーム106は、106-1と106-2の間で横方向Lに沿って案内することができる。レーザビーム106はまた、キャビティ210の3D幾何学形状を形成するように、横断方向Tに沿って移動させることができる。このように、レーザビーム106は、キャビティ210の開口端部212の所望の幾何的形状を形成するようにスキャンすることができる。分かるように、レーザビーム106が構成部品200の表面を打つと、材料は特定の局所位置で構成部品200から取り除かれる。
【0036】
図4は、材料の第1のスライスSL1(
図2)がそこから取り除かれた、構成部品200の略図を提供する。図示するように、レーザアブレーションによって取り除かれた材料の第1のスライスSL1(
図2)の大部分では、キャビティ210の第1の断面S1の一部が形成される。第1の部分S1の深さは、他の要因のうち、放出されたレーザビーム106の強度によって制御することができる。レーザビーム106の円錐形状により、レーザビーム106の一部は、レーザビーム106が形成されている断面の側壁または縁部に近接して移動される場合に、構成部品200の外側表面216を切り出すことができ、その結果、機械加工表面でのより小さいエネルギーにつながる。したがって、
図4に示すように、この例では第1の断面S1である断面の新しく形成された部分の側壁がテーパ状である。
図5に最もよく示すように、第1の断面S1の新しく形成された部分のテーパ状側壁220-S1の1つの拡大図が示されている。図示するように、テーパ状側壁220-S1は、垂直方向Vに対してある角度に配向されている。
【0037】
(304)では、
図3に戻って、方法(300)は、断面の1つまたは複数の側壁を形成するために、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションするステップを含んでいる。例として、
図6は、例えば、方法(300)の(302)で、レーザアブレーションによって材料の第1のスライスSL1が取り除かれた後の構成部品200の上平面図を提供する。図示するように、材料の第1のスライスSL1を取り除いた結果、第1の断面S1の新しく形成された部分はテーパ状側壁220-S1を有し、これは本実施例では望ましくない。したがって、余剰側壁材料222-S1(破線三角内で
図5にも示す)を取り除くために、構成部品200は再びレーザアブレーションされる。特に、第1の断面S1の輪郭OT-S1は、余剰側壁材料222-S1を取り除くためにレーザアブレーションされる。コントローラ112は、レーザ源102に所定の強度または力でレーザエネルギーを放出させることができ、放出されたレーザビーム106が第1の断面S1の輪郭OT-S1に沿ってスキャン、追跡、あるいは移動するように、アクチュエータ110に調節可能レンズ104の配向を調節させることができる。この例示的実施形態では、第1の断面S1の輪郭OT-S1は矩形リング形状を有し、したがって、レーザビーム106はこの形状に沿ってスキャンまたは追跡するように制御される。このように、第1の断面S1のテーパ状側壁220-S1を形成する余剰側壁材料222-S1を取り除き、例えば、垂直方向Vと平行にされた第1の断面S1の側壁を仕様通りに形成させることができる。いくつかの実施では、多数のショットまたは通路が、余剰側壁材料222-S1を取り除くために、第1の断面S1の輪郭OT-S1に沿って作られる。
【0038】
図7は、材料の第1のスライスS1(
図2)が取り除かれた後、および余剰側壁材料222-S1が第1の断面S1の輪郭OT-S1に沿ったレーザアブレーションによって取り除かれた後の構成部品200の断面略図を提供する。その結果、キャビティ210の第1の断面S1を形成する側壁228-S1は次に、
図7に示すように、直線である、またはテーパなしで実質的に直線である。キャビティ210の第1の断面S1は、
図7に完全に形成されて示されている。第1の断面S1は、所望のまたは予め選択した深さに形成され、側壁228-S1はテーパがない、または無視できるほどしかない。
【0039】
(306)では、
図3を参照すると、いくつかの実施では、方法(300)は、キャビティの後続の断面を形成するために、(302)および(304)を反復させるステップを含むことができる。例えば、
図7に示すようにキャビティ210の第1の断面S1が完全に形成されて、キャビティ210の後続の断面は、第1の断面S1が形成されたのと同じように形成することができる。いくつかの実施では、キャビティ210の後続の断面を形成する際に、(302)でレーザアブレーションによって取り除かれた材料のスライスは、(304)で余剰側壁材料がレーザアブレーションによって取り除かれる前に行われる。
【0040】
例として、キャビティ210の第2の断面は、第1の断面S1と同じように形成することができる。
図8に示すように、キャビティ210の第1の断面S1が形成され、(302)のレーザアブレーション動作はまた再開することができる。特に、コントローラ112は、レーザ源102に所定の強度または力でレーザエネルギーを放出させることができ、放出されたレーザビーム106が所定のパターンで移動するように、アクチュエータ110に調節可能レンズ104の配向を調節させることができる。このように、構成部品200は、材料の第2のスライスSL2が取り除かれるようにレーザアブレーションすることができる。
【0041】
図9は、キャビティ210の第2の断面S2の少なくとも一部が形成されるように取り除かれた材料の第2のスライスSL2(
図8)を示している。上に記したように、レーザビーム106の円錐形状により、レーザビーム106の一部は、レーザビーム106が材料の第2のスライスSL2を取り除くために移動される場合に、外側表面216および/または第1の断面S1の側壁228-S1を切り出すことができ、その結果、機械加工表面でのより小さいエネルギーにつながる。したがって、テーパ状側壁220-S2は
図9に示すような結果となる。テーパ状側壁220-S2は、垂直方向Vに対してある角度に配向されている。
【0042】
図8、
図9、および
図10を参照すると、材料の第2のスライスSL2がレーザアブレーションによって取り除かれた後に、余剰側壁材料222-S2が構成部品200から取り除かれる。余剰側壁材料222-S2は、第2の断面S2の輪郭OT-S2をレーザアブレーションすることによって取り除くことができる。特に、コントローラ112は、レーザ源102に所定の強度または力でレーザエネルギーを放出させることができ、放出されたレーザビーム106が第2の断面S2の輪郭OT-S2に沿って移動またはスキャンするように、アクチュエータ110に調節可能レンズ104の配向を調節させることができる。このように、第2の断面S2のテーパ状側壁220-S2を形成する余剰側壁材料222-S2を取り除き、例えば、垂直方向Vと平行にされた第2の断面S2の側壁を仕様通りに形成させることができる。いくつかの実施では、多数のショットまたは通路が、余剰側壁材料222-S2を取り除くために、第2の断面S2の輪郭OT-S2に沿って作られる。
【0043】
図11は、材料の第2のスライスS2(
図8)が取り除かれた後、および余剰側壁材料222-S2が第2の断面S2の輪郭OT-S2に沿ったレーザアブレーションによって取り除かれた後の構成部品200の断面略図を提供する。その結果、キャビティ210の第2の断面S2を形成する側壁228-S2は次に、
図11に示すように、直線である、またはテーパなしで実質的に直線である。キャビティ210の第2の断面S2は、
図11に完全に形成されて示されている。第2の断面S2は、所望のまたは予め選択した深さに形成され、側壁228-S2はテーパがない、または無視できるほどしかない。
【0044】
記したように、方法(300)の(302)および(304)は、キャビティの多数の断面を形成するために反復させることができる。本実施例では、過程は6回反復される。したがって、第2の断面S2が形成された後に、第3の断面を形成し、第4の断面を形成し、第5の断面を形成し、第6の断面を形成することができる。分かるように、方法(300)の(302)および(304)は、キャビティ210の所望の幾何的形状を達成するためにあらゆる適切な回数繰り返すことができる。いくつかの実施では、(302)および(304)は、キャビティの少なくとも一部が所定の深さに到達するまで反復させることができる。他の実施では、(302)および(304)は、所定の深さに到達するように、所定の回数反復させることができる。所定の深さに到達するのに必要な反復の所定の回数は、所与のスライスを取り除く間、および/または輪郭通過中のレーザビームの強度、スキャン速度、および材料を取り除くために使用される所定のパターンによって左右される可能性がある。いくつかの実施では、キャビティの形成された断面の全てが同じ厚さまたは垂直高さを有する。他の実施では、断面は同じ厚さを有する必要はない。例えば、キャビティ210の最後の断面を形成する際、レーザビームの力または強度を調節する(例えば、減少させる)ことができ、したがって、最後の断面の厚さはキャビティ210の他の形成された断面より小さい厚さであり得る。
【0045】
(308)では、
図3を参照して、方法(300)は、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くために構成部品をレーザアブレーションするステップを含んでいる。特に、断面毎に余剰側壁材料を取り除くための(304)での構成部品のレーザアブレーションは、
図12に示すように、キャビティ210のブラインド端部214でのこぶまたは丸い形状につながる。特に、各断面の輪郭に沿ったレーザエネルギーショットは、他の領域より多くの材料をキャビティ210の輪郭または側壁周りで取り除き、その結果、丸い形状を有する余剰端部壁面材料224はキャビティ210のブラインド端部214に留まる。したがって、
図13に示すように、所定の深さD1にキャビティ210の端部壁面226を形成するように、余剰端部壁面材料224を取り除くために浄化レーザアブレーションショットまたは通過が行われる。
【0046】
特に、コントローラ112は、レーザ源102に所定の強度または力でレーザエネルギーを放出させることができ、放出されたレーザビーム106が所定のパターンで余剰端部壁面材料224に沿って移動またはスキャンするように、アクチュエータ110に調節可能レンズ104の配向を調節させることができる。レーザビーム106は余剰端部壁面材料224を打ち、構成部品200から取り除く。このように、キャビティ210の端部壁面226は、仕様通りに、例えば、所定の深さD1に形成することができる。図示するように、得られたキャビティ210の側壁および端部壁面226は、高精度で仕様通りに形成される。いくつかの実施では、(308)でキャビティ210の端部壁面226を形成するように余剰端部壁面材料224を取り除くために構成部品をレーザアブレーションする際に、端部壁面226の全体は、例えば、端部壁面226が平らであるまたは実質的に平らである(例えば、キャビティ210の長手方向長さに垂直である5°以内である)ように、所定の深さD1に形成される。
【0047】
余剰端部壁面材料224をレーザアブレーションするために使用される所定のパターンは、余剰端部壁面材料224の予測形状に少なくとも部分的に基づいて判断することができる。レーザビーム106の強度または力、レーザスキャン速度、および断面の輪郭に沿って行われる輪郭レーザショットの数は、余剰端部壁面材料224の形状を予測する際に考慮することができる。余剰端部壁面材料224をレーザアブレーションするために選択された所定のパターンは、余剰端部壁面材料224の予測形状に少なくとも部分的に基づいて調節することができる。
【0048】
図14は、本主題の例示的実施形態による例示的演算システム400を提供する。本明細書に記載したコントローラ112は、様々な構成部品を備え、以下に記載する演算システム400の1つまたは複数の演算デバイス402の様々な機能を行うことができる。
【0049】
図14に示すように、演算システム400は、1つまたは複数の演算デバイス402を備えることができる。演算デバイス402は、1つまたは複数のプロセッサ、および1つまたは複数のメモリデバイス406を備えることができる。1つまたは複数のプロセッサ404は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、および/または他の適切な処理デバイスなどのあらゆる適切な処理デバイスを含むことができる。1つまたは複数のメモリデバイス406は、これに限らないが、非一時的コンピュータ可読媒体、RAM、ROM、ハードドライブ、フラッシュドライブ、および/または他のメモリデバイスを含む、1つまたは複数のコンピュータ読取可能媒体を含むことができる。
【0050】
1つまたは複数のメモリデバイス406は、1つまたは複数のプロセッサ404によって実行することができるコンピュータ読取可能指示408を含む、1つまたは複数のプロセッサ404によってアクセス可能な情報を記憶することができる。指示408は、1つまたは複数のプロセッサ404によって実行される場合に、1つまたは複数のプロセッサ404に本明細書に記載した動作のいずれかなどの動作を行わせるあらゆるセットの指示であってもよい。例えば、本明細書で提供される方法は、演算システム400によって全体的にまたは部分的に実施することができる。指示408は、あらゆる適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアである可能性がある、またはハードウェア内で実施することができる。加えて、および/または代替形態では、指示408はプロセッサ404上で論理的および/または仮想的に別のスレッドで実行することができる。メモリデバイス406はさらに、プロセッサ404によってアクセスすることができるデータ410を記憶することができる。例えば、データ410はモデル、データベースなどを含むことができる。
【0051】
演算デバイス402はまた、(例えば、ネットワークを介して)例えばレーザシステム100の他の構成部品と通信するために使用されるネットワークインターフェイス412を備えることができる。ネットワークインターフェイス412は、例えば、送受信機、受信機、ポート、アンテナ、および/または他の適切な構成部品を含む、1つまたは複数のネットワークとインターフェイス接続するためのあらゆる適切な構成部品を含むことができる。
【0052】
本明細書で論じた技術は、コンピュータベースシステム、およびコンピュータベースシステムによって取られる動作、およびそこへおよびそこから送信される情報に言及している。当業者は、コンピュータベースシステムの固有のフレキシビリティにより、構成部品間の作業および機能の幅広い種類の可能な構成、組合せ、および分割を可能にすることが分かるだろう。例えば、本明細書で論じた過程は、単一の演算デバイス、または組み合わせて動作している多数の演算デバイスを使用して実施することができる。データベース、メモリ、指示、およびアプリケーションは、単一のシステム上で実施する、または多数のシステムにわたって分配することができる。分配された構成部品は、直列または並列に動作することができる。
【0053】
様々な実施形態の特定の機構がいくつかの図面に示されており、その他には示されていないことがあるが、これは利便性のためのみである。本開示の原理により、図面のあらゆる機構は、あらゆる他の図面のあらゆる機構と組み合わせて言及および/または主張することができる。
【0054】
本明細書は、あらゆるデバイスまたはシステムを作ることおよび使用すること、およびあらゆる組み込まれた方法を行うことを含む、最良の形態を含む発明を開示するための、また当業者が発明を実施することを可能にするための実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が思い付く他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文字通りの表現と異ならない構造的要素を含む場合、または特許請求の範囲の文字通りの表現とのごくわずかな差を有する等価の構造的要素を含む場合に、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【0055】
本発明のさらなる態様は、以下の節の主題によって提供される。
【0056】
キャビティを形成するために構成部品をレーザアブレーションする方法は、(a)キャビティの断面の少なくとも一部分が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするステップと、(b)断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションするステップと、(c)キャビティの1つまたは複数の後続の断面を形成するために、方法のステップ(a)および(b)を反復するステップと、(d)ステップ(c)での反復の後に、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くために、構成部品をレーザアブレーションするステップとを含む。
【0057】
あらゆる前述の節の方法では、ステップ(b)で構成部品から余剰側壁材料を取り除くために断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションするステップは、断面の輪郭に沿って構成部品を複数回レーザアブレーションするステップを含む。
【0058】
あらゆる前述の節の方法では、構成部品は、キャビティの1つまたは複数の後続の断面の所与の1つの少なくとも一部が形成されるように、材料の後続のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするように、方法がステップ(a)に反復する前に、ステップ(b)で複数回、断面の輪郭に沿ってレーザアブレーションされる。
【0059】
あらゆる前述の節の方法では、材料のスライスは、ステップ(b)で余剰側壁材料がレーザアブレーションによって取り除かれる前に、ステップ(a)でレーザアブレーションによって取り除かれる。
【0060】
あらゆる前述の節の方法では、構成部品は、キャビティの1つまたは複数の後続の断面の次の1つの少なくとも一部が形成されるように、材料の後続のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするように方法がステップ(a)に反復する前に、ステップ(b)で断面の輪郭、またはキャビティの1つまたは複数の後続の断面の所与の1つに沿ってレーザアブレーションされる。
【0061】
あらゆる前述の節の方法では、ステップ(b)で断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションすることにより、断面を形成する1つまたは複数の側壁がテーパ状でないように、構成部品から余剰側壁材料を取り除く。
【0062】
あらゆる前述の節の方法では、ステップ(d)でレーザアブレーションによって取り除く前に、余剰端部壁面材料は、その断面に沿って丸い形状を有し、丸い形状は丸い形状の残りの部分より大きな深さで周を有する。
【0063】
あらゆる前述の節の方法では、方法(300)のステップ(a)および(b)は、キャビティの少なくとも一部が所定の深さに到達するまで、ステップ(c)で反復される。
【0064】
あらゆる前述の節の方法では、方法(300)のステップ(a)および(b)は、所定の数の反復が行われるまで、ステップ(c)で反復される。
【0065】
あらゆる前述の節の方法では、構成部品はセラミックマトリックス複合材料構成部品である。
【0066】
あらゆる前述の節の方法では、構成部品はガスタービンエンジン用タービンノズルであり、キャビティはその密封スロットである。
【0067】
あらゆる前述の節の方法では、ステップ(d)でキャビティの端部壁面を形成するように、余剰端部壁面材料を取り除くために構成部品をレーザアブレーションする際に、端部壁面の全体が所定の深さに形成される。
【0068】
密封スロットを形成するためにタービンノズルをレーザアブレーションする方法は、(a)密封スロットの断面の少なくとも一部分が形成されるように、タービンノズルから材料のスライスを取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップと、(b)密封スロットの断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、タービンノズルから余剰側壁材料を取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップと、(c)所定の深さに密封スロットの端部壁面を形成するように、余剰端部壁面材料を取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップとを含む。
【0069】
あらゆる前述の節の方法では、ステップ(c)の前に、密封スロットの1つまたは複数の後続の断面に対して方法のステップ(a)および(b)を反復するステップをさらに含む。
【0070】
あらゆる前述の節の方法では、ステップ(b)でタービンノズルをレーザアブレーションするステップは、断面の輪郭に沿ってレーザを複数回スキャンするステップを含む。
【0071】
あらゆる前述の節の方法では、タービンノズルはセラミックマトリックス複合材料で形成されている。
【0072】
非一時的コンピュータ可読媒体は、レーザシステムのコントローラの1つまたは複数のプロセッサによって実行される場合に、コントローラに、(a)キャビティの断面の少なくとも一部が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くためにレーザシステムに構成部品をレーザアブレーションさせ、(b)断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、レーザシステムに断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションさせ、(c)レーザシステムにキャビティの1つまたは複数の後続の断面に対して(a)および(b)を反復させ、(d)(c)での反復の後に、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くためにレーザシステムに構成部品をレーザアブレーションさせるコンピュータ実行可能指示を含んでいる。
【0073】
あらゆる前述の節の非一時的コンピュータ可読媒体では、材料のスライスは、ステップ(b)で余剰側壁材料がレーザアブレーションによって取り除かれる前に、ステップ(a)でレーザアブレーションによって取り除かれる。
【0074】
あらゆる前述の節の非一時的コンピュータ可読媒体では、構成部品は、キャビティの1つまたは複数の後続の断面の所与の1つの少なくとも一部が形成されるように、材料の後続のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするように方法がステップ(a)に反復する前に、ステップ(b)で断面の輪郭に沿って複数回レーザアブレーションされる。
【0075】
あらゆる前述の節の非一時的コンピュータ可読媒体では、構成部品はガスタービンエンジン用タービンノズルであり、キャビティはその密封スロットである。
【0076】
システムは、レーザビームを放出するレーザ源と、レーザビームを案内する調節可能レンズと、調節可能レンズに動作可能に結合されたアクチュエータと、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のメモリデバイスを有し、レーザ源およびアクチュエータに通信可能に結合されたコントローラとを備え、1つまたは複数のプロセッサは、(a)材料のスライスがそこから取り除かれ、それによってキャビティの断面の少なくとも一部を形成するように、構成部品をレーザアブレーションするためにレーザ源およびアクチュエータを集合的に制御し、(b)構成部品から余剰側壁材料を取り除いて断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションするためにレーザ源およびアクチュエータを集合的に制御し、(c)レーザシステムに、キャビティの1つまたは複数の後続の断面に対してステップ(a)および(b)を反復させ、(d)ステップ(c)での反復の後に、余剰端部壁面材料を取り除いて所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品をレーザアブレーションするためにレーザ源およびアクチュエータを集合的に制御しするように構成されている。
【0077】
発明のさらなる態様は、以下の節の主題によって提供される。
【0078】
1.キャビティを形成するために構成部品をレーザアブレーションする方法は、(a)キャビティの断面の少なくとも一部分が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするステップと、(b)断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションするステップと、(c)キャビティの1つまたは複数の後続の断面を形成するために、方法のステップ(a)および(b)を反復するステップと、(d)ステップ(c)での反復の後に、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くために、構成部品をレーザアブレーションするステップとを含む。
【0079】
2.あらゆる前述の節の方法では、ステップ(b)で構成部品から余剰側壁材料を取り除くために断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションするステップは、断面の輪郭に沿って構成部品を複数回レーザアブレーションするステップを含む。
【0080】
3.あらゆる前述の節の方法では、構成部品は、キャビティの1つまたは複数の後続の断面の所与の1つの少なくとも一部が形成されるように、材料の後続のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするように、方法がステップ(a)に反復する前に、ステップ(b)で複数回、断面の輪郭に沿ってレーザアブレーションされる。
【0081】
4.あらゆる前述の節の方法では、材料のスライスは、ステップ(b)で余剰側壁材料がレーザアブレーションによって取り除かれる前に、ステップ(a)でレーザアブレーションによって取り除かれる。
【0082】
5.あらゆる前述の節の方法では、構成部品は、キャビティの1つまたは複数の後続の断面の次の1つの少なくとも一部が形成されるように、材料の後続のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするように方法がステップ(a)に反復する前に、ステップ(b)で断面の輪郭、またはキャビティの1つまたは複数の後続の断面の所与の1つに沿ってレーザアブレーションされる。
【0083】
6.あらゆる前述の節の方法では、ステップ(b)で断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションすることにより、断面を形成する1つまたは複数の側壁がテーパ状でないように、構成部品から余剰側壁材料を取り除く。
【0084】
7.あらゆる前述の節の方法では、ステップ(d)でレーザアブレーションによって取り除く前に、余剰端部壁面材料は、その断面に沿って丸い形状を有し、丸い形状は丸い形状の残りの部分より大きな深さで周を有する。
【0085】
8.あらゆる前述の節の方法では、方法(300)のステップ(a)および(b)は、キャビティの少なくとも一部が所定の深さに到達するまで、ステップ(c)で反復される。
【0086】
9.あらゆる前述の節の方法では、方法(300)のステップ(a)および(b)は、所定の数の反復が行われるまで、ステップ(c)で反復される。
【0087】
10.あらゆる前述の節の方法では、構成部品はセラミックマトリックス複合構成部品である。
【0088】
11.あらゆる前述の節の方法では、構成部品はガスタービンエンジン用タービンノズルであり、キャビティはその密封スロットである。
【0089】
12.あらゆる前述の節の方法では、ステップ(d)でキャビティの端部壁面を形成するように、余剰端部壁面材料を取り除くために構成部品をレーザアブレーションする際に、端部壁面の全体が所定の深さに形成される。
【0090】
13.密封スロットを形成するためにタービンノズルをレーザアブレーションする方法は、(a)密封スロットの断面の少なくとも一部分が形成されるように、タービンノズルから材料のスライスを取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップと、(b)密封スロットの断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、タービンノズルから余剰側壁材料を取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップと、(c)所定の深さに密封スロットの端部壁面を形成するように、余剰端部壁面材料を取り除くためにタービンノズルをレーザアブレーションするステップとを含む。
【0091】
14.あらゆる前述の節の方法では、ステップ(c)の前に、密封スロットの1つまたは複数の後続の断面に対して方法のステップ(a)および(b)を反復するステップをさらに含む。
【0092】
15.あらゆる前述の節の方法では、ステップ(b)でタービンノズルをレーザアブレーションするステップは、断面の輪郭に沿ってレーザを複数回スキャンするステップを含む。
【0093】
16.あらゆる前述の節の方法では、タービンノズルはセラミックマトリックス複合材料で形成されている。
【0094】
17.非一時的コンピュータ可読媒体は、レーザシステムのコントローラの1つまたは複数によって実行される場合に、コントローラに、(a)キャビティの断面の少なくとも一部が形成されるように、構成部品から材料のスライスを取り除くためにレーザシステムに構成部品をレーザアブレーションさせ、(b)断面の1つまたは複数の側壁を形成するように、構成部品から余剰側壁材料を取り除くために、レーザシステムに断面の輪郭に沿って構成部品をレーザアブレーションさせ、(c)レーザシステムにキャビティの1つまたは複数の後続の断面に対して(a)および(b)を反復させ、(d)(c)での反復の後に、所定の深さにキャビティの端部壁面を形成するように、構成部品から余剰端部壁面材料を取り除くためにレーザシステムに構成部品をレーザアブレーションさせるコンピュータ実行可能指示を含んでいる。
【0095】
18.あらゆる前述の節の非一時的コンピュータ可読媒体では、材料のスライスは、ステップ(b)で余剰側壁材料がレーザアブレーションによって取り除かれる前に、ステップ(a)でレーザアブレーションによって取り除かれる。
【0096】
19.あらゆる前述の節の非一時的コンピュータ可読媒体では、構成部品は、キャビティの1つまたは複数の後続の断面の所与の1つの少なくとも一部が形成されるように、材料の後続のスライスを取り除くために構成部品をレーザアブレーションするように方法がステップ(a)に反復する前に、ステップ(b)で断面の輪郭に沿って複数回レーザアブレーションされる。
【0097】
20.あらゆる前述の節の非一時的コンピュータ可読媒体では、構成部品はガスタービンエンジン用タービンノズルであり、キャビティはその密封スロットである。
【符号の説明】
【0098】
10 ターボファン、高バイパスターボファンジェットエンジン
12 長手中心線、長手軸
14 ファン部分
16 コアタービンエンジン
18 外側ケーシング
20 環状コア入口
22 低圧コンプレッサ
24 高圧コンプレッサ
28 高圧タービン
30 低圧タービン
32 ジェット排出ノズル部分
34 高圧シャフトまたはスプール
36 低圧シャフトまたはスプール
38 可変ピッチファン
40 ファンブレード
42 ディスク
44 作動部材
48 前面ナセル
50 外側ナセル
52 出口ガイド羽根
56 バイパス空気流通路
58 空気
60 入口
62 矢印
64 矢印
66 燃焼ガス
68 HPタービン固定子羽根
70 HPタービン回転子ブレード
72 LPタービン固定子羽根
74 LPタービン回転子ブレード
78 ガス経路
100 レーザシステム
102 レーザ源
104 ミラーまたは調節可能レンズ
106 レーザビーム
108 焦点
110 アクチュエータ
112 コントローラ
200 構成部品
210 キャビティ
212 開口端部
214 ブラインド端部
216 外側表面
220-S1、220-S2 テーパ状側壁
222-S1、222-S2 余剰側壁材料
224 余剰端部壁面材料
226 端部壁面
228-S1、228-S2 側壁
400 演算システム
402 演算デバイス
404 プロセッサ
406 メモリデバイス
408 コンピュータ読取可能指示
410 データ
412 ネットワークインターフェイス
A 軸方向
R 径方向
P ピッチ軸
S1 第1の断面
S2 第2の断面
V 垂直方向
L 横方向
T 横断方向
【外国語明細書】